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1952-02-15 第13回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十五日(金曜日)    午後二時十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小泉 秀吉君    委員            植竹 春彦君            一松 政二君            高木 正夫君            小野  哲君            内村 清次君            小酒井義男君            片岡 文重君           深川榮左エ門君   国務大臣    運 輸 大 臣 村上 義一君   政府委員    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省鉄道監督    局長      荒木茂久二君    運輸省鉄道監督    局自動車部長  細田 吉藏君    海上保安庁長官 柳沢 米吉君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部労    政課長     星野守之助君    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  (昭和二十七年度運輸省関係予算及  び日本国有鉄道予算に関する件)   —————————————
  2. 岡田信次

    理事岡田信次君) 只今より委員会を開会いたします。  この際御報告いたしますが、先般当委員会で決定されました企業合理化促進法案について通商産業委員会との連合委員会開催の日時は明十六日午前十時となりましたので御報告申上げます。  先ず一般運輸事情に関する調査中、昭和二十七年度運輸省関係予算及び日本国有鉄道予算に関する件を議題といたします。前回に引続き御質疑のあるかたは御質疑を願います。
  3. 内村清次

    内村清次君 私は国鉄の二十七年度予算関係について御質問いたしたいと思いますが、今回の内閣の改造によりまして運輸大臣として就任されました村上大臣は、本委員会におきましても、又運輸関係につきましても、よく御事情に精通せられたお方でありまして、二十六年度及び引続いての補正予算で見られまするような国鉄予算現状におきまして、而も又補正時期におきましては、鉄道運賃改正がなされて平年度約四百四十億くらいの赤字が一応運賃料金値上げによつて規正はされたというものの、どうしても現在の輸送要請及び又内部的な国鉄の整備の状態から考えて見ますると、本予算の額といたしましても二十七年度は二千九十九億、而も又二十六年度合計等から合せて見ますると、約三百億程度増加分だけでありますが、これを仔細に損益勘定及び工事勘定、こういう費目の点を検討いたして見ましても、鉄道の二十七年度におけるところの狙いというものが、国民要請によるところの増送関係と、それから文化の基盤であり、経済基盤であり、而も又独立後の要請を担つて行くところ国鉄責任といたしましての予算というものが、これで確立をしたとお思いになつておるかどうか。どの点にこの二千億の予算を以ちましてそういうような諸般の要請に応えてお行かれになる御方針であるかどうか。この点を先ず運輸大臣にお尋ねいたしますると同時に、これは国鉄総裁といたしまして漸く第一年度が、内部的な事情もよくおわかりになつていよいよ本年度からは新総裁といたしましての御経験から発した理想現実とを合せた国鉄の再建を考えて行かれる御方針だと、こういう見方をしておりました。その総裁運輸省を通じてのこの予算提出で今後の国鉄経営というものが非常に円滑に行くものであるかどうか、どういう点に自分理想と相反しているような点があるかどうか、こういう点があれば一つお聞かせを願いたい。運輸大臣から一つ……。
  4. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 只今のお尋ねでありますが、損益計算というお言葉がありましたが、損益計算の面におきましては御承知通り輸送増加すればそれに順応して経費も殖やし得るという総則の規定もあります。これは要請に応え得ると思うのであります。ただその場合におきましても経費はそういうふうに弾力性がありましても、設備がないという場合には如何ともすることができない。工事費の面においては非常に不足している。先般の委員会でも申上げましたが、今日取替経費で取替をせんければならぬ工事が遅れている。要するにその結果として老朽施設老朽車両が夥しくある。これを金額に見積れば千八百五十億程度あるのであります。五年間にこれをやるとしますれば取替をするとしますれば約四百億の工事費が必要である。勿論年年一年々々老朽して行くのでありまして、これの若返り費用と申しましようか、取替費用工事費は年々の償却費を以て充当して行くのが至当でありまして、この分は復元価値から申しまして、大体一ヵ年に二百八十億見当になるのであります。国鉄の二十七年度予算におきましては御承知通り二十六年度で大体三百四億円を捻出いたしておりますが、これが二十七年度工事費に廻つておることは御覧の通りであります。ただ私の憂えておりまする点は、一方において電化ももつと促進して行かんければならぬと思います。又建設線工事につきましても相当各地方にその希望熾烈なるものがありまするので、これに応えて行くことも必要だと思うのであります。そういうふうに考えて行きますると工事費が非常に足らぬ、大体において二十六年度は三百七十八億円であります。二十七年度におきまして四百十七億という工事費の総額になつておりますが、大体この倍、或いは二倍半ぐらいをここ五ヵ年間ぐらい投下して行かんければ国鉄の復興なれるとは言い得ないと思うのでありまして、この点については非常に私として憂慮し、又何らかの手を打たんければならんと考えているのであります。長崎総裁におかれましても、これらの点についてはいろいろと就任以来考慮検討を重ねておられる次第であります。先ず私の感じている大体を申上げておきます。
  5. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 只今運輸大臣から申上げました御所見は全幅的に私同意いたしております。ただ併しながら私としましては実際に仕事をいたして参らなければなりませんから、御審議を願つている予算通りました曉におきまして、これを如何に重点的に使うかという点が最も勘考を要する点だと思います。それにつきましては、先ず第一に運転保安度保安程度、これを確保しなければならんと考えております。それから車両におきましても施設におきましても安全正確な輸送という面に重点を置いて参らなければならんと存じております。そのほか各種ございますが、仰せのように貨物輸送というものは私は相当程度要請があるのじやないか、その要請をどこまで満たせばいいかということを只今審議中でございますが、やがて間もなく実行の段に出でなければなりませんから、今日からそれをどの程度まで受入れられるかという点を研究いたしております。これは主として先ず貨物要請が一番強いのではないか。旅客におきましても勿論でございますが、この点につきましてはどちらに重点を置ぐべきであるかという問題に相成りますが、先ず貨物研究をして参りたい、そして後に車両の改善、その他機関車捻出等によりましてでき得る限り旅客のほうのサービスも充足して参りたい。そのほか能率の向上につきましては各種検討を今いたさせております。できるだけ予算限度におきまして発揮できる最高の限度はどの辺にあるかという研究をし、細かいものを作成したいと思つております。実施の面におきましても着々と、御審議中でありますが、進めさせておる次第であります。
  6. 内村清次

