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1952-05-08 第13回国会 衆議院 地方行政委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月八日(木曜日)     午前十一時三十八分開議  出席委員    委員長 金光 義邦君    理事 大泉 寛三君 理事 河原伊三郎君    理事 野村專太郎君 理事 床次 徳二君    理事 門司  亮君       池見 茂隆君    小玉 治行君       佐藤 親弘君    前尾繁三郎君       吉田吉太郎君    藤田 義光君       大矢 省三君    立花 敏男君       大石ヨシエ君  委員外出席者         国家地方警察本         部警視長         (総務部長)  柴田 達夫君         国家地方警察         本部警視正         (総務部企画課         長)      桐山 隆彦君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 五月八日  委員田渕光一君辭任につき、その補欠として生  田和平君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 五月七日  市の警察維持特例に関する法律案河原伊三  郎君外五名提出衆法第三八号)  消防組織法の一部を改正する法律案内閣提出  第一八六号) 同日  主要都道府県建築部存置に関する請願大石  ヨシエ紹介)(第二五七二号)  公職選挙法の一部改正に関する請願堀川恭平  君紹介)(第二五七三号) の審査を本委員会に付託された。 同日  地方議会権能縮小等反対に関する陳情書  (第一六一五号)  市の監査委員必置機関とすることに関する陳  情書  (第一六一六号)  国庫補助早期交付並びに起債全面的承認等  に関する陳情書(第  一六一七号)  公営住宅建設事業費起債増額に関する陳情書  (第一六一八号)  地方税法の一部改正に関する陳情書  (第一六一九号)  文化的出版事業税免除に関する陳情書  (第一  六二〇号)  特別市制反対に関する陳情書  (第一六二一号)  特別市制実施に関する陳情書  (第一六二二号)  特別区制度改革に関する陳情書外一件  (  第一六二三号)  大阪市の特別市制実施促進に関する陳情書  (第一六二四号)  神戸市特別市制実施反対に関する陳情書  (第一六二五号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  町村警察維持に関する責任転移の時間の特例  に関する法律案河原伊三郎君外五名提出、衆  法第二六号)  市の警察維持特例に関する法律案河原伊三  郎君外五名提出衆法第三八号)     ―――――――――――――
  2. 金光義邦

    金光委員長 これより会議を開きます。  町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案河原伊三郎君外五名提出衆法第二六号、及び市の警察維持特例に関する法律案河原伊三郎君外五名提出衆法第三八号の両案を一括して議題といたします。まず提出者よりそれぞれ提案理由説明を聴取いたします。河原伊三郎君。     —————————————
  3. 河原伊三郎

