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小笠政府委員 お答えいたします。
中小企業庁の指導宣伝といいますか、広報活動的な
考え方でありまするが、私は
中小企業の問題が進展しにくい理由の根拠は、
中小企業の
実態が十分につかみにくいということが大きな原因であるというふうに見ておるのであります。また
中小企業者の側におきましても、情報宣伝というふうなもの——平たく申しますと、ものを読む、読んで新しい知識を得るというふうな熱意がそれほど強くないというところに困難さがあると思うのであります。そこでまず私
どものや
つておりまする
考え方の基礎は、
中小企業のできるだけ新しい
実態をつかまえて行くということが
一つであります。それにはいろいろな調査をいたしたり、ヒヤリングをいたしておるわけであります。もう
一つは、その得た知識をさらに
中小企業者の側に伝達するという方法として、いろいろな方法で
中小企業者に知らせる
措置を講じておるのであります。それは印刷物もございまするが、またラジオを利用するというふうなこともございます。そういうふうな方法で、
中小企業の
実態、特に最近の
日本におきまして最も大事なことは、
日本の経済の大勢がどつちに向いておるかということを知らせることが、経営上非常に大事だと思いますので、そこらにも意を配りましてや
つておるわけであります。そういうふうな仕事をだれがやるかということに相
なりますると、非常に予算的にはとりにくいのでありまするが、やはり各地の
中小企業者は汽車に乘
つてはなかなか聞きに行かないのであります。手近なところですぐ用が足せるということでないとなかなか利用しないという形に
なりますので、各地に
中小企業相談所というものを設けていただくようにいたしておるのでありまして、これで来た人になるべく簡單に受答えができるというふうな態勢をしいているのであります。これに対しまして、私
どもは予算的には一千万円という少額でありますが、昨年から実は補助金を出しております。この補助金は、予算をとる技術からいうと非常にむずかしいのでありますが、実際の効果から申しますと、見えないが相当あると実は私
ども考えておるのでありまして、これをもう少しふやして行くということに
なりますれば、そういう点にいろいろな進歩が見られるのではないかというふうに
考えておるわけであります。それからもう
一つは、府県の職員の方々に対しましても、その点につきましては十分な配慮を煩わしておるという
実情でございます。以上簡單に申し上げましたように、
中小企業者に対する広報活動につきましては、私
どもとして最も大事な、まずイロハのイになるのでありまするので、可能な
範囲で
重点を置いて努力いたしておる、こういう
状況でございます。
第二のお尋ねの
商工中金の問題でございまするが、ああいう事件が出ましてまことに遺憾に存じておるのでありまして、私
ども監督の衝にある者といたしましても申訳のない次第であると
考えておるのであります。こういうことは、
実態がどの程度であるかということは、世間の人はあまりわからないのであります。ただ新聞記事が大きく出ますと、
中小企業金融に対する影響というものが、私は非常に大きいものだということを実は憂慮いたしておるのであります。こういうことが起らないようにするために、私
どもといたしましては、
商工中金当局者に対しては、いつも職員の訓練、特に窓口における職員の態度、訓練というものに十分な意を用いるよう注意を促しておるのであります。また
制度的には
商工中金の自主性というものを認めながらも、実は内面的な指導をいたしておるのであります。特に一
組合五千万円という限度を越えます場合には、
中小企業庁、大蔵省の承認を得さしめるというふうな形をとらしておるのであります。いずれにいたしましても、この問題は、多数の職員の中でありますので、ともすれば起りがちでありますが、職員の
精神的な指導訓練に
重点を置いて、そのあやまちが起らないようにということを、私
どもは中金当事者にもお願いしておるし、私
どももそういうことを念願いたしておる、こういう
状況であるのであります。先ごろの点につきましては、まことに申訳ない次第でありまするが、私
どもといたしましては、そういうふうな、
実態よりもその影響が大きく出るということを心配いたしまして、できるだけそういうことの起らぬように努めたい、こういうふうに
考えております。