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1952-04-16 第13回国会 衆議院 農林委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年四月十六日(水曜日) 午前十一時十四分
開議
出席委員
委員長
松浦
東介
君
理事
河野 謙三君
理事
小林
運美
君
理事
井上 良二君
宇野秀次郎
君
小笠原八十美
君 小淵
光平
君 坂田 英一君 千賀 康治君 中馬 辰猪君 原田
雪松
君 吉川 久衛君
高倉
定助君 石井
繁丸
君 竹村奈良一君
足鹿
覺君
出席政府委員
農林政務次官
野原
正勝君
農林事務官
(
農政局長
) 小倉 武一君
委員外
の
出席者
專 門 員 難波 理平君 專 門 員 岩隈 博君 專 門 員 藤井 信君 ――
―――――――――――
四月八日
農業共済基金法案
(
内閣提出
第一五五号) 同月四日
物部川筋農業水利改良事業
に関する
請願
(
長野
長廣
君
紹介
)(第一九五七号)
部落農業団体
の
活動促進
並びに
国庫補助
に関す る
請願外
二件(
船田享二
君
紹介
)(第二〇〇九 号)
農業協同組合
に対する
長期低利資金融通
に関せ る
請願外
一件(
羽田野次郎
君
紹介
)(第二〇一 〇号)
野洲川水源地帯
の
治山事業
に関する
請願
(河原 伊三郎君
紹介
)(第二〇三六号)
飼料需給調整法制定
に関する
請願
(
佐々木盛雄
君
紹介
)(第二〇三七号) 同月十日
蚕糸価格安定法
による
政府買上げ
中に玉糸を加 入の
請願
(
藤枝泉介
君
紹介
)(第二〇六四号)
林業行政機構改革
に関する
請願
(
苅田アサノ
君
紹介
)(第二〇六五号)
部落農業団体
の
活動促進
並びに
国庫補助
に関す る
請願外
三件(
船田享二
君
紹介
)(第二〇八八 号) 同外四件(
今井耕
君
紹介
)(第二一二六号)
農地法制定
に関する
請願
(
金原舜
二君
紹介
)( 第二〇八九号)
飼料需給調整法制定
に関する
請願
(
大泉寛
三君
紹介
)(第二一〇三号)
米麦包裝
の
規格制定
に関する
請願
(
大村清一
君 外二名
紹介
)(第二一〇四号)
林道北川線開設
の
請願
(
長野長廣
君
紹介
)(第 二一二五号) 同月十五日
部落農業団体
の
活動促推並びに国庫補助
に関す る
請願
(
船田享二
君
紹介
)(第二一七一号)
飼料需給調整法制定反対
に関する
請願
(
米原昶
君
紹介
)(第二一七二号)
米麦統制撤廃反対
の
請願
(
堤ツルヨ
君
紹介
)( 第二一七三号)
農業委員会費国庫補助増額
に関する
請願
(
高倉
定助君
紹介
)(第二二三一号)
有畜農家
の
創設維持対策確立等
に関する
請願
(
羽田野次郎
君
紹介
)(第二二三二号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 同月十日
農地改革
に関する
予算増額
の
陳情書
(第一二〇五号)
森林法関係国庫補助金
の
増額
に関する
陳情書
(第一二〇六号)
産繭処理機構等改善
に関する
陳情書
(第一二〇七号)
農林道開設
並びに
土地改良
の
補助金増額
に関す る
陳情書
(第一二〇八号) 同月十二日 麦類統制撤廃問題に関する
陳情書
(第一二六二号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一〇八号)
農業災害補償法臨時特例法案
(
内閣提出
第一三 七号)
農業共済基金法案
(
内閣提出
第一五五号) ――
―――――――――――
松浦東介
1
○
松浦委員長
これより
農林委員会
を開会いたします。
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
、
農業災害補償法臨時特例法案
、
農業共済基金法案
、以上三案はいずれも
農業災害補償制度
に関するものでありますので、一括して議題といたし、
審査
を進めることといたします。 まず三案の
趣旨
について
政府
の説明を求めます。
野原農林政務次官
。
野原正勝
2
○
野原政府委員
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提出理由
を御説明いたします。 第一に
改正
いたしたい点は、
共済掛金
の一部を
国庫
が
負担
する
制度
に関してでございますが、
農業災害補償法
第十二条に上りますと
水稻
、
陸稻
、麦の
農作物共済
の
共済掛金
の一部を
農業共済
再
保険特別会計
に繰入れて
負担
