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1952-03-31 第13回国会 衆議院 本会議 第28号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年三月三十一日(月曜日)
議事日程
第二十七号 午後一時
開議
第一
国家公務員共済組合法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
) 第二
国家公務員等
の
旅費
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
) ————————————— ●本日の
会議
に付した事件
日程
第一
国家公務員共済組合法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
日程
第二
国家公務員等
の
旅費
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
(
内閣提出
)
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
に関する
法律案
(
内閣提出
) 午後二時十三分
開議
林讓治
1
○
議長
(
林讓治
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
林讓治
2
○
議長
(
林讓治
君)
日程
第一
国家公務員共済組合法
の一部を改正する
法律案
、
日程
第二、
国家公務員等
の
旅費
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
大蔵委員長佐藤重遠
君。 〔
佐藤重遠
君
登壇
〕
佐藤重遠
3
○
佐藤重遠
君 ただいま
議題
となりました
国家公務員共済組合法
の一部を改正する
法律案
外一
法律案
について、
大蔵委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を御
報告
申し上げます。 まず第一に、
国家公務員共済組合法
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。この
法律案
は、
国家公務員共済組合
の
保健給付
の
支拂い
の
適正化
かはかるため、
組合員
に対する
療養費
の
現金支拂い
を制限し、
大蔵大臣
に対して
医療機関
に対する
検査権
を與えるとともに、
哺育手当金
及び
埋葬料
の
最低額
をそれぞれ四百円及び六千円に増額することといたし、また
療養
の
給付期間
が
経過
したときには
傷病手当金
の
支給
を打切ることといたしますほか、
組合員
が
組合
に対して
支拂
うべき金額を
俸給
その他の
給與
から差引く制度を新たに設ける等、所要の改正をいたそうとするものであります。
本案
につきましては、
審議
の結果、一昨二十九日、
討論省略
の上、採択いたしましたところ、
起立
多数をも
つて
原案
の通り
可決
いたしました。 第二に、
国家公務員等
の
旅費
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。この
法律案
は、最近の
経済事情
にかんがみまして、
国家公務員等
の
旅費
は引上げを必要とする状況にあるのみならず、近く
平和条約
の
発効
に伴いまして
外交
が再開されることになりますので、この際実情に適合するように
内国旅費
及び
外国旅費
の定額を改訂増額いたし、あわせて
規定
の整備をはかろうとするものであります。
本案
につきましても、
審議
の結果、一昨二十九日、
討論省略
の上、採決いたしましたところ、
起立
多数をも
つて
原案
の通り
可決
いたしました。 以上、簡單でございますが、御
報告
申し上げます。
林讓治
4
○
議長
(
林讓治
君) 両案を一括して採決いたします。両案の
委員長
の
報告
はいずれも
可決
であります。両案を
委員長
の
報告
の通り決するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
林讓治
5
○
議長
(
林讓治
君)
起立
多数。よ
つて
両案とも
委員長報告
の通り
可決
いたしました。 ————◇—————
福永健司
6
○
福永
健司君
議事日程追加
の
緊急動議
を提出いたします。すなわち、
内閣提出
、
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
、
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
に関する
法律案
、右両案を
一括議題
となし、この際
委員長
の
報告
を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
林讓治
7
○
議長
(
林讓治
君)
福永
