○入江
政府委員 人事権の独立と申しますか、人事院の独立の問題につきましては、ただいま申しました
通り、勧告は
内閣を通じて国会に勧告する、あるいは人事院規則の制定につきましては、
総理大臣の
承認を得ることになりましたけれども、しかしながらこういう点が変更になりましただけでございまして、実は御存じの
通り、人事院の
設置されますときに、人事院の独立のために設けられました条項がございまして、それらのものはほとんど、今回の改正によりましては従前
通り存続されておるわけでございます。たとえば法令その他の
意見の申出につきましては、この
国家公務員法の改正前には
内閣総理大臣にのみ
意見の申出をすることにな
つておりましたが、これが
国家公務員法の改正の場合に、国会へも申し出るということになりまして、この条項は今回の改正にもやはり従前
通り存続されております。それから給与の勧告につきましても、ただいま申しました
通り、
内閣を通じて国会へ勧告することにな
つておりますけれども、従前は勧告権もありませんでしたのを勧告権を認められたわけでありまして、その点はやはり勧告権は存続いたしておりますし、またかりに
内閣を通じて国会へ勧告することになりましても、これを
内閣が修正あるいはそのまま拒否するということはないものと
考えております。また御存じの
通り公平審理の問題がございまして、公務員が不当処分を受けました場合に、これの救済を要求する
権限が規定されておるわけでございます。この公平審理の問題につきましては、今回の改正におきましては全然これに触れませんで、従前
通りの
権限を人事院に与えておるわけでございます。
なお人事院の独立の
一つの基礎になりまする人事官は、今度の改正におきまして、御存じの
通り国家人事
委員となるのでございますが、
国家人事
委員の身分の保障でありまするとか、あるいはこれを罷免いたします場合に国会の訴追を要することにな
つております等の規定におきましては、何ら変更を加えませんで、十分の保障の道を講じてございますので、最初に申し上げました人事院の
権限につきまして、総理府の外局になりまする結果の若干の変更はございまするけれども、今度の改正の人事
委員会の、人事
行政の基本を樹立いたしますための必要な独立権というものは保持されておる次第でございまして、その点御了承願いたいと思います。