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1952-03-20 第13回国会 衆議院 本会議 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十日(木曜日)  議事日程 第二十一号     午後一時開議  第一 屋外広告物法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣提出参議院送付)  第三 昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に関する特別措置法案關谷勝利君外一名提出)  第四 失業保險法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 国立学校設置法の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した事件  国家公安委員任命につき同意の件  国民政府と條約交渉経過に関する緊急質問並木芳雄提出)  日程第一 屋外広告物法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣提出参議院送付)  日程第三 昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に関する特別措置法案關谷勝利君外一名提出)  日程第四 失業保險法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 国立学校設置法の一部を改正する法律案内閣提出)   外務公務員法案内閣提出)   千九百四十六年十二月十一日にレーク・サクセスで署名された議定書によつて改正された麻薬の製造制限及び分配取締に関する千九百三十一年七月十三日の條約の範囲外の薬品を国際統制の下におく議定書への加入について承認を求めるの件  船員保險法の一部を改正する法律案内閣提出)  公益事業令の一部を改正する法律案神田博君外二十七名提出)  松くい虫等その他の森林病害虫駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案千賀康治君外二十三名提出)     午後二時十一分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。内閣から、国家公安委員花井忠君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて同意するに決しました。(拍手)      ————◇—————
  5. 福永健司

    福永健司君 議日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、並木芳雄提出国民政府と條約交渉経過に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
  6. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  国民政府と條約交渉経過に関する緊急質問を許可いたします。並木芳雄君。     〔並木芳雄登壇
  8. 並木芳雄

    並木芳雄君 私は国民政府と條約交渉経過に関する緊急質問を行いたいと思います。  まず私は端的にお聞きいたします。なぜ政府国府との條約交渉経過をみずから進んで国会報告しようとしないのであるか、なぜ交渉が遅れているかという点であります。私は、外務委員会などで、個々の問題については政府当局質問をしております。それに対して政府としても答弁はしておりますけれども、ただ質問する点にぽつりぽつりと答えているだけであつて、一向に大局的核心に触れて参らないのであります。当然、この重要な問題を政府国会を通じ、国民の前にみずから積極的に報告すべき義務があり、また訴える熱意を持つべきであると思うのでありますけれども、この点が欠けておることをはなはだ遺憾といたすものであります。民主外交どころか、依然として独善的な秘密外交に終始しておる点を私どもは残念に思うのであります。(拍手)  吉田首相外務大臣は、ダレス氏には手紙を書いて、国府と條約を結びますと言つておりますけれども、大切な御主人である日本国八千万国民には知らぬ顔をしておるのであります。一体政府は、だれのために国府との條約を結ぶつもりなのであるか。国府を選ぶか、中共を選ぶかということは日本にまかされ、日本が独自の見解から結論を出すことになつていたのであります。これは、一つ中国の中に二つの政権が存在するという微妙な状態に直面しておるためでありまして、その決定は日本としては愼重にすべきであることは、政府自身もしばしば言明をしておつたところなのであります。しかるに、国民意思を問うことなく、すなわち国会了解を得ることなしに、突如として、吉田茂氏の名において、ダレス氏に対し手紙をもつて意思表示をしてしまつたのであります。私どもは、これまたさいが投げられたという感じを抱くものであります。事のあまりに重大なために、当時わが党からも政府に対し質問をしたのでありますけれども、的確な答弁を得られておりませんでした。われわれはまことに残念に思います。最初から合点の行かない点、ふに落ちない点が多いままに出発をしておる。それがさらに、その後の経過について政府のとつておる態度を見ますと、いよいよ疑惑を深めざるを得ないのであります。政府は一体どのようなな交渉をしておるのであるか、ここにその経過を明らかにしてもらいたいのであります。  問題になつておると称せられる賠償の点についてはどうなつておるのか、問題になつておる領土の事柄については一体どういうふうになつておるのであるか、伝えられる安全保障條約というものは一体どういうものなのか、私どもには皆目その実体がつかめないのでありますけれども、それらの点を明らかにしてもらいたいのであります。また條約の名称はどういうふうにきまつたのであるか、またこの條約は平和條約第二十六條にいうところの二国間の條約であるのかないのか、これもはつきりいたしておらないのでありますから、この際政府は、われわれの前に、本会議場を通じて明らかにしてもらいたいのであります。  これらの点をあげて行けば切りがありません。もとより、私どもは何も積極的な報告を受けておらないのでありますから、新聞その他の報道にまつ以外は質問の仕方がないわけでありますけれども、こういう点を明らかにして国民の納得を得ることが最も重要な段階に来ておると思うのであります。交渉が遅れておる一つの理由として、政府全権人選を誤つたのではないかと思われますけれども、はたして適当な全権人選が行われたのであるかどうか。幸いに、倭島局長が最近台湾から帰つて来ております。その報告を受けられたと思いますので、これらの点もあわせて御説明願いたいと思います。  最後に承つておきたいことは、国民政府を選択することによつて生ずる影響はどういうふうになつておるか、この点であります。英国では、日本のとつた態度を遺憾として批判が下されておるとの報道もございます。英国における輿論はどうなつておるか。トルーマン大統領チャーチル首相との会談で国府を選択する問題が討議され、了解成立しておるのであるかどうか。この点もお伺いしたいのであります。また、今度国府と條約を締結することによつて、将来中共政権とはどんなことがあつても條約を結ばないということになるのかどうか。われわれとしては、中国四億の国民との友好を持続して行きたいということは、かつてこの壇上から、同僚の小川議員政府に要望した点でございます。ダレス氏あての手紙には、国民政府支配下に現にあり、または今後入るべきすべての領域に適用があるものとしている。この文面からいたしますと、吉田氏は、あたかも国民政府中国本土反攻を予想しておるかのごとき感を與える文字を使つておるのであります。これを悪く解釈しますと、衣の下からよろいをのぞかせておるような感じを抱かせるのでありますけれども、かくのごとき観念をもつて條約を締結するといたしますならば、中共ソ連などに対する影響というものも考慮しなければならないのでありますが、中共ソ連などの動きについて政府はどういうふうに調査し、観測をしておるか、明らかにしていただきたいと思います。  そういう方面影響のみならず、台湾の八百万住民は、必ずしも蒋介石政権ぴつたりしておらないという報道もあるのであります。