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1952-04-24 第13回国会 衆議院 郵政委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年四月二十四日(木曜日) 午後二時八分
開議
出席委員
委員長
尾関
義一君 理事 飯塚 定輔君 石原 登君 江崎 真澄君 小金
義照
君
高塩
三郎
君 玉置 實君 降旗 徳弥君 牧野
寛索
君
山本
猛夫
君
椎熊
三郎
君 受田 新吉君 田代 文久君
出席国務大臣
郵 政 大 臣
佐藤
榮作君
出席政府委員
郵政政務次官
寺本 齋君
郵政事務官
(
簡易保險局
長) 白根 玉喜君
委員外
の
出席者
専 門 員 稲田 穰君 専 門 員 山戸 利生君 四月二十四日
委員池田正之輔君
、
平島良一
君及び
宮原幸三郎
君辞任につき、その補欠として小
金義照
君、小
西寅松
君及び
高塩三郎
君が議長の指名で
委員
に 選任された。 四月二十三日
簡易保險
および
郵便年金
の
積立金運用
に関する
陳情書
(第一四四六号) 同外一件( 第一四四七号) 同(第一四四八号) 同外二件 (第一四四九号) 同( 第一四五〇号) 同 (第一四五一号) 同 (第一四五二号) 同(第一四五三 号) 同(第一四 五四号) 同(第一四五五号)
簡易保險積立金独立運用再開反対
の
陳情書外
一 件 (第一四五六号) 同外一件( 第一四五七号) 同(第一四五八号) 同(第一四五九号) 同(第一四 六〇号) 同外七件(第一四六 一号) 同外二件 (第一四六二号) 同(第一四六三 号) 同(第一四六四号) 同外十件 (第一四六五号) 同(第一四 六六号) 同(第一四 六七号) 同(第一四六 八号) 同外六件 (第一四六九号) 同外十四件 (第一四七〇号) 同(第一四七一号) 同 (第一四七二号) 同外十一件 (第一四七三号) 同外二件(第 一四七四号) 同(第一四七五号) 同外四件(第一四七 六号) 同(第一四七七号) 同 (第一四七八号) を本
委員会
に送付された。 ――――――――――――― 本日の会議に付した事件
簡易生命保險法
の一部を改正する
法律案
(
内閣
提出第二一号) ―――――――――――――
尾関義一
1
○
尾関委員長
これより
郵政委員会
を開会いたします。
簡易生命保險法
の一部を改正する
法律案
を
議題
とし、前金に引続き
質疑
を許します。
山本猛夫
君。
山本猛夫
2
○
山本
(猛)
委員
郵政大臣
に
お尋ね
を申し上げます。当
改正法案
につきましては、
審議
を開始いたしましてから相当な日数が経過をいたしております。よ
つて
われわれは
原案
を
廃案
にしようという
考え
があるわけではありません。しかし私
ども
の所属いたしておりまする
自由党
の
考え方
といたしましては、昨年の十月の三十一日に行われました
総務会
におい二十万から三十万までの間で
数字
を結論づけようというようなことで、時の
政務調査会長
、時の
郵政委員長
の両名によ
つて合議
を進めることに栢な
つて
お
つたの
であります。そうしてその
数字
が
決定
をせられまして、過ぐる一月の半ばに開かれました
自由党
の
全国党大会
におきまして文書をも
つて
これを公表し、
全国
の
党員
にその承認を得ております。
従つて天下
に
自由党
の
考え方
が表明せられ、そして
自由党
は
相当額
のものを
決定
いたしておるのであります。ところが
自由党
が
天下
に表明をいたし、
全国
の
党員
が
納得
いたしましたその
数字
が、
政府原案
に
一つ
も入れられなか
つた
というような結果を生んで、八万円という
数字
が現われて参りましたことは、
郵政大臣
がしばしばわれわれに
納得
をせられるようにとい
つて
御
説明
をなさ
つて
おられるのでありますけれ
ども
、われわれはこれを
納得
することはできない。
従つて郵政大臣
がこの
原案
をどこまでも固執なさろうとするならば、われわれはこれを
廃案
にしようというような
考え方
は毛頭ないわけでありますから、きわめて近い
機会
において
増額
の御
意思
がおありになるかどうか。問題は、
民営
に対する
官営
であるとか、あるいは
民業
に対する
官業
であるとかい
つた
ようなことを中心にいたしました
議論
がしばしば出ておるのでありますまるけれ
ども
われわれは
簡易生命保險
というものは
民営
に対する
官営
、
民業
に対する
官業
であるとは
考え
ておりません。
簡易保險
の
性格
は、零細な
経済生活
をする大多数の
国民
の民心の安定のために設けられた
社会保障制度
の一環を行くものであ
つて
、これは断じて営業ではない。
民間
の
生命保險
との
性格
の相違はま
つた
くそこにあるのであります。しからばどこにこの
数字
の
焦点
を合せなければならないかということに相なりますが、当
委員会
におきましててもしばしば申し上げましたように、問題は
国民生活
の
数字
の目標であります。たとえば
昭和
三十年に
簡易保險
の
最高額
が二千円であ
つた
といたしますならば、
昭和
二十年の
物価指数
から今日を比べますと、百二十倍以上に相な
つて
おりますことは御
承知
の
通り
であります。しからば二つ十万でもよろしいのであります。それがしかし
郵政大臣
の御
説明
もあ
つて
、
民間業
に対する
影響
その他のことを勘案して、かような
数字
が現われたのであるというようなことでありましたので、われわれは歩を
譲つて郵政大臣
のお
考え
を承
つて参つたの
でありますけれ
ども
、
政府原案
の八万円ではどうしても
納得
が行かない。われわれはこれを了承するのに苦しむのであります。問題は、要するに零細な
経済生活
をする
人たち
にもし万が一のことがありました場合口に、取残された
人々
がその跡始末をして、子供をかかえて何箇月生きられるかとい
つた
ところに
数字
の
焦点
を合わすべきものでありますことは、
簡易保險
の性質上明白な事実であります。でありますから、
郵政大臣
はもしこの
原案
をどうしても通さなければならないというような実情がおありになるのでありますならば、きわめて近い
機会
において、
次期国会
とでもいいますか、あるいはまたこの
法案
は
衆議院
を通過いたしましても
参議院
にまわ
つて
行くのでありますが、今
国会
をも含めてきわめて近い
機会
において
増額
の
意思
かおありになるかどうか。これをまず承
つて
おきたいと思います。
佐藤榮作
3
○
佐藤国務大臣
このたび
簡易生命保險法
の一部を改正する
法律案
を提案いたしまして御
審議
をいただいておるわけでありますが、今までの御
審議
の途上におきまして
政府
の
考え方
はるる御
説明
