運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-07-28 第13回国会 衆議院 電気通信委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十八日(月曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 田中 重彌君   理事 橋本登美三郎君 理事 福永 一臣君    理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君       石原  登君    井手 光治君       岡西 明貞君    加藤隆太郎君       庄司 一郎君    關内 正一君       椎熊 三郎君    石川金次郎君  出席政府委員         電波監理委員会         委員長     網島  毅君         電波監理委員会         副委員長    岡咲 恕一君         電気通信事務官         (業務局長)  田邊  正君         電気通信事務官         (業務局周知調         査部長)    吉澤 武雄君  委員外出席者         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 七月二十五日  公共放送によるテレビジヨン実施に関する陳  情書(第  二八五九号)  同(第  二八六〇号)  同(第二八六一号)  同(第二八六二号)  同外七件  (第二八六三号)  同(第二  八六四号)  同  (第二八六五号)  テレビジヨン民間放送許可に関する陳情書  (  第二八六六号)  テレビジヨン放送秋田誘致に関する陳情書  (第二八六七  号)  同月二十六日  テレビジヨン放送事業促進に関する陳情書  (第三〇三〇号)  公共放送によるテレビジヨン実施に関する陳  情書  (第三〇三一号)  同(第三〇  三二号)  同(第三〇三三  号)  同(第三〇  三四号)  同(第三〇三五  号)  同  (第三〇三六号)  教育的テレビジヨン実施に関する陳情書  (第三〇三七号)  テレビジヨン放送秋田誘致に関する陳情書  (第三〇三八  号)  テレビジヨン民間放送許可に関する陳情書  (  第三〇三九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  テレビジヨン放送に関する件  衆議院規則改正に関し、議院運営委員会に申入  れの件   請願  一 テレビジヨン民間放送許可に関する請願    (平澤長吉紹介)(第四一七五号)  二 新川、清洲及び西春三局間に電話回線増設    の請願(多武良哲三紹介)(第四一九六    号)  三 栃尾郵便局電話交換方式改善に関する請    願(小林進紹介)(第四二八九号)   陳情書  一 テレビジヨン民間放送許可に関する陳情    書    (第二六八八号)  二 同(第二六八    九号)  三 同(第二六九〇    号)  四 同    (第二六九一号)  五 同    (第二六九二号)  六 同(第二六九    三号)  七 同(    第二六九四号)  八 同外一件(    第二六九五号)  九 同(第二六九    六号) 一〇 同(    第二六九七号) 一一 同外一件    (第二六九八号) 一二 同    (第二六九九号) 一三 同(第    二七〇〇号) 一四 公共放送によるテレビジヨン実施に関す    る陳情書    (第二七〇一号) 一五 同外一件    (第二七〇二号) 一六 同(    第二七〇三号) 一七 同(第二七〇四    号) 一八 同外二件(第二    七〇五号) 一九 テレビジヨン放送秋田誘致に関する陳    情書外三件    (第二七〇六号) 二〇 公共放送によるテレビジヨン実施に関す    る陳情書    (第二八五九号) 二一 同    (第二八六〇号) 二二 同(第二八六一    号) 二三 同(第二八六二    号) 二四 同外七件    (第二八六三号) 二五 同(    第二八六四号) 二六 同    (第二八六五号) 二七 テレビジヨン民間放送許可に関する陳情    書    (第二八六六号) 二八 テレビジヨン放送秋田誘致に関する陳    情書(第    二八六七号) 二九 テレビジヨン放送事業促進に関する陳情書    (第三〇三〇    号) 三〇 公共放送によるテレビジヨン実施に関す    る陳情書    (第三〇三一号) 三一 同(第    三〇三二号) 三二 同(第三〇三    三号) 三三 同(第    三〇三四号) 三四 同(第三〇    三五号) 三五 同    (第三〇三六号) 三六 教育的テレビジヨン実施に関する陳情書    (第三〇三七    号) 三七 テレビジヨン放送秋田誘致に関する陳    情書(第三    〇三八号) 三八 テレビジヨン民間放送許可に関する陳情    書    (第三〇三九号)     ―――――――――――――
  2. 田中重彌

    田中委員長 これより開会いたします。  日程追加の件についてお諮りいたします。テレビジヨン放送に関する件を日程に追加し、調査を進めるに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中重彌

    田中委員長 それではさように決定いたします。  網島電波監理委員会委員長よりこれまでの経過についての御報告を求めます。綱島政府委員
  4. 網島毅

    網島政府委員 かねがね当電気通信委員会におかれまして、いろいろ御心配いただいておりましたテレビジヨン問題につきまして、今日までの経過を御報告申し上げます。  御承知通り、さきに電波監理委員会におきまして決定いたしました白黒式テレビジヨン標準方式につきまして、異議申立てがございまして、この異議申立ての聽聞会を四月中旬から下旬にわたりまして数回開催いたしました。その聴聞の結果に基きまして意見書が提出されましたのは五月の上旬でございます。この意見書並び聴聞会の調書に基きまして、電波監理委員会におきましては数回委員会を重ねまして討議した結果、それに対しまして裁定を下したわけでございます。  この裁定の結果を簡單に申し上げますと、異議申立ては認めがたいというのでございまして、その理由といた申しまして、法律的な面と技術的な面と二つございますが、法律的な面に関しましては、第一回の聴聞会におきまして、電波監理委員会とつ法的処置は不法ではないという結論に到達した次第でございます。また技術的問題に関しましては、いわゆるテレビジヨン電波バンド幅を六メガサイクルにするか七メガサイクルにするかということにつきまして、いろいろ白熱的な議論が行われたのでありますが、電波監理委員会といたしまして、テレビジヨンの線の数を五百二十五本という前提に立つ以上は、バンド幅を六メガにしても七メガにしても実際上大差はないという結論に到達いたしまして、原決定を支持したのであります。しかしながらこの六メガ、七メガというようなバンド幅につきましては、わが国におきまして実際的な実験がいまだどこにも行われておらないのであります。アメリカ研究結果によりますと、五百二十五本の線を使う以上、六メガでも七メガでも大差はないということになつておりますが、わが国におきまして実験結果がないのでありますから、もし今後一年以内にそういう実験が行われまして、七メガの方がはるかによろしいということがはつきりいたしました場合には、電波監理委員会としてはあらためて聽聞を開催して、七メガに変更するようになるという附帶的な決議をつけまして決定した次第でございます。  かくして一応標準方式が定まりましたので、あらためて各申請者に従来の申請の不備な点を加除訂正してもらいました。それを六月初めから逐次審査したのでございます。各申請者に来ていただきまして一々内容説明を聽取し、さらに事務当局にその内容を詳細調べさせまして、その報告に基いて不審の点をさらに実際の申請者に当つていろいろただすというような方法によりまして、六月中に申請された五つの申請につきましては、すでに審査を終了しております。七月に入りまして、さらに名古屋の中部日本放送並び東京日本文化放送から、それぞれテレビジヨン申請の書類が提出されましたが、これにつきましては時間の関係審査はまだいたしておりません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、昨年から提出されておりました四つの申請につけ加えまして、六月上旬に提出されましたラジオ東京申請を加えた三社の分につきましては、現在まで審査は完了しております。ところでこの状態におきましてテレビジヨン最後結論を出すかどうかということにつきまして、私ども委員会といたしまして今月の初めに、従来の行きがかりを捨てて白紙に返し、あらためて再検討してみたのであります。その結果大多数の委員意見は、電波監理委員会としては、過去一年近くテレビジヨン問題につきましていろいろ角度から十分研究を盡して来た。またアメリカにおいてもこの問題についていろいろ研究して来た。従つてもうすでに結論を出す段階になつておるというのが、大部分委員意見でございます。先週も一部の委員より、早く最後決定委員会を開くようにという督促もあつたような次第でございますが、先週は岡咲委員長が病気のため欠席でございました。私どもといたしましては、このような重要な問題は、全委員そろつた上で決定したいと考えましたので、先週は懇談という程度にとどめたのでございます。岡咲委員長も土曜日より出動されるようになりましたので、おそらく一両日の間に電波監理委員会といたしましては、テレビジヨン問題に関する結論を出すことになるだろうと存ずるのでございます。  以上今までの経過報告を申し上げます。
  5. 田中重彌