われわれとしては、国府台湾住民とは一心同体であることを前提として今度の條約を政府は締結しようと努力しておるものとばかり思つてつたのでありますけれども、伝わる報道によりますと、台湾には独立同盟というようなものができて、必ずしも蒋介石政権を支持しておらない。もしそうだとすると、われわれがせつかく国府と條約を結ぼうとしても、台湾住民八百万人との間の條約にはならないのであつて、下手をいたしますと腹背に敵を受けるようなはめに陥らざるを得ないのでありますけれども、そういう点について政府十分影響を考慮しておるかどうか。事態はまことに微妙であります。この複雑な條件を冒して條約を結ぶべく交渉をしているのに、それが春日遅々として進まないとするならば、政府責任はまさに重大であると言わざるを得ない。(拍手)  われわれの観念としては、国民政府日本政府の呼びかけに対して、待つていましたとばかりにこの條約締結に熱意を示し、日本側提案條件がそのままいれられるものとばかり予期しておつたにかかわらず、反対国民政府側が受けて立ち日本側が押されぎみとあつては、まつたく痛しかゆしの念を禁ずることができません。あまりに話がはかどらず、日本提案がいれられないようであるならば、一応交渉打切つて、しばらく事態の推移を静観することも一方法であろうかと思いますけれども、この点についての政府のお考えをお聞きしたいと思います。そうではなくて、必ずこの條約は近いうちに成立をするというものであるならば、一体いつ調印の運びになる予定であるか、政府の所信と見解をこの際明らかにせられんことを求めまして、私の緊急質問を終りたいと思います。(拍手)     〔国務大臣岡崎勝男登壇
  9. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) お答えいたします。  交渉経過国会報告しろというお話でありますが、ただいま話合い中でありまして、私は、どこの国でも、交渉中に、まだ決定しない問題について、内容国会報告したという例はないと思つております。但し、でき得る限りは御説明するのが当然でありまして、国府との交渉の原則的の考えは、吉田総理からダレス氏にあてた手紙について繰返し国会で申しておつたような次第であります。もつとも、原則的にどういう点かというお話もありますから、一部申し上げますと、考え方としては、中国側はできるだけサンフランシスコ條約の條項そのままの條約をつくりたい、こう考えて、いろいろ案をつくつておるのであります。日本側としましては、原則的にはそうであろうけれども国民政府現実に統治をしておる範囲は限られておるものでありますので、この現実事態を無視することはできないというわけで、双方の主張がどちらに重きを置くか、サンフランシスコ條約に重きを置くか、それとも現実事態重きを置くかというところで、多少食い違いがあるのであります。しかしながら、交渉は決して遅れておるというわけではありませんので、もうずつと前から——中国との交渉というものは相当長くかかるのでありまして、今の予定では、決して長くかかつておるというわけではないのであります。  なお英国側その他の影響をお考えのようでありますが、英国側もそれぞれ立場はありましようし、議会ではいろいろな議論もあるようであります。しかしながら、これは日本側が自発的にとつた措置であるということについては承知しておると考えております。  それから、中共とは永久に條約等は結ばないのか、こういうお話でありますが、これは吉田総理の書簡にもありますように、いろいろただいま中共政府と條約を結ぶについての障害があるのであります。しかし、この障害が全部なくなつて、まつた態度を改めるということになれば、それは平常状態に入ることができるのであります。  なお、今後国民政府の治下に入るべき地域というような文句がある、これはおかしいじやないかというお話でありますが、これは通例こういう場合に用いる文句でありまして、別に他意はないのであります。繰返して申しますれば、これが将来国民政府大陸進攻を予期しておるのだというようなことは全然ないのでありまして、普通こういう文字を使うのであります。  それから台湾の内部の治安はどうかということでありますが、台湾地方は食糧が相当に豊富でありまして、その関係もありましようが、治安はたいへんうまく行つておる模様であります。これは、倭島局長のみならず、現地に行つてつて来た人の一致した報告であります。  それから、交渉があまり長くなるならば打切つたらどうかというお話でありますが、今申した通り、決して長くないのでありまして、まだまだわれわれはかかると思つておりましたところ、だんだん話合いの結果、双方了解が進みまして、問題の点が非常に局限されて参つております。当然こういう話合いはもつと長くかかるくらいに思つてつたのでありますが、案外話合いが円満に進みつつあるというのが現状であります。それではいつの幾日に調印するかということになりますと、まだここで申し上げる段階には達しておりません。ただ、おそらくそう遠からざるうちにすべての問題が解決するであろう、こう考えております。(拍手)      ————◇—————
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第一、屋外広告物法の一部を改正する法律案日程第二、住宅緊急措置令等廃止に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員長松本一郎君。     〔松本一郎登壇
  11. 松本一郎

    松本一郎君 ただいま議題となりました屋外広告物法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本法律案内容は、第一点は、現行法におきましては、違反広告物に対して、美観風致の維持または公衆の危害防止の観点から、その除却その他の措置都道府県知事が命ずることができるようになつておりますが、違反広告物はおおむねその責任者が明らかでない場合が多いのでありまして、同法施行上支障が少くないのであります。従つて違反広告物責任者の不明なるときは、都道府県知事除却その他の措置をみずから行い、または委任した者に行わせることができるようにしたのであります。第二点は、広告物の規制に関する事務は、都道府県事務として、條例で定めるところによつて都道府県知事が行つておるのでありますが、この事務の一部を市町村長に委任できることとし、事務処理簡素化をはかつたのであります。  本法律案は、去る三月十一日建設委員会に付託され、三月十八日質疑を行いました。屋外広告物法薬事法による広告物制限との関連その他二、三の質疑がありましたが、本改正案はその趣旨妥当であるとして、討論を省略して採決に入り、全会一致をもつて原案の通り可決した次第であります。  続いて、ただいま議題となりました住宅緊急措置令等廃止に関する法律案について、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、去る二月十六日、本委員会に付託され、二月十九日より六回にわたり、慎重に審査いたしました。  住宅緊急措置令は、終戰直後混乱期にあたり、海外引揚者戰災者等住宅困窮者に応急に住居を確保する目的をもつて昭和二十年の十一月に制定されたものでありまして、その内容は、第一に、地方公共団体等遊休建物住宅に転用すること、第二に、余裕ある住宅所有者には、その一部を住宅困窮者に貸し付けるよう勧告または命令することにより当面の住宅難に対処せんとしたものであります。本措置により收容された世帶数は、第一の方法により九千九百戸、第二の方法により五万六千戸に及びましたが、昭和二十四年以降、住宅事情もようやく安定に向い、收容者も減少の一途をたどり、現在は一千七百戸程度になりました。従つて、今回この過渡的方法であつた住宅緊急措置令並びにこれに関連する住宅緊急措置損失補償委員会官制廃止せんとするものでありますが、使用権が設定された建物にいまだ收容されている若干の世帯に対しては、適当な立ちのき先を考慮して、これが円滑に移転されるような措置が必要であります。すなわち本案におきましては、一方、昭和二十八年三月三十一日までに、かかる建物居住者立ちのかせた上で、これを所有者に返還することを規定するとともに、他方、立ちのき先のない居住者に対しては公営住宅への優先入居を認めております。また建物原状回復が必要である場合においては、その費用の一部を国が負担せんとするものであります。  次に、本委員会における質疑応答の主要なものについて申し上げますと、第一に、現在においても都会地住宅難は解消されておらないが、公営住宅建設戸数は本措置による立ちのき者を收容するのに十分であるのかという点であります。