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1952-06-13 第13回国会 衆議院 懲罰委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十三日(金曜日)     午後零時二十四分開議  出席委員    委員長代理理事 鍛冶 良作君    理事 高木 松吉君 理事 田渕 光一君    理事 石川金次郎君       飯塚 定輔君    大泉 寛三君       佐藤 親弘君    島田 末信君       牧野 寛索君    森 幸太郎君       柳澤 義男君    梨木作次郎君  委員外出席者         議     員 佐々木盛雄君         議     員 中川 俊思君     ————————————— 五月二十三日  委員田渕光一辞任につき、その補欠として寺  本齋君議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員石田一松君及び梨木作次郎辞任につき、  その補欠として早川崇君及び田中堯平君議長  の指名委員に選任された。 同月二十七日  委員岡西明貞君及び押谷富三辞任につき、そ  の補欠として益谷秀次君及び野原正勝君が議長  の指名委員に選任された。 同月二十八日  委員角田幸吉君及び田中堯平君辞任につき、そ  の補欠として西村直己君及び梨木作次郎君が議  長の指名委員に選任された。 六月十一日  委員梨木作次郎辞任につき、その補欠として  田中堯平君議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員田中堯平君辞任につき、その補欠として梨  木作次郎君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員高橋英吉君、寺本齋君内藤隆君、西村直  己君、野原正勝君及び益谷秀次辞任につき、  その補欠として飯塚定輔君、田渕光一君、大泉  寛三君、島田末信君、柳澤義男君及び牧野寛索  君が議長指名委員に選任された。 同日  田渕光一君が理事補欠当選した。     ————————————— 六月十二日  院議をもつて   議員風早八十二君懲罰事犯の件   議員林百郎君懲罰事犯の件 の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  議員風早八十二君懲罰事犯の件  議員林百郎君懲罰事犯の件     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 会議を開きます。  委員長が帰省中でありますので、理事諸君の協議によりまして、私が委員長の職務を行います。  この際お諮りいたします。理事に欠員ができましたので、その補欠を選任いたさねばなりませんが、先例に従いまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 御異議なければ、田渕光一君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 まず初めに、昨日院議をもつて付託されました議員林百郎君懲罰事犯の件を議題といたします。まず佐々木盛雄君より、懲罰動議提出理由について説明を求めることといたします。佐々木盛雄君。
  5. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私は自由党を代表いたしまして、昨日共産党議員林百郎君に対する懲罰動議を提出いたしましたにつき、提案者を代表して提案理由を簡単に御説明申し上げます。  最近、共産党員院内における言動が著しき破壊的性格を露呈しておりますることは、憲法を破壊し、議会政治を蹂躙し、暴力革命を達成せんとする世界共産主義の鉄則より考えますならば、いまさら驚くに足らないところでありまするが、しかし国政の最高機関である国会におきまして、單にそれが共産党であるというだけの理由によつて、無責任きわまる言動をもしかりに放任いたしまするならば、国会秩序議院品位はとうてい保存し得ないのであります。  去る七日、本会議場において林百郎君が行つた日華平和條約に対する反対討論は、もとより共産党を正式に代表するものであり、従つて共産党の体質を正式に表明するものでありまするがゆえに、これに対する責任は、單に林君個人のみならず、日本共産党全体が共同連帶責任を負うべきものであることはいうまでもないのでありまするが、その内容は、法律を無視し、暴力によつて革命を実現せんとする意図を露骨に表明するものでありましてわれわれはもはや共産党に対する合法性を認めることもできないような段階に到達いたしておるわけであります。この意味におきましても、さきに衆議院において圧到的多数をもつて通過し、現に参議院において審議中の破壊活動防止法案が一刻もすみやかに成立し、共産党存在そのものに対して断固かつ峻厳なる歴史的適用が行わるべきことを、国民諸君とともにわれわれは期待をいたしておる次第であります。  林君の演説全文は、良心と良識のある議員といたしましては、とうていなし得ざるところであり、また、まつたく聞くに耐えざるものであります。その演説内容につきましては、全文そのものがことごとく懲罰の対象たるべきものがあると私は信ずるのでありまするが、詳細は速記録によつてごらんを願いたいと存じます。ただ、ここでは一、二の点のみを例示いたしまして、提案理由説明にかえんとするものであります。  まず第一に、共産党は十日の木村法務総裁に対する不信任決議案におきまして、木村法務総裁人民殺傷の総指揮官であるとか、また昨十二日の戦犯釈放決議案討論においては、━━━━━━━━━━━━━━━━━とか、述べておりますが、林君が日華平和條反対討論におきましては、━━━━━━━━━━━━━━━━━とかの、良識ある議員といたしましては、なすべからざる無責任なる暴言をなすがごときは、国会法第百十九條において嚴禁しておりまする無礼の言でありますることはもちろんのことでありまして、憲法第五十八條は、院内秩序を乱した議員懲罰を明記し、また衆議院規則第二百四十五條は「議院秩序をみだし又は議院品位を傷つけ、その情状が特に重い者に対しては、議院は、これを除名することができる。」規定をいたしておるのであります。  次には、林君がその討論において、吉田政権が━━━に国家の権力によつて政権の座にいすわろうとするならば、日本人民は━━━━━━━━━━━━━であろうと、不穏当きわまる暴力的脅迫言辞を弄しましたことは、もとより武力革命基本方式に立つた共産党の本質に連なるものではありますが、かくのごとき憲法を破壊し、議会制度を否認する暴力革命宣言院内において公然と行うに至つては、われわれは絶対に黙過し得ないところであります。  以上申し述べましたごとき理由により、共産党議員林百郎君を、憲法第五十八條国会法第百十六條及び第百十九條、衆議院規則第二百三十八條及び第二百四十五條の各條項に照し、ここに衆議院規則第二百三十五條にのつとり、懲罰に付すべしとの動議を提出いたした次第であります。何とぞ憲法国会尊嚴擁護のために、各位の慎重なる審議をお願いする次第であります。
  6. 梨木作次郎

