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1952-04-26 第13回国会 衆議院 地方行政委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十六日(土曜日)     午前十一時五十三分開議  出席委員    委員長 金光 義邦君    理事 大泉 寛三君 理事 野村專太郎君    理事 床次 徳二君       今村長太郎君    川本 末治君       前尾繁三郎君    吉田吉太郎君       鈴木 幹雄君    藤田 義光君       大矢 省三君    門司  亮君       立花 敏男君    八百板 正君       大石ヨシエ君  出席国務大臣         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         総理府事務官         (地方自治庁行         政課長)    長野 士郎君         総理府事務官         (地方自治庁公         務員課長)   佐久間 彊君 委員外出席者         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 四月二十六日  委員佐藤親弘君及び岡良一君辞任につき、その  補欠として福田篤泰君及び門司亮君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 四月二十五日  理容、美容業者に対する特別所得税軽減請願  (樋貝詮三君紹介)(第二三三七号)  純舞踊の入場税減免に関する請願大石ヨシエ  君紹介)(第二三五五号)  純演劇の入場税減免に関する請願野村專太郎  君紹介)(第二三五六号)  茶屋町自治体警察国家地方警察に移管の請願  (星島二郎紹介)(第二三八四号)  地方税法の一部改正等に関する請願圓谷光衞  君紹介)(第二四〇五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出第一四二号)  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第一七五号)     —————————————
  2. 金光義邦

    金光委員長 これより会議を開きます。  地方公務員法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑を許します。ただいま佐久間公務員課長が見えておりますから、質疑がございましたら——それでは本日のところは質疑もないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  3. 金光義邦

    金光委員長 次に、地方自治法の一部を改正する法律案議題といたしまして質疑に入ります。質疑を許します。野村專太郎君。
  4. 野村專太郎

    野村委員 今回政府地方自治法改正に関して提案をされておるのですが、これについて若干質問を試みたいと思います。  地方制度に関しましては、さきに神戸委員会勧告が二回にわたつて行われ、今回提案を見ておりまするのは、第二次勧告重点を置いているように拝承いたしておるのですが、しかも地方制度全般にわたりましては、今五大都市の特殊の問題とか、税制をめぐつて、あるいは東京の特別区の問題等、いろいろの問題がたくさん投げかけられております。そこで、昨日の委員会大臣から御説明がありました、地方制度全般にわたつて調査会を設置し愼重に地方制度全般にわたつての周到なる御用意もあることがうかがわれるのですが、そういうときにあたつて、今回突如としてこの法案が出た。しかも神戸勧告においては、いわゆる特殊の問題とか、いろいろなことも周到な検討を続けてやつているのですが、大体今回の法案については、政府提案の根拠は、今申し上げました神戸勧告基礎を置いて、これを尊重いたしているものですか、この点を伺いたい。
  5. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説の通り、今回の自治法改正は、神戸第二次勧告案基礎といたしまして、そうしてあみ出したものでございます。
  6. 野村專太郎

    野村委員 この際、東京の特別区のことに対して言及をいたしたいと思うのですが、今大臣説明によりますると、いわゆる神戸勧告を尊重してこれで行こう、こういうことですが、東京の都と区の問題は、御承知通り、長い間双方立場において深刻な批判、折衝を続けておつた困難な問題であります。しかもこの二十三区は、かつていわゆる市制に先行した歴史、実績を持つておる。しかも神戸委員長は、私の質問に対しまして、東京の二十三区はいわゆる自治区であるということを認めておることを本委員会で明らかに答弁されておるのですが、これに対して今回政府提案しておるものは、二十三区も市制そのものをそのまま要求はしておるようではない、ある程度の制限というか、内輪に見て要望いたしておることは、東京都の二十三区というようないわゆる都区とのつながり、一体化、こういうことは了解のもとに出しておるわけですが、今回はこの二十三区に対しましては、これを行政区に持つて行くというような書き方ですが、これに対しまして、大臣の御意見と、神戸委員長の私に対する答弁とは違つておるのですが、こういう点から考えて、いわゆる神戸委員会勧告を尊重して、これをお出しになつておるのと違うように思うのですが、これに対しての御意見はいかがですか。
  7. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。神戸委員長野村委員お話になつたということは、私は実は承つておりません。まず最初に申し上げたいことは、神戸委員会勧告につきましては、特別区について一応書いてございます。しかしながら、提案理由にも申し上げました通り、今回の自治法改正と申しますものは、神戸委員会並びに政令諮問委員会を参考にいたしますと同時に、地方行政簡素化ということを主題にしてやつておる次第でございます。でございますから、前提といたしましては、地方行政簡素化というものが、非常に重点を置かれておる次第でございます。それから特別区の問題につきまては、いろいろ問題もございましよう。しかしながら、御承知通りに過去何年かの間、特別区と都との間に非常に紛糾を来しておりまして、これは私から申し上げるまでもございません。野村さん十分御承知と思います。しかしながらわれわれの見解といたしましては、東京都というものは、三十三区がばらばら自治体行政を運営して行くということは、首都の立場上、またいろいろの立場から見まして、そうあるべきものではないやはり東京都というものは、ことに東京都の二十三区の存する区域というものは、一体をなして市制が行われた方が、事務簡素化でもあると同時に、また住民に対して非常に福利を増進する、こう思つております。そういう立場から、この際特別区というものを行政区にかえて、いわゆる元の東京市というようなものにして行きたい、こう考えて書いた次第でございます。
  8. 野村專太郎

