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1952-05-13 第13回国会 衆議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十三日(火曜日)  議事日程 第四十号     午後一時開議  第一 国民金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案河原伊三郎君外五名提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  労働関係調整法等の一部を改正する法律案労働基準法の一部を改正する法律案及び地方公営企業労働関係法案についての吉武労働大臣趣旨説明及びこれに対する質疑  当せん金附証票法の一部を改正する法律案内閣提出参議院回付)  日程第一 国民金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案河原伊三郎君外五名提出)  道路交通取締法の一部を改正する法律案内閣提出)     午後二時四十九分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 福永健司

    福永健司君 この際内閣から提出された労働関係調整法等の一部を改正する法律案労働基準法の一部を改正する法律案及び地方公営企業労働関係法案趣旨説明を聽取するの動議提出いたします。
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。  労働関係調整法等の一部を改正する法律案労働基準法の一部を改正する法律案及び地方公営企業労働関係法案の三案の趣旨説明を求めます。労働大臣吉武惠市君。     〔国務大臣吉武惠市君登壇
  6. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) ただいま議題となりました労働関係調整法等の一部を改正する法律案地方公営企業労働関係法案及び労働基準法の一部を改正する法律案につきまして、一括提案理由を御説明申し上げます。  終戰以来占領下において、わが国労働法制は飛躍的な発展を遂げ、これがわが国民主化並びに労働者福祉向上に寄與し、ひいてわが国国際的信用を高め、日本経済再建に貢献するところが至大でありましたことは、何人もひとしく認めるところでございまして、今日七年にわたる占領が終結し、自主独立のときを迎えたにつきましても、占領下につちかわれました労働法規基本的原則は、あくまでこれを堅持すべきものであることは申すまでもございません。  しかしながら、翻つてこれら労働法規立法及び施行の道程を省み、七年間の経験にかんがみてみまするならば、これら労働法規は、すべて連合国最高司令部強き勧告と指導のもとに立法せられ、施行されて来たのでありましてその間、必ずしもわが国実情に十分沿わなかつた点もなしといたしません。また、講和発効後のわが国の情勢に照して欠くるところなしとも言いがたいのでございます。従つて政府といたしましては、これらの点を率直に検討いたし、よりよき労働法規整備をはかりますることが、独立を迎えた今日において、きわめて緊要のことと考えるのであります。特に今後わが国独立国家として国際間に伍して参るためには、何よりもまず経済的に自立することが喫喫の要務とされるのであります。これがためには、申すまでもなく、国民こぞつての努力が必要であり、特に労使双方が相携えてこのために協力されることが不可欠なのでありまして、この目的のためには、政府といたしましても、労働法規の面において労働者基本的権利を尊重し、その福祉の増進をはかるとともに、特に産業平和を維持し、合理的かつ公正な機関手続によつて労使関係の安定を促進し、確保するごとく法規整備をなすことが、ぜひとも必要であると考えた次第であります。  政府におきましては、昨年来、この見地から広く各方面の意見を聞き、特に政令諮問委員会意見を徴し、さらに労使公益の三者よりなりまする労働関係法令審議委員会及び労働基準審議会等諮問をいたしまして、鋭意研究を重ねて参つたのでございます。このほど、ようやく成案を得ましたので、ここに国会提案をして御審議願う次第でございます。各法案は、すべてこれらの審議会等意見を全面的に尊重いたしまして、その全員一致答申のあつた事項につきましては、ほとんどすべてこれを採用いたしております。答申に至らなかつた事項につきましては、これらの機関における討議の過程を参考にいたしまして、特に公益側委員意見を尊重して、極力これに沿うごとく立案しておるのであります。  以下、各法案内容の大綱を概略申し上げますと、第一に、労働関係調整法等の一部を改正する法律案につきましては、まず公益事業争議または特別の性質もしくは大規模事業に関して、公益に著しい障害を及ぼす労働争議につきましては、これを放置いたしますると国民生活に重大な損害を與える場合には、政府といたしましては、この国民全体に対する責任上、これを傍観することはとうてい許されないのでございます。従つて、これを五十日間の緊急調整に付する決定をなし得ることとし、その間に、争議行為を行うことなく、中央労働委員会によるあつせん、調停実情調査等行つて争議による損害を回避し、合理的な機関による平和的な解決をはかり得るごとく改正せんとするものでございます。  