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門司委員 私は、
地方制度調査会の
仕事が一年ぐらいで完成されるであろうというお
考えとすれば、これは非常に大きな誤りだと思う。もし今伝えられておりますような
日本の
地方行政機関を
ほんとうに改革して行こうとする案だといたしますならば、私は非常にむずかしいと思う。都道
府県を廃止するといたしましても、私は單に都道
府県というものが機械的に廃止されてはならなし、また
事務的に廃止されてもならないと思う。廃止いたしますには、諸般の問題を勘案しなければならない。そこには産業の問題もあるでありましようし、経済の問題も出て来るでしようし、それからむろん立地條件としての地理的
関係もあるでしようし、さらにわれわれから言わせまするならば、産業経済というものを中心にしてわけるか、あるいはもう少し大きく
考えて参りまするならば、
日本で一番重要な問題としての河川行政というものを中心にしてわけるかというようなことが、道州制を施行するにいたしましても、われわれは
考えられる。單に神奈川県と静岡県とをくつつければいいじやないかというようなことでは済まされないと思う。
日本の将来を
考えて参りますとさつきから申し上げておりますように、たとえば電力の開発であるとか、あるいは治山治水のことを
考えて参りますと、どうしてもこれは河川行政というようなものが中心にな
つて、やはり道州制というものがしかれなければならないと思う。それからもう
一つの
考え方は、
府県の廃合が広域行政による
考え方のもとにこれを廃止するか、あるいは統計
調査、あるいは運輸交通というようなものを中心にして、これをわけるかというようなこと、それからさつき申し上げましたような、産業経済を中心にしてグループ制にするかというようなこと、こういう角度から
考えて参りますと、なかなか私は簡単には片づかない、しごく簡単に片づく
筋合いのものではないと私は思う。それから出て来る問題であり、さらに適正規模の問題にいたしましても、今日
財政その他の
関係から、人口七千以上がいいとか、せいぜい一万内外でなければや
つて行けないということは、机の上だけでは簡単に出るのでありますが、たとえば市町村におきましても、九州、ことに宮崎県等あるいは鹿児島県、大分というようなところに参りますと、町村の数は非常に少いのであります。
従つて県が大きくて町村の数が少いのでありますから、村の区域というものは非常に広いのである。これが関東の方に参りますと、だんだん小さくな
つて参りまして、小さな村がたくさんある、数がふえておる。こういうものを適正規模と
考えて参りますと、單に人口ということだけでは割切れない、やはり区域的のことも十分
考えなければならない。こういうことの資料を集めるだけでも、私は一年やそこらはかかると思う。この問題についてそう簡単に割切れて、当局の言うように、一年くらいでできるなんという
考え方では、私は非常に大きな間違いだと思う。もし当局が一年くらいでこれがやれるというお見込がありますならば、具体的にどういうものを当局はお
考えにな
つておるのか、その点をひ
とつお話し願いたいと思います。