    内村清次君 大臣に更にお尋ねいたしたいことは、これは大臣はよく国有鉄道法がこの委員会に提案されましたいきさつにつきましても、その後のコーポレーシヨン自体としての性格からしましてもこの会計の、いわゆる財政自主性ということは特に強調なさつてつたわけでありますが、今国会の二千億の国鉄予算というものは根本的に独立採算の面がこれはもうその大宗をなしておることは申すまでもないことでございましようが、現実において先ほどの御答弁にもあるように、その点総裁保安度増強を叫んでおられる。それから運輸大臣はやはり工事勘定面からするところ各種施設及び補充、取替等の、線路、橋梁の補強、或いは又増送用の車両、こういう問題を非常に御心配になつておりますが、これは国民要請輸送の増量と併せてそういう面を補強しつつ保安度増加して行く、或いは又その要請に応えて、国鉄増收から来る、或いは又公共性をこれを発展して行くというような、その方針というものが、今回の予算の中には残念ながら見えておりません。借入金にいたしましても、百十億であつて、前年度から約四十億の減になつておる。何ら特別に政府国鉄に対しての面倒を見て行くというようなことが現われておらないように私は見受けまするが、この点はどうですか。閣内に行かれましてからの大臣のお考え方というものは、以前と少しもお考え方は違つておらないかどうか、或いは又その国鉄法に対するところの御準備がなされておるかどうかという点ですね、こういう点、一つお伺いいたしたいと思います。
  7. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 先刻私の言葉が足りなかつたために、或いは誤解を招いたかと思いますが、この取替経費を千八百億ある、それを速かに工事をやつて行かんならんということを先ず以て私が強調したゆえんは、総裁の話されたことく、これは非常に危險度が多くなつて来ておるということを痛感しての話であるのであります。取替経費という、その取替工事を実行するということは、大体において安全正確な輸送をするための設備費考えておる次第なのです。これは年々歳々に的確な運転、安全な運行をやらんければ、やり得る施設年々歳々つて行かんならんものが、戦争の熾烈な時期から今日まで順次累積して、手遅れになつて来ておるという工事金額であるのであります。だから成るべく速かにこの取返しをつけて、安全な運転、的確な輸送をやらんければならんと痛感しておる次第なのであります。そういう見地から申しますれば、なお更二十七年度工事費は不足するのではないかというお咎めがあることと思います。私も非常に少いということを痛感いたしておるのであります。先刻も申します通り、約千億くらいはここ五年、四、五年間投下して行かないと取返しがつかんというふうに考えておるのであります。ただ私が、にもかかわらずこういう予算皆さんに御審議願わんならんということについては、非常に自分の責務を果し得なかつたことを恐縮に思つております。まあ私の就任しましたのが、もう予算の殆んど確定に迫つてのことでありました。そうして今日の国鉄現状が閣僚全体によく周知されておらんということが根本でありまして、これを周知せしめるためには、認識せしめるためには、それだけの準備を必要といたします。適当なデータを以て示さんければならんと思つております。遺憾ながらそれが時間が間に合わなかつたということと、一方におきましては、講和條約の発効も眼前に控えてはおりますけれども、併しなお被占領治下にあるのでありまして、超均衡予算という建前は、日本政府として、又日本国として堅持して行かんならん立場にあると思うのであります。遺憾ながらこういう程度にとどめざるを得なかつたという次第であります。誠に長崎総裁と共にその点頗る遺憾に思つたのでありますが、止むを得ず二十七年度の当初の予算としては、この程度数字皆さんの御審議を煩わすより仕方がないという立場であつた次第であります。
  8. 内村清次

    内村清次君 只今大臣の率直なる御答弁を頂きまして、又鉄道の新予算に対する考え方に対しましても、又御心配なさつている点に対しましても、全く同感でありまして、むしろ私は責めるつもりでしたのでは決してないのであります。現状を以ていたしましても、これは今回の三百億くらいの増加ではどうしてもこれは、而もその予算の基礎になつておりまする物価体系におきましても、恐らく今後の情勢の変化に対応したところ予算の編成の実際ではないだろう、私はこれではやはり又いつかは行詰つて、再び又国会のほうにも、工事費一つ考えて見ましても、或いは又はこの車両増強その他を見ましても、再度又予算提出がなされはしないか、こういうような考え方で、国鉄予算というものが閣内認識が非常に不足するということに相成るとしたならば、これが又相当影響力があるのであつて、特に又これはあとで質問申上げますが、国鉄職員の、即ち定員の問題にいたしましても、給與の問題にいたしましても、現実の事態から少し将来を見てみましても、もうすでに行詰りが来ているのでありまして、この点につきにましてこの新予算にはそういう御方針が盛り込んでないような気がいたしますが、ここで特に情勢としても御質問申上げますが、鉄道公債発行というものは、もう前国会から非常に要望をして、これは大蔵大臣のほうも十分認識はされておるものであるという考え方をしておつたのでございますが、今回もその許可がない。勿論先ほど言いましたように、運用部資金からの貸付も少い。むしろ私ども理想といたしまする一般会計からの繰入れということもできないというようなその真情というものはどこにあるのであるか、この点につきまして一つ総裁折衝過程運輸大臣からも一つ閣内事情につきましてどういう点で鉄道公債発行できないかということを一つ答弁願いたい。
  9. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 只今のお説のごとく、明らかに日本国有鉄道法には公債発行し得ることは明定されておるのであります。ただその点につきましても、勿論閣議でも主張もしたのであります。又電話公債というようなものについても、相当強く主管大臣からは意見が出たのであります。併しながらこの超均衡予算という建前において、やはり鉄道公債にしましても、電話公債にしましても均衡予算の一環として考えられるのであります。従つて誠に遺憾ながらいずれも認められない。こういうことに相成つた次第であります。併し私は今後成るべく速かに鉄道公債を適時適当に発行して、不足しておる設備を、又不完全な老朽しておる設備を若返らすようにしたい、充実することにして行きたいというふうに考えておるのであります。
  10. 内村清次

    内村清次君 この鉄道公債発行が、超均衡予算関係から非常に制約されておるという問題につきましては、これは又別途……私はそれでは超均衡予算の制約というものが一体どこにあるかということは、国家全体の予算関係で、別の予算委員会一つ大蔵大臣に直接打ち当つて行きたいと思いますが、問題は大臣として、この鉄道公債発行という方向に対するところの御希望ですね、そのお考え方であるとすると、ただその超均衡予算を建設するがためにいけないという問題であるかどうかというその見通しの点を一つ答弁願いたいことが一つと……。
  11. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 勿論超均衡予算ということを被占領国として強いられておるのであります。これは遵守して行く責任があると私は思つております。併しそれと同時に、日本のすべてにこれは亘つての話でありますが、必要なる基盤を築いて行く、経済産業基盤をなしておる交通の安全確立、的確、迅速を図つて行くというためには、これ又他の見地から絶対に必要なことだと思うのであります。で、先刻も申述べましたごとく、今日国鉄のすべての設備現状がどういうことになつておるかということの認識一般に十分でないということが半面の又理由だと思うのでありまして、この認識を徹底せしめたならば、如何に超均衡予算の確保と言うても、又そこにより以上の必要性を認めしめて、適当な手が発見できるのじやないかと自分考えておりまして、ただ時が遺憾ながらずらさざるを得ない。自分の熱望は少しも変つておらないのであります。この点御了承願います。
  12. 内村清次

    内村清次君 それから、この国有鉄道法の第三十九條以下の、いわゆる財政の自主権の問題につきましては改正の御意図政府のほうにおきましてはどういうお考えでありますか、その点をお伺いいたします。
  13. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 国鉄法内容を変えて、国鉄がパブリツク・コーポレーシヨンと言いますか、国営と離れて独立創意工夫によつて能率を上げて行きたいという方向へ改めたいという念願は、依然として消えていないのであります。今度会計法改正もございましたが、目下立案中でありますところ電通コーポレーシヨンにおける規定内容等ともよく睨み合せまして、適当な時期を以て提案するようにいたしたいと努力はいたしておりますけれども、果して今国会に出せるかどうかということははつきり申上げられない状態であります。
  14. 内村清次

    内村清次君 それからこれは総裁と、運輸大臣にもお願いしたいのですが、私は前の委員会山崎運輸大臣には確約をとつた問題ですが、これはもう総裁も御承知と思いますが、とにかく国鉄職員予算定員として示されておることは今回もここに明らかでありますように四十四万になつておるようであります。この数字というものは前年度と少しも変つていない。そうして見ますると、今回の説明書にもありますように、貨物は一億六千万トン、それから旅客のほうでは、前年度から約三・五%増の三十三億七千八百万人の増送をやらなければならない。こういうような現実面における客貨増加に対するトンキロの負担というものはこれはもう人員の面に直接参ることは申すまでもない。山崎運輸大臣は、二十七年度予算のときにおいてはこれはもう必ず一つ努力をする、定員の変更をやる。即ち増員をやる。現実面においても一万六千の不足がなされておるのだからして、それを臨時その他で賄つておる現状である以上は、そういう矛盾的な予算定員というものは考えずに、一つはつきりとこの予算定員の中に増員考えて行くと、こういう御発言があつてつたのでありました。どうも今回の予算を眺めて見まして予算定員というものは依然として変つておらない。こういうような、大臣は代つていらつしやるからしてその責任について追及しようとは考えませんが、そういう一貫しだ御方針の下にこの国鉄経営というものがなされて行かなくては私はこれではどこかに無理が行きはせんか、こう考えておるのでありますが、大臣はどういうお考えでありますか。又総裁はどういうお考えでありますか。その点についてこれで需給の問題は説明書通りでよろしいという自信があるのだというお考えであるかどうか。その点をお伺いしたい。
  15. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 二十七年度定員は七千余り増加することになつておりまするが、これは今内村さんのお話の意味とは還りておると思うのであります。いわゆる作業の増加するに対する増員であると思うのであります。ただ定員が今お話のように一万六千人ですか、それだけ足りないということは私は確信がないのでありまして、これについてはむしろ長崎総裁意見を私は尊重して行きたいと思つております。
  16. 内村清次

