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1952-06-25 第13回国会 衆議院 法務委員会 第70号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十五日(水曜日)     午後一時五十一分開議  出席委員    委員長 佐瀬 昌三君    理事 鍛冶 良作君 理事 田嶋 好文君    理事 山口 好一君 理事 田万 廣文君       安部 俊吾君    押谷 富三君       角田 幸吉君    北川 定務君       松木  弘君    眞鍋  勝君       大西 正男君    猪俣 浩三君  出席政府委員         法務政務次官  龍野喜一郎君         検     事         (法制意見第四         局長)     野木 新一君         検     事         (特別審査局次         長)      関   之君         検     事         (民事法務長官         総務室主幹)  平賀 健太君         検     事         (中央更生保護         委員事務局少年         部長総務部長         事務取扱)   池田 浩三君  委員外出席者         議     員 上林榮吉君         判     事         (最高裁判所事         務総局総務局第         一課長)    桑原 正憲君         判     事         (最高裁判所事         務総局民事局第         一課長)    服部 高顯君         専  門  員 村  教三君         専  門  員 小木 貞一君     ————————————— 本日の会議に付した請願  一 戦争犯罪者減刑等に関する請願岡西明    貞君紹介)(第二八号)  二 同(山崎猛紹介)(第二九号)  三 戦争犯罪者減刑等に関する請願庄司一    郎君紹介)(第四四四号)  四 戦争犯罪者減刑等に関する請願志田義    信君紹介)(第一一九三号)  五 戦争犯罪者減刑等に関する請願岡村利    右衞門紹介)(第一四四四号)  六 戦争犯罪者減刑等に関する請願岡村利    右衞門紹介)(第一八九三号)  七 戦争犯罪者減刑並びにその遺族援護に    関する請願岩川與助紹介)(第一八九    三号)  八 戦争犯罪者減刑に関する請願龍野喜一    郎君紹介)(第二五三四号)  九 戦争犯罪者減刑等に関する請願青木正    君紹介)(第二七一一号) 一〇 戦争犯罪者減刑等に関する請願青木正    君紹介)(第三二六九号) 一一 戦争犯罪者減刑等に関する請願岡村利    右衞門紹介)(第三四九二号) 一二 戦争犯罪者減刑等に関する請願岡西明    貞君紹介)(第三五九八号) 一三 戦争犯罪者減刑等に関する請願河原伊    三郎君紹介)(第三六六〇号) 一四 同(庄司一郎紹介)(第三六九五号) 一五 同(江花靜紹介)(第三六九六号) 一六 同(早川崇紹介)(第三七一六号) 一七 同外四件(倉石忠雄紹介)(第三七四四    号) 一八 戦争犯罪者減刑等に関する請願田中彰    治君外十三名紹介)(第三七九三号) 一九 同(本多市郎紹介)(第三八二八号) 二〇 同(中馬辰猪紹介)(第三八八〇号) 二一 人権擁護局存置等に関する請願三浦寅之    助君紹介)(第二五〇五号) 二二 人権擁護局存置等に関する請願外一件(並    木芳雄紹介)(第二五三五号) 二三 同(田中重彌君紹介)(第二五七四号) 二四 同(多田勇紹介)(第二六一〇号) 二五 人権擁護局存置等に関する請願笹山茂太    郎君外一名紹介)(第二六四三号) 二六 同(早稻田柳右エ門紹介)(第二六六四    号) 二七 同(村上勇紹介)(第二六七九号) 二八 人権擁護局存置等に関する請願山口喜久    一郎紹介)(第二七四〇号) 二九 同(鍛冶良作紹介)(第二七六四号) 三〇 人権擁護局存置等に関する請願川野芳滿    君紹介)(第三〇五六号) 三一 人権擁護局存置等に関する請願河原伊三    郎君紹介)(第三一八三号) 三二 同外一件(鈴木義男紹介)(第三三五〇    号) 三三 破壊活動防止法制定反対に関する請願(土    井直作紹介)(第三六八〇号) 三四 破壊活動防止法案撤回等に関する請願(    中原健次紹介)(第二八八六号) 三五 破壊活動防止法制定反対に関する請願(今    澄勇紹介)(第二九七八号) 三六 破壊活動防止法制定反対に関する請願(黒    田寿男紹介)(第三一八二号) 三七 同(松井政吉紹介)(第三二五一号) 三八 破壊活動防止法制定反対に関する請願(赤    松勇紹介)(第三四六三号) 三九 住民登録法実施に伴う経費国庫補助請願    (神田博紹介)(第三九号) 四〇 住民登録法実施に伴う予算増額請願(苫    米地英俊紹介)(第二四七三号) 四一 住民登録法実施に伴う経費国庫補助請願    (川崎秀二紹介)(第二六四二号) 四二 住民登録法による登録事務費全額国庫負担    に関する請願本多市郎紹介)(第三八    二七号) 四三 川島裁判所改築請願眞鍋勝紹介)(    第二九九号) 四四 仙台地方裁判所登米支部庁舎改築請願(    内海安吉君外一名紹介)(第三〇一号) 四五 築館簡易裁判所庁舎新築並びに支部設置促    進の請願大石武一紹介)(第三五三二    号) 四六 阿波郡及び板野郡に簡易裁判所設置請願    (眞鍋勝紹介)(第三〇〇号) 四七 石川町に簡易裁判所設置請願圓谷光衞    君紹介)(第三四二号) 四八 森町に簡易裁判所等設置請願村上勇    君紹介)(第一四四三号) 四九 真野町に簡易裁判所設置請願風間啓吉    君紹介)(第一七二二号) 五〇 宇都宮地方法務局佐野出張所佐野簡易裁    判所設置請願大澤嘉平治紹介)(第    二二四六号) 五一 簡易交通裁判所設置等に関する請願(福永    健司君紹介)(第一五五号) 五二 釧路市に高等裁判所及び高等検察庁支部設    置の請願伊藤郷一君紹介)(第五四六    号) 五三 福岡地方裁判所大牟田支部昇格に関する請    願(龍野喜一郎    君紹介)(第二六六五号) 五四 広島法務局井原出張所存署請願山本久    雄君紹介)(第七一四号) 五五 山形地方法務局手向出張所存置請願(上    林與市郎紹介(第七一五号) 五六 大湊簡易裁判所を田名部町に移転請願(    高橋英吉紹介(第一八一二号) 五七 岩川簡易裁判所等移転に関する請願(降    旗徳弥紹介(第三八二六号) 五八 串木野市の裁判所管轄変更に関する請願(    床次徳二紹介)(第二一六二号) 五九 串木野市の裁判所管轄変更に関する請願(    上林榮吉紹介)(第三九三二号) 六〇 足利市の検察行政に関する請願猪俣浩三    君紹介)(第三四一号) 六一 傷害被告事件調査に関する請願大石ヨシ    エ君紹介)(第二七九五号) 六二 川南工業株式会社破産申請に基く裁判に関    する請願前田榮之助君紹介)(第二四九    七号) 六三 大赦に関する請願外一件(中村又一君外一    名紹介)(第一一五六号) 六四 減刑に関する請願大石ヨシエ紹介)(    第二六六三号) 六五 旧軍人会館遺族に貸與の請願永田節君    紹介)(第二八一号) 六六 接収解除に伴う借地権並び居住権復帰に    関する請願野村專太郎紹介)(第二一    八九号) 六七 接収解除に伴う借地権復帰に関する請願(    井手光治紹介)(第二八八七号) 六八 罹災都市借地借家臨時処理法の一部改正に    関する請願井手光治紹介)(第九二五    号) 六九 土地台帳法に関する請願大村清一君紹    介)(第二二三号) 七〇 土地台帳法の一部改正に関する請願(松浦    東介紹介)(第六七五号) 七一 