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
林讓治
8
○
議長
(
林讓治
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて日程
は追加せられました。
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
、
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
に関する
法律案
、右両案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
外務委員長仲内憲治
君。 〔
仲内憲治
君
登壇
〕
仲内憲治
9
○
仲内憲治
君 ただいま
議題
となりました
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
及び
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
に関する
法律案
につきまして、
外務委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を御
報告
申し上げます。 まず第一の
法案
は、三月二十二日、
内閣
から
衆議院
に提出され、本
委員会
に付託されましたので、二十五日、二十八日及び三十一日の三回にわたり
委員会
を開き、
審議
をいたしました。
政府側
の
説明
によりますれば、
日本国
との
平和條
約はきわめて最近の機会に
効力
を
発生
いたす見込みであり、すみやかに
在外公館
を諸
外国
に
設置
する必要がありますので、
外務省設置法
の
規定
によりまして
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
を提出することといたしたいというのであります。 この
法案
の
内容
は、
在外公館
の
名称
及び
位置
を表にして
規定
しておりますほか、特別の
條文規定
はございません。すなわち、
大使館
二十一、
公使館
十八、総
領事館
十一、
領事館
六を掲げてありますが、いずれもその配列は、米州、アジア、欧州の順序により、それぞれ北から南に、その場所に従
つて
定めております。 なおここに注意すべきは、これらの総計五十六に上る
在外公館
が、
平和條
約の
発効
と同時にただちに
設置
されるものではなく、その
設置
される国と
わが国
との間に
平和関係
が回復いたし、
在外公館
を相互に
設置
することについて話合いがついたものについてのみ実際上
設置
されて行くという点であります。 さらにもう一点は、これらの
在外公館
の長は、必ずしも各館に一人ずつ置かれるものではなく、
隣接国
の
在外公館長
に兼任されるものもあり、さらに
事情
によ
つて
は、全然
館長
すらも派遣せず、法制上のみ
設置
して、
館長
以下
館員
を
隣接国
の
館長
や
館員
に兼任させるものもあるということであります。 またこの
法律
が、
日本国
との
平和條
約の
最初
の
効力発生
の日から施行される旨を定めておりますが、
最初
の
効力発生
の日に同條約を批准していない国、あるいは同條約の
署名国
でない国につきましては、別に
政令
で定める日から、その国に置かれる
在外公館
の
設置
も具体化するようにな
つて
おります。従いまして、
日本国
との
平和條
約の
最初
の
効力発生
の日においては、そのときに同條約を批准しておる国に置かれる
在外公館
のみがとりあえず
設置
され、その他の国につきましては、
政令
で
随時効力
を生じさせて行く仕組みとな
つて
おります。 次に第二の
法律案
は、三月二十八日、
内閣
から
衆議院
に提出され、本
委員会
に付託されましたので、三月二十八日及び三十一日の二回にわたり
委員会
を開き、
審議
をいたしました。
政府側
の
説明
によりますれば、
日本国
との
平和條
約の
効力
の
発生
に伴い、
わが国
と諸
外国
との間に正常なる
外交関係
が回復いたし、諸
外国
に大
公使館
や
領事館
が
設置
されまして、大
公使
以下多数の
外務公務員
が
在外公館
に勤務することとなるのであります。これら
外務公務員
に
支給
いたします
給與
につきましては、他の
国家公務員
と異なり、
外国
に勤務するために必要な特殊の
給與
が必要であり、さらに
給與
の
支給方法等
につきましても
特例
を定める必要があり、反面、他の
国家公務員
に対して
支給
している
給與
中、
支給
の必要のないものもある次第であります従いまして、現在地行されております
特別職
の
職員
の
給與
に関する
法律
及び
一般職
の
職員
の
給與
に関する
法律
の
特例
を定めますとともに、
在外公館
に勤務する
外務公務員
に対して
支給
する特別の
給與
について
規定
いたします
給與法規
の必要を生じ、
政府
はこの
法律
を制定したいというのであります。 その
内容
の主要な点をあげますれば、一、