さらに、従来労調法に定められておりました三十日の冷却期間は、過去の経験に徴しまして、その所期の目的を達成することができなかつたと認められますので、この冷却期間を十五日に短縮いたしまするとともに、当事者が自主的交渉不十分のまま、單に争議権獲得のみのために労働委員会調停申請をなすような場合には、この申請はこれを却下し得ることとしたのであります。  以上は労働関係法令審議委員会公益委員の案によつたものでございますが、そのほか労調法関係におきましては、同委員会答申に基き、特別調整委員の設置、仲裁制度合理的改善等措置規定しておるのでございます。  また公共企業体労働関係法関係につきましては、従来占領下においては、公務員は一切団体交渉権が與えられていなかつたのでありますが、このことは、もとより公務員国民全体に対する奉仕者たることからやむを得ないことではございましたけれども、郵便、営林、印刷その他の現業国家公務員については、この従事する業務の性質において、一般の行政事務に携わる者とは多少相違が認められますので、これらのものに関しましては国鉄專売等の公共金業体に準ずる取扱いをなし、給與その他につきましては団体交渉権を認める、ことが実情から見て労働者利益を増進するゆえんであると考えますので、かかる趣旨において公労法改正せんとするものであります。なお公労法関係では、このほか調停委員会の統合、労働組合法との重複の整理等、若干の技術的改正規定しております。  次に労働組合法関係につきましては、不当労働行為制度整備し、労働協約に関する規定わが国実情に合致せしむる等、全面的に労働関係法令審議委員会答申に基いて改正をいたしておるのであります。  第二に、地方公営企業労働関係法案におきましては、地方公務員中の鉄道、軌道その地の公営企業に従事する者につきましては、占領下において公務員として昭和二十三年政令二百一号によつて団体交渉を禁止されていたのでございますが、独立後の今日においては、国の現業職員に対すると同様の趣旨から、おおむね公共企業体労働関係に準ずる取扱いとして、これに団体交渉権を認めるのが妥当であると考えたのでございます。よつて、本法案においては、この趣旨により、地方公営企業労働関係についても、公共企業体及び国の現業職員におおむね準ずる取扱いとし、地方実情により、調整機関等に関して国の場合と若干異なつ取扱いをいたしております。  最後に、労働基準法の一部を改正する法律案につきましては、労働基準基本線はこれを維持しながら、手続簡素化と、女子の時間外労働、十六歳以上の男子年少労働者坑内作業技能養成、その他わが国実情に照して必要な限度の改正を行わんとするものであります。本法案は、すべて労働基準審議会における全員一致答申を全面的に採用したものでございまして、労働條件国際的水準維持原則を堅持し、その範囲内で、同法の規定わが国実情に適切なるものたらしめんとするものであります。  以上、三法案提案理由一括御説明申し上げた次第でありますが、以上によつて明らかなことく、これらの法律案は、立案の手続において最も慎重かつ民主的な方法によつたものであると同時に、その内容において、独立後のわが国経済自立のため不可欠のものでありまして、国家公共福祉勤労大衆利益を擁護するものでこそあれ、労働者基本的権利を侵害するがごとき意図は、こうも持たないのであります。何とぞ御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願いする次第であります。(拍手)      ————◇—————
  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより労働関係調整法等の一部を改正する法律案外二件の趣旨説明に対する質疑に入ります。川崎秀二君。     〔川崎秀二登壇
  8. 川崎秀二

    川崎秀二君 ただいま提案趣旨弁明にもありましたように、労働立法は、わが国終戰後にできましたるところ法律といたしまして、労働組合の結成を援助し、労働者基本的人権を認め、かつ労働者の今後日本におけるところの地位を規定したものでありまして、これが終戰後わが国再建に著大なる効果を上げたということは、労働大臣みずからも認めておる通り、今日では国民の何人もこれに疑いをさしはさむものはないのであります。しかるにかかわらず、この労働立法に関しまして今回政府は、一部の改正であるとはいうものの、労働関係調整法のごとく、労働者基本的人権並びに中央労働委員会中立性維持というものに対して大きな疑点のある提案をいたして来たことに対しましては、まず第一に、何ゆえかかる立法提案しなければならないかということについて、われわれは疑いをさしはさむものであります。(拍手)  御存じのように、破壊活動防止法案が今国会提案をされまして、これがかなり今日政治的な紛議を巻き起しております。破壊活動というものに対する憎しみを感ずる者、また暴力行為というものに対する否定的な考えを持つ者は日本国民の大多数ではありまするけれども、その内容については、今日国会において真剣な論議が展開されておつて——初めのうちは、破壊活動防止法案そのものがよいか悪いかということに対する輿論もさだかでなかつた。今日、ようやくその内容について世間は注目をいたしまして、破壊活動防止ということは、当然実施をしなければならぬものではあるけれども、行政権をもつてこれを最終的に決定をしようというような考え方に対しては、当然これは変更しなければならぬものである。これが今日国会輿論であります。(拍手)しかるにかかわらず、こういう法案で、ようやく輿論が定まりかけて来たときに、さらに追討ちをかけるような政府措置は、まさに労働者に対する挑戰状をさらに送つたものといわなければならぬのであります。