    田中委員長 質疑の通告があります。福永一臣君。
  6. 福永一臣

    福永(一)委員 網島委員長に御質問いたします。電波監理委員会も間もなくなくなるという前提に立つておりますが、予備免許につきまして、どういう経過になつておりますか。またその見通しについて質問いたします。
  7. 網島毅

    網島政府委員 経過のあらましはただいま申し上げた通りでありますが、先ほど申し上げましたように、今月の初め及び最近二回にわたりまして、電波監理委員会といたしましては、今月をもつて廃止されるところのこの委員会が、テレビジヨンの問題に関して結論を出すか出さないかということについて懇談をした結果、大部分委員意見結論を出そうということでございます。この問題は今明日さらに本委員会といたしまして最後決定をいたしたいと考えております。御承知通り委員会多数決できまるのでございます。電波監理委員会設置法の効力発生いたしております現在の過程においては、委員長といたしましては、各委員意見をよく聞きまして、その間に調整すべきものは調整いたしますが、最後的には委員多数決によつてきめるよりほかにしかたがないと考えております。  さらに今後の見通しでございますが、私といたしましては、従来とも各一人一人の委員とはいろいろ懇談いたしておりまするが、まだ最終的結論を出すところの委員会を開催しておりませんので、その委員会最後の結果がどういうことになるか、私にはまだわかりません。しかし私としては、進め方といたしまして、まず日本テレビジヨンあり方と申しますか、将来のテレビジヨン形態につきまして、電波監理委員会がどういう考えを持つたかということが一つと、それからそのテレビジヨンあり方というものにつきまして、個々の審査をした結果どういう結論なつたかという二つ段階にわけて進めるのが適当じやないかと考えております。電波監理委員会考え方並びに各審査の結果に対する意見と申しますか、どういう考えのもとにこういう結果になつたかということは、結論を出したあかつきにおきまして公表したいと考えております。
  8. 長谷川四郎

    長谷川委員 関連して網島さんにお尋ねいたします。あり方についてのお答えでございますが、あり方というのには二通りあると思います。ただいま御説明なつただけでも、数社がその希望を持つて申請をしておる。従つてこれをなお分類して行けば、公共企業体民間というものの二つに分類されてくる。そういうような点から考えまして、私たちはこの国会を通じまして、私たち意見を申し上げてあつたはずだと思うのでございます。特に委員長を通じて委員会意見等も十分参酌していただかなければならないのだということも通じてございます。従つて現在のあり方として、日本では大体一社ぐらいよりも多くは許可ができないのだというようなお話も承つておるのでございます。私たちが常に申し上げてあつたことは、私たち委員意見は、一国会議員としての意見ではございませんので、少くとも私たち国会を通じて希望を申し上げることは、国民全体の意欲というものを十分キヤツチして、あなたの方に申し上げてあつたと思うのでございます。その点について、免許を与える時期もあと二日間であるというようなまぎわに来れば、おそらく御決定がしてある、ただ発表する段階には入つていないけれども決定はしているのだという方がはつきりしておると思うのでございます。従つてわれわれの希望が十分に現われるようになつておりましようか、お伺い申し上げます。
  9. 網島毅

    網島政府委員 率直に申し上げて、委員会としてはまだ今は結論が出ておりません。もちろん先週懇談会の席上で各委員から自分たち見解はもうすでにきまつておる、書きものにして自分たちは持つておるということも言われましたので、おそらく委員一人々々はすでに心の中に決定したものを持つておられると思います。しかし委員会全体としては、まだこの問題は討議しておりませんので、結論につきましてはまだ見通しができないのでございますが、ただいま長谷川委員からもお話のありました国会考え方、あるいはその委員会において御表明されたところのいろいろな御意見に対しましては、各委員よく了承しておると思います。なおきようあるいは明日の私ども委員会におきましては、あらためて長谷川委員からこういう意見の表明があつたということをさらに皆様にお伝えいたしまして、国会の御意見というものも十分反映できるように私は取運びたいと考えております。
  10. 長谷川四郎

    長谷川委員 私たちは何ら決定する権利はないけれども、先ほど申し上げました通り国民意欲というものが那辺にあるかということで申し上げてあつた。従いまして公共企業体、さらに民間という二つ方法をとつていただくことが、現実日本を見たときには、一番いい方法ではないかというように考えておつたからでございます。この点について私がはつきりと申し上げたところの、公共企業体というものと民間というものと二つを採択して、これだけに許可をするということについて委員長としての御意見はどうでありましようか。
  11. 網島毅

