○風早
委員 ところで、実際にわれわれが
労働者の
生活を見てみますと、この官庁
統計がいかにインチキであるかということがわかるのです。問題は
生活が楽に
なつたかどうかということが何よりの証拠なんです。でありますから、われわれが大多数の、会う限りの
労働者について見て、実際に二十二年よりも今日が年々とにかく苦しく
なつておるという実情を、一体どうつじつまを合せたらよろしいか。われわれはこのつじつまを合せるのにははなはだ苦しむ。官庁
統計では実質賃金は上
つて、物価はそれほどには上らない、こういうような
統計を出して参りますが、実際にわれわれの感覚がそれを許さない。そのからくりというのはもちろん一部の
労働貴族といわれる人たちはあります。これは非常に賃金が上
つているというものもあるわけです。それから産業別に見て、また特需産業の一部の大
工場で、そのうちの
労働者でも、特に高級層において相当よい賃金をもら
つているというところはあるわけです。これをみな平均した場合、これは私
どもは百歩を讓
つても、そういうようなからくりがあるわけでありますから、これはおそらくそういうところに
一つ原因があるのだろうと
考える。それからもう
一つは、実際に
労働者として、同じような
仕事をやり、同じような時間で、ほとんどその技能もかわらないというような人たちも、今日
臨時工というものがいよいよふえて来ておるという問題がある。さらにもつとひどいのは、賃金不払いということもあるわけです。こういうことを
考えますと、実際にそれでは
労働者がこれだけもら
つているはずだ、賃金の基準がきま
つておることで、実際にその異質賃金が上
つているということは言えない。これは実際にもら
つている人について、しかもそれが上中下とありますから、これを平均したそういう数字であると思うのです。われわれは実際に官庁
統計を
自分でつくつたわけではありませんから、その操作というものは十分にこれを追跡して行くことができないために、いろいろまだあると想像せざるを得ませんが、しかし今私は手元にその資料を持
つて来ておりませんから、ここで一々それを追跡するわけには行きませんが、少くともこういうように実際と違うということは、その
統計がはたして正しいかどうかということを疑わせるわけです。
労働大臣は、ただ一片の官庁
統計だけによ
つて、実質を見ないで、
労働者の
生活を見ないで判断されると、これはたいへんに政策の上に、善意であ
つても誤りを来すのではないかと思うのであります。そういう点で私は、
一つは
臨時工の問題、
一つは賃金不払いの問題について
労働強化の問題もありますが、これは一応預か
つても、こういう問題について
お尋ねしてみたいと思います。一体今賃金の不払い、これは幾ら賃金がきめられてお
つても、不払いであればゼロでありますから、問題にならない。そういうものが、たとえば東京の
労働基準局管内において一体毎月々々平均どれくらいの件数と、どれくらいの
金額に達しておるか、これを出してもらいたい。