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1952-07-04 第13回国会 衆議院 本会議 第65号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月四日(金曜日)  議事日程 第六十四号     午後一時開議  第一 破壞活動防止法案内閣提出参議院回付)  第二 公安調査庁設置法案内閣提出参議院回付)  第三 公安審査委員会設置法案内閣提出参議院回付)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  議員請暇の件  日程第一 破壞活動防止法案内閣提出参議院回付)  日程第二 公安調査庁設置法案内閣提出参議院回付)  日程第三 公安審査委員会設置法案内閣提出参議院回付)     午後二時十九分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。議員小林運美君から、ボーイ・スカウト指導者世界会議に出席のため、七月六日から本会期請暇の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。      ————◇—————
  5. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程に入る前に一言申し上げます。梨木作次郎君から議事進行発言を求められておりますが、これは適当の機会に許すことにいたします。      ————◇—————
  6. 岩本信行

  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより討論に入ります。佐瀬昌三君。     〔佐瀬昌三登壇
  8. 佐瀬昌三

    佐瀬昌三君 私、は自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表する次第であります。  原案修正点である本法二條拡張解釈の禁止、第四條に破壞活動のうちに外患罪を加え、また文書所持を削除し、いわゆる扇動の定義を明確にし、本法運用上の一般危惧の念を一掃した点、第二十二條公安審査委員会審査についてその権限をさらに詳細に明記したこと、公安調査官職権濫用の罪を新設し、本法案がこれによつて一般に誤解されているところの濫用危惧の念を一掃すること等に努めたのが修正要点でございます。  本三案につきましては、すでに衆議院において議員各位の熱心なる審議により多数をもつて可決され、参議院においてこれを基礎といたしまして、ただいま申し上げた要点に対する修正案が可決された次第であります。  本法案が、講和後独立した日本の治安の確保の上において必要欠くべからざることは、すでに国民一般が認識しておるところでございます。一部からは、これに対する反対的な批判がありますけれども、わが国の独立を確保し、国家の安全を保持するためには、以上の三法案が必要欠くべからざることは、今日の内外の客観情勢から見て断言してはばからないところであります。  しかして以上申し上げました参議院修正点衆議院法務委員会におきましてもそれぞれ検討された点でありまして本法案の目的を達成する上においては、この程度の修正案が適当と考えられるのであります。(発言する者あり)
  9. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 佐瀬君に申し上げます。——佐瀬君に申し上げます。申合せの時間がありますから簡潔に願います。
  10. 佐瀬昌三

    佐瀬昌三君(続) 以上をもちまして、私は本修正案賛成をする理由を簡單に申し上げた次第であります。(拍手
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 中村又一君。     〔中村又一登壇
  12. 中村又一

    中村又一君 私は、改進党を代表いたしまして本法案に対する参議院修正案に対しまして全面的に反対をするものであります。(拍手)  わが改進党の本法案に対する意見及び政府原案に対する修正案は、さきに本院におきまして述べた通りであります。  本法の制定は、その必要を認めるのでございますけれども、「せん動」の字句はあくまで削るべしと主張するものであります。(拍手)しかるに、参議院修正案は、わが改進党の意見のごとく「所持」の文句を創りながら、なお「せん動」を残しておるのであります。これは、いたずらに善良なる国民言論活動を押え、文書活動に対しまして不安を與える結果と相なりまして、百害あつて一利なしと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  さらに、参議院は、公安審査委員会設置法案及び公安調査庁設置法案に対し申訳的の無意味音急味な修正を加えて、これを制定しようとすることは、われわれの強く反対するところでございます。(拍手)この際は、検察及び警察機構の改善によりまして有効に機能を発揮することが適当なりと信じて疑わないのであります。いやしくも行政権審査機関となることは、憲法上におきましても多大なる疑義があることを強く提唱いたすものであります。(拍手)  その他参議院修正案を見まするのに、およそ立法府といたしましては、その権威を保持する上からも十分検討を加えなければならぬ多くの点があるのであります。たとえて申しますると、破壞活動防止法案の第二條、第三條あたりにおきまして、「いやしくも」というような文句を用いておることは……。     〔発言する者多し〕
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 靜粛に願います。
  14. 中村又一

    中村又一君(続) また公安調査庁設置法案第七條第十二号における「審理及び処分請求」とあるのを「弁明の聽取及び処分請求」と修正するごときは、立法技術の上におきましても、まことに寒心にたえない点であります。われわれは、あらゆる立法技術の上から考えましても、この参議院修正案に対しましては、衆議院権威の上から考えましても、これに同意することは断じてできない箇所があるのでございます。  私は、以上をもちまして本法案に対する反対の所信を申し上げた次第であります。(拍手
  15. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 鈴木義男君。     〔鈴木義男登壇
  16. 鈴木義男