    内村清次君 ただ大臣一つ御訂正を願いたいのは、今の七千余り増員するとおつしやつておりますが、それは新規補充をやらないという方針を変えて欠員についてはこれは補充して行くのだ。こういう御方針ではないのですか。
  17. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 只今七千八百人ほど殖えておりますと言うのは、超過勤務などに対応するものなのでありまして、それが二十七年度予算であると申上げたのであります。
  18. 内村清次

  19. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 只今大臣からお話がありましたように、輸送量増加に対しましては臨時人夫或いは超過勤務のほうで八千人増員されております。これば約四十万の従業員に対しましては極く僅かでありますが、それで二分ではどうかという問題がありますが、私のほうとしましてはもう少し欲しかつたのでありますけれども各種事情からいたしましてその程度になつたのでありますが、少し増員と申しまするか、臨時的な人員を果してとれるかどうかということが問題になるわけであります。併しながら二分といい、三分といい、これはもう極く一%内外の問題になつて参りますのと、それから最近におきましては従業員諸君訓練教育というふうな面につきましても相当に問題になりましたような次第でありまして、これだけで、現在予算に盛られておりまする輸送人員で何とかやつて行けるんじやないか、又やらんならん。先ほど申しましたような工事費の使い方と同様に重点的に使う。無論内村委員承知のように、定員過不足と申しましても、或る部面では非常に少い、或る部面では非常に多いという過不足が非常に激しかつたところが今度人員整理の結果そういう過不足が非常に少くなりまして、そしていわゆる過員というものが非常に少くなつた。そうすると今まで全体として何と申しまするか、簡單に申しますれば、保線のほうにたくさん過員がある、ところ運転の方面には欠員があるという場合にも、なかなか保線のほうから運転のほうに廻すことが困難だという実情がございます。それは御承知通りでございます。今度はそういうものがなくなつて参りましたから、機関士欠員があれば速かに増加補充するという手もございます。そういう点をいろいろ考えますと、まだまだ工夫の余地があるんじやないかという考え方から、まあ一つつて行こうということを考えておる次第でございます。
  20. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記をとめて……。    〔速記中止
  21. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記を始めて……。
  22. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私、新聞を種にとるようでおかしいですけれども、二三日前の新聞行政機構に関して相当具体的な報道がありまして、そのときは嘘だと思つておりました。昨日の新聞を見ると関係大臣名前まで挙げて行政機構がこういうふうにきまるのだというようなことがありましたので非常にびつくりしたのでありますが、そのうちで私ども多年運輸委員会として相当その前の場合に取上げました問題で、運輸省所管港湾局が今回の新聞に伝うるところによると、それが分割されてたしかどつかほかのほうのところへ行くということである。それからもう一つ運輸省の中の船員局が消えてなくなるような、それが海運局かなんかに行くのじやないかというふうな調子なわけで、それは両方ともすでに過去この運輸委員会で四年の間再三そういう問題が論議されて、その当時参議院の有力な議員の一人として現運輸大臣も私どもと全然同じ意向を持つてつたと思うのであります。私はこの問題は日本の、特に敗戰後海運を伸張しなければならんというこのときに当りまして、港湾行政海運行政から切離すということは、これは非常な大きな国家としてロスになるということは理論でなくて現実である。この際運輸大臣として若しそういう新聞が本当であるならば、曽つて運輸委員会意図を十分含んで、一つそういうことのないように努力をして頂きたいという希望と同時に、そういうことが確実なのかどうかということを一言お伺いしておきます。
  23. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 行政機構を改変するということにつきましては、すでに総理から本会議におきましても言明をしておられるところであります。今責任態勢を明確化するという点、それから機構を簡素化してすつきりしたものにする、まあ大体この二点を主要目的として、今三月の上旬には案を得て両院に御審議を願うということになつておりますことは事実であります。併し今愼重に検討中であるのでありまして、新聞に現われておりまするような意見もあるということは確かであります。今日の運輸省港湾局において取扱つておりまする仕事の中で港湾行政、つまり港政課等仕事、それから倉庫課等仕事官房若しくは海運局に併置して、他を国土省……建設省の一部分としてこれらのものと一つにして国土省という名前にして、そこで取扱つて行くという意見もありますことは事実であります。勿論これらにつきましては、今小泉さんと全く同じ意見を私は持つておる。愼重に今検討が進みつつあるという事態であります。
  24. 岡田信次

    理事岡田信次君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  25. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記を始めて……。
  26. 内村清次

    内村清次君 運輸大臣定員の問題についてはまだよくお呑込みができないと、総裁のほうでは何とか一つやりくりをやつて、それで行こうと、こういう御答弁のようなのでございますが、御承知のごとく、すでに五十万に減らされたときにおいて、もうすでにこの人トンキロにおいてはこれは無理だと、併しながら、内閣の方針として、一応この行政機関の定員と同時に、国鉄のほうもその被害をまあこうむつたというのが実情であつたはずでありまするが、今回のただこうやつた制限された中でも、客貨の増送というものが相当大きく見込まれているのに、それが約十万近くも少いような人員で今後やつて行こうと、何とかしてやつて行こうと、こういうような確たる御計画で、これはもう職員の労働問題、或いは又産業に対してその要請に副うことができるかどうかということが、私たちはもうこれは非常に懸念する問題でありまするが、どういうふうな方法をとつてこの労務管理を今後円滑にして行かれるか、その具体的な何か又特異的な発案でもなさつているかということを一つ再度総裁にお伺いいたしたいのです。或いは又内閣といたしましては、これはこの予算定員の問題は、どうしても我々委員会といたしましても、これは非常に困る、やはりこれはその国鉄職員の問題だけは確保してもらわないと、法律でこれが出る筋の問題ではないからして、何とか一つ所管大臣閣内努力して頂きたいということは、私は再三この前の山崎運輸大臣に申上げたことでありまして、この点は確約を得ておる問題でありまするが、より以上に鉄道に御理解のあるところ村上運輸大臣が、この点に対して、その内容の点についてはこれをよく知らないというようなことでは、私たちは非常に悲観する問題でありますが、どうですか。
  27. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 先ほど申上げましたように、成るほどいわゆる定員としては増加いたしておりませんけれども、約八千人の超勤と臨時人夫があるわけであります。それが四十何がし、損益勘定で申しまするというと、四十万人に足らない、三十七万三千人でございまして、これは予算書にもございますが、それに対して約二%ほどになるわけであります。ところ輸送量のほうを御覧になればわかりまするように、成るほど旅客輸送人員は三・五%、貨物が約二%ほど増加するという建前になつておりまするので、まあ非常に満足ではないが、その程度まで工夫をすれば、この予算人員である限りやつて行けるのじないか、というような考えであります。しかのみならず、先ほど申上げましたように、現在までの定員の状況と、本年度において実施しました、目下実施しておる人員の整理の結果、人員配置の状況が大分変つて参りました。先ほど申しましたように、内村委員よく御承知なんですが、過員と欠員があつた。或る支部では欠員がある、或る支部では過員がある、併し全体としてはそれが過員になつておるという面が相当つたわけです。これはよく御承知だと思います。それから局によつてもある、或る局では欠員を持つておるが、或る局では過員を抱いておるというわけで、新規募集、養成というような場合、配置の面で面常に窮屈であつたものが、今度は過員がなくなりまして、必要な部面に向つて十分補充ができるというようなことになりましたから、そういう面でも、私は工夫して行けば、まあこの輸送数量であるならば、何とかやつて行ける。併し予算以上に輸送数量が殖えて参りますれば、これは無論御説の通り、やはり相当増員なり何なりの手段を講じなくてはやつて行けない。これは一方において能率向上その他によつて或る程度救われる、或いは補正予算の問題になるかも知れません、そのときに考えて参りたい。一応この予算の面では何とかやつて行けるのではないか、大分従来の人員の配置の状況が変つて参りましたということが、何と申しますか、有力な要素ではないかと思つております。
  28. 内村清次

