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風早委員 今箱島
発電所からの
送電で「まつすぐに二十二万ボルトの
送電線が川鉄に向けられるということを指摘いたしましたが、もちろんその場合において川鉄が常時その
電気を独占するというようなことは何も言
つていやしません。しかしながら主として特にあの川鉄の軍需生産というものと群馬県の箱島の
発電所というものとが密接に関連して、それで箱島がつくられたということは、
東京電力株式
会社自身もそれを認めておる、というよりもそうだとしておる。これは事実なんです。そのことを言
つておるにすぎない。なおそれならばそれによ
つて今まで電圧が低くて、
電気が非常に足りない無燈火村の多い千葉県が潤うかということについても、これは決して保証の限りではない。今の
電源開発の眼目がそういうところにある以上、それによ
つて県民一般に
電気が潤うということははなはだ保証しがたいのです。その実例は四国にあるのです。この前も私は申しましたが、アルミ製錬をや
つておる日新化学、ここではニッケルもや
つておるわけでありましようが、この一工場に対して全四国の
電力の半分を食
つておるということは十分御
承知と思います。このアルミというものは、全部とは申しませんが
日本でも航空機工場ができればそこで使う、アメリカへ持
つて帰
つてもまた使う、いずれにもアルミの今日の役割は決して民需じやない、これは明らかに航空機用のアルミになるわけであります。そのために日新化学に対して資材、
資金の面で特別な大きな特典があるわけです。そのために
電力はあると言
つても決して過言じやないのです。県民は
電力不足で、相かわらず無燈火農村があるわけです。
農民は脱穀もできない状態があるわけです。これは事実
大騒ぎにな
つてお
つて、このことだけが原因ではないかもしれないが、実はこれは吉田総理の地元であります。地元であ
つて自由党は負けておる。そういうことも実際にあるわけです。一体今日この
電力というものが主として何のために使われるかということは、これはもう明瞭なんだ。われわれ実は
電源開発を非常に念願し、正しい
意味においては
日本の国力発展の必然として生れて来たのがこの
電源開発なんだ。同時に
国民生活の向上と十分にマッチするような形でこの
電源開発がなされるにはどうしたらよろしいか、こういう問題をわれわれは実は提起しておるわけでありまして、ただ
電源開発に
反対しているというような、そんなばかなことを考えておるわけではないのです。
福田一氏は私どもと一緒に
電源視察をや
つて、あなたはわれわれの根本精神はよく御
承知だと思いますが、われわれもまたこの
電源開発ということは当然必要であると考えているのです。ただそれが今の
建設省の言うようないわばインチキな総会
開発ではなしに、真に総合的な見地に立
つて農民の問題を解決する、同時に労働問題を解決する。また
電力料金にしましても同様であります。これはもう繰返しません。いつも私はこの
電力料金の問題については言
つておりますし、また
電力料金の問題で明後日あたりから審議も始まるわけでありますから、これは繰返しませんが、いずれにしても今日ではこの
電源開発なり
電力増強ということは決して
国民生活の向上にな
つておらぬ、また
農民のためにもな
つておらぬのです。水とはこれが矛盾するのです。そういうやり方でしかあなた方は
電源開発をやれない。これは今度高良とみさんでも帰
つて来られれば、さしあたり国会ででも大きな歓迎会をや
つてひとつ話を聞けばよくわかると思う。ソビエトにおける大共産主義
建設計画、これはわれわれ図面もここに持
つておりますが、ま
つたく同じ
電源開発でも、これによ
つて同時に労働の問題、
農民の問題、国利民福を総合的に解決する大きな大自然改造
計画というものが出ておるわけです。こうい
つた電源開発こそわれわれは非常に熱望しておるのであ
つて、ただこれがあなた方のいわゆる日米経済協力であるとか、向米一辺倒であるとかい
つたような、
日本を再軍備し、また戦争の準備をさせる建前のもとで今行われる
電源開発というものに対してわれわれは大いに
反対したい。そして今日ではむしろ
農民の水の問題を先に解決したらどうか。この
総合開発計画の中でも
特殊地域がいろいろ指定されておりますが、そのほかにたくさん重要な
地域があるわけです。かりに十九
地域の
総合開発計画を一応許したとしても、そこでやはり一番問題になるのは、実はその
地方にと
つては水の問題でありまして、それをまず主眼にして考えて、それに付随して
電源開発を考えるという、そういう立案をわれわれは望むわけであります。しかしながらそういう立案はあなた方自由党内閣の手によ
つてはできないということを私は断言してはばからない。でありますから今日この
電源開発があくまで特定の軍需生産、特定の軍事基地、そういうもののために奉仕する役割をも
つてなされるということを、われわれはこうい具体的な事実をも
つて指摘したい。そしてこれは明らかに
農民の
土地の問題また水の問題にこれが背反する。その証拠は、
建設大臣は一番よく御
承知でありますが、河川法はどういう
方針をも
つて今度改正いたします、
土地收用法はどういうふうに改正いたします、これはすべて
電源開発に従属して改正が行われる。現にまた今度の
電源開発促進法案にもはつきりとそのことが出ておる。
土地収用法や河川法はこの
法案に従
つて改正せられなければならない。あくまで
電源中心であります。その場合に
土地の收用は
電源開発の
目的上これはか
つて次第です。そうい
つたようなことが行政協定でも
つてはつきりとりきめられておる。そういう自由党の吉田内閣の手による
電源開発なんということは、百害あ
つて一利なしであるとわれわれは考えざるを得ないので。この点だけを最後に申し上げてきようの
質疑は終ることにいたします。