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1952-04-14 第13回国会 参議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十四日(月曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————   委員の異動 四月四日委員内村清次君辞任につき、 その補欠として江田三郎君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小泉 秀吉君    委員            植竹 春彦君            一松 政二君            高木 正夫君            小野  哲君            鈴木 清一君   国務大臣    運 輸 大 臣 村上 義一君   政府委員    運輸省自動車局    長       中村  豊君    運輸省自動車局    整備部長    中村 俊夫君    中央気象台長  和達 清夫君    中央気象台総務    部長      北村 純一君    航空庁長官   大庭 哲夫君   説明員    運輸大臣官房観    光部長     間嶋治郎君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  (観光事業に関する件) ○気象業務法案内閣提出) ○道路運送車両法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それではこれより委員会を開会いたします。  先ず観光事業に関する件を議題といたしますが、高田君より質疑通告がありまするので、発言を許可いたします。
  3. 高田寛

    高田寛君 この本国会の初めの頃、私は御質問したのですが、それは日本国際観光事業を盛んにするためには、やつぱり日本旅行費用を低減することが非常に大事な問題である、その低減するについては勿論一般関係業者がこれに努力しなければならないけれども政府方面においても又低減できるような措置を講ずる必要がある。例えばホテル宿泊料を安くするためにはホテルの建設について低利長期資金を融通する途を開くとか、或いは又固定資産税を低減するとか、或いは又遊興飲食税を低減するとか、こういうことをやる必要があるんじやないかと質問いたしたのに対して、運輸大臣からは、皆至極同感である、ついてはその方向政府としても極力努力すると、こういう答弁を伺つているのですが、これらの問題がその後どういうふうに政府部内においてその処置が進行しているか、その模様を一つ伺いたいと思います。
  4. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) それでは只今の御質問の、日本における外人旅行費用の低減につきまして最近とりました施策、或いはこれから行おうとしておることにつきまして、概略御報告申上げます。  先ず第一は旅行者に課される税金といたしましての遊興飲食税の問題でございますが、この点につきましては、御承知のごとく本年の一月一日からは主として外人が泊りますバイヤーズ・ホテルにおきましても、日本人も利用し得るという制度になりましたので、一応制度としては従来取られなかつた遊興飲食税が、二〇%でございますが、取られるということに相成つたわけでありますが、併し一挙に二〇%まで従来全然無課税でありましたものを取るということは、それだけ旅行経費を増すことになりますので、この点につきまして地方財政委員会折衝いたしまして、一月一日からは従来のバイヤース・ホテルについては一般に適用する税率の五割減の遊興飲食税を課すると、こういうことになつたのであります。その後更に御承知通り接收解除になりまして営業を開始したホテルもございますので、この四月一日からはその範囲を更に拡大いたしまして、国際観光ホテル整備法によりまして登録しましたホテル、いわゆる登録ホテルにつきましてこれと同様な措置をとる、つまり登録ホテルにつきましては、一般ホテルに適用しておりまする税率の五割減をそのホテルにおきまする外人宿泊及び飲食に課する、こういうことにいたしたわけであります。これは最近通牒が出ましたばかりで、具体的にそれではどういう措置を各都道府県とつたかということはまだ分明いたしておりませんが、外人のみに対してこういう措置をとりますので、実施上につきましてもいろいろ問題もあるようであります。現在ホテル協会等主要都道府県と交渉もいたしておりますが、運輸省としましても、これが円滑に実施されるように努力いたしたいと考えておる次第でございます。それからホテルにおきまする宿泊飲食経費が高くつきまする一つの原因といたしましては、各種税金ホテルに課せられるということが一つ理由でございますが、この点につきまして最近とろうとしておりまする施策は、先ず従来御承知のごとく国際観光ホテル整備法によりまして登録いたしましたホテル旅館に対しましては、一般ホテル旅館よりも固定資産耐用年数軽減いたしておつたのであります。ところが昨年の所得税法及び法人税法改正によりまして、一般ホテル旅館に対する固定資産耐用年数が或る程度短縮せられまして、その結果登録ホテル旅館と、それから一般ホテル旅館との間におきまする固定資産耐用年数の差が或る程度縮まつたわけであります。又中には登録ホテル旅館のほうが長くなつているというふうな不合理の点もございまするので、こういう不合理を是正し、且つ或る程度更にこれを短縮するということで大蔵省と折衝いたしまして、近く政府提案で国会に国際観光ホテル整備法改正案を提出いたすつもりでございます。これによりまして、従来よりも更に登録ホテル旅館は余計に償却ができる、こういうことに相成るわけであります。又同法によりますと、従来法人税につきましてのみ固定資産耐用年数軽減をしておりましたが、ホテルの中にも二、三個人所有のものがございますし、又旅館の中にはかなり個人所有のものがございますので、所得税につきましても固定資産耐用年数軽減條項を適用する、こういうふうにやはり改正いたすつもりで準備をいたしております。又ホテル及び旅館固定資産に課されまする固定資産税につきましては、国際観光ホテル整備法によりますと、登録ホテルについてのみ固定資産税について不均一課税をすることができるという規定がございまするが、これによりまして現在或る程度固定資産税軽減を実施いたしております。現在までの実績ホテルにおきまして十五件、それから旅館におきまして決定を見ましたものは四件でございまして、その率は二割五分減から一番多いのは六割減という実績を示しているのであります。これは全体の現在までの登録ホテル数五十件、それから登録旅館三十二件から比べますと、まだホテルにおきましても半数にも満たないということに相成つておりますが、この点につきましては、更に個々ホテル所在の市町村に対しまして固定資産税軽減を強く要望いたしたいと考えておるのでありますが、そういつた個々折衝でどうしても埓があかないというふうなことに相成りまするならば、更に地方財政委員会と相談いたしまして、中央から適当な指示を発するというようなことにでも持つて行きたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  次に長期低利融資の問題でございまするが、これにつきましては、我々もかねてからホテル施設につきまして、長期低利資金がないことが現在のホテルにおきまする宿泊費の高いことの一つ理由であると考えておるのでありますが、現在におきましては、これはホテルだけに限らず、戰前に見ましたような長期低利資金が殆んど得られないというのが実情でございます。併しこれにつきましては従来も資金運用部資金につきまして、戰前と同様にホテル施設にこれを貸出すというふうなことも折衝をいたしましたが、従来はGHQの方針もありましたし、又政府としても一応こういう方面について関心はありましたけれども、実際問題としてなかなかそういう方面に廻すことが困難であるというふうな事情で実現を見なかつたのであります。併し従来一部のホテルに対しましては、対日援助見返資金を出したことがございまするし、又この二月末には神戸のオリエンタルホテルに対しまして六千万円を開発銀行から貸出しを実施いたしたのであります。二十七年度におきましては、一応普通の銀行融資以外に考え得るのは、やはり開発銀行のみであります。これにつきましては運輸省としましても、ホテル施設が非常に不足しておつて、緊急を要する個所、東京、横浜、大阪というふうな場所につきまして、具体的な計画を持つておるホテルに対しまして、開発銀行からの融資をすべく経済安定本部とも折衝を重ねておつたのであります。この点につきまして実はなかなか意見が合いませんでしたが、併し最近におきましては、大体了解を得まして、先般政府資金融資政府資金運用方針というものが閣議決定を見たのでありますが、一応この閣議決定を見ましたものの中にはホテル事業というものが入つておらないのでありますが、その後の折衝によりまして、閣議決定を見ました各種事業と同等のウエイトを以て、こういつたホテル施設が不足しておつて緊急に整備する必要がある場所ホテルにつきましては、同じようなウエイトでこれを考えるようにというふうな指針を開発銀行のほうに経済安定本部から出してもらつたような次第であります。是非ともこういつた場所につきましては、二十七年度において開発銀行からの貸出を実施いたしたいと存じておるような次第であります。なお全般的に御承知通り昨年の秋、設備資金融資抑制政府方針としてきめましたので、その後は設備資金に対しましては、各銀行緊縮方針をとつておりますので、ホテル等施設に対しましては殆んど出ておらないのであります。併し最近におきましては、或る程度これを緩和するという機運も出ておりますので、私どもとしましては、この機を逸せず、従来より以上にホテル施設等に対する融資斡旋というふうなものを強化して行きたいと存じております次第であります。
  5. 高田寛