    内村清次君 補正予算でとにかく二万二千人の減員がなされた。勿論これには、いろいろ国鉄のほうでも先ほど言われましたように、実際の労務関係においては、何と申しましようか、十分な一人前の働きができないような、鉄道自体の何と申しますか、責任でございますけれども、そういうような人たちも含めて一応二方二千の減員がなされた。そうしてこの減員の過程において、或いはアンバランスのところは幾らか凹凸が滑らかになつて来たという事態は起つて来ておりまするが、併しながら、これは将来におきましても、やはり減員というものが、自然減耗というものがなされて行く、或いは今後はとにかく八千名以上の新規採用も可能になつて来たのだというこの半面に、やはり希望退職によつて相当な経験者がやめていらつしやる。而も又、これは相当年齢的におきましても経験的にも中堅となる人たちがやはり希望退職者の中にも入つておる。そういうような、多年鉄道事情に精通されておる人たちがやめた、その半面の補充であるとすれば、これはやはり何ヵ月か、或いは何ヵ年かはそういう人たちには到底追付くような仕事能率というものは考えられないだろう、そうして来ると、現実において、これは仕事は現業でありまするからして、客貨輸送というものは完遂しなければならん、そういうことを考えて見ますと、内部的に私はまだ一年間というものは困難性というものが相当ありはしないかという感じがするわけです。そういたしますると、この面でも客貨の増送によるところ仕事増加に対比しない即ち態勢というものが一応気遣かれる。ここにはやはり労働強化というやつがこれは現実に上つて来る。それからいま一点は、臨時人夫を、即ちこれも相当見ておられまするが、こういう資格のものは、これは正常な即ち雇用関係とお認めになるかどうかという点ですね、これは内閣の方針でしようか、どうでしようか、この点について大臣からもお伺いいたしたいのですが、こういう臨時人夫的な雇用で定員を隠して行くと方策ということは、総裁はどうお考えであるか、この点について一つ……。
  29. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) そこいら辺になりますと、臨時人夫臨時定員で賄えるかどうかという点になりますと、大分細かくなるのですが、内村委員承知のように、輸送数量は成るほど年間を通じてこうなつておる、増加しておると言いましても、やはり時期があるのです。波動がございますから、そういう波動の波に乗るという考え方も私必要じやないかと思います。なお先ほど御指摘の一万数千名の十分働きのできない者が定員外になつたというようなことも、これはまあ一つの私は大きな力じやないか。なお仰せられました熟練した、事務に精通したかたがたが今度は希望退職でやめて行くのじやないか、それだけ能率も落ちるだろうという点はこれは一部私も認めます。併し御承知のように今日では経験者というものは五年というくらいのところが最低でございますから、一年、二年の若いものはもうおらんのです。でありますからその点は、私はそう非常に事務に差支えるというものではなくて、何と申しますか、ちよつとした熟練さえあればやつて行ける仕事というものはまだかなりあつて、それにむしろ五年、十年の経験者を使つておるという状態であるということ、これは内村委員もよく御承知だと思います。その点から考えまして、御指摘のようにそんなに心配されることは私はないと思います。
  30. 内村清次

    内村清次君 これはまあ心配といいますか、程度の問題でありまして、私たちはこれでは到底事務関係というものは、これは円滑に行かない、こう考えておるのです。ただこの点に対して御努力をすると言われた、その当時のお考え方からいたしましても、今総裁の御答弁相当懸隔があるように考えまして、これでやつて行けるだろう、こういうお気持のようでございますが、それでは私はどうかと思うのです。それから質問の点はこの予算総則の中の十三條でございますが、この中に七百八億の給與金額が組んであるようであります。これもやはり例年通り予算総則ではこれの移用、流用ということは、これは一応三十九條十一の規定によつて運輸大臣の承認を受けなければならないということで制限されておるようでありますが、この給與総額というものは、ここに書いてありますような費目に充当された問題でありましようが、基本的には一万八百二十四円ベースというものの基本線で積算されてあるとこう認めますが、この中に昇給の額というものがどれくらい考えられてあるか。それはもう一方給與規程にも明確にしてありますように、昇給関係考えなくちやならんが、そういう昇給関係が一ヵ年を通じてスムースに、移用、流用せずにこの予算の額から出される態勢にあるかどうか、この点について御答弁を願いたい。    〔理事岡田信次君退席、委員長着席〕
  31. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 見てあります。
  32. 内村清次

    内村清次君 その額を示して頂きたい。ただ見てあるだけでは……私たちが計算いたして見ますと、これは半年に一回の昇給に対しては僅か六五%、而も又後半期の昇給の額は一つもない、こういう全額になつておるようですが、どういう点で生み出して行きますか。
  33. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 昇給の額は大体百五十円くらいな見当でございます。ただ実際問題といたしましては、今回の行政整理の結果の平均給與額はどの程度になるか、その辺でこれは一応の積算の基礎といたしましてはそういう程度になるのでございますが、実際問題としては今度のいわゆる行政整理の結果いろいろ変つて来るのじやないかと思います。
  34. 内村清次

    内村清次君 百五円といへば少いようですね。
  35. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 百五十円でございます。
  36. 内村清次

    内村清次君 そうして半期ごとの昇給可能ですか。
  37. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 半期ごとに可能だと思います。
  38. 内村清次

    内村清次君 可能ですね。確認していいですか。私どもはこんな数字ではどうしても可能ではないように見受けますが、併しこれは責任を持つて頂きたいと思うのです。  それからこの説明書には、年末手当の半月分ということが謳つてあるようですが、予算総則にはその額が書いてないが、これはどういうことですか。
  39. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 半月分としましてだけは書いてございませんが、十二條の特別手当としまして一括書いてあります。
  40. 内村清次

    内村清次君 これは半月分の意味ですか。
  41. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 半月分に相当する額でございます。
  42. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、これは国鉄関係以外のコーポレーシヨンにいたしましても、この点は日本專売公社のほうには大体〇・八、それから又予算の全体的説明におきましても、公務員に対しては一ヵ月分、こういう予算計画がなされておるようですが、これは運輸大臣どうでしようか。よく大臣は御承知通りに一万八百二十四円のベースそのものが、私は決して官公吏のかたがたのべース及び又專売公社のベースとは、昨年の実收入におきましても、又年末の御承知のごときああいう状態の額におきましても、決して多くはない。その特異性というものが認められておらない。併しながら内閣においては、大蔵大臣も絶対特異性を認めるような発言をされつつあるようであつたが、実際においては今回又半月分でこういうふうに認められておるようですが、この関係はどういうふうに大臣はお考えでありますか。
  43. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 只今お尋ねの点でありますが、国有鉄道職員給與体系は一般国家公務員と異なつておることは、内村さんもよく御承知通りであります。併し一般公務員の基本給に比較しまして国鉄職員が若干上廻つておるということも御承知だと思うのであります。それらの点を考慮して大体半月で適当だと、不充分かも知れないがこの程度で辛抱願うということになつておるのであります。
  44. 内村清次

