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1952-06-04 第13回国会 参議院 運輸委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月四日(水曜日)    午後二時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小泉 秀吉君    委員            植竹 春彦君            仁田 竹一君            小野  哲君            高木 正夫君            小酒井義男君           前之園喜一郎君           深川榮左エ門君            鈴木 清一君   委員外議員            内村 清次君   衆議院議員            關谷 勝利君            岡田 五郎君   政府委員    運輸省船舶局長 甘利 昂一君    運輸省鉄道監督    局長      荒木茂久二君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君   法制局側    法制局第二部長 岸田  実君   説明員    運輸省大臣官房    文書課長    谷  伍平君    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○離島航路整備法案衆議院送付) ○道路交通事業抵当法案植竹春彦君  外十三名発議) ○造船法の一部を改正する法律案(衆  議院提出) ○一般運輸事情に関する調査の件  (国鉄職員夏期手当に関する件)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それではこれより運輸委員会を開会いたします。  先ず離島航路整備法案議題といたします。発議者衆議院議員關谷勝利君から提案理由の御説明をお願いいたします。
  3. 關谷勝利

    衆議院議員關谷勝利君) 只今議題となりました離島航路整備法案提案理由を御説明申上げます。  この法律案は、離島航路における旅客定期航路事業地方民日常生活及び地方産業発達並びに文化の伸展に密接な関係があるにもかかわらず、後に述べますような種々事情のため極めて窮迫した状態にありますので、それについて国の特別の助成措置を定めることにより、離島航路維持及び改善を図ることを目的として、提案いたした次第であります。  現在、我が国において、船舶以外に全く交通機関のない地点間を連絡するいわゆる離島航路は四百八十九航路ありまして、そのほかに、他に交通機関があつてもそれを利用することは著しく不便であるため船舶によらざるを得ない地点間を連絡する準離島航路とも称すべき航路を加えますと、その数は六百三十二に達し、国内の全旅客定期航路中の約八割を占めております。これらの航路は日々数十万人の旅客の多量の郵便物、その地離島民生活必需物資を運んでいるのでありまして、離島民にとりましてはこれなくしてはその生活維持することのできない不可欠の交通機関なのであります。  このように、離島航路はあたかも陸上の道路にも比すべきものでありまして、公共性の極めて高いものでありますが、今、その現状を見まするに、離島航路事業は、その有する公共性のために、海上運送法による免許事業として種々の規制を受けておりまして、事業者の採算のみを基礎とした自由な経営は許されない上に、その運賃は同法の認可を要するのでありまして、常時、規制された状態にあり、而も現行の料率は利用者負担力から見て、その限度に達しておりますため、現在以上の運賃の値上は極めて困難でありまして、そのために、赤字経営を余儀なくされている航路も少くなく、それらの航路経営者航路改善はおろか、その維持すらも不可能な事態に追込まれているのであります。  尤も、これに対しましては、本年度二千五百万円の航路補助金が交付されることになつているのでありますが、これとても僅かに三十一航路に対してその赤字の極めて一部分を補填するに過ぎないのでありまして、離島航路維持するに足るものとは到底申すことができないのであります。  このように経営上の困難が著しい上に、一方におきまして現在これらの航路において使用されております旅客船はと申しますと、その半数近くがすでに耐用年数を経過した老朽船であるばかりでなく、耐用年数を経過しないものの中にも機関の非能率なもの或いは船舶安全性を確保するため大規模な改造を要するもの等が少くないのでありまして、これらの船舶は人命の安全を保持するため、早急に代替又は改造を必要とする状態であります。このような事情の下に、離島航路事業民生の安定及び向上に対する影響の重大性考えますならば、国として、このような事態を放置することは決して許されないのでありまして、離島航路維持及び改善を図るために、離島航路事業に関し、特別の助成措置を是非とも定める必要があると存ずるのであります。この法律案は、以上のような観点に立ちまして従来海上運送法に基く補助金制度離島航路事業経営を助成するための補助金制度整備しこれを明確化すると共に、金融機関が、離島航路事業に対し、その事業の用に供する船舶建造又は改造に要する資金を融通するときは、政府は、その金融機関と、その融資につき三割を限度として損失を補償し、又は年四分の利子を補給する旨の契約を結ぶことができるようにいたしたものであります。このような特別の措置によりまして、離島航路維持及び改善を図り、以て民生の安定及び向上に資したい所存であります。  何とぞ愼重御審議上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  4. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 本件に関しまする質疑は次回に譲りたいと思いまするが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡田信次

    岡田信次君 この法案審議するために難島航路の実況を明らかにしておる資料を頂きたいと思います。
  6. 關谷勝利

    衆議院議員關谷勝利君) 揃えておりますのが誠に不手際で申訳ございません。
  7. 岡田信次

    岡田信次君 大体私ども考えているのは航路補助の現在の実績であるとか、或いは航路事業者経営の状況とか、航路の数と輸送量とか、或いは稼動船舶耐用年数とか、そういうようなものが欲しいのですが、そういうものは御用意になつておりますか。
  8. 關谷勝利