    高田寛君 今融資斡旋の問題については、国際観光ホテル整備法の中には、運輸大臣設備改善命令を出したときには融資を斡旋するというようなことも書いてあるのでありますが、その線で今までの融資斡旋をしたような具体的の例はありますですか。
  6. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) 従来いたしました融資斡旋は、ホテルの新設或いは改良というふうな場合でありまして、ホテル整備法にきめてありまする、運輸大臣改善命令を出した場合に融資斡旋をするものとするという條項を発動して融資斡旋をしたものは、今のところございません。
  7. 高田寛

    高田寛君 それから又旅行費用が高いという問題で、日本乘用自動車運賃が高過ぎるという問題も聞かされるのですが、こういうものの運賃が安くなる方向に何か特別の処置を講ぜられたことがあるか、又今後何か考えておられるか、その点を一つ……。
  8. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) 今お話のごとく、確かに日本自動車料金、特にハイヤータクシー料金が非常に高いということが言われております。特に従来乘用車が不足しておりました関係で、非常に程度の惡い車を使う、そのために遠乘り等をいたしました場合に、非常に快適でないというふうな非難もあつたのでありますが、この点につきましては、御承知通り最近外車も大分そういう方面に廻りましたし、又そういう外車が廻ることによつて、或る程度経営も合理化されて来るのではないかと私ども考えておるのであります。具体的にこのハイヤータクシー料金を今すぐ下げるというふうなことについては今案を持つてはおりませんが、今後自動車局等ともよく連絡いたしまして、いいサービスをできるだけ安く提供できるように努力いたしたいと思います。
  9. 高田寛

    高田寛君 いま一つ、従来観光の面で非常に困つていたホテルの少いという問題、これに関連して、接收されたホテルがだんだんと解除されて来ているのでありますが、今後の解除される見通しについて、一つわかつただけの範囲内で、その点を御説明願いたいと思います。
  10. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) 接收ホテルの解除問題につきましては、私ども大きな関心を持ちまして、従来接收の任に当つておりまする外務省ともよく連絡をとつて仕事をいたしておるのであります。現在までの実情を御報告申上げますと、接收ホテルには御承知通り二種類あるわけであります。一つは、いわゆるビレツトとしてアメリカ軍宿舎に使つておるホテル、それから一つレスト・ホテルと俗称されております、この二つの種類があるわけであります。これにつきまして、現在まで外務省向う折衝し、又日本側でいろいろ協議いたしましたところを簡單に御報告申上げますと、レスト・ホテルは従来アメリカ軍が要求いたしまして、日本政府として特別調達庁ホテルオーナーサービスの提供についての契約をいたしておつたわけであります。これにつきましては、現在のところは一応講和條約が発効いたしましたときにはその契約は無効になる、こういう解釈をとつておるのであります。その契約が現在大体四月一日から六カ月間更に延長する契約をいたしておりますが、この契約にかかわらず、一応講和條発効と同時に無効になる、その結果こういうホテルにつきましては、その後は米軍個々ホテルとの間における自由契約によりまして、向うが欲しい場合にはオーナーと協議する、こういうことになるわけであります。それからいわゆるビレツトにつきましては、従来その施設のみを接收いたしておつたわけであります。施設接收いたしまして、アメリカ側が直営する、こういう形をとつてつたのでありますが、これにつきましては一応原則としては、やはり講和條約、行政協定によりまして、できるだけ早く返す、そうして講和條発効後九十日以内に若し必要のある場合には協定を結ぶ、こういうことになつておるのであります。ところが現実の問題としましては、このビレツトにおきましては、大部分のものが長期滞在しておるわけでありまして、適当な宿舎があれば明けることができるわけでありますが、併し例えば東京等第一ホテル、或いは丸ノ内等がこれになつておりますが、御承知通り第一ホテルにつきましても、六百数十の部屋を持つておる大きな所に殆んど一ぱい入つておりますので、現実の問題として、講和條発効後九十日以内に全部が宿舎整備されて移るということはできないのじやないかという見通しであります。若しそれができない場合には果してどうなるかということでありますが、これにつきましては、行政協定では九十日以内に新らしい協定を結ばなければならんということになつておりますが、ところがあの行政協定を発表いたしましたときの交換公文で、どうしても九十日以内に協定が結べない場合にも、その継続使用を認めて欲しいということをアメリカ側から要望して、日本側がその要望に応ずるという回答を公文で出しておるわけであります。でありますので、若しそういう事態が起れば、私どもの希望としては、講和條発効後九十日たちましたならば、若しどうしても向うが使う場合はやはり契約によつて欲しいとこう思うのでありますが、併し今のところ契約で行けるかどうかということはちよつと疑問でありまして、契約で行かん場合にはどうするかと言いますと、結局そうなりますと、法律による強制力が必要になつて来るわけであります。新らしい施設收用法というふうなものでこれを強制使用するというふうなことになるのじやないかとこう思うのであります。併し私ども外務省と更に折衝しまして、できるだけ早くそういうものを移すように努力する。それから実際問題として移る場所がないという場合には、現在私どもが聞いておりますところでは、向う接收せられておりますビルデイング等におきましては、むしろ向うに使用してもらうことを希望しておるというふうな所もあるやに聞いておるのでありますが、そういう所でも見付けまして、移り先を見付けて、そうして現在の接收せられておるホテル営業の開始できるように持つて行きたい。又どうしてもそれが不可能な場合におきましても、講和條発効後九十日たちましたならば、契約によるものに切替えて行きたい、こういう考えを持つておるのであります。こういう考え方で今後も外務省折衝いたしたい、こう考えております。
  11. 岡田信次

    岡田信次君 観光地が発展すると、非常に自動車の往復が激しくなる。ところが今日本日光にしろ箱根にしろ、自動車駐車場であるとか、車庫であるとか、そういう設備一つもできておらない。これに対して政府というか、観光部ではそういう設備の指導なり、或いは助成なりに対してどういうお考えを持つておられるか、伺いたいのです。
  12. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) 主として自動車パーキング場所とか、車庫とか、そういう問題でございますね。今お尋ねのありました主要なる観光地におきまする自動車の問題につきましては、実は私どもも非常に大きな関心を持つております。例えば箱根国立公園等におきましては、春秋のシーズンには私どもが一昨年調べましたところによりますと、例えば秋の十月の一番盛りの日曜日等におきましては、約手七、八百ぐらいの自動車があの中に入つております。富士屋ホテル等附近におきましては、自動車通り抜け等も非常に困難でありまして、道に自動車を置くためにあそこを通り抜けるのに一時間以上も要したというような実例もあるのであります。こういつた実例は一番ひどいのは箱根でありますが、日光等につきましても或る程度そういう事態が起きております。この点につきましては、私どもは主としてそういう施設をいたしまする厚生省、或いは建設省等と従来連絡をいたしまして、適当な施設を実は要望いたしておるのであります。御承知通り例えば日光等につきましてはすでに不十分ではございまするが、或る程度そういつたパーキングスペース等を作つたことがあります。又集団施設といたしまして、湯元附近に現在盛んに毎年厚生省補助金を出してやつておりますが、そういつた集団地区におきましては必ず自動車パーキングスペースを十分考えるというふうな計画を取り入れてもらつておるのでございます。ところが非常に面白いと言いますか、非常に困つた現象は、日光等におきましては折角そういつたパーキングスペースを作りましても、例えば観光バス等がそこはなかなかとまらない。それはどうしてかと申しますと、バス業者が、或いは斡旋業者土産品業者と結託いたしまして、土産品の店の前にとめるというふうな事態が非常に起きておる。そういうふうなことで実はこの一週間ほど前にもいろいろシーズンにおきまする旅行実情を調べに係官を派遣したのでありますが、日光等におきましてそういつたことが非常に行われておつて交通妨害にもなるし、折角作りました自動車置場が余り利用されておらないというような報告を受けたのであります。こういつた点は府県の担当官ともよく連絡いたしまして、折角作つた施設がうまく利用されるように一つ指導して行きたいと考えております。又今後そういつた旅行実情に応じまして集団施設地区計画せられまする場合、又道路改良計画が行われまする場合にも、十分自動車交通というものを考慮に入れて計画するように連絡をとつて行きたいと考える次第でございます。
  13. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つお尋ねいたしたいのは、政府から道路整備特別措置法というのが提出されておつて賃取り道路とかいうことになつておるのですが、どうも天下のハイウエイを賃取り道路というのはおかしいので、むしろ観光地域とか、観光とかいうようなことで料金をとるのならいいのですが、これに対して観光を担当しておられる間嶋さんのお考え一つ伺いたいのです。
  14. 間嶋大治郎