いた済のこの鋳金の
負担身
、
農業災害補償制度
上
国庫
が
負担
する
建前
として、これを恒久化する
措置
を講じたいと思うのであります。 また
家畜共済
及び
蚕繭共済
の
掛金
の一部は、
農業災害補償法
第十三条の二、第十三条の三の
規定
が、
年度
を
限つて国庫
が
負担
することとしておりますので、毎
年度ごと
にこの
年度
を延長する
措置
を講じて参つたのでございますが、
制度
の
趣旨
にかんがみまして両
共済
にかかわるこの
国庫負担
の
制度
につきましても、
同様恒久化
の
措置
を講じたいのであります。 第二に
改正
いたしたい点は、
農業共済団体
の
運営
に関してでございますが、現在
農業共済組合
の
役員
の選挙は、総会でこれを行う
建前
に
なつ
ておりますが、農村の実情に即しまして、
投票所
を村内の数ヶ所に設けまして行うこともできるように改めることが適当であろうと考えるのであります。また
共済団体
の
役員
の
任期
は、
農業災害補償法
第三十二条によりますと一年を原則とし、定款で別に定めるときは、二年以内ということに
なつ
ておるのでありますが、過去の経験に照してみましても、
災害補償事業
はきわめて複雑かつ技術的であります
関係
上
役員
が
業務
に習熟し、その手腕を十分発揮するためには、
任期
を二年以内とすることが、適当であろうと考えろのであります。このような点につきまして必要な
改正
の
措置
を講じたいのであります。 第三に
改正
いたしたい点は、
農業共済団体
に対する
監督検査
に関してでございますが、
農業災害補償法
第七十九条の
規定
に上りますと、
共済団体
の
業務
または
会計
の
検査
は、
組合員
の請求による場合、または
法令等
に違反する疑いがあるときに行われるのでありますが、この
制度
の
性格
から見まして
業務
または
会計
が適正に行われているかどうかを知るために、
随時検査
を行うことが
制度
の健全な
運営
を図る所以でもあると考えるわけでございます。以上の
通り
でありまして、何とぞ
愼重審議
の上すみやかに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。 次に
農業災害補償法臨時特例法案
につきまして、その
提出理由
を御説明いたします。
農業災害補償法
におきましては、
水稻
、麦の
農作物共済
は、各
耕地
一筆ごと
に引受け、各
一筆ごと
に三割以上の
被害
があつた場合に補償する
建前
に
なつ
ておるのでありますが、これを
農家
全体として見ますと、平年
作程度
の
収穫
の場合でも、一部の
耕地
が三割以上の
被害
を受けたため
共済金
の
支払い
を受ける場合がある反面に、
病虫害等
により全体として
相当
の
被害
を受けている場合でも各
一筆ごと
の
被害
がそれぞれ三割以下のために
共済金
の
支払い
を受けられない場合もあるのであります。さらに、現在は、
共済金額
は町村毎に一律に定められているために、
生産力
の高い
耕地
も、
生産力
の低い
耕地
も
被害程度
が
同一
であれば
同一金額
が支払われるのでありまして、このような点は、一筆
単位
の
共済
のもたらす不合理であると考えるのであります。従いまして、将来はこれ々
農家單位
に引受け、
農家単位
に補償する
共済
の
方法
にいたしますことが、
制度
の
趣旨
にかんがみまして必要ではないかと考えるわけであります。 この
法律案
の
内容
は、この点にかんがみまして、
水稻
または麦にかかわる
農作物共済
を行う全国の
農業共済組合
の中から、一定の
基準
の下に約五%ほどの
組合
を選定いたしまして、この
組合
について
耕地
一筆
単位
の
共済
と異なるいわゆる
農家單位
の
共済
を、一定期間試験的に実施させ、この
実施成績
を見まして、
農業災害補償制度
の根本的な
改善
をはかろうとするものであります。試験的な
農家單位共済
の
方法
といたしまして、
水稻及び麦
につきそれぞれ
収穫物
の
石当り価格
の八〇%に
相当
する
石当り共済金額
を定め、この石当
上り共済金額
に
農家
の
平均収量
の八〇%を乗じた
金額
を、各
農家
の
共済金額
とし、
耕地ごと
の
減収量
を
農家ごと
にすべて合計したものが、その
農家
の
平均収量
の二割以上と
なつ
た場合に、
石当り共済金額
に、その二割以上と
なつ
た
収量
を乗じた
金額
を補償することといたします。一方
共済掛金
は、
農家単位共済
を行う場合には、
支払い
が減少すると予想されますが、この点の資料がございませんので、
組合単位
では一応
現行通り
の