申し上げましたので、特に重ねてその
説明
をいたすことを省略さしていただきたいと思います。ただいま話がありましたように、
自由党
におかれましては昨年、御
指摘
になりましたような
総務会等
の
決議
も、私
ども政府
におります者といたしましては十分
承知
いたしておるわけてございますか、
政府
はこれらの党の
考え方等
をも
考慮
に入れまして、ぜひともこの
限度
の引上げは実施したい。金額を幾らにするかという問題は、昨日も申し上げましたように時期的な要素をも
考慮
に入れていたさなければならないのでありまして、今回は八万円ということにいたしておるのであります。ただいま御
指摘
になりましたように
物価指数等
の
観点
に立ちますれば、いわゆる
庶民階級
の
保險
といたしましては、これ
一つ
をも
つて
はその
保險
の
目的
を達し得ない
状況
にあると思います。ただ
民間
の
保險
の
制度等
をもあわせ
考え
て参りますると、いわゆる
庶民階級
の
保險
の
目的
をも達するのではないか、かように
考え
ておるのでありますが、本来の
制度そのもの
から見ますれば、その
制度
だけで所期の
目的
を達成することに特思ういをいたすのは当然のことだと思います。従いましてただいま御
指摘
になりましたごとく、私
ども
は
経済界
の
事情
が許しますならば、もつとこの
限度
を引上けるということをも
考え
一しかるべきではないか、かように
考え
ておるのであります。今回は時期的な点から見まして、とりあえず八方円にいたしたわけでありまするが、将来必要が生じますればそれに対しましてこの
限度
をまた改正し、
皆様方
の御
審議
を賜わる
機会
も参るのではないか、かように
考え
ておるような次第であります。
山本猛夫
4
○
山本
(猛)
委員
郵政大臣
のお答えは、
政府原案
の八万円では
政府
も必ずしも満足するものではない。
経済事情
その他のことを勘案して、きわめて近い
機会
において
増額
の
意思
がおありになるというような意味合いのお
考え
をここに表明せられた、さように解釈してよろしゆうございますか。
佐藤榮作
5
○
佐藤国務大臣
時期的の問題は今後の問題でありますので、ただいま御
意見
のうちにありましたきわめて近い
機会
にと申されることがいかような意味でありますか、私
ども
といたしますれば
経済界
の
事情
が許しますならば、そたは遠い近いにかかわらずそういう処置を講じて参つりたい、かように
考え
ておるのでございます。おそらく
お尋ね
になりました
事柄
と同様な
観点
ではないか、かように私は
理解
しておるような次第であります。
山本猛夫
6
○
山本
(猛)
委員
さようなあいまいなことでは断じて了承できません。でありますから、どうかきわめて近い
機会
において
増額
のお
考え
のあるようにおとりはからいを願いたい。本問題は、
自由党
の立場におきましては、
政府
のお
考え
にな
つて
おりまするより以上に強く取上げられました。
自由党
の
政調会
におきましても、
大蔵部会
、
郵政部会
から小
委員
をあげて、そうして検討をいたしました結果、
大蔵部会
から選出せられました小
委員
に。きましても、
郵政部会
から選出せられました小
委員
はもちろんでありますが、いずれも
政府原案
では了承しておらないのであります。
最低
十万
——
十五万という
数字
が持ち出されまして、そうしてぎりぎりのところ、
最低額
といたしまして十万円というようなところを
政調会
においても
決定
せられております。
代議士会
においてはむろんのことでありまして、さつように強く全
党員
の
意思
がこの問題に反映せられましたことに対して、
政府
が了承できないというようなことはあり得ないと
考え
ます。でありますから、どうかただいまのような
あいまい模糊
たる御答弁ではなしに、きわめて近い
機会
において、
増額
の御
意思
があるかどうかというようなことを承
つた
次第であります。 なお
議題外
ではありとまするけれ
ども
、先般の当
委員会
において改進党の
椎熊委員
から、
保險年金
の
運用権
の問題が
質疑応答
の形でなされたのでありますけれれ
ども
、
保険
の
運用権
は前々回の
国会
以来しばしば
論議
をされましたように、例の七月二十五日の
閣議決定
によりまして、この
運用権
が
大蔵省
か
ら郵政省
へ返
つて
来ることに
決定
せられたのであります。その後十一月二十一日に発せられました
ドツジ書簡
によ
つて
、それが一時停止せられたのであります。この
ドツジ書簡
の内容につきましても当
委員会
において
論議
を重ねられましたことは、記録に明白でございますが、しかしその当時
委員会
に表明せられた
当局
の
意見
といたしましては、
ドツジ書簡
というものは、
占領治下
にあ
つて
、
占領当局
が
日本政府
に示唆した、
過渡的現象下
の
占領当局
の一本唆であ
つて
、この
ドツジ書簡
によ
つて
、七月二十五日
決定
せられました
閣議決定事項
は断じて消滅するものではない。当
委員会
でこう結論が出ております。その後
衆議院
、
参議一院
におきましては、
決議案
がものせられておることは御
承知
の
通り
であります。ところが本問題がたまたまこの
保險最高制限
の問題と相からみまして、
椎熊委員
より、個人的にか、あるいは
党代表
の建前か知りませんけれ
ども
、
自由党
の
政調会長
が
反対
の
意思
を表明したという声が出て参
つた
つような次第でありますけれ
ども
、
国民
の大多数か関心を持
つて
おります
事柄
に対しまして、
政府
は今後とも十分なる誠意を示していただきたいと思うのであります。私
ども
はこりの
保險
の
最高額
につきます
政府原案
に対しては、ま
つた
く
不満
であります。
不満
でありますが、私
ども
の不滿が全
国民
の不滿であるということを
郵政大臣
はお認めにな
つて
、これをきわめて近い
機会
に暴圧なさる御
意思
がおありになものとわれわれは了解しますたします場合において、これ以上くだくだしたことを申し上げるものではございません。なお他の
委員
からの
質疑応答
もあることでありますから、私の質問はこれをも
つて
打切ります。
尾関義一
7
○
尾関委員長
椎熊
君。
椎熊三郎
8
○
椎熊委員
簡易保險
の問題は、当
委員会
で長い間の
研究
を積んだ問題でありまして、今この
段階
に
至つて
私は
議論
めいたことを言う必要はないと思います。
政府原案
は今度八万円にな
つて
おります。これは常識的に見てもその程度の
増額
では、一向
簡易保險事業
の
本質
を振興せし
むるような効果
はないということを、私は断言できると思うのであります。
大臣
の
説明
の中に、
民間保險業者
に対する
影響
を言われましたが、これは