    説明員間嶋治郎君) 道路整備特別措置法によりまして、現在建設省賃取り道路計画をいたしておるのでありますが、これにつきまして実は建設省担当官とも会合しまして、いろいろ打合せをいたしたこともございまするが、今お話のような点につきまして、実は私どものほうと必ずしも意見が一致しないのであります。私ども賃取り道路を作る場合には、従来道路がなかつたようなところに新らしく作るような場合に取るのがこれが建前じやなかろうか。現在の道路改良したとか、或いは一部鋪装したとかいうふうなことで料金を取るというのはちよつとおかしいじやないか。道路改良鋪装というのはほかの経費で全国的に相当行われていることでもあるし、ただ鋪装改良して一部よくなつたからということで料金を取るということではその土地の人が納得しないのじやなかろうか。又そういつた特別な資金によりまして道路整備をやるということになりますれば、観光道路のごとく普通の予算ではやれないようなものをやるということがこの趣旨に合つているのじやなかろうかというふうなことを実は主張いたしたのでございます。建設省としましては一応建前はそうだ。併し実際問題としてはいろいろな問題もあつて必ずしもそういつた原則通りには行かない、こういうことを言つておるのであります。そこで結局まだ確定はいたしておりませんが、例えば二十七年度に考えておりまする賃取り道路にしましても、箱根国立公園におきまする芦ノ湖のあれは南側になりますか、箱根峠か長尾峠に行きます、現在道路がない所ですね、ああいう所が計画されております。これを観光道路として第一に着手すべきかどうかは疑問でありますが、併し賃取り道路としては一応意味があるのじやなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。併し更にあの附近小田原熱海間、伊東下田間というふうなものも一応改良鋪装をやるというようなことで候補に上つておるのであります。私どもとしましては、こういう所を改良鋪装は勿論優先にやつてもらいたいのでありますが、併し果して道路整備特別措置法による賃取り道路として適当なものかどうかということについてはちよつと疑問に思つております。
  15. 岡田信次

    岡田信次君 運輸大臣ちよつとお伺いいたしたいのですが、今の道路特別措置法に関連しまして、政府が或る程度資金を用意しておられるということになつておりまするが、むしろ道路運送法の中の一般自動車道路なり、或いは專用自動車道路というものを私企業に奬励する必要がありはしないか、国のハイウエーというものは飽くまで無料で提供するという原則に則るべきだと思うのでありますが、運輸大臣のお考えを拜聽したいと思います。
  16. 村上義一

    国務大臣村上義一君) この前にもこれに関連した質問を受けたのであります。今観光部長が申述べましたごとく、現在道路がある所を非常にシヨートカツトで行くとか、例えば山を迂回せねばならん場合比較的短い隧道を掘鑿してそうして矩距離に平坦な道路で通過ができる、或いは又河川のために迂回しておるところを最も短距離に橋梁を架設したために通路ができる、こういつた場合に賃取りというものが適切だと自分考える。御説のごとく民間事業でこういう場合には成るべく実行するということが望ましいと私は思つております。政府がいやしくもやるという場合にはこれは賃取りでなしに、とにかく一般公共の用に供するというのが本当だと思うのであります。なお大工事計画につきましてでありますが、こういつた非常な巨額な経費を投じて作るということは、その資金は如何なる面から仰ぐとしましても、よほどこれは考慮せねばならん問題だと思つておるのであります。現に相当な道路がある場合、むしろこれを拡大することが望ましいじやないかと自分考えておるのであります。現在水陸交通の面から考えまして、国家の要する費用は頗る大きなものがあると思うのであります。緩急の度を図つてこれを処理して行かなければならん。絶対的に申せばそれはないよりあることは結構だと思います。他の要望とよく考慮して緩急を誤まらんようにして行くべきだと考えております。
  17. 高田寛

    高田寛君 一つ運輸大臣に伺います。我が国の観光事業講和條約も締結され、その効力も近く発生して、いよいよ本格的の国際観光事業の活動期に入る待望の時期を迎えることになつたのでございますが、このときに当つて政府としてもいろいろこの事業を監督し、指導し、一方強力に助成するというような意味で、政府機関としてもこの中央機関を相当に強化すべき時期であると考えております。いろいろ行政簡素化ということが強く叫ばれており、これには私も全く同感であります。併し特に今後の事業として力を入れるべき方面については、又それに必要な機構を整えておかなければならん時期だと思つておるのでございますが、今後の行政機構面についても新聞の伝うるところによると、初め運輸省には観光局を作るという案があつたが、その後新聞の報じておるところでは、これが消えてしまつておるというようなことで、この点私どもも不思議に思つておるのでありますが、運輸大臣としてこういう観光行政方面をもつと強化するというようなお考えを持つておられるかどうか、大臣のお気持を一つ伺いたいのであります。
  18. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 観光事業につきましては、御指摘のごとく今講和に直面しまして是非とも諸外国の観光客を誘致いたしまして、一つは世界の平和に寄與する、一つは又我が国の財政経済に貢献するということは頗る肝要なことであると思うのでありまして、従つて私として観光事業に最善を盡そうということにつきましては、もとよりその覚悟を持つている次第でありますが、今たまたま観光問題についてお話がありましたが、現在観光部というものがあります。これを少くとも観光局にするということは私として極めてその意味から言うても大事である、必要であると考えておるのであります。今講和を目前に控えて観光部観光局にする、そうして適切なる施設、指導を行なつて行くということは私は必要なことであると考えておるのであります。ただ行政簡素化というような趣旨から画一的に部を廃止するということに相成りまして、そのために観光部を現在のままに置くということはできないので、或いは観光監或いは観光主任官というような制度に変える、扱いは少しも現在と変らんのでありますが、こういつた名称に変行するということで今政府の議は殆んどまとまつておるのであります。近くそれぞれ各省の組織法の改正律案が国会にも提出されるはずであります。御指摘のごとくこの制度の簡素化ということは最も必要なことでありまして、極めて或る面においては厖大となり、極めて水膨れになつておりますので、この機構を平和日本にふさわしい機構に還元して行くということは、これ又お示しのごとく必要なことであると考えるのであります。併しその趣旨とは別に平和に対応して今日本として力瘤を入れなければならん事業を指導育成する助長行政機関、或いは監督行政機関というものを持つて行くことは頗る必要であると思つておるのでありますが、これは遺憾ながら問題を他日に期せんければならん状態に運輸省は置かれておる次第であります。
  19. 高田寛

    高田寛君 今伺つた情勢ではどうも私は心細い、もつとこの平和日本のため、又日本の経済復興のため必要であるという事業のためには、やはり機構もそれに即応した一般行政簡素化の時期であつても、必要なものはそれに即応した強力なものを作るというのでなければならんと思うのでございますが、これは別にまだ政府原案が提出されたわけではありませんから、いずれ法律案の提出されたときの審議に譲ることにいたしまして、私の質問は一応これで打切ります。
  20. 小野哲