    網島政府委員 ただいまお尋ねがありましたが、委員長委員会の議事を整理いたしまして、なるべく委員会委員意見が同じ方向に向うようにして行きたいと考えております。私個人の意見委員会に押しつけるようなことはすべきものでもないし、またそういう意図は持つておりません。従いまして私といたしまして、委員会の大多数の方の意見に従うということより今は申し上げられないのが残念であります。
  12. 松井政吉

    松井(政)委員 大体わかりましたが、経過の中では法的にも技術的にもということが中心になつておるようであります。電波監理委員会としては当然それが主とならなければならないけれども現実の問題として、研究過程ならば私はそれだけに重点を置くのが一番いいと思う。ところが今度は研究じやなくて、実施をしようというときには、法的には当然当てはまらなければならないことはもちろん、技術的に完璧を期さなければならないことももちろんであります。けれどもそのほかに経営形態実施した場合の企業可能の状態が、当然審査に抜くことのできない要素だと思われますが、その企業形態と、さらに企業可能の問題について、委員会においてはどのような論議が行われたか、お伺いをしたいと思います。
  13. 網島毅

    網島政府委員 御質問の趣旨は、今日まで電波監理委員会において、今後のテレビジヨンあり方というか、経営形態あるいはその財政的な問題につきまして、どういう議論が行われたかという御質問だと思いますが、先ほど申し上げましたように委員会としては今まで十数回あるいは数十回懇談を重ねて参りましたが、今までのは懇談形式における意見交換でございまして、正式の委員会としての結論ではございません。従いまして私のただいま申し上げることは、最後委員会結論として出て来るかどうかはわからないのでありまして、今までどういう経過においてどういうことが話題に出たかということでございます。それに対しましては、現在の日本状態において、テレビジヨン実施すべき時期に到達しているかどうかということが、まず最初の問題でございます。この問題については今年の一月以来各方面、ことに財界あるいは実業界文化方面の方の御意見を伺う方法もとつて参りました。もちろんいろいろな分野においていろいろな見解が行われておるのでありますが、今までの電波監理委員会の大多数の意見として表明されたものは、現在の日本テレビジヨンをやる段階に到達しておるだろうという意見が相当支配しております。なお財政的にこれが可能であるかどうかという問題につきましては、最後委員会でなければはつきりいたしません。しかしどれもこれも全然不可能だというような見解は表明されなかつたように記憶しております。
  14. 松井政吉

    松井(政)委員 私のお伺いしておるのは、そういつた抽象的な御答弁を望んでいたのではないのです。委員長考え方を話せということではないのです。要するに今まで審議した過程において、たとえば経営形態については公共企業でやるべきだ、あるいは民間放送でやるべきだ、その場合の放送の持つ国民に与える影響は、経営形態企業上から出て来るものはどういうものであるか、その場合にテレビジヨン放送を含んだ放送の性格は、たびたびあなたが公共的でなければならぬということを御説明されておりますから、そのようなことが話合いに出たことがあるかないか、あつたとするならばその具体的な内容を話してもらいたい、こういうことです。ところが審議の問題については、法的、技術的なことは事こまかに経過の中で報告をしております。従つてその場合に、経営形態、さらに形態とともにどういう形の企業が認可をした場合に企業可能であつて放送の本質を生かすに妥当であるかということは、当然議論になつているはずです。それを御報告願いたいということです。報告できないはずなない、報告でありますから、こういう意見もあつた、ああいう意見もあつたということは報告できるはずであります。御報告を願いたい。
  15. 網島毅

    網島政府委員 先ほど申し上げましたように、今までの過程におきまして行われましたのは、懇談形式におきまして、各委員意見を持ち寄つて、できるだけ一つ方向に進むように、その調整をはかるという意味合いで行われたものでございます。もちろんその意見の中には、日本テレビジヨンをやるといたしましても、当分は独占でなければならないという意見も表明されております。これはわが国の現在の経済的な立場、あるいはまた南方諸国、フイリピンその他の国々の対日感情あるいは賠償問題、そういつたような問題を考慮された上の意見だと思いまするが、当分は独占でなければならない。独占と申しますか、一本でなければならないという意見も表明されております。それに対しましてテレビジヨンは、御承知通りにマス・コミニユケーシヨンとして非常に重要なエリアでございまして、これが万一運用を誤られることがあると、国として非常に大きな影響を受ける。でありますから、これはあらゆる角度から国民意見が述べられるようなものでなければならない、従つてこういうような強力な言論機関は、独占はいけないという意見も主張されております。しかもこの独占でない場合には、一体民営だけの競争で行くか、あるいは民営と公営と申しますか、いわゆる現在のNHKとの共存といいますか、両立して行くかということにつきましての是非も議論されております。さらに先ほどの、当分独占でなければならない、一本でなければならないという見解から出て来る結果といたしまして、日本放送協会民間申請者を全部一本にいたしました特殊なテレビジヨン企業形態というものは考えられないかどうか、そういうものを考えたらどうかという意見も出ております。これらの問題につきましては、現在の電波法あるいは放送法との関係、あるいはNHKの現在及び将来のあり方、並びにそういうものが実際的に可能であるかどうか、あるいはまた実際的にそういうものをつくらなければならない情勢にあるかどうか、この問題につきましてはいろいろな角度から研究され、議論されております。ただいま申し上げましたように、そういうような議論が今まで数回となく行われまして、各委員はそれぞれそれらの表明された意見を胸に納めて、おのおの結論を出しておられるわけであります。その結論によつて近く電波監理委員会としての最終的な意見というものが出て来ると私ども考えております。
  16. 松井政吉

