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周東国務大臣 物価に関する御
意見はご
もつともでありますが、これは
小峯さんも
同感ではあろうと思います。国策の行き方として、喜び公定
価格制をとるというような意思はありません。私は物価というものは
経済界における
一つの寒暖計みたようなものだと思います。寒暖計は財界、
経済界の動きによ
つて上
つたり下
つたりする。
従つてこれだけ上り過ぎるから、どこに原因があるかということを押えまして、対策を講ずるものであります。あたかも人間が体温をはかるときに、いろいろな原因が起
つて寒暖計が上
つたり下
つたりするのであります。それを従来のように、水銀が上らないようにぎゆつと締めておいて、そうして人間のからだの故障を判断しようとしても無理であろうと思います。同様に、物価という寒暖計を締めつけておいて、そして
経済界のどこに欠陷があるかということを見出すことは困難であります。こういう
意味において、私は物価というものに対する公定
価格制度は、はつきり言
つて、これは悪い行き方である、かように
考えます。ただしかし御
指摘のように、今後における問題は、でき得る限りめちやくちやな形にならぬように、今日
日本が
講和発効後において国際
経済に復帰をした後に貿易を
増加し、
生産を
増加する上におきまして、あくまでも国際的な競争に耐え得るように、よい品を国際
価格に適応するようにいたさなければならぬというのが
一つの問題であり、同時に
価格の上り下りは
国民経済というか、
国民生活に影響が非常にありますので、その
意味から言
つて、どういうふうにするかということであります。これについて、私はあくまでも
生産を増強して行
つて、物の供給をふやすということに眼点を置き、しかも
生産を増強する上において、コストの上らぬように、あるいは
生産設備、機械の合理化をはかるとか、あるいはできる限りコストの安いところから原料を入れろというふうなことが
一つの行き方であろうと思います。しかし一番最後に申し上げますのは御
指摘の点でありますが、
日本は今過渡期にあり、非
生産的な、非能率的な機械を持
つてお
つて、これを直すのには多少の時間的なずれがあります。その間において徹底的に各企業の実態を調べつつ、合理化もさせつつ、しかもこれが特殊な事情で国際
価格より高いというときにおいて、今の補給金というようなものを総合的な
立場においてどうであるかということの検討が行わるべきであろうと思いますが、私
どもは過去における補給金
制度の弊害のことがあまりに多くして、企業の実態が補給金になれ、合理化をはからぬでや
つたということを
考えますと、今ただちに補給金
制度をもう一ぺんすぐとるかとらぬかということについては、慎重に考慮を要すべきものと
考えております。