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1952-02-20 第13回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科員昭和二十七年二月十八日(月曜日)委 員長指名で次の通り選任された。    主査 有田 二郎君       北澤 直吉君    小坂善太郎君       永井 要造君    西村 久之君       宮幡  靖君    井出一太郎君       川島 金次君    世耕 弘一君 ————————————————————— 会議 昭和二十七年二月二十日(水曜日)     午後二時五十三分開議  出席分科員    主査 有田 二郎君       飯塚 定輔君    北澤 直吉君       永井 要造君    西村 久之君       井出一太郎君    川島 金次君       世耕 弘一君  出席政府委員         大蔵政務次官  西村 直己君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     小川 潤一君         大蔵事務官         (主税局調査課         長)      亀徳 正之君  分科員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   谷川  宏君         大蔵事務官         (理財局総務課         長)      宮川新一郎君         大蔵事務官         (管財局総務課         長)      小林 英三君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  松永  勇君         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君 二月二十日  分科員宮幡靖君辞任につき、その補欠として飯  塚定輔君が委員長指名分科員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十七年度一般会計予算大蔵省所管  昭和二十七年度特別会計予算大蔵省所管  昭和二十七年度政府関係機関予算大蔵省所管     —————————————
  2. 有田二郎

    有田主査 これより第一分科会を開会いたします。  本分科会皇室費国会裁判所会計検査院及び大蔵省所管並びに他の分科所管以外の事項審査に当ることになつておるのであります。審査の都合上、本日及び明日の午前は大蔵省所管とし、午後は皇室費国会裁判所及び会計検査院所管並びに他の分科所管以外の事項審査をいたしたいと思いますから、御了承ください。  これより昭和二十七年度一般会計予算大蔵省所管昭和二十七年度特別会計予算大蔵省所管昭和二十七年度政府関係機関予算大蔵省所管を議題といたします。まず政府説明を求めます。西村政府委員
  3. 西村直己

    西村(直)政府委員 ただいまから昭和二十七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。  まず一般会計歳入予算について申し上げます。昭和二十七年度一般会計歳入予算額は八千五百二十七億五十三百六十七万八千円でありまして、これを前年度予算額七千九点三十七億七日十一万二千円に比較いたしますと、五百九十億四千六百五十六万六千円の増加と相なつております。  以下各部について簡単に御説明いたします。まず租税及び印紙収入は、総額六千三百八十一億七千七百万円でありまして、これを前年度予算額五千六日八億九百万円に比較いたしますと、七百七十三億六千八百万円の増加と相なつておりますが、かりにこれをさき臨時国会で行われました税法改正前の旧法によつて算出いたしますと、その総額は七千百四十億二千七百万円となり、改正前に比し、税法上におきまして七百五十八億五千万円の減税となつているのであります。  租税におきましては、国民租税負担の現状にかんがみまして、さき所得税法臨時特例法によつて実施いたしました所得税軽減措置を平年度化するほか、所得税及び相続税につき一層負担合理化をはかるとともに、課税簡素化及び資本の蓄積に資する等のため、次のような税制の改正を行うことといたしました。  まず所得税につきましては、さき所得税法臨時特例法により実施した控除及び税率に関する改正を平年度化するほか、生命保険料控除限度引上げ青色申告提出納税義務者に対する経費算入特例の設定、退職所得譲渡所得等変動所得に対する課税方法改正、医師、弁護士等に対する源泉徴収制度拡張等措置を講じました。これによりまして、つとめて課税簡素化の要請にこたえまするとともに、国民租税負担軽減をはかることといたし、その収入見積額といたしまして二千四百四億千三百万円を計上いたしております。  次に法人税につきましては、徴収猶予の場合の利子税を引下げるとともに、法人が他の法人から受ける配当につき、源泉徴収された税額法人税額から控除し切れないときは、これを還付することといたし、その収入見積額として千八百七十九億九千百万円を計上いたしております。  相続税につきましては、基礎控除額及び被相続人の死亡によつて取得する保険金に対する控除額引上げるとともに、新たに退職金に対する控除を認めることとしたほか、税率の引下げを実施いたしまして、その収入見積額として二十億二千八百万円を計上いたしております。  最後砂糖消費税及び関税につきまして申し上げます。砂糖消費税において分密糖及び氷砂糖等に対する現行税率引上げを行いまして、関税におきましては粗糖及び精製糖関税率を若干引上げることにいたしたのであります。  なお各税目別による本年度の予算額は、ただいま申しましたもののほか、富裕税が十一億千九百万円、再評価税が百五億七千三百万円酒税が千三百七億九千四百万円、砂糖消費税が百三十二億六千六百万円、揮発油税が百六億七千三百万円、物品税が百六十四億五百万円、通行税が十六億六千七百万円、関税が百二十六億八千九百万円、トン税一億四千四百万円、印紙収入百四億千五百万円でありまして、租税及び印紙収入合計額は六千三百八十一億七千七百万円と相なつておるのであります。  次に専売納付金は千二百十三億千八百七十万九千円でありまして、これを前年度予算額千百八十三億三十百十万七千円に比較いたしますと、二十九億八千七百六十万二千円の増加なつております。これを事項別に申しますと、日本専売公社納付金千二百五億円、アルコール専売事業特別会計納付金八億千八百七十万九千円を計上いたしております。  次に官業益金及び官業収入は百十七億八千五十六万円でありまして、これを前年度予算額百三十九億五千八百八十六万三千円に比較いたしますと、二十一億七千八百三十万三千円の減少となります。以下、そのおもなる事項について申し上げますと、印刷庁特別会計納付金三億三千二百九十五万五千円、国営競馬特別会計受入金十三億五千八百七十三万五千円、刑務作業収入十八億三百十七万円、病院収入七十四億五千七百六十四万二千円、製品等売払収入等八億二千八百五万八千円を計上いたしております。  次に政府資産整理収入は百十九億二千八百三十七万三千円でありまして、これを前年度予算額三百五十四億百五十二万八千円に比較いたしますと、二百三十四億七千三百二十五万五千円の減少となります。そのおもなる事項について申し上げますと、国有財産売払代三十八億四千八十八万七千円、特別会計等整理収入三十三億三千四百五十四万六千円、連合軍円ドル交換基金返還金四十億円、その他の収入七億五千二百八十四万円を計上いたしております。  次に雑収入は四百二十六億七千五百三十二万二千円でありまして、これを前年度予算額四百五十六億五千二百五十九万六千円に比較いたしますと、二十九億七千七百二十七万四千円の減少となります。以下、そのおもなる内訳事項について申し上げますと、官有財産貸付料八億七千六百二十万四千円、配当金及び利子収入二十六億二千二百二十六万五千円、日本銀行納付金八十三億九千万円、日本開発銀行等納付金七十四億三千七百九十三万六千円、当せん金附証票受託発売者納付金八億円、自転車競走等納付金十八億八千二百二十九万円、恩給法納金及び特別会計等恩給負担金四十二億七千九百九万五千円、米国日援助物資等処理特別会計その他特別会計受入金四十八億三千四十二万七千円、公共団体工事費分担金五十億二千百九十万七千円、授業料及び入学検定料八億七千百十三万八千円、免許及び手数料十二億四千七百十一万八千円、懲罰及び沒収金十二億三千八百七十五万二千円、弁償及び返納金八億二千二百五十七万六千円、特別調達資金受入れ十一億二百二十四万八千円、その他の雑収入十二億五千三百三十六万六千円を計上いたしております。  最後に前年度剰余金受入れにおきましては、昭和二十五年度の決算によつて生じました剰余金から、昭和二十六年度に繰越した歳出予算の財源に充当いたしました金額を控除した歳計上の純剰余金二百六十八億七千三百八十一万四千円を計上いたした次第であります。  次に大蔵省所管一般会計歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。昭和二十七年度大蔵省所管一般会計歳出予算額は二千二百六十六億九百八十万八千円でありまして、これを前年度予算額千百九億七千百四十九万四千円に比較いたしますと、千百五十六億三千八百三十一万四千円の増加と相なつております。  この歳出予算額を、組織別各項にわけて申しますと、次の通りであります。大蔵本省におきましては、大蔵本省八億二千六百四十七万九千円、大蔵省施設費千二百四十六万四千円、非現業共済組合連合会補助六千七百十九万三千円、旧令共済組合等年金特別措置費十三億三千六百九万七千円、国際会議諸費五億円、平和回復善後処理費百十億円、防衛支出金六百五十億円、安全保障諸費五百六十億円、国庫受入預託金等利子二億九千五百万円、補助貨幣製造費繰入れ七億四千百九十五万二千円、国債償還百五十五億七千三百五十一万五千、国債諸費百五十九億四千九十六万三千円、ドイツ財産管理費七百四十二万七千円、公務員宿舎施設費十億円、国民金融公庫出資三十億円、住宅金融公庫出資五十億円、日本輸出入銀行出資四十億円、日本開発銀行出資百三十億円、連合国財産補償費百億円、連合国財産返還補償事務処理費二千七百十七万九千円、保険会社特別損失補償八百六十七万二千円、船舶及び積荷再保険金六千万円、予備費三十億円、以上合計いたしますと、二千六十三億九千六百九十四万一千円、財務局におきましては、財務局十一億八千七百六十三万七千円、財務局施設費三千八百四万円、特殊施設処理費三億千三百九万六千円、計十五億三千八百七十七万三千円、税関におきましては、税関十億千百五十一万二千円、特派官吏費一億四千八百八万七千円、税関施設費八千七百二十四万円、税関船舶建造費一億五千万円、計十三億九千六百八十三万九千円、証券取引委員会におきましては、証券取引委員会四千百二十五万六千円、公認会計士管理委員会におきましては、公認会計士管理委員会千五十六万円、国税庁におきましては、税務官署十九億二千六百六万九千円、税務官署施設費千六百四十八万円、計十九億四千二百五十四万九千円、税務官署におきましては、税務官署百二億千三百五十五万二千円、滞納整理費六億七千二百八十二万円、酒類密造取締費一億六千九十一万三千円、税務官署施設費二億三千五百六十万五千円、租税払戻金四十億円、計百五十二億八千二百八十九万円、全体を合計いたしまして二千二百六十六億九百八十万八千円であります。その各項については、所管政府委員会から御説明申し上げます。  次に昭和二十七年度の大蔵省所管の各特別会計歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  第一、造幣庁特別会計におきましては、歳入歳出ともに二十三億七千三百八十五万四千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも六億二千七百八十六万七千円の減少と相なつております。その減少いたしましたおもなる事由は、これまで行つておりました貴金属配給地金の売払い及び購入のうち、銀及び白金族地金の取扱いを来年度からとりやめることを予定しているためであります。  二といたしましては、印刷庁特別会計でありますが、歳入五十二億三千四百五十四万三千円、歳出四十八億四十六万九千円、差引歳入超過額益金四億三千四百七万四千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入において二億七千七万二千円を増加し、歳出において二千五日四十一万四千円を減少いたしております。歳入増加いたしましたおもなる事由は、製品売払代増加によるものであり、歳出減少いたしましたおもなる事由は、原材料購入費減少及び債務償還費減少によるものであります。  第三番目に、資金運用部特別会計におきましては、歳入歳出とも二百五十三億四千五百九十七万四千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出ともに九十一億三千七万二千円の増加と相なつております。増加いたしましたおもなる事由は、歳入面では、資金運用部資金運用による利子収入増加によるものであり、歳出面では、郵便貯金その他の預金に対する利子支払い増加と、国民貯蓄債券発売に要する経費等のためであります。  第四番目に、国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出とも二千三百三十七億円二千二百六十六万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも三百十七億千七百三十五万七千円を増加いたしておりますが、歳出増加の内容は、債務償還費において百八十八億四千五百二十五万二千円、国債利子借入金利子及び短期証券割引料において百二十七億六千九百十六万二千円、国債事務取扱諸費において一億二百九十四万三千円となつております。  第五には、貴金属特別会計におきましては、歳入歳出とも三十六億六千九百七十六万円六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも十六億七百四十五万六千円の減少と相なつております。これは、歳入におきましては、貴金属地金売払代増加いたしますが、貴金属地金買上資金補足のための一般会計より受入れがなくなりますので、総額においては減少となるのであり、また歳出におきましては、銀及び白金族地金買上制度をとりやめることに伴いまして減少となるものであります。第六に、米国対日援助見返資金特別会計におきましては、歳入歳出とも七百億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも四百九十四億千七百万円の減少なつております。すなわち歳入につきましては、運用収入金において三百五十一億七千九百万円を増加いたしましたが、前年度剰余金受入れにおいて二百六十二億六千七百万円、米国日援助物資等処理特別会計よりの受入れにおいて五百八十三億二千九百万円を減少いたしており、歳出につきましては、公企業支出において十億円を増加いたしましたが、再建及び安定費において百五十四億千七百万円、私企業支出において三百五十億円を減少いたしているのであります。  最後に、昭和二十七年度大蔵省関係の各政府関係機関収入支出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  第一は、日本専売公社でありますが、歳入は千九百四十五億千二百四万二千円、歳出七百四十億千二百四万二千円、差引歳入超過額納付益金千二百五億円でありまして、これを前年度予算額歳入千八百八十三億千二百七十八万八千円、歳出七百七億二千六百二十四万円、差引歳入超過額納付益金千百七十五億八千六百五十四万八千円に比較いたしますと、歳入において六十一億九千円九百二十五万四千円、歳出において三十二億八千五百八十万二千円、差引歳入超過額納付益金において二十九億千三百四十五万二千円をそれぞれ増加いたしております。この事柄を各事業別におもなる事項の概略を御説明いたしますと、タバコ事業におきましては、二十七年度における製造数量は八百七十億本、販売数量は八百六十八億本でありまして、前年度における製造数量八百四十八億本、販売数量八百三十四億本に比して若干の増加なつております。なお販売価格につきましては、前年度と同様でありますが、小売人販売手数料につきましては、昨年十二月からピースの七・五%を八%に引上げ、光及び特殊タバコの八%はすえ置きましたが、その他の六%を七%に引上げております。タバコ事業関係予算額は、歳入千六百六十五億四千八百九十五万六千円、歳出四百六十億四千八百九十五万六千円、差引歳入超過額千二百五億円であります。  塩事業におきましては、来年度における塩の収納及び購入数量は、内地塩六十万トン、輸入塩百七十万トン、計二百三十万トン、塩の売払数量は、内地塩七十万四千トン、輸入塩百五十五万トン、計二百二十五万四千トンでありまして、前年度におきましては、収納及び購入数量は、内地塩五十五万トン、輸入塩百七十万トン、計二百二十五万トン、売払数量内地塩六十八万二千トン、輸入塩百五十二万トン、計二百二十万二千トンとなつております。なおただいま申しました内地塩売払数量のうちには、輸入原塩を再製したもの等を含んでおります。塩事業関係予算額は、歳入歳出とも三百六十九億五千五百二万五千円となつております。  次にしよう脳事業におきましては、歳入歳出とも十億八百六万一千円となつております。  第二に、国民金融公庫におきましては、収入十二億千七百二十七万五千円、支出八億六千六百七十四万九千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入におきまして七億七百万九千円、支出におきまして三億九千八百二十八万六千三百円をそれぞれ増加いたしております。そのおもなる事由は、収入においては、貸付金利息収入増加によるものであり、支出においては、事務費業務委託費及び借入金利息等増加によるものであります。  第三番目に、住宅金融公庫におきましては、収入十九億四千五百三十四万円、支出十四億九千三百六十四万三千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入におきまして八億千五百七十万二十円、支出におきまして八億三百四万一千円をそれぞれ増加いたしております。そのおもなる事由は、収入においては、貸付金利息収入増加によるものであり、支出においては、事務費業務委託費及び借入金利息等増加によるものであります。  第四番目に、日本開発銀行におきましては、収入八十五億二千八百三十八万一千円、支出十億千二百六十二万五千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入におきまして五十六億五千二十二万円を増加いたし、支出におきまして三億五千三百二十七万七千円を減少いたしております。収入増加を生じましたおもなる事由は、貸付金利息収入増加によるものであり、支出減少いたしましたおもなる事由は、来年度より法人税等が免税となることによるものであります。  第五番目に、日本輸出入銀行におきましては、収入十四億八百十七万四千円、支出一億四千九百四十三万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入におきまして六億九千五百五十七万八千円を増加いたし、支出におきまして三千八百四十万五千円を減少いたしております。収入増加及び支出減少のおもなる事由は、前に日本開発銀行について申したのと同様でありますから、御了承願います。  第六番目に、閉鎖機関整理委員会におきましては、収入支出とも八千四百四十三万三千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入支出とも五億三千二百七十七万三千円の減少なつております。そのおもなる事由は、収入においては、各閉鎖機関から徴収する割当分担金収入減少によるものであり、支出におきましては、特殊清算事務の停止に伴う事務費減少によるものであります。  以上、昭和二十七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算についてその概要を御説明いたしました。なお詳細につきましては、御質問に応じまして申し上げることにいたしたいと思います。
  4. 有田二郎