    衆議院議員關谷勝利君) あります。早急にお手許にお届けするようにいたします。
  9. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) では次回までに今岡田君から要求せられました資料を各位に御配付を願いたいと思います。   —————————————
  10. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは次に道路交通事業抵当法案議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑をお願いいたします。
  11. 高木正夫

    高木正夫君 本法案は誠に時宜に適したものと思うわけであります。つまり自動車抵当によりまして短期の融資ができる、この法案によりまして長期融質もできる、誠に結構なことだと思うのでありますが、法制整備はこれでいいと思うんですが、私の伺いたいのはもう伺つてあるかも知れませんが、これに対する金融の裏付け、これを政府のほうでどういうような措置をなされておるか、法制をこしらえましても従来のようなままでは、特に今日のように金融の困難な時代におきましては、なかなかそう簡単には行かんと思うんです。金融業者との繁がりはどういうふうに持つて行くか、或いは政府金融業者に対する監督と申しますか、それをどの程度まで御交渉頂いておるか、そういう金融関係の実質的なお話を承わりたいと思います。
  12. 谷伍平

    説明員谷伍平君) お答え申上げます。金融業者との関係につきましては、もともとこの法案立案に当つてどもは御相談を受けました際にも、その前々から興業銀行その他からこういう法案制定の必要を強く要請せられておりました。意見書もたびたび頂戴しておりまして、この法案を作ります際にも細部の点に亘りますまで、金融機関側の御意見も十分取入れて頂くように参議院の関係方面と御連絡いたしまして立案をお願いしたような次第でございまして、この法案の成立につきましては、非常に関心が高まつており、それから又これを拵えまして直ちに金融的の途が放つておいて付くかと申しますと、そうは参りませんので、これによりましてまあ長期資金導入する一応の態勢が整つただげでございまして、資金源につきましての手当は今後とも運輸省としまして格段の努力をして参るべきであり、又そのつもりでおるわけでございます。まあかねていろいろな中小企業に対する金融機関からの資金導入につきましても、本省、中央陸運局を通じまして、御斡旋の労を、甚だ効果は挙つておりませんがとる態勢にはなつておるわけであります。最近の開発銀行融資その他につきましてもこれまで殆んど問題にはされていなかつたのでありますが、開発銀行その他にも呼びかけまして、こういう法案制定されるような機運もあり、自動車道路運送事業通運業等につきまして開銀の融資の枠の中に何とかして割込みたいというわけで、目下努力を続けておるわけでありまして、この席上で具体的な資金の枠の問題について御説明申上げられないのは甚だ遺憾でございますが、そういう次第でございますので、今後とも御指導を頂きまして、この法案によつて受入れ態勢ができたという、周知、宣伝を十分図るべき努力を続けて参りたいと思う次第でございます。
  13. 高木正夫

    高木正夫君 そうすると、只今のところではまだ具体的に何も方策はきまつていない。将来努力するということに承知していいわけですか。
  14. 谷伍平

    説明員谷伍平君) 御承知通りこの計画だけではなくて、具体的な呼びかけも努力をやつておりますが、この席上ではつきりと申上げる段階には残念ながら至つていないということでございます。
  15. 高木正夫

    高木正夫君 将来の方策につきまして大体こういうことをやつたらいいのではないか。今の開発銀行のほうの割込みの問題、その他お考えになつていることをおわかりであつたら御説明願いたいと思います。具体的にこういう方策で進ん行きたいと……。
  16. 谷伍平

    説明員谷伍平君) まあ取りあえずこの法律制定されますことを機会に、今まで非常に道路運送事業通運事業というものは一般中小企業なみに非常に軽く扱われております点を、こういう法律によつて担保力が非常に増して来たので、又官庁として、監督官庁運輸省側としても、これに対する資金の流入、導入ということについて非常な努力をこれから傾注して行くのだということを強く打出して行きたいというふうに考えております。それからこれが末席にはお見えでございませんが、小野委員からの御教示がございまして、従来鉄道抵当法につきましては、はつきり制度的にそういうことになつてつたわけではありませんが、大体において興業銀行において大体まあ世話役と申しますか、一般的にこの法律運用による資金導入についていろいろと官庁側との折衝、連絡をおやり願つてつたような実情でございまして、この法律につきましてもまだ興業銀行側と十分その点について話合つたわけではございませんが、そういう点については、官庁側からのいろいろな御註文、それから金融機関側からのこの法律運用についての御註文を承わり、そういう世話役程度のことをお願いする、実は小野委員からの御忠告がありましてそういうことも織込みまして、いろいろと法律ができましたのを機会に、金融を円滑にする方法を講じて参りたいと思つております。甚だ抽象的で今の御質問お答えにはなりませんのでありますが、まあ現状、現在の段階考えておりますことは以上の通りであります。
  17. 高木正夫

