運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-03-27 第13回国会 衆議院 懲罰委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十七日(木曜日)     午後二時三十一分開議  出席委員    委員長 眞鍋  勝君    理事 鍛冶 良作君 理事 高木 松吉君    理事 田渕 光一君 理事 石田 一松君       有田 二郎君    角田 幸吉君       黒澤富次郎君    佐藤 親弘君       牧野 寛索君    梨木作次郎君  委員外出席者         議     員 柳澤 義男君     ————————————— 三月十三日  委員石井繁丸辞任につき、その補欠として石  川金次郎君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員梨木作次郎君、辞任につき、その補欠とし  て田中堯平君議長指名委員に選任され  た。 同月十八日  委員山本猛夫君、石田一松君及び田中堯平君辞  任につき、その補欠として森幸太郎君、早川崇  君及び梨木作次郎君が議長指名委員に選任  された。 同月二十五日  委員梨木作次郎辞任につき、その補欠として  田中堯平君議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員早川崇君、石川金次郎君及び田中堯平君辞  任につき、その補欠として石田一松君、石井繁  丸君及び梨木作次郎君が議長指名委員に選  任された。 同日  石田一松君及び石井繁丸君が理事補欠当選し  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  議員川崎秀二懲罰事犯の件     —————————————
  2. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 会議を開きます。  この際お諮りいたします。先日理事石田一松君及び石井繁丸君が委員辞任いたされましたので、理事補欠を選任いたさねばなりませんが、先例に従いまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 御異議なければ、石田一松君及び石井繁丸君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 議員川崎秀二懲罰事犯の件を議題といたしまして、動議提出者柳澤義男君に対する質疑を続行いたします。
  5. 梨木作次郎

    梨木委員 提案者に伺いたいのでありますが、本会議並びに当委員会における懲罰動議趣旨弁明を見ますと、一月の二十六日に川崎君が議長許可くして登壇したという問題と、さらにこれに附加いたしまして、こういうことを提案趣旨弁明の中で言つておるのであります。「この問題が起つてから今日まで予算審議が行われており、川崎君のような改進党の闘将を懲罰によつて審議に加わらせなかつたとあつては、川崎君の暴力的な威力に恐れて、からめ手からこれを封じたとでも宣伝されたらばかばかしいし、かつあまり数も多くない改進党から、川崎君ほどの代表的人物を、委員会から締め出してしまうということもどうかと思い、さらにまた、われわれも、ただいたずらに同僚議員懲罰すればよいのではないから、その後の」——ここからが大事なんだ。「その後の態度が、この事犯に対して強く反省され、まじめに議案審議に当るかどうかをわれわれは注視し、いわゆる情状酌量の余地があるかどうかを監視しておつたのであります。しかるに、川崎君のその後の院内における行動やいかん。ことに予算委員会における態度は、反省はおろか、まつたく議案審議をしようとする態度ではなく、いたずらに暴力的な紛擾誘発を事としておつたといつてもさしつかえないと思います。」これが本会議における提案趣旨弁明内容であります。当委員会におきましても、「川崎君の行動についていささかでも情状酌量の、いわゆる議場の神聖を保持し、まじめに議案審議に当るという態度が現われるかどうかということについて十分監視して参りました。しかるに、かえつてむしろ反撥的に、やるならやつてみろといつたような態度、はなはだ挑発的な、むしろ暴力的な言動さえもうかがわれた。」ということが理由の一部になつておるのであります。  これは当委員会において他の委員からもこの種の質問提案者に出たように私は記憶しておりますが、一月二十六日の、許可くし演壇登つたということのほかに、その後における予算委員会や、その他の院内における川崎君の言動も、不可分的に懲罰対象になつているようにこれでは見えのであります。この点を明確に伺いたいのであります。
  6. 柳澤義男

    柳澤義男君 ただいま御質問要点は、衆議院規則二百十七條の「何人も、議長許可がなければ演壇登つてはならない。」というのを侵して演壇登つたということのほかに、なお提案理由に事実が附加されておるかというお話かと思うのですが、それはお聞き及びの通り、二百十七條の点だけをこの動議内容としておるのであつて——内容と言うと、またあげ足をとるでありましようが、要するに問題は、一月二十六日本会議において無断登壇したという点に事実関係はあるのであります。その余の陳述したところは、すべてこれが内容について、及びこの懲罰に付せられたいという私の感じを卒直に述べておるだけであります。別に別のものがもう一つくつついておるということはありません。
  7. 梨木作次郎