    内村清次君 これは非常に大臣の御答弁としては悲観するような御答弁つたのですが、これはこの前の年末のときにも、よく御精通なさつておりますからして、あえて申上げたくもないのですが、ベース自体においては確かにそれは向うは一万六十四円ですか、併しこれも又その他の手当において実際の数字というものは余り国鉄のほうと変つておらないように存じますが、特に又專売公社あたりにつきましては、年齢構成から来るところ給與ベースの算定につきましては、これ又国鉄のほうがパーセンテージ的には不利な状態にあることは御承知通りであります。こういう実績から考えましても、年末の手当に半月と一ヵ月というような大きな差をおつけになるというところに、私はまだ国鉄職員に対する特異性を本当に基礎付けた御認識がなされておらない。こういうように考えるのでありますが、こういう事態で予算総則の上にもこの額が明示されておらないというようなことでは、これは大臣といたしましてもやはり年末に相当御困難な情勢になりはしないかと、私は考えるのですが、この点はどうでございますか。
  45. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 今いろいろお話でありますが、実はこういうような問題は、私は実はそう申上げちや相済まんでしようけれども、実際を申しますと、実は承知いたさないうちに、大体決定してしまつた後に就任したような事情であるのであります。併しながらこういう問題は前から知つているのじやないかとすぐお咎めになるだろうと思いますけれども、まあ強いて今申せば若干上回つているので、そう不利益でもないということを言わざるを得ないのですけれども、その辺どうぞ御諒察願いたいと思います。
  46. 内村清次

    内村清次君 一つこの点につきましては、今後又物価指数その他を御勘案頂きまして、特に一つ大臣の理解ある御態度、又年末、それから中間的な夏季に対するところの手当につきましても御考慮のほどを切に私は希望いたしておきます。
  47. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 内村さんの御希望誠に御尤もだと思います。あらゆる機会を掴えて自分努力いたしたいと思います。併しちよつとお断りしておきたいのは、とにかくこの国鉄経営については総裁、副総裁を專任せられ、そうしてこの経営を大体において一任されているのであります。国鉄総裁においても、十分それらの点は経営者という立場において御検討になつて御相談があることと思います。自分としても御相談を受けましたら最善を盡して行きたい。又御相談を受けなくても自分が気付いたことについては、こちらから進んで私見を述べて考慮願うということにして行きたいと思つている次第であります。
  48. 内村清次

    内村清次君 私総裁にどうしてもこの際一つお伺いしておかなくちやなりませんことは、今後の経営方針として、特に又増送関係に対するお考え方として、先ほど保安度の確保ということも言つておられますが、この保安度の確保に密接な関係のある問題が、どうもこの予算関係では見受けられない、ということの一つは、もうすでに京都、大阪の電車区間に対しましても普通の列車が入つている、貨物列車が入つている。こういう状態で、あそこはもう一本線路を是非作つて行かないと非常に保安度も危い。列車回数もより以上は増されないというところがあるのです。いま一つは盛岡を中心としたところのあの東北線ですか、仙台までの間、これは單線区間として非常に列車收容時間というものがもう限度に来ている。これではダイヤも余計には引かれないという現実にあるところがあるのですね。又九州においては、例えば北九州の線路の問題、こういうようなところに対しましてこれは新線建設の考え方でなくして、現在の増收の基幹になる大きな幹線の、こういう危險を内蔵したところの線路の増設という問題をどうして見落しておられるのか。この点に対して今後ローカル線を含めたところの列車のダイヤの変更もあろうかとは思いまするが、こういう実收入的にも多いところの線をなぜ予算面に率直に出しておいでにならないか、こういう点を私は非常に憂慮しているのでありますが、この点は総裁の頭の中にはありますか、どうですか。
  49. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) お説のような点は十分考えております。おりますけれども、先ほど来大臣からもお話がありましたように、財源が遺憾ながら乏しい、そのために今日まだ着手できない。その前に既存の施設それ自体の保安度を高めなくちやならない。かように思つております。無論考えておりまして、而もこれについては各種工夫を今やつて準備いたしております。例えば御承知のようにダイヤと申しましてもべた一面に細かくなるのではなくて、或る点で非常に密度が殖えるという点がございますので、そのダイヤの密度の重複した所だけを複線にするとか、あらゆるそういう経済的な工夫をいたしまして、或いは輸送の方法を変える、つまり操車ヤードから操車ヤードに向つての直接の荷物の輸送の仕方をするとか、いろいろ細かい工夫をいたしております。それらの点になりますと少し細かくなりますので、申上げませんが、そういうことで増設は無論必要でありますけれども、取りあえずとにかく保安度というものに私は本年度重点を置いて参りたいと、かように思つております。
  50. 内村清次

    内村清次君 その点は一つ技術的に私は先般三木経理局長さんとも実は問答したことがありますが、やはり経理局のかたがたは專門的にそろばんの面をよく見られますが「勿論これは何から手を着けていいかという問題は、これはもうたくさん危險な状態が含まれておりましようが、どうしてもやはりどこかに隘路があるのですから是非これだけは早く打開してもらわんと、どうも国鉄の増送ということはできんのじやないか、増收ということも又できんのじやないかという考えを持つております。その点一つ御記憶を願いたい。  それから電化の問題ですが、今回二十億の東海道線の電化をお考えでありますが、これはどこまで延長するのですか。土地買收はできたのでありますが、これは私先般予算委員会調査に参りました際にこれは多年東海道沿線のかたがたが待望しておられる問題でありまして、是非一つこの点は国会でも明らかにしてもらいたいという要請も各地からあつております。又部内といたしましてもこの問題は重要な問題と思いまするからして、どのくらいの所まで実際電車が通うようになるか、ただ土地買收だけで打切りになるのかどうか、その点を伺いたいのであります。
  51. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 電化のほうはこの予算ではここに書いてある、何と申しますか、この浜松、姫路と書いてありますが、これは無論姫路まで行く気遣いはないのでありまして、ただそういう計画になつておるという点だけを示しておるに過ぎません。実際に予算でやり得るのは、名古屋までも行かない。名古屋まで行くとすれば、どうしても稻沢操車ヤードまでやらなければ、意味をなしません。それには恐らくこの金額の三倍くらいかかるのじやないか、かように思つておりますから、三分の一の距離までしか行かん、こう御承知願います。
  52. 内村清次

    内村清次君 それから国鉄の問題としまして重要な問題は、実は村上運輸大臣もおいででありますが、戰時中の買收線、この問題が先般これは連盟からか手紙を頂きましたときにおいて、すでに固定資産その他の再評価もなされた今日においては、一応連盟を解くのだというような情勢のように承わつたのですが、これは国鉄総裁といたしましては、この買收線に対するお考え方は、どう思つておられるか。
  53. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 私御承知のように終戰後暫らく鉄道に遠ざがつておりましたので、当時どういう事情でありましたかよく存じません。存じませんが、戰時中に買收した鉄道を又会社に拂下げてやるというようなお話があるということを聞いております。ところが先だつて今のお話の連盟からああいう手紙を頂戴して、これは沙汰やみになつておるのだと思つておるのでありまして、御尤もで、再評価して、元の買收価格で買つたらこれは引合うだろうと思いますが、現在の再評価格でやつたのじや、なかなか引合わんのじやないかと思いますので、恐らく実現不可能じやないか、それを御覧になつておやめになつたのじやないか、かように思つております。これについてそう深い……返すべきであるとか、返すべからずというような原則的な一定の考えを私はまだ持つておりません。
  54. 小酒井義男

    小酒井義男君 一つ大臣にお伺いをしたいのですが、二十七年度予算の新線建設は、もうすでにどの線をやるかというようなことがきまりかけておるかどうか、ということを伺いたい。
  55. 村上義一