(拍手)  メーデー騒擾事件に対する国民の感情を露骨に申すならば、これは騒擾事件を起した者に対して峻嚴なる輿論が巻き起つておる。しかし、破壊活動防止法案あるいは労働法改正法案を、このことがあるがゆえにつくつたがいいというような考え方を持つならば、政府はまさに墓穴を掘るものといわなければならぬのでありまして、この点に対して、どうしてこういうような紛議が巻き起つて来る最中に第三の投石をするのか。すなわち、第一の投石とは破壊活動防止法案、そのことによつて巻き起つておるところの政治的な紛議、これに加えてメーデー騒擾事件——世の中は、冷静さを今日失いつつあるのであります。そのときに、まさにこれに輪をかけるような労働法改正をこの国会でやらなければならないという理由は一体どこにあるのか。この点を、私は明白に労働大臣から伺つておきたいのであります。  第二の問題は、昨年以来、わが国労働運動動向を見ておりますると、主として経済的な問題に発端をして争議が起つたり、あるいはムーヴメントが起つたというようなことは、ほとんど皆無であります。むしろ、再軍備反対であるとか、あるいは基地反対であるとかいうような政治的な主張によつて労働組合がリードされておる。この風潮を、労働大臣はどういうふうに考えられておるか。労働組合といえども、国民協同体の一員でないことはないのであります。従つて世間風潮からまつたくかけ離れた、ことに世界自由労連の持つておるような思想から全然かけ離れた思想が、今日労働組合の大勢を指導していることに対して、労働大臣は、この問題ともつと真剣に取組まなければならぬ。そういうところにこそ今日の労働問題の解決はあるのであつて、一部の改正を企図して、しかも労働者人権に大きな制約を加えるようなこういう提案をして来るということは、私は問題の解決根本から間違つておると思うのであります。この点に対する労働大臣の御見解を特に伺つておきたいと思うのであります。  法案の細部につきましては委員会における論議にまかせたいと思うのでありますけれども、私がこの際特に伺つておきたいことは、労働関係調整法というのは、もとよりその法律の第一條にうたつておりますように、わが国産業興隆目的にいたしまして、その際に起つて来るところ紛議に対して調整をするということが目的であるのは明らかであります。しかしながら、争議に対しましては、従来といえども、公益事業には当然冷却期間というものがありまして、その間において事態を解決するということが明らかになつてつたのであります。これは、私は労働委員会に対するところ最少限制約であるというふうに考えております。しかるに、今回の提案を見ますると、国民生活に重大な損害を與えると労働大臣が認めたときは緊急調整決定をすることができる、こういうふうに書かれております。この緊急調整というのは、今度の労働立法改正の重点だと私は思いまするが、この緊急調整労働大臣決定して、そうして中央労働委員会にかけるわけであります。すでに決定したことに対して、中央労働委員会は、わずかにあつせん、調停、任意の仲裁あるいは実情調査及び勧告しかできない。すでに労働争議が起つてつて、それが公益を害するというときに、労働大臣が唯一の判定機関になり得るというような、このような強権を労働大臣にまかせるということは、はなはだしく日本労働運動の前途を誤るものだ、こう断ずるよりほかはないのであります。これは中央労働委員会中立性公益性というものに根本を置きまして、緊急調整のような状態が起つたときにも労働委員会にかけて、その決定によつて行うということが当然でなければならない。これは官憲の介入ではないかというふうに私は思うのでありますが、この点に関する明快なる答弁を承つておきます。  要するに、今回の労働立法は、最も惡い時期に提案をされたものだと断ぜざるを得ません。メーデー騒擾事件以来、いろいろな考え方国民の間に沸いておりまするけれども、今や国論の動向というものは決定的な瞬間に立ち至つておらない。それにもかかわらず、かかる労働立法を立案いたしまして、第三の追討ちをかけるということは、あまりに労働者に対するむごい措置ではないか、かように考えるのでありまして、この点に対する労働大臣の明快なる答弁を煩わしたいと思います。(拍手)     〔国務大臣吉武惠市君登壇
  9. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 川崎君のお尋ねにお答えをいたします。  第一点は、なぜこの改正案をこの国会提案しなければならないかということでございますが、これは先ほども説明いたしましたように、この法律の第一のねらいは、現在国の現業官庁職員、すなわち全逓信関係従業員でありますとか、あるいは印刷庁、あるいは造幣等、これらの官庁現業職員は、現在のところ団体交渉権を持たないのであります。しかしながら、その性質は大体国鉄とか專売などと似ているのありますから、これと同様な取扱いをしようということであります。決して労働者権利を拘束するものでも何でもないのであります。  次は地方公労法関係でございますが、これとても、地方現業職員、すなわち市電でありまするとか、水道職員、これらも政令二百一号によつて団体交渉権を持つていないのであります。でありまするから、これらも国鉄あるいは專売などと同じように団体交渉権を認めるべきである、かように存じて、この提案をしているのであります。これとても、決して労働者権利を拘束するものではございません。でありまするから、占領下ではやむを得ませんが、独立した今日においては、できるだけ早い機会にこれを復活すべきが私は妥当であると考えているのであります。  次に公共福祉の点でございます。