これに対しては、当初の六万六千戸より現在の收容世帶は千七百余に減少している状態であり、かつ主として京浜地区に集中している関係から、来年度の公営住宅建設地をこの方面にできるだけ多く振り向けることによつて解決し得る見込みであるとのことでありました。  次に、公営住宅家賃負担にも耐えられない貧困世帯に対してはいかにするかという点でありますが、これに対しては、かかる世帯は全体の一割以下の百七十戸くらいと思われる、これらについては、生活保護法による家賃補助等の便宜を與え、かつ移転に際しては地方公共団体援助を求め、できるだけ無理のないようにしたいとのことでありました。  最後に、立ちのき予告期間が一箇月であり、明渡し請求期間が十日であるのは、一般借家法等に比して、居住者に対してあまりにも苛酷ではないかという点であります。これに対しては、今回の場合は法の成立とともにあらかじめ立ちのき先を決定してからこれらの措置がとられるのであつて、必ずしも苛酷とは言われないと思うが、取扱いについては十分愼重を期したいという答弁でございました。  次に討論に入り、自由党を代表して田中委員より、改進党を代表して村瀬委員より、日本社会党を代表して前田委員より、居住者立ちのきに際して政府は特別に温情のある措置を講ずること、また居住者住居費負担が急激に増大することのないよう十分配慮すること等の要望を付して、いずれも本案賛成されました。  続いて採決の結果、全会一致をもつて本案を可決いたした次第でございます。  以上、簡單に御報告申し上げます。御賛成をお願い申し上げます。(拍手)。
  12. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。池田峯雄君。     〔池田峯雄登壇
  13. 池田峯雄

    池田峯雄君 私は、日本共産党を代表し、住宅緊急措置全等の廃止に関する法律案に対し反対の論拠を宣明せんとするものであります。  住宅緊急措置令は、戰後住宅困窮者の圧力に押されて制定されたものでありまして、遊休建物余裕住宅等を強制的に住宅困窮者に開放することができることを規定しているのであります。もちろん、この法律は單なる見せかけだけでありまして、実際に遊休建物の強制收容されたものは、建物所有者数にして百六十五件、收容世帶数九千九百、きわめて微々たるものであります。また余裕住宅の開放にいたしましても、余裕住宅としての届出件数三十三万二千九百七十二件のうち、実際に開放させたものは五万六千九百件にしかすぎなかつたのであります。しかも、これらの入居者は、政府援助がまつたくないために、次々に立ちのきを余儀なくされまして、現に入居しておりますのは約七千世帶にしかすぎないのであります。しかるに、本法案は、住宅を建てる資金もなし、修繕する能力もないこの七千世帶に対して、残酷にも立ちのきを要求しているのであります。  そもそも日本における住宅不足数は、実に三百二十万戸であります。もし往復六時間以上の長距離通勤者を入れますならば、住宅不足数は四百万戸を上まわるものと算定されるのであります。しかも、人口の増加、結婚、分家等による住宅自然需要増加数は年間二十四万戸を数えるのであります。昭和二十六年度における住宅建築戸数は、民間資本による建築数を入れましてわずかに二十四万戸であり、自然需要増二十四万戸をかろうじて補つているにすぎないのであります。従つて、四百万戸の住宅不足数は少しも減少しないばかりでなく、災害その他による自然減耗計算に入れますならば、毎年約八万戸ずつ住宅不足数増加するという結果になつておるのであります。政府住宅建築三箇年計画によりますと、三箇年にわずか十八万戸の住宅を建設するというのでありますが、三年後における住宅不足数は四百二十四万戸になる計算でありまして、まさに九牛の一毛と申さなければなりません。しかも、昭和二十七年度予算による公営住宅建築戸数はわずか二万五千戸でありまして、政府の三箇年十八万戸建設計画それ自体はまつた架室の数字であることを暴露しておるのであります。  かかる状態において、七千余世帶の住宅のない人たちは、一体どこに安住の場所を求めんとするのか、きつねにも穴がある、空飛ぶ烏にも巣がある。しかし人間の子が住む家がないという状態に追い込まれる。これを一体政府はどう考えるのであるか。私は、強制收容せる遊休余裕住宅に住んでいる、これら七千世帶の人たちを無理やり追い出そうとする本法案に対して絶対反対するばかりでなく、さらに大幅に住宅緊急措置令を発動して、遊休余裕住宅を、四百万世帶に上る住宅なき人人に積極的に開放すべきであるということを主張するものであります。(拍手)たとえば吉田総理大臣の大磯の別荘のごときは、第一番に住宅のなき人人に開放すべきであると主張するものである。(拍手)さらにキヤバレー、遊廓、別荘、富豪・貴族の邸宅、大料理店ホテル等に対して住宅としての使用権を設定する必要があると私は主張するものであります。これをなさずして、どうして四百万戸の住宅不足を緩和することができましようか。四百万戸の住宅不足、しかも毎年八万戸ずつ増加するこの絶対的な住宅不足を一挙に解決する方法は、これ以外に絶対にないのであります。  もし、このことが建物所有者に対してかわいそうだというならば、政府はただちに四百万戸の住宅を建設するための予算的措置をとるべきである。しかるに、昭和二十七年度予算における警察予備隊の兵舎をつくる建設費は百三億円、公営住宅予算は四十七億円、十一万人の兵隊のために百三億円、四百万世帶の住家なき国民のためにはわずか四十七億円じやないか。これが実に売国吉田内閣の政策である。(拍手)アメリカの——として青年を肉彈に供しようとする残忍、酷薄、破廉恥きわまる吉田政府のもとにおいては、住宅問題は絶対に解決し得られないのだということ、このことを最も端的に物語つていると思うのであります。(拍手)  さらに私は、今、住宅不足の、單に量の問題についてのみ論じ来つたのでありますが、さらに問題を深く論及するならば、質の問題について論じなければならないのであります。すなわち、政府公営住宅、あるいは融資住宅といいましても、一般勤労大衆がこれを利用し得る性質のものであろうかということであります。現に都営住宅におきましては、まず二箇月分の敷金と一箇月分の家賃を前拂いしなければ入ることができないではありませんか。しかも、家賃が一日でも滞納すれば、すぐさま追い出されることになつているのではありませんか。あるいは融資住宅にいたしましても、すぐさま頭金をそろえられる者は、少くとも労働者階級にはいないのでありまして、最も住宅を求めている勤労大衆にとつては、縁もゆかりもないものなのであります。  ところが、ソビエト同盟においてはどうであろうか。ソビエト同盟においては、公営住宅家賃は、ガス、水道代を含めて收入の五%を越えることができないようになつておる。戰傷者、遺家族のために国費によつて住宅建設をしている戸数は、白ロシヤ共和国だけで、実に二万三千戸の新築、二十五万五千戸の修築が行われているのであります。戰後、五箇年計画による復興新築住宅面積は一億平方メートルを越えているのであります。十坪の住宅として、実に三百万戸の住宅が国庫によつて建設されているのである。さらに戰後、農村における国庫の融資による個人住宅の建設は実に三百五十万戸に達しているのであります。年間二万五千戸という、みじめな、ごまかし政策の住宅建設とはまつたく比較にならないところの社会主義国の住宅政策を、諸君は一体何と考えるのであるか。  一九五一年度のアメリカにおける住宅建設は、戰争計画のために前年度より四六%も減少しておるのに反して、ソビエトにおいてはどんどん増加しておるという事実にこそ、いずれが真に平和を念願する国家であるかが、明々白々たる事実として、吾人をして心からうなずかしむるものがあるのではありませんか。(拍手)かかる平和のための建設に一切をあげているソ同盟を敵国呼ばわりし、侵略国呼ばわりし、これを口実にしてアジア侵略の再軍備をたくらむ吉田内閣のもとにおいては、住宅建設などということはまつたく思いもよらないことなんであります。  だから、私は、住宅緊急措置令廃止し、多くの家族の立ちのきを要求する本法案反対し、住宅のない四百万世帯のために、吉田首相の大磯の別荘を初め、遊休余裕住宅の積極的開放をすべきであるということを強く主張いたしまして、本法案反対のわが党の論拠を明らかにした次第であります。願わくは他党の諸君も、わが党の主張に、広く人道的な立場から賛同されんことを希望してやまない次第であります。(拍手)  なお屋外広告物法の改正につきましても反対でありますが、持ち時間がありませんから省略いたします。(拍手
