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田中織之進君 私は、
日本社会党二十三控室を代表いたしまして、最近にな
つて起りました各地の
水害に伴います
政府の
復旧対策その他について
緊急質問を行いたいと思います。
本
年度の
災害につきましては、例年よりも早く六月の十九日に発生いたしました
ダイナ台風を初めといたしまして、その後、これに伴う
不連続線、及び最近におきましては、七月上旬、中旬と引続き、局部的ではありますけれども、かなり大きな
水害が発生いたしておるのであります。ことに、去る七月十日夜から十一日朝にかけての、
紀泉山脈を境にいたしまする
和歌山、
大阪両
府県の
水害につきましては、
雨量四百ミリで、百年あるいは七十年か
つて見ないという
雨量を示しておるのであります。これに先だ
つて起りました、七月一日から二日にかけての
富山県あるいは石川県の
水害につきましても、
富山県報がやはり百年ぶりの降雨であると、こう示しておりまするように、
雨量の点におきましては、今日の
建設技術の面で見込んでおりまする二百四、五十ミリという
最大限度をはるかにオーバーしたところの大雨を一時に見ているという
関係からいたしまして、通常の
雨量でありまするならば、十分水をはかし得る暗渠、
河川におきましても、この一時水のために非常な
災害を引起しておることが、最近に起りました
水害の一つの特徴にな
つておると思うのであります。
これらの
災害に対しまして、
政府はそれぞれ
関係官を派遣されたり、先般の
大阪、
和歌山等は
廣川農林大臣がみずから調査せられる等、あるいは
緊急融資の
処置等についてそれぞれ
処置せられておることは、われわれ承知しておるのでありますけれども、八月、九月の本格的な
台風シーズンを控えまして、
復旧応急の
工事が十分できないままに八月末、九月へかけての
台風時期を迎えるということで、これらの
災害地方は非常な不安に陷
つておると思うのであります。その
意味で、この際
ダイナ台風以来の
水害を
中心としまする
対策に対しまして、
政府としてどういう
処置をと
つて来たか、またこれからどういう
処置をとろうとしておるか等、四、五点についてお伺いいたしたいと思うのであります心
ことに
ダイナ台風は、関東、東海、それから近畿、四国、九州の各地域を襲
つておるのであります。その
被害の総額は相当多大に上ると思うのであります。
政府は、今日まで、これらの
災害のために、
つなぎ融資として十二億三千万円を
支出しておるようでありまするが、それ以後の
不連続線、並びに過般の
和歌山水害と申しますか、あるいは一週間ばかり前の
岡山地方における
水害等の、その後のこれに派生いたしました
水害に対しましては、
応急処置に必要なる
つなぎ融資の面で、どの程度の
融資をなされる
用意があるか、この点をまず第一に伺いたいのであります。
第二の問題といたしましては、
建設省を
中心として
災害の
査定等も進んでおるように見受けるのでありますけれども、
ダイナ台風並びにそれ以後の一連の
水害に対しまして、当然
予算に盛られておりますところの
予備金をも
つて復旧工事を進めなければならないと思うのであります。その
予備金支出のための
査定は大体いつごろ終る見込みであるか。
予備金の
支出は大体いつごろになるか。これは今日
地方財政の枯渇した現状におきまして、
地方自治体の最も関心を持
つておる点でございますので、第一段にお伺いいたしました
緊急融資と関連をいたしまして、
予備金支出によるところの
復旧工事がいつごろ行われ、その金が大体いつごろ各
府県並びに市町村に渡されるような段階になるかという点についてのお見通しを伺いたいと思います。
それから、
災害復旧を含めた
治山治水という問題は、
独立国として今後重点的な
政策として取上げなければならない点であると思うのでありますが、これらの点は、今
国会において成立いたしました二十七
年度の当初
予算においては、本
年度に起りました
災害、また今後予想せられる
出水等を考慮に入れまするならば、われわれは十分ではないと思う。ことに
予備金の問題につきましても、本
年度すでに起りました
災害で全部使い果してしまうと思うのでありまするが、
政府は
次期国会に、この
災害復旧を含めた
治山治水のためにどの程度
補正予算なり、そういう
処置を講ずる
用意があるか、その点を第三点として伺いたいと思うのであります。
それから、本日
農林大臣はお見えにな
つておらないのでありますけれども、今次の
水害を
中心とする
災害の特色といたしましては、
農林省の所管における
農地関係、あるいは農道、あるいは
砂防、
山林、
林道等の
関係における
被害が非常に顕著であります。さらに、耕地の流失、
埋没等による
農作物に対する
被害等も非常に甚大なものがあると思うのであります。これらの
農作物等の
被害に際しまして、直接問題になりまする本
年度の
供出割当については、当然考慮されなければならないと思うのでありまするが、これらの問題につきまして、
農林当局は、
災害地の
実地調査の上に立ちまして、どういう
処置を講ぜられるつもりであるか。
それから
最後にお伺いいたしたいのは、今度の
災害の現地の実情を見まするときに、やはり戰争中の濫伐、あるいは極端な場合には、
敗戰のまぎわに掘りました軍の
壕等がだんだん決壊して参りました
関係からいたしまして、先ほど申し上げた一時的な
雨量によ
つて、これらの土砂あるいは
山林がそのまま水に流されて
橋梁等をせきとめるために、
被害が非常に莫大なものに
上つた傾向があると思うのであります。直接決壊いたしました
河川の堤防、あるいは落ちましたところの
橋梁等に対します
復旧工事と並行いたしまして、根本的な
砂防工事が
災害の根絶のために絶対に必要にな
つておる、かように考えるのでありますが、今後
政府が考えられようとする
災害対策といたしまして、これらの
砂防工事の問題をどこまで重点的にお考えになる
用意があるか。これらの諸点に対しまして、
関係の
地方におきましては、
政党政派を越えて、まさに一体とな
つて、自力による
復旧のためには全力をあげておると思うのであります。しかし、頼みはやはり
政府によるこれらの
災害罹災者に対しまする資金的な援助であると私は考えますので、これらの点につきまして、
政府としては、
関係地方民等が
上京等をいたしまして、不必要な経費をかけてその運動をするようなことをできるだけやらせない
意味におきまして、私の
質問に対しまして、できるだけ具体的に
お答えを賜わりたいことをお願いいたしまして、私の
質問を終る次第であります。(
拍手)
〔
国務大臣野田卯一君
登壇〕