御指摘になりました、五十日間争議を停止して調停にかける。これは法文にもございまするごとく、争議が大きくなりまして、公益事業に関する争議、あるいは大規模争議であつて、これを放置すれば国民に重大なる障害を與える。これを、だだ政府は、何もできぬからといつて放置するわけには参りません。従つて、いたずらに争議に走ることなく、公正なる中央労働委員会機関にかけてこれを解決しようということでありまするから、今日独立後の日本経済自立の叫けばれるとき、これまた必要であると考える次第であります。  第二に御指摘になりました、日本の昨年来の労働組合動向は政治的に傾いているという意見でございますが、これは、私もまたさように考えるものであります。およそ労働組合は、労働者労働條件維持高揚を期する、すなわち組合主義の上に立脚すべきが当然でありまするが、遺憾ながら日本労働組合は、いまなお政治的に偏向するきらいがございます。けれども、これはだんだんと正常なる道に進みつつあるものと私は考えております。  第三に御指摘になりました冷却期間の点でございますが、これは今日三十日間の冷却期間がございまするけれども、過去の経験に徴しますると、早く調停申請労働委員会にいたしまして、三十日たつて初めて争議権を獲得して争議をするというのが今日の実情であります。これは決して法の趣旨ではございません。従つて、これを十五日に縮めまするとともに、自主的な交渉が不十分であるときには、もう少しお互い同士で折衝したらどうかということを労働委員会にまかすことでございまして、これまた私は必要であろうかと思うのであります  最後に、今回の提案中、五十日間争議をさしとめて調停に移すこの決定権労働大臣に與えているという点でございますが、この問題はきわめて重要な問題でございまするので、政府として責任を持つてやるべきであつて独立機関である労働委員会でやるということよりも、国会において責任を持つ政府責任ででやるべきだ、かように存じて、このような改正をした次第でございます。(拍手
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 前田種男君。     〔前田種男登壇
  11. 前田種男

    前田種男君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま説明されましたところ労働関係三法に対して二、三の質問を試みたいと思います。  まず私がお聞きしたい点は、日本独立後、特に吉田内閣はいち早く労働三法を改惡するであろうということが、国内的にもいろいろ輿論となつて来たのでございます。さらに国際的には、独立後の日本は、労働條件その他の点について、また特例理由として労働基準法その他の関係法規を改惡するだろうということが、世界の常識になつているのでございます。そうしたやさきにおいて、独立後十数日を出たにすぎない今日、今説明されたような、あの程度改正案をなぜ出さなければならないかということが、私の了解できない点でございます。少くもあの程度改正案内容でございますならば、政府当局行政上の処置によつて、ある程度のことができるのでございます。しかし、そうした点等を考慮せずに、今日改正案を出して参りましたところ内容には、やがて世界各国が疑惑を持つであろうといわれておりますところ日本特殊性をさらに生かしまして、再びソーシャル・ダンピングの昔のような状態日本労働階級を押し込めようとするところ意図があるということが明白に今日いわれているのでございます。(拍手)私たちは、そうした観点から、今日問題にならないような点を出してまで、しいてここに提案しようとするところ政府意図が那辺にあるかという点が了解できないのでございます。  さらに内容的に二、三申し上げますならば、基準法改正の中に、十八歳未満坑内労働者を、技能者養成の美名のもとに認めようとしております。さらに女子の労務者の時間外労働時間を延長しようという改正案になつておりますが、両者とも、この案を押し進めて参りますならば、結局青少年の労働強化女子労働強化をしいようとする根底がこの中には盛られているのでございます。政府は、行政官庁十分内容監督してそうして万遺漏ない対策を立てると言つているのでございますが、特に中小炭坑の現状において、事業場の末端においてその監督が行き届くかどうかという点を考えますと、絶対にその監督は不可能なりと私は見ているのでございます。基準法のそうした悪い面ばかりを改正せずして、ほんとうに労働大衆のためを考えて、国家産業見地から改正しようといたしますならば、その他に改正しなくてはならない点がたくさんあるはずでございます。そうした点等には触れずに、女子の問題、あるいは十八歳未満少年坑内労働者を認めようというような態度に対して、われわれはその内意が知りたいのでございます。  さらに地方公営企業労働関係法案の問題でございます。これは従来政令二百一号によつて問題にされておりましたものを、今日單独法としてここに提案されたのでございますが、この内容たるや、はなはだ不十分と言わざるを得ません。団体交渉権の問題、あるいは団結権内容の問題、あるいは適用をいたしますところ範囲制限の問題、さらに罷業権問題等に触れまして、当然完全なる団体交渉権を認め、さらに罷業権まで認めて初めて健全なる労働組合運動の運営が確保されるのでございます。この提案された内容を見て参りますると、団体交渉にも多くの制限があります。多くの制限のある団体交渉を認め、労働組合を認めますならば、そうした交渉の余地がなければ、実力行使に持つて行かざるを得ないという惡い結果になる危険性が多分にあるのであります。