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1952-06-28 第13回国会 衆議院 本会議 第62号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十八日(土曜日)  議事日程 第六十一号     午後一時開議 第一 図書館運営委員長国立国会図書館法第十一條第二項による審査の結果報告     ————————————— ○本日の会議に付した事件  会期延長の件     午後十時五十六分開議
  2. 林讓治

    議長林讓治君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 林讓治

    議長林讓治君) お諮りいたします。今回の会期明後三十日をもつて終了することになつておりますが、来る七月一日から七月三十日まで三十日間会期延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。  本件につき討論通告があります。石田一松君。     〔石田一松登壇
  4. 石田一松

    石田一松君 私は、ただいま議題となりました三十日間の国会会期延長に関しまして、改進党を代表して反対討論をしたいと思います。  今回の会期延長は、諸君も御承知のごとく四度目でございまして、しかもその延長期間が三十日、国会法第十條に定めました「常会の会期は、百五十日間とする。」というものの五分の一に相当します。また、先般来三度延長された延長日数を合計いたしますと八十数日、すなわち通常国会会期の百五十日の二分の一と十日間にわたるという、まつたくこれ以上の会期延長という前例を知らないのであります。かかる長期の会期延長を必要とするに至つた原因等につきましては、わが党の椎熊議員より、先般この第三回目の延長議題になりましたときに、この本会議場において、すべてこれが政府與党との国会運営政権担当能力を欠いた結果によるものであることは指摘したところであります。(拍手)私は、この点に関しては重複を避けて、ここに四度にわたり、しかも三十日間という大幅な会期延長を、與党諸君が、衆議院における多数を頼んで、強引に一方的に決定せんとしておるその態度について一言言及いたしたいと思うのであります。  なるほど、形式的には参議院議長協議という形はおとりになりましたけれども、ただいま運営委員会において承るところによれば、参議院においては、この会期延長に関しては、本日も、また明後日の月曜日もこれに正規の返事をするに至らないという参議院議長の御返事を得たのであります。にもかかわらず、衆議院は、国会法第十三條の、衆議院会期延長については優先的な権限を有するという、いわゆる例外規定を、ここに一方的に、原則的に強行いたしまして、会期延長の今後の悪例を今つくろうとしておるのであります。(拍手国会法の第十一條並びに第十二條より見まして、国会会期並びにその延長は、両議院一致議決によることがあくまでも原則であることは、これは疑いをいれないところであります。十三條にいうところの、衆議院議決が優先するということは、まつたくその例外的なものであります。しかるに、與党諸君は、例外規定を当初より原則的に悪用いたしました。  前回会期延長といい、今回の会期延長といい、いずれもその主導性参議院になければならぬものであります。その証拠には、前回会期延長のときには、衆議院議院運営委員長石田博英——同じ石田ですけれども、私ではありません。この石田博英自身が、運営委員会で、参議院からの会期延長の申出決定の御通告を得て、衆議院はこの会期延長決定したい、こういうことを、この前の十日間の延長でも諮つておるのであります。今回の三十日の会期延長主導性参議院になければならぬのであります。参議院決定をして、それを受けて衆議院でその決定に応ずる、こういうのが本筋でなければなりません。(拍手)すなわち、参議院自体の問題のために、現在衆議院は越権にも他院審議権制肘を加えようとするのであります。私は、陰謀的なわが衆議院のこのあり方については、今後非常に大きな問題を残すものであると憂えるのであります。  御承知のごとく、参議院における今日までのあの混乱というものは、先回参議院議長が、権限を越えた会期延長についての報告衆議院にしたということを取上げられたことが大きな原因になつておるのであります。(拍手)そのことを知りつつ、参議院議長から、会期延長については月曜日も返事ができないと言つて来ておるにもかかわらず、再びこの愚をここに繰返そうとしておるのであります。要するに、今後もしこの会期の三十日の大幅な延長によりまして、再び参議院混乱状態に油を注ぐようなことがありまして、なおこの混乱が助長されたならば、その責任はあげて諸君が負わなければならぬ、政府がその責任を負わなければならぬということであります。  私は、この際、特に重要な問題を申し上げたいと思います。(「時間だ」と呼び、その他発言する者多し)それは、自由党諸君は、先般来、会期延長を六十日間大幅にやるというようなことを決定したとかしないとか、われわれはうわさに聞いたものであります。(発言する者多し)にもかかわらず、これが今日三十日と決定をした。この根拠運営委員会においても質問いたそうと思いましたが、これをお許しになりません。しかし、自由党国会対策委員会において先般来六十日と決定をされたことと、今日三十日と決定されたこととは同じであるということ。今日の三十日の決定——すなわち破防法案労働三法改惡並びに行政機構改革法案等について、本院が審議を終了して参議院にこれを送りましたのは、まず破防法関係の三案が五月十五日、それから労働関係の三案が五月二十七日、また行政機構改革に関する約三十件の法案が五月二十九日であります。要するに、本院から送つた法案を六十日間に審議を終了しなかつた場合には否決したものとみなすというその六十日という期間は、少くとも、ただいま申し上げた三案に関する限りは、五月二十九日送付の最後の行政機構改革法案から考えて、七月の二十八日に六十日になるということであります。すなわち、諸君は、この七月の二十八日が来たならば、本院決定の六十日後に参議院議決しなかつたのであるから否決したのと同じである、これを両院協議会に持つて行つて両院協議会比例代表制協議委員を出すのであるから、両院協議会の成案を得たら、過半数をもつて本院でこれを議決して再び法律にしようという陰謀以外の何ものでもないと思うのであります。(拍手)  要するに、先般来放送していた六十日の会期延長ということが、今日の三十日の延長で、大法案は目的を達しておるということであります。この陰謀を庇護せんがため、カバーせんがために、すべての法案が大切であるとか何とかいう言い抜けで、この理由をわれわれに運営委員会で説明しようとしなかつた。この陰謀こそ、諸君参議院に対してこれをされるならば、参議院の無視であります。(「時間だ、時間だ」と呼び、その他発言する者あり)まつた衆議院参議院審議を必要としないと決定するのと同じであります。こういう会期延長が、いかに諸君にとつて、また……。
  5. 林讓治

