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世耕委員 それ以上お尋ねすることは避けます。
次に、問題を
簡單に片づける
意味においてお尋ねいたしますが、最近
金融関係でいろいろな問題が出ております。
汚職事件と申しまするか、いろいろな
事件が出ておりますが、おそらく
法務総裁は御
承知であろうと思う。
新聞の記事を見ますと、
朝日新聞—読売新聞にも出ておりますが、
金融金庫の
不正貸付で
業務部長が
検事局送りをされておる。これは一部を物語るものであ
つて、相当深刻なものがあるであろうと私たちは想像するのであります。この点について
内容を私はお尋ねしはうとは思わないのでありますが、最近
金融が非常に枯渇して、糸へんとか何へんとか倒産するものが相当数多いということを言
つております。その
半面はどうかというと、
不正貸付ということが問題にな
つておる。その
不正貸付の
半面に
汚職事件がつきものである。こういう点について
法務総裁自身が目を光らせておられるかどうか。
もう一点、これは結論はきようは申しませんが、卑近な例を
一つ申し上げます。
国民生活に非常に重大な問題があるから申し上げますが、最近
開発銀行ができました。そうして
復金が
開発銀行にその
整理を引継ぐような
業務状況であることは、御
承知であると思います。その間において第一次
償却、第二次
償却ということで、
償却という言葉で
借金整理をしておるようであります。
不正貸付が何件あ
つたかということは、きよう私は申し上げることを差控えておきましよう。しかしながら議会として黙過できないような実情が、相当深刻に伏在しているということだけは、私この
機会に申し上げておきます。その
償却される
内容たるや、利子も払わず、もちろん元金も払わず、
工場等に貸し付けられたものに対しては、
保険料すら払わないがために、やむを得ず
復金が
保険金まで
払つてその担保を維持しているというような状態であるから結局、通俗の言葉で申しますと、借金の踏倒しです。その借金の踏倒しや取立ての不可能のために棒引きにして、そうして跡片づけをして
開発銀行に引継ぎをしているということが、われわれの耳の中へ入
つて来ておる。どうやらうわさじやなさそうです。私はそれぞれの
関係筋にその資料を要求したところが、躊躇して出ししぶ
つていることから見ても、およそわかる、最近いろいろな
事件が、
新聞等にも出ておりますけれ
ども、多くは二万円や三万円、多いところで十万円ぐらい収賄したくらいの下級の官吏をつかまえてぶち込んでおる。そんなことは問題ではない、もつとなぜ大物を
つかまえぬか、もつと悪党をなぜつかまえぬかということを私は言いたい。私はこの
復金整理を通じて——
金融関係であるから、あまり詳しいことを申し上げることは差控えたい、莫大な数額を国家がその負債を背負わなくちやならぬ、かくてそれが
国民の血税とな
つて現われて来ることは、少しでも政治をわきまえる者は、すぐぴんと来るのであります。かくのごときことを黙過しておいたとすれば、文部大臣はしきりに倫理綱領を掲げても
つて道徳の頽廃を回復することに努力されておるようだが、そんなことは問題でない。むしろかような問題から
国民の思想が險惡になりつつあるということを、私は指摘しておきたい。
業務部長送検、しかもこの
関係に対しては数百名がすでに取調べられておられるようであります。私は今申し上げたように、
犯罪の急所をついていただきたい。今日の金で二万や三万や十万くらいの金は、それこそある
意味において、はした金、むしろ数億、あるいは数十億の金をは私して、そうして国家に大きな損害をかけた者が見のがされておるのであります。これは賢明なる
法務総裁が、私は正しい法の
命令のもとに活動してこそ、善政がしかれるのじやないかということを申し上げたい。最近の中小商工業者の税金の取立ての
状況を見ますと、あの微力なる納税者が満足に納税しないからどいうて、家中で一番大切なるラジオのセットすら、しまいには取上げられるというような、みじめなる徴収方法をしておる一面において、かくのごときふしだらな、国家に大きな損害を與えるような者が、白晝堂々と横行しておるという、かくのごときことを見のがしたんでは、私は日本の戰後の道徳は、確立できないものだと
考えるのであります。この点に対して、
法務総裁はどういうお
考えをお持ちにな
つておられるか、われわれとともに憂慮されておるはずであろうと私は思うのであります。御所感をこの
機会に伺えば——私は今日は結論を伺うことは差控えます。ただお尋ねするだけであります。もし詳しいことをなお
説明しろというなら、後刻詳細なる資料を提示して、その
処理方法についてあらためてお尋ねいたしますが、本日は、ただ
法務総裁の
気持だけ承
つておきます。