民間保險業界
に対する
研究
がやや不足なのではないかと思う。
政府当局
の
説明
によると、
民間
の無
審査保險
があまり振
つて
おらぬということですが、それを
簡易保險
の
影響
だと言われるようなことは、ま
つた
く
違つた角度
から見ておる。それは間違いなのです。
民間
では今十万円以下の
保險
などは、手数と費用だけかか
つて
非常にめんどうだ。そんなものは眼中に置いてない。高額
保險
主義なるのです。もうこのごろでは百万、二百万という
保險
は、
民間
では平気なもので、
地方
における
保險勧誘員
のごときも、この節では一箇月に五百万ぐらい
契約
をしなければ、一人前の
勧誘負
ではないのです。
従つて保險会社
は三万だの五万だというような
保險
はむしろ拒絶したいぐらいの態度です。
従つて
そういう零細な
保險
をやるのは、
国家保險
でなければ振興して行かない、そういう事実は明白にな
つて
おります。けれ
ども
一たび
簡易保險
の
契約高
を
増額
するという問題が起れば、歴史的にいつでも
民間側
は
反対
するのです。
簡易保險
の創設以来
反対
して来ておる。私は去年でありましたか、
簡易保險制度
の三十五年の
地方
の
式典
に参列した経験を持
つて
おりますが、その席上、
保險会
つ社の人もみな
記念式典
に参列していた前で私は言
つた
。
日本
の
生命保險
に関する限りにおいては、
簡易保險
ができてからり、
国民大衆
は
保險
というものを知るに至
つた
。徹底したのです。この
簡易保險三十
五年間の
功績
、
日本
における
生命保險界
について、
国民
に
理解
を深めさせた
功績
は実に絶大なるものがある。
民間保險濃
では、
日本人
は
保險制度
というものをなかなか
理解
しない。死んでから金をもら
つて
も、自分には利益でないように
考え
る。そもそも
保險
とは、個人の
災審
を多数によ
つて
分担するということなんです。そういう
社会保障制度
のことを
日本人
はなかなか
理解
しにくか
つた
。それで
險会社
では
保險勧誘員
なる
制度
を設けまして、これがあらゆる宣伝をし悪質のものはだましてまで募集する、そういう迷惑が
地方
ではひんぴんとして起りまして、
民間保險業者
については、どんなに失業しても
保險
の
勧誘員
にだけはなるなという言葉さえある。
勧誘員
の顔を見るのは一番いやだという声さえある。このとうとい仕事をや
つて
おるにもかかわらず、そういう不信を抱かれておる。それがだんだんそうではない。
保險
というものは社会的にも個人的にも家庭的にも
国家
的にも必要なんだということが、今日ではほとんど
理解
されておる。その
理解
を深めたのは
簡易保險
の
制度
が起
つて
からなのです。
日本人
はどうもそこがはなはだ遺憾な点であるが、官尊民卑の思想が今でも徹底しておるようです。
地方
などではことにしかりです。不
信用
な
勧誘員
がまわ
つて
歩くよりも、
郵便局
の職員が来たということが、絶大なる
信用
を博しておる。しかもこれらの
人々
は、
勧誘員
のようなぜいたくな服装をしたり、酒食をごちそうして勧誘したりはしない。まじめに着実にや
つて
行く。そういう
行動
でだんだん
保險
に親しみを持
つて
来たのです。それですから
民間保險業者
の側といえ
ども
、
日本
の
簡易保險制度
、
官営
の
保險制度
が発展して行くことをそねんではいけないのです。むしろこれを発展せしむることによ
つて
、
民間保險業
は非常に振興して来るのです。そもそもこういう
労金保險
のごときは、全部
国営
にするのが
本質
だと私は思う。これは私の個人的な
考え方
です。けれ
ども
日本
に
民間保險制度
が許されて今日まで発達して来ました沿革から見ますと、今日厖大なる資金を擁し、
日本
の財界、
金融界
の中枢、王座にすわ
つて
おる
保險業界
を全部
国営
にしてしまうことは、今の
日本
の国力ではできません。それはこの
段階
においてはしてはならぬと思う。そこでこういうものがある以上はそれも発達せしむべし、しかしながら
国家経営
の
簡易保險
が、それなるがゆえに遠慮してお
つて
よということではない。またこれがいかに
契約高
を
増額
いたしましても、それがただちに
民間保険
に
影響
するなどということは、実に
けち
くさい
考え方
だ。ただいま
山本委員
からのお話を聞きましても、
自由党
でも熱心におやりに
なつ
たということで、わが党でももちろんその
通り
、それ以上です。
従つて
絶対多数を持つ
政党内閣
の今日の
内閣
が、この党の公約を裏切り、党の
意思
を曲げてこういう
原案
を、出して来るということは、私はそこに何かあると思う。私はいろいろ調べてみたときに、はたしてそういうことがある。この
内閣
に
関係
の
自由党
の議員の中には、みずから立
つて
この
増額
に
反対
しておるものがある。実にけしからぬことである。
側近政治
の弊害を私はこう、いう点に見出す。そしてそのことが
巷間
に伝えられて、
佐藤郵政大臣
の職責上にまで世間のうわさが及んでおる。私はこれは
日本
の
政治
の堕落だと思う。私は
佐藤
さんのごとき前途ある若き
政治家
は、敢然としてこれと闘うべきであります。
積立金運用権
の
郵政省
返環の問題のごときも、ここで
ほんとう
に闘
つて
くれるならば、結果はどうありましても、
佐藤大臣
の
政治的手腕
、力量というものが認識せられるのだ。今
側近
などに災いされて、身辺のことまで何とか
巷間
に流布されるような
状態
のままであ
つて
、こんな
けち
くさい
増額案
などを出すようでは、
せつかく
信頼申し上げた
佐藤
さんの今日の
状態
は私は気の毒だと思います。けれ
ども
諸般の
事情
があ
つて
、
政府
ではそういうふうにやむを得ないということなんでしよう。もう実にこんな
政治
の
随落
はありません。
自由党
の諸君には聞きにくいことでしようけれ
ども
、これはよくないことですぞ。
吉田総理大臣
は
シンマン
と言われる人だそうだが、こういう問題にまで
側近
の利害などを
考え
て、
大臣
の
行動
を制肘するようなことがあ
つて
は
吉田
さんらくしくもない。それはもうつ断固としてあなた闘いなさい。私
ども
はあなたとは
反対党
ではあるが、この問題に関する限り、あなたの心中、あなたの
闘いぶり
というものには、私
ども
は全幅の敬意を表して応援したい。そういう強い人が一人ぐらい
郵政関係
に出て来ないと、いつまでた
つて
も
郵政省
というものはためですよ。
経営
は
独立採算制
でやれ、もうかるものは、今度は
国際電信
などは会社をつくる、電気は持
つて
行かれる、航空は持
つて
行かれる。
日本
の
基礎商業
の根幹をなす一番大事な問題はまず
逓信省
から始ま
つて
、
せつかく