    議長林讓治君) 石田君、結論を簡單に願います。
  6. 石田一松

    石田一松君(続) 承知しました。——国会に不利益であるかということは、この際昨日の毎日新聞並び朝日新聞等の、前自由党総裁である鳩山一郎民のあの談話、記者団との会見記事を読んでも、諸君がいかに諸君自身の元の総裁から批判されているかということが、これにはつきり出ているのであります。要するに、諸君が、今の内閣が、いかに努力なり苦慮をしても、もうすでに国民は、今の内閣が任期一ぱい持つなどとは思つておらぬ。小細工を弄することは、いたずらに国会の信義、政府の信頼を失うものである。ここまで倒れかかつたものは、再び起きた例がないと、そういうことを前総裁鳩山さんがおつしやつておるのであります。であるとするならば、皆さんも、この前総裁である鳩山一郎氏の記者団との会見記事にまず意を用いて、もう少し野党と話合いのうちに、国民から信を失うような、こうした一方的な、参議院をまつたく無視するような大幅の会期延長については十分考慮さるべきであると私は考えるのであります。  以上の理由を申し述べまして、時間が来たとの議長の注意がありますので、私はこの辺で討論を終ります。反対であります。以上申し述べます。(拍手
  7. 林讓治

    議長林讓治君) 川島金次君。     〔川島金次登壇
  8. 川島金次

    川島金次君 私は、ただいま上程になりました会期延長に関する件に対し、日本社会党を代表いたしまして、絶対に反対意思を表明せんとするものであります。(拍手)  いうまでもなく、会期延長に関する問題については、国会法第十條以下第十三條に明確に規定されてあるところであります。すなわち、国会法第十條によれば、会期原則として百五十日と定めてあり、第十一條におきまして、もし国会会期延長することの必要を認めた場合には参議院並び衆議院議決を要し、その議決が一致することを建前といたしておることは、国会法のきわめて明白に規定をいたしておるところであります。ただ第十三條において、衆議院参議院との議決がたまたま一致いたさない場合においてのみ衆議院決定に従うものであるということが明記されてあるのでありまして、この国会法の精神を解釈いたしまするならば、国会延長はあくまでも衆参両院の一致した議決によつてのみ行わるべきことを大原則といたしておるということは、きわめて明白であるのであります。しかるに、衆議院は、ことに自由党諸君は、この国会法に明記されてある明白な原則を無視し、この大前提をみずから蹂躪いたしまして、参議院における国会延長に関する意思いかんにかかわらず、衆議院のみの多数の意思によつてこの問題を一方的に解決せんとするがごときは、実に民主制度の存在の意味を根底から蹂躪する暴挙であると、私は断定せざるを得ないのであります。  ことに、第三回目、先般の国会延長に関しては、ひとり衆議院のみが議決いたしたのであつて参議院におきましては、この国会延長の案件すらも本会議に上程することなくして、時間切れとなつて、そのまま散会なつたということは、諸君も御存じの通りであります。しかも、このような状態をもあらかじめ予見しておきながら、衆議院が、ことに政府と結託した自由党が、一方的に、強引にこれを押し切つたがために、せつかく衆議院で十日間の延長決定いたしましたが、この一方的な強引と理不盡とがたたりまして、参議院では、はたしていかなる現実が起つてつたでありましようか。せつかく十日間と諸君国会延長決定しても、かんじんの参議院においては、その一方的な決定が大なる刺激となり、それが参議院審議の上に無用の摩擦と対立を激化せしめる一大原因となつて、十日間の延長が何らその効果をあげ得なかつたということは、いかに理不盡なる一方的な決定というものが、その結果においては何ら価値なきものであるかということを明らかに立証したものであると断定せざるを得ないのであります。(拍手、発言する者あり)  今また、かような状況にあるにもかかわらず、本日の議院運営委員会において、政府の要請に従つてか、自由党は三十日の会期延長案を提案して参りました。しかも、この三十日の延長案というものは、聞くところによれば、自由党の中に、七月二十日まで延長することが妥当なりという意見と、八月二十日まで国会延長すべきが適当であるという意見とが対立して、まつた党内は文字通りてんやわんやの騒ぎになつたということであります。