    鈴木義男君 日本社会党は、原案はもとより、かかるぬえ的修正案に対しても、はつきり反対意思を表明するものであります。(拍手)  参議院は新たに第二條を追加しましたが、かかる実効なき訓示規定は、これをいくら入れても、思想の彈圧については何らの意義を持たないものであります。また新たに外患の罪に関する諸規定を入れたのでありますが、外患罪のごときは、きわめてまれであつて刑法本條規定で十分なことは内乱罪と同様であります。参議院は、内乱扇動を削除したことを誇るのでありますが、内乱には、朝憲紊乱という、大時代がかりの、時の政府にたてつく者を拉致し得る便利な規定があるのでありまして危險千万であります。(拍手)「せん動」の削除くらいで片づく問題ではないのであります。修正の最も不徹底な部分は、正当性を主張する文書の「所持」だけを削除して、「印刷」「頒布」「掲示」を依然として犯罪としている点でありまして、これによつて言論の暢達を妨ぐる弊は、一真に恐るべきものがあります。(拍手)  いかなる見地から見ましても、われわれはこれに賛意を表すべき何ものも見出すことはできない次第であります。(拍手
  17. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 田中堯平君。     〔田中堯平君登壇
  18. 田中堯平

    田中堯平君 日本共産党を代表しまして破防法案外二件の参議院回付案反対をいたします。(拍手)  参議院回付案は、さき衆議院自由党が多数をもつて議決した原案と本質的には同じものであるのみならず、むしろ改悪されておるのであります。(拍手)この破防法は、アメリカ帝国主義と、その支柱である吉田政府の、日本国民に対する軍事植民地支配のための最も残虐なる武器であります。(拍手日本国民は、かかる暴力支配に対して断じて屈することなく、実力をもつて売国破防法粉砕の鬪争を推し進めるでありましよう。(拍手日本共産党は、全国民とともに、かかる売国植民地法を成立せしめようとする吉田自由党政府と、その一味たる悪質社会民主主義者の責任を徹底的に追究し、吉田政府の退陣と衆議院の解散を要求するものであります。(拍手)  最後に、この法案がかりに可決されようとも、憲法国会法を無視したものでありまするから、違法かつ無効であることを宣言するものであります。(拍手
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 猪俣浩三君。
  20. 猪俣浩三

    猪俣浩三君 わが党、原案並びに修正案に断固反対します。その意思表示投票をもつてこたえます。(拍手
  21. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 岡田春夫君。
  22. 岡田春夫