    ○小野哲君 ちよつと関連して伺つておきたいのです、観光関係の問題について……。只今高田委員から観光事業に関する機構の問題にお触れになつたんですが、その問題は又追つての機会といたしまして、現在内閣に観光審議会と申しましたか、観光事業に関する基本方策を審議する機関があると思つておるわけでありますがあれは芦田内閣のときでしたか、観光審議会のごときものはこれを法律に基いた制度として作ることがいいのではないか、こういうようなことが参議院でも論議されまして、その結果政府も受入れて只今のような制度化を行なつたものと記憶いたしております。今回の行政機構の改革に伴いまして、観光に関する行政機構そのものが今運輸大臣からお話になりましたような状態になつておるわけでありますが、観光審議会のごとき審議機関はどういうお考えで御措置になろうとされておるか、この点について関連して伺つておきたいと思います。
  21. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 只今内閣に存置しておりまする観光審議会は、今回の機構改正につきましてもそのまま継続することに相成つております。併し現在のところ相当欠員があり、又改選を要するのであります。従つて今その充実する顔触れについて審議を進めつつあるという現状であるのであります。要するにこれは小野先生も御承知でありましようが、観光部というものが運輸省にあり、国立公園部が厚生省にあるということから、これらの関連した一連の行政事務を一括して一カ所で処理することが極めて必要であるという論議が当時も盛んに行われた次第であります。従つて論議は相当行われましたが、結論に至らなかつたというために、観光に関する基本を決定する観光審議会を内閣に設置せざるを得なかつたということなのでありまして、この論議は恐らく今日でもなおそれぞれの立場においてあることと信じまするが、併し私としましては、是非ともこういうものは一括して本当の助長行政、監督行政をとつて行かんければ我が国の観光事業のために頗る将来憂うべきであると思うのであります。そういうことも一括して今先刻高田先生の御指摘の点は近き将来を期して改善したいと考えておるのであります。一つ委員がたの御盡力、御協力をこの機会にお願いしておく次第であります。
  22. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質疑はありませんか。  それでは本日本会議において運輸大臣に対して緊急質問が行われたのでありますが、当委員会としては重要な問題でありまするので、日航のもく星号の遭難につきまして、政府より補足の説明を受けたいと思いますが、或いは今大臣からのお話で、皆さんのほうから御質問があればお答えをいたすようにいたしたいとの話もありますが、如何でありましようか……ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  23. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて下さい。  それでは次に気象業務法案を議題といたします。政府より提案理由の御説明を願います。
  24. 村上義一

    国務大臣村上義一君) それでは気象業務法案を提案する理由についてお聞き取りを願いたいと存じます。  御承知のように我が国は台風、地震、津波、冷害、早魃等の自然現象による災害が多いために、産業、交通等に重大な影響を受けることが多いのでありまして、これらの原因となる自然現象を正確に予想して発表することによりまして、災害の防止及び軽減を図り、或いは進んで気象の調査を行なつて電源の開発に資するなど、産業の興隆に寄與することが必要であります。これがためには、観測施設及び予報業務を拡充強化して、気象業務を円滑に運営できるようにすることも勿論必要でありまするが、これと共に気象業務の基本制度を確立しまして、国の気象業務に対する責任を法律上明確にしておく必要があると考えるのであります。一方気象業務は、国際間の密接な協力が必要でありまして、このために世界気象機関が世界気象機関條約によつて設立されておるのでありますが、我が国も講和條約署名の際に、講和條発効後六カ月以内に加入することを宣言しておりますため、加入後のためにも気象業務に関する基本制度を確立しておく必要があるのであります。  以上のような理由に基きましてこの法律案を提案した次第でありまするが、なおこの法案には、大体次のようなことが規定されてあるのであります。第一に、観測関係といたしましては、先ず中央気象台以外の機関の行なつている観測については、観測方法の統一と観測水準を高める必要から、一定の技術的基準に従つて観測すると共に、観測網の確立のため必要があると認める者から報告を受けるように規定し、又観測網の補助的役割として船舶、航空機からも観測結果の報告を受けるようにいたしました。  第二、予報関係といたしましては、一般予報や警報のほか、船舶、航空機に対しましては、特殊な予報、警報を行うなどの中央気象台の義務付けを規定すると共に、予報業務については公安保持の観点から許可制とし、警報の発表につきましては、中央気象台以外は原則として禁止することといたしました。  以上がこの法案の主な点でありますが、気象による災害の予防を図り、気象を利用して産業の興隆を図るなど、公共の福祉を増進するためには是非ともこの法案が必要でありますから、何とぞ十分御審議下さいまして、速かに御可決賜わりまするよう、お願いする次第であります。
  25. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) この際お諮りをいたしますが、気象業務法案の今後の審議に資しまするために、当局からお手許に差上げてありまする資料についての説明、或いは所管業務の概要についての説明を求めたいと思いまするが、如何でありますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは中央気象台長
  27. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 只今の日本の気象本務につきまして簡單に御説明申上げます。  日本の気象事業は、その機構は中央気象台がこの中枢になつておりまして、その下に五つの管区気象台、四つの海洋気象台、五つの地方気象台、それに百三十の測候所、八つの航空測候所、そのほか附属機関があります。又千五百ほどの気候観測所があります。それでやつております仕事を簡單に申しますと、先ず第一が観測をすることであります。でこの観測は気象が主でありますが、地球物理に関係しております地震とか、海洋とか、地球磁気とか、そういうようなものを観測いたしております。又この観測の結果は、国土開発その他一般産業に利用されるのでありますが、又この観測結果は気象台の大事な仕事であるところの予報とか警報を出す基になつております。この予報とか警報とか申しますものは、いわゆる天気予報でありますが、この内容には長期予報とか、洪水のための警報とか、火災の警報とか、或いは鉄道、電力、農業というようないろいろな種類のものを持つております。なお気象だけでなく、近年は地震、津浪の警報というようなものもいたしております。なお気象台ではこの仕事をするために器械を、つまり気象器械を検定するという仕事をいたしております。これは最近計量法ができましたが、これとこの気象台の器械を検定するということについては、計量法にまあ除外例のようなものが設けられまして、運輸大臣がこれを行うようになつております。なお気象台の仕事は申すまでもなく非常に国際的の部面が多いのでありまして、以前にはIMO、つまりインターナシヨナル・メテオロロジカル・オーガニゼーシヨンという国際気象機関というものがございまして、我が国も加入しておりましたが、これが戰争でそこからまあ出ましたわけですが、現在はこの国際気象機関はWMO、ワールド・メテオロロジカル・オーガニゼーシヨン、つまり世界気象機関というものになつております。これに先ほどもお話がありましたが、我が国も当然将来加入をされるべきものでありますが、現在におきましても、すでにWMOの仕事を中央気象台は分担いたしておるのであります。それはこのアジア地区の大陸放送と言つて、このアジア地区の日本附近の気象の情報を無線で放送するという仕事を受持つておるのであります。なお現在この我が国の気象が、行政協定の第八條によつてまあ協定を結ぶことになつております。それを簡單に言いますと、四項目ございます。観測と、資料と、それから資料を通報することと、それから地震とか津浪とかに関すること、この四項目になつておりますが、この細かい細目の協定を只今予備作業班でいたしております。なお附加えますことは、現在中央気象台ではマーカス島、即ち南鳥島におきまして気象観測を行なつておりますが、このマーカス島は我が国の領土ではございません。で只今は米国とドル契約によつてこれを行つております。その只今の契約の期限は本年七月まででございます。大体これだけのことを御説明申上げます。
  28. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 何か本件に関して御質疑がありましたら……。気象業務法案に関して、或いは気象関係に対して御質疑はありませんか。折角気象台長が見えておりますから……。
  29. 高田寛

    高田寛君 ではこの法案の今御説明を伺つたのですが、私の一つお尋ねしたいことは、ここに内容に規定してあるような事柄は、従来それぞれ個々の法律や命令などで規定されておることをこれに総合して、一括して規定されるという御趣旨なのか、或いは従来こういう法律も規則もなかつたのを新らしく作るという御趣旨なのか、最初にそこだけ一つお伺いしたいと思います。
  30. 北村純一

    政府委員(北村純一君) お答えを申上げたいと思います。従前気象につきましては、気象事業会と申しまする勅令がございまして、それによりまして気象関係の仕事を大体やつてつたのでございますが、これが旧憲法時代の独立勅令と言いますか、そういうような性質のものでございましたので、昭和二十二年の末に失効いたしました。その後それに該当するような法律案の起草が遅れておりましたために、今日まで法的には放置されていたような状態になつてつたのであります。その穴を埋めるというふうな意味合いで今度この法案を作りましたので、仕事の内容と言いますか、法案の内容は殆んど現在やつておる仕事から余り離れないようなことを書いておりますけれども、現在ありますところの法律を集めるというふうな意味ではございません。
  31. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 中央気象台並びにその統轄した関係気象台以外に、何かこれに類似したようなことをやつておるものがあるのですか、民間かどこかに……。実情を伺いたい。
  32. 北村純一