    高木正夫君 私はいろいろこの自動車事業その他について現状考えてみますとなかなか金融方面が非常に困難である、交通関係におきまして私設鉄道だとか、日本通運だとかいうような大きいところは普通の銀行現金融資で、スムースに行つておるかも知れませんが、中小企業に属するトラツク業だとかバス事業だとか、そういうものの金融はなかなか困難になつておると思うのであります。それで一つのアイデアといたしまして交通銀行というようなものは考えられないかどうか、これは併しなかなか容易な問題ではないと思うのであります。現実に即した方法として中央地方でいわゆる交通金庫と申しますか、そういう程度のことを業者が協力してやつたらどうかというようなことを私はまあ思い付いておるわけなんです。それらについて一つ研究を願いたい。これは質問でなしに、希望でありますが、又すでにお考えになつておればどの程度にお考えになつておるかということを承りたい。
  18. 谷伍平

    説明員谷伍平君) 只今交通銀行、それから交通金庫につきましては、これは御承知のように、前々から運輸省としては研究もいたしておりますし、或る程度運輸省としての案を余ほど以前にこれは拵えまして、大蔵省その他に呼びかけたこともあるように聞いておりますが、いずれもまだそこまでの関係方面賛成といいますか、改正がそこまで向いておりませんのでございます。今後はまあ。それから現在のところもまだその問題について何か具体的な案を打ち出して事務的に進めて行くという段階にも達しておらないのでございます。今後はいろいろ御指導を頂きまして、そういう面についての研究をいたして行きたいというふうに考えております。
  19. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) その他に御質疑ございませんか。
  20. 岡田信次

    岡田信次君 昨年六月自動車抵当法制定されて個々の自動車に対して金融の途が開かれたのですが、この法律制定後における効果というか……。
  21. 谷伍平

    説明員谷伍平君) これは或いはあとで詳しい資料をこの委員会に提出したいと存じますが、只今四月分までの実績がまとまつておりますので、これをこの席上に相にく持つて参りませんので、あとでお届けしたいと思います。
  22. 小酒井義男

    小酒井義男君 一つ法制局のほうからお答え願つても結構だと思いますが、例えばこの抵当権として自動車或いはその他の事業所等が設定せられる場合の予測せないいろいろな事故のために、或いは火災による焼失とかいろいろな事故が起つた場合、そういう不安な條件があるということは、金融をする者にとつては非常に融資対象として扱うことが困難じやないかと思うのですが、そういう場合に保険にかけなければいけないというようなことをきめておくことが、おけばですよ、その保険につけておるものをつまり條件として、そうして抵当権の設定ができるということになると、金融業者としては安心をして融資ができるんじやないかと思うのですが、そういうことについてどういうふうにお考えになるか。
  23. 谷伍平

    説明員谷伍平君) これは法律では別に強制するということは考えておりませんのですが、興業銀行その他の財団抵当融資契約の雛形が大体あるわけでございますが、それには大体において債権者側として債務者保険の義務を課しているのが通例のようでございます。その通例に従いますれば、今のお説の点も大体において実際上は解決されておるように存じております。
  24. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) その他御質疑ございませんか。御質疑がなければ、これより討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それではこれより討論に入ります。
  26. 仁田竹一