    梨木委員 議事進行について。われわれ委員手元には懲罰に関する一かけらの資料も渡されておらないし、さらに、昨日の本会議におけるところの懲罰動議提案理由についての発言資料も手渡されていないのであります。そういう状態の中においてこの審議を進めようということは、きわめて不当であり、われわれ議員の身分に関する問題を審議するにあたつて非常に軽率であつて、これは看過できないと思う。もし審議を進められるならば、即刻資料をわれわれに提供し、さらにこれを十分審議する機会を與えなければ、この懲罰事案審議することはできない。この程度において本日は休会されんことを私は動議として提出いたします。けしからぬ。一つ資料なんかありはしない。——委員長動議を採決されんことを要求します。
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 ただいま梨木君より休憩の動議が出ましたが、これに賛成諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 起立少数動議は否決せられました。
  9. 田渕光一

    田渕委員 梨木君は資料がまわつておらないということを主張されておりますが、そもそも風早君の懲罰にかかつたというこの発言の日は、五月六日の本会議と思つております。そこで、これは官報によつて資料もあることだし、少くとも当日懲罰動議が提出されているのでありますから、共産党としては、十分これに対するところの準備ができていることとわれわれは思うのであります。昨日の本会議における風早君に対する懲罰動議の何は、提案者である中川君が今入られました。ことに順序を経まして理事会できめて御了解を得ました林百郎君の懲罰動議は、今提案者提案説明を求めたのでありますから、梨木君がもし質問がない、続行されないというならば、梨木君の方の質問打切つて、われわれから質問いたして参ります。もしも梨木君においてそれに質問がないということになさるなら、われわれの方から質問を進めて行きます。ですから、梨木君に一応申し上げておきますが、質問を継続していただきたい。
  10. 梨木作次郎