土地家屋調査士法の一部改正に関する請願    (降旗徳弥紹介)(第一二三五号)   陳情書  一 戦犯者上新原種義の仮出所に関する陳情書    (第一四号)  二 戦犯者仮釈放に関する陳情書(第一五号)  三 戦犯者減刑に関する陳情書(第一六号)  四 戦犯者助命減刑外地服役者内地送還    に関する陳情書(第一一九号)  五 戦犯者助命減刑等に関する陳情書(第一    二〇号)  六 戦犯者釈放並びに特赦減刑等に関する陳    情書(第一二一号)  七 戦犯者森本憲治減刑に関する陳情書(第    二二六号)  八 戦犯者渡辺福一恩赦に関する陳情書(第    二二七号)  九 戦犯者伊藤百郎の仮釈放に関する陳情書(    第二二八号) 一〇 戦犯者曽原重俊減刑に関する陳情書(第    二二九号) 一一 戦犯者安楽長作減刑に関する陳情書外一    件(第二三〇号) 一二 戦犯者助命減刑外地服役者内地送還    に関する陳情書(第三〇一号) 一三 戰犯者助命減刑外地服役者の内地送    還に関する陳情書(第三九五号) 一四 戰犯者助命減刑等に関する陳情書(第三    九六号) 一五 九大事件戰犯者の赦免に関する陳情書外二    件(第四七七号) 一六 戰犯者助命減刑等に関する陳情書(第    一一二五号) 一七 戰犯者助命減刑等に関する陳情書(第    一三〇七号) 一八 戰争犯罪者大赦に関する陳情書(第一五    二四号) 一九 戰犯者釈放並びに特赦減刑等に関する    陳情書(第一五二五号) 二〇 戰犯者釈放に関する陳情書(第二〇三八号    ) 二一 同 (第二〇三九号) 二二 戰犯者釈放並びに内地送還に関する陳情    書 (第二一〇六号) 二三 戦犯者釈放に関する陳情書外二件(第二一    〇七号) 二四 戰犯者渡辺哲男釈放に関する陳情書(第    二一〇八号) 二五 戰犯者釈放に関する陳情書(第二二一五号    ) 二六 同(第二二一六号) 二七 同(第二二一七号) 二八 同(第二二一八号) 二九 戰犯者釈放並びに内地送還に関する陳情    書(第二二一九号) 三〇 同(第二二二〇号) 三一 同(第二二二一号) 三二 同(第二二二二号) 三三 同(第二二二三号) 三四 戰犯者釈放に関する陳情書(第二三六九号    ) 三五 同(第二三七〇号) 三六 同外一件(第二三七一号) 三七 同(第二三七二号) 三八 戰犯者助命減刑外地服役者内地送還    に関する陳情書(第二三七三号) 三九 戰犯者釈放並びに内地送還に関する陳情    書(第二三七四号) 四〇 同(第二三七五号) 四一 戰犯者橘壯一の恩赦減刑に関する陳情書(    第二四八三号) 四二 同(第二四八四号) 四三 戦犯外山稔釈放に関する陳情書外一件(    第二四八五号) 四四 戦犯者釈放に関する陳情書(第二四八六号    ) 四五 同(第二四八七号) 四六 同(第二四八八号) 四七 同(第二四八九号) 四八 同(第二四九〇号) 四九 同(第二四九一号) 五〇 戰犯者釈放並びに内地送還に関する陳情    書(第二四九二号) 五一 同(第二四九三号) 五二 同(第二四九四号) 五三 同(第二四九五号) 五四 同(第二四九六号) 五五 同(第二四九七号) 五六 戰犯者助命減刑外地服役者の内地送    還に関する陳情書(第二四九八号) 五七 同(第二四九九号) 五八 同(第二五〇〇号) 五九 戰犯者助命減刑等に関する陳情書(第    二五〇一号) 六〇 同(第二五〇二号) 六一 同(第二五〇三号) 六二 同外一件(第二五〇四号) 六三 特別保安法制定反対に関する陳情書(第一    三〇八号) 六四 破壊活動防止法案反対陳情書(第一四〇    二号) 六五 同(第一四〇三号) 六六 同(第一四〇四号) 六七 同(第一四〇五号) 六八 破壊活動防止法案反対陳情書(第一五二    六号) 六九 同外一件(第一五二七号) 七〇 同外八件(第一五二八号) 七一 同(第一五二九号) 七二 同(第一五三〇号) 七三 同(第一五三一号) 七四 同外三件(第一五三二号) 七五 同(第一五三三号) 七六 同(第一五三四号) 七七 同(第一五三五号) 七八 同(第一五三六号) 七九 同(第一五三七号) 八〇 同(第一五三八号) 八一 同外五件(第一五三九号) 八二 同(第一五四〇号) 八三 法務人権擁護局存続並びに拡充強化に    関する陳情書(第一六二六号) 八四 同(第一六二七号) 八五 破壊活動防止法案反対陳情書外一件(第    一六二九号) 八六 同外六件(第一六三〇号) 八七 同(第一六三一号) 八八 同外一件(第一六三二号) 八九 同外二件(第一六三三号) 九〇 同外一件(第一六三四号) 九一 同(第一六三五号) 九二 同外二件(第一六三六号) 九三 同(第一六三七号) 九四 同外四件(第一六三八号) 九五 破壊活動防止法案反対陳情書外二件(第    一七三一号) 九六 同(第一七三二号) 九七 同(第一七三三号) 九八 破壊活動防止法案に関する陳情書(第一七    三四号) 九九 破壊活動防止法案反対陳情書(第一八三    〇号) 一〇〇 同(第一八三一号) 一〇一 同(第一八三二号) 一〇二 同外一件(第一八三三号) 一〇三 同(第一八三四号) 一〇四 同(第一八三五号) 一〇五 (第一九三九号) 一〇六 同(第一九四〇号) 一〇七 破壊活動防止法案反対陳情書(第二一    〇五号) 一〇八 破壊活動防止法案反対陳情書(第二二    一三号) 一〇九 同(第二二一四号) 一一〇 破壊活動防止法案反対陳情書(第二三    六六号) 一一一 同(第二三六七号) 一一二 同(第二三六八号) 一一三 破壊活動防止法案反対陳情書(第二四    七九号) 一一四 同(第二四八〇号) 一一五 同(第二四八一号) 一一六 同外二件(第二四八二号) 一一七 住民登録即時実施及び費用全額国庫負担    の促進に関する陳情書外一件(第一七号) 一一八 住民登録法実施経費全額国庫負担に関す    る陳情書(第六二八号) 一一九 住民登録法実施経費全額国庫負担に関す    る陳情書(第一七三〇号) 一二〇 総社町に簡易裁判所及び検察庁設置促    進に関する陳情書(第一一八号) 一二一 釧路市に高等裁判所支部並びに高等検察    庁支部設置に関する陳情書(第四七六号) 一二二 売春取締に対する法制整備に関する陳情    書(第三一四号) 一二三 登記制度改正に関する陳情書(第三九七    号) 一二四 会社更正法案に関する陳情書(第四七八    号) 一二五 宅地の分割に関する陳情書(第四八〇号    ) 一二六 国民手帳制定に関する陳情書(第五八七    号) 一二七 失火罪重罰等に関する陳情書(第九八九    号) 一二八 人権擁護局存続に関する陳情書(第九九    〇号) 一二九 市区町村役場における戸籍届出用紙等の    無料頒布中止に関する陳情書(第一八二九    号) 一三〇 市区町村役場における戸籍届出用紙等の    無料頒布中止に関する陳情書(第二〇四〇    号) 一三一 同(第二〇四一号) 一三二 市区町村役場における戸籍届出用紙等の    無料頒布中止に関する陳情書(第二三二四    号) 一三三 同(第二二二五号) 一三四 市区町村役場における戸籍届出用紙等無    料頒布中止に関する陳情書(第三三七六号    ) 一三五 死刑廃止に関する陳情書(第二五〇五号    )      ————◇—————
  2. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 これより会議を開きます。  まず請願審査を行います。請願審査は、文書表の朗読はこれを省略し、ただちに関係当局意見を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御異議なければさようとりはからいます。  まず日程第一より第二〇までは、いずれも戦争犯罪者減刑等に関する請願であります。政府意見を求めます。野木政府委員
  4. 野木新一