    松井(政)委員 大分はつきりいたしました。そこでもう一つ伺いをいたしたいのであります。これは経過において論議なつたと思いますが、論議なつたとすれば、その論議内容と同時に、監理委員会としてこれは、もちろんそれも結論を出していないと言われればそれまででありますが、監理委員会としてどのように考えておるかということをお伺いしたいのです。御承知のように国民全体を利用対象とするものは、企業形態すなわち経営形態が、公共企業体であろうと、国営であろうと、民間経営であろうと、やはり公共性を保持しなければならないというのが原則であります。これは單に放送だけではありません。国民全体が利用するものについては原則であります。これを守りながら、さて経営形態考えて行こうとする場合に、民間放送が今日普通一般放送の中に盛んに各社で各地方において行われております。ところがこれも経営形態について必ずしも完全無欠なものばかりかというと、民間放送を開始して以来、いろいろおつくり願つております統計から見て、いろいろな問題が出て参つております。しかも民間放送の場合において第一に問題になつたのは、われわれもまつたくその通りだということで賛成した中には、公共企業体として経営する場合には、当然税金免除等立法的措置が行われて来る。民間経営の場合においては、主としてやはり独自の収入をもつて収支採算をとる経営形態であるからということで、等閑に付されておりました税金免除等は、われわれは、やはり民間経営であつても、国民全体の利用対象となるべき企業については、免税等方法というものは妥当であろうということで賛成をしている。これは一面から見れば、單に経営形態から生れた問題ではない、営業の方法から生れた問題でない、こう言われるかもしれませんけれども経営形態企業可能の二つの問題から現われて来るということは当然であります。たとえば民間放送の行つておりまする広告料等は、そんなに安いものでは私はなかろうと思います。一定の企画を相談願つてきめて、取扱つておるものでありまするけれども、その収入目一ぱい税金がかかつて来るということになりますと経営形態を危うくして行く。そこから問題が起つて参りまして、われわれは免税すべきだということで賛成しているのです。従つて私は経営形態企業可能の問題を、テレビジヨン放送についてもお伺いしたいのですが、そういうような見通しに立つて経営形態企業可能か不可能かの問題について御議論なさつたことがあるか。御議論なさつたとすれば、この形態がよろしいということを考えておりましても、企業の可能、不可能、さらに自由に収入をもつて充てる民間放送と、ある程度国が責任を持たなければならない公共放送形態と比べてみて、税金の問題あるいは何らかの形で民間企業体に対する援助の方法を、われわれが国として国会できめなければならぬような問題が起るというようなことまで議論なさつたかどうか。議論なさらないとすれば、監理委員会としてはこの種の問題にどういう見通しをお持ちになるか。これは認可をすれば、あなたの方の与えられた行政権の行使はそれで済むのであります。済むんだけれども放送そのものを国家全体から考えれば、それを認可した場合における将来の経営可能の問題を抜きにして、電波監理委員会が無責任な認可をするということは許されないと思う。従つてそういう問題について御議論がありましたけれども、つまびらかに御報告願いたい。見通しがありますならば、見通しをお聞かせ願いたい。
  17. 網島毅

    網島政府委員 もちろん放送というような限られた電波を使う事業は、公共性の強いものでなければならない。これは御説の通りであります。従つてこの限られた電波を有効に利用するためには、その事業の経営的な基礎がしつかりしていなければならないということも当然でございます。その意味合いにおきまして、電波法の第八條におきましては、免許を与える場合には、その事業の財政的な基礎が確実であるかどうかということを、はつきり見きわめて免許をするようにという條件がつけられているわけであります。  この財政的な問題に関連いたしまして、まずNHKの場合でございますが、これは聴取料をとるわけでありますから、もしその事業計画なり収支予算というものが国会の承認を得まして、聽取料の額が確定いたしましたならば、その財政的な基礎は確実であるということが言えると思います。もちろんこの聽取料が確実にとれるかどうか、現在の三十二條の條項でこのままでいいかどうかということも、委員会としては議論しております。おそらく最後委員会におきましては、その点もまた論議されることと考えております。  なお民間企業につきましては、現在の放送法あるいは広く商法と申しますか、そういう法律によつてつくられるところの民間企業体で、テレビジヨン経営が成り立つかどうかという問題についても、いろいろ論議されたのであります。もう少し法律的に保護を加える必要がないかどうかということも考えられたのでございますが、ただいまのところは、民間ラジオが現在の放送法並びに商法の規定に基いてつくられておりまして、全国的に見て、まだ地方的には開始後時期もたつておりませんで経営に苦慮しているところもございますが、大体において順調な過程をたどつている事実にもかんがみまして、テレビジヨン民間企業に対しても、一応現在程度のところでいいのじやないか、国会の御同情といろいろな御援助によつて、例の地方税の問題も解決しておりますし、現在のところその程度のことでいいのじやないかというところに大体の意向はあるのではないかと考えております。
  18. 松井政吉

    松井(政)委員 最後に私の意見並びに質問を申し上げておきますが、これに対してお答えが可能であればお答えしていただきたい。お答えがなければ意見として十分尊重していただきたい。というのは、先ほど来申し上げたように地方における民間放送の各企業体の問題が、半歳ならずしてわれわれが保護を加えなければならないような状態であることは、十分ひとつ御認識を願いたい。そこでテレビジヨン放送の場合において、先ほどの委員会の御報告によれば、独占がいいということと、数社許した方がいいというようなお話があつたようでありますけれども、やはりテレビジヨン放送というものは、技術者から見れば技術的にはすでにその研究が完成の域に達しておりましようが、しかし一般国民から見れば未知数のものであります。その一般国民が見て未知数のものを免許した場合の責任はだれが負うかということになりますと、残念ながら国民の代表であるわれわれが負わなければならぬ。その点を第二として十分把握をしていただきたい。未知数のものの免許をどの経営形態にやらせるかということになりますと、放送を受信する方については、これは独占であつてはならないのです。あらゆる国民に享受させなければならないものなのです。そうするとやはり公共性が出て参りますから、経営形態についてもその面は第三点として考えてほしい。第四点として私が考えております点は、民間放送が今日各地にでき、すでにわれわれが保護のために論議をしなければならないものが起きておりますから、未知数としてのテレビジヨン放送を五社も六社も一ぺんに免許するということは愼んでもらいたい。私は率直に意見を申し上げます。しかし法的にも技術の研究としても完備しているので、ここらで実施すべきだということについてはわれわれは認めましよう。認めるが、ただいま申し上げたように最初から未知数のものを四社も五社も免許して、三箇月たたないうちにわれわれが次の国会でその保護政策を論議しなければならぬようなことの起らないように愼んでいただきたい。  それからこうなつて来ると、一経営形態許可して公共性を強く打出すということが私の理想とするところでありますが、残念ながら、私もたびたび言うように、委員長経過報告で白紙の状態にもどつて審議を開始したとおつしやいましたが、白紙の状態に返さなければならないほど、経営形態の選択にもちまたに議論が沸騰したことは、ぬぐうことのできない一つの汚点である。これはだれも隠すことのできないことだ。従つてそういう点の考慮を払わなければならないことと思いますが、数社許してそのために経営上のいろいろな問題が起きて来た、免許した以上はつぶすわけに行かないのでありますから、保護政策の問題が出て来て、国会でまた、われわれが議論しなければならない、こういうことのないように取扱つていただきたい。しかも出発からの経過は、率直に言つて必ずしも明朗であつたとは考えられません。従つてその明朗でなかつた部分を払拭して、そして政治的と申しますか、可能な範囲で許可するといえば、公共企業体と、財的にも法的にも技術的にも完備している民間のもの一社、これ以外は最大われわれが譲歩しても選ぶべきではない、こういうことを強く私は意見として申し上げておきます。もし委員会の各委員が私の意見に賛成していただけば、国会の当該委員会意見はそのようなものであるということにしていただいてもけつこうでありますが、委員の各位は大体において私の意見に賛成してくださると思つております。少くともそういう方法で愼重な結論を出していただきたいということを申し上げておきます。
  19. 網島毅

