○
羽仁五郎君
出入国管理令の
関係では第二十四條の二項にもございますように、これは特定の場合でありますけれども、
外務大臣が
法務総裁とあらかじめ協議しなければならないというような点にも現われておりますし、これは端的に現われておるのでありますが、これらの
法律案は
外務委員会において最も適正なる
審議が行われることと深く
確信をいたすのでございますけれども、
連合を
お願いいたしました
法務委員会の一員といたしまして
最後に
政府に向
つて伺つておきたいことがございます。
その第一点は、とかく或る種の
法律において、特殊の
事情から或いは例外的な、或いは多少
憲法乃至
法律の一般の
原則から外れたような規定がされるということは
法体系の上から憂うべきことがあるということは皆さまも御承認下さるところであると存じます。いわゆる
例外法というものが遂には本法を覆えしてしまうという悲惨な経験は我々
自身も持
つておりますし、又
世界の各国の歴史の上にもあ
つた悲しむべきことであ
つたのでございます。そういう
意味で、これは
出入国並びに
外国人登録に関する
法案でございますけれども、併しその上において、いやしくも
憲法又はその他の一般的な
法律において確立せられたる
原則というものはそれを嚴守するという
態度がとられるのが望ましいのでありまして、それぞれの
事情に
伴つてそれらを或いは緩和し、或いは拡大し、或いは別個の
関係において
措置せられるということは望ましくないということは、すでに
外務委員会各位においても私の
政府に対する
質疑の問に御
了解下す
つたことであると存ずるのでありますが、さてもうその個々の点については改めて立入りません。立入りませんが、例えばその
一つの例を申上げれば、
前回意見長官に向
つて伺いましたような点で、或る団体を結成し又は加入しているという以外の密接な
関係を有するというような文字が
法律の上に出て参るということは、法が常に明確でなければならないという
原則の上から誠に問題ではないかというように
考えます。これについては殆んど
政府としてもそういうことが望ましいというふうにはお
考えにな
つておいでにならないだろうと思う。それは
一つの例でありまして、私
自身が問題にいたしました点にしても十指に余る各点につきまして民主主義的な法の
原則という点から
議論の余地があるのではないかと存ぜられる点があるのであります。従いましてそういうような法が国会を通過し、或いはこれが実際に
法律としての効果を発生するというようなことが私は万々ないと、
十分外務委員会において御修正下さることと
確信をするのでございますけれども、併しながら或いはそれらの御修正に漏れましたような点において、そういう問題のあるものが
法律となるような場合を恐れます。而も以上が第一の点でございますが、その第一の点について伺いたいのではなくて、これらの点についてはもうすでに
伺つてございますから、それに他は、
あとは
外務委員会に
お願いをするよりほかないのでありますが、
政府に向
つて伺つておきたいのは、そのように
法律自体としても幾多の問題が或いはあるのではないかというようなことが、現在の
国際情勢において、言うまでもなくその一、二を挙げましても、例えば
朝鮮における
状態というものは暫らく不幸な
状態が続いておりましたけれども、最近においてそうした不幸な
状態が立派に解決せられて平和の
状態がそこに実現せられるという見込は極めて近いというように判断をされております。従いましてこれらの
朝鮮或いは
台湾などにおいて、現在異常な
状態が続いております際に、こうした
法律が施行せられるということについて一層さまざまの不安を、
関係せられる
かたがたが感ぜられることも誠に尤もであるというようにも
考えられる。少くともそういう理由があるということは
政府においても
了解せられることではないかと思うのであります。それから又現在まで行われております
ポツダム宣言受諾に
伴つて発せられております
外務省関係の諸
命令というものによ
つて行われておる
強制退去というような
措置につきましても、やはり今のように非常に紛糾しておる
状態において
強制的な
退去ということが求められますと、その御本人が多大の不安を感ぜられるということも誠に無理からんことかと思われるのであります。そこでこの際
政府に向
つて所見を明らかに
伺つておきたいと思いますのは、現在そうした
国際情勢が異常な
緊張状態にあるという時期におきまして、
ポツダム宣言受諾に
伴つて外務省関係で発せられておる
命令によりますところの
強制退去の
措置であるとか、或いはこれらの
出入国管理乃至
外人登録等に関する
措置で、特にそれに
関係する
かたがたが非常な不安を感ぜられるような
措置については、特段に愼重の
措置をおとり下さる御
意思があるのかどうか。この点についてどうぞはつきりした御
答弁を下す
つて、少くともそれらに関する限り、無用な、不安を抱かれ或いはその無用な不安に基きましてさまざまな悲しい
事件が起ることがないようにして頂くことができるか。私はできますことを切望するのでありますが、その点についてどうかはつきりした
お答えを頂いておきたいと思うのでございます。