私たちは、完全な罷業権を認め、完全な団体交渉薙を認める、そうして労働組合によつて自主的に健全なる労使関係の樹立ができるような状態に持つて行くことが政府の指導すべき道であろうと思うものでございます。(拍手東京の例をもつて見ますると、東京の地下鉄には罷業権があつて東京都の従業員には罷業権がないという不合理が、今日この法規内容においても現われておるのでございます。  さらに労働関係調整法の問題につきましては、ただいま答弁になりましたところ労働大臣緊急調整の権限は、これはまつたく労使関係に対して、政府の圧力によつてこれを解決しようとする意図が現われておるのでございます。しかも、五十日間の長い間争議ができないという状態に置きますならば、争議権をかりに認めたといたしましても、事実上は争議ができ得ない状態になつて参りますから、結局争議権を認めない結果になるのでございまして、私たちは、あくまでも、こうした内容改正に対しましては反対せざるを得ないのであります。  そうした点から考えて参りまして、今日何でもないような事務的な内容のものが提案理由だと言つておりますが、この根本は、あくまでこれを糸口として、労働基準法労働関係調整法あるいは地方公企法等をもつと根本的に改惡しようとする意図があることを、明確にわれわれはここで考えてみなくてはならないのでございます。そうした根本に対するところ労働大臣の所見を明確にしていただきたいと考えます。(拍手)     〔国務大臣吉武惠市君登壇
  12. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 前田君のお尋ねにお答えをいたします。  第一点は、労働三法改惡である、これが国際的にも影響するというお尋ねでございますが、先ほども申し上げました通り、今度の改正の第一点は、国の現業官庁職員団体交渉権を與えることであります。次には、地方公営企業現業職員団体交渉権を與えることであります。これがどうして国際的に惡い影響を與えるでありましよう。(拍手)  また第二に御指摘になりました、十八歳未満の者の坑内作業を許す問題でございます。これは御承知でもありましようが、今日の国際労働條約においても、十六歳以上十八歳までの年齢の者を技能養成のために坑内作業に従事せしめることは認めております。現にイギリスにおいては、十六歳以上の者を坑内に作業せしめ法制を持つておるのであります。日本の今日の実情において、イギリスでさえ認めておるところのこの十六歳以上の坑内作業を認めてならないとおつしやることは、私どもは了承できません。次に女子の時間外労働についても同様であります。  第三に御指摘になりました、地方現業官庁職員に対しては、団体交渉だけではだめだ、罷業権もということであります。これは、できれば罷業権もけつこうでございましようが、しかし、今日の国家及び公共事業につきましては、その性質上、罷業を認めるということは私はいかがかと思います。しかじながら、給與その他労働條件について団体交渉を認めることは妥当であろうと思つて今日の改正をいたしておる次第であります。  次に第四に御指摘になりました緊急調整の件であります。これは非常に改惡とおつしやいますけれども、今日民主的だといわれているアメリカでさえ、御承知のでとく、国民生活に重大なる影響のある場合は、六十日間争議制限しで調整をしておるのであります。私どもは、六十日は少し長いから遠慮して五十日にしておるのであります。これとても、決して日本だけではございません。(拍手
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 参議院から、内閣艇出、当せん金附証票法の一部を改正する法律案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありません     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  当せん金附証票法の一部を改正する法律案参議院回付案を議題といたします。     —————————————
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  17. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。      ————◇—————
  18. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第一、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐藤重遠君     〔佐藤重遠君登壇
  19. 佐藤重遠

    ○佐藤重遠君 ただいま議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果をごく簡単に御報告申し上げます。  この法律案は、国民金融公庫の金融機関としての性格にかんがみまして、同公庫の役職員国家公務員からはずし、單に刑法等の罰則の適用に関してのみ公務員と同様の取扱いをいたすこととし、これによりまして一層事務能率の向上と事業資金の供給の円滑化をはかろうとするものであります。  本案につきましては、審議の結果、去る十日質疑を打切り、討論に入りましたところ、奧村又十郎君は自由党を代表して、公庫役職員の待遇改善と人員充実のすみやかな実現をはかるとともに、軍人遺家族等の弔慰金に対する公庫からの担保融資は、別わく予算により早急に実現されたいとの希望條件を付し賛成の旨討論せられました。  次いで採決いたしましたところ、起立総員をもつて本案は原案の通り可決いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決定いたしました。      ————◇—————