    仁田竹一君 本案につきましては大分御質疑があつたようでありまするし、質疑の中には意見も相当述べられたようでございまするので、この場合討論を省略いたしましてすぐさま採決に入られんことを動議として提出いたしたいと思います。
  27. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今仁田君から討論省略動議が出ましたが、討論を省略いたしまして直ちに採決に入りますることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議ないと認めます。それではこれより直ちに本案採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  29. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告その他午後の手続等に関しましては、慣例によつて委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議ないと認めます。  なお、慣例によつて本案に御賛成のかたの御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  高田  寛     小泉 秀吉  植竹 春彦     仁田 竹一  小野  哲     高木 正夫  小酒井義男    前之園喜一郎 深川榮左エ門     鈴木 清一   —————————————
  31. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 引続いて造船法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑を願います。  ちよつとお諮りを申上げますが、本案に関して専門員手許において疑問の点その他に関して調査いたしたものがありまするから、御質疑をされる御参考の一助に専門員から調査の結果を報告いたすことにいたしてもよろしいと思いまするが、如何いたしましようか。    〔「やつて頂きましよう」と呼ぶ者あり〕
  32. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それではさようにいたします。
  33. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) この法案の主要な改正点は、第一に、鋼船造修施設届出制許可制に改めることであります。第二には、当該施設の譲受、借受をも許可を要することにすることであります。第三には、対象となる鋼船造修施設を「総トン数百トン以上又は長さ二十五メートル以上」から、現在そ、うなつておりまするが、「総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上」に縮小するということであります。以上三点であります。  この改正理由を掻いつまんで申上げますと、造船能力現状では大体我が国ではバランスがとれておるのでありまするが、民業に転換する旧工廠等合理的生存をも図らねばならんという事情にありまするし、需給のバランスをとつて行くことはなかなか困難でありまするから、造船業混乱を招来するような資本の投下、特に何らの制約なく国際資本が流入することを防止する、そうして国民経済を多角的な点から考えて調整を図つて行くというところに理由の要点があります。  かような改正理由に基きまして以上の改正点審議してみました結果三つの疑問が湧いて来るわけであります。お配りいたしました最後の二枚目のところに一応書いておきましたが、第一には、この提案理由におきましては造船業に対する財政保護政策の実施の必要を非常に力説してありまして、我が国造船業国際競争に解放される場合に収拾できない混乱に陥る虞れがあるという予想をしておるようでございます。従いまして問題の基本的解決国際競争に堪え得る我が国造船業の育成にあると思われるのでありますが、この法案にはこの根本的な解決に触れることなく、ただ消極的に外資の進出を阻止しようとしておる点が目につくようであります。構想としては造船業に対しまして如何なる積極的保護助長策を持つておられるか、そういう点を明かにして頂く必要があるだろうと考えられます。第二には、この改正案による許可につきましては運輸審議会への諮問又は聴聞等手続をとることになつておりません。が、普通こういう場合には審議会なり聴聞等手続をとつて行われておるんでありますが、この法の運用に慎重を期するために、そういう手続をとることに規定したほうがいいのではないかという疑問が第二の問題であります。第三点としましては、この法案の三條の二でありますが、これは許可基準を規定しておりまして、一号は造船能力量的均衡基準一つとし、二号は事業主体経営面を捉えまして、仮に一号の基準を満足させても、「当該造船事業経営がわが国における造船事業の健全な発達を阻害するような競争をひき起す虞がないこと」ということを基準の他の一つとしておるのでありますが、この二号の基準に該当するかどうかということの判定が非常にむずかしいのではないか、この判定の根拠は如何なることを考えておられるかというようなことを明らかにする必要があるように考えられます。以上三点のほかにこの法案におきましては疑問とする点は何ら私どものところでは発見できなかつた次第でございます。以上報告いたします。
  34. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今専門員より調査の結果を報告いたしましたが、質疑をお願いいたします。或いはなお又審議の都合で、只今専門員調査の結果を指摘をいたしました点について発議者から説明を求めることにいたしますか、或いは皆さんから御質疑があれば、その前に御質疑になつても結構であります。
  35. 小酒井義男

    小酒井義男君 今専門員のほうから問題点指摘せられたのですが、それについて発議者のはうで説明をして頂いて、その後に質疑をしたほうがいいと思います。
  36. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは只今小酒井君の動議が出ましたから、只今専門員から指摘をいたしました諸点について発議者から御説明をお願いします。
  37. 岡田五郎