    政府委員(北村純一君) この法案を起案いたしましたのも、法的に空白状態になりましてから、特に例えば気象観測施設というふうなものが各地で次ぎ次ぎと創設されます。而もそれが格別の法的な規制を加えられておりませんために、お互いの連絡のないところの施設がたくさんできまして、その施設から得られますところの成果と申しますか、そういつたものが、その設備されました基準、技術的な基準が不揃いであるために、有効的に利用されないという欠陷が顕著になつておるのであります。現状におきましては、中央気象台の所管の観測施設が約千五百ございますが、その他の官庁公共団体、或いは私設の観測所というものは約五千を越えておるというふうな実情でございまして、これらの観測施設から得られますところの成果をお互いに有効に有機的に連結してやつて行きたいというのが一つの例でございまして、相当な施設が各所にあると申上げられると存じます。
  33. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 今のお話だと相当多数にあるのを原則として禁止するということになると、ただやめさせるというのですか、そいつを政府が收用するようにするのか、或いは適当に連絡が付けば、そういうものを現存さして行くというのですか、そういう点はどういうことなんですか。
  34. 北村純一

    政府委員(北村純一君) 御説明が足りませんで申訳ございませんでしたが、只今の観測施設の例は非常に多いのでございますが、決してこの観測を禁止するというふうなことは考えておりません。ただ現在行われておりますところの観測のうち一般の公共の利益に非常に関係の深いところのもの、そういつたものをこの法案の中では第六條に特に詳しく書いてございますが、そういうようなものにつきまして、中央気象台のきめるところの技術的な基準に従つて観測をして頂く。その中でも特に重要なものはその観測をやられました成果を通報して頂いて、中央気象台の施設で得られました成果と合せて利用の途を講ずると、そういうふうな方面の規定でございます。それからその他の予報とか、警報とかいうものにつきましては、殆んど中央気象台以外にはそういつたものはございませんので、禁止するというふうな規定がありますけれども、これに触れるようなものは現状といたしましてはないわけであります。
  35. 岡田信次

    岡田信次君 只今の総務部長お話によると、ほうぼうに測候所とか海の観測所とか、優良な観測所があるわけですね。その観測のやり方を中央気象台の定める基準に則つてやるというお話なんですが、そうすると或る程度設備が必要だとか、改善しなければならないということになると思いますが、それらに対して何か補助をするとか何かお考えになつておるのですか。
  36. 北村純一

    政府委員(北村純一君) 大体この法案の細かい話になつて参りますけれども、技術士の基準に従つて観測するということにつきまして、これは観測しておるものは主として官庁方面が多いのでございますが、若干の施設改善と言いますか、そういうために予算を増額しなければならんというふうな問題も起るかと思うのでありますが、こういう間の困難な事情に処しますために、この法案の中に経過規定を設けまして、例えば、大体一般には五年間というふうな猶予期間を設けております。現在使つておりますところの測器というものが、観測用に使います測器でありますが、これが五年間ぐらいたちますと、非常に器差が狂つて参りますので使えなくなるというふうな現状でございますので、五年間のうちに順次使用しておりますものがその命数が盡きるに従つて取替える、その取替えたときから技術的な基準に従わせるというふうな方法にいたしまして、経費を比較的かけないでこの目的を達成したいと、こういうふうに考えておるのであります。従いまして、直接そういう設備改善というために補助を出すというふうなことは考えておりません。
  37. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 如何でしようか。法案の内容の審議に関しては、法案の内容の説明を受けた後に次回にいたすことに予定しておりますが、先ほどの資料の説明に関連する質問に限つて頂きたいと思います。
  38. 小野哲

    ○小野哲君 実は運輸省設置法との関係ちよつと伺つておきたいのですが……。
  39. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 如何でしようか。法案の内容の説明を受けて、審議を次回にいたすときに一緒にして頂いたほうが却つていいのじやないかと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは本件はこの程度にいたしまして、次回に内容の説明を承わつた後に審議に入りたいと思います。   —————————————
  41. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 次に道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
  42. 岡田信次

    岡田信次君 大体この道路運送車両法というのは施行されてからまだ一年にもならないのですが、一年にもならないうちに更にこれを改正するというその理由というか、事情を先ず承わりたいと思います。
  43. 中村豊

    政府委員中村豊君) まだ一年にもならないのに又変更することは、当時の見通しが必ずしも適正でなかつたというようなことで、甚だ申訳ないのでありますが、そういう根本的な改正ではございませんでして、できるだけ自動車の所有者の方に手続を簡易化するようにして上げたいということと、それからこれは多少今の趣旨と変りますけれども、或る程度実費の一部を負担して頂く、この二点でございまして、根本的な改正ではございません。
  44. 岡田信次

    岡田信次君 それはちよつとおかしいので、この道路運送車両法を作るからには、利用者の非常に便利になるということが最大の主眼だと思うのに、一年前にはそれを考えなかつた、今それを考えるというのはこれは少しおかしいと思うのですがね。
  45. 中村豊

    政府委員中村豊君) 十分考えたのでございますけれども、やはり実施して見ると、まだそこまで思い及ばなかつた。そこで車両の検査と登録につきまして昨年通して頂いた案は、余りにも正確を期し過ぎるために手続がどうしても重い感じになつたのでありますが、それを実施の結果に基いて車の種類、性能というようなことに区別いたしまして、登録或いは検査の制度を簡易化したというわけでございます。
  46. 岡田信次

    岡田信次君 それではこの一年足らずの間にどういう具体的な変化があつたか。根本的には利用者の便ということを考えておられた、今も考えておられるというふうに了承して、それではこの一年足らずの間にどういう具体的な事実があつたがために改正しなくてはならんかということを伺いたい。
  47. 中村豊

    政府委員中村豊君) 先般大臣から提案理由の説明のときに申上げたのでございますが、現行法は余り各種の車両について一律的に規律しておりました。例えば原動機付自転車とか、軽車両というものについても検査制度をとつていたのでありますが、これは自転車にモーターをつけてぱたぱたするというようなああいうものだとか、軽車両についてまで検査をしてやかましくやる必要はないのじやないかというので、今回はこれを廃止したい、こういうことを考えたわけでございます。又軽自動車、普通代表的なものはスクーターでございますが、あれについても登録制と検査制という両方の制度をとつていたのでありますが、スクーターもそれほど危害を、保安上に問題になることもありませんし、又これを自動車抵当法の抵当の目的にすることにはいたしておりませんので、検査制度と登録制を廃止しよう、こういうことにしたのでございます。  第三番目には小型自動車の中の二輪のものでございますが、これについては検査、登録制両方ともとつておるのでございますが、検査制度はこれは車両保安の見地、或いは事故防止の見地から勿論維持して行くのでありますが、自動車抵当法の目的にはしておりませんので、登録制は廃止しようということにいたしました。その他の自動車については従来通り検査、登録両方の制度を維持して行くということにしたわけでございまして、今申上げましたように車の大きさ、馬力、使用の目的、性能というような点からおのずから軽重がありますので、それに応じて検査、登録の制度をだんだんと簡易化したというわけでございます。
  48. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 この法律案について專門員として調査しておられることがあれば、その意見も参考のためにお聞きしておきたいと思います。
  49. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) 專門員といたしまして、法律案の出ます度に調査報告を申上げるのがよいのでありまするが、時間の都合等も御審議の点で考えますので、実は今国会におきましては、その都度刷物にいたしましてお手許に差上げることにしてございます。従いまして、この案件につきましても気の付きました点を刷物にして差上げてございますが、只今お話に出ましたので簡單に申上げますということ、大体におきまして事務を簡素化いたしましたということ、それから検査証の期間を短くいたしたり、長くいたしたりしておる点、並びに手数料の点、この三点が改正の要点と考えますが、いずれも実態に即した点で妥当であるものと考えられます。と申しますことは、検査証の期間を短くいたしましたのは、お客を取扱つておりまする自動車の検査証を短くしておるのでございますが、これは安全度を高めるという趣旨と考えます。又その他のものにつきましては二カ年としておりますが、これは自家用でありますので、まあ御本人が相当気を付けられるという点もありまして、一年間延ばしたということも適当であると考えるのであります。なお法案を一通り通読いたしまして、現行法に一々当てはめて見ますというと、若干気の付いた点があるのでございますが、それは立法技術の点でございまして、私ども調査員の立場で申し上げるのがいいのか、或いは法制局が申上げるのがいいのか、その点もよく存じませんので、法律案の細かい点の條文の点につきましては、省略させて頂きたいと思います。
  50. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 今專門員から、專門員のほうで調査いたしました点を申上げましたが、その他御質疑はございませんか。
  51. 岡田信次