  22. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第二、町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事吉田吉太郎君。     〔吉田吉太郎君登壇
  23. 吉田吉太郎

    ○吉田吉太郎君 ただいま議題となりました町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。  まず本案の提案理由及び内容の概略を説明いたします。昨年警察法の改正によりまして、住民投票の結果、警察を維持しないことと決定し、十月三十一日までにこれを内閣総理大臣に報告した町村は、翌年四月一日にその警察維持に関する責任の転移が行われることとなつたのであります。ところが、右の報告が手続その他の事情により昨年十月三十一日までに完了しなかつた町村は、たといその以前に警察責任の転移の運びをなしていても、その効果の発生するのは来年の四月一日ということになるのであります。このように、長期間にわたつて住民投票の結果を実現せしめないということは適当であるとは申せませんので、今回本案を提出し、昭和二十六年十一月一日から昭和二十七年五月二十日までに、警察法第四十條の三第六項の規定により、警察を維持しないことに決定した旨の報告のあつた町村のうち、当該町村長が、その議会の同意を得て、右の転移の時期を繰上げたい旨を、昭和二十七年五月二十日までに、国家公安委員会を経て内閣総理大臣に申請し、同年五月三十一日までにその承認を得たものについては、警察維持に関する責任の転移は、同條第八項の規定にかかわらず、同年六月一日に行われるようにしようとするものであります。  本案は、河原伊三郎、野村專太郎、床次徳二、大泉寛三、金光義邦、鈴木幹雄君から四月一日提出せられ、同日地方行政委員会に付託せられました。そこで、地方行政委員会は、五月八日委員会を開き、提出河原伊三郎君から提案理由の説明を聽取した上、五月八日から五月十日まで引続き毎日委員会を開いて慎重審議をいたしました結果、五月十日質疑を打切り、討論の後、元案を原案の通り可決すべきものと議決いたしました。  右御報告申上げます。(拍手
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。順次これを許します。立花敏男君。     〔立花敏男君登壇
  25. 立花敏男

    ○立花敏男君 共産党は、ただいま提案されております警察に関する特例法に対して反対するものであります。  政府は、昨年、地方自治体の財政的困難を奇貨といたしまして、自治体警察の国家警察への編入を企てまして、警察法の改正を通過せしめたのであります。その結果といたしまして、国家警察は約二万人の膨脹をいたしました。政府があえてこのことをなしましたのは、自己の売国政策、植民地政策に対する国民の反抗におびえた結果であつたことは、疑問の余地がないのであります。そのことは、増強されました国家警察が、その後国民の生活を守る闘い、平和を守る闘い、あるいは日本民族の独立を求める闘いを彈圧し続けて来たことによつて明白であります。しかし、行政協定を締結いたしまして、一層売国政策と植民地政策を強行いたそうとする政府にとりましては、いまだ昨年の警察法の改惡では足りないのであります。今回さらにそれを再改惡いたしまして、自治体警察の国家警察へのより一層の編入を促進せんといたしておりますのがこの法案であります。  すなわち、昨年の改正によりましては、自治体警察の国家警察への編入に約六箇月間の猶予期間を置いたのでありますが、この改正では、その猶予期間をほとんどなくしてしまつておるのであります。しかも、編入の時期につきましても四月一ぱいで打切つておりましたものを、年度半ばである六月一日までさらに延長いたしておることであります。従つて、この法案が明白に暴露いたしておりますことは、一日も早く、一人でも多く国家警察を増強せんとして政府があせつておることを示しておることであります。これは、四月十二日、あるいは四月十八日、あるいは最近の学生諸君の大きな反政府闘争、国民大衆の反植民地闘争、民族独立の闘争が吉田政府を完全に周章狼狽せしめておる証拠であると申しても過言ではないと思うのであります。(拍手)  国民が生活と自由と独立を求めて立ち上りておるのに対しまして、吉田反動政府が與えましたものは、生活の改善あるいは民主主義でもなくして、まさに警察力の増強にほかならないことが暴露されたのであります。このことは、メーデー事件の直後、緊急閣議におきまして、政府が何よりもまず決定いたしましたことが警察力の増強と警察制度の改惡であつた事実に徴しても明白であります。これこそ、まさに資本主義の没落を示すものでなくて何でありましようか。これこそ、まさにフアシズムの現われでなくして何でありましようか。しかも、この緊急閣議が、同時に政府の手によつて多数殺傷されましたところ国民への陳謝の決定をなさずして、ただアメリカ大使館への陳謝を決定しておるという事実であります。(拍手従つて、以上述べましたような警察のファシズムが、單なるファシズポではなくして、明らかに植民地的、買弁的なフアシズムであるという事実であります。