よくすると
言つて
もよそにと
つて
行かれる。もうあぶなく
電通省
なんというものは吹つ飛んでしまう。実に私は残念だと思う。
旧来逓信大臣
というのは、
日本
の閣僚中でも
政治力
の一番強い人が
なつ
た。それほど大事な
役所
であ
つた
。歴代の
大臣
の顔ぶれをごらんなさい。それは
犬養先生
でも、ああ言いう偉い
後藤新平
でも、
浜口雄幸
さんでも
——浜口
さんなどは元は
大蔵省
の人ですけれ
ども
逓信者
の次官までや
つた
。それほど
逓信省
というものは有力な人材を集めて、
国家
の
基礎
のために闘
つて
くれた
役所
なんだ。戰後にな
つて郵政大臣
が幾人かわられましたか知りませんけれ
ども
、次から次へとかわ
つて
、かわり方も少し早過ぎた。今度はまあ
佐藤
さんがた
つたの
ですから、あなたは大
政党
の
幹事長
までや
つた人
だし、今度こそ
郵政省従來
の懸案はことごとく
佐藤大臣
の
手腕
によ
つて
解決すると私は期待してお
つた
。それがこんな
状態
では私は残念だと思うのです。
大臣
の苦衷もわかりますが……。そこで本案を
自由党
の多数によ
つて
原案通り
通過せしめたとしても、この案の
運命
は一体どうなると思いますか。
参議院
では必ず
修正
します。現に言明しております。
参議院
が
増類
の
修正
をして本院に回付した場合、本院は三分の二で
原案
を固執するだろう。断じてこの
修正
をのまざるを得ない
状況
なんです。結局本日は、この
委員会
はこの
原案
のままで通るかもしれぬが、案の
運命
から言うと、これは最終的には
増額
できまるものです。そういう見通しの明らかな問題を、どういう都合かここで
修正
を拒絶するに至りましては、私は実に残念だと思う。私が先ほど
委員長
に交渉したのは、
自由党
はこの
原案
で行くそうだ、先般来の
議論
の仕方とまるで違うじやないか、それでは私は單独でも
修正案
を出す、無理な
修正案
ではない、私はとりあえず十万円にしよう
——ほんとう
は私は十五万円くらいでもさしたるさしつかえはないと思いますが、十万円くらいだとそのまま
参議院
ものむということは、私打診して参
つたの
です。おそらく
参議院
はそれ以上の主張もいたしましようけれ
ども
、
修正
の場合はその点におちつくのではないかという見当がつきます。そして案の
運命
さえもそうなるなら、われわれみな
増額
に賛成しているなだから、そうしてや
つた
方がきれいだ。そうしてこの案を
ほんとう
にスムーズに建設して行くことができる。そういう
状態
から私は
修正案
をだすということを
委員長
に交渉したところ
自由党側
の人から別席で内談がありました。これは実に私いい話を聞いて喜んだ。どうかこのままで通してくれと言う。どういうわけか、それは、
積立金
の問題はこれをこのままのむときに、こつ
ちの郵政省
へとれそうだ。これならもう八万の、十万の、た
つた
二万円で争
つて
いることはないのです、これは私は
原案
の五万円でもいい。確かにこつちによこすなら
ほんとう
の
條件
がある。けさから
自由党内部
ではそのために非常な御
研究
があ
つて
、そういう確信を持
つて
おる。私に対する資料ではありますけれ
ども
、私はこれは
政治家
としての重大なる
発言
であると心得ます。同僚の人格を尊重し、
発言
を尊重いたしまして、私はその
修正案
を出すことを遺憾ながらやめる
決意
をしたのです。思えば私も
逓信省
の飯を半年ばかり食うたのですが、それ以来この
積立金運用権
の問題では、三年半にわた
つて
私は
闘つて参
つた
。このことは忘れることができない。そうして
地方
の
自治体
などにおきましても、昨今
大蔵省方面
の悪辣きわまる
運動等
があ
つて
、
ほんとう
にのどから手が出るほどほしい
自治体
が、むしろ
郵政省
に返ることに
反対
だという、その申告をしなければならぬように追い詰められておりますぞ。これはみんな
地方
の
財務局長
などが
言つて
おる。この問題をどう
考え
るか、君
ら郵政省
から金を借りたいと言うのなら、
大蔵省
の方では
考え
があるぞと言うのです。もつと露骨なことを
言つて
おる、
地方
ではどつちからでも金を借りたいのですから、
大蔵省
のきげんをそこな
つて
、
平衡交付金
を減らされたり、
地方起債
の
制限
を加えられたりしてはたまらぬものですから、
ほんとう
は腹では
郵政省
に返してもらいたいものを、このごろではいやいやなが
ら郵政省
に返るとは
反対
だという
陳情
をする者が出て来た。これは実にそこまで行
つた
ら
政治
の
紊乱
だ。同じ
内閣
のもとにあ
つて
、
郵政大臣
は
運用権
をとらんとし、
大蔵省
は何の面子にかかわ
つて
おるのか、あれほど
閣議
で
決定
した問題ですら、金を
使つてかく
のごとき悪辣なる妨害をしておる。こんな
政治
の
紊乱
がどこにあるか。しかし
本朝共自由党
では
決意
するところがあ
つて
、この
法案
を
原案通り
通してくれるならば、確かにこつちへと
つて
来るのだということですから、私は遺憾ながら
修正案
を遠慮いたしまして、心ならずも
原案
に賛成をいたします。そして私は
自由党
の責任ある
政治家
の御言明を信頼いたします。あなた方の
言質
を信頼すると同時に、この際その問題に関する
佐藤大臣
の
決意
を伺
つて
おきますれば、一層私は
信頼性
を深めると思います。これがあなたの
政治家
としての値打のきめどころです。
ほんとう
に腹を割
つて
、きようは私
ども
に
言質
を与えていただきたい。そうすれば私は文句を言わずに
原案通り
これをのみます。
佐藤榮作
9
○
佐藤国務大臣
運用権
の
郵政省
への復元の問題についての
お尋ね
であります。この問題につきましては、
せんだつて
のこの
委員会
の席上におきましても
お尋ね
がありましたごとく、衆参両院におきましてこれが実現を期すべく御
決議
もいただいております。従いまして私
ども
郵政省
といたしましては、かねてから熱望している問題でもありますし、一度は大蔵
当局
との間で話がまとま
つた
ものでもあります。これが占領下やむを得ない
事情
のために、その際は実現ができなか
つた
、こういう経過もありますので、早急にこの問題を解決すべく、私
ども
いろいろ用意を進めておるような次第であります。従いましていずれこの
原案
と申しますか、
研究
の結果私
ども
の
意見
がまとまりますれば、
皆様方
の御
審議
を賜わりたい、かように
考え
ておる次第でございます。早急にそれぞれの手続を済まして参る
考え
でおります。
椎熊三郎
10
○
椎熊委員
いろいろ
関係
する方面があ
つて
、
佐藤大臣
は非常な
政治
的な、言葉を慎重に使
つて
おられるようですが、大体私は今日の
段階