    網島政府委員 ただいまの御意見はよくわかりました。各委員にも十分伝えて、その点十分考慮することにしたいと思います。
  20. 長谷川四郎

    長谷川委員 六メガ、七メガの問題で、われわれは七メガにしてほしいということは委員会においてはつきり申し上げたのでございます。その理由は、私がアメリカならアメリカという国を見て来た結果からも出ておりますが、すでにアメリカは六メガをやつている。いよいよ日本が進出して行こうという場合に、国内の放送などというよりも、もつと国内の技術を極東全般に普及して、日本の産業構造の上に立つて基礎づけて行きたいというのが私たちの念願である。従つて六メガでやつた場合は、いつでもアメリカの後塵ばかりをなめている。そのようなことで日本の産業の振興に大いなる痛手をこうむるようなことがあつてはならないという考え方から、七メガにして日本独特のもので進んで行つたならば、日本産業の振興がはかれるのじやないかということを、一応申し上げておいたのであります。しかしこれもすでに決定され、またさらに二、三日うちにはこのテレビの問題の最後的な決定が発表になるという段階に立つている。そこで岡咲さんにお伺いしたいのでありますが、放送法の七條と三十二條の御解釈をお聞かせ願います。
  21. 岡咲恕一

    岡咲政府委員 放送法第七條の意義につきまして長谷川委員からお尋ねでございますが、長谷川委員も十分御了承の條文だと存ずるのでありまして、私が重ねて御説明申し上げるのも実は蛇足ではないかと考える次第でありますが、ここにございますように、公共の福祉のために、日本全国においてあまねく放送を受信できるように放送を行うことを目的にして、日本放送協会が設立されたものであるということを規定いたしたものでございまして、日本放送協会一つの任務を定めたものではなかろうかと考えている次第でございます。次に三十二條に関しまして私の見解を申し上げたいと存じます。この條文はせんだつて国会におかれまして修正になりました條文でございますが、協会が行うところの放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送受信についての契約を締結しなければならないということを定めました、きわめて重要な規定かと考えている次第でございます。
  22. 長谷川四郎

    長谷川委員 重ねてお伺いいたします。放送法七條は協会のみに限定されておりまして、他の放送というものは何らこれに掣肘を受けることはないという御見解でございますか。つまり七條は放送協会だけの問題である、のみだという御見解でございますか。
  23. 岡咲恕一

    岡咲政府委員 第七條の規定は、日本放送協会の設立の目的を定めた規定でございまして、民間放送日本全国にあまねく受信できるような放逐を、もちろん禁止したものではございませんし、その半面民間放送は義務として、あるいは責務として、全国的にあまねく受信できるような放送を行わなければならないということを規定しているものでもないと考えております。
  24. 長谷川四郎

    長谷川委員 規定しておくものではないという御意見でございますか。
  25. 岡咲恕一

    岡咲政府委員 さようでございます。
  26. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 各委員から質問がございまして大体了承いたしましたが、ちよつと二、三お伺いしたい点は、先ほど委員長お話では、このテレビジヨン予備免許の問題については、懇談会を数十回重ねたというようなお話でございますが、これは正式の委員会を開いて、正式に予備免許を議題として懇談せられたのか、その点についての事情をお伺いしたいと思います。
  27. 網島毅

    網島政府委員 先ほど懇談会と申し上げましたのは、いわゆるテレビジヨンあり方、あるいは個々の免許申請に対しまして、どういう考え方でやるか、あるいは各委員意見はどうであるかということの最終結論を出すための意見交換でございまして、いわば正式の委員会におきまして決定をする前の予備的なものでございます。もちろんこの申請審査をするために、各申請者を招致していろいろ説明を聞く、あるいはまた事務局から意見を聞くというようなことは、すべて正式の委員会でやつている次第でございます。
  28. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 そうしますとその委員会は、正式の予備免許に関する議題としては今まで出しておらなかつたということになるようですが、その場合は非公式といいましようか、形式は公式でありましようが、議題が非公式の場合は議事録の作成は、いわゆる速記録に残さずにおくであろうと思いますが、その点はどうですか。
  29. 網島毅

    網島政府委員 その問題に関連いたしましても、正式に議題となつ部分は議事録に残つておりますが、大部分はいわゆる意見の調整をするための懇談会であります。しかし懇談会は非公式のものでもありますので、記録には載つておりません。
  30. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 もう一つお聞きしたいことは、六メガが決定を見まして、そこで申請者についての審査が行われたわけですが、その場合に私の考えから言えば、六メガが決定されたことによつて、いよいよ具体的にテレビジヨン放送という問題にとりかかるわけですが、そうしますと当然テレビジヨン放送に関する運用規正の問題その他について研究がなされなければならぬと思うのです。要するにたとえば公共企業もしくは民間の二本建で行く場合に決定されることもありましようし、あるいはまた公共企業体一本で決定されるような場合もありましようが、いずれの場合にしても、もし民間考え決定されるような場合においては、現在の放送法ではその運用の内容については非常に簡単であり、ほとんどこれを規正しておらない。ただ一応政治的に公平なる原則を適用しておるだけであつて、具体的なものがあまり明記せられておりません。しかもこのテレビジヨンは教育、文化各方面影響するところ非常に大である。従来の標準ラジオのごとき声から受ける影響ではなくして、目から見、将来は色からも感ずるのですが、その受ける影響は非常に重大である。従つて現在の放送法に規定せられてあるそれぞれの運用規正の点だけで私は十分だと思つておらない。当然テレビジヨンから受ける影響を考慮して、放送法の運用の内容についても規正が行われなければならないと考えているのです。従つて実は予備免許の前にこれらの問題が論議されて、一切の準備整つて初めて予備免許審査に移るのが当然の結果であつたろうと思いますが、これはいろいろ前後の関係からかわつて来るにしても、将来この問題についての御研究といい  ますか、現在どの程度まで御研究が濫んでいるかお伺いしたい。
  31. 網島毅