    衆議院議員岡田五郎君) 提案者の一人の岡田でございます。今御質問になりました項目につきましてざつと御答弁申上げます。  第一のこの日本造船工業に対しての保護政策が、この造船法の一部改正に盛られてないのじやないか、どういう造船工業保護について政策考えておるかという御質問のようでございます。御承知のように、各国造船工業に対しましては積極、消極あらゆる保護政策を講じておるのであります。これはもう万般御承知通り造船差額の、建造差額補助と称する形で補助をやつております。又造船金融に対しまして低利なる金融を與えまして金融的な補助をしておるということで、各国海運国におきましてはそれぞれその国持有保護政策を講じておるのでございますが、我が国におきましても、御承知のように、明治初年以来造船奨励法或いは関税定率法或いは製鉄法というような面におきまして、いろいろと造船に対しまして補助を與えておつたのでございまするが、不幸終戦とともに各種産業に対する補助政策を中止せざるを得なくなりまして、現段階におきましては、日本造船工業に対しましては、法律的に、又行政的に何等補助政策が講ぜられていないのであります。又日本の国の現下の財政事情からいたしますると、明治初年以来講ぜられました法律上、その他の財政上の補助ということが差当り期待できないのではないかと私たち考えるのであります。かような意味におきまして、現段階におきましては、造船工業に対しまして、財政的に又法律的に積極的にこれが保護助長ということは、提案者といたしましても考えていないのであります。この造船法の一部改正によりまして、思わざる無秩序な外資導入に基きまして造船工業界混乱に陷らないように、造船工業界が健全なる発達をできまするように、こういう意味におきましてこの造船設備許可造船設備の拡張及び新設又は譲渡ということにつきまして運輸大臣認可を要する、かようにいたしたようなわけでございます。  もう一つは、二問は、この許認可事項をなせ運輸審議会許認可事項にしなかつたか、こういう御質問のようでございます。成るほど運輸審議会審議事項を見ますと、運賃、料金、その他の許認可事項が相当列挙せられておるのでありまするが、私たち提案者といたしましては、法律の第三項にきめました大体方針に基いて運輸大臣が十分慎重審議いたしまして、許認可を與えれば結構ではないか、運輸審議会にかけるほどのものでないと、かように私は考えた次第であります。  次に御質問の第三條の当該造船事業経営我が国における造船事業に健全な発達を阻害するような競争を惹起する虞れがないこと、こういうことについては具体的な何はどうか、こういう御質問のように承わるのであります。これは非常に具体的なものの場合について見ませんとなかなか説明はしにくいと思うのでありますが、御承知のように現在日本造船能力は八十万トン或いは雇用ぺース基礎にして計算いたしますと五十七、八万トンというような計算も出るようでございますが、かような造船雇用ベース基礎とした造船能力があり、又設備能力を基礎として計算いたしますると、七、八十万トンの造船能力があるわけなんでありますが、これに対しまして、現在の受註状況は、御承知のように幸いにいたしまして外国のタンカー約三十万トン近くの註文を受け、国内造船約二十四、五万トンの註文を受けております関係上、現在におきましては大体五十万から六十万近くの受註量を持つておるのであります。大体造船能力にほぼ適合した受註能力を持つておる状態にあるのでございますが、御承知のように海軍の元工廠が講和條約発効後におきましてこれが接収を解放せられ、又種々の禁止條項もございましたが、これも解除になりまして、これが数年を経たずして日本造船能力として活動し得る段階に到達する可能性があるのであります。この旧工廠の造船能力の約十万総トンの造船能力を持つておるようなわけであります。かように計算いたしますると大体約七十万トン近くの造船能力が雇用べースを、雇用量をべースとして計算いたしましても又ストライクの調査と言いまするか、この調査基礎といたしましても、大体先ほど申上げますように七十万総トンの造船能力を持つておるようなわけであります。かような造船能力を持つておりまする日本造船施設に対しまして、果して日本造船所に対する新造船の発註が、今年と同様な五、六十万トンの造船発註があるかどうかということにつきましては、考え方によつては必ずしも楽観的に見通しをつけ得ないと私は考えるのであります、と申しますのは、御承知のように日本に現在発註されておる外国のタンカーその他が現在の国際事情、現在の世界の造船能力基礎といたしまして、材料におきましても、又その他の事情におきましても、悪條件である日本造船所にまで註文をせざるを得ない諸外国の特殊な事情によりまして、三十万総トンの註文を受けておるのであります。一方日本の新造計画というものについて見ましても、恐らくここ数年は外航船につきましても三十万トンから四十万トンの計画浩船といいまするか、何といいまするか、大体三十万トンから四十万トン程度日本国内の外航船を考えざるを得ない財政資金上の実情ではないかと、かようにも考えますると、日本造船能力は必ずしも適正な能力の状態にあり得るとは考え得られないのであります。かような階段の下におきましていろいろとかような全体の造船能力をも勘案せずして、徒らにその一企業体の設備の拡張、徒らに外国資本の無秩序な投資に対しまして、この日本造船工業界が撹乱せられる、その発達が不健全に相成ることを非常に私たちは懸念いたす次第であります。  以上甚だ簡單でございまするが、御質問の三点にお答え申上げます。
  38. 小酒井義男

    小酒井義男君 只今発議者のほうから御答弁があつたのですが、発議者としては造船業我が国の産業に非常に大きな役割を果すという点で重要視をしておられるのでありますが、そういうそれほど重要な産業でありながら、ただ單に外資導入が無制限に入つて混乱を起すということはいけないということだけで届出制許可制に変更すると、それだけで以て本来の目的を達成することができるかどうかということに疑問を持つわけなんです。なおそれでは現在のままでおけばすぐ外資が入つて来てこの造船業混乱に陷れるような問題が差迫つてつておるのかどうか、この事情について少し御説明を願いたい。
  39. 岡田五郎

    衆議院議員岡田五郎君) 現段階におきましては具体的にどこの造船所の買収に外国資本が乗り出して来ておるというようなことは具体的な問題はないのであります。御承知の旧呉工廠をN・B・Cが借用いたしておられますが、これは御承知のように外国のタンカーをこしらえる場合にのみこれを利用する、賃貸借は確か十年であつたと思います。こういう條件で呉の工廠をN・B・Cに貸付せられておる事実は一つあるのであります。その他先ほど申上げましたように、具体的にどこの造船所を外国資本が買収に来ておるということはないのであります。ただ御承知のように講和條約が発効いたしまして、月下友好通商航海條約につきまして、政府におきましていろいろ折衝をしておるのでございますが、この折衝如何によりましては、この造船工業に対する外国資本の進出は全く内国人と平等同一の状態に置かれるわけであります。かような状態に講和條約発効後の関係から、又友好通商航海條約の締結の内容如何によりましては、さような状態に若し置かれますならば、設備において技術において劣らない日本造船所が徒らに外国貸本によつて買収せられ、外国の有力なる資本によつて日本の外国に劣らない設備、外国に劣らない技術、而もこの日本の外国に劣らない設備、技術は日本明治初年以来保護育成に努めて来た結果でき上つたこの造船所の設備、この造船所の技術を外国の資本の力によつて独占せられ、専有せられて、これがために資本カの少ない日本の造艦所が徒らに撹乱され、混乱せしめられるというような結果に相成りますと、御承知のように造船工業は関連産業が二百数十種を持ちます総合工業でありますので、地方的に産業的に経済的に非常に根広き産業でございますので、かような事態が起らないように、又外国資本といえども日本造船工業の健全なる発達に寄與する程度においては運輸大臣においても認可できるように、かようなゆとりを以ちまして実は運輸大臣認可事項といたしたわけでございます。
  40. 小酒井義男