    有田主査 これより質疑に入ります。北澤直吉君。
  5. 北澤直吉

    北澤委員 ただいま大蔵政務次官から昭和二十七年度の大蔵省所管一般会計及び特別会計政府関係機関予算につきまして詳細御説明があつたのでありますが、これにつきまして御質問いたしたいと思うのであります。  第一に伺いたい点は歳入の問題でございますが、ただいまの御説明によりますと、昭和二十七年度におきましては、昭和二十六年度に比べまして租税及び印紙収入が七百七十三億六千八百万円の自然増を見ているわけでございます。昭和二十六年度におきましては、朝鮮動乱に伴いまする経済界の異常な隆盛によりまして自然増収が非常に多かつたのでございますが、二十七年度におきまして七百七十三億六千八百万円という多額自然増を見ることが一体妥当であるかどうかというような問題につきましては、予算委員会においても論議の対象となつたのであります。昭和二十六年度におきましては、朝鮮動乱に伴う物価の異常な高騰もあり、それからまた資産の再評価等もありまして法人所得等が非常に増加しまして、従いまして法人税が相当多額自然増収になつたのでありますが、昭和二十七年度におきましては、この間の大蔵大臣の御説明によりましても、大体物価横ばい状態に行くであろうというようなお話があつたのであります。しかも最近の情勢におきましては、大体朝鮮動乱停戦協定が妥結の一歩手前にあるような状態でございます。従いましてこの七百七十三億という自然増を見込むことにつきまして私は多少の疑いを持つておるのでございますが、この点について第一に伺いたいと思うのであります。
  6. 亀徳正之

    亀徳政府委員 お答え申し上げます。二十七年度の予算見積りにおきまして七百七十三億の自然増見積つたのは過大の見積りではないかという御質問でございますが、これにつきましては、ある程度各税について分析して御説明を申し上げた方がおわかりになるかと思つております。まず七百七十三億という数字でございますが、その主たるものは法人税とそれから酒税でございますけれども、なお源泉所得税申告所得税につきましても、昨年に比べて、減税してもなお若干の増がある、こういう数字なつております。  まず源泉所得税から申し上げますと、大臣の御説明にもございましたように、見積りはあくまでも課税実績を元にいたしております。それで源泉の場合には、雇用の増がどの程度あるかということと、来年度の賃金上昇ぐあいはどの程度になるかという点を一応推定して算定いたしておるわけでありますが、雇用の増は安本の見通しと大体同じ推定をいたしております。それから賃金は本年の十一月末までの実績をとりまして、その後は来年の三月に——官公吏の分につきましてはきまつておりますから民間の産業の分でございますが、この分は、来年の三月まできまつて支給される給与が若干上るが、二、三百円程度しか上らないで、あと横ばいである、こういうような見方で見ておりますので、決して過大な見積りではないのではないか。それに基きまして、あと階級別にこまかく計算いたしまして算定いたしておりますので、この源泉所得税についても決して過大ではないのではないかと思つております。  所得税につきましては、これは二十五年の課税実績をベースにいたしております。御承知のように二十五年の課税の根拠が、更正決定をできるだけ避けようという線で指導しました関係から、課税の水準が若干低かつたのではないかと思いますが、その辺は調査の徹底その他でもう少し上るのではないかという要素を加味いたしまして、申告所得税全体での二十六年に対する増は約百六十%程度に見ております。この点もさして過大ではないのではないかと考えられます。  それから問題は法人税でございますが、法人見積りにつきましては、特に実は慎重を期したわけであります。法人税見積りにつきましては、昨年の九月決算までわれわれがこの算定をするときにはわかつておつたわけで、大体九月決算の申告が十一月末に出て来るわけです。それで九月決算から一年間をさかのぼりまして、その一年間の申告税額を基礎にして算定いたしておるわけです。問題はちようど昨年の九月から一年前というのは、まさに朝鮮動乱によりまして、相当急激に物価が上つた。そのためにいわゆる手持ち商品には、持つている間に物価の値上りによる価格差益に相当するような増加の分があつて、これをそのままベースにして算定しては非常に見積り過大になる。こういうことで、法人につきましては所得率そのものが相当いいのではないかという要素を八〇%程度加味しておりますので、決してこれも過大ではないのではないか、主として上りますのは、大体法人税税率引上げによりまして約三百億増収になります。たとえば今回退職金の積立金を損金に算入するとか、あるいは貸倒れ準備金の算入の率を若干引上げる、あるいは企業合理化法によりまして、特別償却の制度を認めるというようなことによりまして、制度上からは約百二十億に近い法人税の減税があります。これは現行法との関係をちよつと申し上げたんですが、四二%への引上げで約三百億程度ふえまして、それから諸制度の改正による減を差引きまして、約百九十一億の増になる、その要素が相当大きく入つておるわけです。その元の大体の法人の利益がどのくらい上るかという点につきましては、先ほど申し上げましたように八〇%程度の所得率を使つて算定しておりますので、決してその点は過大ではないのではないかと思います。  それからその次に、酒税が前年度に比べまして相当増徴になつておりますが、これは御存じのように酒の増石がございまして、昨年は六十万石の原料米でございましたが、ことしは七十五万石ということになりまして、約一千三百七億の酒税がとれる。これも最近の酒の売れ行き状況は非常によろしいので、この程度見積りは決して過大ではない。そこで結局七百七十三億になるのでありますが、その主たる税目について、簡単でございましたが先ほど申し上げましたように、それぞれ十分慎重に見込んでおりますので、この程度収入は一応確保できるのではないかと考えます。
  7. 北澤直吉

    北澤委員 ただいまの御説明によりまして大体は了承できました。ただいまの御説明の中で、法人税の問題につきましては非常に慎重にされて、所得の八〇%でございましたか、それを標準にしてやつたということでございますが、私ども心配したのは、昨年の秋以来主として貿易関係の商社等が相当倒れておる。最近もこの問題で、貿易商社あるいはそれに関係した繊維関係というふうな方面ではあまり景気がよくないということであります。要するに問題は昨年春の見越し輸入と申しますか、非常にたくさん輸入した結果、それがまた暴落して貿易商社と同じような損害を受けたのでございますが、そういうふうに経済界の重要な部面において相当多数の倒産者を出す、また現にそういうふうな状態にあるという場合におきまして、八〇%ぐらいの標準によつて法人税をかけていいのかどうか、去年のような非常に景気のいい状態と二十七年度の経済状態を比較いたしまして、その程度見積りで十分やつて行けるかどうか、どうも最近の経済状態、特に貿易とか繊維とか、そういう方面の状態を見ますと、必ずしも楽観を許さないような状態でございますので、この点についてもう一ぺん補足的に御説明を願いたいと思います。
  8. 亀徳正之