    網島政府委員 テレビジヨン放送実施するにあたりまして、先ほども標準方式以外にいろいろ運用上必要な問題、あるいはまた設備の面等それぞれの部分につきましては、法律の定めるところによりまして聴聞会を開いて、電波監理委員会の規則の改正、その他の準備はすでに終了いたしております。ただ最後お話放送番組の編集問題、すなわち放送法第四十四條の問題について研究したかどうかというお話でありますが、この第四十四條は日本放送協会のみならず、民間放送事業におきましてもこれは適用されております。この第四十四條はすなわち公安を害しない、政治的に公平である、報道は事実を曲げない、あるいは意見が対立しておる問題については云々ということがありますが、私どもはこの問題につきましても、テレビジヨンについてあらためてこれを変更あるいは附加するようなことがないかどうかということにつきまして、意見交換をしたことがございます。現在までのところこれをどうしてもかえなければならないという理由は発見しておりませんので、テレビジヨンにつきましても第四十四條はそのまま適用されていいのじやないかと考えております。
  32. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 委員長の御説明によると、第四十四條を適用すれば、テレビジヨンによるところの番組の影響というものは、大体さしつかえない、こういうような御意見のようであります。これはお互い意見の相違でありますから、委員会意見としてわれわれは拝聽しておきます。  そこで最後の、私の意見にもなりましようが、先ほど来ことに詳しく松井委員から、経営形態の問題その他企業採算の問題等に触れて具体的な質問がありましたので、重なるようになるから詳しくは申し上げませんが、大体において私は、長谷川委員及び松井委員意見に同意を表するものであります。ことにこの問題は、世上非常にやかましかつた。それだけに電波監理委員会その他、この独立委員会日本においては初めて行われた委員会でありますからしてこれらの非常に歴史ある、あるいは近い将来において歴史をとめることになりましようけれども、少くとも新しい試みでつくられた委員会として、聰明なる措置をとつてもらいたい。そうして公正に担任委員会がりつぱな仕事をされたということを残されるような、十分なる善処をしてもらいたいということを、われわれ委員会一同は希望しておるのであります。その点ひとつ考慮の上、最善の措置をとられることを希望して、今日までの御苦労に対して、心からお礼を申し上げます。
  33. 網島毅

    網島政府委員 ありがとうございました。ただいまの橋本委員の御意見は、私どももつともと拝聴した次第でございまして委員の全員によく伝えまして、御趣旨に沿うて公平な立場から、最も妥当な、いわゆる国のためになる結論を出したいと考える次第であります。     —————————————
  34. 田中重彌

    田中委員長 本日公報に掲載いたしました請願三件を一括議題とし、審査に入ります。  日程第一、テレビジヨン民間放送許可に関する請願平澤長吉紹介、文書表番号第四「七五号並びに新川、清洲及び西春三局間に電話回線増設請願、多武良哲三紹介、文書表番号第四一九六号の各請願は、すでにこれら請願と同一趣旨の請願審査しておりますので、紹介議員の説明並びに政府の意見の聴取を省略いたします。     —————————————
  35. 田中重彌

    田中委員長 日程第三、栃尾郵便局電話交換方式改善に関する請願小林進紹介、文書表番号第四二八九号について紹介説明を求めます。紹介議員がお見えになりませんので、委員の方に説明をしていただきたいと存じます。福永一臣君。
  36. 福永一臣

    福永(一)委員 請願者新潟県古志郡栃尾町議会議長那須太助君、紹介議員小林進君、本請願の要旨は、新潟県古志郡栃尾町栃尾郵便局の電話設備は、明治時代の遺物とも申すべき磁石式單式交換機であつて、現在市内交換台六台、加入者数四百三十五であるが、交換機の収容限度が少く、これも本年度中にはふさがるものと予想されるが、これ以上の交換台の増設は、現在方式のもとにおいては、いたずらに交換能率の低下を来すのみであると考えられる。ついては町民多年の熱望などにかんがみ、現在の非能率的な磁石式交換方式をすみやかに共電式交換方式に改式されたいというのである。
  37. 田中重彌

    田中委員長 本件について政府の御意見を求めます。
  38. 田邊正

    ○田邊(正)政府委員 現在全国におきまして、電話交換方式を磁石式から共電式に改めなければならない局が非常に多いのでございますが、当省といたしましては、それぞれの局の交換設備の状況、局舎の状況あるいは将来の発展予想等、いろいろの方面から検討を加えまして、需要度の高いものから逐次実現をはかる方針で計画を進めておりますが、拡張の予算が十分でないため、毎年わずか数局しか実施できない状況であります。栃尾局は現在加入者四百三十五名でありますが、現在の交換設備の容量から見ますと、なお四十名程度の収容は可能であり、さらに交換台一台の増設をする余裕がありますのでただいま申し上げました事情から、目下のところでは急速に共電式に改めることは困難でありますが、今後の電話の需要の状況、拡張予算の修復の状況等、諸般の状況を勘案いたしました上で考慮いたしたいと考えております。なお今後の電話の申込みの状況によりまして、必要な場合には、来年度におきまして交換台を一台増設いたしまして電話の需要に応じて参りたいと考えております。     —————————————
  39. 田中重彌

    田中委員長 次に公報に掲載いたしました陳情書につきましては、これまで審査いたして参りました各請願の趣旨と同様なものが多いのであります。これらの各陳情書の趣旨を了承いたしまして、委員会審査の上に実質的に反映さして参りたいと存じます。
  40. 石原登

