○松岡
委員 労働省の
設置法の一部を
改正する
法律案について質問をしたいと思います。
大臣がお見えにならぬのであるから、政務次官からでもその他の
政府委員からでもお答えをいただいてけつこうです。
独立後の
日本の経済自立のためにも、また治安の確保のためにも、労働
関係を調整することがきわめて大切であることは言うまでもないのでありますが、それが監督もしくは取締りによ
つて目的を達成することのみを
考えることは間違いではないかと私は思う少くともそれは健全な労働組合の発達を助長、育成することなくしては、その目的は真に達成されないものであると私は
考えるのであります。すなわち、取締るとか監督するとかいうのではなくして、積極面を出してもらわなければならないと思います。こういう点から
考えると、先般来、破防法であるとか、あるいは労働組合法あるいは労働
関係法の
改正と称するいわゆる改悪が意図されているということのために、かえ
つて社会不安を激化、激成しているかのごとき観を呈しているのであります。私は先に言うたような趣旨からするならば、労働省は早くから、
日本が
国際社会に復帰するに際して、第一回のワシントン
会議以来国際的に非常な不信を招いている。これを払拭する最も適当な
機会として、すでに存在している百になんなんとする国際條約、これらの批准をただちに実行することについての準備をなすべきではなかつたかと思うのであります。というのは、この国際條約を批准したからとい
つて、
日本の産業に新しい負担を附加して、それがために
日本の産業が萎微するがごとき何らの懸念はないわけであります。労働組合法等が
制定されて、団結権もしくは罷業権あるいは交渉権が
法律によ
つて保障されているというような今日の状態は、国際的な水準に達しておるのでありますから、こういう場合に国際労働條約なんかをただちに批准するということは最も当を得たことであ
つて、健全なる運動を
助成しあるいは育成するという積極面ということのみで達成されない場合において―ここに
共産党の同僚がいますけれ
ども、
共産党の破壊
活動をどうしてもこのままにしておくわけには行かないというので破防法の必要があるというならば、今日のごとき、私
どもが見ても無理解な、むしろためにせんとするごとき反対運動に乗ぜられるがごときすきを與えるようなことはおそらくなかつただろうと私は信ずる。しかるに
政府は、消極面ばかり、取締るということと監督するという面ばかりを
考えている。そうして何でもかんでも
法律をつく
つてこれに制圧を加える。そうして積極面には一向
努力しない。すなわち一口に言えば、これは自由党
内閣の非常な保守的な反動性によるのであ
つて、破防法それ自身に対する反対というばかりでなくて、こういう
法律をつくると、今日説明されているような真に立法の趣旨に沿うような運用がとうてい行われないで、健全なるものがこれによ
つて弾圧を受けるがごとき結果を招くのである。要するに
国民の間にこういう強い不信があるからなんです。そういう点何ら反省することなく、今日まで自由党の労働
行政というものが行われておる。今度の
改正についても、労働
行政で、調査や統計というものを軽視して、しつかりした労働
行政ができるかどうか、これは大いなる疑問がある。私は、
観光を今日重点的に
考えるかどうかということについては、あえて軽々しくこれに同感の意を表するものではないが、しかし画一的に何でもかでもやるということは、はなはだ不都合である。先ほど
観光問題についての御
議論があつたが、これはまことに、ごもつともな御
議論であります。他の省で部を廃したからと言
つて、一体労働省が何がゆえに調査統計の部を廃止して、ただ監を置くというふうなことにしたのであるか。それではたして先ほど来申し上げるような
意味において、最も重要に
考えなければならぬところの
日本の労働
行政の完璧を期することができるかどうか、これは次官がお見えにな
つておるから、次官から答えていただきたいと思います。