    梨木委員 私の方は質問しないとは言つておらないのだし、大体資料なしでどうして質問するんですか。今まわされているのは風早君と林君の本会議における発言内容です。しかもこれは官報におきましては削除されている。今われわれは初めてこの内容を示されているんですよ。これが一つ。それから、しかも本会議におけるきのうの懲罰動議内容は、全然われわれに手渡されておらないのです。従つて、これはきのうはなるほど口頭では聞いておりますが、しかしそれだけでは、あの騒然たる中で聞いて、われわれが正確にこれを聞き取つておるかどうかも問題であるし、その内容をしさいに検討しなければならない。それを全然渡されておらない。しかも従来懲罰問題を審議する場合におきましては、必ず提案理由内容を印刷したものをわれわれにあらかじめ渡しておいて、それも二、三日前に渡されておる。そしてそれに基いて質疑がなされておるのです。ところが、そういうことを全然踏んでおらない。そしてこれにすぐ諸君質問しろというのは、これは無理というものです。そういう無理なことを言うものではありませんよ。諸君は全然今までの慣例を無視してやろうというのだ。そこで今質問できない状態に置いて、質問しない者は質問しない者と認めるというのは、これは少くともこういう問題を、民主的により慎重を期するというやり方ではありませんよ。私はたくさん質問しなければならないのです。だから、この質問次会にする機会を與えられるように私は要求しておるのです。これはぜひとも、諸君にいれてもらいたいと思うのです。そういう例は今までないのです。
  11. 田渕光一

    田渕委員 実は、先ほど提案者中川君の登院の有無がわからぬために、順序として、梨木君の了解を得て、林百郎君の懲罰動議提案趣旨弁明伺つたのでありますが、今、中川君が参られましたから、引続いて風早八十二君に対する懲罰動議提案趣旨弁明伺つて、さらにその後に何してみたいと思います。     —————————————
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 それでは、次に昨日院議をもつて付託されました議員風早八十二君懲罰事犯の件を議題といたします。  まず中川俊思君より、懲罰動議提出理由について説明を求むることといたします。中川俊思君
  13. 中川俊思

    中川俊思君 昨日、私は本会議におきまして共産党議員風早八十二君に対する懲罰動議を提出いたして、その提案趣旨説明したのでありまするが、本件は、去る五月六日、政府に対して、各党から、五月一日のメーデー騒擾事件に対する緊急質問が行われた際に、共産党を代表して風早八十二君が政府質問をされたのであります。  まず前提として、共産党諸君の従来のこうした質問は、質問の本旨から離れて、まつたく共産主義の宣伝と申しますか、さらには暴力革命を使嗾するような言動をしばしばなされておつたのでありまするが、五月六日の風早君の質問も同様のことが繰返されたのであります。しかも一日のメーデー事件に対しまする風早君の質問内容というものは、当時の事情とまつたく正反対のことを言つておられる。私が昨日本会議におきまして提案理由説明いたしましたので、その点につきましては、共産党諸君も、また各位も十分お聞きを願つたことであると思うのでありますが、内容は一々具体的に申し上げなくても十分おわかりの通り、まつたく言語に絶する真反対のことを言つておられるのであります。いかに言論の自由が許されておる院内とは申しましても、言論の自由の裏づけは、公共福祉を害しないということにあるのでありまして、共産党諸君の従来のやり方というものは、まつたくそういう公共福祉とかなんとかいうようなことは問題にしておられない。そういうような点から議院品位を少からず傷つけておられる。さらには五月六日の風早君の演説内容というものは、いたずらに国民をして、政府に対する——警察官に対する反感を助長するようなことばかりを言つておられるのでありまして、これらが、私の指摘いたしました国会法第百二十一條第三項に該当する、こういうことから、私は本動議を提出したのであります。  なお詳細につきましては、速記録によつて御了承願いたいと思うのであります。
  14. 梨木作次郎

    梨木委員 今提案理由説明された中川俊思君の言われるところを聞いておりましても、詳細は速記録、こうだ。ところがわれわれのところには速記録はない。従来の懲罰委員会におきましても、いつでも提案理由の詳細は速記録によつてつてくれと言う。それで今までの懲罰委員会審議は、本会議における懲罰動議趣旨弁明をプリントにして渡して、それも二、三日前あるいは四、五日前に委員手元に渡して、そうしてどういう理由懲罰に付するかという提案者側からの意向というものを十分検討いたしまして、これを基礎にして審議が進められて行つているのであります。でありますから、私は本日はこの程度にして閉会され、質問次会にするように運んでもらいたいと思うのであります。
  15. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 なお、このたびの両事犯件審査のため必要ある場合に、本人及び関係議員出席説明を求める場合は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長代理 御異議がなければさよう決しました。  次会は明十四日午前十時より委員会を開き、本人風早君及び林君の出席を求めてその身上弁明を聞き、さらに、でき得れば質疑に入りたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十九分散会