    ○石原(登)委員 田邊さんにちよつとお尋ねいたします。今の申請ですけれども、実はこれなんか非常にいい方で、私が知つている範囲においては、たいへん電話の疏通の悪いところがたくさんあります。聞くところによりますと、あなた方がここで御答弁になることと、地方の第一線の局で取扱つていることとの間に相当ちぐはぐがありまして、今では電話はかからないものだというふうにあきらめているところがずいぶんあるようであります。その中にはちよつとした技術的な、あるいは工事的な改良によつて十分りつぱになし得るところもあるわけですが、どうかこういうものについては、もう一ぺん全国的に電話通信の疏通状況を再調査願いたい。このことを切に要望しておきます。  そこでこの際委員長に私は動議を提出いたします。本委員会に電話の疏通状況を調査する小委員会をつくられて、政府と協力してこれらのものの実情についての調査を進められんことを私は希望いたします。でないと、国民のほとんど大多数は電話は通じないものだ、かようにあきらめているところが多いのであります。  その一例を申し上げます。私の関係の鹿児島県の伊佐郡に菱刈という町があります。この町には電話の交換機が菱刈と湯尾と二つありますが、この菱刈と湯尾の電話は同じ町にありながら、遠く迂回して通信いたしております関係上、なかなか電話の通信がうまく行かない。はなはだしいのになりますと、朝役場が始まるのが八時半でありまして、九時ごろ申し込んだ電話が、退庁時になつても通じないというような事例がたくさんあります。従いまして晝間の電話の申込みは、すべて特別至急通話になつております。普通通話で成功しているものは一通もありません。ですからようやく午後の七、八時になつて普通通話は通ずる。それではまるでこういうものの利用者は、よその電話に比べて三倍の料金を納めなければならぬ、こういうような事態になつております。これは一つの例でございまするけれども、こういう事態が全国にたくさんあると思います。まだそのほかに私の関係でもたくさんございますので、私がただいま動議として提出いたしました電話の疏通状況を調査する小委員会を本委員会にお設け願うように提案いたしたいと思います。
  41. 松井政吉

    松井(政)委員 ただいまの石原委員の動議には私賛成ですが、問題は行政機構の改革で電通省がなくなり、従つてわれわれの委員会については、国会法、衆議院規則の改正がどのように行われるか未知数であります。従つてその問題の処置をわれわれはまずはからなければならない。というのは、行政、機構改革案が三十日までに通過してしまいますと、われわれの委員会では電通事業、さらに電波に関する事項を調査することができないことになります。従つて郵政委員会で取扱う形になるものを、暫定措置としてわれわれの委員会で電通並びに電波に関する事項を取扱わなければならないという衆議院規則の改正を行わなければならない。石原委員の動議はまことにけつこうで、私賛成でありますが、動議が成立いたしましても、小委員会の設置等は私のただいま申し上げたことの解決が先になる。だから本日動議を決定する前に、われわれは閉会中の審査事項についても当委員会が電通電波に関する事項を取扱えるということの方が先になりますから、その点を考慮なさつて、動議の趣旨には私は賛成ですが、直接動議を取上げられると、すぐに小委員会を設置しなければならぬことになりますから、その手続等を考慮なさつて、動議は本日のところ御遠慮して叩いただいて閉会中の審査を従来通り電通、電波に関してわれわれが取扱えるということが決定したときに、正式動議としてその小委員会を設置をしていただくように手続上の問題だけですから御考慮なさつて、動議をきようはひとつ先に延ばしていただくことに御同意を願いたいと思います。
  42. 石原登

    ○石原(登)委員 ただいまの松井君のお話でありますが、私も十分承知しております。しかし八月一日から電気通信省がなくなるかどうかということも将来の問題であつて、私はそれを前提として考えたくないのです。ですから、この動議に対するところの取扱いについては、本委員会理事会におまかせすることにいたしまして、動議は依然として提出いたしておきたいと思います。
  43. 田中重彌

    田中委員長 石原委員に申し上げます。ただいまさようなお話でございましたが、私の方からも松井委員が申されたような事情もありますので、そのようにいたしたいと考えております。
  44. 庄司一郎

    ○庄司委員 この際きわめて簡単な二つ質問を電通省政府委員に申し上げて、簡単なお答えを得ておきたいと思います。  要点は、電通の公社の発足に伴いまして、特定郵便局において従来扱つて参りました電気通信業務が、全面的に郵政省へ御委託になる。よつて電通、郵政両省間においては、それぞれ目下協議のまつ最中であると聞いておりますが、全国の特定郵便局長の会議等においては、かようなことを懇請しているのであります。すなわち電話加入申込み受理決定事務はこれを特定局に委託せられたい、現在新しく電話の申込みを公衆が行う場合、ただ單に申込みの取次程度にすぎない状態になつている、これを全面的に特定局長に御委託願いたい、しかして加入電話の販売または拡充等に責任を持ち、かつ業務運営の敏速化に及ぼす効果の絶大なるを信ずる上においてぜひ昔通り、特定局にただ單に申込みだけでなく、全面的に責任を与えて委託事務にしてほしい。これは非常に効果的であつて、地方町村のためにもけつこうであり、その他万般便宜であるという意味から、こういうふうにお願いしたいという意向であります。これは特定郵便局長の九九%までは当該町村に生れ、そしてそこで育つた地方の有力な方々であつて、新しく電話架設を申し込む人々あるいはすでに申し込まれた人だにとつて、市内電話が業務上どの程度必要性を持つているかというようなことは、緩急よろしきを得て平素よく熟知しているという点も非常なプラスである、こういう意味も含まれているのであります。  次は、現在まで料金等の徴収事務は集中制度をとられておりますが、これを廃止されて集金等についても特定局に御一任願いたい。そして責任を負わしめられることによつてかえつて大なる効果を招来上、結果が非常によろしいのであります。現在料金等の納付期間は各地方町村まちまちになつておりまして、公衆も非常に迷惑をしておる。納期が区々になつておるということは、相当長期間にわたつて支払いの請求書の亡失あるいは紛失、あるいは納金の最後の期日の失念等々によつて、料金の納入成績は一向にかんばしい向上をしておらない。結局各地方町村より料金を集めて、それが集中化して電通省に来るまでには約百日くらいの期間がかかつておるただいまの状態である。これを各特定局長に御一任になれば、毎日のように配達といいますか、そういう係の人が各戸を訪問して集金の能率が非常に上るのであります。電通本省の会計経理の面も非常にこれはよい成績に相なるのであります。現在のように徴収した金が約三箇月後でなければ百パーセント入つて来ないというような今の状態は望ましくないのであります。こういう面もぜひ特定局長に委任せられたい、かような懇請か出ておるのでございます。本省においてもそれぞれ御考慮になつておることと思いますが、本日は業務局長その他御列席のようでありますから、もし御意見があれば参考のために承つておきたいと思います。
  45. 田邊正