政府は、増強された警察力によつて国民基本的人権を剥奪し、国民の闘争を抑圧いたしまして、八千万国民をアメリカの祭壇に供せんとしておるのであります。日本国民たるものの断じて許すことのできない態度であります。  しかし、この法案は、他面非常に重大なことを暴露しておるのであります。それは、昨年の警察法の改惡によつては、政府の思うように国家警察が増強されなかつたということであります。国民地方自治体も、そう甘くはなかつたということであります。政府は、平衡交付金を削減いたしまして、地方自治体を財政的に破綻さしておいて、三千億の地方税を收奪して、地方住民の生活を破壊しておいて、そうしてこう言つたのであります。自治体警察は金がかかるから国家警察にしてしまおうではないか。まつたく卑劣きわまる手段を弄したのでありますが、この手段は完全に成功はしなかつたのであります。何となれば、今や国民地方自治体のすべても、政府の反動性を明白に知つておるからであります。一昨年以来の平衡交付金の増額を拒否し総けて参りましたものは、一体だれであつたか。それはほかならないアメリカ占領当局と、その手先である吉田政府であつたことは、国民の周知の事実であります。さらに最近、内外反動どもが地方自治法を改惡いたしまして、区長の任命制を初め、地方議員の定数の縮減等、大幅に地方自治を抹殺し、行政協定の実施を容易にせんと企てつつあることも、これまただれ知らぬもののない事実であります。政府は、府県を全廃し、市町村を現在の三分の一にしてしまうところの道州制の調査にすら着手しておるのであります。  今や、日本地方自治は、日本の再軍備と軍事基地化のための犠牲に供されんとしておる重大なる危機に立ち至つておるのであります。政府の考えている警察制度の改正が、この売国的、再軍備的地方自治の中央集権化であることは、今や一点の疑う余地がないのであります。このことは、東京都において区長任命制と、警視総監の総理による任命制が同時に政府において決定されておるという一事に徴しましても明白であります。この政府の惡辣な、売国的な陰謀を察知している地方住民及び全国の地方自治体は、財政をえさにして自治体警察を国家警察に取上げようとするところの破廉恥きわまる策動には断じて乗らなかつたのであります。かえつて平衡交付金の増額によるところ地方財政の確立を要求し、地方自治の確立を要求いたしまして、今や全国の自治体、全国の地方住民が大きく吉田政府に迫つておることは、諸君も御承知の通りであります。  自治警察の国警への切りかえの期限を延長いたしまして、猶予期間をなくしてしまつたことは、この一般的な地方自治の破壊の政策と明らかに一脈相通じておるのであります。しかし、国民は断じて政府の思惑通りには参らないのであります。何となれば、日本国民は、今回のメーデー事件あるいは早稻田事件を通じまして、警察が国民の敵であることを痛感いたしたからであります。(拍手)米英ギャングに対しましては、一発のピストルを発射するどころか、逮捕さえできないと言つておつた警視庁が、多数の都民、労働者を射殺いたしましたり、自由なる学園を占拠したのであります。しかもなお法務総裁は、警察のやり方はまだ足りないと警察を扇動し、警察制度の不備を宣伝いたしまして、ひたすら人民彈圧のための警察力の増強に狂奔しておるのであります。  今や全国民は、講和発効直後に発生いたしました、政府が惹起いたしました二大流血事件を契機といたしまして、大きく吉田内閣打倒に立ち上つております。労働者階級は、その先頭に立つて第三波ゼネストを敢行することを決意しておるのであります。われわれは、その全国民、全労働者吉田内閣打倒、民族の自由と独立のための闘いの一環といたしまして、断固この法案に反対するものであります。(拍手
  26. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 門司亮君。     〔門司亮君登壇
  27. 門司亮

    ○門司亮君 私は、ただいま上程されております町村自治警察を国家警察に責任移転をする時期の特例に関する法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の意思表示をするものであります。  案の内容はすでに委員長からも報告されたことだと思いますが、現在の警察法におきまして、その年の十月三十一日までに自治警を廃止しようとするすべての手続の完了いたしましたものは、翌年の四月一日からその警察の責任を国警に委讓することができるという現行法に対しまして、この法律特例を設けて、そうして現に昨年の十月三十一日までの間に行わなければならなかつた警察委讓に関する住民投票、さらに内閣総理大臣に対する手続等の完了すべきはずであつたものが、何らかの手違いから、きわめてわずかな時間が問題となつて、現在それの実施ができないという、全国において愛知県に一件、大阪府に一件、この二つの自治団体におきましては、すでに住民投票まで終り、ただ理事者の何らかの勘違いから、きわめてわずかな時間が時間切れになつたからといつて、これをさらに二十八年の四月一日まで延ばすということは苛酷であり、また住民の意思にも沿わざるものとして、具体的に言うならば、この二つの自治体の町村警察廃止に関しますることを救済しようとするのがこの案の本旨であることは、提案者の説明の中にも明らかになつておるのであります。  提案者からは、四月一日にこの法案提案されておるのであります。ところが、その提案理由の中にそう書いておきながら、実際の法律案は、五月二十日までにその手続を完了したものは、本年の六月一日から自治警察を国警に委讓ができるということを明記いたしておるのであります。