    小酒井義男君 更にお尋ねいたしたい点は外資導入をしなければならないような條件が起る場合、やはり経営上についての種々事情が発生したときにそうした條件が起つておるのであつて、ただ造船事業が正常に運営せられる條件の下で日本造船業者としても外資を受入れるというようなことは考えないと思うのです。いろいろなそうした條件を根本的に解決をするというだけのやはり保護政策の積極的なるものが行われて、初めて今言われたようなことを統制して行くことができるのじやないかと思うのですが、専門員室からの問題点にもあるように、積極的な保護助成ということをなせ考えられなかつたかという点について御説明を願いたい。
  41. 岡田五郎

    衆議院議員岡田五郎君) 実はこの法案提出に当りまして、又法案の内容におきまして、今御質問になりました造船工業に対する積極的な方策は実は時間的な関係もありまして盛りませんでした。ところが実は私たち参議院のかたもそうでございますが、有志相計りまして目下海運及び造船につきまして積極的な助長保護政策を鋭意研究中でございます。成案を得ますれば立法手続をとりまして皆様方の愼重なる御審議を得たいと思つておるのでございます。申すまでもなく日本造船單価は世界稀に見る高單価になつておるのであります。これはもう万々御承知のように日本造船鋼材は世界の造船鋼材に比べまして約三割近く高いのであります。かようなことから行きまして日本造船建造單価は先ほど申上げますように世界稀に見る高い単価であります。かような高い新造船によりまして世界の海運競争に伍して行かなければならない。こういうような事情から勘案いたしましても造船單価をできるだけ世界的な水準、又世界的水準以下になるように助長行政を、行政の面又立法の面においてしなければならない、かように実は考えておるのであります。一例を挙げますと造船に対する開発銀行融資につきましても金利を五分近くにしてもらう、或いは造船用鋼材について二重価格制をとるというような措置、或いは先ほど諸外国でもとつておると申しましたが、建造差額補助というようないろいろとこの造船工業に対する補助政策考えられるのでありますが、何分にもこれらのことにつきましてはそれぞれの財政支出を予想しなければなりません。又それぞれの立法措置を講じなければならない、かように実は考えるのであります。いずれかような積極的な補助政策につきましては、早急に研究が成り次第立法手続きをとりまして御審議を頂きたいと、かように考えておるのでありまするが、講和條約が発効いたしまして、差当り友好通商航海條約未だ締結を経ないこの段階におきましては、諸外国人と内国人というものは日本国内においては全く平等の権利を行使し得る間隙と言いまするか状態に置かれておるわけであります。この状態を利用いたしまして、日本造船施設を強力なる外国の資本によつて買占められるというようなことがあつては非常に困ると、かような実は考えを以ちまして、甚だ消極的でございますが、私たち海運関係に興味を持ち、日頃研究をいたしておる者といたしましては、現段階におきましては未だ満足の状態ではございませんが、かような段階にあることを、又かような段階を経て私たちがこの造船問題その他の問題につきまして対処いたしておることも合せてお汲取り頂きたいと、かように存ずる次第であります。
  42. 小酒井義男

    小酒井義男君 どうでしよう、この法律案についての質疑機会を更にもう一度持たれるようでしたら本日は私はこの程度でやめますが……。
  43. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他の機会を又持つことにいたしましよう。
  44. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 質疑は今日で打切りですか、継続されますか。
  45. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) まだ御質疑があれば継続してよろしうございます。それでは本件に関しては質疑はおありのようでありますから次回に譲つて大体今日は四時程度で終ることになつておりますから、次の案件に移つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは次の案件に移ります。  次に国鉄職員夏期手当に関する件を議題といたします。ちよつと速記をとめて下さい。    午後三時四十三分速記中止    —————・—————    午後四時六分速記開始
  47. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて下さい。  先ほど国鉄職員夏期手当に関する件を議題にいたしましたが、本件に関しまして内村清次君より委員外議員として発言を求められていますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議ないと認めます。それでは内村君。    〔委員長退席、理事岡田信次委員長席に着く〕
  49. 内村清次