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  15. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第二、昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に関する特別措置法案議題といたします。委員長報告を求めます。運輸委員關谷勝利君。     〔關谷勝利登壇
  17. 關谷勝利

    關谷勝利君 ただいま議題となりました昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に関する特別措置法案について、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案の趣旨並びに内容を簡單に御説明いたします。昨年十月に襲つたルース台風は、木船にも甚大なる被害を與えたのでありますが、御承知の通り、木船はわが国内輸送にきわめて重要なる役割を果しつつあるのでありまして、これが復旧の成否は、わが国産業の復興に影響するところ少くないのであります。よつて木船災害の復旧に要する資金の融資の円滑化をはかり、もつてこれが復旧を促進しようとするのがこの法案の目的でありまして、その内容の主なる点は、融資総額の限度を三億八千万円といたしまして、これについて政府は、融資ごとに年四分の利子補給を行いますとともに、融資機関ごとにその融資総額の三割以内の補償を行おうとするのであります。  本法案は、三月十四日、本委員会に付託され、翌十五日、提出者より提案理由の説明を聽取し、十八日質疑に入り、提出者と委員との間に質疑応答がとりかわされましたが、その内容会議録に讓ることといたします。  次に、討論を省略いたしまして、ただちに採決いたしましたところ、本法案全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決いたした次第であります。  右御報告を申し上げます。(拍手
  18. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第四、失業保險法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。労働委員長島田末信君。     〔島田末信君登壇
  21. 島田末信

    ○島田末信君 ただいま議題となりました失業保險法の一部を改正する法律案の、労働委員会における審査経過及び結果を報告いたします。  この改正案の要点は、失業保險の保險料率を三割引下げることと、保險料を滞納した場合に徴收する延滯金を免除する場合を拡大することの二点でございます。第一点の保險料率の引下げにつきましては、朝鮮動乱以後の雇用情勢を反映して、保險金の支出は一昨年以来漸次減少の傾向を示し、最近積立金の額は百十二億円に達しておりますので、将来の推移を考慮いたしましても、二割の保險料率の引下げは可能であるという見通しであります。次に第二点の延滯金の免除につきましては、従来、延滯金を免除する場合がきわめて限定されていましたが、国税徴收法の場合に準じてこれを拡大し、保險料について滯納処分の執行を停止し、または猶予したとき及び保險料を納付しないことについて、やむを得ない事情があると認められるときにも免除せんとするものであります。  本案につきましては、三月十四日政府より提案理由の説明を聞き、引続き審査を始め、十五日及び十八日に及びましたが、同日質疑打切り、討論に入りましたところ、自由党の船越弘君、日本社会党の前田種男君及び日本社会党第二十三控室の青野武一君は、それぞれ所属の党を代表して原案に賛成の意を表し、日本共産党の今野武雄君は反対しましたが、採決の結果、共産党を除く全議員をもつて本件は原案通り可決すべきものであると決定したのであります。  右御報告申し上げます。(拍手
  22. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。今野武雄君。     〔今野武雄君登壇
  23. 今野武雄

    ○今野武雄君 日本共産党は、日本の全労働者の立場から、この法案の裏面にひそんでおりまする吉田自由党政府の冷酷な、反労働者的、反社会的な政策に対して強く抗議をいたしまして、本法案反対するものであります。  ただいまの委員長報告では、この法案の要点が何であつたかがはつきりしないのです。元来、社会保障あるいは社会保險などは、健康保險の場合などもそうでございまするが、赤字になるのがむしろ当然なんです。現在のような生活の困難な、失業者が多数いるときに、失業保險が黒字になるということがそもそもふしぎなんです。ところが、その黒字になるだけではなくして戰後実に百五十二億に及ぶ厖大な積立金ができておる。しかも、この内容をさらに調べてみますると、昨年の一月から十二月までの間において、労働者並びに経営者から取上げた保險料は百四十八億でございまするが、そのうち実際に労働者に支拂われたものは百二十一億、実に剰余金が二十七億出ておるのでございます。これでは、営利会社の事業としてやつても十分もうかるのです。何のために国家でもつて租税の中から金を出してそしてこの失業保險を国営の仕事としてやつて行くか、まつたく意味をなさないのでございます。この点について、その百五十二億の積立金を一体どういうふうにするのか、そのことが実は問題なんです。それについて、一体政府は労働者に相談したことがあるか。失業者に相談したことがあるかというのだ。何も相談いたしません。  この法案の審議におきましても、自由党としましては、一日も早く上げたい、四月一日から実施するのだから急ぐのだ、こう言つて、少しも失業者の輿論というものを聞かない。その結果、労働省の官僚独善的なやり方をそのままのんで、そして機械的にこれを可決しよう、こういうことをやつておるのであります。  私は委員会において、十分その点についていろいろと抗議的な質問を行つたのでありまするが、これに対して、労働省としては十分な答えを與え得ない。しばしば答えに詰まつてしまつて、何も答えを與え得ないというようなありさまであります。この問題について、私は、委員会ではやむを得ない、しようがないから、わざわざ雨の中を鶴見に行つて調べて来た。労働者の輿論は何であるか、どうであるかということを急いで調べて参りました。  そうすると、たとえば鶴見造船の委員長は何と言つておるか。失業保險が、余つていると聞いて、驚き、あきれている。かつ憤慨しております。そして、それならば当然支給額を引上げるべきだ、もつと今までよりも支給額を多くすべきだ、それから支給期間は六箇月でなく、これをもつと延ばすべきである。そういうような意見を述べておりました。それからまた鶴見ドックという造船会社がございます。ここでは、給料が遅配のために、非常に労働者が苦しんでおる。ところが、その遅配された給料を分割拂いで、ごくわずかずつ拂われ、その拂われた分割拂いの中から、健康保險のたまつておる分——給料遅配ですから、健康保險も失業保險もたまつておる。そういうたまつておる分をごつそり持つて行かれるので、うちに持つて帰れるのは、またわずかになつてしまう。これじやどうにもならぬ。むしろ、われわれとしては、このような遅配という半失業状態になつていたなら、さつそくに失業保險を拂つてもらいたいものだ、そういうふうに規則を改正してもらいたい、こういう要求を述べておりました。  また、臨時工というのが最近増加しております。これは、たとえば鶴見造船で申し上げますと、三千名の労働者のうち、昨年は四百名であつたのが、今年は千名になつておる。しかも、造船技術というのは、そんなに臨時工ばかりではやつて行けないはずです。技術者が必要なはずです。專門家の意見を聞いてみると、臨時工の数は四分の一の限度を越えてはならないと言つておる。ところが、もうすでに三分の一を越えており、今後も増加する勢いにあるわけです。これは、鶴見造船のような、そういうところでそうなのでありますが、最近の軍需工場などは、ほとんどが臨時工である工場が多いのでございます。  ところが、この臨時工の諸君はどうであるかといえば、これは京浜間においては、もう初めのうちはまつたく失業保險から除外されておる。それで、これではいけないというので闘争して、ストライキなどやつて、初めて失業保險が認められる。こういうような状態になつているのであります。