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
について、
特別職
及び
一般職
の
職員
の
給與
に関する二
法律
の適用に関する
特例
並びに特別の
給與
につき
規定
しておること、二、
給與
の種類に関して、大
公使
の
給與
は
俸給
、年末
手当
、
在勤俸及び加俸
とし、その他の
在外職員
の
給與
は
俸給
、
扶養手当
、年末
手当
、
在勤俸
、
加俸
及び
特殊語学手当
とし、
在外職員
のみに定められた
給與
のうち
在勤俸
については、物価、
為替相場
、
生活水準等
を勘案して
所在国
または
所在地別
に定めており、
加俸
については
配偶者加俸
、
館長代理加俸
及び
兼勤加俸
とし、その
支給額
はそれぞれ
在勤俸
の十分の四、十分の二及び十分の一として定めておること等であります。 両案について
質疑応答
が行われ、
討論
に入り、
共産党
の
林委員
及び
労働者農民党
の黒田委員かち
反対
の
意見
が述べられ、採決の結果、多数をも
つて
両案は
原案
の通り
可決
せられました。 右御
報告
申し上げます。(
拍手
)
林讓治
10
○
議長
(
林讓治
君)
討論
の通告があります。これを許します。林百郎君。 〔林百郎君
登壇
〕
林百郎
11
○林百郎君 私は、ただいま
議題
にな
つて
おります
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
と、
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
に関する
法律案
の二案に対して、
共産党
を代表して
反対
の
意見
を述べる次第であります。 われわれ
日本
の
国民
が、
日本
の
極東並び
に国際的な
位置
からいいまして、
全面講和
によ
つて日本
の平和と独立を確保したいということは、全
日本
の
国民
の熱願であつたのであります。ところが、
吉田内閣
は、この
国民
の意思を無視しまして、今や
單独講和
を締結すると同時に、この
日米單独講和
の
方針
を、打ちこわすことのできない既成事実としてつくり上げようとしているのであります。この
方針
の具体的な現われが、この二つの
法案
とな
つて
出ているのであります。たとえば
在外公館
の
名称
及び
位置
を定める
法律案
を見ますと、
日本
が
在外公館
を置く国は、すべて
アメリカ
の支配あるいは
アメリカ
に協力する国だけであ
つて
、
中国
、
ソビエト
あるいは
東ヨーロツパ
の
諸国
、
人民民主主義諸国
には全然
日本
の
外交関係
は杜絶され、ここには
一つ
の
在外公館
も設けられておらないのであります。 それのみではなく、さらにわれわれが注目すべきことは、今
民族
の熱望として
統一政府
をつくろうとしている国々において、まつたく
アメリカ
の——にすぎないところの
政権
である
大韓民国
へ
日本国
の
大使館
を設ける、また
西ドイツ
のボンに
大使館
を設ける、
台湾
の
台北
に
大使館
を設けようとしているのであります。かくのごときは、明らかに
日本
の
外交方針
がまつたく向
米一辺倒
とな
つて
、その
傀儡
であるものは、
亡命政権
であろうとも、これに大使を送ろうとしているのであります。 このことは、すでに最近問題にな
つて
おりますこの向
米一辺倒
の現われが、
日本
の
政治経済
にいかなる危機を及ぼしているかということは、最近起りましたところの大阪の
綿紡績
の暴落に見ても明らかであります。すでに
資本家
の
陣営自体
ですら、
中国
、
ソビエト
あるいは
東ヨーロッパ
と
通商関係
を開かなければ
日本
の
経済
の再建は困難だということを、
吉田政府
に進言をすらして中る
状態
にな
つて
いるのであります。ところが、
吉田内閣
の
外交方針
は、明らかにこの要求を無視している。すでに
吉田内閣
は、そのよ
つて
立つ基盤であるところの
資本家
の
陣営
をすら裏切り、この
陣営
からすら見放されようとしているのであります。 その次に重要な問題は、この
大韓民国
へ
大使館
を設けるとか、あるいは
西ドイツ
へ
大使館
を設けるとか、
台北
へ
大使館
を設けるということによ
つて
、これらの
民族
の
悲願
であるところの
民族
の
統一
、
統一政権
をつくりたいという
民族
の
悲願
を妨害するのみではなくして、その
民族
に対して————を行
つて
おるところの—————を行
つて
おるところの
アメリカ
の——————に、火に油を注ぐような
政策
の現われがこの
一つ
なのであります。(
拍手
)このことは、明らかに他の
民族
に対する重大な
内政干渉
であるのみではなくして、この
民族
の抗争と、この
民族
の悲惨なる
状態
をますます激化させるという結果になるのでありまして、われわれは国際的な信義の上から言いましても、このようにまつたく
アメリカ
の
傀儡
となり下
つて
しま
つて
、他の
民族
のいかなる悲惨な
状態