ではその程度でもよろしい、あなたはやるのだな、震撼を感じます。(笑声)それを私は信頼いたしまして、本日はこれ以上申し上げません。どうぞあなたの御健闘をお祈りいたします。
尾関義一
11
○
尾関委員長
受田新吉君。
受田新吉
12
○受田
委員
ただいま
椎熊委員
から峻烈なる御
意見
の発表並びに
政府
鞭撻の言があ
つた
わけでありまするが、私は
椎熊委員
の述べられた
政府
に何かうしろ暗い面の存することに対しては、まことに遺憾にたえません、またこの
法案
が出されて二箇月以上た
つて
もなお解決を見ず、しかも
審議
を打切ること一箇月有半にわた
つて
おるというような未曽有の大失態を演じたということに対しても、
政府
がこの案を非常に不用意な間に出し、与党との提携に事を欠いていたということを露出したものとして、繰返しまことに遺憾に思うのであります。しかもこの問題は
民間保險業者
も、
政府
側あるいは
国会
側に対し種々働きかけをしてはおりますけれ
ども
、要するに
政府
の決断
一つ
でこの
法案
が提出された問題であ
つて
、これを高い立場で国の財政経済政策の
観点
から、
政府
が十分自信を持
つて
当るべきであ
つて
、他のいろいろな角度への気がねにより、また
政治
的な圧力によ
つて
、その既定方針を変更するとか、あるいは与党との折衝に事を欠くとかいうことは、
政治
の非常なまずさであ
つて
、繰返し残念にたえないのであります。しかしもう事すでにここに至り、先ほど以来
政府
の御
意見
も拝聴しまして、また与党の
委員
各位の御
意見
も拝聴いたしまして、どうやらこの問題とあわせて
積立金
の
運用権
の問題が常道に復するほのかな希望が持たれたようでありますので、この点に関していささか愁眉を開いたのであります。 私はきようここで最後に一言申し上げておきたい点があるのであります。それは昨日資料の提出を要求いたしまして、本日さつそく詳細にこの材料を出していただきましたが、これを一瞥いたしますると、
民間
保險
事業と
国営
事業である
簡易保險
との比較検討が、非常に明瞭にされるのであります。そうして
民間
保險
の無審査定額
保險
よりは
簡易保險
の方が、ある点において一非常に有利である箇所がしばしば見受けられるのであります。有利な箇所といいますのは、たとえば支拂い免責の條項の中にある
事柄
とか、あるいは高齢者の拂込み免除の規定とか、もしくは振替貸付の利子が非常に低率であるとかいう点で、
簡易保險
のほうが一歩有利性を持
つて
おると思うのであります。しかもこの覇約の解除、すなわち失効に当るところの
数字
を見ますると、
民間
保險
と
簡易保險
の比率は最近三年間の
数字
では、平均して
民間
保險
の方が三倍も失効率が多いのであります。
民間
保險
は零細なこの小額
保險
に重点を置くといえ
ども
、
簡易保險
の三倍も
信用
率が薄いということは、あるいは無理をしてこの加入を奨励したために、途中で失効に陷るようなことが発生するのではないか。これは
民間
保險
の非常な欠陷を物語るものであります。この点は、国という最も強い主体を対象としている
簡易保險
と、会社
経営
あるいは相互組織によるところの
民間
保險
とのその
信用
の程度がいかに違うかということを示しておると思います。ただいま
椎熊委員
から言われたように、
地方
のすみずみまでこの
簡易保險事業
の徹底が期せられてお
つて
、これらの従業員の
行動
と
民間
保險
従業員の
行動
との上において、
信用
の差があるというようなことが手伝
つて
この結果に
なつ
たと思うのであります。
従つて
これを今同じ角度から八万円に押えなくても、
民間
保險
と自由競争をや
つて
も、結果から見たならば、これは決して対象が零細なる
保險
の吸收にあるのではなくて、大口の
保險
の吸收に重点が置かれるということがはつきりこの結果に現われて来ると思います。特に先般
政府
がこの案を出したときに、本年度の
保險
の実施目標額十三億という案を出している以上、この八万円がたとい十万円になろうと十五万円になろうと、結果から見たら、やはり十三億ということに
政府
は
考え
ているように思うのであります。
従つて
この
保險
の十三億目標達成という線から行
つた
ならば、最高
制限
額にさようなお気がねをなさらなくてもよいのではないかと
考え
ております。 最後に、
せつかく
政府
がここで与党と連絡折衝されて、八万円の線までこぎ着けたのでありますけれ
ども
、私も
参議院
の
委員長
をしている岩崎君と連絡しておるが、
参議院
側は、
椎熊委員
の言われた
通り
、十万円案の
修正案
に持
つて
行こうという伏線を持
つて
いると伺
つて
おるのであります。昨日以来の私の
意見
をこの際まとめて申し上げますならば、この
国家
事業によ
つて
大衆の生活保障の道が少しでも広げられるという点において、たとい三万円の
増額
であ
つて
も、それは上げないよりはけつこうであると
考え
るものであります。同時に
積立金
の
運用権
が復元されるというそのはつきりした見通しが立
つて
おるならば、
簡易保險事業
の前途に必ず光が見出せるということを確信して、
政府
が最後に与党との間に連絡折衝をされた結果の八万円の最高
制限
額の
決定
に対しある程度の了承を与えざるを得ないとも
考え
ております。以上
政府
が非常に苦慮された点もよくわかりますし、また与党の内部において二つの線があ
つて
、これ以上われわれ野党側から刺激を与え
内閣
の打倒にまで及び、あるいは総辞職にまで導かれてはたいへんお気の毒であるとも
考え
ますので、その一歩手前でそのほこ先を転換したいと思います。
政府
としては、一
全国
の簡易
保険
事業の従業員たちが、懸命に第一線で
契約
の獲得に努力しているが、その
人たち
の強い叫びを十分これから後の施策に現わしていただくように、そうして
国民
のほとんど大多数が念願をしているこの
国営
である
簡易保險事業
の普及化、徹底化を十分推進されんことを希望しておきまして、きのう以来申し上げた
意見
の終結をしたいと思います。
尾関義一
13
○
尾関委員長
田代文久君。
田代文久
14
○田代
委員
同僚議員から、
増額
の問題につきましていろいろ
質疑
がなされましたが、この問題は郵政従業員並びに
民間
保險
の従業員の労働に関しまして、きわめて密接な
関係
を持
つて
おるのであります。その点をはつきりさせなければ、そういう従業員の方々に対してはなはだ相済まないと思う。それでその点を二、三質問いたしたいと思うのであります。本日の
政府
の答弁などによりますと、将来これもまたなお引上げられるという見通しを持
つて
おられるようでありますが、当然これはただいま申しました郵政従業員並びに
民間
保險
の従業員に対する労働強化という面が強く出て来るのじやないかというふうに危惧するわけでありますが、これに対して