ところが、これは労働者が強い京浜であるからそうなるのでありまするが、地方の軍事基地あるいは軍需工場、こういうところにおいては、闘争などはなかなかできないところが多い。特にピストルや猟銃や鉄棒を持つて、二十人に一人とか、十人に一人とかいう番人がくつついて、組合運動などできないところでは、とてもそういう闘争は及ばないのであります。  こういうところにおける臨時工の諸君は、失業保險の掛金だけとられて、拂つてもらえないというような事件があつちこつちにあるのであります。特にその臨時工の諸君で、六箇月未満でやめた者——臨時工はたいがい一箇月とか二箇月とかの契約になつておりまするが、契約が継続されないで、六箇月未満でやめた者は、今まで失業保險の掛金を拂つていたのが全然むだになつてしまつて、今度は一挙に日雇いの失業保險になつてしまう。日雇いの失業保險になりますると、普通ならば六箇月もらえるのが、たつた十七日間しかもらえない。その金額も、百四十円とか百五十円とかのわずかなものになつてしまうのであります。こういうようなひどい取扱いをしておる。その諸君は、きのうの調べでは何と言つておるかというと、こう言つておる。二箇月でも三箇月でも勤めて、失業保險の掛金を出したら、せめてその分だけでも返してもらいたい、二箇月なり三箇月の失業保險だけでも拂つてもらいたい、こう言つておるのであります。  こういうふうに考えれば、ほんとうに失業しておる、あるいは失業せんとしている労働者の輿論を聞くならば、とうてい、こういう法案は出せない。それで、当然これは失業保險法を改正して、こういうような場合にも支拂いができるようにすべきであります。もつともつと範囲を広げるべきである。  特に最近、失業者が非常に多くなつております。今後も、たとえば紡績では四割の操短をやると言つておる。これもいずれは失業者になつて来て、黙つていればパンパンにならざるを得ないような女工さんが非常にたくさん出て来る。鉄鋼の方面でも、あるいはソーダ工業でも、その他でも、工場閉鎖とか、そういうところがどんどん出て参りまして、ヨーロツパにおける不況、あるいはインドにおける不況、軍備をどんどんやつておるにもかかわらず、アメリカにおいてさえも、どうも経済が思わしく行かないというような事態になつておる際、日本の経済の将来、または失業者の増加の趨勢というものは非常に恐るべきものがあります。しかも、失業しない者もみんな臨時工にどんどん切りかえられるおそれも出て来ておる。この際、このようにして失業保險の掛金を安くするという名目のもとに失業保險のわくを縮小しよう、こういうのが本法案の冷酷なるねらいである、こういうように考えて、ちつともさしつかえないと思うのです。昨日も、日雇い労働者の諸君は、このことを聞いて憤激しておりました。  ところが、これに対して、自由党の諸君はもちろんでありまするが、社会党の右派の人も、まるで自由党の諸君と同じである。それから左派の青野君も出ておりましたが、非常に同情しながら、やはりこれは社会党政策審議会の決定だからしかたがないというような言い訳を言つて、これに賛成しておられました。しかし、われわれとしては、やはり労働者の立場に立つて、このような冷酷な労働者に対する態度、ほんとうに困つている失業者、路頭に迷う人たちを犠牲にして、このような剰余金を出して、そしてこれをごまかし去ろうとするこの政府のやり方、自由党のやり方に対しては断固反対せざるを得ないわけであります。  以上簡單でありますが、反対討論を終ります。
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  25. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  26. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第五、国立学校設置法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。文部委員長竹尾弌君。     〔竹尾弌君登壇
  27. 竹尾弌

    ○竹尾弌君 ただいま上程せられました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、本法案の概要を御説明申し上げまするとともに、その審議の結果を御報告申し上げます。  まず初めに、この法案の要点を申し上げます。この法案で改正しようとする点は五点でございまして、第一点は、国立大学に包括されておりました旧制の学校中、專門学校、高等師範学校等二十九校が、教育制度の改革に伴いまして、昭和二十六年度限りで職員及び生徒の定員がなくなりますので、これを廃止するものでございます。なお御参考に申し上げますが、これで昭和二十七年度以降にも存続する旧制の大学は二十七校となるわけであります。  次に改正の第二の点は、国立大学の学部の新設でありまして、これは次の三つの学部であります。すなわち、北海道大学農学部獣医学科を北海道大学獣医学部といたし、茨城県立農科大学を茨城大学に合併して農学部といたし、岐阜県立大学工学部を岐阜大学に合併して岐阜大学工学部とするものでございます。  次に改正の第三点は、勤労青年の進学希望にこたえまして、次の三つの夜間の短期大学をそれぞれの大学に併設するものでございます。すなわち、小樽商科大学短期大学部、福島大学経済短期大学部、千葉大学工業短期大学部の三短期大学部であります。  次に改正の第四点は、大学に付属して設置されておりまする研究所を合併廃止とようとする点と、国立大学の教育学部とか、あるいは学芸学部とかに付属して設置しておりまする高等学校、中学校、小学校、幼稚園、それから教育の施設及び研究施設の設置を整備しようとする点であります。  改正の第五点は定員の改正でございまして、国立学校に置かれる職員の定員を昭和二十七年度予算に合せるものでありまして、改正後の定員は、国立学校を通じまして六万九百六十一名となり、前年度当初より千六百三十九名の減少となります。  以上は本法案の概要でございますが、本委員会におきましては、愼重なる審議を盡し、十分に検討いたしまして、討論を省略の上、採決の結果、全会一致をもつてこれを可決すべきものと決定した次第でございます。  右御報告申し上げます。
  28. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  30. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出外務公務員法案、千九百四十六年十二月十一日にレーク・サクセスで署名された議定書によつて改正された麻薬の製造制限及び分配取締に関する千九百三十一年七月十三日の條約の範囲外の薬品を国際統制の下におく議定書への加入について承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  外務公務員法案、千九百四十六年十二月十一日にレーク・サクセスで署名された議定書によつて改正された麻薬の製造制限及び分配取締に関する千九百三十一年七月十三日の條約の範囲外の薬品を国際統制の下におく議定書への加入について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。外務委員長仲内憲治君。     〔仲内憲治君登壇
  33. 仲内憲治