    国務大臣村上義一君) まだ決定はいたしておらないのでありまして、昨年の八月だと記憶しますが、運輸審議会ができまして、爾来本会議を二、三回、又分科会、小委員会と申しますか、これ又二、三回開かれまして、聞くところによりますと、大体において帝国議会当時に取上げられたいわゆる建設線の中から主としてピツク・アツプしておられるようであります。特に戰時中に土工を大半を終えた、或いは完了したというものが約十年中止されておりますような線を主として取上げておられるようでありますが、併しながら建設線に入つていない線でも、その後の客観情勢の非常な変化によりまして、例えば優良なる鉱山を発見したとか、ただその鉱石の輸送路がないために今日まで採掘が盛んにならないといつたような関係、その他客観情勢の非常な変化によつて新らしい線を坂上げておられるのも一部あるようであります。とにかく数十本の線を取上げておられるようであります。その後数名の委員欠員が出ておりまして、近く充実せられることと思つております。運輸省としましては関係の向きに督促をいたしておるような次第であります。両院で指名になりますれば、成るべく速かに審議会を開いて答申を得たい、こう考えておる次第であります。
  56. 小酒井義男

    小酒井義男君 大臣の御答弁によりますと、まだどこを先にやるかということはきまつておらん、審議会の答申に基いてそれがきまつて行くんだと、こういうふうに了承してよろしうございますか。
  57. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 建設審議会は御承知通り、その本質は諮問する会であります。併しながら運輸大臣としては、この答申を尊重して行くということは、これは徳義上なさなければならんと思つております。答申を待つて、十分尊重して決定をしたい、こう思つております。
  58. 小酒井義男

    小酒井義男君 そういたしますと、これは新聞で実は見たことですからあれですが、次官等が地方へ行つて、大体今年はここだ、この線は本年度にはやれないというような意見を発表しておられるのは、これはその人が個人的に言つておられるというに過ぎないというのですか。
  59. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 全くお説の通りであります。未だ何らきまつたものはないのであります。
  60. 小酒井義男

    小酒井義男君 この際私発言のあれですから資料のことでお願いしておきたいのですが、国鉄と言いますか、国鉄の所有の施設等で民間にお貸付になつているのが相当いろいろあると思うのです。そういうものの貸借関係、つまり料金関係がどういうような傾向を辿りつつあるかということに対する一つ資料を頂きたい。でき得ればこれは安本等が出しておりますように、昭和十一年度なら十一年度を基準とした一〇〇のもので、最近どのような傾向でそれが変更されているか、こういうものを一つ頂きたいと思います。
  61. 片岡文重

    ○片岡文重君 大体私の質問は先ほど内村委員からの質問に補足的になるかと思うのですが、ダブらないように、且つ具体的にお尋ねいたしまするので、結論だけで結構ですから明確にお示しを頂きたいと思います。大臣にお伺いしたいのは、機構改革の問題でありますが、巷間いろいろと噂されておりまするので、先ほど小泉委員の御質問にお答えになつ程度であるとしても、運輸省の今後の改革の構想をどうお持ちになつておられるか、運輸省というよりも、むしろ交通行政に対する機構考え方についてどうお持ちになつているか、具体的なものがおありになるならば、それをお示しを願いたい。その点から先ず……。
  62. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 行政機構の改革につきまして、これは交通省として簡明な、且つ責任態勢の明瞭なものにすべきだという意見を持つております。ただそう申しましても、海上交通につきまして、或いは陸上交通、特に道路交通、又ば航空交通というような、どの面に対しましても、総合的な交通全般に亘つて機構確立するということが理想であると私は考えているのであります。かくしまして初めて責任の態勢が明確になるのであります。又共管その他のものが排除せられる、すつきりした機構を持ち得る、こういうように思つておるのであります。ただそれぞれ現在関係の省があるのでありまして、それらと協調を保つて行かなければならんということは申上げるまでもないのであります。今海陸空の交通関係のすべての行政面を総合的に網羅するということは、これは交通という見地から望ましいことでありますが、又他の面からこれを観察して見ますると、それぞれ又別個の意見が立ち得るはずであります。従つて現在総合されておらないということになつておるんだと思うのであります。従いましていずれが最も緊密性があるかということから判断して結論を得て行かなければならんと思うのであります。自然交通の面からのみの主張を貫くということが困難な場合も生じて来ようかと思いまするが、自分考えとしては、只今申したような意見を持つておるのでございます。
  63. 片岡文重

    ○片岡文重君 その場合に広義な交通解釈をいたしますと、電信、電話というようなものも考えられますが、今郵政省の所管になり、或いは電通省の所管になつておるような広い意味の交通問題、それらについて何か一本に統合されるのではなかろうかというようなことも伝えられておりますが、その点如何でしよう。
  64. 村上義一

    国務大臣村上義一君) お説の通り新聞紙上等でもそういう意見が発表されております。そういう意見もあるということは事実でございます。併し私は人と物との交通と思想の交通とは、これは別の問題、勿論これを一つにしてやつていけないという性質のものじやないと思いますが、一つにするだけの理由は何らないと実は考えるのでありまして、全く木と竹とを継ぎ合したような結果になると私は考えております。その間に両者が一つの省で処理して行つても益するところが一向ないんじやないか、こういうように考えております。
  65. 片岡文重

    ○片岡文重君 更に具体的な問題になつて来るのですが、それでは国鉄機構について現在の管理局、或いは営業事務所、資材事務所、経理事務所、鉄道管理局、こういう何と言いますか、縦割制と言いますか、これについて当事者からも、部外からも相当な批判があるようでありますが、この問題を今後機構改革の場合に更にこれを続けられるのか、或いはこの問題について更に手を加えられるおつもりなのか。これは大臣総裁、両方から一つそれぞれの立場から御説明を頂きたいと思います。
  66. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 国鉄機構につきましては先年未曽有と言つてもいいような内部機構の改革がありました。お説の通り四段階であつたものが三段階になり、そうして縦割五本制度になつたという次第であります。これも勿論責任態勢を明確化すると共に能率の向上を図るということを目標として大改革が行われたことは御承知通りであります。爾来今日まで約一年半経過いたしておりまして、一方におきましては制度の目的がほぼ達成せられたという批判もあるようであります、又他面におきましてはこの制度ではどうしてもいい結果を得られない。今の能率の増進ということ、又責任態勢の明確化ということは得られるかも知れんが、その半面において弊害が増加しておるという批判もあるようであります。およそこういう制度は長所もあれば常に短所もあるのであります。多くの場合に長所の裏が即ち短所という、長短が表裏をなしておるということはどうも如何なるものの制度でも免かれ得ないところであると思うのであります。お説の通り部面から批判があると、仰せられた通りでありまして、只今申しましたようなこの長短表裏をなしておるということを立証しておるものだと思うのであります。この制度につきましては如何に今後処理すべきかということは長崎総裁就任せられましてから愼重にお考えになつておるところでありまして、運輸大臣としましては先ず以て総裁の決意を伺つて、然る後に善処したいと、こう考えておるのでありまして、二階から目薬をさすことは避けたいと思つておる次第であります。何分総裁御就任になつてからも恐らく間断なくこの問題は脳裡に去来しつつあることと思つております。けれども、非常にこの制度のこういう根本的な改革ということにつきましては、自然社宅、又事務所等の設備にも非常な影響がある次第でありまして簡單に変更は許されないことなのであります。自然愼重なる御検討をされておることと思つております。
  67. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 只今私の考え方に対しての御質問があつたようでありますから、只今大臣お話で十分おわかりと思いますが、私の考えておることもちよつと附加えて申上げます。私就任以来、機構の問題がいろいろの機会において、当議会においても御質問がございましたが、問題になりました。と同時に、政府においても行政機構の簡素化、或いは行政事務の簡易化というふうなお話もございましたので、それと両々睨み合せて考えねばならない問題であるということを心に置いております。と同時に、先ほど御意見がありましたように、内部からも、外部からも今の制度に対するいろいろな批判を聞くのであります。これらにも十分耳を傾けまして考えをまとめて参りたい。甚だ私不敏でありまして、まだ結論には到達いたしておりません。実はこの正月に北海道に参りましたのも、北海道は御承知のように新らしい機構を真つ先にやつたところであります。その一番歴史の古い、真つ先にやつたところで、現実においてはどう動いているのかということを見たいと考えて参つたのであります。現在の機構必ずしも全都惡いところばかりでは私はないと考えます。非常にいい面もあるようでありますが、同時に先ほど来大臣からも申上げましたように、案外不便な点がある。どうもこんがらがつているのじやないかというような気持もございます。これらをどう調節して行くか。私は機構というようなものは、やはり長い歴史を経てだんだんと変化して行くものでございまするから、急激に変りますとそれに我々が順応し得ないという点が、私非常に機構の大概の何と申しますか、行手と申しますか、歩く道と申しますか、それを困難にしているのじやないかと思います。でありますからといつて改革、改良をやらなくては進歩はないのであります。そういうふうな意味合いにおいて、現在の機構を維持しつつ、いいところを維持しつつ、而も我々の今までやつて来た考え方、順応して来た行き方とどう調和させるか、どこが妥協点かという点の発見に実は今苦心をしておるのであります。殊に御承知のように鉄道は線路でありまして、線が根本になつておるのでありますが、同時に我我の地方における生活というものは行政計画によつて計画されておるというような点、これらとどう調和すべきかというようなことも一つの私はむずかしい点ではないかと思つております。そのほかまあ細かなことを申しますといろいろあります。これらの問題も十分私は研究しなければならんと思つております。いい面もあるが、甚だ複雑な面もあり、何とかして一日も早く解決して結論に達したい、こういうふうに考えております。
  68. 片岡文重