政府
はどういうふうに
考慮
されているか、またそういう労働強化は全然ないのだというふうに
考え
ておられるか、その点の御
説明
をお願いします。
佐藤榮作
15
○
佐藤国務大臣
簡易生命保險
の
限度
を引上げるということは、労働強化云云ということは全然
関係
がありません。
田代文久
16
○田代
委員
それははなはだ形式的な詭弁であ
つて
、実際に
政府
の
説明
によりましても、本年度における努力目標は十八億であると言われたように私は思
つて
いるのです。そうすると努力目標がそれだけ非常にふえている。しからばそれに対して従業員をふやすかどうかという点に対しましては、むしろ整理するという逆の方向をとられていることは、
政府
の答弁によ
つて
明らかであります。そうしますと実際上における量がふえ、しかも人員が減るということになれば、当然これは労働強化にならざるを得ない。
従つて
ただいまの
大臣
の答弁は、ま
つた
く形式的なごまかしであると思うのでありますが、全然そういう労働強化はないというふうに御確信されるかどうか、御答弁願います。
佐藤榮作
17
○
佐藤国務大臣
限度
の引上げは、絶対に労働強化という問題とは別であります。重ねて申し上げます。 〔「かえ
つて
逆によくなるのだよ。」と呼ぶ者あり〕
田代文久
18
○田代
委員
そういう非常に認識不足の
意見
があるので、なぜ逓信
関係
の従業員を呼んで公聴会を開かないかというような点にもな
つて
来るのであります。当然これは労働強化になるということは、單に私の主観的な
考え
でなく、実際に働いている郵政従業員の諸君から聞いている。郵政従業員はこの点を非常に心配されている。またこの点をはつきりこうだということを
言つて
大問題を起しておるのであります。 なお私は質問しますが、それによ
つて
労働強化あるいは実質上における賃金の切下げというような結果になることを思うのでありますが、
保險
外務員の固定給が廃止され、非常勤制、歩合給による出来高拂いというような面が非常に強くなるのじやないかと思うのであります。この点に対するお
考え方
はどうでしようか。
佐藤榮作
19
○
佐藤国務大臣
先ほど幾分簡單なお答えをいたしまして、あるいは不親切であ
つた
かもわかりませんので、もう少し申し上げてみますが、
限度
の引上げの問題は、労働強化には絶対に相なりません。しかしながら先ほど来
議論
しておられますように、
保險
契約高
を幾らにするか、こういうような問題になりますれば、その結果非常な労働強化になるのじやないかというような御疑念が生ずるのではないかと思います。
限度
は非常に低くて、その取結ぶべき
契約高
が非常に高いとなりますと、なかなか骨が折れることだと思います。しかし今回のごとくこの
限度
を上げて参りますれば、これらの点についても御懸念なさるような問題はないように私
ども
は
考え
ている次第であります。次にただいま御
指摘
になりました出来高拂いという方法はないかというような
お尋ね
でありますが、この
簡易生命保險
の
契約
につきましては、募集について種々努力して参りますので、募集手当という手当を支給する方向で、予算も計上いたしております。従いまして過去の経過等とこの運営上におきまして何ら差異はないのでありますから、この点もまた御了承を願いたいと思います。
田代文久
20
○田代
委員
その点が非常に懸念なわけでありますが、一種の強制募集という
性格
がだんだん強くな
つて
来る。そこから募集手当という
制度
を非常に強く取上げて来られているというのですが、募集手当の具体的な内容を御
説明
願いたいと思います。
佐藤榮作
21
○
佐藤国務大臣
ただいまいろいろ
お尋ね
がありまして、募集手当の金額等は必要があらば事務
当局
から
説明
させますが、ただいまの募集目標というような問題につきましては、従業員の勤労の
状態
ともにらみ合せていたしますので、管理者だけがか
つて
に目標をきめるというわけのものでなしに、部内におきましては十分關係の事務担当の方とも話合いを進めまして、その了解のもとで募集目標をきめ、あるいは実施をや
つて
おるわけであります。この点については特に組合側とも相談をいたしておるような次第でありますので、別に御慰問なり御懸念を生ずるような点はないやうに私
ども
実は
考え
て参
つて
おります。
田代文久
22
○田代
委員
募集手当の内容を事務
当局
から……。
白根玉喜
23
○白根(玉)
政府
委員
公務員でありますので、固定給は一般の公務員と同じであります。それ以外に募集手当というのがありまして、募集手当は普通局においては第一回
保險
料の六割程度出しております。特定局は第一回
保險
料の十一割出しております。ただ普通局と特定局とこういう差等を設けたかと申しますと、特定局地域は御説のようにいなかでありまして、加入者の散布
状況
が非常にばらばらであります。
従つて
キロ行程その他の
関係
を見まして、そういうふうにや
つて
おるので、あります。
田代文久
24
○田代
委員
募集手当の中に功顕者手当というようなものがあるやうに聞いておりますが、そういうものはございませんか。
白根玉喜
25
○白根(玉)
政府
委員
募集手当と申しますのは、功顕者手当以外のもので、ありまして、功題顕者手当と申しますのは、その企画面に対するものに出すのであります。指導面に対してある程度出しております。
田代文久
26
○田代
委員
それは外務員の諸君が実積を上げられ、それに対する手当の一部がそちらにまわるというようなことはありませんか。
白根玉喜
27
○白根(玉)
政府
委員
そういうことは絶対にございません。
田代文久
28
○田代
委員
これと関連するのですが、固定給が廃止されて実績本位なものになるとか、あるいは臨時雇制が非常に拡大されるという点から、結局
郵政省
としては相当の人員整理が計画されていると思う。大体どの程度の整理をされる御
意思
であるかどうかを伺いたいと思う。
佐藤榮作
29
○
佐藤国務大臣
私ただいま記憶しておりませんが、御
承知
のようにこの前新定員法の御
審議
をいただきまして、それを実施しておるだけであります。
限度
を上げるからそれで減員するというようか計画は別に持
つて
おりません。
田代文久
30
○田代
委員
強制募集の点で
政府
は非常に楽観しておられるようでありますし、強制ということは全然ないという御答弁のようでありますけれ
ども
、実際にたとえば東海
地方
のある郡とか、東北などは、
郵便局
長がこれは軍費集めのためだというようなことを
言つて
、公然と外交員に募集さしておるということがいわれておるが、こういうことを御存じであるかどうか。
佐藤榮作
31
○
佐藤国務大臣
ただいま御
指摘
になりましたような、仕事に熱心のあまり、見方によりましては非常に勤労を強化しておるんじやないか、こういうような話はときどき聞くのであります。私