従つて、この問題は、表面これだけの字句であれば、われわれことさらに反対する必要もないのでありますが、現実に起つておりまする問題として、神奈川県の一地方に、いまだ住民投票も行つていない一つの町があるのであります。  この町の住民投票は、おそらく本月の十六日にこれが行われ、諸般の手続はまつたく順調に参りましても、五月十九日でなければその手続の完了は見ないのであります。これらの問題は、現在この法案に便乗しようとする向きが非常に強くて、また具体的に言うならば、この町の町長がこのことあるをちやんと予期して、そうして臨時町会を招集いたしました。その招集の理由の中に、それがはつきり明記されておる。おそらくこういう法案が出るであろうから、今のうちに手続をしでおけば、六月一日から自治警の廃止ができるであろうということをちやんと予期して、臨時町会を招集して町会において自治警廃止の決議をし、現在住民投票の施行中であります。しかも、十六日でなければ住民投票は行われないのである。  少くとも国会審議しておりまするこういう法律案に便乗して行おうといたしておりまするこれらのものに対しても、一体救済する必要があるかないかということを提案者にただしましたときに、提案者は、早耳でこれを聞きつけて便乘するものはやむを得ぬであろうということを申しております。提案者は、少くとも四月一日に提案いたしましたたときには、そういうこと予想していないのである。四月一日に提案したときには、四月一日以前における、先ほど申し上げました二つの地方公共団体のきわめて気の毒なものだけを救おうということが明らかな提案者の意思であるということは、提案理由の中にはつきり書いてあります。従つて提案者にもし良心がありますならば、当然この便乗者をしりぞけるために、五月二十日の日付を、あるいは提案した四月一日にするか、もつと言うならば、さらに本年の一月にするか、昨年の十一月十五日にしておけば、そういう問題は起らぬのであります。  私は、ここに反対の理由としてはつきりいたしたいことは、提案者の意思と、現在行われつつありまする問題とに非常に大きな食い違いがあるということであつて提案者は当然これをしりぞけなければならないのに、しりぞけないという提案者の意思に対して、われわれは納得しないのであります。従つて、この法案に対しましては、提案者の、一人でありまする改進党の代表者までも、その問題に対してはきわめて不可解であり、われわれもまた納得することができないから、委員長に対しては、その問題はしかるべく善処されたいということを、委員会の賛成の討論の中に入れておることは、御存じの通りであります。提案者にしても、なおかつ不可解で了解に苦しむごとが、もしわれわれ国会において許されるというならば、将来われわれは法案審議する上にきわめて大きな支障を来すであろうと考えざるを得ないのであります。  従いまして、私どもは、ここに提案者において、こうした便乗者をその中に含めるというような、不純と申し上げましようか、不合理きわまることの撤回されない限りにおきましては反対の意思表示を強くするものであるということを申し上げておく次第でございます。(拍手
  28. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  29. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  30. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出道路交通取締法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  道路交通取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事吉田吉太郎君。     —————————————     〔吉田吉太郎君登壇
  33. 吉田吉太郎

    ○吉田吉太郎君 ただいま議題となりました道路交通取締法の一部を改正する法律案に関し、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  本案は、現行の道路交通取締法中、交叉点における自動車の右折方法の例外規定、原動機付自転車の運転資格に関する規制の簡易化、無軌條電車の運転用法に関する規定の新設その他に関し所要の改正を行わんとするものであります。  本案は、昭和二十七年三月二十七日本委員会に付託せられ、三月二十九日、斎藤国家地方警察本部長官から提案理由の説明を聽取した後、数回委員会を開き、慎重審議をいたしました。委員会では、踏切り事故防止のため、車馬ばかりでなく、人も一旦停止するよう注意規定を設けたいという意見もありましたが、諸般の事情から、今回はこのまま原案に手をつけないことといたしました。  かくして、四月十七日質疑を打切り、五月十三日討論の後、採決の結果、多数をもつて原案の通り本案を可決すべきものと議決いたした次第であります。  右御報告いたします。(拍手)     〔「いつから左側を通させるのだと呼び、その他発言する者あり〕
  34. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 林君、静粛に。  採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  35. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十三分散会