    委員外議員(内村清次君) 委員外の質問許可頂きまして感謝いたします。実は時期的に相当緊急を要することだと、かようにまあ認定いたしまして国鉄総裁にお伺いしたいのです。それは先ほども委員長から議題として出されました国鉄職員に対する夏期手当の問題です。この夏期手当の要求に対しまして国鉄総裁としてどのような経過を辿られ、又どういう態度で臨んでおられるか、この点を今日は時間の制約もあるようでございまするからして、極く端的に私も質問いたしますが、総裁も一つ端的にお願いします。
  50. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 夏期手当の問題、この予算的関係ということはこれは申上げるまでもなく内村委員承知だろうと思います。一般公務員の夏期手当の問題、これはもうすでにはつきりいたしております。そこで我が国有鉄道も職員にどういうふうに問題を何して行くかということにつきましては、只今私は運輸大臣にお願いをしております。そうしてできるだけ何と申しますか割りのいい方向に処理して参りたい、かように端的に申しますればそういうことでございます。まだ併しこれがどこに落着くかというところまでは行つておりません。折角運輸大臣もいろいろ御努力下さつております。私どもといたしましても我々の意のあるところを率直に申上げまして、できるだけ割合のいいほうへ持つて行きたいと、かように考えて折角努力いたしております。
  51. 内村清次

    委員外議員(内村清次君) 只今の御答弁ではこの夏期手当に対しましては総裁としても是非組合の要求の線に沿うて、その額の程度はまだわからないけれども、割のいいほうに努力すると、こういうことでございます。問題は、只今の経過の点では落ちておつたようでありますが、これは号俸、いろいろな点から入つて来て心配しておるわけでございますけれども、公式の団体交渉というものがされておらない、こういうようなことで今後の推移というものは相当これは気遣われた問題だと思うのですが、団体交渉の点に対しましてはどういうお考えでしようか。
  52. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 団体交渉というのは、これは無論やらなければならんものでありますが、併し目当もつかないのにただ会つてみたところで、これは私はさつぱり効のない活なんで、およそめどがついて或る程度の肚がきまつて、そうしてそれから交渉するということが私いいのじやないか。併しながらその時期は私は徒らに遷延されるものではないのでありまして、できるだけ早い時期にきめて、そうして話をするというつもりでおります。
  53. 内村清次

    委員外議員(内村清次君) 将来は団体交渉の意思はあると、こう私承わつてよろしうございますね。  それから時期と申しますると、これは勿論努力如何によつてその時期が決定される問題であろうと思いますが、勿論国家公務員に対するところの法案は、只今夏期手当の問題は参議院にあつて、これはもう極く最近に本会議において結論がつくだろうと、こういう予想でございます。又時期も六月の十五日の、これはまあ常道的な、その時期というものも日にちはせつ接迫しておりまするが、最近も短時間のうちにこの問題を一つ努力を願うことができるかどうか、この点一つ伺いしたい。
  54. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 先ほども申上げましたように、私はできるだけ短期間に結論を早く出したい、こう思つております。これは遷延させてはいけない、かように考えております。
  55. 内村清次

    委員外議員(内村清次君) それでは大体もうこれで……。
  56. 鈴木清一

    鈴木清一君 総裁のお話では大体運輸大臣と交渉中であるというようなことを言われたのですけれども運輸大臣との交渉過程の中でも、すでに知る範囲によりますると、組合側では或る一つの額を示してそうして要求というものをしてあるはずである。それは総裁のほうも御承知なんです。そういたしますると、あなたが今運輸大臣と交渉過程にある、運輸大臣に交渉している点については、その額というようなものを或る程度基本にしておられるのか、それとも又それは十分考慮を拂つての交渉中であるということに我々解釈してもよろしいわけですね。そういうように考えてよろしうございますか。
  57. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 鈴木委員のおつしやることはちよつと呑込めないのですが、それは無論その組合側の要求はわかつております。これは今形式的に申しますと調停から仲裁に行こうとしておる、そういうことでございますから、それは内容はよくわかつております。それをも無論考慮には入れますが、なお更に只今のお話もございましようし、いろいろの観点があるわけでございます。組合側の要求だけでなしに、一般の批判ということもございましようしいろいろございますから、殊に財源の問題はあなた御承知通り打ありまけてもう何にもないので、ガラス箱の中に入つたようなものですから、それらに対する措、いろいろの点で運輸大臣ともお話合をし、又運輸大臣のほうからそれぞれの関係の部門に折衝をして頂いておるという次第でございまして、これは併しながら成るべく急いで私はやりたいということで、これは先ほども運輸大臣にも申上げた次第でございます。恐らくできるだけ早い機会に何とか決定されるものだと考えております。
  58. 鈴木清一