に対しても目をおお
つて
、この
傀儡政策
を実現しようとする
吉田内閣
の
政策
並びにこの
政策
から出ているところのこの両
法案
に対しては
賛成
できないのであります。 このことは、單に
朝鮮
だとか、あるいは
中国
だとか、ドイツの
民族
の問題ではないのであります。やがては、これが振り返
つて
来て
日本民族
の問題になるということは、
大韓民国
に
大使館
を設ける、
台湾
の
台北
に
大使館
を設けることによ
つて
、あるいは
西ドイツ
に
大使館
を設けて
外交関係
を持つことによ
つて
、さらにこれが一歩深ま
つて
、
北太平洋同盟
をつく
つて
、
日本
と韓国と
国民政府
は、これは
運命協同体
だ、いずれかの一国の
治安
が乱されたときには、
日本
の
治安
が乱されたこととして、
日本
がこれに戦争の協力をするという安全保障とりきめの第一歩であることは明らかであるのであります。すなわち、われわれは
大韓民国
に
大使館
を設ける、
台北
に
大使館
を設ける、これによ
つて
、将来は
日本
が
朝鮮戰争
と
台湾
の
解放戰
に、自動的に
アメリカ
の圧力によ
つて
介入させられるという、恐るべき
戰争準備
の
法案
であるということを、私は言わざるを得ないのであります。
諸君
、現に
国際連合
で、
朝鮮
の
細菌戰
に
日本
の戰犯が協力しておるということが、重大な問題として論議されておるのであります。
外務委員会
で、
政府
にこれに対する責任を追究したところが、まつたくこれに対して責任ある答弁ができないのであります。ということは、陰に陽に、か
つて
の関東軍の
細菌戰
の
権威者
を
アメリカ
と協力させて、
朝鮮
の
細菌戰
に直接
間接日本
が介入しておるということであり、これは否定できない事実だと、われわれは判断せざるを得ないのであります。このことが国連で重要な問題にな
つて
おるにもかかわらず、
政府
は一言も
弁明
ができないではありませんか。
弁明
ができない
日本
が、事新たに、またここに
大使館
まで設けて
外交関係
を結ぼうとすることは、明らかに
日本
がすでに
朝鮮戰争
、
台湾
の
解放戰
に介入しておるということを示すもので、これは否定できないと思うのであります。
諸君
、最近の新聞を見ますと、
沖縄
に
原爆
の
基地
が設けられようとしておる。
アメリカ
の
空軍参謀
の話によると、
沖縄
は
極東
における
原爆
の
基地
としては最も優秀な
基地
だと言
つて
おるのであります。
日本
の
沖縄
に
原爆
の
基地
が設けられるということは、やがては
日本
がまた
原爆
の
被害
をこうむらなければならないということを暗示しておるもので、これは三才の童子といえども明らかにわかることであります。 今や、
吉田内閣
の向
米一辺倒
の
政策
は、再び
日本
の
国民
の上に
原子爆弾
の
被害
をもこうむらせようとしておる。この残虐きわまる
吉田内閣
の
政策
並びにこの
政策
に基くこの二
法案
については断固
反対
するのであります。 念のために申し上げておきますが、
在外公館
に勤務する
外務公務員
の
給與
は、驚くことなかれ、
日本
の
法律
ではありますが、給料はみんな
ドル
で表示されております。
日本
の
役人
に拂う金であつたならば、なぜ
ドル
を
日本
の円に換算して、せめて
日本
の
法律
には円ぐらいを書いておかないのですか。
日本
の
役人
に拂う金が
ドル
でなければ表示できないということは、
日本
の国がまつたく
アメリカ
の
植民地
にな
つて
おるということである。
諸君
は国会では大きな顔をしておるけれども、しかし
日本
の
国民
や
資本家
までが
諸君
の向
米一辺倒
にはあきあきしておるということを、やがて思い知らされる日の来ることを警告して、私の
討論
を終ります。
林讓治
12
○
議長
(
林讓治
君) これにて
討論
は終局いたしました。 両案を一括して採決いたします。両案の
委員長
の
報告
はいずれも
可決
であります。両案を
委員長
の
報告
の通り決するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
林讓治
13
○
議長
(
林讓治
君)
起立
多数。よ
つて
両案とも
委員長報告
の通り
可決
いたしました。 —————————————
福永健司
14
○
福永
健司君 参議院からの
回付案
を待つため、この際暫時
休憩
されんことを望みます。
林讓治
15
○
議長
(
林讓治
君)
福永
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
林讓治
16
○
議長
(
林讓治
君) 御
異議
なしと認めます。 この際暫時
休憩
いたします。 午後二時三十四分
休憩
————◇————— 午後四時二十九分
開議
林讓治
17
○
議長
(
林讓治
君)
休憩
前に引続き
会議
を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会