    亀徳政府委員 来年度の経済状況がどうなるかということは実は非常にむずかしい問題で、われわれのこの税収の見込みはあくまでも見込みでありまして、経済状況が非常な変動を来すということになりますと、従つてその根拠もくずれて来るわけであります。ただ最近商社の倒産その他の問題も若干あるのでありますが、日本の経済の全体の動きといたしましては、さしてひどい激変というものは一応はないのではないか。ただ昨年の朝鮮動乱以来続きましたようなああいつた好調はもちろんない。そこでその辺の見通しは、結局安本その他の今後の日本経済の見通しの線に沿つてわれわれとしても歳入見積りをせざるを得ないのでありまして、安本も今後の生産その他の見通しは若干ながら上る、こういう前提のもとで算定しておられますので、われわれとしてもむしろそこを若干固めに、しかし経済は急激に上りはしないけれども、大体同じようにある程度健全な歩みを一応続けて行くのではないか、こういう前提で算定しておるわけであります。
  9. 北澤直吉

    北澤委員 大体了承いたしました。次に伺いたいのは、今回の二十七年度の歳入におきましては、直接税の面は、先ほど御説明にもありましたような七百五十八億五千万円の税法上の減税ということになつておりますが、間接税の面は砂糖の消費税とか、あるいは関税の面においてこれをふやしておる、こういうふうになつております。大蔵大臣予算委員会におきまするお話によりますと、将来とも政府といたしましては増税はしない、将来日本の予算がある程度膨脹する場合におきましても、極力増税を避けて財政をまかなつて行く、こういうことであつたのであります。増税はいたさないにいたしましても、税の範囲内で調整するということは私はあり得ると思うのであります。今の日本の税体系を見ておりますと、どうも直接税の方に重点が置かれ過ぎておる、あまりにイギリスあるいはアメリカの租税制度に近くして、少し直接税の方に重きを置かれ過ぎておる、日本の民度あるいは日本の国情から申しますと、やはりフランスあるいはイタリアのように、もつと間接税の方に重点を置いた方が徴税費も少く済むし、また税収も確保できる、こういうふにわれわれは考るわれであります。従いまして将来税全体としましては増税はいたさないにしましても、税の範囲内において直接税を減らして間接税をふやす、こういうふうな考えを持つておられるかどうか。この点を伺いたいのであります。現に二十七年度の予算におきましては、直接税の方においては税法上の減税をしておりながら、間接税の砂糖消費税及び関税におきましては増税をしておる、こういうふうに思うのでありますが、将来の歳入確保の点から申しまして、より多く間接税の方に重点を置くという方針があるかどうか、この点念のために伺つておきたいと思います。
  10. 亀徳正之

    亀徳政府委員 お答え申し上げます。今日の租税負担の状況は相当財政需要の関係がございまして、これだけの厖大な需要を間接税だけでまかなうということはとうてい不可能であります。従つてどうしても直接税に依存せざるを得ない要素が多いと思うのであります。ただ問題は、その際に間接税をさらにもう少し増徴し得ないかという点が問題だろうかと思うのであります。しかしながら今日はなお間接税にも相当重い期待をかけておりまして、酒税のごときもなお相当高いのではないか、こういう声がありますので、さらに間接税を思い切つて引上げるというふうにいたしましても、おのずから限度があるのではないかと思うのであります。そこで今後財政需要の面から、事情が許しましたならばまず直接税から軽減して行き、間接税はそのままにしておく、従つて相対的な関係におきましては、間接税の負担が重くなる、そういう形において間接税に重点が置かれる、こういうようなかつこうになるのではないかと考えるのであります。今回の改正の主たるねらいは、間接税につきましては原則としていじらないという建前をとつておるのであります。ただ砂糖につきましては、御存じのように統制撤廃になりまして、ニユーヨークの砂糖の相場も一ポンド当り一ころ七セントぐらいであつたものが、五セント、さらに五セントを下まわる、こういう状況になつておりますので、なお統制撤廃後は、砂糖は現行のままの税率にしておきますと相当まだ値段が下る。消費者の負担力もまだまだあるのではないか。一ころは、砂糖につきましては四〇%の負担にしたこともあります。そういう点で相当負担能力があるのではないかという問題と、さらに御存じのように水あめ、あるいは北海道のてんさい糖という関係もございまして、白砂糖について約七割程度の増税をいたしました。関税について一〇%のものを二〇%、精製糟二〇%を二五%というように引上げたわけであります。  ここで、今回の改正によりまして、直接税と間接税の負担の比率がどうようになつておるかという点を御参考までに申し上げますと、二十六年度におきましては直接税の比率が五八・七%、間接税が三九・八%、その他が一・五%と相なつております。もしも今回の改正をしなかつたといたしましたならば、すなわち旧法によりまして課税をしておつたといたしましたならば、直接税の比率が六二・八%、間接税が三五・七%、その他が一・五%、こういうかつこうになるところを、今回は所得税につきまして大幅な減税をやつた。それから間接税についてはそのままで、むしろ砂糖について引上げたという関係で、改正法によりました場合は、直接税が五八・二%間接税が四〇・二%、その他が一・六%となつておりまして、昨年度の直接税の比率五八・七%に比しまして、今年度は五八・二%でありますから〇・五%下つた。その意味で若干間接税のウエートが重くなつて来たということは事実であります。  なお参考までに各国の直接税と間接税の比率を申し上げますと、二十六年の数字でございますが、アメリカにおきましては直接税が八五・三%、間接税が一一・五%、その他が三・二%、こうなつております。英国が直接税が五六%、間接税が四一・一%、その他が二・九%、それから問題のフランス、ドイツ、イタリアでございますが、フランスあたりは大分間接税のウエートが重くなつておりまして、フランスは直接税が三三・五%、間接税が一四・八%、その他が五一・七%であります。フランスのその他が非常に多いのは、向うでは流通税、日本の昔の取引高税に相当するようなものをとつておるものですからその他が非常に多いのであります。ドイツでは二十五年しかわかつておりませんが、直接税が三五・一%、間接税が二八・七%、その他が三六・二%、イタリアが直接税が二二・三%、間接税が四〇・九%、その他が三六・八%、こういうような数字なつております。
  11. 北澤直吉

    北澤委員 ただいまの御説明によりますと、将来減税し得る場合には間接税をそのままにして直接税の方を下げたい、こういうお話でございますけれども、今後の日本の財政状態を見てみますと、どうも減税というものはほとんどむずかしいじやないか、世界全体が再軍備というものを控えて増税に向つておるときに、日本だけがこれに逆行して減税ということは考えられぬ問題であります。せめて増税をしないで日本の財政をまかない得ればこれは上上だと思うのでありますが、そういうわけで増税はしないということにいたしましても、どうも私どもの考えでは、まだやはり日本におきます看直接税が高過ぎる、こういうふうな感じを持つわけであります。従いまして税全体としては同じであつても、直接税の方をもう少し下げて、間接税の方をもう少し上げてやることが日本の国情なり日本の民度に合うのではないか、こういう考えを持つておるのでございますが、その点についてもう一度簡単に補足的説明を願いたいと思います。
  12. 亀徳正之

    亀徳政府委員 お説のように、直接税が非常に負担が重うございますので、間接税にもう少し重点を置いてよいのじやないかという考え方は確かに成り立ち得ると思います。ただ先ほど申し上げましたように、間接税も酒税のごときは相当高い税率にしておりますので、間接税の税率引上げによつてどれだけの収入をふやし得るかということは、非常に期待できないではないか、あるいは間接税についてなお増徴し得る余地は若干あるにいたしましても、それによつて相当の税収入を期待し得るという余地はほとんどないのではないか、この点——あとは私見として申し上げることを許していただきたいと思いますが、しいて言うならば、流通税式なものがあるいは考えられるのじやないかと思うのであります。しかしこれもいろいろ問題が多いのでありまして、にわかにそれに飛びつくということも、相当研究した上でなければならぬのじやないか、従いまして今後は、日本自体の経済力が相当伸びましてそれによつて当然税収も上つて来るというような方向を、われわれとしては期待せざるを得ないのじやないか、むしろ間接税について若干なお引上げられる余地があるという点は、あるいはおつしやる通りかと思いますが、ただそれによつて期待し得る額はとうていお考えになるほどのものでない、こういうことでございます。
  13. 北澤直吉

    北澤委員 もちろん税の体系をかえるということは非常に慎重にすべきものでありまして、新しい税はどんなものでも悪税であるということは、財政上の原則であります。従いまして一ぺんきめた税の体系を朝令暮改してやるということは、これはもちろん悪いのでございますが、私どもの考えでは、やはり日本の民度、日本の国民性というものから考えますと、もう少しフランスやイタリア等の事情も考えて、間接税の方にもう少し重点を置いてやつた方がいいのじやないか。しかしこの点は十分事情を御研究くださいまして、慎重にする必要がありますが、そういう方向で今後の日本の税体系の確立をはかつたらどうか、こう思うのであります。  次に移りますが、この大蔵省雑収入の中で、日本銀行の納付金が八十三億九千万円、日本開発銀行等納付金が六十億千二百六十万四千円、こういうふうになつておるのであります。この点につきましては、先日予算委員会におきまして有田委員よりも日本銀行総裁に御質問があつたのでございますが、われわれから見まても、現在日本で最もぜいたくと申しましては過言でございますが、最も有利な立場にあるのが銀行家である、私はこう思うのであります。従いましてどうわれわれ見ていると、銀行の人が最もいい状態にある。待遇もよければ、いろいろな面で非常に特権的な地位にある、こういうふうに思うのであります。国民全体が耐乏生活をいたしておるのでありますから、銀行方面におきましても、国民一般とともに耐乏生活をいたして日本の再建に尽してもらいたいように思うのでありますが、そういう点から申しますと、一般銀行はもちろんのこと、日本銀行あるいはその他日本開発銀行、こういう特殊銀行におきましても、もつと経営を合理化して、そうしてむだな経費を省いて、政府に対する納付金をふやす、こういう方面に一段の努力を払つてもらいたいと思うのでございますが、大蔵省におきましては、この日本銀行納付金八十三億、日本開発銀行納付金六十億、こういうものを計上するに当りまして、将来これをもつと多く増加するというふうな見通しがあるのでございますかどうか。そういう日本銀行あるいは開発銀行等の経営の合理化あるいはむだの排除、これにつきましてどういう考えを持つておられますか、伺いたいと思います。
  14. 福田久男