    ○仲内憲治君 ただいま議題となりました外務公務員法案につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本法案は、三月五日、内閣から衆議院に提出され、ただちに外務委員会に付託されましたので、三月十二日、十四日、十九日並びに二十日の四回にわたり委員会を開き、かつ三月十二日並びに十四日の二回にわたり外務・人事両委員会連合審査会を開き、愼重審議を重ねました。  政府当局の説明によりますれば、昨年九月桑港において署名調印されました平和條約の効力発生に伴い、わが国と諸外国との間に正常なる外交関係が回復いたし、国内においては各外国代表部との間に外交活動が行われるようになり、また国外においては、従来設置されております在外事務所にかわつて大公使館や領事館が設置されて、各所在国との間に外交領事事務を開始するようになり、外務省はその本来の機能を発揮することとなるのであります。しかるに、外務省に勤務する国家公務員のほとんどすべては、他の国内行政官庁において勤務する国家公務員と異なり、国際的な性格を持つておりまして、その人事行政は、本省勤務と在外勤務とを通じて一本にまとめた特殊なものとすることが、外交活動を民主的にかつ能率的に行うためにぜひとも必要なのであります。従いまして、国家公務員の中で外務省に勤務する者の特殊性を加味した身分関係法規の必要を生じ、政府はここに外務公務員法を制定し、国家公務員法の特例その他を規定し、もつて外交再開後における外交領事事務の運営を保障しようとするものであります。その詳細な内容につきましては、委員会議事録によつて御承知を願います。  次に委員と政府当局との間に行われました質疑応答の主要なものをあげますれば、第一、本法案は国家公務員法の重大な特例を規定したものであるとすれば、同法特例法として出すことが適当であると思うがいかんとの質問に対し、政府側は、本法案は実質的には特例法ともいうべきものであるが、その規定中には、大公使等の特別職に関する規定、その他名誉領事及び外人の雇用等の規定があるので、むしろ外務公務員法と名づけることに人事院当局との間に話がまとまつたとの答弁がありました。  第二、外務職員の官職の格付を広く外務大臣にゆだねることは人事院の方針をくつがえすものではないかとの質問がありましたが人事院当局は、外務職員の職種、職級は他の一般職の場合と同様に人事院が決定し、ただその格付をその職員の所轄庁の長にゆだねるのは国家公務員法の予想するところであつて、他の官庁においても、その程度の差はあれ、これを行つておることであり、その例は学校教員、裁判官、検察官等にもあり、外務職員の場合には、外国にある職員等の格付を人事院が行うことは困難であるためにこの特例を認めた次第であるとの答弁がありました。  第三、大使、公使の任免は国会の承認を求めることが適当ではないかとの質問に対しましては、政府側は、大公使は内閣のもとに外交事務を扱う行政官であり、国会の承認を要する人事官、会計検査官のような、内閣から独立して判定決定を行い得るものとは少し事情が違つておるので、国会の承認を求めることにするのは適切でないという答弁がありました。  第四、一般公務員と外務公務員との間に行われる人事の交流につき困難となることなきやとの委員の質問に対しまして、政府側は、本法案にも、財務、商務等外交領事事務に従事するために選考によつて外務職員に任命することができることになつており、また人事院規則によつても、転職等も自由に行われるようになつており、別に支障はないと思うとの答弁がありました。  第五、外務職員の外交機密漏洩による懲戒処分の場合に弁護人を選任することを認めないのは外務職員に過酷ではないかとの質問に対しまして、政府側は、本件はいわゆる裁判でもなく、これと同時に機密の漏洩によつて国家の重大な利益を毀損したという場合であるので特に非公開とし、また外交機密に属することであるから、関係者の範囲をなるべく少くしたいという理由もあるとの応答がありました。  これにて質疑応答を終了し、討論に入り、自由党の近藤委員、改進党の並木委員からそれぞれ賛成の意を表せられ、日本社会党の西村委員、日本社会党第二十三控室の武藤委員、共産党の林委員、労働者農民党の黒田委員からそれぞれ反対の意を表せられ、討論終結の後、採決の結果、賛成多数をもつて本案は可決せられました。  次に議題になりました千九百四十六年十二月十一日にレーク・サクセスで署名された議定書によつて改正された麻薬の製造制限及び分配取締に関する千九百三十一年七月十三日の條約の範囲外の薬品を国際統制の下におく議定書への加入について承認を求めるの件に関し、外務委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず本案件の承認を求めるために本国会提出いたしました政府当局の説明に基きまして、本件の概要について申し上げることにいたします。  本議定書は、一九三一年の麻薬の製造制限及び分配取締に関する條約を補足するものであります。すなわち、最近の薬理学及び化学の進歩の結果、中毒癖を生ぜしむることができる薬品、ことに化学的合成薬品でありまして、一九三一年の條約の統制の範囲外にあるもの、たとえばアミドン、デイメロール等が発見されましたので、これらの新薬をも国際統制のもとに置くために、この議定書が締結されたのであります。  本議定書は、国際連合の麻薬委員会事務局の協力を得て作成した草案に、社会委員会の意見を加えて、一九四八年八月三日に経済社会理事会において採択され、同年十月八日に総会の承認を受けたものであります。しかして本議定書は、同年十一月十九日にパリで署名のために開放され、翌年一九四九年十二月一日に所要の数の当事国ができて効力を生じておるのでありまして、本議定書の当事国の数は、一九五一年六月末日の現在において三十三箇国となつております。わが政府は、平和條約に関して二つの宣言をやつており、その第一の宣言の2におきまして、実行可能な最短期間内に、かつ平和條約の最初の効力発生の後一年以内に、この議定書に正式に加入する意思を有することを宣言しているのであります。従いまして、わが国は、本議定書第五條と第七條によりまして、受諾することによつて、また受諾の日の後三十日の期間満了した時に、本議定書の当事国となることになるのであります。わが国は、本議定書の当事国となりましても、現行麻薬取締法第一條の第二号、第三号及び第四号の規定を運用することによつて議定書の規定を実施することができますので、特に法令の改正を行う必要はないのであります。またわが国は、本議定書に加入することによりまして、麻薬の害毒に対し一層強力に防衛されることになり、また麻薬の分野において国際協力を促進することができることになるわけであります。  本件は、三月四日に本委員会に付託されましたので、本委員会は三月十二日、十四日、十九日、二十日にわたり愼重に審議を重ねました。その審議の内容については、これを委員会議録に讓ることといたします。  政府当局に対する質疑終了の後、討論を省略し、採決の結果、全会一致をもつて委員会本案件を承認することに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  34. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。林百郎君。     〔林百郎君登壇
  35. 林百郎

    ○林百郎君 私は、ただいま議題となつておる外務公務員法に対し、日本共産党を代表して反対するものであります。  反対の第一点は、本法案によりますと、大使、公使の任免はもちろん、選考による外務職員の任命制等によりまして、外務職員の任命の実権はまつた外務大臣に握られるばかりでなく、その官職の格付、身分の保障についても、すべて生殺與奪の権が完全に外務大臣の掌中に握られるという点であります、これは吉田——をもつて天皇制を外務省に設けるものでありまして、これは明らかに天皇制官僚機構の復活であります。このことは、やがて国家機構の軍事的再編成と相まつて日本の全官僚制度にまでこの天皇制的官吏機構を拡張せんとする先鞭をなすものでありまして、まことにワン・マン吉田総理の望むフアツシヨ態勢を法制化した以外の何ものでもないのであります。(拍手)  たとえば第十六條査察制度の法制化のごときでありますけれども、これは最もいい例であります。すなわち外務大臣は、在外公館の事務が適正に行われているかどうかを査察させるために、密使としてみずから選任した査察使を海外に派潰し、外務大臣はその査察使の報告に基いて、必要な措置をとるという制度であります。これは外務大臣独裁権の強化のスパイ制度以外の何ものでもないのであります。ことに吉田外相のごとく側近政治をたくらむ人物が外務大臣となるときには、査察使には自己の側近者を用いることは、これは当然予想されるのであります。自己の側近者を査察使に用いることによつて在外公館に圧力を加えるならば、外交はまつた吉田一家の私物となり、良心的な、硬骨漢的な外交官はしりぞけられて、ひたすら吉田外務大臣の意を迎え、鼻息をうかがうことにこれ努める茶坊主的な外交官のみが用いられるこのことは、ひいては日本の外交をあやまたしめ、国威をはずかしめる結果となるのであります。このような、外交を一外務大臣の独裁にまかせ、その私物と化す道を法制化し、今日再び新たな天皇制的官僚機構の復活を意図する本法案に対しては、わが党はまず第一にこの点について反対するものであります。  反対の第二の点は、本法案によりますと、従来の吉田秘密外交をまつた法律的に合法化しておるのであります。たとえば第二十七條によりますと、秘密を漏洩した外務公務員は一年以下の懲役、三万円以下の罰金に付するとあるのでありますが、さらに第十九條によりますれば、秘密を漏洩することによつて国家の重大な利益を毀損したときには懲戒に付する。