    野木政府委員 仮出所資格者のすみやかな仮出所につきましては、目下調査を進めるとともに、関係国に勧告に努力しつつあります。  外地服役者内地送還及び死刑助命、右は関係国の決定するところでありますが、政府外交折衝により、関係国の好意ある措置の実現されるよう、極力努めております。  留守家族援護、これは現行の法規で不十分の点は、立法措置を講じ、万全を期するよう、厚生当局において対策を進めております。  全戦犯のすみやかな釈放、これは今般の国会で審議を願い、公布施行された法律により、実現をはかりたいと考え、努力を拂つております。
  5. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 何か御質疑はございませんか。——質疑がなければ、次の日程に移ります。     —————————————
  6. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 日程第二一から第三二までは、いずれも人権擁護局存置請願であります。これを一括して政府意見を求めます。野木政府委員
  7. 野木新一

    野木政府委員 新憲法の基調たる基本的人権擁護については、政府として最も力をいたすべきことは当然でありまして、今後もこの方針に毫もかわりはないのであります。今般法務人権擁護局を廃止し、その所掌事務法務省民事局をして所管せしめることが決定されましたのは、終戦後複雑厖大化した行政機構をできる限り簡素化せしめんとする方針に出たものでありまして、従来行つて来た人権擁護事務そのものを廃止せんとするものではないのであります。政府上いたしましては、将来もできる限り本事務を強化し、新憲法基本理念の徹底に努力いたしたい所存でありまして、行政機構改革のあかつきには、法務省民事局をして全国の法務局人権擁護部地方法務局を指揮せしめ、他方人権擁護委員の協力を得て、国民基本的人権擁護のため、ますます活発に活動せしめることを期しております。
  8. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑はございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  9. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 日程第三三ないし第三八は、いずれも破壊活動防止法制定反対請願であります。一括議題として、政府意見を求めます。関政府委員
  10. 関之