    岡田春夫君 労農党は、この参議院回付案に断固反対をいたします。  その理由としては、破防法吉田内閣戰争準備の一環である。(拍手)第二の理由は、この破防法を通じて、憲法に明らかに規定されている学問と言論思想の自由を拘束するものである。(拍手)第三の理由としては、全国民がこの破防法反対をしている。(拍手)たとえば、この破防法自由党の多数の暴力によつて通過さしても、国民はこれを絶対に実施させないであろう。われわれは、あくまでもこの点に立つて反対することを明らかにいたします。多数の力をもつて、すべて民主主義であるというならば、ナチス国会においてヒトラーが多数を握つたということも民主主義になつてしまう。自由党は、明らかに日本民主主義を破壞して、日本を戰争にぶち込んで、独裁政治をやろうとしている。その意味において、われわれは反対しなければならない。(拍手
  23. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 次に小林進君から発言の通告がありますが、小林君は議席におられませんから棄権したものと認めます。  これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。三案の参議院修正に同意するに賛成諸君白票反対諸君青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣開鎖。  投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  25. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕  投票総数 三百八   可とする者(白票) 二百二十八     〔拍手〕   否とする者(青票)    八十     〔拍手
  26. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 右の結果、破壞活動防止法案公安調査庁設置法案及び公安審査委員会設置法案参議院修正に同意するに決しました。(拍手)     —————————————     〔参照〕 破壞活動防止法案外二案の参議院修正に同意するを可とする議員氏名    阿左美廣治君  逢澤  寛君    安部 俊吾君  青木  正君    青柳 一郎君  淺香 忠雄君    淺利 三朗君  麻生太賀吉君    天野 公義君  新井 京太君    井手 光治君  井上 知治君    伊藤 郷一君  生田 和平君    池田正之輔君  池田 勇人君    池見 茂隆君  石田 博英君    石原  登君  稻田 直道君    犬養  健君  今村 忠助君    今村長太郎君  岩川 與助君    植原悦二郎君  内海 安吉君    江崎 真澄君  衞藤  速君    江花  靜君  遠藤 三郎君   小笠原八十美君  小川 平二君    小川原政信君  小澤佐重喜君    小高 熹郎君 小野瀬忠兵衞君    小淵 光平君  尾崎 末吉君    尾関 義一君  越智  茂君    大石 武一君  大泉 寛三君    大内 一郎君  大上  司君    大澤嘉平治君  大西 禎夫君    大野 伴睦君  大橋 武夫君    大村 清一君  岡延右エ門君    岡崎 勝男君  岡田 五郎君    岡西 明貞君  岡野 清豪君   岡村利右衞門君  奧村又十郎君    押谷 富三君  加藤隆太郎君    鹿野 彦吉君  鍛冶 良作君    角田 幸吉君  風間 啓吉君    柏原 義則君  片岡伊三郎君    甲木  保君  門脇勝太郎君    金光 義邦君  上林山榮吉君    神田  博君  川西  清君    川端 佳夫君  河原伊三郎君    菅家 喜六君  木村 公平君    木村 俊夫君  菊池 義郎君    北川 定務君  北澤 直吉君    金原 舜二君  倉石 忠雄君    栗山長次郎君  黒澤富次郎君    小金 義照君  小坂善太郎君    小平 久雄君  小玉 治行君    小西 寅松君  小西 英雄君    小峯 柳多君  小山 長規君    近藤 鶴代君  佐久間 徹君    佐々木秀世君  佐々木盛雄君    佐瀬 昌三君  佐藤 榮作君    佐藤 親弘君  坂田 英一君    坂田 道太君  坂本  實君    清水 逸平君  篠田 弘作君    島田 末信君  澁谷雄太郎君    島村 一郎君  首藤 新八君    庄司 一郎君  周東 英雄君    鈴木 明良君  鈴木 仙八君    鈴木 善幸君  鈴木 正文君    關内 正一君  關谷 勝利君    千賀 康治君  田口長治郎君    田嶋 好文君  田中伊三次君    田中 角榮君  田中 彰治君    田中  元君  田中不破三君    田中 萬逸君  田中  豊君    田渕 光一君  多武良哲三君    高木  章君  高木 松吉君    高塩 三郎君  高橋 英吉君    高橋 權六君  高橋  等君    高間 松吉君  竹尾  弌君    橘  直治君  玉置 信一君    玉置  實君  中馬 辰猪君    圖司 安正君  塚田十一郎君    塚原 俊郎君  土倉 宗明君    辻  寛一君  圓谷 光衞君    坪内 八郎君  坪川 信三君    寺島隆太郎君  寺本  齋君    苫米地英俊君  奈良 治二君    内藤  隆君  中垣 國男君    中川 俊思君  中村  清君    中村 純一君  中山 マサ君    仲内 憲治君  永井 英修君    永井 要造君  長野 長廣君    二階堂 進君  西村 英一君    西村 直己君  西村 久之君    根本龍太郎君  橋本 龍伍君    幡谷仙次郎君  畠山 鶴吉君    花村 四郎君  平井 義一君    平島 良一君  平野 三郎君    福井  勇君  福田 篤泰君    稲田  一君  福田 喜東君    福永 一臣君  福永 健司君    藤枝 泉介君  渕  通義君    淵上房太郎君  船越  弘君    古島 義英君  保利  茂君    星島 二郎君  細田 榮藏君    堀川 恭平君  本多 市郎君    本間 俊一君  眞鍋  勝君    前尾繁三郎君  前田  郁君    牧野 寛索君  増田甲子七君    益谷 秀次君  松井 豊吉君    松浦 東介君  松木  弘君    松田 鐵藏君  松永 佛骨君    松野 頼三君  松本 善壽君    丸山 直友君  三池  信君    三浦寅之助君  三宅 則義君    水田三喜男君  水谷  昇君    滿尾 君亮君  南  好雄君    宮幡  靖君  武藤 嘉一君    村上  勇君  守島 伍郎君    森幸 太郎君  八木 一郎君    柳澤 義男君  山口 好一君    山口六郎太君  山崎 岩男君    山崎  猛君  山村新治郎君    山本 猛夫君  吉田吉太郎君    吉武 惠市君  龍野喜一郎君    若林 義孝君  亘  四郎君  否とする議員氏名    荒木萬壽夫君  有田 喜一君    石田 一松君  井出一太郎君    飯田 義茂君  稻葉  修君    今井  耕君  大西 正男君    川崎 秀二君  河口 陽一君    北村徳太郎君  吉川 久衛君    小林 信一君  小松 勇次君    河野 金昇君  坂口 主税君    笹森 順造君  笹山茂太郎君    志賀健次郎君  椎熊 三郎君    鈴木 幹雄君  高橋清治郎君    千葉 三郎君  丙藤 友明君    中島 茂喜君  中村 寅太君    中村 又一君  並木 芳雄君    原   彪君  平川 篤雄君    福田 繁芳君  増田 連也君    水野彦治郎君  森山 欽司君    山本 利瀞君  淺沼稻次郎君    井上 良二君  石井 繁丸君    大矢 省三君  加藤 鐐造君    鈴木 義男君  堤 ツルヨ君    土井 直作君  中崎  敏君    西村 榮一君  前田榮之助君    松井 政吉君  松尾トシ子君    松岡 駒吉君  三宅 正一君    門司  亮君  山口シヅエ君    池田 峯雄君  江崎 一治君    加藤  充君  柄澤登志子君    田島 ひで君  田代 文久君    田中 堯平君  高田 富之君    竹村奈良一君  立花 敏男君    梨木作次郎君  深澤 義守君    山口 武秀君  渡部 義通君    猪俣 浩三君  上林與市郎君    坂本 泰良君  鈴木茂三郎君    田中織之進君  成田 知巳君    福田 昌子君  八百板 正君    足立 梅市君  浦口 鉄男君    石野 久男君  岡田 春夫君    黒田 寿男君  中原 健次君     —————————————
  27. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十七分散会