それに不服な者は人事院には提訴することができない。外務大臣審査の請求をしろとある。当該懲戒処分をした外務大臣に請求しろという。そして、この請求を受けた外務大臣は、これを外務人事審議会の調査と判定にまかせるとあるのであります。ところが、この懲戒処分を受けた外務公務員の救済機関であるところの外務人事審議会の委員は五名でありますけれども、その過半数である三名は、懲戒処分に付した当該本人たる外務大臣が任命した人であります。これであつては、いかに人事審議会があろうとも、これはまつたく形式的なものであつて外務大臣の思うままに懲戒処分に付することができるのでありまして、しかも驚くことには、この審議会の審議は、まつたく弁護人も付することもできなければ、非公開で秘密裡に審理をするというのであります。これではまつたく封建時代の切捨てごめんの大名と家臣の関係であつて、民主主義も何もないのであります。かくして、良心的、民主的な外務公務員は、秘密漏洩の名のもとに、何らの救済の道もなく追放されてしまうことは明らかであります。  しかも、われわれがここで最も重視したいことは、一体現在の吉田外交のもとにおける外交の機密というのは何でありましようか。吉田外務大臣は、国民国会意思を無視して、まつたく秘密のうちに売国的な行政協定を締結して、日本をアメリカの植民地と化したのみでなく、さらに日本中国とソ同盟を仮想敵とするアメリカ帝国主義者のアジア——の軍事基地として、さらには最近の動向を見ますと、アメリカのしり押しによつて、李承晩だとか、蒋介石だとか、まつたく幽霊的な亡命政権と太平洋同盟を締結して、日本の国土と国民をあげて反共——戰争のえじきに提供しようとし、内外の帝国主義者どもの利益を守ろうとしているのであります。これが吉田外交における外交の機密であります。このためにこそ、日本国民は再び戰争の危機におびえ、戰争と再軍備の重圧によつて、労働者、農民はもちろんのこと、資本家までもが前途の見通しを失つて、日々の生活に塗炭の苦しみをなめているのであります。吉田外交の機密とは、この内外の侵略主義者どもの利益のために国土と国民を犠牲にすることから国民の目を欺瞞し、これをおおわんとすること以外の何ものでもないのであります。かかる外交の機密は、むしろ一日も早く天下にあばくことこそが公僕たる外務公務員の国民に奉仕する道であります。(拍手)かかる秘密外交を行う吉田外務大臣こそが国民の名において懲戒処分に付せられるものだと思うのであります。  これに加うるに、外務省が行政協定の合同委員会事務を担当するということも、これは既定の事実であります。そうなりますと、本案にいう外交の機密とは実にアメリカの軍事機密、作戰機密をさすことになり、外務省に対しては特に嚴重に行政協定第二十三條による米軍の軍機保護のための必要な措置が講じられることは、これは明らかであります。こうなつて来ますと、日本の外務省はまつたくアメリカの国防省の秘密下請機関となり、アジアにおける反ソ反共の陰謀の伏魔殿となるのであります。たとえば、このたび行われましたモスクワ行き旅券問題のごときはその顕著な例でありますけれども、さらには外務省が日本とアジアにおける民族解放独立運動を彈圧する秘密特務機関の役割を果すことになるのであります。わが党は、このような、外務省をしてアメリカ国防省の特務機関になり下らせるような、この秘密外交を法制化すこの法律に対しては断固として反対するものであります。  ところが、最後にもつと重要な点は、本法案によりますと、先ほどの委員長の説明にもありました通りに、外務大臣は外務省本省並びに在外公館に外国人を採用することができるということであります。しかも、この外国人に対しては、秘密を漏洩して国家の重大な利益を毀損されても、それを理由にしては刑罰を科することができないという点であります。ここでいう、外務大臣が採用する外国人とは、現在の吉田外交の推進している、まつたく—————な、向米一辺倒の外交方針からすれば、そのほとんどがアメリカ人であつて、しかもそれが指導的な、重要な任務につくことは想像にかたくないのであります。だからこそ、このアメリカ人が、日本の外交の機密を漏洩し、国家の重大な利益を害しても、これを理由として刑罰を科すことができないような方法をこの法律によつて講じてあるのであります。  政府は、外交の機密は日本国民には漏らすことを禁じておりながら、アメリカ人がアメリカに漏らしてもいいというのでありますか。それとも、日本の外交の機密の判断権はアメリカが有するのであるから、アメリカ人が漏洩したときには、これは機密でないから処罰しなくてもよいというのでありましようか。このようになりますと、まつたくこの機密の漏洩というものは、これはアメリカのための機密の漏洩であつて、これに違反するアメリカ人には、日本政府としては何ら一指をつけることができないという状態になるのであります。だからこそ、吉田外相が外交の秘密だ、秘密だといつて日本の役人を懲戒と刑罰で脅迫して、みずからもまた失言だとか何とか騒いでおるときに、アメリカ側では、日本を含む太平洋軍事同盟の既定方針がすつぱ抜かれたり、再軍備のための憲法改正の既定方針がアメリカ側から放送されたり、行政協定における非常事態の判定権はアメリカ側にあるとか、この場合、駐留米軍は基地その他の制限は一切解かれて、日本の戰力は米軍司令官の指揮下に入るというようなことがすつぱ抜かれたり、あるいは戰場にもひとしい日本にどうして外資を導入することができるかというような、外資導入拒絶の吉田外交の裏話がアメリカ側からすつぱ抜かれても、何の文句も言えない状態ではありませんか。  この外国人の採用問題と、機密漏洩の刑罰権のないという点は、まつたく行政協定中の治外法権の規定、あるいはいかなる反国家的なスパイ行為をなすアメリカ人でも、それがアメリカの駐留軍と直接間接関係を持つと称する限り、日本政府はこれを国外へ追放する処置すら絶対不可能であるというような行政協定の諸とりきめと相まつて、この法律はまつたく植民地的、屈辱的な法律なのであります。一体どこに国家の安全にかかわる重大な犯罪を犯した外国人に対して刑罰の権利を放棄する国がありましようか。
  36. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 林君に申し上げます。申合せの時間が過ぎましたから、簡潔に願います。
  37. 林百郎

    ○林百郎君(続) しかも、日本の国費で雇つて、実質的にはまつた日本の公務員にひとしい外国人が、重大な国家の利益を害しておりながら、これを刑罰に付することができないというようなとりきめをする国がどこにありましようか。日本人外務公務員はスパイ視し、追放し、逆に米人は自由に雇い入れること、ここに吉田外交の隷属性が最も端的に現われているのであります。ここに至つては、われわれはその卑屈、その買弁さ、これを表わす言葉すら知らないのであります。  かくのごとき、日本政府みずからが日本の自主権を放棄し、外国の植民地となり下つたことを国際的に表明するような本法案、しかも、今や政府はこれを日本の全国家公務員全般に適用するためのテスト・ケースとしておるようなこの法律案に対して、わが日本共産党は、日本民族の名誉にかけても、これは絶対反対をするものであります。(拍手
  38. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  ただいまの林君の発言中、不穏当の言辞があつたようでありまするから、速記録を取調べの上、適当なる処置を講ずることといたします。  まず外務公務員法案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  39. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  次に千九百四十六年十二月十一日にレーク・サクセスで署名された議定書によつて改正された麻薬の製造制限及び分配取締に関する千九百三十一年七月十三日の條約の範囲外の薬品を国際統制の下におく議定書への加入について承認を求めるの件につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。(拍手)      ————◇—————