ども
管理者としては、かような誤解を生じないように、よく注意をいたしておるようなわけであります。なお田代
委員
からいろいろ御心配があるやに聞くのでありますが、そういうような具体的なものがありますれば、特にまたお話を伺いまして、善処いたして参つります。
尾関義一
32
○
尾関委員長
石原登君。
石原登
33
○石原(登)
委員
私は実はいろいろ
質疑
をしたい点もありますけれ
ども
、
委員会
の空気はわか
つて
おるのでありますから、この際
議論
になるような質問はいたさないことにします。但し一点息だけ
政府
に申し上げて今後善処していただきたいという点がありますので、それだけ申し上げたいと思います。 本日の
委員会
の空気を見ましても、またこれまでたびたび開かれました
委員会
の
論議
を見てみましても、今回の
政府
の
原案
が非常にまずいものであ
つた
ということは、おそらく
政府
としてもお認めであろうと思う。われわれももちろん
民間
事業の育成に
考慮
を拂うことはやぶさかではないのでありますが、われわれが今日まで
審議
した経過から
考え
て見ますと、どうも
民間
事業の育成のために、大多数の
国民
に非常な迷惑をかける。同時にこの簡易
保険
事業自体もいろいろな迷惑をこうむる。こういうような結果がはつきりと現われて来たと断言ができると思います。そこで
政府
のこれまでの
説明
をいろいろ聞いておりますと、結論は、
民間
事業の育成と、もう
一つ
は
民間
事業から出るところの
保險
金、いわゆる金融面における機動性、これが今日の
日本
の再建に非常に重要であるのだ、こういうような
説明
に盡きると思う。この点われわれは素直に認めるのでありますけれ
ども
ただ單に一
民間
事業の育成のために、全
国民
の犠牲によ
つて
それを解決する、あるいは金融上の操作のためにそれを解決するということは
考え
られないのであ
つて
、こういう問題については、その根本を
考え
て行かなくてはならない。たとえば
簡易保險
の資金についても、当然
民間
事業に劣らないような機動性を発揮するような方法を
考え
なければならぬ。率直に申し上げまして、こういうような零細な
人々
の貯蓄によ
つて
集まる金が、
国家
資金の
目的
として非常に低利で使われて、金を持
つて
おり、高額の
保險
契約
のできるような人の金は、かえ
つて
高い利息で運用されておるということは、社会政策上から
考え
てもおかしなことである。こういうような
人々
の犠牲によ
つて
国家
資金がまかなわれるということは、おかしなことである。
従つて
この問題解決の根本は、
簡易保險
の金も機動性のあるように運用されなくてはならぬ。そこで先ほどから問題にな
つて
おる
運用権
を
郵政省
に復帰させること、この問題については十分お
考え
を願いたい。御努力を願いたい。さらにもう
一つ
は、先ほど申す
通り
ただ單に
民間
事業育成のために、いつまでも
国民
が犠牲にな
つて
おり、あるいは共産党の言うような
簡易保險事業
の労働強化がいつまでも継続される。この犠牲はなおざりにできませんので、
政府
は早急に
民間
保險
の育成については、別の面から検約をしていただきたい。私の感じますところから見ますと、
民間
保險
に勤めておる
人たち
の経済
状態
と、
郵政省
職員の経済
状態
というものは、生活程度に相当開きがあるんじやないか、こういうことも
考え
られます。また
民間
保險
の
経営
については、われわれが見たり聞いたりしておる面でも相当なロスがあると思う。こういうようなロスを慢然と見過しながら、いつまでもこういう犠牲をしているということは、当
委員会
としても断じて見のがすわけには行きませんので、
政府
としては、そういう面の
民間
事業の反省を促していただいて、一日も早く
簡易保險事業
と対等に太刀打ちできるような
経営
態勢をつく
つて
もらうように、ぜひとも警告を発していただきたいと
考え
ます。 私は以上申し上げたような趣旨をさらに強く申し上げまして、われわれは今回のこの
委員会
においては、遺憾ながら了承ができたか
つたの
でありますけれ
ども
、やむを得ず一応
政府原案
に対して賛成することになると思うのでありますが、これはいつまでもこのままにしておきたくございません。もし
政府
が近い
機会
に、この
限度
引上げの
修正
をされて来たならば、
委員会
が独自の立場に立
つて
これの
修正
をいたしたいと
考え
ます。ですから
民間業
者はりこういう全体の
国民
の犠牲によ
つて
自分たちの
経営
を持続して行こうというような
考え方
を、一日も早く排していただきたい。このことを強く
政府
から警告されんことを要望する。私の希望的な
意見
を申し上げて質問を終ります。
尾関義一
34
○
尾関委員長
受田新吉君。
受田新吉
35
○受田
委員
委員長
に伺いますが、この
法案
の討論採決を、本日おやりになりますか。
尾関義一
36
○
尾関委員長
本日やります。
受田新吉
37
○受田
委員
そういう差迫
つた
委員会
でありますので、討論採決を敢行なさるにあた
つて
、さらにもう一、二件念を押しておきたい点がありますので、質問を追加いたします。
簡易保險
の実績目標額を十三億としておられるのでありますが、この
法案
が三月一日から実施される予定でこの目標を立てられたと思うのであります。ところがこの法律の施行の技術上の問題といたしまして、今からこの
法案
の実施をいつにするかという問題を險討するときに、
参議院
の
事情
のその他を
考え
て、五月一日ないし六月一日ころになろうと思うのであります。そういう時期的なずれに対して、目標の完遂がどう調節されるかを伺いたいのであります。
白根玉喜
38
○白根(玉)
政府
委員
目標を設定する際において、現行の五万円が八万円になるかならぬかは、議会の御
審議
をまたなければならないのであります。従いまして私
ども
目標設定をする際においては、八万円が三月一日に実施されるということを前提といたしまして目標を設定したのではないのでありまして、多分そういうことになるかもしれぬという期待は、従業員側にも持たせつつや
つたの
でございますが、当然三月一日から八万円になるという前提で目標を設定したのではございません。
受田新吉
39
○受田
委員
法律の施行期日の問題でありますが、これは私が繰返し過去において出された
法案
の
審議
の都度申し上げたごとく、ある程度の周知期間を必要とする。ところが
保險
のごときは、事前にこれほど輿論化した問題であるから、非常に
国民
の中に周知しておる。こういうことになれば、施行期日をなるべく早める必要があると思うのでありますが、
政府
として旅行期日をいつにしたらいいか、これは技術的に見
国会