    岡田信次君 今の検査ですが、旅客を運送する自動車は九カ月、貨物は一年、その他の自動車は二年となつておりますが、これには自動車の新らしい古いということはちつとも考えに入れていないのですか。
  52. 中村豊

    政府委員中村豊君) 新しい古いを考えに入れるとなると非常に複雑になりますし、なおその基準をどの辺に置いたらいいか、非常にむずかしいのでございます。又新らしい車が必ずよくて古い車が必ず惡いとも限りませんので、正確に言えば車をおろしてからの走行キロによるわけでありますが、そういうことになると非常に法律的に基準を作ることが困難でありますので、遺憾ながら車の年式にはかかわらなかつたわけでございます。そこで但し車の旅客、貨物とか、自家用、営業用という種類によつて検査の有効期間の最大限をきめておるだけでございまして、その以内に短縮することができることにいたしてありますので、検査の執行に当つて余りにも古くて性能が惡くなつたものについては、検査有効期間を短縮いたして、実情に合せたいと思つております。
  53. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) お手許に刷物を差上げてございますが、事務的のことでございますので、私が調査の結果を御報告のかたわら政府の説明を聞くということにいたしまするというと、御判断の御了解に入るのでございますが、如何いたしましようか。その点伺いたいと思います。
  54. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今專門員からお話がありましたが、或いは審議の進捗のためにいいかと思いますが、如何でありますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それではさようにいたします。
  56. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) これは別に政策、方針に関することでございませんので、條文の事務的なことでございますので、私から調査の結果を御報告申上げまして、それにつきまして政府委員のほうから御答弁を願つて、その問答を委員の先生方がお聞きになり、その上御判断を願いたいと思います。先ほど政府委員からお話がありましたように、軽自動車と小型の二輪は登録をしないことになつております。ところがその登録の基礎と申しますのは、昨年出ましたこの法律でただ行政上の処分でなくて、これが対抗要件になつておるのであります。そこで軽自動車と小型の二輪は登録をいたしませんが、盗難等の場合には対抗要件を欠くことになるのじやないかと思うのであります。これは現行法でもそうなつておるのでありまするが、その軽自動車と小型の二輪というものを除くことによりまして、盗難等の場合に対抗要件を欠くというようなことはどういうふうに考えたらよろしいのかというのでありまするが、これは恐らく車台番号の打刻に関する規定の適用がありますので、やはり同一性は確保されるとこういうふうに考えていいんじやないかと思うのであります。これはお手許に差上げて配付になつておりまする法案を御覧下さいますと、一番最初のところに自動車をこれに改めるとございます。その括弧の中に以下第二十九條から三十二條までを除くということがあるのでございます。この二十九條から三十二條までというのは車台番号を打刻する規定なんでございます。でありまするから、車台番号の打刻はやはり適用があるのだ。従つて同一性というものはこれで一応わかるのだと、こういうふうに考えて差支えないのかと思うのでありますが、この点一つ政府委員から御説明を煩わしたいと思います。
  57. 中村豊

    政府委員中村豊君) 只今御質問のありましたその通りでございまして、打刻の規定の適用があるものでありますから、それで同一性を確保しようとするわけでございます。
  58. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) 次に條文の整理の問題でございますが、今度は軽自動車の検査がなくなつてしまうのでございます。ところが六十條の七という現行法の規定を見ますと如何にも軽自動車が検査されるかのようなふうに書いてあるのであります。これは條文の整理洩れと思うのでありますが、その点政府委員はどうお考えかということを伺つて見たいのでございます。
  59. 中村豊

    政府委員中村豊君) これは形としてはこれを以下順次繰上ぐるというふうにするのがいいと思うのでありますが、当然全部消滅するのでこのままにしておいても差支えないのじやないかと思つてこのままにしたわけでございます。
  60. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) ちよつと今のでは私の御説明いたしましたのと政府委員の答えが食い違つているようでございますが、結局、もう一遍申上げますと、軽自動車というものが検査がなくなつたのでございます。そこで六十條の規定と申しまするのは、自動車検査証を交付するという規定なんであります。検査しました自動車に検査証を交付するという規定が六十條にある。その六十條の七号に、交付する検査証には自動車の種別を書くことになつている。普通自動車であるとか小型自動車であるとか軽自動車であるとか、又は特殊自動車であるとかという二との区別を書けということになつている。区別を書くにも軽自動車というのは検査がないのですから、区別を書けと言うことすら必要がないのじやないか。ですからこの七号のうちからは軽自動車ということは要らないのじやないか。これは極めて何と申しますか、字句の整理の問題で、つまらないことでありますが、気が付きましたから申上げておきます。
  61. 中村豊