(拍手)この状態に、いかんともいたし方なく、窮余の一策として、七月二十日説と八月二十日説との中間をとつて、遂にどうやらこうやらおちついたところが七月三十日までの会期延長なつたということを、われわれは聞いておるのであります。この事柄をもつていたしましても、いかに自由党が、会期延長という問題に対して党内の議論が対立し、党内において会期の問題に対して一定の根拠と確信がないかを遺憾なく暴露したものであるということを断定せざるを得ないのであります。  しかも、ただいま上程されました延長三十日を加えまするならば、第一回の延長が三十日間、第二回が二週間、すなわち十四日間、第三回が十日間、今回の三十日の延長を合せますれば、実に驚くなかれ、八十四日の会期大幅延長となるのでありまして、かくのごとき無定見な、無方策な吉田内閣並びにこの内閣を絶対無條件で支持する自由党諸君国会運営能力が徹底的に非力であるということを、これまたみずから天下に暴露したもの以外の何ものでもないと断定せざるを得ないのであります。(拍手)  ことに、今回の会期延長のごとき、は、先ほど改進党からも申されたごとく、もつぱら審議状況参議院の事情によるものであります。従つて参議院議長から衆議院議長会期延長のやむなき理由を申し入れて、初めてそこに両院会期延長の問題が正式の議題となるということが常識でなければならぬのであります。しかるに、政府並びに自由党は、その常識を踏みはずして、一方的に、逆に衆議院の方で会期延長を先議し、しかもこれを政府申入れによつて行うというがごとき、会期延長問題は自主的に議会がきめるべき性質のものであるにかかわらず、国会政府申入れによつて一方的にこれを行うという態度は、国会がその自主性をまつたく失い、あたかも行政機関の一隷属機関であるかのごとき観を呈することは……。
  9. 林讓治

    議長林讓治君) 申合せの時間が参りましたから簡潔に願います。
  10. 川島金次

    川島金次君(続) 国会がみずからの権威を冒涜する以外の何ものでもないと断定せざるを得ないのであります。  今や自由党諸君は、衆議院において絶対多数の量的多数を擁しながら、国会運営の自主的な力をまつたく失い、国会政治叡知であるにかかわらず、その叡知自由党諸君はまつた失つて、今や焦燥あるのみである。さらにまた、国会議会政治の本体は常識であるべきにかかわらず、その常識をすらもまつたく欠いて、文字通り……(「議長、時間だ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然聽取不能
  11. 林讓治

    議長林讓治君) 申合せの時間が参りましたから簡單に願います。
  12. 川島金次

    川島金次君(続) きわまる態度なつたといわなければなりません。そこには、政府を無條件に支持せんとして、国民の声を無視し、国民多数の道義を根底から蹂躪し、国民基本的人権にかかわるような破防法案や、労働三法改正や、あるいは警察法改悪をも強引に押し切ろうとするという、ただ国民の前に暴力的な多数あるのみといわざるを得ないのであります。おそらく、今回の会期延長の問題も、諸君の多数の暴力的力によつて押し切ることができ、あるいはまた、破壞活動防止法案を筆頭に、労働三法改悪はもちろん、警察法改正のごとき……。
  13. 林讓治

    議長林讓治君) 川島君、簡單に願います。
  14. 川島金次

    川島金次君(続) 国民基本的人権を無視蹂躪するがごとき法案をば、国会で多数をもつて押し切ることができましても、批判のきびしい国民多数の正当なる輿論と力を押し切ることは断じて不可能であり、それを諸君はやがて身をもつて体験するであろうということを、私は繰返して断言せざるを得ません。  以上の事由によりまして、日本社会党は、この四たび重なる、無謀な、まつた根拠のない会期延長に対しまして、断固反対意思を明確にするものであります。(拍手
  15. 林讓治

    議長林讓治君) 会期延長の件につき採決いたします。会期を七月一日から三十日間延長するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  16. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて会期は三十日間延長するに決しました。(拍手)  明後三十日は特に定刻より本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後十一時二十四分散会