掛金額
を積み、
現行通り
の
保險料
を
連合会
に納めることとし、この点の相対的な
負担
の軽減をはかる
意味合い
と、この
試験的実施
を奨励する
意味合い
におきまして、
農業共済
再
保險特別会計
から
農家負担掛金
の二分の一に
相当
する額の
補助金
を支出いたします。同時に
共済掛金
の額が、
農家単位共済
に適当であるかどうかが不明なことに関連いたしまして、
会計
を区分し、
実験期間
中に
農家單位共済
から生じた
剰余金
は
実験
を終了したときにこれを払いもどすことといたします。 この
法律案
の
提出理由
及び
内容
は以上の
通り
であります。何とぞ
愼重御審議
の上すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。 引続きまして
農業共済基金法案
の
提案理由
を御説明申し上げます。
農業災害補償制度
は、御承知の
ごと
く
長期均衡
の観念を基礎として成立している
制度
でありまして、料率の決定がいかに適正でありましても、短期間をとりますならば、
当該年度
の
保險料収
入以上に
保險金
の
支払い
を要する
事態
が当然
発生
するわけであります。この短期的な
不足金
に対する
資金
の
融通
は、この
制度
運営
上不可欠の
書措置
でありまして、
災害発生
の都度これに対する
応急対策
を講ずるにとどまらず、
制度
的にも
恒久対策
として解決さるべき問題と考えます。幸いにして国の再
保險金支払い
につきましては、先般再
保險特別会計法
の
改正
に上りまして、
基金勘定
が設置せられたわけでありますが、
共済組合連合会
につきましては、その
団体
の
性格
上、
受信能力
、
金利負担能力
がきわめて乏しいにもかかわらず、従来これら
資金供給
のための
制度
が存在せず年々
不足金
の
発生
の都度その
資金調達
に困難を経験し、しかも
罹災農民
に対する
共済金
の
支払い
がきわめて遅延し、本
制度
の円滑な
ろ運営
に重大な支障と
なつ
ていた次第であります。そこで今回
農業共済基金
を設立いたしまして、
特別会計
における
基金勘定
と相呼応して、
連合会
に
保険金支払い
のための
準備基金
を設け、
罹災農家
に対する
共済金
の迅速かつ円滑な
支払い
を
制度
的に保証したいというのが、今回この
法案
を
提出
いたしました主
目的
でございます。 次に
法案
の主要点を御説明いたしますと、第一に
出資金
であります。
基金
の
出資金
は、三十億円と予定しているのでありますが、もちろん
災害
の
発生
は
不測
の
事態
でございまして、この三十億円で
所要資金
のすべてを充足し得ない場合も考えられるわけでございます。しかし他面
不測
の
事態
を予想して、多額の
資金
を長期間寝かしておくことは、
資金
の効率及び
農家
の
負担
の
点等
から考えまして必ずしも妥当と考えられませんので、
出資金
といたしましては、当面の
必要限度
の三十億にとどめまして、爾後必要の場合には
財政資金
の
導入等
によりまして本
基金
の
運営
に万遺憾なきを期したい
所存
であります。この
基金
の
出資金
は、さきにも述べました
ごと
く、国が
法律
によ
つて
、
災害補償制度
を強制しております
関係
上、
補償体系
の一環として国がその責任のすべてを
負担
すべきものとも考えられますが、他面国の
財政
の現状並びに
連合会
が、
基金制度
の
受益者
たる地位にもかんがみまして、
政府
と
連合会
の半額ずつの
共同出資
としたわけであります、もちろん
出資金
の払込みの時期
方法
について
農家
の
負担
を考慮して、五箇年以内において分轄払込みの
措置
を講ずるとともに、
農家
が
共済組合
を脱退する場合には、その
醵出金
の全額を払いもどすことにいたして居ります。 次に
基金
の運用についてでありますが、
基金
の
性格
及び
国庫出資金
の
関係
からしまして、
相当
の
行政的監督
を必要といたしますが、他面
基金
の会員である
連合会
の方々の創意に上りまして、
民主的運営
をはかりたい
所存
でありまして、
出資金
の配分につきましても、
抽象的基準
を掲げろにとどめるとともに、設立、
管理等
においても社団的な取扱いをいたしております。 以上がこの
法案
の
目的
及びその概要でございまして、慎重御
審議
の上、可決あらんことをお願いする次第であります。
松浦東介
3
○
松浦委員長
本日の
会議
はこの
程度
にとどめ明日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二十六分散会