○
風早八十二君 この
懲罰事犯は、もともと
懲罰事犯としてはま
つたく問題にならない問題を、しいて大げさに問題にでつち上げた
懲罰事犯でありまして、お互いに忙しい
国会活動の中で、まことに迷惑しごくと存ずると申すほかないのであります。しかのみならず、
本件に関しましては、すでに本
会議において
一身上の
弁明の中で、事実
関係その
評価、
懲罰動議の
動機等につきまして、私の
見解を詳細に披瀝いたしたのであります。いまさら多
くつけ加えるべきものはないのであります。しかしながら
提案者におかれましては、しいてしつこくこの問題に食い下られるというのであるならば、私もまた党の面目にかけても、断固としてどこまでも争う覚悟であるということを
はつきり申し上げておきます。
さて、まず第一に事実
関係でありますが、この事実
関係なるものは、その前後の
事情から切り離して抽象的に取上げることは、その
評価を誤らしめるものである。どうしても前後の
事情と不可分にこれを取上げなければならないと考えておるのであります。問題の事実の発生しましなのは、二月十九日の
予算委員会においてでありますが、当日は二十七年度
予算案審議の最高潮に達した時期であります。他面、二十七年度
予算案審議の
前提条件とも申すべき
行政協定の
内容が明らかでないために、
予算案審議そのものが行き詰ま
つてお
つた時期でもあ
つたのであります。
野党としましては、一月二十三日
予算案が
委員会に付託せられました当初から、
行政協定の
内容を明らかにせよ、この
要求をも
つて闘
つて来たのでありますが、
本件発生の当時におきましては、
與党自由党の
諸君の中にも、
行政協定の
内容について相当つつ込んで
政府に迫る
情勢さえ生れてお
つたのであります。その結果、
行政協定に関する
政府の
責任のある
答弁、また統一した
答弁をぜひとも
吉田総理自身、つまり
外務大臣としての
吉田総理自身に
要求しようということにな
つて、
吉田総理の
出席を求めたその日であります。それ
ゆえ、
政府にして真に二十七年度
予算案を
各党各派の納得のもとに通過させんとする
誠意があるならば、進んで
吉田総理を
予算委員会に
出席せしめ、
誠意ある
答弁をなさしむべきであります。
吉田総理といたしましても、
虚心担懐に、十分にして
誠意のある
答弁をなすべきが当然である。これは
義務であると私は考えてお
つたのであります。ところがこれに反しまして、
総理はなかなか出来られないのです。この
予算委員会全体の討議の中でわずか三回しか出て来なか
つたことは、この前も指摘した
通りであります。しか
もちようどその日は一時間半に限られ、その一時間半がすべての
野党に割振られるのでありますから、わが党としてはわずか三十分しかないわけであります。この二十分は当然
総理が精一ぱい
答弁してくれなければならない。
総理としては
答弁しなければならない
義務のある時間であると、われわれはかたく信じており、また期待してお
つたのであります。
ところでわが党の
横田議員が何を
質問いたしましても、
総理は答えない、そうして
岡崎将来の
外務大臣なるものがこれにかわる、こういう状態であ
つたのであります。そこで
横田議員はこの不当な
やり方に対して抗議して、お前はいらない
——これは言葉の
通りではありませんが、とにかく
総理がほしいという
意味のことを申したのであります。ところが
委員長は、
総理に
答弁を促すことなく、かえ
つて岡崎国務大臣に
答弁がいらないと言
つたことを逆にとりまして、もはや
質問の
意思がないものと認めると
言つて、あわやもう
質疑を
打切りせんとした。私はわが党の
予算委員三省に対して、一応それの
とりまとめ役、つまり世話人をや
つておりました
関係上、わが党の
議員の
発言を円滑に遂行させるためには、私は十分にわが党としても
責任を持
つておる地位にあた
つたわけであります。そういう次第で、時間を見ましたところが、二十分のうちまだあと六分余
つておる、私はもう時計を目をさらにしで見てお
つたのでありますから、これは間違いない。まだ六分間も余
つて、この六分は非常に貴重なものである。しかるに本来からいえば、当然
総理大臣にこれは
答弁を促さなければならないその
立場にある
委員長が、逆に
質問者であるところの
横田君の
発言を封じよう
——もううつかりしていれば、
委員長はそのままこれで
打切りを宣してしま
つたわけです。私はその
発言が始ま
つたので、急いで
委員長席に走り寄りまして、そうして卓をたたいて、なぜそんな不当のことをやるのかということを、厳重に抗議したのであります。この現象に現われた事実というのはそれだけなんです。その際は、
もちろん私一人ではない、
大勢両側から出て来て、
委員長席をばたばたとみんな卓をたたいたことは、これは私は事実だと思います。しかしながらそれだけのことなんです。また、私が走り
寄つたのは、
もちろんその場合の
とつさのことでありますけれども、しかし本来それは
議員の当然の
義務というよりも、これはもう
責任であるところの
国会の審議権、これを守らんとする
趣旨から出たものであるということは、かねがね私が本
会議においてすでに申し述べてあ
つた通りであります。
私はもうそれ以上、特別に
一身上の
弁明をすべき多うのものはないのでありますが、最後に、なぜこのような通常、特に
予算委員会などにおきましては、もう年中行われておる程度のこういう事実に対して、特に
懲罰とかなんとかい
つて大げさにこれを問題に取上げて来るのか、しかも
暴力事犯というような言いがかりをつけて来る。さらに、この本
会議における
提案者の提案
理由を承
つておりますと、あたかも私が
議員の
発言権を守らんとして
委員長に抗議したそのことが、何か特別に
背後関係がある、こうい
つたような、実にどうもこつけいしごくな、因果
関係までつけてや
つて来られる。こういうことは、私はやはりそれこそそこにこの
提案者の
——これは全部かどうか知りませんが、少くとも
発言せられた
提案者のその
発言の
背後には、一つの
関係があるのじやないかと、われわれの方がむしろその考えざるを得ない。こういう次第でありまして、かくのごとき
懲罰事犯というものの追究に対しては、あくまで私は不服であり、断固としてこれに対しては、今後もその正当な私の
理由をあくまで強調して争うつもりでおるのであります。大体これだけであります。