    ○田邊(正)政府委員 お答えいたします。問題は二つございまして、第一は電話の加入申込みの受理の決定事務を特定局長に委託してほしいということであります。電話の加入申込みの関係につきましては、現在仕事のやり方は営業関係と施設関係二つにわけておるのであります。営業関係と申しますのは、電話の加入申込みを受付けまして、その受理を決定する仕事をいたします。それから施設の方は、営業関係の方から加入の申込みがありました場合に、その通知を受けまして申込みの電話がつくかつかないか、つくとすれば大体いつごろつくであろうかというような調べをいたしまして、そうして営業係の方にまわす。営業係の方では、施設の方のそういう調べによりまして、架設実施については現在実施いたしております優先順位基準に照してやつております。それで特定局の関係でありますが、現在やつております方法は、近所に電気通信省の直轄局のありますところはその直轄局で集めてやつておりますし、それから直轄局がありません地区においては、特定局のうち一つの局を親局といたしまして、その局へそのまわりの局からの加入申込みを集めて、その特定局長がそこに駐在する施設の方の関係者と相談いたしまして、受理を決定することにいたしておるわけであります。なぜそういうふうにするかというと、ただいま申し上げましたように、現在電話の申込みに対しましてその電話がつくかつかないかということは、どうしても調べませんと申込みの受理ができないわけであります。従つてそういう一連の事務をわれわれの方ではサーヴイス・オーダーと言つておりますが、異動通知実施法という手続をきめて実施いたしておるわけであります。特定局におきましては、今申し上げましたように直轄局の付近の特定局は直轄局へ集めますが、直轄局に集めることが適当でない特定局については、施設の関係は、ある一定範囲を持つているところの施設区というのがございます。それは直轄局から離れたところの地域でございますが、十局あるいは二十局程度の特定局の所在する区域を一つの施設区としまして、そこに施設の関係の者がおります。特定局におきましては、全部施設関係の人を駐在させることができません。人間も十分ではございませんし、また必ずしもすべての電話交換局に施設関係の人を駐在させる必要もないわけでございます。そういうふうな関係から施設区というものを設けまして、そこに施設関係の人を置いて、そして電話の架設というふうな小さい二事あるいは電話の保守という仕事をやらせておるわけであります。そういうような関係から、すべての特定局の長に電話の加入申込みの受理の決定の仕事を委託することはぐあいが悪いのでございまして、この点は従来通り親局——ただいま申し上げました数局あるいは十数局をとりまとめる特定局でございますが、その親局の局長に加入申込みの受理の決定の仕事を引受けてもらいたいというふうにただいまのところは考えております。  第二は料金徴収事務のことでございますが、現在はただいまお話がございましたような方法でやつておるわけであります。この問題につきましては、郵政省の方で小さい特定局において一一料金の事務をするのは困る、市内通話料金にしろ、その他の料金を、自分の方で支払い請求書を発行することは、人数も少いし、またいろいろの間違いがあつて困るというふうな話が前にあつたわけであります。それでそういう小さいすべての特定局に料金徴収の仕事を全部やつてもらいますことは、郵政省との話もありましてよくはございませんので、ただいま申し上げました親局というところに料金の事務の一部を集中してあるのであります。現在のやり方は、特定局において、たとえば市外通話料であると、市外通話料につきまして料金を書き込んで、そして加入者別に集計をいたします。それを親局に送つて参りまして、親局の方ではその市内通話料並びに市外通話料を加入者別に支払い請求書に記入いたします。それを元の特定局に返しましてそうして料金の実際の徴収をやつてつておるわけであります。この制度は一部におきまして円滑に行われていないということも承知いたしておりますので、たとえばお話がございましたような納付の期日をもつと短かくする必要がある、あるいはまたその集中の仕方をかえるというふうなことを現在改正いたしたいと考えておるわけであります。なおこの料金の徴収事務の関係は特定局ばかりではございませんで、直轄局におきましても、たとえば名古屋というふうな一つの地に電話局が二つ以上あるというようなところにおきましては、今申し上げましたような支払い請求書の発行という事務だけは一箇所に集めてやらせる。そして仕事の平均化をはかる。それによつて経営の合理化をはかつて行くという方向で、ただいま進んでおる状態でございます。このことをつけ加えて申し上げておきます。  なおもう一つ、これはお尋ねがございませんけれども申し上げておきたいと思うわけでありますが、現在電気通信省と郵政省との間には、委託業務についてこまかいとりきめを協定して実施いたしておるわけであります。それで電気通信事業が公社の形態に移るにつきまして、今の協定を直す相談をいたしておるわけであります。しかし現在電気通信省として考えておりますことは、全面的な委託ではございません。もつともこの全面委託というものもその内容いかんによることでありますが、公社が特定局に業務を委託いたします場合に、いろいろの仕事の取扱いの手続あるいはサービスの基準、そういうものはすべて公社において決定し一そうしてその決定された手続に従つて、郵政省においてこれを委託してもらうということであります。なおまた今申し上げました親局、そのほかに市外線の集中局というものにつきましては、やはりある程度公社の方においてこれを指導しなければ——電気通信というふうな、同時に働かなければならない、そういう作業の性質上関連を持つておる仕事でありますので、そういう点につきまして、事業の維持並びに改善につき一番いい方法はどうかということで、鋭意研究いたしておるわけであります。地方において現在全面委託というふうなことが言われておるわけでありますが、それは全面委託ではございませんで、今申し上げたような趣旨において、郵政省とただいま交渉を重ねておるわけでございます。
  46. 田中重彌

    田中委員長 この際お諮りをいたします。御承知通りただいま本院で審査中の郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律案並びに日本電信電話公社法施行法案が成立いたしましたならば、来る八月一日より電気通信省及び電波監理委員会が廃止され、本委員会の所管事項が消滅することになりますので、暫定措置として当分の間従来本委員会の所管でありました事項について、実質的になお本委員会が活動できますように、衆議院規則の改正案を議院運営委員会から提出していただきますよう、石田議運委員長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  47. 田中重彌

    田中委員長 御異議がなければさように決定をいたします。  なおその取扱いにつきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 田中重彌

    田中委員長 御異議がなければさように決定をいたします。  さらに一言申し上げます。ただいま本院で審査中の労働関係調整法等の一部を改正する法律案が万一成立しない場合におきましては、日本電信電話公社が公共企業体労働関係法の適用を受けることができなくなりますために、先ほどの理事会におきましては、これに関して日本電信電話公社法施行法の一部を改正する法律案を本委員会から提案し、公社を公労法の適用を受けさせるようにすることについて、各理事意見が一致したのでございます。委員各位におかれましても、後にかかる場合が起きましたならば、この点についてお諮りいたしたいと考えておりますので、あらかじめお含みおきを願いたいと存じます。  本日はこの程度にとどめ、明二十九日午後一時より開会いたすことにいたしまして、これにて散会いたします。     午後零時四十二分散会