の
審議
状況
に関連するのですけれ
ども
、本日
衆議院
を通過し、
参議院
の
審議
状況
などを
考え
た上で、いつとして施行期日をきめるべきか、
政府
側の
意見
を伺いたいのであります。
佐藤榮作
40
○
佐藤国務大臣
御
指摘
のように
原案
は三月一日にな
つて
おります。本日
衆議院
で議決を見るといたしまして、あと
参議院
の御都合等をもいろいろ伺
つて
みなければならないのでありまするが、私
ども
としては、三月一日が遅れておるのでありますから、できるだけ早くやりたい。
参議院
の方の
審議
が非常に進みますれば、五月一日ごろであれば非常に仕合せではないかと実は
考え
ておるわけであります。しかしいずれにいたしましても、
参議院
の方の
審議
の御都合もあることだろうと思いますので、その期日はもう少し
考え
なければならないのではないか、かように
考え
ております。
受田新吉
41
○受田
委員
簡易保險
の
契約高
において、最高
制限
額の五万円を越えて、しばしば十万円ないし二十万円の
契約
をしたのが見受けられるということを伺
つて
おります。これは法律違反である。
政府
そのものが法律違反をや
つて
お
つた
。この問題について、八万円に引上げがなされるとともに、ある程度今後の募集にはそうした不届きがないであろうと思うのでありますが、今後
政府
は
限度
引上げとともに、この法律違反をやらないと声明ができるかどうか、これを伺
つて
おきたいのであります。
佐藤榮作
42
○
佐藤国務大臣
過去におきましても、御
指摘
のような点につきましていろいろ問題があ
つた
わけであります。従いまして
政府
はその都度
郵政省
職員を督励いたしまして、嚴守いたすような処置をと
つて
参
つて
おるわけであります。今後におきましても、もちろん今日まで
郵政省
がと
つて
おります態勢にかわりはないのでありまするから、この点はさように御了承をいただきたいと思います。
受田新吉
43
○受田
委員
最後に
一つ
、最近、三月の初めでしたか、
民間
保險
はその料率を引下げておるようであります。その引下げた率が、
簡易保險
よりも下まわ
つて
おるという結果にな
つて
おると思うのでありますが、こうなりますと、
民間
保險
は料率を下げた、
簡易保險
は現行で行くということになると、この
民間
保險
の低額
契約
者との調節が十分とれるかどうか、これに対して
政府
は自信を持
つて
いるかどうか、あるいはこれに対して必要によれば料率を引下げる、大衆に対するサービスとして料率を引下げる用意があるかどうか、こういう問題も
大臣
よりあわせて答弁いただきたいのであります。
佐藤榮作
44
○
佐藤国務大臣
先ほど来
民間保險業
に対しての改善要望が出たり、またすでに
民間
保險
でとりました処置をただいま受田さんからごひろうになりまして、これについて
簡易保險
の方でさらに
考え
ることはないかというお話でありますが、
民間
の
保險
業者は、御
承知
のように多数の会社がありまして、それぞれ扱い方も、基本的のものは同一でありましても、こまかな点においてそれぞれ違
つて
おるわけであります。ただいまの御
意見
の点もさようでありまするが、同時にまた相互
保險
の
観点
に立ちましての配当等の問題もあるわけであります。私
ども
の
簡易保險
におきましても、さらにこの運用の点についてもう少し
考え
て行かなければならないのではないか、かように
考え
まして、ただいま申し上げました配当等の問題も、今後の
研究
問題と申しますか、今後実施すべきものとして積極的に
研究
したらどうかということで、事務
当局
も熱意をも
つて
いろいろくふうをこらしておるような次第でございます。従いましてただ單に金利だけの問題でもないのでありますし、ただいま、申し上げるような配当の問題もありましようし、また勧誘をする
人たち
、あるいは掛金の徴收をいたします職員自身の気持が加入者にそのまま伝わる、こういうサービス第一で取扱
つて
参りますれば、また別な
一つ
の分野においての仕事もできるわけでありまして、かような意味合いをもちまして、なお
制度そのもの
といたしましてもくふうをこらす点もありましようが、日常の取扱い等につきましても、さらに加入者本位の
考え方
で仕事をして参るように一層注意して行くつもりでございます。
従つて
かように
考え
ますれば、
民間
の事業等とも比較いたしまして、
簡易保險
の特質は十分発揮し得る、かように実は
考え
ておる次第でございます。
受田新吉
45
○受田
委員
料率の問題は変更しませんかどうか。
佐藤榮作
46
○
佐藤国務大臣
ただいま料率をかえるような
考え方
を持
つて
おりません。
尾関義一
47
○
尾関委員長
これにて
質疑
は終了いたしました。 ただいま
委員長
の手元に、飯塚
委員
より
簡易生命保險法
の一部を改正する
法律案
に対する
修正案
が提出されております。この際飯塚君よりその趣旨の
説明
を求めます。
飯塚定輔
48
○飯塚
委員
本法律の施行期日は三月の一日ということにな
つて
おりましたが、同僚議員よりも再々申されましたように、すでにその期日を経過しております。この際これを次のように
修正
したいと思います。すなわち附則第一項中「
昭和
二十七年三月一日」を「
昭和
二十七年五月一日」に、「
昭和
二十七年四月一日」を「
昭和
二十七年六月一日」に改める。以上の
修正
をいたしたいと思います。
尾関義一
49
○
尾関委員長
これより
簡易生命保險法
の一部を改正する
法律案
を
議題
とし、
原案
及び
修正案
を一括して討論を省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
尾関義一
50
○
尾関委員長
異議なしと認めます。討論は省略されました。 これより
原案
及び
修正案
について採決をいたします。
修正案
に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
尾関義一
51
○
尾関委員長
起立多数。よ
つて
修正案
は可決すべきものと決しました。 次にただいま
修正
すべきものと決しました部分を除く
原案
に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
尾関義一
52
○
尾関委員長
起立多数。よ
つて
原案
は
修正
議決すべきものと決しました。なお本案に関する報告書につきましては、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
尾関義一
53
○
尾関委員長
御異議なきものと認めます。さよう
決定
いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十分散会