    関政府委員 破壊活動防止法案は、現下集団暴力による各種の事犯に対処するために、現行刑罰諸法令の不備を補い、もつて公共の安全の確保に寄與するものとして、提案せられたものであります。その立案構成については、右の目的を達成し得るものたると同時に、日本国憲法において保障せられている各種基本的人権は、あくまでこれを尊重することを眼目としたものであります。しかもこれが御審議については、きわめて慎重にせられ、必要と認められる各種の修正を加えられた次第であります。  もとよりこれが運営実施に関しては、常に基本的人権擁護尊重に留意し、所期の目的を達成すると同時に、いやしくも濫用により人権を侵害するがごときことのないように、十二分に慎重に考慮することはもちろんであります。かくのごとくにして不要の危惧を除き得るものと確信する次第であります。
  11. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑はございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  12. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 日程第三九ないし第四二は、いずれも住民登録法実施に伴う諸経費国庫において負担せられたいという請願であります。政府の御意見を求めます。
  13. 平賀健太

    平賀政府委員 住民登録法施行に伴う経費につきましては、請願趣旨に沿いまして、本年度市町村に対する補助金といたしまして、二億七千万円が計上せられております。必ずしも十分ではないと思いますけれども、市町村で必要な経費最小限度は、これで確保されておると思うのでございます。なおこの二億七千万円以上にさらに補助金の額を増額するということは、現在の国家財政実情から見まして、困難ではないかと思います。
  14. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑はございませんか。——なければ次の日程に入ります。     —————————————
  15. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 日程第四三ないし第五九は裁判所等設置管轄変更、及び地方法務局存置等請願でありますので、一括議題といたします。  なお日程第四三及び第四六については、紹介議員がお見えなつておりますので、紹介議員紹介を願います。眞鍋勝君。
  16. 眞鍋勝

    眞鍋委員 日程第四三は、本請願要旨は、徳島県麻植郡川島簡易裁判所の現在庁舎は、六十四年を経過した老朽建物でありまして、狭隘なる上に採光まつたく悪く、倒壊のおそれすらありまして、かつまた、庁舎内には川島検察庁徳島検察庁川島支部等が併置されている現状で、事務上多大の支障を来している。現状で、つきましては、川島簡易裁判所を改築されたいというのが請願趣旨であります。  その次には、阿波郡及び板野郡に簡易裁判所設置請願であります。第三〇〇号、請願者徳島県の阿波郡の林町長鎌田孫兵衞外九名となつておりますが、この請願要旨は、徳島阿波郡と板野郡一條町、御所村の十箇町村は、人口十万人を数えていまするが、川島との間に吉野川というのがありまして、少し雨が降ると交通が杜絶いたしまして、どつちへ参りましても、数里をまわらなければ橋がないというので、まことに不便であります。そうしてこの土地は現在に至るも、国家官庁出先機関は一つもなく、全国的に冷評のある文化水準の低い郡でありますがゆえに、事件が起れば、今申しました通り、数里の間交通の橋がありません。それで原始的交通機関によつてかろうじて連絡をとる状態でありまして、関係住民は大なる不利不便をこうむつておる状態であります。つきましては、簡易裁判所設置されたいというのが本請願要旨でありますので、どうぞお願いいたします。
  17. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 なお五九号の請願については、ただいま紹介議員がお見えになりましたので、紹介議員紹介を求めます。上林榮吉君。
  18. 上林山榮吉

    上林榮吉君 串木野市の裁判所管轄変更に関する請願でありますが、御承知の通り串木野市は従来川内支部川内簡易裁判所管轄であつたのでありまするが、新裁判所法施行により伊集院簡易裁判所管轄に属せしめられたのであります。地方裁判所家庭裁判所支部としては、鹿兒島地方裁判所、同家庭裁判所に属することになつた結果、簡易裁判所事件はもちろん、最も事件の多い家事事件等は、鹿兒島まで著しくその距離が延長されましたので、時間的にも、あるいは費用の点にも多大の不便を感じておる始末であります。また家事事件鹿児島戸籍事務関係川内というように、両断されまして、執務上にも非常なる不便を感じておりますから、串木野市を鹿児島地方裁判所川内支部、同家庭裁判所川内支部川内簡易裁判所管轄とするように変更されたいというのでありまして、法律改正の盲点というか、こういうような副作用が迷惑ながら私どもの地方に起きておるのでありますから、この点をお含みの上御採択を願いたいと思います。
  19. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 当局意見を求めます。野木政府委員
  20. 野木新一