    政府委員中村豊君) 私の答弁が誤まつておりましたが、先ほどの以下順次繰上げじやございませんでして、七号のうちから軽自動車を削れというお話は御尤もだと思います。これは併し当然なくなるので、このままにしておいても実害はないということになると思うのでありますが、形としてはお話通りでございます。
  62. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) もう一、二御質問したいと思います。今度の改正案で四十一條の六に「電気装置」を加えたのであります。四十一條の六と申しますのは只今は「燃料装置」だけになつています。その「燃料装置」の次にもつてつて「及び電気装置」とやつたのでございます。電気装置と申しますことは、恐らくいわゆる電気廻りと運転手が言つておりますものだろうと思いますが、電気装置も自動車の装置の一つとして、自動車の保安基準にいたしておるわけであります。申し遅れましたが、四十一條の規定と申しまするのは、自動車の装置ということをきめておる規定でございまして、自動車というものはおよそかくかくの装置を持たなければ運行の用に供してはならないのだということで一、二、三、四とずつと二十項目挙つておるのです。その中の一項目に「燃料装置」というのがあつたのでございますが、それだけでは足りないというので今度の改正律案で「電気装置」というものを加えたのでございまして、この御趣旨は極めて結構なことだと思うのでありますが、これを加えましたために関係條文といたしまして六十條の十一というところと、六十七條の二項の三というところに持つてつて、何かやはり電気装置というものがあつたほうがよろしいのではないかという気がするのでありますが、私は技術方面の知識がございませんので、ここらは政府委員の御説明を伺わないとわかりかねる点なのであります。
  63. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 四十一條にきめてございますことは、自動車を動かすについて保安上の技術基準、保安基準と申しておりますが、それに適合しなければならないということをきめてございまして、最近の自動車の事故の調査を見ますと、電気関係が非常に多いのでござまして、実はこれがうつかりしていたのかどうか、或いは理由があつたのかも知れませんが、抜けておつたのであります。で、これは是非入れたいというので、只今御指摘になりました六十條及び六十七條は、これは申請いたしますときに、これこれこういう恰好の自動車であるということを書いて出すのでございまして、これには非常に細かいことを書きますと大変なのでございます。四十一條で保安基準できめてありますことは非常に細かいことをきめてございまして、これは何と申しますか、自動車を本当に使うための保安上の基準であり、検査官或いは車を使うほうの技術者が知つておらなければいけないことでございますので、六十條に書いてないことが非常にたくさん四十一條には細かくきめてございます。そういうことだものでございますから、保安基準としては是非電気関係を入れるけれども、六十條のような少し大きくきめてあるところには特に入れる必要もなかろう、こういうものを入れて行きますと、例えばほかにも方向指示器がどうであるとか、ラツパがどうであるとか、速度計がどうであるとか、全部書かなければいけないことになりますので、わざと入れないことにいたしたのでございます。
  64. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) その次はお手許に出ております改正案の中に、六十條に初めてこの車両番号という言葉が現われているのです。ところがこの車両番号を渡されますというと、その車両番号があとでどういう働きをするのかということを伺つておいたほうがよろしいのではないかと思うのであります。と申しますことは、自動車は従来番号といたしましては、検査を受けますというと検査証の番号がございます。登録を受けますと登録番号があるのでございます。ところが今度登録を受けないでいい自動車ができて参りましたので、その登録を受けない自動車につきましては、車両番号というものをやるらしいのでございます。この車両番号というのは單なる整理番号であるのか、或いは車両番号が何というか、ものを言うというか、口をきくというか、あとで何か車両番号によつていろいろ行政上の措置て来るのかということを伺つておいたほうがよろしいのではないか、こういうふうに考えたのでございます。
  65. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 御承知のように昨年七月に制定になりました現行の道路運送車両法では登録番号ということに相成りまして、それまでの自動車に付いておりましたいわゆる車両番号とは全然違つて来ました。ところがそのとき登録をしない自動車、例えば軽車両などがそうでございますが、そういつたものは車両番号というものを付けておりますが、それは今まで道路運送車両法ができるまでやはり車両番号と言つておりましたのと同じことで一種の整理番号でございます。只今專門員からお話のございましたように整理番号であります。そういつた車の看板の整理上にも車両番号を付けるということは検査に残つている車についても必要でございますし、或いは地方庁その他で車の数を勘定したり、又何か間違いがあつたときに調査するときにも、又例えば事故がありましたときにこういう車が人を轢き殺すというようなことはないかも知れませんが、自動車にはねられたというようなときに、番号でも付けて整理いたしておきませんと、非常に工合が惡いものですから、看板或いは整理番号というようなことで一貫したシステムによつて番号を付けるということにいたしておるのが車両番号でございます。
  66. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) 改正律案で先ほどお話申上げましたように、検査証の有効期間というものが三通りに変つてつたのでございますが、それを現わしておりまする法律の言葉が、旋客の場合におきましては、「旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車」、こうなつておりまして、「事業の用に供する」という言葉が目に付くのであります。貨物の場合におきましては、ただ「貨物の運送の用に供する」というふうになつておりまして、事業という言葉が入つておりません。従つてこの條文を読みまして直接受けます感じは、旅客を運送する場合におきましては営業をしておる自動車に限つておるのだという感じを受けるのでありまして、営業いたしておりません自家用車につきましては、この「九箇月」ではなくて、「その他」に入つて「その他」の「二年」という有効期間を持つのだ、こういうふうに読んでよろしいのだろうと思うのでありますが、その点を伺つておいたほうがよろしかろうと考えます。
  67. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 只今專門員からお話通りでございます。旅客に運送事業と書いたのは、やはりバス、ハイヤータクシーというようなものでございますし、トラツクというものは運送の用に供する、これは自家用、営業用とあと全部でございます。
  68. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) もう一点伺つておきたいのですが、それは先ほど来しばしば申上げておりますように、小型の二輪車というものには登録が、ございません。従つてこの改正案の冒頭におきまして、「自動車」という中から「軽自動車及び二輪の小型自動車を除く。」とはつきりやつておりますが、この除くという括弧書きのありますのは、「以下第二十九條から第三十二條までを除き本章において同じ。)」と書いてあるのでありまして、この括弧書きの中はいわゆる第二章だけの問題でございます。従いまして六十九條というような先のほうの條文になつて参りますと、小型の二輪も適用があるとこう読まざるを得んのでございます。そういたしますと、この六十九條の中で小型の二輪に適用があるとどういうことになるだろうという点について、御説明を承わつておいたほうがよいだろうという問題が起つて参るのです。この六十九條という條文はどういう條文かと申しますと、検査証を返納する條文なのです。検査証を返納したときには、登録がある自動車については、その登録簿にそれを書き込むということが一項目出て参るのです。小型の二輪は登録がありませんので、検査証を返納したときにはどういうふうな御処理をなさるつもりであるかということを一応承わつておいたほうがよろしかろう、こういうふうに考えます。
  69. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 只今のお話のように六十九條では検査証を返えした場合に登録を抹消するということが小型の二輪についてはございませんが、七十二條に自動車検査記録簿というものがございまして、検査した車は全部記録簿を備えておりまして、こちらのほうを抹消する、或いは返えされたという事項を記載するということで整理をいたすことにするつもりでございます。
  70. 古谷善亮

    ○專門員(古谷善亮君) 以上で私が気が付きました極めて細かい事務的な点でございますが、政府委員と問答いたしましたことによりまして、御判断を願いたいと思います。  なお実は一件あるのでございますが、これは法律問題でございますので、私どもといたしましては、一応法制局の意見等を伺つてからにしないと申上げるのは多少早いし、又差し出がましいと思いますので、この点は留保いたしておきます。
  71. 高木正夫

    ○高木正夫君 ただ一言質問申上げます。軽車両の二輪小型ですが、これの登録廃止になつたことは非常に私進歩だと思うのです。昨年大体私希望を申上げておつたと思うのですが、ちよつと伺いたいのは、普通の一般自動車、それの路銀制度、これが現在うまくスムースに行つているかどうか、それからもう一つはつまり自動車の売買と申しますか、そういうことで商取引上に実益が相当あつたが、相当これは煩雑な制度だと思うのです。それだけの煩雑な制度をやつて、商取引上に相当の実益があつたか、それだけをお尋ねしておきたい。
  72. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 登録の事務がスムースに行つているかどうかという御質問に対しましては、御承知のように只今三月までの登録の切替えをやつておりましたので、この間実際の事務をやつております各都道府県の陸運事務所では、人手も不足でほうぼうから応援を出したり、人のやり繰りをいたしまして御迷惑をかけた点があると思いますが、これは全く過渡的な問題でございまして、そう御迷惑を今後おかけすることはないかと存じます。ただ必ずしも窓口事務を扱つておる者が優秀と申せませんので、いろいろ研修をいたしまして、質を向上して御迷惑のかからないようにいたしたいと努力いたしておるような次第であります。  それから新らしい登録制度になりまして、売買その他で便宜になつたかという御質問、これはあの自動車抵当法が車両法と同時に制定になりまして、施行は本年度四月からになりましたのですが、これは非常に重宝がられて非常に利用されるかたが多いようでございまして、むしろこのほうは今後は窓口事務が間に合わなくなるのではないかと思われるくらい重宝がられておるように見受けております。
  73. 高木正夫

    ○高木正夫君 そのあとの点ですが、自動車の販売業者なんかは非常に便宜らしいのです。ところが普通に自動車を持つた人がする場合には、余りほくほくせんようなことを言うのですが、これは私は詳しく知らんのですけれどもちよちよい業者からそういうことを聞いております。
  74. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 多少面倒になつたかと存じますが、昔に比べて、実際自動車をお持ちになつて、事務上から馬鹿々々しくなつたかとも存じませんが、例えば販売業者のほうも便利でございますし、お買いになるかたも抵当法が施行されません以前、例えば去年から今年にかけてのときでも、やはり新らしい自動車を買おうというときには、特に月賦で買おうというようなときには、現在の登録制度はなかなか重宝であるという話をほうほうで聞いたことはございます。
  75. 岡田信次

    岡田信次君 今度の改正で以て自動車の検査手数料をとることになつておりますが、大体道路運送車両法を執行するためにはちやんと予算がとつてあるはずだと思う。特に二百円、百円の料金をとる、而もこれは相当巨額に上るようにちよつと勘定してもなるのですが、特に料金をとる必要並びにその上つた料金の收支と申しますか、使途その他について伺いたい。
  76. 中村豊

    政府委員中村豊君) 今回検査手数料をとることにいたしました理由は、一方においては国家が車両保安確保という行政目的からやる制度でございますけれども、他方から見れば自動車の使用者は検査によつて車両の保安度を審査してもらうということになりますので、事故の危険をあらかじめ防止してもらえるという意味で受益者負担という原則に当てはまるのではないかと思うのでございます。そうしてこのような検査には、検査施設とか機械器具とか、人件費等相当な経費を要しますので、国家財政が非常に窮屈な折から、財政当局からの非常な要望もありましたので、一部分利用者のかたに負担して頂く、かようにしたわけでございます。大体検査関係の二十七年度の予算見込は二億六千六百万円ばかりでございます。そのくらい要るわけでございますが、この検査によつて得られる收入の見込は一億八千万円ばかりになるわけでございます。
  77. 岡田信次

    岡田信次君 自動車局長は道路整備特別措置法には大体反対しておられると聞いておるのですが、この考え道路整備特別措置法と同じような考えですか、その点如何に考えられるか、伺いたい。
  78. 中村豊

    政府委員中村豊君) 私たちとしては自動車の健全な発達を図るためにできるだけ自動車関係者に負担をおかけしないということで行くべきだと思うのであります。従いまして、道路整備特別措置法における有料道路制度とか、或いはこの車両法における検査手数料の制度というものは、決して望ましいものとは考えておりません。ただこれも現在の財政の状態から見てそこはたびたびの折衝によつたのでありますけれども折衝を重ねた結果十分に我々の意思が通らなかつたことを甚だ残念に思つております。まあこの程度は止むを得ず負担して頂かざるを得ないとかように思つた次第でございます。
  79. 岡田信次

