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田中(角)
委員 時間がありませんので、最後に結論だけを申し上げますが、日米
行政協定の問題につきましては、率直に申し上げまして、どうも主権の問題だけが非常に大きく取扱われておるようでありますが、私は端的に申し上げまして、現在の
日本の
状態から日米
行政協定を見守る場合に、やはり主権の問題はもちろん、裁判管轄権の問題があるのでありますが、これと調達方式をいかにするかという問題の二点に集約せられるとい
つても、過言ではないと
考えておるわけであります。それで一番初めに申し上げました
通り、少いときでもその年度における歳出総額の一三%を占め、多いときには三十六、七パーセントまでも占めておりましたところの、かかる種の支出に対しては、
占領軍の治下にあり、降伏文書によ
つて発効した覚書によ
つてなされたものであるので、批判は加えられないのだ、こういう卑屈な感情から、
日本人はほとんどこの問題を論議しなかつたようであります。しかしこれが経済界に及ぼした影響は非常に大きい。私はその面におきましては、これは
岡崎国務大臣がおられれば私は強く要望したいと思うのでありますが、日米
行政協定は先ほど言うように、
国際法上の問題だけでなく、ただに法律家や外交
専門家の手にだけゆだねらるべき問題ではないと
考えるのであります。この帰趨いかんによ
つて、
日本の経済界に及ぼす影響は非常に大きいのでありまして、われわれ百年の計を立てる現在にあた
つて、まず現実に二十七年度においても、先ほど申し述べましたように大きな費用を使われるのであ
つて、しかも
日本の業界はこれが支出を待
つておる
状況でありますので、これが適正なる支出が行われ、しかも
日本の産業経済界にプラスを與えるような
状態において、日米
行政協定を進められたい。私はこの問題に対しましてはすでに十四、五日前から
考えてお
つたのでありまして、できるだけ早く
政府の所信を明らかにしていただきたい。しかも同時に日米
行政協定は、独立後における口承と米国の対等の立場において結ばれるのでありますので、できるならば経済
関係のエキスパートも入れられて、これが
協定成立に万遺憾なきを期せられたい。ただ私がおそれるのは、先ほども
岡崎国務大臣が申されたように、
日本のために非常に莫大なる経費の支出に応じておるところの
アメリカに対して、
日本がただ
北大西洋條約と同じようなことを申して、対等な権利を主張するというような感覚的なマイナスを與えたくない。ただ厖大に支出せられるその金額の使用のいかんにおいては、戰後の敢行的な
日本の経済に非常に大きなプラス、マイナスが
はつきり出るのであ
つて、これをなるべくプラスの面に使用できるような処置を講じていただきたい、こういうことを
希望しておるわけでありますので、この問題に対しては、ひとつ十分
政府をあげて、私が申し上げましたような趣旨に対して御
努力を願いたい。特に
岡崎さんは非常にお忙しい方でありますし、今
行政協定ではいわゆる法規上の問題と取組んでおられるようでありますから、経済閣僚は特にひとつこの面だけでも、
岡崎さんのお手伝いをされていただいて、吉田内閣の全
責任において、この経済問題だけは強力にお進め願いたい、そして万遺憾なきを期していただきたい、こう
考えるわけであります。
なお私の最後の
希望としては、これに類する警察
予備隊の経費その他を全部入れますと、非常に大きなものでありますが、今同じような
状態において支出されるこの種の支出に対しては、
日本政府部内においても各個ばらばらであります。これが統一を欠くために、国費の執行上にあた
つてはいろいろな問題が起きております。同じ二十六年度の費用を支出しながら、官庁の間で発注する同じものに対して価格の一大変動がある。こういう問題は当然改めなければならぬ。しかも乏しい財政の中からこの大事業をやらなければならないのでありますから、私は特にこの種のものに対しては別途
政府は
一つの統一
機関を設けて、経済的な面からも十分に検討を要する、こういうふうに
考えるわけであります。
最後に
岡崎さんにお願い申し上げたいのは、日米間には、先ほども申された
通り、言語の違いとか習慣の違いとかによ
つて、なかなか意思の疏通を欠く場合が多いのでありまして、特にこれが意思の疏通をはかるために、日米合同
委員会等も今後設けられるようでありますから、これに対しても、ただいままで申し上げましたように、
日本人の意思も向うにさらりと通
つて、しかもお互いが協力し、お互いが信頼して行かれるような方向に、お進めくださらんことを切に
希望いたしまして、私の
質問を終ります。