    野木政府委員 まず裁判所設置関係から申し上げます。ただいま述べられました徳島阿波郡及び板野郡に簡易裁判所設置方請願の御趣旨は十分了解いたしました。本件につきましては、最近調査いたしました結果、土地の状況も一応判明いたし、現所轄庁に至る御不便事情等は、よく了解されるのでありますが、現下財政事情等から簡易裁判所の新設は、なかなか思うにまかせない実情にあるのであります。また本件につきましては、予定事件数がやや僅少でありますので、他地方との均衝の問題もあるわけでありますが、本請願の御趣旨は、最高裁判所にも伝達し、十分研究の上、善処いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。  次に福島県石川町に簡易裁判所及び区検察庁設置請願の御趣旨は十分了解いたしました。今回請願地の石川郡石川町は、東白川郡棚倉町とともに、去る昭和二十二年裁判所法制定当時の簡易裁判所設置予定候補地でありましたが、棚倉町に設置が決定したものでありまして、もし石川郡内に一簡易裁判所設置するものとすれば、有力な候補地でありますが、事件数は比較的僅少でありまして、他地方との均衡の問題もあり、国家財政上の制約もあるわけでございます。しかしながら御不便の事情もありますので、最高裁判所とも協議し、将来の懸案として十分考慮いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。  次に串木野市の裁判管轄変更請願の御趣旨は十分了解いたしました。串木野市は、以前は、川内区裁判所の管轄に属していたものでありますが、裁判所法施行と同時に、伊集院簡易裁判所管轄に属することとなりましたもので、その甲号支部事件のごときは、わざわざ鹿児島市まで出向かねばならないという御不便事情等は十分了解されるのでありますが、本管轄変更については、地元伊集院側に強い反対意見もあるようでありますから、最高裁判所とも協議し、なお十分研究の上善処いたしたいと存じますから、さようご承知をお願いいたします。  次に簡易交通判所設置方の請願のご趣旨は十分了解いたしました。近時交通機関の発達と都市への人口集中に伴い交通事故が頻発しておりますことは、まことに遺憾にたえません。交通事故の発生原因が複雑多岐である、その通りでありまして、交通事犯の処理につきましては、必要に応じ専門の係を設ける等して、その迅速的確な処理を期しておる次第であります。しかしながら交通に関する事件のみを取扱う特別の裁判所を設置いたしますことは、現行の裁判機構に重大な影響を及ぼし、また他種事件との権衡、国家財政との関係等をも考慮する必要がありますので、なお慎重に研究いたしたいと存じますから、さように御承知をお願いいたします。  その他の簡易裁判所につきましては、御不便の点はよくわかりますが、他地方との権衡もあり、また国家財政上の関係もあるので、なかなか思うにまかせないわけであります。しかしながら将来の問題として十分研究いたしたいと存じます。
  21. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 何か御質疑がございますか。
  22. 上林山榮吉

    上林榮吉君 ただいま政府側の意見を徴したのでございますが、そのうちで、簡易裁判所の問題については、熟慮する必要がある、こういうお話でありますので、この点には私多く触れないで、政府にその善処方を要望しておく程度にいたしますが、それ以外の案件について何ら具体的に御解明がなかつたのでありますが、請願書の趣旨をよくごらんになつておりますかどうか、よくごらんの上で補充的に他の問題もお答え願いたい、こういうふうに考えます。
  23. 野木新一

    野木政府委員 今政府意見を非常に簡単に申し上げましたので、あるいは十分お聞取りになれなかつたかも存じませんが、なるほど地方裁判所家庭裁判所、各支部としては——支部の方もここに出ておるわけでありますが、支部につきましても先ほど申し上げましたように、支部事件のごときはわざわざ鹿兒島まで出向かねばならぬという御不便事情等は十分了解されるのでありますが、と一応申し上げたわけであります。何分先ほども申し上げましたように、地元の伊集院側になお強い反対意見もあるようでありますので、なおこの点は最高裁判所とも協議いたしまして、十分研究いたしてみたい、そう申し上げておるわけでございます。
  24. 眞鍋勝

    眞鍋委員 この川島裁判所改築請願を一つ申し上げましたが、これは御答弁がありませんが、最高裁判所の方来ていませんか。
  25. 桑原正憲

    ○桑原最高裁判所説明員 徳島地方裁判所川島支部庁舎の改築の件でございますが、最高裁判所といたしましては、全国の裁判所が相当多きにわたつて新築、改築の必要が生じておるわけでございます。毎年予算とにらみ合せまして、全国的な計画を立てまして、重要なところから漸次新築、改築の方針を進めて参つておるわけであります。本年度の予算につきましても、ただいま全国的な計画を検討中でございますので、本件請願につきましても、請願の御趣旨を十分検討して善処いたしたいと考えております。
  26. 安部俊吾

    ○安部委員 宮城県の登米郡に簡易裁判所があるのでありますが、非常に古い裁判所でありまして、改築し、またその場所が非常に水害をこうむるおそれがあるので、他に移転する、こういうことで請願しておつたはずでありますが、その点はいかがになつておりましようか。
  27. 桑原正憲

    ○桑原最高裁判所説明員 ただいまの仙台地方裁判所登米支部の改築の件につきましても、ただいま徳島地方裁判所川島支部庁舎の改築について申し上げましたように、本年度の全国的な計画を立てる際におきまして十分検討いたしたいと考えております。
  28. 安部俊吾

    ○安部委員 仙台の地方裁判所長のおつしやるには、ほかに栗原郡の築館というところに簡易裁判所があるのでありますが、それは建築物が裁判所になつておらぬ。現在におきましては法務府登記所の中にその法廷があるのであつて、その法廷も物置小屋のようなものを改築して、暫定的にそこを法廷に使つておるのだ、その方を優先的に本年はやらなければならぬ。従つて登米の方にはわくがないんだから、本年はその方の建築あるいは移転にはとりかかることができないというようなお話を承つたのでありますが、その点に関しましてはどんな御意見でございましようか。
  29. 桑原正憲

