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政府委員(間島大治郎君) この
国際観光ホテル整備法ができましてからこの
法律に基きまして
実施しました事項の中で、先ずどれだけのホテルなり旅館がこの
法律により登録されたかということでございまするが、参考
資料としてお
手許に差上げたものがございますが、参考
資料に差上げました
通り、四月十日現在におきましてホテルが五十軒、旅館のほうで三十五軒に相成
つております。なおこれ以外に現在
審議中のものにホテルが一軒、旅館が数軒ございます。結局この登録を受けましたホテル並びに旅館はこの
法律の別表に定めておりまする施設基準に合せて登録を申請して来ましたわけでありまして、
運輸省におきましては、果してその施設基準に合致しているかどうかということを審査いたしまして、その上で登録を
実施したわけであります。この登録を申請いたしまするまでには、この施設基準に合せるようにそれぞれ改造なり施設の改良をや
つて参つたわけでありまするので、そういう意味合いにおきましては、この登録がホテル並びに旅館の施設の
改善に或る
程度役立つたわけでございます。それから助成の面におきましては、先ず第一は御承知の
通り法人の固定資産の耐用年数の短縮によりまする利益でありますが、これにつきましては登録を受けますると自動的にこの別表に定めておりまする固定資産の耐用年数の適用を受けまするので、その効果は自動的に発生いたすわけであります。ただそれが個々のホテルに対しましてどの
程度の効果を及ぼすかということにつきましては、勿論利益の挙がるホテルと利益が挙がらなかつたホテルによ
つて違うわけでありますが、利益の相当挙がつたホテルにおきましては、或る
程度税金の軽減というふうな形においても現われて来るわけであります。御参考までに登録ホテルにおける税軽減の実情という表を差上げてあるわけでございまするが、これは全部ではございませんが、当方でわかりましたものの一部をそこに提
出した次第でございまするが、耐用年数の短縮による法人税の軽減額が、例えば新大阪ホテルにおきましては三百十六万七千円というふうな
数字が挙が
つておるわけであります。これはすべてホテルからの報告に基いたものでございます。それからもう
一つの恩典といたしまして、この登録を受けましたホテルにつきましては、地方税法におきまする固定資産税の不均一課税の適用があるものとするということに相成
つておりまするが、それの適用を受けましたものにつきましては、やはりその表の中に軽減率と軽減額を掲
示してございまするが、ホテルにおきましては一番率の多いのは六〇%でございます。この中の川奈ホテル八〇%とな
つておりましたが、これは間違いでございます。五〇%でございます。京都市のホテル・ラクヨウが六〇%の軽減を受けておりまするのが一番大きいのであります。普通は五〇%、それからこれは市町村がきめることに相成りまするので、こういうふうに率も異
つておりまするし、まだ固定資産税の軽減を
実施しておらないところがございます。或いは又接収中のものにはやらないというふうな態度をと
つておつたところもあるわけであります。これにつきましては、私
どものほうでは更にホテルと市町村との折衝の経過によりまして、
運輸省といたしましても強力に税の軽減方を推進いたしたい、こういうふうに
考えております。又
法律によりますると、この固定資産税の軽減はホテルだけに限られておるわけであります。併し私
どものほうでは旅館につきましても、旅館の登録を
実施いたしまする際に、その旅館の所在の市町府にも通牒を
出しまして、その際ホテルと同様に市町村においても旅館の固定資産税の軽減を考慮してもらいたいということを申入れておりますが、その結果登録を受けました三十数軒の旅館のうち、現在のところ五軒だけ固定資産税の軽減を受けております。その率は五〇%乃至二五%ということに相成
つておるのであります。
それから次にこの
法律によりますと施設の
改善或いは
経営内容の
改善につきまして、
運輸大臣が勧告をすることができることにな
つております。又その際にはできるだけ資金の斡旋をするものとする、こういうことに相成
つておるのであります。この
法律ができましてから、実は実際問題としてまだ
運輸大臣の名で正式に勧告をしたものはございませんが、併し私
どもとしましては、事前にホテル、旅館の
経営者側から施設の改良につきまして協議を受け、或いは相談を受けました際には、適当な指導なり指示をいたしております。少くともこのホテル整備法の基準に合う
程度の設備の改良ということを目安にいたしまして指導をいたしておるのであります。又その際そういうふうにホテル整備法の施設基準に合わせるような設備の改良をいたしますものにつきましては、従来或る
程度資金の斡旋を
実施いたしてお
つたのであります。この実績につきましては、お
手許に差上げたかと存じますが、この外客用のホテル、旅館に対します融資斡旋につきましては、大蔵省と協議をいたしまして、たしか
昭和二十四年の中頃かと存じましたが寸当時産業資金の融資
順位におきましてホテル、旅館というふうな施設につきましては、これが丙種に相成
つてお
つたのでありますが、大蔵省と協議いたしまして、外客宿泊施設につきましては、設備資金或いは運転資金も甲に準ずるものにするというふうに引上げたのであります。そうして又当時は
日本銀行の融資斡旋という制度でございましたので、大蔵省及び
日本銀行と協議いたしまして、個々の計画を
運輸省で審査いたしまして、そうして大蔵省と日銀に持込みまして、日銀のほうで地方の支店乃至出張所に融資斡旋の指令を
出してもら
つてお
つたのであります。その後金融情勢の変化によりまして、日銀の融資斡旋というものはなくなりましたが、融資
順位の引上げという措置は残
つておつたわけであります。これにつきまして
原則的に一応外客宿泊施設の融資
順位は甲に準ずるものに引上げたわけでありますが、銀行側はやはり個々の場合にそれが果して外客宿泊施設として適当なものであるかどうかという判定を要求して参りまするので、その後も引続き当省におきまして、内容を審査し、そうしてそれが外客宿泊施設として適当なものであるというふうに判定いたしまして、各銀行に通牒を発する、こういうふうな方法をと
つておるのであります。そういうふうな従来の融資斡旋をすべて合計いたしますと、
昭和二十七年の三月末までにおきまして融資斡旋開始以来、ホテルにおきましていろいろなものを合せまして十七件、三億四千四百万円、
日本旅館におきまして百二十一件で四億二千万円、合計七億六千九百五十万円という実績が挙が
つておるのであります。なおこれは当方で斡旋しました件数に比べますと、大体四〇%
程度にな
つておるわけでございます。
それからこれは
法律に直接には
関係はございませんが、先般もこの
委員会で御報告申上げたと思いますが、本年の一月一日から外人に対しましても、一切の施設を外人専用というふうなものをなくしまして
日本人と同じような待遇をすることに
なつたわけでございます。その結果税金の面におきましても
日本人、外国人同じ待遇を受けるごとに相成
つたのでありますが、
日本におきまする旅行
経費、特にホテルにおきまする宿泊、飲食というものが世界的に見ましても非常に高いということが言われております。又実際
調査いたしますると殆んどすべての国に比べて
日本のほうが相当割高であるという結果が出ておるのであります。こういうふうに内外人共通にするということは一応建前としては結構でありますが、その結果として従来よりも更に税金の分だけ高くなるというふうな結果にも相成りまするので、地方財政
委員会とも協議いたしました結果、本年の四月一日から登録ホテルにおきまする外人の宿泊、飲食に対しましては、普通の税率の五〇%を減じたものを適当とするというふうな通牒を各地方公共団体に発しまして、各地方公共団体でその方針に
従つて適当と認める税率で課税するということに相成つたわけでございます。大体この
法律に基き、或いは又この
法律に
関係いたしまして
実施いたします事項は以上の
通りであります。