    梨木委員 大体わかりましたが、もう少しこの点をはつきり聞いておきたいと思います。一月二十六日の、無断演壇登つたということだけが懲罰対象になつておるのであつて、その後における予算委員会その他院内における川崎君の言動は、全然この懲罰提案を維持するについてその内容になつておらない、こういうように御主張なさるのでありますか。
  8. 柳澤義男

    柳澤義男君 どうも梨木君は弁護士だから、そんなくどい質問があろうとは思わなかつたのですが、当然それに敷衍して、主張を維持する理由は述べなければならない。従つて量刑参考ともなるべき情状その他の点も述べるのは当然であります。これらはすべて一体をなしてもとより私の主張です。別個事案を取扱つておるのではない。たとえば一月二十六日の問題と、そのほかに予算委員会その他の言動と、こういうものを別に取扱つておるのかという質問であるならば、そういうものを別個事案として提案しておるものではない。情状についてこういう事情を陳述しておるのであります。それくらいのことは一目瞭然、ただちにおわかりであろうと思うのですが、御質問ですからお答え申し上げます。
  9. 梨木作次郎

    梨木委員 それではさらに進んで伺います。あなたはその後の予算委員会における川崎君の言動が、あなたから見ますならば、反省の色がなかつたという認定でありますが、しかし、あなたから見て反省の色があつたということになりまするならば、この懲罰動議を維持されないおつもりなんですか、それを伺います。
  10. 柳澤義男

    柳澤義男君 なかつたとしたならば維持されないつもりかということの御質問は、どうもお答えの範囲でない、あつたからこれを維持しておるのであります。積極的に肯定して見ていただきたい。
  11. 梨木作次郎

    梨木委員 私はなぜこういうことを聞くかと申しますと、懲罰ということは議員身分関係しておるし、この懲罰動議が濫用されることによつて反対党院内における言動に対して非常な抑圧を加える結果になるのであります。従つてこの懲罰事犯を論議する場合には、問題になつておる事案だけ、懲罰事犯対象になつておる問題だけに最も厳密に限定し、他はこれを論議しないということにしておかないと、たまたま懲罰事犯に問われ反対党の自由なる院内における審議、あるいは討論の自由を圧迫するようなことに利用されるのであります。これはまことに悪例といわなければなりません。私はこのことを心配するがゆえに、この点についてしつこくあなたに伺うのであります。そこで、今このあなた方の趣旨弁明内容を検討しまして、あたかもその後において川崎君に反省の色がなかつただからこれを維持するのだということになつて来ますと、これは川崎がたまたま一月二十六日にこういう懲罰事犯に値するような問題を起したとしまして、動議を出したままにずつとそのままさらしものにしておくと、その後の言動というものは、常にあなた方から監視の対象になり、そうして反省の色がないからというのでこれをいつでも使う、こういうことになりましては、懲罰事犯というものは、明らかに反対党議員を圧迫するために利用されるということになるのであります。これは懲罰事犯を最も厳密に扱わなければならぬ点から行きまして、きわめていけないことだと私は考える。だからそれを聞いているのであります。その点をもう少しはつきりあなたの考え方を述べてもらいたい。
  12. 柳澤義男

    柳澤義男君 事犯があつた事実というものはかわらないのです。一月二十六日の本会議においてとつたところの行動自体がこの主眼でありまして、何もそれがかわらない。そうして今言つたように、その懲罰動議によつて牽制を受けられるということはとんでもない話です。むしろ牽制を受けられておるくらいならば——これは懲罰動議そのものを取下げることも撤回することもできるものです。しかるに全然そういうことがないので、ないという事実は、今おつしやつたような院内における行動牽制するような問題ではないということを裏書きしておる。牽制されておるくらいなら、この問題などはおそらくとくに片づいておる。牽制されるような効果は全然持たないのです。あべこべに、懲罰なつたおかげて名声を博しておる事実さえも過去においで見られる。決してあなたのおつしやつたような、そういうようなしおらしい場合ではないのです。懲罰になつて事案提案されておるから常に監視されているなんて、そうしてその言論をあたかも牽制されて自由に発言できないとか、行動をとれないとかいうような問題は少しもないのであります。現実にないということを私は敷衍して述べておる。ですから今の御質問は、私の提案理由に対する御質問としては、何かあなたの個人的な御観察にとどまるようでありまして、あえてこれ以上申し上げる必要はないかと思いますが、せつかくの御質問ですから、以上のようにお答えいたします。
  13. 梨木作次郎