    ○桑原最高裁判所説明員 私所管でございませんので、現地の方でそういつたどちらが優先するかということは初めて伺つたわけでありますが、私は経理局の方で伺つたところによりますと、本年度の計画は目下計画を進めつつあるという点だけしか申し上げられません。
  30. 安部俊吾

    ○安部委員 私紹介議員といたしましてはもとよりあまり無理なことはお願いしないのでありまして、もし予算のわくがきまつておつて、どうしてもその築館の方がそういうような状態であつて、本年その方にとりかからなければならぬような事情でありますならば、その事情もよく了承いたしまして、明年は優先的にこの登米の方を建築あるいは移転していただきたい、こういうふうにお願いしたいのであります。そのことを御了承を願います。     —————————————
  31. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 他に質疑がなければ次の日程に移ります。日程第六〇及び第六一は検察行政に関する請願であります。政府意見を求めます。
  32. 野木新一

    野木政府委員 足利市会議員選挙に関し、足利市政刷新連盟会長外八名から告発のあつた、早水宇吉外四名の選挙違反事件については、宇都宮地方検察庁足利支部において関係者数十八を取調べの結果、谷源吉に対し医師法違反により起訴(罰金千円の裁判確定)、その余については、犯罪の証明十分ならず、または事案悪質ならざるものとして不起訴処分に付しました。また、足利市警察署長星敏にかかる収賄被疑事件については、重要な証人の所在不明なるため捜査続行中であつて、その取調べを待つて処理を決する見込みであります。右各事件については、いずれも公正なる態度をもつて臨み、愼重かつ迅速に処理する方針をとつており、特に必要な取調べを盡さず、または取調べを遷延して事件をもみ消そうとしているような事実はありません。  次に、傷害被告事件調査に関する請願についてでありますが、本件請願趣旨は、必ずしも不当と目しがたいのみならず、違法にもあらざる事件処理に関し、結局において確定裁判を非難攻撃するものでありまするから、請願趣旨に沿う回答はいたしかねる次第であります。     —————————————
  33. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑がなければ、次の日程に入ります。日程第六二、川南工業株式会社破産申請に基く裁判に関する請願を議題として、当局意見を求めます。
  34. 服部高顯

    ○服部最高裁判所説明員 川南工業株式会社に対しまする破産申立事件につきまして。最高裁判所で調査いたしました結果を申し上げます。  全日本造船労働組合香焼島分会員津田藤男外二千六百六十四名から、昭和二十五年十二月二十八日、川南工業株式会社に対しまして、大阪地方裁判所に破産の申立てがあつたのでございます。  当時、大阪地方裁判所におきましては、同じ川南工業株式会社に対しまして、他の数名の債権者から破産の申立て事件が提起されておりましたので、裁判所におきましては、関係者に対しまする調査、会社の書類その他の保全処分等の方法によりまして事件についての審理を進めまする一方、本件以外の関連事件をも含めまして、総合的な解決をはかるために種々あつせんを試みたのでございまして、そのうちの相当多数につきましてはいずれも示談解決を見まして、昭和二十六年十月初めごろまでの間に破産の申立てを取下げるに至つたのでございますが、本件につきましては解決を見るに至らなかつたのでございます。  そこで、同裁判所におきましては、昭和二十六年十月三十一日から十二月十二日までの間に四回にわたりまして口頭弁論を開きまして、事件についての審理をいたしました上で、同十二月十二日に審理を閉じまして、事件を書面審理に移し、同月二十六日川南工業株式会社代表取締役川南豊作を審尋いたしたのでございます。  その後、同裁判所は、問題になつております組合員を含む各債権者と債務者川南工業株式会社との間に立ちまして、さらに数回にわたつて示談のあつせんを試みまして、その結果会社側におきまして債務の一部の弁済をする等の方法によりまして、一部については解決を見るに至つたのでございますが、組合員全部の全債権については解決を見るに至らなかつたのでございます。  そこで、裁判所では、従来本件は坂裁判官の単独審理であつたのでありますが、これを坂、岩本、坂井三裁判官の会議体で審理いたすことといたしまして、同年四月二十三日、二十四日の両日、岩本、坂井両裁判官を受命裁判官といたしまして、香焼島及び深堀の造船所の検証を行わせ、続いて五月八日に申立人側、それから五月十三日に会社側を審尋いたしたのでございますが、その五月十三日に、会社の代理人から、坂、岩本、坂井の三人の裁判官に対しまして忌避の申立てがございましたので、破産事件の手続は停止になつたわけでございます。  なお、この忌避事件は大阪地方裁判所の第二民事部におきまして審理をいたしまして、その結果五月三十日に忌避の申立てを却下する旨の決定がありまして、その決定は三十一日に当事者に送達になつたのでございますが、さらに六月四日申立人側から大阪高等裁判所に抗告がありましたので、現在その忌避事件は大阪高等裁判所に係属中でございます。さような次第で、現在忌避事件が係属いたしておりますために、この事件は停止になつておる状況でございます。     —————————————
  35. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑がなければ、次に移ります。  日程第六三及び第六四は、大赦減刑に関する請願でございます。政府意見を求めます。
  36. 池田浩三

    ○池田政府委員 本件は、大赦令、減刑令の内容にわたる請願でございまして、御承知のように條約発効の四月二十八日におきまして、相当大幅に実施される内容を持ちました大赦令、減刑令が施行になりましたので、本請願趣旨も、ある程度と申しますか、相当程度その内容を実現いたしたと思います。なお残ります部分はいくらかあると思いますが、これは個別の恩赦といつたような方法で十分に検討いたして、請願の御趣旨の実現に努力いたして行きたいと存じております。     —————————————
  37. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑がなければ、次に移ります。  日程第六五、旧軍人会館遺族に貸與の請願を議題といたします。政府意見を求めます。
  38. 平賀健太