    ○福田説明員 お答えいたします。日本銀行及び開発銀行の納付金について、日本銀行及び開発銀行等の経営の合理化についてなお一段と努力すべきではないかという御趣旨の御質問でございますが、まず日本銀行について申し上げます。もちろん日本銀行といえども経営の合理化、経費の節減については十分努力をしなければならないし、私どもといたしましてもそういつた趣味で監督をますます厳重にしなければならないと存じております。申すまでもなく中央銀行が大きな利益をあげるということは、見方によりますと非常な変則的な状態であろうと思うのでありますが、たまたま最近、ここ教年来のように貸出しが非常に増加いたしますれば、おのずからそこにある程度の利益金の増加というものが生れるのでございます。その増加した分は発券機能という特権に基いて生れますので、所要の配当金等を差引きましたものは、あげて国庫へ納付しなければならないし、また現在の法律もそういうような仕組みになつております。ただ問題は経費として支出される額について、極力これを圧縮するということにあると思うのであります。先ほど御指摘もありましたが、銀行全般についてそういつた世間の批判もございますし、私どもといたしましても、経費の圧縮については逐次相当の努力を重ねて来ておるのでございます。今後といえどもお示しの方向でさらに一段の努力を重ねて参りたいと存じております。  それから開発銀行につきましてももちろん同様でありますが、開発銀行は御承知のように、経済再建上必要な産業に対して、できるだけ市中銀行よりも安い金利で長期の資金を供給したいというので、ただいまでは年一割を基準とした貸出しの金利で融資をいたしております。従いましてその金利を今後上げるということはできるだけ避けて行きたいというふうに考えておりますので、これも収入面では融資額に対して年一割という面で一応限定されるわけでございます。一方支出の面で、これが経費の問題になるわけでありますが、開発銀行につきましては、国会の承認を得て経常予算を御審議願つておるわけでございまして、その内容でいろいろと御審議いただく思いますが、所要経費についてもできるだけこれを圧縮して参りたいということで、考えて行きたいと思つております。
  15. 有田二郎

    有田主査 主査として関連して質問いたします。日本銀行の問題について、今最善の努力ということをお話になりましたが、それについて日本銀行の納付金が八十三億九千万円、これに対して二十五年度の下期、二十六年度の上期の日本銀行の総収入は二百五十六億円であります。また日本開発銀行は納付金が六十億一千二百六十万四千円、これに対して二十五年度の下期、二十六年上期の日本開発銀行の総収入は幾ばくでありますか、お尋ねしたい。
  16. 福田久男

    ○福田説明員 日本銀行の二十六年下期における総収入につきましては、ただいま事業年度が進行中でございますが、一応予想されておりますものは、経営収益といたしまして百三十二億三千七百万円と推定いたしております。そのほか若干の臨時収入がございますが、それを基礎にいたしまして、二十六年下期における納付金の推定額は四十一億円余と見込んでおります。開発銀行は事業年度が一年でございまする関係で、ただいまはつきりした数字を手元に持つておりませんので、いずれ後刻調査いたしました上でお答えいたしたいと思います。
  17. 有田二郎

    有田主査 日本銀行は百三十二億というお話でありますが、私の聞いたのは、二十五年度の下期から二十六年度の上期で二百五十六億数千万円、こういうように聞いているのですが、福田説明員の説明を求めます。
  18. 福田久男

    ○福田説明員 ただいま主査の御指摘になりました数字は一年間の数字ではないかと思いますが、私がただいま申し上げたのは半年間、一事業期間の数字で申し上げたのでございます。
  19. 有田二郎

    有田主査 もう一度お尋ねしますが、この納付金の八十三億九千万円並びに日本開発銀行の六十億一千二百六十万四千円というのは、一年間の納付金かと思うのでありますが、この日本銀行の八十三億に対して、やはり総収入がそちらでわからないのですか。
  20. 福田久男

    ○福田説明員 経営収益について申しますと、この八十三億九千万円の納付金の基礎になりました経営収益は半年間ずれますので、本年の三月決算と本年の九月決算との両方が含まれるわけでありまして、ただいま申し上げました百三十二億というのは三月決算でございまして、これに九月決算の推定額おおむね百三十億でありますが、その両者を加えますと二百六十億程度になるのでございます。
  21. 有田二郎

    有田主査 明朝この点について審議いたしますから、明朝までにぜひとも日本銀行のこの八十三億九千万円に対する総収入が幾らである、経費が幾らである。また日本開発銀行の総収入が幾ばくであつて経費が幾らであつて、この国庫納付金が六十億一千二百六十万四千円になつたか、この詳細の説明がぜひちようだいいたしたいのであります。同時に日本銀行が今日になるまでの間、相当日本銀行はぜいたくであつた。今北澤委員からも御指摘がありましたが、ぜいたくであつた。特に最近一月十五日付をもつて事務所を五箇所廃止した。その他日本銀行の職員がただいま九千三百五十人という戦前に比較して約四倍近い人員に増加されておりまするが、これらの整備に対する大蔵省としての計画並びに日本銀行としての計画、それからその後御存じの通りに非常に給与がよかつたり、あるいは実質的な収入がよかつたり、あるいは家賃が非常に——公務員の家賃が一坪当り六十五円に対して四円、六円、八円と、こういうようなことであつたことは御存じの通りでありますが、今日本銀行の家賃は一坪当り幾らになつておるか、こういうお気づきの点だけ、一度こういう点が日本銀行はよくなかつたという点について総務課長の御意見を承りたいと思います。
  22. 福田久男

    ○福田説明員 ただいまお示しいただきました日本銀行の納付金及び開発銀行の納付金に対する基礎になつ数字等につきましては、御指示に従いまして整備した上でお答えいたしたいと思います。なお残余の点につきましても、その際あわせてお答えすることに願えれば仕合せだと思います。
  23. 有田二郎

    有田主査 そういうように、そのときあわせて説明してください。
  24. 世耕弘一

    世耕委員 関連して……。開発銀行の問題についてちよつとお尋ねいたしますが、開発銀行が復金から債権を引継いだのはどういうふうな取立てをし、どういうふうな処理をしておるか。私の知る範囲においては、復金が不良貸しをしてその不良貸しの取立てができないものだから、それを償却という名義で棒引きしておる。それを二回くらいしたはずであります。なおそのほかに開発銀行であとその債権の整理をしておるはずですが、その整理をした結果等に関して、どういうような扱いをしておるか。そういうようなことが結局開発銀行の業務の成績等に現われて来なければならぬと思うのであります。ただ数字の上だけでは、はなはだその間に了解ができぬことがあるのですが、そういう点はどういうふうに取扱つておられるか。
  25. 福田久男

    ○福田説明員 ただいまお話のように、日本開発銀行に復興金融金庫の業務を承継いたしたのでありますが、本年の一月十六日だつたと思いますが、承継した際の貸付金の総額は八百億を若干上まわつておつた数字だつたと思います。八百億程度の融資を開発銀行に承継いたしまして、ただいまのところそれは政府からの借入金という形になつております。一方承継いたしました債権は開発銀行の貸付金として、開発銀行において元利回収の事務を行うのでございます。ただいま御質問の中にございましたある程度償却をしたのではないかという点でございますが、これは復興金融金庫の予算国会に提案され、御審議をいただいたわけでありますが、その予算の中で、金額は今はつきり覚えませんが、五億ないし六億程度の金額が償却引当てとして予算で認められておつたと思います。その金額を開発銀行へ承継するまでの間に償却をいたしたのでございます。もちろん償却をいたしましても、償却というのは、私から申し上げるまでもなく、帳簿上資産から一応正規の資産としての整理をいたしませんだけで、帳簿外としての権利は、あくまで債権は残るのでございまして、取立てをしないという意味ではないのでございます。もちろん償却された債権といえども、その債務者が状況の好転によつて返済できるような事態になりますれば、金融機関としては取立てを行い得るわけでございますから、権利を放棄したのではなくて、帳簿上の処理をそういうふうにしたというだけでございます。もちろん償却されない債権についても、元利回収については最善の努力を払い、また適当な実情に応じた処置をとつて参ることは、開発銀行当局としても当然のことであろうと思います。一般の金融機関におきましても、貸付をいたしておりますればそこに若干の滞り貸しというものが生れることは、これはある程度やむを得ないのでございます。ただ復興金融金庫の場合には一般の金融機関から融資することが困難である事業を対象にいたしており、またそれが国家的に必要であつたので、そういつた融資を行つた場合には——行うことを建前といたしておりまする関係上、延滞等につきましても若干一般の金融機関よりは多い場合があるであろうと思いますけれども、特に朝鮮動乱以後状況が非常に好転いたしまして、回収の実績等から見ましても、昭和二十六年度のごときは非常にいい成績を納めておるのでございます。回収超過になりました金額は開発銀行に引継ぎまして、開発銀行の融資資源として活用されるということになつておるのでございまして、来年度の予算に見込まれておりまする回収金は、たしか七十億くらいであつたかと思いますが、それらもそういつた経験によつて、政府に納付した以上に残つた分が開発銀行の資金として融資に当てられるということになるわけであります。特に復興金融金庫から承継した貸付について特別の元利回収上の処置ということは、取立てて別な扱いをするということには考えておりませんので、一般の貸付と同じように、できるだけ元利回収の適正化をはかつて参りたいということで、開発銀行当局は進んでおるのでございます。
  26. 世耕弘一

    世耕委員 えらい苦しい御説明であつたとぼくは思うのです。結局帳面づらは債権は残つておるのだという御説明に終つたと思うのですが、私の聞いたところでは、取立て不能な債権だ、それだから二回も償却したのです。もつと露骨なことを私の聞いている範囲で申し上げますなれば、担保に入れて貸した工場もなくなつちやつた。その担保に対する保険金すらつけない。借主を銀行から呼び出しても呼び出しにも応じない。そんな現状だ。それが五百口もあるという。あなたの今の御説明によると、非常にりつぱなことを御説明なつて、いかにも納得がいけるようだけれども、裏をひつくり返してみるというとはなはだ遺憾なことばかり出て来る。先ほど大蔵大臣はこれについて、取立ては非常によく、決して不成績ではございませんということを言うておつたけれども、私は、大蔵大臣はかぜをひいているからこまかいことは聞かぬと言つてやつたが、あなたの今おつしやつたようなりつぱな取立てであり、債権が残つておるとすれば、あなたのお手元にある書類をそのまま私のところへ資料として提出できますか、貸していただけますか、私はそれをいただければ納得いたしますけれども、今のあなたの御説明だけじや納得できない。なぜこういうことを無理にお願いするかといえば、国民がほんとに泣きの涙で税金を納めているのです。ある者は税金が納めきれないで、税金の取立てがきついために一家自殺したところは幾らでもあります。そういうことを考えて、貸出しにしてもあるいは債権の処理にしても真剣な態度で私は考えていただかなければならぬと思う。あまりこの点は掘り下げたくないのでありますけれども、少し大ざつぱじやないですか。相当莫大な額に上ろうと思う。今主査からも話があつたようでありまするが、日銀のあり方についてのかなりの深刻な批判が今行われておるのです。復金が開発銀行にかわつたそのいきさつ等を世間では何と見ておるかというと、衣がえだと言つておる。結局は借金を踏み倒されたのを糊塗するためにしたのだという批評すらあるのであります。この点について重ねて御答弁を願うということはどうかと思いますが、あなたの今おつしやつたような資料のほかに、私の要求した資料も、原簿そのままお見せくださいますか。それなら私得心が行きます。その点いかがでございますか。
  27. 福田久男

    ○福田説明員 ただいま申し上げましたことについて若干誤解があります。私の申し上げようがあるいは悪かつたのかもしれませんが、債権を償却した場合に、帳簿上資産から落すが権利は残るということをややくどく申し上げたのが御理解を誤らせる原因じやなかつたかと思いますが、償却してもそれはとるのだと申し上げましても、償却するような資産については、現状のままではななか回収が困難だとい意味で償却をするわけですが、償却したからといつて、あとで状況が好転するなり何なりで回収の余地は残つておりますということを申し上げたかつたのでございます。それがいささか誤解を招いたように思いますので、その点御了解いただきたいと思います。  それから復金の融資が、内容がいずれも非常にりつぱであるというふうに必ずしも私は申し上げたとは思わないのであります。たとえば一般の金融機関が貸さないような長期資金等、危険率から見ると割合に市中銀行よりも高い、もつと危険率のある融資を行つておる。むしろ一般の金融機関よりもそういう意味で滞り貸しというような貸倒れの危険は高いであろうということを私申し上げたように思うのでありますが、その点も重ねて御了解をいただきたいと思います。ただ現実にどの程度の滞り貸しが現在あるかということにつきましては、私どもそこまで深く調査いたしておりませんので——調査することが望ましいのでありますが、そこまで十分な調査をいたしておりませんので、金額的には申し上げかねるのでありますが、先ほど申し上げましたように、これまでに五、六億程度の償却はいたしております。これも予算によつて御承認を得て償却をいたしたのでございます。その償却した分については、回収の可能性はきわめて乏しいと言わざるを得ないと思います。申し上げるまでもなく市中銀行におきましても、毎期貸倒れ準備金というものを積んでおりまして、その中から償却をいたしておるような状況でございます。例が悪いかもしれませんが、あるいは皆さんに申し上げるのは釋迦に説法かもしれませんが、たとえば青森からりんごを仕入れる場合に幾らか腐れるものが出る。腐れるものが出ることはよくないかもしれませんが、事業をやつて行く上において、金融事業をやつて行く上においてある程度やむを得ない部面である。特に政府機関としてそういう融資をする場合には、そういつた一般の金融でカバーできないという意味合いにおいて、危険性の高い場合が常であろうということは御推察いただけると思う。なお日本銀行のお話も出ましたが、それも先ほど主査からの御質問と関連すると思いますので、別の機会に譲らせていただきたいと思います。
  28. 世耕弘一

    世耕委員 私は関連質問ですからこれ以上重ねてお尋ねすることもどうかと思いますが、できたら局長にでもあらためて説明を求めたいと思います。  ただ一点この機会にお尋ねいたしますが、結局償却というような、取立て不能として償却をしたのでしよう。まだ将来立ち直る見込みがあるから帳面づらだけ一応そういう形にしたのじやないでしよう。私の調べたのでは、もう取立て不能であるからというので整理した。市中銀行にも貸倒れがあるじやないか、だから復金だつて貸倒れがある。特に政治的操作をしたのだから貸倒れは当然じやないかということが、あなたの口うらをひつくり返せば出て来る。それも常識だから私はもつともだと思う。それ以上の内容があるからしつつこく私はあなたにお尋ねするのですが、それではこれまでの二回ばかり償却したものは回収できますか。
  29. 福田久男

    ○福田説明員 重ねてお答えいたしますが、償却をいたしますのは、現状においては回収が困難だというその現状を基礎にいたして償却を行う。大体とれないものが多いというように考えられると思います。
  30. 北澤直吉

    北澤委員 時間もあまりありませんので、あとは金融関係についてお尋ねいたしたいと思います。昨年、二十六年度の補正予算におきまして国際通貨基金、国際復興開発銀行に対する出資として二百億円を計上したのでありますが、この国際通貨基金、国際復興開発銀行に対する日本の参加の問題につきましては、日本側と関係筋との間に話が順調に進んでおりまして、大体今年度内にはそれが実現するだろうというようにわれわれ見ておるのであります。せんだつても大蔵大臣説明によりますと、この国際復興開発銀行、国際通貨基金に対する日本の出資割当は、銀行の方では大体一億五千万ドル、こういうようなことである。日本側としてはこれを三億ドルくらいにふやしたいというようなお話のようであります。もし二億五千万ドルという向うの主張通りといたしますと、その二五%はドルもしくは金で払わなければならぬということになると、これが六千二百五十万ドルになる。それから国際開発銀行に対する出資、これも大体二億五千万ドルでありますが、そのうち二%がドルもしくは金で払う。これが五百万ドル、合せて六千七百五十万ドルになるわけであります。これを円に換算しますと、大体二百四十三億円くらいになるだろうと私は思うのでありますが、そうすると、この予算にある二百億円では足りないことになるわけですが、国際通貨基金に対する日本の参加が具体化する時期及び今の四十何億か足りない分はどうするのか、その点ひとつお伺いしておきたいと思います。
  31. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 お答えいたします。割当額並びに金による払込額につきましては、割当額の増額並びに金による払込額の減額につきまして、目下在外事務所を通じまして折衝中であります。三百億円の予算の範囲内でまかなえますように努力いたしたいと思いまして、折衝を継続中であります。
  32. 北澤直吉

    北澤委員 では次に資金運用部の面について伺いたいのでありますが、大蔵省主計局でつくりました昭和二十七年度予算説明書によりますと、昭和二十七年度の資金運用部の資金の運用計画におきましては金融債の引受けがないのであります。二十六年度におきましては三百億円の金融債の引受けがあつたのでありますが、二十七年度においてはこれがなくなつているわけです。これはいろいろの事情がある思いますが、結局国庫全体と民間との収支のバランスをとつて、インフレーシヨンを防止するというふうな観点から考えて、二十八年度に対する資金の繰越しを六百七十五億に押える、そういう必要から金融債の引受けもやめた、こういうふうに思うのでございますが、来年度へ繰越す額をどうしても六百七十五億に押えなければならなかつた理由を伺いたいと思います。
  33. 福田久男

    ○福田説明員 お答えいたします。来年度の資金運用部の資金の運用計画について、六百七十五億翌年度へ繰越すような計画にした理由はどうかという御質問でございますが、その御質問の主たる要点は、金融債の引受けが昨年約三百億ございました問題と関連すると思うのでございます。金融債につきましては、財政演説で大蔵大臣からも申し上げた通りに、今後の情勢の推移によりましては、金融債の引受けについて格段のくふうと努力を重ねるということがございますが、その方針の通りでございまして、昨年以来民間の資金の蓄積の状況はかなり良好になつておるのでございまして、民間資金による金融債の消化というものは今後ますます多くなることが期待されるのでございます。ただしかしながらそれによつて所要の金融債の消化が完全にまかない得るかどうかということにつきましては、必ずしも楽観を許されないと思うのでございます。従いまして、今後の民間資金の蓄積の状況並びに民間資金による金融債の消化の状況を勘案いたしまして、資金運用部資金による金融債引受けの問題も、それの推移とにらみ合せた上で特別のくふうと努力が加えられることになろうと思うのでございます。
  34. 北澤直吉

    北澤委員 資金運用部の資金計画によりますと、二十七年度は預託金の増加が千五百五億円になつております。そうすると、もしこれが予定以上にふえた場合には金融債の引受けも考え得るが、この予定の預託金の増加がこの程度でとまるならば、そういう金融債の引受けその他ができない。予定の預託金の増加以上にふえた場合には、金融債の引受けを考えてもいい、こういうようなことでございますか、その点をお伺いいたします。
  35. 福田久男

    ○福田説明員 財政の全体とにらみ合せまして、たとえば今御指摘のありました預託金の増加がある、あるいはそれ以外の国庫収支の面において引上げ超過というような事態がありますれば、それに相当する部分が、たとえば資金運用部資金の放出超過の形で出ましても、全体としては国庫の収支は均衡することになりますので、御指摘のような場合にはむろん考え得る場合の一つと申し上げ得ると思います。もう一歩進みまして、それらの事態が起らなかつた場合にはどうかというようなことも予想されますが、それも先ほど申しましたように、金融債による長期資金の調達という必要性と現実の事態の推移と相勘案しました上で、その際に考慮さるべき問題ではなかろうかというふうに、これは私個人的な考えでございますが考えておる次第でございます。
  36. 北澤直吉

    北澤委員 もちろんインフレをとめるというために国庫の収支のバランスをとる、そのために来年度、二十八年度への繰越しを六百七十五億と押えたものであると思うのでございますが、絶対にこの六百七十五億を昭和二十八年度に繰越さなければならぬというふうなことではないと私は思います。大体の国庫のバランスをとればいいのでありまして、せつかく預金部に六百七十五億という金を積みながら、これを明年度にどうしても繰越さなければならぬということになりますと、それでなくても金融の面でいろいろ問題がありますので、そういう点はもう少し弾力性を持つてお考えになることができないかどうか、この点をもう一点伺いたいと思います。
  37. 福田久男

    ○福田説明員 先ほどお答え申し上げたことと関連すると思いますけれども、財政収支の面で収入超過、言いかえれば引上げ超過になつた場合に、ただいま御指摘の六百七十五億のその範囲内で資金運用部としては支払い超過になつても、全体としては支払い超過にならないということになるわけであります。そうでない場合でも、六百七十五億というものについてもう少し弾力的に考えるべきではないかという御質問でございますが、先ほどもちよつとその点に触れたのでございますが、私の個人的な考えといたしましては、そのときの長期資金の需要、金融債による長期資金の需要というものと相関連して、総合的に考えて判断すべきものではなかろうか。ただできる限り民間資金を極力吸収することによつての金融債の消化をまず第一段階として努力をすべきではないか。それでもなおかつ所要の資金の需要には限度がないかもしれませんが、その範囲はどうしても長期資金を確保しなければならない。しかも民間資金の蓄積状況から見てそれだけではとても足りないというような事態においては、総合的な立場から考えるべき問題ではなかろうかというふうに、個人的な考えでありますが、考えております。
  38. 北澤直吉

    北澤委員 ただいまの福田君の御説明を了承いたします。そこでこれに関連してお尋ねしたいのでありますが、せんだつてもこの委員会におきまして大蔵大臣は、終戦後日本の財政関係は非常にうまくいつているが、金融関係の方はうまくいつてないというふうなことを言われたのでありますが、まことにわれわれから見ましてもその通りに思うのであります。現在におきましても、金融に関係しましてはあるいは貿易の関係の金融の面、あるいはいろいろな金融の面におきまして、いろいろな問題が山積しておるという状態で、何とかしてこの金融上のいろいろの問題を至急に解決することが現在最も必要だと思うのであります。そこで特に伺いたいのは中小企業に対する金融の問題でございます。先ほどもお尋ねしました金融債の問題も、預金部で三百億の金融債を引受けないというふうなことから、これもやはり中小企業に対する金融の資金の面に影響があるのでございますが、大蔵大臣がたびたび申しておられますように、現在の日本の銀行の貸付の状態を見ておると、どうも大口の貸付に集中しておる。大蔵省の銀行局がつくられた統計によりましても、全国銀行の貸出金を見ますると、全体の貸出金のうちで一億円を越えるものが三八%、これを都市銀行と地方銀行にわけてみると、都市銀行では四五%が一億円を越えている。こういうふうなことでありまして、この銀行の貸付金というものは結局大口の貸付金に集中しておるということで、どうしても銀行の経営から申しますと、小さな企業の方に対する貸付金というものはおろそかになりがちなのであります。現在中小企業がいろいろな面で困難な問題にぶつかつているのでありますが、こういうような面につきまして、政府におかれましてはもう少し中小企業に対する金融の面に重点を置かれ、またその方針で一般銀行なり、あるいはそういう方面を御指導になることが必要だと思うのであります。政府は、これまで大口貸出金に集中した、それを直すとたびたび大蔵大臣が言明されたのでありますが、その実績があるのでありますかどうか、この点をお伺いしておきます。
  39. 福田久男

    ○福田説明員 銀行の大口融資が非常に多いではないか、中小企業に対する融資が自然消極的になつておるのではないかという御指摘でございますが、お手元に差上げました数字にもある通り、比較的大きい金額の貸出が漸次増加して参つておるのでございます。従いましてそういうふうに大きい貸付がふえますことは、申すまでもなく銀行自身の経営の立場から見ましても、俗に大口融資への偏椅、外国あたりではラージ・ラインと称しまして、銀行経営をサウンドする立場からは非に警戒をいたしておるのであります。従いまして銀行局といたしましても、昨年その点に着眼いたしまして、各金融機関に対しまして大口への信用集中を極力防止し、排除するように努力することを通知いたしたのであります。また現に銀行検査等の場合におきましても、資本金に対する一定割合以上の大きい融資につきましては、特別にその面に注目を払いまして、それを審査いたしておるのでございます。指導方針といたしましては、銀行のサウンドベースという立場からも、あるいはまた金融行政全般の立場から見ましても望ましい方向ではないので、抑制する方向で参つておるのであります。ただその後いろいろ情勢を見て参りましても、必ずしもそれが十分に是正される方向へ行つているかどうかという点については、多少疑問かもしれないと思いますが、少くとも気持の上では、銀行経営者として十分関心を払い、そういつた方向に努力しつつあることは見受けられるのであります。なお中小企業の融資につきましては、もちろん銀行といえどもできる限り中小企業融資に努力するように指導はいたしておりますけれども、専門の中小企業の金融機関について一層の活躍を私どもは期待いたしておるのであります。たとえば相互銀行、あるいは信用金庫、商工組合中央金庫、もつと金額の比較的小さいところでは国民金融公庫等について、まず十分な活動を銀行局としては期待すべきではないかという意味合いにおきまして、国民金融公庫の資力の充実等について、国からの出資とか、あるいは資金運用部資金の活用等にもかねがね努力をいたしておるのでありますが、今後ともそういう方向にさらに一段と進めるべきではないかと存じます。なお中小企業の融資をするにあたりまして、何と申しましてもその危険性という点が問題になりますので、信用保証の面から側面的にこれを応援すベきだという意味合いから、各地方にあります信用保証協会というものの機能を一層伸ばすべきだ、現在四十幾つ、五十近く保証協会がございますが、保証協会の保証いたしておりまする融資額もはつきり記憶いたしておりませんが、金額も二百億近くなつておるのではないかと思います。なおこれにつきましては、国の中小企業信用保険制度の拡充、それから中小企業信用保険制度と信用保証協会との提携、結びつきというようなことも先般実現されまして、そういつた信用の助成と申しますか、中小企業の信用力の補完という面でさらに一段の努力を払う必要があるのではないかということで、鋭意そういう方面でも研究を続けておる次第でございます。
  40. 北澤直吉

    北澤委員 時間もありませんので、あと二点だけ伺つて質問を打切ります。先般大蔵大臣は当委員会におきまして、オーバー・ローン問題の解決に関連しまして、投資銀行というものをつくることを考えておるというようなお話があつたのであります。この問題は各方面の非常な反響を呼んだようでありまして、これに対する反対の意見も大分業界で出ておる。何か新聞によりますと、大蔵省は投資銀行の案をとりやめることにしたというふうなことも出ておるのであります。この点は大蔵省におきましてまだ研究中でありますか、あるいは投資銀行はやめて、既存の金融機関を利用してこの方面に活動させるというふうなことでありますか、現在の段階のところをひとつ御説明願いたいと思います。
  41. 福田久男

    ○福田説明員 お答えいたします。きようでしたか、きのうでしたかの新聞で、私もそういつた記事を見たのでございますが、実際はそうではございませんので、ただいま投資銀行制度というものを確立すべく、その方向で研究を進めておりまして、臨時金融制度懇談会において検討を加えていただいておる途上でございます。
  42. 北澤直吉

    北澤委員 次に伺いたいのは、農業金融機関でございますが、現在日本では組合銀行として農林中金があるのでありますが、昔は例の農工銀行というものがありまして、農村の土地その他の不動産を担保にして金融しておつたわけであります。ところが現在はそういうふうな機関がないのであります。いよいよ主食の統制撤廃というようなことになりますと、どうしてもこういう農業方面の金融機関をさらに拡充する必要が出て来るのじやないかと思うのであります。現にアメリカの金融制度なんか調べてみましても、農業関係の特殊銀行が非常にたくさんある。たとえば連邦土地銀行とか、連邦農業銀行というような農業関係の特殊銀行がたくさんできまして、これによつて農村に対する金融の便をはかつているわけであります。ところが日本におきましては、こういう農村関係の金融機関としましては農林中金、それから政府におかれましては農林漁業特別会計というものがありますけれども、私はもう少し農業方面の特殊銀行と申しますか、不動産担保を目的にしたような、そういう農業目的の長期金融機関というものがなければならぬ。特に統制撤廃後の農村に対しましては、こういう金融機関の援護がなければならぬと思うのでございますが、そういう点について政府はどういう案を持つておられますか、また現にどういうことを研究しておられますか、その点を伺つて私の質問を終ります。
  43. 福田久男

    ○福田説明員 農業金融につきましては、建前といたしまして、非常に長期の農林漁業関係の融資については、農林漁業特別会計からの融資というものによつて、それが主流となつて農林関係の長期融資を担当することになれば、中期ないし短期の営農資金等については、農林中央金庫を中心とする農業協同組合の金融系統でその間をまかない得るのではないかと思うのであります。もちろん農林中央金庫を中心とする農業協同組合等の系統におきましては、単に営農資金ばかりではなくて、たとえば不動産担保の融資等もあわせて行い得ることになつておりますので、さしあたりといたしましては、それらの既存の機関を活用することが一番実情に合うのではないかというふうに存じます。ただ明治時代とか大正の初めのような、不動産そのものの持つ担保力と申しますか、担保性というものが、特に農地等についてあの当時ほどのウエートがないのではないかということが一つの問題点ではないかと存じますが、そういつた意味合いも含めまして、さしあたりとしては先ほども申しましたように、長期の農林漁業資金というものは、農林漁業特別会計が主としてこれを担当し、それの補完的な中期資金とか、あるいは営農資金のごとき短期資金は農林中央金庫を中心とする農業協同組合等の組合金融のルートでカバーする。その際にあわせて、今問題として御指摘になりましたような金融面も受持てば、さしあたりはそれで実情に合つてやれるのではないかというように存じております。
  44. 北澤直吉

    北澤委員 要望を申し上げますが、われわれが地方の農村を歩いおりますと、どうも農村においては金融面で相当苦労しておる。ただいまのお話では、長期資金は政府の農林漁業特別会計でまかない得るし、中期もしくは短期の営農資金は組合金融を中心としてまかなえるのじやないか、こういうお話でありますが、われわれの見たところでは、それでは不十分である。いよいよ主食の統制を撤廃するということになれば、どうしても金融面において相当大幅に農業金融の面を考えてやらぬと、統制撤廃にも支障を来す。われわれはこういうように考えておるのでありまして、ひとつ今後ともこういう農業金融、特に農村の不動産を担保にするという方面の金融については、現在も御研究中でありますけれども、もつと熱意を持つて、御研究くださらんことを特にお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  45. 有田二郎

    有田主査 それでは私から質問いたしたいと思います。税関関税収入が、昨年度六十七億六千五百万円が百二十六億八千九百万円に増加しまして、約五十九億二千四百万円増加をいたしておるのでありますが、これに対して税関の状況並びに密貿の把握の状態——非常に密貿がはげしい。以前承るところによると、一割程度より密貿が把握されてないというような状態も聞いたことがありますが、これに対して大蔵当局の御説明を承りたい。
  46. 亀徳正之

    亀徳政府委員 お答え申し上げます。最初に、関税収入が昨年度の予算が六十七億に対して、本年慶が百二十六億、倍近くになつておかしいじやないかという御質問かと思います。その点は、実は昭和二十六年度の補正予算の際に見積りました時期、その後におきまして相当関税収入が事実上入つておるのでありまして、たとえば二十七年一月末におきます関税及びトン税の収入状況は、八十五億七千六百万円となつておりまして、予算に対しましてすでに一二四・五%という数字なつておりますので、来年度の見積りについてはこの程度が適正ではないか、こう考えております。第二の密輸が非常に多いのではないか、こういう点でございますが、実は私税関部の方の点については十分了承しておりませぬものですから、密輸の関係についてお聞きであれば税関を呼びまして……。
  47. 有田二郎

    有田主査 それでは明日お願いいたします。  さらに国有財産のことについてわかつている人はきようは来ておりませんか。——国有財産の売却につきまして、船舶の売却並びに機械の売却というのが、本年は船舶の売却が六億六千万円、機械が七億七千万円ほどあるのであります。機械が昨年十四億ありましたのが、半分に減つておるという状態であります。これらについてどういうような売払いをしたのか、簡単に御説明を承りたいと思います。
  48. 谷川宏

    ○谷川説明員 国有財産のうちの船舶及び機械につきましての、二十七年度の売払い見込みについて御説明申し上げますと、まず船舶についてでございますが、二十七年度初めの国有船舶が大体千七百隻ばかりございまして、その大体八〇%を売り払うことに一応見積つております。それから機械につきましては、二十七年度の初めにおきまして約二十七万台の機械がございますが、このうちスクラップにするものにつきましては——スクラップにしなければ処分できないものが相当ございますので、このものにつきましてはスクラップ化をはかりますが、でき得る限り高い価格で売り払う必要がございますので、それの評価等に相当の期間を要しますけれども、できるだけ早期に売却する計画でございます。ただいまのところいろいろな状況によりまして、そのうちの大体一割程度を売り払う計画になつております。
  49. 有田二郎

    有田主査 さらにお尋ねしたいのは、官有財産利用収入の問題であります。土地及び水面貸付料が昨年一億四千五百三十二万二千円であつたのが、本年二十七年度の予算額では七千九百九十六万八千円になりまして、約六千五百三十五万四千円の減収になつておるのでありますが、これは一体どういう理由で減収になつておるのか、承りたいと思います。
  50. 谷川宏

    ○谷川説明員 土地及び水面の貸付数量につきましては、原則といたしましてはそうかわりはないはずでございますが、連合軍の接収の関係その他いろいろございまして、明年度におきましてはその貸付の坪数が若干減りますとともに、貸付の金額等につきまして、前年度において土地によりましては相当でこぼこがございましたので、その点を調整いたしまして、予算に計上いたしたような金額になつたわけでございます。
  51. 有田二郎

    有田主査 それに対しまして建物及び物件貸付料が、昨年二十六年度の予算額では一億七千四百七十六万八千円であつたのが、二十七年度においては三億二千八百四十六万六千円になつて、その間約一億五千万円の増額になつておるのでありまするが、この土地及び水面貸付料がほとんど半分に減つたのに対しまして、これが逆に倍近くふえておるのは一体どういうわけでこういうようになつたものか、御説明を承りたいと思います。
  52. 谷川宏

    ○谷川説明員 建物につきましては、賠償指定の解除になりまするものが相当多数見込まれまするのと、その単価につきましては、できるだけ民間の貸付単価とのつり合い等も考えまして前年度におきまして相当低く見積つておりましたのを調整いたしまして、ある程度引上げも考えまして、今予算に計上いたしましたような金額になつたわけでございます。
  53. 有田二郎

    有田主査 さらにお尋ねしたいのでありますが、懲罰及び没収金の項であります。国税犯則者納金が昨年は五億八千五百万円、本年は五億五千八百万円、こういうように二十七年度の予定が出ておるのでありますが、大体五億から六億程度を予定して、計画的にこういうものをやつておられるのかどうか。偶然こういうような金額になつて来ておるのかどうか、御説明を承りたいと思います。
  54. 谷川宏

    ○谷川説明員 懲罰及び没収金につきましては、見積り方といたしましては、原則といたしまして大体過去の実績の件数をもとにいたしまして、その年度の物価の状況等をも考えまするとともに、ことに国税につきましては酒の密造の計画等からその計数をはじき出しまして計上したわけでございますが、たまたま御指摘の通り、本年度は同じ程度の金額になつたわけでございます。
  55. 有田二郎

    有田主査 さらにそれに対しまして、専売犯則者納金が前年度におきましては一億三百三十九万六千円、これに対して二十七年度は約その半分の五千八百三十五万六千円、こういうように専売犯則者の納金は逆に半分に減つて来ておるという状態でありますが、これに対しては、どういうことでこういうことになつたのか承りたいと思います。
  56. 谷川宏

    ○谷川説明員 専売の犯則者に対する没収金、懲罰及び没収金の主たる内容は、御承知の通り主として葉タバコ及び外国のタバコの製品、外国タバコに対するものでございますが、葉タバコの方につきましては、ある程度まだ相当の密耕作が残つておりまするが、製品につきましては最近の取締りの徹底と、また外国の製品を正式に販売いたすようになりましたので、その犯則件数は、最近は前年度に比べまして幾らか減つておるのでございます。ただ前年度の見込み方は、専売の点についてはある程度過大な見積りであつたということが最近の実績からわかりましたので、二十七年度におきましてはその点を調整いたしまして、御指摘のような金額として計上した次第でございます。
  57. 有田二郎

    有田主査 さらに重ねてお尋ねしたいのでありますが、ただいまの説明によりますと、これによつて本年度は外国タバコも正式に売れるようになつたという点から考えまして、専売公社の監視課の費用、あるいは監視課員の人員を整理するというような御計画があるかどうか。この点お伺いいたしたいと思います。
  58. 谷川宏

    ○谷川説明員 計画の詳細につきましては、専売公社の担当官より御説明いたした方が適当かと思いますが、予算の上におきましては、大体におきまして本年度と同じような考え方で犯則の取締りを続行する方針で、人員なりあるいはそれらの経費なりを計上したわけでございますが、先ほども申しましたように、ある程度今まで二十五年度、二十六年度と取締りをした結果、大分成績が上りましたので、多少減額いたしたような次第でございます。
  59. 有田二郎

    有田主査 雑入の国立光明寮等給食費受入という項で、千五十一万二千円の二十七年度の予算を見ておるのでありますが、この点について御説明を承りたいと思います。
  60. 谷川宏

    ○谷川説明員 光明寮に関する収入でございますが、これは二十七年度におきましては、この国立光明寮並びに身体障害者更生指導所におきまして、そこの入寮者に対しまして給食をいたしておるのでございます。その費用をほかの病院と大体同じような単価によりまして収入いたすわけでございます。現在のところ二十七年度におきましては、これは厚生の方の歳出予算でも計上しておりますが、大体三百六十人おりますし、一方身体障害者更生指導所、ここに百五十人入所しておりますので、これらの食費といたしまして一千五十一万二千円を計上したわけでございます。
  61. 有田二郎

    有田主査 さらに税金の方でお伺いしたいのであります。紛争処理に必要な経費として、前年度は八千四日四十万五千円という額が計上されておつたのでありますが、本年度はそれが約四分の一程度に減りまして、二千百五十五万七千円、こういう金額に減つて参つたのであります。協議団というものがようやく順調に進みつつあるにもかかわらず、こういうように金額を四分の一に減す、一体協議団に対してどういう考え方を持つておるのか、大蔵当局の説明を伺いたいと思います。
  62. 谷川宏

    ○谷川説明員 租税の紛争処理をいたします協議団の経費についてでございますが、昨年度から初めて協議団を創設いたしましたので、初年度といたしまして、初度設備費、庁舎の建設費、備品類あるいはいろいろな帳簿書類等についての経費が相当多額を要しましたのに反しまして、本年度におきましては大体仕事も順調に参りましたし、また処理件数等につきましても、課税調査の適正化と相まちまして、大体去年ほど件数は起らないというようなことからいたしまして、経費は大体四分の一程度軽減されたような次第であります。
  63. 有田二郎

    有田主査 さらにお尋ねしたいのは、租税の払いもどし金であります。昨年度において四十八億八千二百万円、本年は四十億を見込まれておりますが、昨年の四十八億八千二百万円がどういう状況に使われておるか、払いもどしがどういう状態なつておるか、この点を承りたいと思います。
  64. 谷川宏

    ○谷川説明員 四十八億の支出状況につきましては、目下のところ税務署の関係者を総動員いたしまして、払いもどしの促進に努力いたしておるのでございますが、私ども承知しておりますところにおきましては、大体本年度予算額一ぱい消化し切れるのではないかと考えております。それの税目別その他の払いもどしの状況につきましては、後ほど御必要であれば書類をもちまして詳細御説明いたしたいと思います。
  65. 有田二郎

    有田主査 さらにこれは公務員の官舎の問題でございまして、ここに直接の関係はないかもしれませんが、一体国税庁側の税務署の課長の官舎というものに対して、本年度は公務員官舎の費用の中からどの程度のものがとれておるか、これなんかもひとつおわかりでありましたら、承りたいと思います。
  66. 谷川宏

    ○谷川説明員 数字につきましてはただいま手元にございませんが、全公務員の宿舎の費用十二億のうち、私の記憶に間違いございませんならば、大体五千万円程度が税務職員六万人に対する宿舎の費用であると記憶しております。
  67. 有田二郎

    有田主査 さらに国税庁の庁舎の問題で、税務官署つまり税務署の庁舎の借料の問題でありますが、前年度一千九十三万三千円の予算額でありましたのが、本年は三百三十七万円に減りまして、約七百五十六万三千円減つておるのであります。どういうふうなことでこれが減つたのか、承りたいと思います。
  68. 谷川宏

    ○谷川説明員 庁舎の借料につきましては、御承知の通り庁舎の建設費が予算的に相当削減されておりまする関係上、借家住まいをしておりまする税務署が相当ございます。その分につきまして従来借料を払つておりましたのが、ぼつぼつ庁舎も建設いたされましたので、その分が借料として落ちましたから、ただいまお話のような金額になつたわけでございますが、詳細坪数等につきましては、御必要であれば後刻あらためまして御提出したいと思います。
  69. 有田二郎

    有田主査 さらに納税貯蓄組合補助金として、六千六百三十八万円本年度は要求額に出ておるのであります。これはまことにけつこうなことでありますが、この六千六百三十八万円は、大体どういうような方法で御使用になる御計画であるか、承りたいと思います。
  70. 谷川宏

    ○谷川説明員 納税蓄貯組合につきましては、昨年度におきまして法律化されまして、実施に移りましたわけでございますが、貯蓄運動とも歩調を合せまして、納税貯蓄組合の結成に努力いたしたわけでございます。この金額は、各地におきまして納税貯蓄組合をつくりますると、税務署に届け出るわけでございます。業者あるいは地区によりまして、一組合の所属人員等はいろいろわかれておりまするが、大体におきまして五十人あるいは百人、二百人というような段階にわけまして、それぞれの直接の事務費、たとえば組合員のところへ毎月参りまして、各人の貯蓄額を集めてまわる集金人の経費等につきまして、これを全部納税者が負担いたしますと、なかなかこのいい制度もうまく運用できませんし、数もふえませんので、これを国費をもつて補助をする。要するにその組合の集金人の経費あるいは台帳をつくる消耗品費、これらにつきまして、実費までは参りませんが、大体七割かその程度までは行けるように、その所属の人員に応じまして、決算を税務署長の方に提出いたしますと、今申しましたような金額を交付するという仕組みで計上したわけでございます。
  71. 有田二郎

    有田主査 さらに諸謝金として昨年度百十一万七千円、本年は百十一万六千円というものが出ておりますが、一体この諸謝金というものはどういうものをお考えになつておりますか、説明していただきたいと思います。
  72. 谷川宏

    ○谷川説明員 ただいまの諸謝金の内容は、主として滞納処分をいたしまするときの差押え物件の鑑定人に対する謝金、あるいはそれの立会人に対する謝金でございまして、まあ半日ぐらいかかるのが通例でございまするが、一人一日の単価といたしましては大体五、六百円というのが予算積算の基礎になつております。
  73. 有田二郎

    有田主査 さらに酒類密造取締りの費用の問題でありますが、昨年度八千五百万円が一億六千九十一万三千円に増額されて来ておる。これについて取締り旅費が昨年度には予算に載つてない。本年は三千八百七十三万二千円という取締り旅費が出て来たのであります。非常にけつこうだと思いますが、昨年度ゼロで一体何をしておつたのか、この点を承りたいと思います。
  74. 谷川宏

    ○谷川説明員 昨年度の密造取締り旅費は、この事項といたしましては計上いたしませんでしたが、税務官署のほかの一般の旅費の一部をもちまして、これに充てたわけでございます。
  75. 有田二郎

    有田主査 さらに庁費の問題でございます。昨年七千九百四十万円、今度は一億九百一万一千円というように増額されておるが、この庁費というものは、大体酒類密造取締りのどういつた費用に使われるのか、説明を承りたいと思います。
  76. 谷川宏

    ○谷川説明員 密造取締りの庁費の内容でございますが、これは主として密造取締りをいたしまするとき、その前提といたしまて、いろいろ調査を十分にいたしませんと、せつかく大挙して取締りに参りましても、収獲があがらないわけなので、その調査に要しまするいろいろな帳簿の経費、あるいはまたいろいろその密造取締りを実施いたしまするときに使いまする自転車の購入費、あるいはまた自動車の借上費、こういうものがおもな内容でございます。
  77. 有田二郎

    有田主査 ではさらに大蔵本省予算に移りますが、宝くじ発行委託費外四日として、前年度予算には十八億九千五百八十四万六千円というものが計上されておつて、本年はそれが計上されていません。本年はどういうわけで計上されていないか、その点を承りたい。
  78. 福田久男

    ○福田説明員 宝くじにつきましては、昭和二十六年度におきましては、宝くじ発行収入金全額を歳入といたしまして、他方当籤賞金あるいは発行に伴う印刷費その他の費用を歳出に立てておつたのでありますが、昭和二十七年度からは、差引純計を予算に計上する方針をとるごとになりましたので、その差引純額を歳入額に上げることになつております。それに必要な法律改正につきましては、国会へ御提案いたしまして御審議願うつもりで、目下準備を進めておる次第でございます。
  79. 有田二郎

    有田主査 さらにドイツ財産管理費が昨年は三百六十四万七千円でありましたが、それが二十七年度は七百四十二万七千円と、三百七十八万円増額になつております。どういうわけでこういう費用が倍額に増額されたのでありますか。
  80. 谷川宏

    ○谷川説明員 ドイツ財産管理費でございますが、御承知の通り平和条約の規定によりまして、条約発効後におきましても、日本政府がこれらの財産を管理、あるいは指示に従いまして処分する義務を負うわけでございますので、その経費を計上したわけでございます。その管理する財産の数量につきまして、従来その一部は先方の英米仏三国委員会が直接管理しておりましたのが、今後はもつぱら日本政府が管理するようになりまするので、その数量の増加がありましたことと、さらに今後の処分につきましては、こういうようなものをずつと長く管理するとは、いたずらに財政負担の増大を来すので、従来よりも一層その処分を促進するという意味をもちまして、相当の増額を来した次第でございます。
  81. 有田二郎

    有田主査 さらに物納財産管理処分旅費として、前年度は予算が見積られていなかつたのでございますが、本年は千二百六十六万六千円が新しく見込まれておるのでございます。昨年度はなくて済んだものが、本年度どうしてそう千二百六十六万六千円もいるのか。昨年はいらなくて、本年特別にいるという理由を承りたいと思います。
  82. 谷川宏

    ○谷川説明員 おもなる理由は、財産税特別会計が、その法律の規定に従いまして、本年度末をもちまして廃止となりますので、同特別会計が持つておりました財産を一般会計が引継ぐことになります。そこでそれに要するいろいろな管理及び処分の経費が新たに一般会計負担になりましたので、その程度の額にふえたわけでございます。
  83. 有田二郎

    有田主査 さらに国有財産の維持費が、昨年度は一千七十六万九千円であつたのが、今度は五千四百七十六万九千円で、約四千四百万円維持費が増額されておるのでありますが、どうしてこんなに四倍以上、五倍に近い額がふえておるか、理由をお聞かせ願いたいと思います。
  84. 谷川宏

    ○谷川説明員 おもなる理由は、従来国有財産のうち賠償指定になつておりますものが、講和条約発効と同時に解除になる予定でございますので、その賠償指定になつておりました国有施設に対する経費が、従来は賠償施設処理費で見ておりましたのを、今度は普通一般の大蔵省所管の国有財産になります。そこでその分を従来の分と合せまして、管理あるいは処分する。その量は従来の大体十倍程度返つて来ることになつておりますので、経費の点はむしろ相当節約して、また能率を上げて管理、処分をするというつもりで計上いたしております。
  85. 有田二郎

    有田主査 さらに国有財産の売払委託費の問題であります。昨年度は三百八十四万八千円でありましたのが、本年度は約十倍以上になりまして四千三百万円、約三千九百万円ほど増額いたしておりますが、これについての御所見を承りたいと思います。
  86. 谷川宏

    ○谷川説明員 おもなる理由は、財産税特別会計が管理しておりました財産が、一般会計の管理のもとに入つて参りますので、これらの財産を処分するにあたりまして、従来と同様な方法をもちまして、民間業者に処分の委託をいたしますから、その分といたしまして、十倍程度の委託費がふえたわけであります。
  87. 有田二郎

    有田主査 さらに特殊施設処理費の中の超過勤務手当百五十二万三千円が九百九十万九千円、相当の増額を来しておるのでありますが、これに対しての御所見を承りたいと思います。
  88. 谷川宏

    ○谷川説明員 おもな理由は、従来の賠償指定の施設、これは先ほども申したように賠償施設処理費で見ておりましたが、これが一般会計の方に入つて参りますので、これらの施設の管理、見まわりでございますが、これに対しましては、相当人数の管理人が盗難予防のために見張つております。これの超勤と申しましても、普通の事務の居残りとは違いまして、徹夜で見張りをしておるという関係の超勤でございますが、人数が相当多くなりましたので、これがふえたようなわけでございます。
  89. 有田二郎

    有田主査 国有財産売払委託費であります。昨年度はゼロでありましたが、本年度は一千万円予定されております。どういうわけで本年度は一千万円新しくこの項をおつくりになつたか、御所見を承りたいと思います。
  90. 谷川宏

    ○谷川説明員 国有財産売払委託費、これは前年度におきましても、事実上そういうことをやつておりましたが、今回科目をはつきりいたしますために、はつきりと予算書の上で一千万円計上したわけであります。
  91. 有田二郎

    有田主査 さらに税関船舶の問題であります。昨年度一億二十二百二十万円の予算が組まれておりましたが、本年は一億五千万円に増額されております。これに対する建造計画で、おわかりの点がありましたら御説明願いたい。
  92. 谷川宏

    ○谷川説明員 税関船舶一億五千万円の内容でございますが、詳細はまたあらためて税関部の方から御必要であれば御説明いたすことにいたしまして、大体の考え方といたしましては、関税収入を大体倍程度見込んでおり、これに対しましては、相当密航の取締りを現在続けておるわけでございますが、御承知の通り税関は、終戦後新しく発足するにあたりまして、従来持つておりました大部分の船が海上保安庁の方にとられたままになつておりますので、大体一昨年あるいは昨年あたりから、新しい船の建造を本腰になつて始めたばかりでございます。それで現在持つておる船は非常に古い船が多く、またその速度等につきましても、朝鮮あたりから来る密航、密輸船を追つかけるのに適当でないのもありますので、一億五千万という相当大きな額でございますが、これをできるだけ有効に使いまして——大体十二メーターあるいは十五メーターの船を三十隻程度この金額によつてつくれるかと思います。これを全国の税関に配属いたしますときは、大体一税関五、六隻ということになりまするので、金額は一見相当多いように思いますが、ある意味におきましては、関税収入をあげるという意味におきまして、この程度はどうしても必要な金額であると考えております。
  93. 有田二郎

    有田主査 さらに物品税証紙の製造費として、昨年度はなかつたのでありますが、本年度は二千百三十九万という多額の金額が見込まれております。これについて御説明を伺いたい。
  94. 谷川宏

    ○谷川説明員 昨年度から証紙制度が始まつたわけでございますが、昨年度は、御承知の通り予算成立後におきまして、この国会におきまして、証紙制度の法律が成立したような次第でございますので、実行予算におきまして証紙の印刷費をまかなつて来たのでございます。本年度は、この法律に基きまして所要の枚数の証紙を印刷製造する経費として二千万円ほど計上したわけであります。
  95. 有田二郎

    有田主査 亀徳政府委員にお尋ねしたいのでありますが、昨年この物品税の証紙の問題については、法律はつくりましたが、外国との関係でああいう法律ができたので、実際はそういうことはやらない、こういうお話でわれわれは大蔵委員会で法案を審議したのであります。これについてはどういうわけなのでありますか、こういう物品税の証紙をどこへお張りになるか、承りたいと思います。
  96. 亀徳正之

    亀徳政府委員 ただいまの御質問でございますが、これはこの間の臨時国会で出しました外国の関税との関係においての改正とは、問題が一応別なのでありまして、昨年の臨時国会で出しました物品税改正は、向うの関税法で、日本の国内の市場価格を課税標準として課税する、ところが旧法の物品税法の建前から申しますと、国内における市場価格は、物品税込みの価格が市場価格だというふうにとられる可能性が非常に強かつたものでありますので、物品税法のいわゆる物品税相当額は消費者が負担する建前のものにする、こういう改正をやつたのでありまして、その際の改正で、たしか一万円以上だつたと思うのでありますが、一万円以上の物品につきましては、その取引価格を明示しなければいかぬ、こういう規定にしたわけであります。そのことと証紙の問題とは別でございますので、その点ひとつ御了承願いたいと思います。  それから先ほど御質問になりました関税の点でございますが、ちよつと説明を漏らした点がございますので、補足説明さしていただきたいと思います。昨年より倍近くに収入がふえたということになつておりますが、その一部は、今回の砂糖について関税率を、粗糖につきまして、現行一〇%を二〇%、精製糖二〇%を三五%に引上げまして、その増加の二十三億一千七百万円という数字が、さらに追加されております。その点の説明を漏らしましたので……。
  97. 有田二郎

    有田主査 それではさらに亀徳政府委員にお尋ねいたしますが、物品税の証紙というものは、当然政府でこれを印刷して、そうしてそれは全部に張らせるという御計画であるのかどうか、承りたいと思います。
  98. 亀徳正之

    亀徳政府委員 実はちよつと不準備で、どの物品に証紙を張りますか、細目にわたりまして御説明し得ないのを恐縮に存じますが、あらゆる物品について証紙を張るのではありませんので、非常に特定した物品だけに張ることにいたしております。今わかつておりますのはカバン、サイダー、こういつたものに証紙を張るということにしております。
  99. 有田二郎

    有田主査 明日詳しいことをさらに御説明を承りたいと思います。  それから日本税務協会の補助金、昨年度四百五十万円であつたのが、本年は二百五十万円に減つて、新しく科学研究所の補助金に二百万円出しておるのでありますが、この税務協会の補助金四百五十万円を二百五十万円に減したのでは、税務協会が困るのではないか。さらに科学研究所になぜ補助金をお出しになつたか、承りたいと思います。
  100. 谷川宏

    ○谷川説明員 税務協会につきましては、従来主として国税に関する指導あるいは啓発、宣伝をやつておりましたのですが、御承知の通り、国税、地方税の割合につきましても、最近におきまして、地方税が相当多くなりましたので、勢い協会の指導あるいは宣伝、啓発につきましても、国税に関する割合が少くなりました。さらに従来の協会の努力によりまして、青色申告その他の周知徹底と相まちまして、納税者に対する指導を要する面も、大分少く相なつたような状況等を考慮いたしまして、本年度は今御指摘のような、大体半分程度の補助金にしたようなわけでございます。さらに科学研究所の補助金につきましては、今回酒税の増徴をはかります場合におきまして、まず何よりもうまい酒をつくらなければ売れない、ことに合成酒の造石を相当ふやしておる関係もございまして、合成酒を売るというために——合成酒をうまくするということに対しまして、従来科学研究所におきましては、相当研究を続けて来たわけでございますが、一銭の補助金ももらつていなかつた、主として業者の負担なつていましたのを、今回の酒税増徴を機会といたしまして、ある程度国で援助をいたし、将来さらによけい酒の税金がとれる素地をつちかうという意味におきまして、二百万の金額を計上したわけでございます。
  101. 有田二郎

    有田主査 もう三点聞きまして、本日は終りたいと思うのでありますが、納税思想普及費及びこれに類した経費が、本庁関係で四千七日二十八万余円、税務署関係で一億一千七百八十九万余円計上されておるのであります。これらがはたして適正にかつ効果的に使われておるかどうかこの点亀徳政府委員の御説明を承りたいと思います。
  102. 亀徳正之

    亀徳政府委員 納税宣伝の経費が適切に使われているかどうかという問題でございますが、実は国税庁が実際の予算の使用に当つておりますので、私から今お答えいたしますより、もう少し調べてお答えした方が適切かと思いますから、その状況を調べまして、お答えいたしたいと思います。
  103. 有田二郎

    有田主査 さらに第二点は、滞納整理のための経費が六億七千余万円計上されておりますが、この金額によつて、どれだけの滞納整理ができる見込みでありますか、その整理目標額を承りたいと思います。さらに二十六年度におけるこの種経費八億九千八百万円でどれだけの滞納整理ができたか、過去における実績をお示し願いたいのであります。
  104. 亀徳正之

    亀徳政府委員 滞納整理の経費にからみ合せて、どれだけ滞納の整理ができたかという金額と実際の業績との比較は、非常にむずかしいのでありますが、ただ昨年の滞納の処理状況で、十二月末の数字がわかつておりますので、その点を御説明申し上げたいと思います。前年から繰越しました滞納額が、件数におきまして六百十三万六千件ございました。それから税額にいたしまして、九百四十五億六千百万円、こういう数字に相なつております。その後本年度分の新規の滞納額の発生その他がございまして、その新規のその後の滞納の発生状況を申し上げますと、件数におきまして四百九十七万七千件新たにふえまして、税額で千二百九十四億四千五百万円という数字に相なつております。それで現在の十二月末の数字が、件数におきまして五百六十九万五千件、それから税額で千五十億一千四百万円、こういうことになつております。
  105. 有田二郎

    有田主査 この点についてもう少し詳しいことは、明日御説明を承りたいと思います。さらに酒類密造取締りのための経費がさつきも申しましたように倍額にふえて、一億六千万円余になつておりますが、これによつて大体密造の捕捉がどの程度できるお見込みであるか。これを承りたいと思います。これにつきまして明日間税部の御意見を伺つて、御報告を願いたいと思います。  本日の会議はこの程度にとどめ、明二十一日は午前十時より会議を開き質疑を継続することといたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後五時四十一分散会