    梨木委員 あなたは、この懲罰動議を出して、その後において川崎君は何ら反省しておらない、反省するような人じやないのだ。それはあなたの主観的な評価です。判断であります。しかしあなたは少くとも一人の議員懲罰にしようとする場合に、その懲罰提案理由趣旨弁明の中におきまして、この議員を「まじめに議案審議に当るという態度が現われるかどうかということについて十分監視して参りました。」ところが、その事実はない。こういうようなことまで加えて懲罰にしようとすることは——こういう理由でその後における国会議員院内における言動までも、何か情状酌量対象にするようなこと自体を口にすることは、これこそほんとうに議院品位を傷つける言動だと私は言わざるを得ない。だからこの点については、あなたの今の釈明によつても明らかなように、これは懲罰理由の中に言うべき事柄ではりないと思うのです。これは私は御撤回になつたらあなたのためだと思うのですが、いかがですか。
  14. 柳澤義男

    柳澤義男君 ただいまのお話は、ことごとくあなたの御判断であつて、私の判断ではございません。でありますから、あなたがそうお思いになるなら、そういうような御判定を賢明なる委員としてお下しになればよろしいのであつて、私は提案理由に、そういうその後における実情も附加して、皆さんに御参考に供しておるのであつて、それをあなた方賢明なる委員諸君が採用するかしないかは、私の関するところではない。今のようにそういうようなことは価値なきものと御判定下さればけつこうである。それはあなた自身の御判断、私は私の判断をつけ加えて述べてあるわけであります。
  15. 梨木作次郎

    梨木委員 あなたも法律に携わつている専門家といたしまして、(「法学博士だ」と呼ぶ者あり)法学博士でいらつしやるならなおさらのことです。一体犯罪を犯した場合には、刑事訴訟法においても最も厳密に起訴状内容というものは限定されている。その中には、その人の犯罪の有罪あるいは無罪を予断するようなことは絶対に書いちやいかぬとすら書いてある。(「刑事訴訟法じやない」と呼ぶ者あり)刑事訴訟法だ。まして問題は、この国会の中における国会議員言動についての懲罰なんです。それなのに、その後における言動までもこの懲罰理由の中に言及するということは、これは同僚に対してもかような言動というものは最も慎まなければいけない。与党だからというて、何でもかつてなこが言えるものじやありません。いつまでもあなた方は与党におるわけじやない。そのことを考えた場合におきまして、同僚議員に対しましては、特に身分上の問題に関しては、最も慎重な配慮と礼譲というものがなければならない。(「よけいなお世話だ」と呼ぶ者あり)何がよけいなお世話だ。こういうようなことは懲罰内容にならない。(「討論しちや困る」と呼び、その他発言する者あり)そういう不規則発言をやめなさい。討論じやない。今意見を聞いている。前提を言つているのだ。まず質問するには前提を言わなければわからないじやないか。質問するんだから黙つていなさい。
  16. 柳澤義男

    柳澤義男君 区切つてください。
  17. 梨木作次郎

    梨木委員 区切ります。その次に伺いますが、提案者議院品位を傷つけたということを理由にしておるのでありますが、この問題の場合におきまして、少し提案者の方とは事実が相違しておるのであります。演壇川崎君が登つて占領したといたしましても、その場会議長が降壇を命ずれば、紛争というものは起らないわけです。それで川崎君の弁明を聞いておりますと、この点につきましては、いろいろな錯覚もあつたらしいのであります。従つて議長が降壇を命じていれば、あなたが問題にされているような議場における紛争というものは起らずに済んだ、この点につきまして議長措置について私はきわめて不当なるものがあつたと思うのでありまするが、この点に対して、提案者議長のそのときとつた処置についてどういうように考えておるのか、これを聞いておきたいと思います。
  18. 柳澤義男