    平賀政府委員 本請願趣旨は、解散団体でありますところの財団法人軍人会館の財産を戦没者の遺族に無償使用せしめられたいというのでありますが、解散団体の財産として国庫に帰属した財産につきましては、解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令第七條の規定によりまして、法務総裁がこれを管理し、かつ売却することになつておるのであります。従いまして軍人会館の財産を無償貸與するということは、右の政令の規定に反しまするので、本件請願には遺憾ながら応じがたいのであります。     —————————————
  39. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑がなければ、次に移ります。  日程第六六及び第六七は、いずれも接收解除に伴う借地権等の復帰に関する請願であります。一括して政府意見を求めます。
  40. 平賀健太

    平賀政府委員 連合国最高司令官の調達要求に基きましたところのいわゆる接收不動産は、政府と所有者との間に締結した賃貸借契約によつて使用しているのが普通例でございますが、この不動産について、接收前において設定された地上権または賃借権があります場合、これらの権利が消滅するかどうか、またこれらの権利をもつて第三者に対抗することができるかどうかという点は、すべて一般の原則に従うものでございます。これらの地上権または賃借権の存続する状態におきまして、接収が解除になりました場合には、接収当時の事情にかんがみまして、所有者の了解を得た上、これらの権利者に直接返還する措置をとるのが妥当であると考えられるのであります。しかしながらこれに反しまして、地上権または賃借権の存続期間を延長し、またはすでに消滅しておりますこの種の権利を復活させるために、新たな立法措置をとるということは、その後に生じました法律関係を混乱させ、取引の安全を害する結果にもなりまするので、妥当でないと考えております。     —————————————
  41. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 質疑がなければ次に移ります。日程第六八、罹災都市借地借家臨時処理法の一部改正に関する請願を議題とし、政府意見を求めます。
  42. 平賀健太

    平賀政府委員 疎開建物の敷地の借地人につきましては、戦災によつて滅失した建物の敷地の借地人と同様に、罹災都市借地借家臨時処理法によりまして、その第十一條が借地権の存続期間を延長いたしております。また第十條が登記しないで第三者に対抗することを認めるなどの保護の措置を講じておるのであります。従いまして、疎開建物の敷地の借地人が、以前の借地に帰つて復興に努める意思と能力を有している限りは、その実現を妨げるような不利な規定はないのであります。なお借地権の目的でありますところの土地が進駐軍に接収されていた場合の措置につきましては、調達庁が中心になりましてその対策を考究中でございます。     —————————————
  43. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑がなければ次に移ります。日程第六九及び第七〇は土地台帳法に関する請願であります。政府意見を求めます。
  44. 平賀健太

    平賀政府委員 請願第二二三号は土地台帳に関する事務市町村に移管するようにという趣旨請願でございまするが、土地台帳の制度は不動産登記制度と非常に密接な関係がございますので、この台帳制度を市町村に移管するということになりますと、一般の人に非常に迷惑をかける結果になるおそれがありはしないかと思われるのであります。それから第二に台帳の事務市町村に移管いたしますと、この事務の全国的統一をはかるということが困難になるおそれがあると思つております。従いまして土地台帳の事務市町村に移管するということにつきましては、にわかに賛意を表しがたいと思うのでございます。  それから請願第六七五号の趣旨は、現行土地台帳法に所要の改正を加えられたいというところにあるのでございますが、大体七項目にわたつて改正意見が述べられているのでございますが、その中の一部は現行法のもとにおきましても請願趣旨と同様の取扱いができるのでありまして、別段改正の必要がないと考えられますし、その他の点につきましては、請願趣旨のような改正をいたすことは、必ずしも適当でないと思われる点があるのでございます。従いまして、これらの点につきましては、なお今後も十分研究をいたしまして、台帳制度の合理的な改善に努めたいと存じておる次第でございます。     —————————————
  45. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 質疑がなければ次に移ります。日程第七一、土地家屋調査士法の一部改正に関する請願を議題といたします。政府意見を求めます。
  46. 平賀健太

    平賀政府委員 本件請願趣旨は、土地家屋調査士法第三條第一号から第三号までに掲げる者につきましても、台帳の登録に関して必要な知識の有無について選考を経る必要があるという点にあるように考えられますので、土地家屋調査士の素質を向上させ、かつ台帳の登録の正確を期する意味におきまして、本請願の根本趣旨は適当なものと考える次第であります。
  47. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御質疑はありませんか——なければこれにて本日の請願日程全部について一応審査を終了いたしました。  これより本委員会の態度を決定いたします。本日の請願日程中第一ないし第二〇、第四三ないし第五〇、第五二ないし第六四、第六六ないし第六八はいずれもこれを採択いたし、議院において採択の上これを内閣に送付するを適当と認めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御異議なければさよう決定いたします。  次に日程第七一については採択と決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御異議なければさよう決定いたします。     —————————————
  50. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 次に陳情書審査を行います。ただいま審査いたしました請願と同趣旨陳情書、すなわち陳情書日程中第一ないし第一一九及び第一二八につきましては、詳細は文書表で御承願うことといたし、その他の陳情書、すなわち日程第一二〇ないし第一二七、第一二九ないし第一三五につきまして、請願趣旨に準じてその審査を行うことといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。それでは日程第一二〇より順次当局意見を聴取することといたします。日程第一二〇及び第一二一は、いずれも裁判所等設置に関する陳情でありますので、一括して当局より意見を求めます。  なお日程第一二二、売春取締に対する法制整備に関する陳情日程第一二三、登記制度改正に関する陳情日程第一二四、会社更正法案に関する陳情日程第一二五、宅地の分割に関する陳情日程第一二六、国民手帳制定に関する陳情日程第一二七、失火罪重罰等に関する陳情日程第一二九ないし第一三四、すなわち市区町村役場における戸籍届出用紙等無料頒布中止に関する陳情日程一三五、死刑廃止に関する陳情、以上をも附加して一括議題といたし、政府意見を求めます。
  52. 野木新一

