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吉川末次郎君 專ら
浅井総裁にこの機会にお伺いいたしたいと思いますが、昨日もあなたがお留守に多少聞いたのでありますが、十分に満足するような御
答弁を得られなかつたのであります。それで御
質問申上げる。私の基本的な立場について、多少意見の開陳に亘らない
程度において
質問に関連して申上げたいと思いますが、昨日も言つた通り、この
法案がいわゆる世間に
一般に言われておる政治の逆コースの線に沿うて出されているものであるという感が私には実は非常に強いのでありまして、これは本
会議におきましても、総理
大臣の施政方針演説に関連いたしまして、若干申上げたことなのでありますが、吉田さん、岡崎国務相その他の現政府の政治意見というものが基本的に、新憲法の基本的な精神というものをば理解していないと、まあ私は実は独断であるかも知れませんが、
考えておるわけであります。例えて申しますれば、総理
大臣は国
会議員の中から選任されるというようなことが憲法に規定されておりましても、その立法の精神は、民主主義的な立場において国
会議員の中から政党の第一党の総裁が民意を代表して総理
大臣になるということがその
制度の建前だと思いますけれ
ども、併し新憲法そのものの基本的な精神を吉田さんは理解していらつしやらない立場から、そんなものは実はどうでもいいんであ
つて、総理
大臣になるということが第一要件である。総理
大臣になるために現在の憲法は甚だ気に入らんのだけれ
ども、吉田さんが総理
大臣になるためには国
会議員の選挙を一遍や
つて来なくちやならんというような規定にな
つているから、仕方がなしに土佐で立候補して衆議院議員に
なつた。結果においては同じことでありますが、モチーヴがどちらにあるかということは、これは政治精神の上においては、非常な相違であります。総理
大臣になるために憲法の規定には賛成じやないのだけれ
ども、仕方がないから衆議院議員に立候補しようというのと、初めから民意を代表するところの国
会議員として大衆の中から選ばれて来たところの人が国民の総意を代表して総理
大臣になるのとは基本的な政治の私は
見解の相違と思うのでありますが、これはところが政治的に
考えると問題があるのであります。それで最近において行われておりまするところの行政機構の改革等に関するところの吉田さん及び吉田さんによ
つて代表されているところの現内閣の
考えを見まするというと、今の吉田さんと同じような
考え方、要するに戰後マツカーサー・アドミニストレーシヨンの関連性において行われた日本の民主化のために行われた諸種の
制度というものを、その基本的な精神というものを、十分に理解しないで、そうして局部的な弊害のようなものが少しでも暴露されるようなことが起りまするというと、こんなことが起るんだから、これはいけないのだということで以て、これを全面的に廃止するとか或いは逆コースの方向へいろいろ持
つて行こうとしていらつしやる。私は本
会議において申上げたのでありますが、いろいろな
委員会、執行
委員会の
制度であります。例えば地方財政
委員会であるとか、その他いろいろな、いわゆるコンミツシヨン・ガヴアメントの
制度は外国においては、これは三権分立以外の第四権とも言うべき
一つの新らしいフオームの政治組織であ
つて、それにはいろいろな民主的な立場からその民主主義の精神を実現するところの
一つのいい面を非常に持
つておる。ところがこれは新らしい日本の終戰後の
制度であ
つて、戰前の古い吉田さん等の明治憲法のセンスからするとわからないのです。多くの吉田さんによ
つて代表されておるところの自由党の党人と、そしてその官僚上りの閣僚というものはやはりわからない。だものだからして、何とか、かんとか文句を付けてこれを廃止しようと、行政機構の改革をしようとしておる。で、そのときにも言つたのでありますが、その
一つとして先ず第一に私は
浅井総裁にお聞きしておきたいことは、今のような
考え方の線に沿うて、やはり新らしいこの
国家公務員法というものができて、新らしい官吏に対する人事行政の規定の法律として、
国家公務員法に基くところのあなたの主宰されている
人事委員会の
人事院というものができておるのでありますが、行政機構の改革の一環として明治憲法のセンスから少しも脱却しないで新憲法の基本的精神であるところのデモクラシイ、或いは主権在民という観念をこれは毫も理解していないのです。吉田さんの平素の言動から推して……。そうして文部
大臣に君が代の復活をやらしたり、或いは紀元節の復活をやらさせたりして、私は品を酸つぱくして天野さんのそういう観念が新憲法の蹂躪だと
言つておるけれ
ども、幾ら言つた
つてあの人はセンスが古くてわからないのです。それと同じ線に沿うて、この
人事院が持
つておるところの日本の官吏
制度におけるところの
一つの民主主義的な新らしいプリンシプルというものはやはりわか
つていないのです。それで今度はこれを廃止しようと政府は企んでおるということは、これは一般の知るところであります。それに対して私本
会議でもあなたの御
答弁を促したかつたのでありますけれ
ども、お留守でありまして、御
答弁を伺うことができなかつたのでありますが、
一つ明確に意を盡して我々が納得することができるように、それに対する御
答弁を得たいのでありますが、御
答弁の内容としては恐らくまだそういうことが別に明確に決定して表面に出ているわけではありませんから、形式上はですよ……。併しまあ実質上はそういうことが有力に動いておるのであります。
人事院というものを、そうした逆コースの線に沿うて民主主義を理解しないところの明治憲法時代の感覚に基いて吉田さんたちがこれを廃止しようとしているのです、あなたの主宰されておるところの役所を……。それに対してあなたはどうお
考えにな
つておるか。又私がいろいろ申上げたことに関連して、どのように
考えておるかということについての御答外を
一つお願いします。