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花岡政府委員 最初の
お尋ねの点でありますが、発展性を相当持
つている
事業であるという点につきましては、’これは
次官も申された通り
国際通信界は大体自由競争場にな
つております。従いましてぼんやりしていると現状維持も困難である。
サービスを改善し、技術の改善、拡充によりまして、現在第三国に依存しておる
通信の流れも、これを自分の手によ
つて取扱うことができるようにするのみならず、第三国の
通信をもわが方の手によ
つて取扱
つて行く。すなわち
料金、
サービスの質の点からいたしましても、質のいいところへ自然に流れて行く、こういう自由競争の半面がありますので、活躍の余地は相当にある。将来の見通しは十分ある。ある
程度計画の上に数字的に表わす見通しはできますけれ
ども、私先ほど申し上げたのは、もう少し内輪のところを申し上げたわけであります。発展性の点は
会社活動なり
事業活動に比例しての話でございまして、そういう面が事実存在するということだけは御了承願いたいと思うのであります。
それから
アメリカに対してはどうか、南方に主力を注ぐのであるかという
お尋ねでございますが、
アメリカにつきましては、
貿易関係のほかに
通信報道
関係、そのほか社交往来
関係の
通信がありますので、
戰前よりも
通信の量が多くな
つております。と同時にそれに即応する
施設が講ぜられております。
施設の面におきましても
戰前よりは改善されております。南方につきましては
戰前と一概に比較はできません。
戰前におきましては海底線がありましたし、支那大陸、台湾を経由する
通信とい
つたものもありましたし、それから英国の南方圏に対する
通信の
状況も現在とは多少異な
つておりましたので、
戰前にできなか
つたことを戰後においてや
つておる面もございます。たとえばシンガポールとか、香港とかいう場所に対しましては、
戰前は
通信連絡が海底線によ
つて行われてお
つたのが、現在におきましては直接
無線電信、香港に対しましては
無線電信並びに電話によ
つて通信をしております。しかしながら全体といたしましては、
貿易の活発な割合に
通信はまだこれに即応いたしておりません。最も大きな例を申し上げますと、パキスタンにつきましては、ようやく現在何とか直
通信路をカラチとの間に開設が近々できるかというところまでこぎ着けているような
状態でありまして、これをさらに実現するのみならず、これを改善し、質的に疏通量の豊富なものにして行かなければならぬと思
つております。シンガポール、ジャカルタにつきましても、質的改善はまだ非常に残された問題にな
つております。濠州につきましてはまだ非常な努力を要しますので、いろいろな交渉
経過をたどりまして、何とか濠州とも直通
通信を開きたいというような
状態にな
つておりますので、現在といたしましては、南方圏についてはまだ
通信改善の余地が非常にたくさんございます。こういうような大きな
仕事がまだ前途に横たわ
つておりますので、資本の力などについてどうかという
お話でございますが、民営といたしますことによ
つて資金の使い方が自主的に行われ、收益性も現状維持で参りますれば、ある
程度自己
資金の蓄積も見込まれ得る。かような條件と財的背景をもとに、社債の発行、借入金の道も開けて来るかと思います。そういうことによ
つて非常に大きな困難はなくて、この
国際通信につきましては一応は拡充ができる。しかし私が申し上げたのは、普通の
状態に推移した場合のことでありまして、技術の
変動その他によ
つて非常に多くの
資金を必要とする場合には、社債その他の面に
調達方法が講ぜられて来るわけでございます。