    野木政府委員 日程第一二〇、総社町に簡易裁判所及び検察庁設置促進に関する陳情でございますが、陳情の御趣旨は十分了解いたしました。本件は、去る第十回国会におきましても陳情書の提出があり、参議院の採択になつたものでありまして、御不便の事情は了承されるのでありますが、その予定事件数は比較的僅少でありますので、他地方との均衡の問題もあり、現下の国家財政事情等から、その設置は思うにまかせない現状にあるのであります。本陳情に対しましては、最高裁判所とも協議いたしまして、将来の懸案として十分考慮いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。  次に日程第一二一、釧路市に高等裁判所支部並びに高等検察庁支部設置方陳情の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便の事情はよく承知しているのでありますが、裁判所支部に関する事項は最高裁判所の権限に属しておりますので、本請願の御趣旨最高裁判所に伝達し、十分の考慮を煩わすことにいたしたいと存じます。また高等検察庁支部設置のことは、高等裁判所支部設置されることになりますれば考慮いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。  次に日程第一二七、失火罪重罰等に関する陳情でありますが、失火罪の件数は戦後漸増の傾向をたどつているとはいえ、戰前に比較してなお下まわつている状況でありますが、最近重要建造物の焼失事件が少からず見受けられますのは遺憾といわなければなりません。この種の犯罪について、法定刑を重くするのみで必ずしもその発生の減少を期待することはむずかしいのではなかと思われますが、刑罰法令の改正については、なお研究を行つて参りたいと考えます。なお、各種関係法令の整備、周知徹底、防火思想の普及宣伝等、失火災害の防除のため必要な措置に関しては、各関係省庁とも連絡を保ちつつ、適切な措置を講じて行きたいと考えます。
  53. 平賀健太

    平賀政府委員 日程第一二三でございますが、登記関係の通達を官報または日刊新聞紙などに逐一掲載いたしますことは一見困難であるかと考えられますけれども、でき得る限り一般的な周知の方法を今後も講じて行きたいと考えております。  次に登記事務手続の簡素化につきましても、陳情の御趣旨のように、現在でも登記に関する窓口事務の改善にも努力しておるのでありますが、今後もなお手続の簡素化について努力いたしたいと考えております。  なお登記所の設備の改良及び登記所職員の質の向上及び登記所の事務組織の改善につきましても、陳情の御趣旨に沿いまして今後努力して行きたいと考えております。  次は日程第一二六でございますが、陳情にかかりますところの国民手帳の制度の趣旨は、昨年六月八日制定されました住民登録法が近く実施されるに伴いまして、同法による住民票の記載事項証明書等を利用することによりまして、ある程度その目的を達成することが可能であると考えられます。  しかしながらこの制度とは別個に国民の全部に国民手帳を携帶させる制度を全国的に実施する法律を制定いたしますことは、財政上の見地その他から見まして、困難であると考えますので、住民登録法の実施とも関連してなお慎重に研究したいと考えております。  次は第一二九ないし第一三四でありますが、国民法律上の義務として官公署に提出しなければならない届書その他の書類は、国民みずから容易に作成することのできることが理想であります。このためには窓口に一定の届書用紙を備えておいて、一般の利用に供することが最も適当な方法であると考えます。とりわけ出生、死亡、婚姻等の届出は、国民自身の身分関係に関することであつて、すべてこれを作成する機会に遭遇するのでありますから、他人の手を介することなく本人自身でその届書を作成することができるようにする必要が特に強いと考えます。従いまして、行政書士法もさることながら、国民一般の利便という見地から考えますと、戸籍届出用紙の無料交付の取扱いは、現在のままとしておくのが相当であると考える次第でございます。
  54. 野木新一

    野木政府委員 死刑廃止に関する陳情について申し上げます。  死刑廃止の問題は、世界各国においても種々論議されているところでありますが、これはその時々の社会情勢と密接な関連を有するものでありまして、わが国の現状のもとにおいて、今これを廃止することは相当でないと存ずる次第であります。  陳情一二四の会社更生法案に関する陳情書につきましては、会社更生法案が本国会で成立いたしました次第でありますので、陳情趣旨は、なお将来において運用等の結果を見て研究して行きたいと存ずる次第であります。  陳情一二五の宅地の分割に関する陳情書につきましては、なお将来十分研究してみたいと存ずる次第であります。  次に陳情一二三の売春取締に対する法制整備に関する陳情書、この点につきましては、婦女を困惑させて売淫をさせた者または婦女に売淫をさせることを内容とする契約をした者の取締りに関する、婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令、昭和二十二年勅令第九号は、平和條約の効力発生後においても法律としての効力を有せしめる必要があると考えられるので、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案中にその旨の規定を設け、政府提出法案として国会に提出通過し、すでに昭和二十七年法律一三七号として公布施行されている次第であります。  なお、売春に関する総合的な取締り法規を制定することについては、社会的経済的諸施策の状況を勘案しつつ愼重に検討を加えている次第であります。
  55. 佐瀬昌三

    佐瀬委員長 以上に対し御質疑ございませんか。——なければ、これにて陳情書審査は一応終了いたしました。  これより陳情書に対する態度を決定いたします。本日の陳情書日程中第一ないし第六二、第一二〇ないし第一二五、第一二七は、いずれも委員会において了承することといたし、その他については、その決定を延期することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。——異議なければ、さよう決定いたします。  なお本日審査いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。  次会は明二十六日午後一時より開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十六分散会