    岡田信次君 今のお話の点からすると、運輸省自動車局としてはこんな手数料は取りたくはないが、どこかからのあれで以て止むを得ず取るというふうに聞こえるのですが、その点如何ですか。
  80. 中村豊

    政府委員中村豊君) 自動車局としては取りたくないということではなくて、取らないほうが望ましい。(笑声)併し或る程度先ほど申しましたように受益者負担という意味もあるのでございますから、全部ではなしに一部分は負担して頂いても趣旨としてはそう無理なことではない、望ましくないが、無理なことではないから、この程度は我慢して頂く、かようなつもりでございます。
  81. 岡田信次

    岡田信次君 もう一言最後に申上げておきますと、それだと余りこの道路特別措置法に対して積極的に反対はなさらないわけですね、できないはずだと思うのです。
  82. 中村豊

    政府委員中村豊君) 道路特別措置法についてまだ御質問を受けておりませんので、詳しくこちらの考え方を申上げなかつたのでございますが、道路特別措置法につきましては、只今国会に提案しておりますよう案で閣議が決定したわけでございまして、あのような形であるならば必ずしも十分に望ましいとは申上げられませんけれども、まあ一応適当な制度であると考えられるのであります。その意味で政府として決定されたわけでございます。ただ私たちの心配されますのは、あのような條文になつておりましても、その運用がどういうふうにされるかについて非常に心配を持つておるのでありまして、例えば具体的にどの道路を有料道路に指定するか、又その上に走る如何なる車両から如何なる料金を如何なる方法で取るかということに危惧を持つておるのでございまして、果して伝えられるような伊豆半島であるとか、或いは京浜第二国道であるとか、そういうふうな道路を指定するのであれば、全くあの中に規定されている條文の趣旨に相反するのでございます。例えば有料道路の選定の基準としては、その道路以外に適当々道路があつて必ずしも有料道路を通行することを強制されるものでないことというような趣旨がございますけれども、伊豆半島の道路のごときは他に適当な道路は全くございません。又京浜第二国道のごときは形式上橋梁改修はされておりませんけれども、いないそうでありますけれども、実質的には数年前から頻繁な自動車交通の用に供されておりますので、そのような実施の運用に当つて我々は非常に心配を持つものでございますけれども、條文そのものとしては我々としてもあの案に特に大きな異論を持つておるわけではございません。
  83. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質疑ありますか……なおついででありますから申上げますが、この道路特別措置法案につきましては明日十時から建設連合委員会がありますから、十分その席上で御質疑をお願いいたしたいと思つております。
  84. 小野哲

    ○小野哲君 ちよつと簡單なことなんですが、六十一條の「自動車検査証の有効期間は、一年とする。」というのを今回政府の法案では改正されることになるわけですか、旅客自動車のほうを九カ月としたというのはどういうふうな理由なんですか。
  85. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 旅客自動車の中でも乘用車はハイヤータクシーでございますが、非常に現状としては古い車が多うございまして、営業に使われております三万五、六千、そのうち一万二千ぐらいは一九三六年ぐらいのもので十六年以前の車でございますし、東京附近タクシーにお乘りになりましても、しばしばぶつかりますように、非常にあぶないと思うのございます。又事故も比較的多うございます。それからバスにつきましては終戰後車が非常によくなりましたのですが、依然として事故がこれ又御承知のように多うございまして、運輸省としてもいろいろ指導しおりまして、ここ三年間ほどの間に逐次減つてはおりますが、まだ安心の程度には至つておりません。極く最近東京とそれから神奈川県あたりのバス会社殆んど全部に亘りまして立入り検査をさせたのですが、例えば電鉄会社の経営しておられますようなところは比較的いいのでございますが、会社の数にして半数以上も一般のバス会社と申しますか、余り大きくないようなところは整備状況も運転手の訓練もよくございませんので、やはりかなりあぶない点がございますが、こういう点につきましては製作業者につきましても、最近逐次呼んで警告を発しておりますが、やはりできることならば半年としたい。例の四国に国鉄の大きなバスの事故が起りましたあとで、T・Sの司令官でありますミラー大佐が非常に長い書面を運輸大臣宛に寄こして、その中でも自動車の検査はできるならば四半期ごとにやれ、少くとも半年に一遍やれということを勧告して参りました。半年にするということを研究したのでありますが、一年を半年にするのはちよつと行き過ぎだと思つて九カ月、こういうように出した次第でございます。
  86. 小野哲

    ○小野哲君 検査証の有効期間を減らすという考え方が保安上妥当であるということは私も同感なんですが、それと関連と申しますか、別途の方法で考えなければならないことは、耐用年数の問題があるのじやないかと思うのですが、現在旅客自動車或いは貨物自動車というふうに車両によつて耐用年数も異つておるのではないかと思いますが、できるだけ新らしい車両に取替えて行くように進めて行くために償却年限を短縮して、いわば特別なやり方をして行くということも考え得るのではないか、そういうふうな点で車両の保安上の関係から有効期間を短縮されるという行き方をおとりになると同時に、償却年限をできるだけ短縮して、合理的な経営を促進して行くというふうな方面からも何らかの御研究をされておりますかどうか、この点を併せて伺つておきたいと思います。
  87. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 自動車耐用年数を幾らにするかということは非常にむずかしいのでございますが、只今の御質問の御趣旨は恐らくその税法上の措置として耐用年数を成るべく短くして、償却を短かくしたならば車の交換がうまく行くのじやないかという御趣旨だと思うのですが、従来自動車は確か……ちよつとこの点違つておるかも知れませんが、償却を五年と考えておつたと思います。この点違つておりましたら取消しますが、四年半に去年から短縮したのじやないかと考えておりますが、併し常識的に考えて、自動車を二年か三年で償却してしまえというのはこれは少し無理な話だろうと存じます。五年くらいはまあ常識的な数字ではございますけれども、いろいろと日本の例えば乘用車を五年で償却しろということは、実際のこれは自家用にお使いになりました場合でも、営業用にお使いになりました場合でも、少し早過ぎるのじやないか。税法上の取扱いとしては別の見地からこのくらいが必要であるか思いますが、いろいろ技術的にも又経済的にもここ二年間ほどいろいろ研究はいたしおりますのですが、はつきりした結論は実は出ておりませんでございます。
  88. 小野哲

    ○小野哲君 実は私も中村整備部長がお答えになりましたような点を主眼として伺つてつたわけなので、要はこの道路運送車両法の検査の問題も取上げるし、同時に又耐用年限と申しますか、償却年限の問題を取上げて税法上の特別の措置を講ずるということが、自動車事業の企業の合理化を促進するゆえんではないかと思いますので、そういたしますと、結局税法上の問題になつて来るわけなのです。以前においては三万キロ整備というような制度をおとりになつたのでありますが、今日ではそういう制度もないようでございますが、事業会社の経理の上から行きまして、国税の関係と申しますか、そういうふうな取扱方につきましても変つて来るのではないか。資本勘定と申しますか、或いは営業費と申しますか、いろいろな経理のやり方が違つて来るのではないかというふうにも考えられるわけなのでありまして、自動車運送事業界の健全な発達並びにその合理化を促進して行くという見地からも、この問題について税法上の措置を併せて御検討になつておるかどうかということを実は伺つたわけなんでありまして、三万キロ整備の廃止後の取扱はどうなつておるかということも、若し御決定になつておればこの際伺つておきたいと思います。なおその過程にあるならば、御研究の結果将来成るべく速かにお示しが願えるならば結構でないかと思います。
  89. 中村俊夫

    政府委員中村俊夫君) 少し勉強が足らなくて申訳ないのでございますけれども、いろいろデータ揃えて調べが大分できております。只今御質問の御趣旨に副いまして、成るべく早くきめて、税法上の関係も考慮いたしまして、関係の向きと。折衝いたしたいと。存じております。
  90. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質疑、ございませんか……他に御質疑がなければ法案の審議等については本日はこれで終りたいと思いますが、ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  91. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて下さい。本日の委員会はこれで閉じます。    午後四時七分散会