    柳澤義男君 御質問がどうもあなたにはわかるようですが、私にはちつともわからない。(「いらぬことを言わなくともよいから質問に答えなさい」と呼ぶ者あり)まことに何か内容に対してただ攻撃されるようで、私への質問がどこに要点があるのかわからぬが、かいつまんでそんたくするに、要するに先ほどおつしやられたまず第一段の質問は、これはあなたの観察で、たとえば、同僚懲罰するにはどういう態度だとかどうとかいうことは、御判定の際にあなたの頭に浮べていただくことで、私の答弁する問題になつておりません。第二の、何か議長がどうとかこうとかというあなたの今のお話は、私といたしましては、二百十七條の「何人も、議長許可がなければ演壇登つてはならない。」しかるに議長許可しなかつた事実は厳然たるものである、許可しないのに演壇を占拠した事実も間違いないところであると申し述べるほかにない。そのほかのことは、御判定はあなたの自由でございまし私は事実関係について述べればよろしい。とにかく刑事訴訟法ではどうとかこうとか言われましたが、起訴状はそういうことになりましようけれども、検事は起訴状についてさらに釈明を求められれば、いろいろな事情も説明します。いわんや刑事訴訟法の適用を受りけているのではない懲罰委員会におい私だからこのくらい簡単に申しておるので、おそらくあなた方だつたら、もつとくしくしや大論難うを重ねた上で、結論を十数行くらいやるだろうと思います。私としては自分の判断を率直簡明に申し述べておるつもりであります。これについての取捨選択は、あなた方の御自由でございますから、どうぞ……。
  19. 梨木作次郎

    梨木委員 あなたは一つも質問に答えていない。「議長許可を受けないで、かつてに登壇いたしまして、あまつさえ九分間の長きにわたりまして、その演壇を占拠いたしました。そのために議場紛擾をかもしまして、議事進行が妨害され、議院品位を傷つけ、秩序を紊乱いたしたのでございます。」これをあなたは理由にしておるのであります。だから議場紛擾をかもし、議事進行が妨害されたというが、そのとき議長許可しないのに登壇して来ておるのならば、すぐ降壇を命ずれば、何ら議場紛擾もかもさないし、議事進行を妨害するような事態は起らなかつた。この点についそのときとつた議長措置についあなたはどう考えておるかということを聞いておるのであります。
  20. 柳澤義男

    柳澤義男君 せつかくの御質問ですから、お答えいたします。これは先ほど来述べたところですが、もう一ぺん繰返します。議長とつ措置議長行動でありまして、必ずしも私の判定を要しないこと、いわんやこの提案理由として、議長とつ措置について説明する必要はないのでありましそういう事情のもとにどうこうであるということは、あなた方がさらに審理をすべき内容に属するでしよう。けれども私としては、無断で登壇をしたという事実、それによつて紛擾を来したと私は認めてこれを出しておるのです。もし間違つているという御判定ならば、そつういう証拠に舞いあなた方は私の提案間違つていると判断されればけつこうなので、私はあの議場に公知の事実として、そういう事実があることを申しておるのです。今申し上げたように無断——はなはだくどいようで、他の委員にたいへん御迷惑をかけるおそれがありまして、恐縮ですが、私重ねて述べますと、無断で登壇した事実、これが私の提案理由のおもなるものです。それによりまして、無断で九分間もがんばつておりましたために、議場は一層騒然たるありさまになつたというのであります。議長がそのとき何をしていようと、私の判定の限りではございません。
  21. 梨木作次郎

    梨木委員 物事というものは、そういつ行動とつた人と相手があるわけです。議長許可くして登壇したとあなたは提案しているのでしよう。だから議長許可があつたかなかつたかということは、この事犯判定について、非常に重大な問題です。しかもこの理由の中に、あなたは議場紛擾をかもし、議事進行を妨害したということで、議院品位を傷つけたと、こう言つている。そういう事態というものは、議長とつ措置に大きな原因がありはしないか、これをあなたはどう考えておるかということ、それに答えたらいいのですよ。
  22. 柳澤義男

    柳澤義男君 そういうことは私が委員になつて判断すべきことであつて、私が提案者としてそこまで判断しては、皆さんの領域を侵すことになります。
  23. 梨木作次郎

    梨木委員 判断の能力がないのですか。
  24. 柳澤義男

    柳澤義男君 判断の必要がないのです。判断皆さんがやるのです。そういう事実があつたかなかつたかという判断は、皆さんのお役目である。私の方からそんなことを判断する必要はない。私の方は少くともこういう事実があつたということを説明しておるのであります。
  25. 石田一松

    石田(一)委員 議事進行について……。今日はごらんの通り委員出席も少いことでありますから、この程度において散会せられましまた委員会の日をあらためて通知をして、会議を開かれんことを望みます。
  26. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 ただいま動議が出ましたが、ほかに柳澤君に対する質疑はございませんか。——質疑がなければ……。
  27. 鍛冶良作

    鍛冶委員 議事進行について……。柳澤君の質問のみならず、川崎君に対する質問も打切りにしてあとは次会にひとつ……。
  28. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 それでは今のにつけ加えまして、川崎君に対する質疑もないようでありますから、質疑はこれにて終了いたしました。これにて散会いたします。     午後三時九分散会