    ○片岡文重君 機構改革の問題はその程度にしまして、次に最近の人事院から地域給に対する勧告が出されたようでありますが、これに対しては当然予算措置がなされるものと考えられますので、国鉄としてはこれをどのように扱われるのか、この点について一つ伺いたい。
  69. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 甚だ何ですが国鉄は公務員じやないのでございまして、勧告には何がないのであります。
  70. 片岡文重

    ○片岡文重君 質問の言葉が少し足らなかつたかと思いますが、人事院から地域給に対する勧告が出されましたので、一般公務員としては当然、当然という言葉が又お叱りを受けるか知れませんが、一般公務員としては、この勧告に伴うところの措置が政府としてなされるだろうと思う。その場合に国鉄としてはです、一般公務員と同時にそれに適する措置がなされるだけの御用意がおありになるかどうか。それから予算措置が講ぜられておるか。これは運輸省として一般公務員法の適用を受ける諸君の予算にも関係するのですから、両方を御説明頂きたい、こういうことであります。
  71. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 人事院から地域給について勧告が出たということは事実であります。これに基いて今政府としては調査検討中であります。恐らくその結果を近きうちに国会提出して審議をお願いするということになると思うのであります。ただその場合には勿論予算を伴つた措置をとらなければならんと思う。御承知通り一般予備費というものからこれは措置をとるよりほか仕方がないのじやないか、私はそう考えておる。
  72. 片岡文重

    ○片岡文重君 国鉄の場合、そうしますとどういうふうに考えられますか、一般の公務員の措置が政府においてなされる場合に、国鉄も同時になされますか、それとも国鉄一般公務員でないからというので、今日は見送られるつもりなのか、その点をはつきり一つ、これは各地において国鉄の諸君としても、大きな問題になつておると思うのです。
  73. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) これは全くその通りであろうと思います。非常に注目をしておるのではないかと思いますが、一般会計予算措置と睨み合せまして十分研究して善処して参りたいと思います。
  74. 片岡文重

    ○片岡文重君 いま一つ国鉄には、どこでもそうですが、特に国鉄には結核患者、それから公傷病者等が多いわけでありますが、これらが今度比較的早く休職者としての取扱を受けるようになる、その給與を何か特別に考えておられるやに聞いておりますが、その休職者に対する給與を特別になさるとするならば、それの算出の方法、それから基準等についてお考えがあるのか、若し考えておらないとするならば、いつ頃それを具体化されるつもりなのか、その点を一つ……。
  75. 星野守之助

    説明員星野守之助君) 休職者の取扱につきましては日本国有鉄道法改正によりまして給與はきまつておりますから別に措置するということはございません。
  76. 片岡文重

    ○片岡文重君 この二十七年度予算の事業計画を拝見しますと、列車キロと出ておるようでありますが、車両キロというものがないようでありますが、車両キロは全然事業計画を立てる場合の参考にされなかつたかどうか、その点を先ず……。
  77. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 車両キロは一応見ておりせまん。列車キロを見まして、それから旅客貨物輸送、人キロ、トンキロを見ておりますから、結果的には出ると言つてよいかと思いますが、具体的には列車キロと輸送トン数、それの人キロ、トンキロ、これで立てております。
  78. 片岡文重

    ○片岡文重君 議論をする意思はございませんが、この先ほどの内村委員の御質問の要員関係でありますけれども、昨年よりもこの事業計画で拝見すると相当輸送人員において三%五、トン数において一%九殖やしておる、而も要員は四十四万六千九百十九人、却つて昨年から見ると相当減らしておる。こういう無理なことはという内村委員の御質問に対して、何とかやつて行けるということであつたようですが、この車両キロを載せなかつた、又結果は同じだからというようでありますけれども、列車キロが殖えて而もこのように輸送人員が殖え、輸送トン数が殖えるということは、必然鉄道従業員の労務がそれだけ増加され、而もそれが特に貨物要員、駅員の手を多く要すると考えられるのですが、車両キロというような資料がこしらえてないということは、要員の算出に不利益になるからとでも考えてのことでしようか。これらの点について車両キロが全然参考にならないとお考えになるかどうか。むしろこういう要員計画を立てる場合には、列車キロもさることながら車両キロのほうが、例えば検修要員にしても或いは荷役の要員にしても、機関助士の投炭の回数にしても、特に貨物列車キロは車両キロの分量によつて相当大きくしなければならないと思うのです。従つて車両キロのほうは要員の計画を立てる場合には重要ではないかと思うのですが、この点どう考えるでしよう。
  79. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) お答えいたします。非常に片岡さん專門家でいらつしやるので專門的な話になるかと思いますが、旅客貨物につきまして車両キロの意義が非常に違つておると考えます。旅客につきましてはどの程度の平均乗車人員で行くかということがまあ非常に問題になりますので、車両キロというものが直ちに輸送人キロとすぐ結付くというわけには参らないと、むしろ旅客列車につきましては列車キロとそう大差はないんじやないかということは、客車を現在つけ得る限りつけております。列車キロで見てもそう狂いがないと、かように考えております。従いまして旅客につきましては、車両キロと厳密に言うと違いますが大数観察といたしましては列車キロで車両キロというものをそのまま比例的にというわけには参りません、けれども、列車キロで見て行けば先ずいいんじやないか。それから貨物につきましては、これは輸送トンキロが上がりますれば、原則として車両キロが殖えて参るわけでありましてこれにつきましては列車キロの問題よりもむしろトンキロが車両キロに近いものではなかろうかと考えます。勿論空車の平均のキロがどうなるかといつた点がございますので、車両キロ即トンキロだというふうには考えるわけには参らないと思いますけれども、勿論車両キロを別に見るということは全然意義がないということを私は申上げませんが、大数観察としては旅客貨物共に前に申上げた列車キロと輸送人トンキロで見て行けば先ずいいんじやないかと、非常に大きな計画といたしまして、なお具体的な細かい問題になつて来ますと、車両キロも当然に見て参らなければならない、そういうふうに考えます。
  80. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  81. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) 速記を始めて。
  82. 片岡文重