    河原委員 今般提案いたしました町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案提案理由を申し上げます。  御承知の通り、昨年の警察法の一部改正に伴いまして、警察維持する町村は、住民投票の結果警察維持しないこととし、また維持しないこととした後再び警察維持することができることとなつたのであります。  しこうして警察法第四十條の三第八項の規定によりますと、十月三十一日までに警察維持に関する住民投票の結果の報告が、内閣総理大臣に対してなされたときは、翌年四月一日に警察維持責任転移が行われることとなるのであります。しかるところ、十月三十一日までに住民投票を行い、その結果を確定することと予定していたもののうち、手続上その他の都合により、住民投票が遅れました町村もあります。これらの町村住民投票の結果、警察維持しないことと決定したものは、ただいまのところ明年四月一日までは引続き自治体警察維持せられることになるのであります。当該町村住民投票の結果が確定しているにかかわらず、かかる長期間その実現を見ないでいることは、種々の障害のあることも予想せられます。そこでこれらの町村希望しますにおいては、この警察責任転移の時期を繰上げることのできる道を設けることが適当であると存ずるのであります。  次にこの法案内容について申し上げます。本法案は、本則及び附則各一項からなつておりますが、本則におきましては、昨年十一月一日以降に住民投票の結果警察維持しないことと決定し、その旨警察法第四十條の三第六項の規定によりまして、内閣総理大臣に本年五月二十日までに報告のありました町村について適用されるのであります。これらの町村のうち、警察維持責任転移の時期を繰上げることとすることを希望する町村につきましては、町村長議会の同意を得て、五月二十日までに国家公安委員会を経て内閣総理大臣に申請することを要することにいたしたのであります。この申請のあつたときに、五月三十一日までに内閣総理大臣承認をいたしましたときには、当該町村は、来年四月一日まで待つことなく本年六月一日に警察維持しないこととなることにいたしました。  次に附則といたしまして、この法律は、公布の日から施行することとしました。  以上がこの法律案提案理由並びに内容概略であります。何とぞ御審議のほどをお願いします。  次に今般提案されました市の警察維持特例に関する法律案提案理由説明いたします。  多数の町村においては、町村財政警察人事警察活動の諸面から、自治体警察国家地方警察に移管しようという希望が強く、そのため昨年警察法の一部を改正し、もし住民の多数が希望するなら、一定手続を経てこれを実現し得る道を開いたのであります。  ところがかかる町村が、市になりますと、住民多数の意思は依然として、国家警察維持を欲していても、警察法第四十條第一項の規定によつて、当然また自治体警察に復帰しなければならないのであります。  これは、警察法の右の規定が、住民多数の意思に逆行するものでありまして、民主的法規と称することを得ません。  そこで、この不都合を除去するため、今回この特例法を設けた次第であります。  次に本案内容につき、概略を御説明申し上げます。警察法第四十條第三項の規定により、警察維持責任転移が行われた町村が、当該町村区域をもつて市を設置した場合、あるいは他の警察維持しない町村区域を含めて市を設置した場合においては、警察法第四十條第一項が、市は全部自治体警察を持つべきものときめておりましても、その規定にかかわらず、当該市は市議会議決を経て、警察維持は、国家にまかせて、自治体警察を持たないことができるものといたしたのが、第一條第一項であります。  また同條第二項は、右の市議会議決は、当該市の設置の日から五十日以内にこれを行うべきこと、及び、この場合当該市長は、議決の結果を国家公安委員会を経て、内閣総理大臣報告すべきものといたしたのであります。  元来本案趣旨とするところは、住民多数の意思をもつて警察維持責任転移を決定するということがそのねらいであります。もし、逆に前述の手続によつて自治体警察を持たなくなつた市が、再び自治体警察を持ちたいと欲するときに、住民投票によつて、これを維持することができることといたしたのが、本案二條第一項の規定であります。しかし警察維持責任転移を時間的に無制限に放任しておきますと、安定を欠くこととなりますので、前の決定から二年間は転移の手段をとることを得ないものとし、またその他右の住民投票に関しては、警察法第四十條の三の規定を準用することとしたのが、本案二條第二項の規定であります。  以上が本案提出理由及び内容概略であります。何とぞすみやかに御審議あらんことを望みます。
  4. 金光義邦

    金光委員長 質疑を許します。床次君。
  5. 床次徳二

    床次委員 ただいま御提案になりましたところの町村警察維持の問題に関しましては、実際の便宜上まことに私は適切な考えであると思うのでありますが、当初予定いたしました町村のほかに、さらに希望町村がふえているように伺つておるのでありまして、その場合に対する予算措置についていかように考えておられるか、この機会に明らかにしておいていただきたいと思います。
  6. 河原伊三郎

    河原委員 その点につきましては、すでに議決されました予算の運用の範囲内でできる見通しでございます。
  7. 柴田達夫

    柴田説明員 ただいまお尋ねのありましたことでございますが、この法案によりまして、総理大臣承認を得ました場合の町村予算措置につきましては、関係方面とも十分連絡をしまして、その内容予算措置が行われるまでの間は既定経費でまかなう、時期を見まして正当なる予算措置を講じたい、かように思つております。
  8. 床次徳二

    床次委員 次に市の警察維持特例に関する法律案を御提案になりましたが、ただいまの御提案理由を伺つておりますと、警察を置かないという住民意思を尊重して、市の場合におきましても特例を置こうという御説明であつたのであります。あくまで住民警察を望まないという立場を中心として、これを尊重するというお考えのように見えるのでありますが、他面におきまして、今日の地方自治法関係を見て参りますと、いささかこの考え方において矛盾があるのではないか、私今説明伺つただけでありまして、十分検討はしておりませんが、地方自治制におけるところの市を設置するという考え方矛盾があるのではないかと思うのであります。すなわち地方自治法におきまして、市を設置するということは、住民意思によつて市を設置するのでありまするが、しかし市となりまする場合におきましては、やはり市となるべき要件を備えておらなければ市になれないのでありまして、市となる條件につきましては第八條規定があるのであります。なお今回この規定に関しましてはいろいろ議論がありまして、当初三万以上の人口ということに原案がなつておりまするが、これに対しまして、あるいはこれをもう少し大きな町村にする、五万以上にするというような考え方もあつたのだと思いまするが、なお内容的に見まして、この五万以上にするという大きい方が適切じやないかという意見を、今回の改正法におきましてある程度まで、取入れられたと思うのでありまするが、市町村廃置分合の際におきましては、県知事の意見も聞くかのようにこれがなつておると思います。さようになりまして市となりまする場合に対しましては、一定要件を前提として考えておるのであります。従つて従来市でありまするならば、当然自治体警察を持つということは、市になることの一つ要件であつたように思うのでありまするが、今回御提案になりました特例によりますると、この要件に対して非常に大きな特例を認めておるのであります。いやしくも市という以上は自治体警察を持つというのが、要件であつたように考えられたのが、これに対して例外を認めておりますことは、むしろ市になれないのだということの証明になるのじやないかと思うのでありまして、かかる大きな例外法律的に認められることは、自治法矛盾をいたしておるのではないかという疑念を持つのでありまするが、立案者はその点におきましては、自治法精神とただいまの警察法精神を比較検討されまして、いかように御解釈になつておりますか。簡單住民意思だからというふうに行かないのだと思うのでありまするが、お教えをいただきたいと思います。
  9. 河原伊三郎