  41. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出船員保險法の一部を改正する法律案議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  42. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  船員保險法の一部を改正する法律案議題といあします。委員長報告を求めます。厚生委員長大石武一君。     〔大石武一君登壇
  44. 大石武一

    ○大石武一君 ただいま議題となりました船員保險法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  本法案提出の理由である改正の主眼とするところは、最近の船員保險運営の実績に徴して、船員保險制度の合理化並びに船員保險財政の健全化をはからんとするものであります。  その第一は、標準報酬につきまして、船員保險における標準報酬は、従来最低が三千五百円、最高が二万四千円となつておりますものを、最近における船員給與の実態に即応せしめ、適正な保險給付と保險経済の健全化をはかるために、最低の三千五百円を四千円に引上げ、これを第一級とし、最高の二万四千円を三万六千円に引上げ、これを第二十一級とし、二十一級に区分しようとするものであります。  第二は、失業保險について、季節的に雇用される者は、一般の海上労務者と異なり、特殊の事情にあるため、これらの船員につきましては失業保險の適用をしないことにいたそうとするものであります。  第三は、失業保險金の支給日額の最高額は現在三百円でありますが、これを陸上の失業保險法と同調して三百七十円まで引上げるほか、若干の條文の整備を行うことといたしておるのであります。  本法案は、本月十七日、本委員会に付託せられ、十八日、厚生大臣より提案理由の説明を聽取した後審議に入り、昨日及び本日の委員会において、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのであります。  かくて本日質疑を終了し、討論に入りましたところ、改進党を代表して金子委員から、日本社会党を代表して關委員から、それぞれ希望を付して賛成意見の開陳があり、日本共産党を代表して苅田委員からは反対の意見が述べられたのであります。  かくて討論を終了し、次いで採決に入りましたところ、多数をもつて法律案政府原案通り可決すべきものと決した次第でございます。  以上御報告申し上げます。(拍手
  45. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  46. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  47. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、神田博君外二十七名提出公益事業令の一部を改正する法律案議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  48. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられまんた。  公益事業令の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。通商産業委員会理事神田博君。     〔神田博登壇
  50. 神田博

    神田博君 ただいま議題となりました公益事業令の一部を改正する法律案の、通商産業委員会における審議の経過並びに結果について、簡單に御報告申し上げます。  御承知の通り、地方公共団体の所有しておりました電気供給設備の一切は、配電統制令によつて各地域の配電会社にそれぞれ強制出費または譲渡を命ぜられたのでありますが、これが地方財政に及ぼす重大なる影響にかんがみ、当時の利益金の九五%までを各配電会社より当該区域の各地方公共団体に保証納付せしめる、いわゆる公納金制度が採用されたのでありまして、その納付期間は配電会社成立の日より十箇年を越えざる期間となつておるのであります。なお電気事業の再編成により、昨年五月、各地域の配電会社はそれぞれ新電力会社に継承されたのでありますが、この公納金制度もそのまま踏襲されて今日に及び、三月末をもつて納付期間が切れるのであります。そもそも地方公共団体は、配電事業の経営により地方財政の基礎を確立して参りましたので、その出資または譲渡には強く反対したのでありますが、国家総動員法に基く強制命令によつて、やむなく協力せざるを得なかつたものであります。その結果は地方財政の窮乏を招来いたしましたので、戰後は公納金の増額と事業の復元を強く要望しておる状況でございます。本法律案の趣旨とするところは、本年度末をもつて期限到来する公納金の納付期間を延長せんとするものであります。その期間は、各地方公共団体に配電事業が復元せられる立法措置が講ぜられるまででございます。  本法律案は、自由党、改進党及び日本社会党の共同提案であり、自由党神田博君外二十七名の提出せるものであります。  本法律案は、三月十九日通商産業委員会に付託せられ、即日提案者より提案理由の説明を聽取し、越えて三月二十日質疑を行いました。その詳細は速記録を御参照願います。  続いて討論に入りましたところ、自由党を代表して中村幸八君、改進党を代表して高橋清治郎君、日本共産党を代表して風早八十二君より、それぞれ、すみやかに復元の実現を希望する強い條件を付したる賛成討論が行われ、討論終了後、ただちに採決の結果、本法律案全会一致をもつて可決いたした次第でございます。  以上、簡單でございますが、御報告申し上げます。(拍手
  51. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  53. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、千賀康治君外二十三名提出、松くい虫等その他の森林病害虫駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  54. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  松くい虫等その他の森林病害虫駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。農林委員会理事遠藤三郎君。     〔遠藤三郎君登壇
  56. 遠藤三郎

    ○遠藤三郎君 ただいま議題と相なりました、千賀康治君外二十三名提出、松くい虫等その他の森林病害虫駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告いたします。  御承知のごとく、戰後松くい虫が異常に蔓延し、森林資源に相当の被害を與えましたので、第七回国会におきまして現行法が制定、公布されまして、森林病害虫の防除に着々効果をあげて来たのでありますが、この反面、松くい虫等以外の森林病害虫等が発生蔓延し、被害面積も増加の傾向にあります。従いまして、森林資源の保護と、林業生産力の助長をはかりますため、現行法の不備の点を改正いたし、森林病害虫防除の徹底を期する必要がございます。これが本法案提出した理由であります。  次に、改正点を要約して申し上げます。その第一点は、松くい虫等以外の病害虫の防除につき、従来政令に規定されてありましたものを法律に明記したことであります。第二点は、林業種苗につきましても必要な防除措置を行うとともに、種苗の焼却及び薬剤による防除方法を加えたことであります。第三点は、森林病害虫防除員等の指示により防除措置を行つたため損失を受けた者に対し損失を補償することであります。第四点は、森林病害虫等が発生して他の蔓延のおそれがあると認めた者は、その旨を都道府県知事または市町村長に通報することになりました。以上でございます。なお、以上の改正の内容に相応して、法律の題名を森林病害虫等防除法と改めることといたしたのであります。  本法案は、昨三月十九日農林委員会に付託され、本日提案者を代表して千賀康治君より提案理由の説明がありました後、質疑を行いましたるところ、二、三の委員より簡單な御発言がございましたが、その点は速記録に讓りたいと存じます。質疑を終り、討論を省略して採決いたしましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  57. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十七分散会