    ○片岡文重君 要員関係で殆んどもう御説明頂いておりますが、ただ私の心配しますのは、この四十四万六千何がしの要員が、年度の当初において定められて、年間自然減が当然考えられるのですが、その場合にはその都度要員を補充して、常時この四十四万何がしが確保される措置がとられておるのかどうか、或いは年度末までこの自然減はそのままにして置いて、次の定員法の改正もお考えになるのかどうか、その点如何でしようか。
  83. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) その点に関しましては、昭和二十六年度と非常に事情が違つておりますので、事務的に若干ずれるということはございましても、常に定員を実員を以て充実するという二十七年度方針でございます。年度末において一括どうするというようなことではございません。ただ事務的に若干ずれたりいろいろすることはあります。
  84. 片岡文重

    ○片岡文重君 次にこれは大体御説明頂いた事業計画に基いての要員を査定されたものと考えられますが、そういうことになりますと、二十七年度に若しこの事業計画以上に業務量が増加した場合には、それに伴つて要員を増加されるお考えでありますかどうか。
  85. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 先ほど来私繰返して申しましたように、只今の計画にあるトン数なり輸送人員なり、列車キロの範囲においては、併しそれが非常に増加して参れば、当然これは増員しなければならないのではないかと思つております。
  86. 片岡文重

    ○片岡文重君 どうも細かくなつて恐縮ですが、今国鉄従業員には、休暇その他の面において、基準法に照らして遺憾ないとお考えになつておられるかどうか、若しこの休暇等が十分にやつて行かれないという現状であるとするならば、どの程度に不足しているのか。これらの点について、若し今日資料がなければ後の御提出でも結構ですが、御説明頂きたいと思います。
  87. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 詳細の点は資料を以ちまして御説明を申上げたいと思います。ただ現在休暇につきましては、遺憾なくやつているかと思います。特に先ほど国鉄総裁からもお話がございましたように、今日におきましては、過員、欠員状態が二十六年度と非常に変つて参りまして、今日若干無理が生じているという点もないわけではございませんが、そういう点は、欠員を不補充という点が非常にございました。これまでにおきましてございましたので、若干そういつた部面もときにはあるかと思いますが、その点が、よほど構成が違つて参ります、過欠の状態が違つて参りますのでよくなるのではないかというふうに思つております。
  88. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) 他に御質疑が……。
  89. 岡田信次

    岡田信次君 資料を一つお願いしたい。国鉄のかたがたにお願いするのですが、志免鉱業所に関するあらゆる資料を御提出願いたい。それからもう一つは国営自動車と国有鉄通線との並行しておつて営業している区間並びにその自動車の運転回数、運行回数ですか、等の資料、その二種類の資料をこの次の機会までに……。
  90. 内村清次

    内村清次君 総裁に先ほど片岡委員が質問いたしましたうちの、地域給の問題です。これは相当重要な問題でございますから、総裁は考慮して考えて見ようというお話でありますが、是非考えて頂かなくちや困ることは、問題は地域給の是正というのが、今回勧告になりましたが、この後の取扱は村上大臣が言われましたような経路で取扱がなされたろうと思いますが、問題は十四億五千万円程度の、公務員のべースというもののうちに含まれた給與がそれだけ多くなつて行くわけですね。そうすると国鉄のほうでは一応組合と話合いをつけて、地域給の五分下げ、いわゆる一級下げて二級のところは五分引きというところで、国鉄職員の地域給を出しているのですね、あとは基本給のほうに入れて行こう、こういう考え方ところが今回是正されて見ますと、やはり地域的な物価の変動の極くひどいところ、特に国鉄職員が少し地域的に人員の多いところがそのままになつておる。だから片一方は十四億も今回増額されるのですから、国鉄のほうではやはりそういうアンバランスのところでは、原則に基いて一級下りでもいいのですから、今回二級になつところはその五分だけを是非支給して行く、こういうような資金計画、それから又是正計画を早急にとつてもらいたい、それでないとこの問題一つ取上げて見ましても、非常に地方的にはアンバランスになつておりまして、又地方的には非常に困難な給與関係になつておりますから、それを一つ考えて頂きたい。それで政府のほうから金を持つて来て頂ければ非常にいいことですが、併しそれはできない。ですから是非一つ資金計画のほうを増加してもらつて、この是正を、是正が可能になるように再検討してもらいたい。よろしうございますか、どうか一つ……。
  91. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 地域給に関しまする只今内村委員の御意見は十分に考慮の中に入れまして、そして先ほど申しましたようにできるだけ一つ努力をして参りたいと思います。
  92. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) 他に御質疑がなければこれで……。最後に先ほどちよつと御報告いたしたと思うのでありまするが、企業合理化促進法に関して明日連合委員会を通産委員会といたします。ついてはその委員会に臨む態度、当委員会の態度は、去る十二日において審議されました際における当委員会の空気、なお又大体その際には船舶の増強必要性から、この際企業合理化促進法において船舶が適用されるということについては皆さん御異議がないようなふうに了承いたしましたから、一応通産委員会との連合委員会におきまする当委員会の、一応皆さんの態度、あらかじめその方向だけをきめて置いておきませんと、委員長としても発言いたす際にも如何かと考えますので、大体この十二日においては、お手許に差上げてあると思うのでありまするが、船舶を適用するということの態度を当委員会で大体決定した趣旨の下に臨むということにいたしては如何かとも考えて、一応グラフを差上げてあるのでありまするが、これについて一応お諮りいたしたいと思うのですが……。
  93. 一松政二

    ○一松政二君 私は運輸委員会としてそういうことを申入れさるることに何ら異議を差し挾まない。ところが私は根本的に企業合理化法案で重要産業というものを否定するごとに僕は異議がある。それでその見地から私は発言いたしますから、それは御了承願いたい。
  94. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) それは結構です。大体今一松君のお話は、企業合理化促進法案そのものに対してのお話でありますから、当委員会の趣旨は先般も随時委員長としても申しました通り、目的は船舶の増強必要性政府も認め我々も認めておる。その方法としては、この際企業合理化促進法案が提案されるならば、自己資金の蓄積という見地から船舶というものをその中に適用されるようにしたいという意向については、皆さん御異議がないと思うのです。その意味において今お手許に差上げたような趣旨のものを、当委員会から委員長の名において通産委員会に出しますることについてお諮りしたいと思うのですが、如何でございましようか。
  95. 小野哲

    ○小野哲君 それで十二日にこの企業合理化促進法案につきましては、相当議論し大蔵省の見解も聞いております。同時に通産委員会と連合委員会を開くということはすでに決定しておることでありますから、従つて委員会考え方を通産委員会に申し送つて行くことが、更に連合委員会を開く上において適当な措置ではないかと思うので、この点について各委員のお考えをおまとめ下さつて、今日ここで申入れをするということにきめるように委員長一つお計らい願つたら如何かと思います。
  96. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) 只今小野委員からの御発言がありましたのは、丁度私が申上げておるのはそういう趣旨で申上げておるので、やはり連合委員会を開きます趣旨を明らかにいたしておいたほうが審議上よかろうかと思いますので、又本法案は非常に決定が急がれておりまするから、その意味において明日開催いたす関係もあり、又さような意味で当委員会の大体の何というか、当委員会考えておる点を明らかにいたしたほうが妥当じやないかと思うので、今小野委員の御発言の通り考えておりますが……。
  97. 内村清次

    内村清次君 今小野委員の言われましたように、この案の意義を是非一つ通産委員会に申込むということに対しまして賛成いたします。
  98. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) 大体御異議がないようでありますからさように取計らいましてよろしうございますね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 山縣勝見

    委員長(山縣勝見君) ではこれで本日の委員会を閉じます。次回は公報で御通知申上げます。    午後四時十八分散会