    河原委員 お尋ねの御趣旨一応ごもともでありますが、町村を合併して市といたしますにつきましては、その目的とするところはいろいろあり、またその地方によつて種々にわかれると思います。そういつた場合、警察維持することが一つ條件になつておりますから、警察維持ということを覚悟して、市をつくるというのが普通の行き方でありますが、しかしながらもしあたうべくんば、警察を持たないで済むことならば、それを持たずして、その費用を他の面にまわす、あるいはいろいろな考え方から持たない方がよい、こういうふうな場合も考えられますし、さらにまた市になつておらない場合のことを考えますならば、今日自治体規模を相当大きくしようということも、現在の課題になつておるのでありますが、そういつた場合に、警察を持たずして、それらの費用が他の面にまわされるのならば、市をつくるかいもあるが、そうでなければ、市をつくる要はないといつたふうな考え方もまた起り得ると思います。さような点からいたしまして、いろいろな面から考えまして、これはやはりその住民自由意思にまかせるということが最もよい、こういうふうに考えたのであります。ただすでにできております自治体警察の全般にわたつて、さらに検討するということになりますれば、これは大きな問題でありますが、現に持つておらない、もしくは持つてつたが、住民意思によつて国家警察に返上したという限られたところにおいては、こうした特例を設けることが適当だ、かように考え提案をいたした次第であります。
  10. 床次徳二

    床次委員 ただいまの御意見でありますが、この点はそう簡單には言い得ないのじやないかという疑念を、私は持つておるわけでありまして、もしも市町村規模を大きくするということが目標でありますならば、あえて市と称さなくても、町村が合併しただけでもつてけつこうじやないか。市と称するからには、やはり一つの規格があるのでありまして少くとも従来におきましては、明らかに市としての條件があつたことは明瞭であつたと思うのであります。今日地方自治法八條においては警察を持つということは、それはどの要件にならぬこととお考えになるかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  11. 河原伊三郎

    河原委員 市は自治体警察を持つのが本体であり、またあるべきことになつております。かるがゆえに特例案として出した次第でございます。
  12. 床次徳二

    床次委員 ただいまの点は意見の相違だと思いますので、なお私もよく研究させていただきたいと思います。  なお一つお尋ねいたしたいのは、合併しました町村が、合併して市になつてから五十日以内でありますならば、自治体警察を持たないことができるわけでありますが、今日これに該当するところの市というものが、どれくらいあると予想しておられるでしようか。現実の問題でありますので、大体おわかりかと思いますが、御答弁を願いたいと思います。
  13. 柴田達夫

    柴田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。この法律案内容に合致いたしまするような対象になる市で、市制をすでに施行いたしまして、四月一日付で市制になつておるものが四市ございます。岡山県の笠岡市、鹿児島県の阿久根市、岩手県の大船渡市、富山県の魚津市、そのほか今後この法律案が御審議になりまして、成立いたしますまでの間におきまして、市制がどの程度に実行されるかということは、今のところはつきりした見通しは持つておりません。但しそう多くの市が、この條件に合致するものが出るというような予想は持つておらぬような次第であります。
  14. 床次徳二

    床次委員 ただいまおあげになりました市におきまして、はたして自治体警察を持つことを好んでおるのかおらないのか。あるいは本法の適用を受けようという気分を、持つておるかどうか。大体の状況がおわかりでしたら伺いたいと思います。
  15. 河原伊三郎

    河原委員 床次君の御質問にお答えいたします。目下のところでは、濃厚に希望しておりますのは、岡山県の笠岡市でございますが、その他の市においても、相当そういつた希望があるやに見受けられるのであります。
  16. 床次徳二

    床次委員 この問題に関しては、地方自治片側の御意見をよく聞いて、さらにもう少し研究させていただきたいと思いますから、自治庁の人が来ましたら質問いたします。
  17. 金光義邦

    金光委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた