○永井(要)
委員 マカロニの点について相当お
考えを持
つてくだす
つているということにつきまして、私は非常に欣快とするところでありますが、マカロニは御
承知の
通り、東亜においてギリシャ文明の中世紀においては相当用いられた主食であつたのでありますが、これが西欧に持
つて行かれまして、残つたのは今
日本で使
つておるそばだとかうどんだとかいうような、比較的簡単なものが残
つて現在に及んでおるわけであります。西欧においてはマカロニを取上げて、ほとんど主食としてそれを全
世界に普及しようという
考え方でや
つておるのでありますが、アジアにおいてはやはり乾麺、生麺、というものに重点を置かれて、比較的主婦が勤労をしながら、主食としてあまりりつばでもない、ゆで方等においても不安なものを、主食として現在食べておるというようなことであります。私はあちらへ参りましても、このマカロニの点については非常に
研究いたして参つたのであります。二箇所も三箇所もマカロニの製造所を視察をし、また製粉等に対しましても相当
研究をして参つたのでありますが、マカロニはまず第一に、食べておいしいのでございます。確かにうまい。それから滋養の点におきましては、グルテンが非常に強いために滋養があるわけであります。特に幼児等においてはまことに消化がよく、そうして価額が実際にきわめて安い。それからこのマカロニは、主婦が苦労をせずして簡単に調理ができる。
経済的であり、文化的食糧であり、そしてしかも長期の保存に耐える。こういうことであります。長期保存と申しましても、七年、八年、十年を保存することができるのはマカロニだけであります。このマカロニの普及徹底こそ、
日本が真に食糧問題を
解決するかぎである、かように私どもは強く主張したいのであります。それからいま一点は、これは聞きのがしてはならないことであります。マカロニによ
つて悪病が
解決つくそうで、いわゆる胸の病も、子供のうちの食糧いかんによ
つて——むりに米のような不消化のものをたくさん詰め込んで、そうして運動しないとか、またいろいろの面で米を余分に食べるいう
意味において、五臓を非常に疲れさせます。そういうことがだんだん重なりますと、やはり五臓の病気が起きるのであります。こういう問題が
解決つかぬのは、やはり主食が米に重点を置かれておるからであるということを私はかたく信じておるのであります。非常に消化力の強い、良質な粉によ
つてつくられたところのマカロニは、実に文化食糧の最高であると私は
考えるのであります。この
意味おきまして、マカロニの製造にはどうしても小麦の品種の改善が絶対必要であります。現在の
日本の小麦の作付等におきましても、また品種等におきましても、きわめて遺憾な点があるのであります。三十年も四十年も同じ小麦は小麦として、ちつとも改善されておらぬように私どもは
考えるのであります。さらに製粉機におきましては、大正年間に、
日本の最大のメーカーである
日本製粉、日清製粉が輸入された機械が、今
わが国の最高の製粉機械であります。そういう
意味から行きましても、この点を農林御当局、食糧庁御当局は十分に
検討をされまし、大きく
予算を組んでいただいて、そうして相当な
研究心を持つた者をかの地へつかわして、小麦の品種の改善並びに小麦粉の生産のあり方等に対しまして、十分御
検討なさる必要があると思うのであります。そうして初めて完全なるマカロニが
国民の主食の代替として宣伝普及され、マカロニ食堂の建設その他あらゆる面においてそれを順次とり行
つて行くならば、必ずや粉食による徹底した政策が具現できるということを私は信じておるものであります。保存の長期にわたるということは、まつたくこれはマカロニ以外にはないのであります。
日本の乾麺の製造はたしか二十五年度、二十六年度において二十四万トンの製造を委託加工しておるそうでありますが、そのうちで約二割以上は、全部かびて食糧にならないということを私どもは
承知いたしております。そういつた
意味合いにおきましても、国幣をも
つて海外から輸入した小麦を製粉して、それで第二次加工をした生麺が、その二割以上が全然
国民の食糧に供せられないというような不良品をつく
つておることは、小麦粉か悪いわけであります。そうして製造の仕方が理想的でないのであります。やはり旧態依然たる乾麺によ
つてその順序をつけられおてるということに大きく響いて来るのでありまして、私どもはこの乾麺のゆで方についても非常不安を感じておるわけであります。私ども乾麺……。