    鈴木清一君 それで時期の問題ですが、先ほど内村君も申上げたようですが、時期の問題が、事、夏期手当という一つの名月から行けば少くとも六月か七月ということになる。そういうことよりもなお差迫つて団交が持てない状態と絡み合わせて、組合では、新聞でも御承知のように一つの鬪争方式を出している。こうしたことは非常に私は総裁のほうにしても更に考慮に入れなければならない問題である。そういたしますると、時期という点についてはそうしたことがあなたのほうでは十分考慮しているということにも考えてやはりよろしいわけなんですな。
  59. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 無論そういうことも考えておりまするし、四囲の情勢いろいろ考えましてこの問題を早く決定しなければならないことは繰返して申上げるところであります。
  60. 鈴木清一

    鈴木清一君 ガラス張りの予算の中だというようなことを先ほどちよつと言われたようでありますけれども、私らがいわゆる年度予算の要するに進捗状況等につきまして考えます場合に、予定されて国会に報告されました予定収入よりも、最近いささか新聞等から考慮いたしますれば、予定収入というものはどうも上廻つているように考えられるわけであります。そういたしますると、事前に、何も私どもにどこまでも考慮してお願いしなければ予算がないということにも我々ちよつと解釈しかねる。ただ予算案ということについての認可云々という問題について大臣を経なければならないということなら別問題でありますけれども、国鉄の中に予算がないというようなことはちよつと考えられないのですけれども、この点についてまだはつきり申して頂けるわけに行きませんか。
  61. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 非常にいい御質問でございまして、私今言わんと欲しているところを突かれたわけなんですが、おつしやる通り日本国有鉄道は公営企業体であります。従いまして一般官庁とはいささか趣を異にして収入を以て支出を賄うという独立採算に基いているわけで、私は組合の諸君にも申上げたのでございますが、その企業体がまだ商売を始めてから二カ月にしかならない、その二ヵ月の状況を以て全般を推すことができるかどうかという問題があるわけなんです。そこらによほど考えなければならぬ点がある。併し将来の産業界と申しますか、生産というようなものがどういうような方向に行くか、これは私が申上げるまでもなしに、去年の暮は在貨二百万トンというようなものが、昨今は百万トンを割つてしまつたというところにあるのです。そういう点から見ますると、なおよく愼重に考えて行くべきものだと思います。併しながら私は何もそういう点からだけ夏期手当の問題を考えているのでないので、やはり従業員諸君の福祉の増進ということからも考えなければならぬ問題でございますから、これはガラス張りの予算と申上げたのは、予算としてはそういうことであつたと一応申上げた次第であります。
  62. 小酒井義男

    小酒井義男君 総裁、先ほどからできるだけ早い時期に解決をしたいという御意思のようですから、私非常に結構だと思うのです。やはり団体交渉も持たれぬ、そうしてこちらからも具体的にいつこの問題が解決つくかわからぬというような状態ですと、やはり勢い組合としていろいろな方法を講じなければならぬということに求めざるを得ない。やはり一度は解決をつけなければならぬ問題ですから、少しでも早いほうがいいのですが、大体公務員はもう今月の半ばにはどれだけでも支給せられることになつております。ですから大体のめどといいますか、いつ頃には渡るようにする目的で運輸大臣との交渉をしていらつしやるか、それを一つお聞かせ願いたい。
  63. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 私の希望といたしましては、もう今日あたり相当のところまで行くつもりでおつたのですが、それがなかなか行けなくなつてきているので、非常に私は今心配をいたしております。併しこれは皆、運輸大臣も非常に感を同じうしておられますから、恐らく近いうちに私はきまるのじやないかと思います。
  64. 小酒井義男

    小酒井義男君 そうすると大体もう二、三日中にはきまるという御方針でございますか。
  65. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) そこまでまだ申上げかねるのでございます……。
  66. 鈴木清一

    鈴木清一君 ちよつといま一点お尋ねしておきたいのは、額ですね、その点については何か団体交渉は持てないにしても、当局のほうといたしまして、組合の意向に対する返事として要求額までは満たないけれども、或る程度の、このくらいの額なら出せるというようなことを言つた覚えがございますか。
  67. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 私はまだ申しておりません。
  68. 鈴木清一

    鈴木清君 そうですが、そういたしますると、私らはちよつとそういう点も問いたことがありますので、若しそうだとすれば、今総裁が努力して下さつている額なるものはやはり組合の要求の線に沿つて十分努力して行くというふうに私どもは解釈していいわけですね。
  69. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) そこまで行けるかどうかはわかりませんですよ。
  70. 鈴木清一

    鈴木清一君 わかりました。
  71. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ほかに御質疑はございませんか。
  72. 鈴木清一

    鈴木清一君 そこで私は委員長にお願いしておきたいのですけれども、総裁もお忙がしい身体でしようけれども、いずれ又後日内村議員のほうからの質問も大分まだあると思いますが、時間に制限されておりまするので又後日お願いすることにして是非又御出席を願います。
  73. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) さよう取計いましよう。  ほかに御質疑もないようですから本日はこれを以て散会いたします。    午後四時二十一分散会