    野村委員 今大臣の御答弁ですが、事務能率を上げて行政簡素化して行く、こういう点ですか、はたして今回提案を見ておる内容がその線に沿つておるかどうか。これも私の質問に対して神戸委員長は、東京のような厖大な都市は、すべての事務、いろいろな都民の要望というものが都に殺到するということでは、かえつて能率が上らぬ。そういう点に対して、二十三区というものはやはり自治区として認めて行くことの方が、能率の上、また一般住民福祉の上から見ても非常にいいこういう考えで、二十三区に対しては自治区であることを認める。こういうことを答弁いたしておるのです。しかも二十三区側の方は、自治法によつては明らかに市制を適用するというのですから、この法文の上から見ますれば、あらゆる市制が持つ権限というものを持つべきものですが、これは大臣お話になつたように、いわゆる住民に身近な事業なり、そういうものを要求しておるようでして、そういう点から考えますると、これは憲法民主化趣旨、いわゆる中央集権地方分権して行くことの方が、憲法精神にもとつておるわけです。しかも神戸委員長もそういうぐあいに答弁しておるのですが、これに対して今の御答弁はどうもこれと食い違いがある、かように考えておるわけです。  それから今回これにかんがみて区長任命考えておるようですが、これは住民のみが罷免権を持つておるわけでありまして、明らかに基礎的公共団体である特別区の区長住民の直接選挙でやる、こういうことになつて、しかもこれは神戸勧告ですら、いろいろ議論があつたと思うのですが、勧告もいたしております。住民が非常に親近な自治区の上に立つて公選区長というものが非常に親しみを持たれて、今日行われておる。憲法論はさておきまして、そういう点から、この際これを任命に行くということは、憲法の上から見ましても非常な疑義がある、かように考えておるわけですが、これらに対するお考えを承りたいと思います。
  9. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。今まで区長住民公選によつて出て、そうして区長と、その区に居住しておるところの住民との間に親しみがある、これはお説の通りで、しごくごもつともな御意見でございます。ただ問題は、憲法論といたしまして、これが公選をされなければならないというお考えについては、私は憲法上も一向さしつかえない、すなわち自治法改正によつて、これをなし得ることだと考えております。いずれ憲法論については今後詳しくいろいろ御審議を願うことと存じますが、しかし私の結論を申し上げますれば、憲法論には触れないと考えております。またお説の通りに、区民区長親しみを持つていい政治ができる、こういうことも一つ観点でございます。しかし、何を申しましても、ただいまのところ、区長といううものが、特別区という一つ自治団体が独立したものになつて、そうして将来課税権も持つて行きたいとか、いろいろな仕事も都知事から離して行こう、こういうような運動もいたしましたり何かしまして、そういたしまと二十三区がばらばらになつてしまいまして、私は東京市というものが、どうも能率的な、また財政的に負担を軽くする政治ができて行けたいじやないか、こういう立場から、一体をなしたものにして行きたい、こういう観点から今回の改正案を出したわけであります。
  10. 野村專太郎

    野村委員 この自治法で明らかに市制を適用して、区長は直接選挙に行く、いわゆる自治法市制を適用すると明らかに認めながら、道路法とか、兒童福祉法とか、その他自治法関係法規がむしろ行政区的な立法になつておる。こういう矛盾があつて、今日まで都と区の間に非常に紛争が続いたわけです。そこでこの問題は、長い間都区行政というものの調整を試みて、超党的に各党の長老を煩わして、一応の裁定の線が出たわけです。この線に沿つてこの立法を整理していただきましたならば、今回のような対立紛争は起きなかつた。これは占領下にある特殊事情もあつた結果でありましよう。しかし自治法が明らかに自治区として認め、関係法規ばらばらでこれにマッチしていないというものを、所管大臣としてこれを放置しておられた、こういうようなことに対するお考えはどうでございましようか。これを自治法とマッチするように、現実に合うように関係法規立法いたしておいたならば、この問題はないと思うのです。これに対する大臣の御所見を伺いたい。
  11. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。現行の自治法におきまして、特別区というものが市と同一の立場であるというふうに考えられており、そうして区長公選になつておる次第であります。しかしながら政治実情といたしまして、これをばらばらにしてはほんとう東京のいわゆる二十三区の存する所における行政が円満に行かないまた不便が多いというような意味におきまして、今まででも課税権は特別区に渡さない。また警察制度にしましても、特別区の全二十三区を一体としてやつた方が、いろいろいいというようにして不完全なる特別区になつてつた次第であります。これは一に、施政の実際が二十三区をばらばらにしては、ほんとうのいい行政ができないという意味から、今まで不完全であつたのでございます。でございますから、その実情を無視せずに、東京施政というものをりつぱに完全にやつて行くためには、今回のような改正案にした方がむしろベターじやないか、こういう意味から今回の自治法改正提案した次第でございます。
  12. 野村專太郎

    野村委員 これは必ずしも二十三区が市制を適用されるから、すべてを東京都側から剥奪しようというのではないのです。そういう点から従来やつておりましたところの、たとえば区に衛生課を置いておつたり、——これは現在は保健所、あるいは都税事務所とかあるいは福祉事務所とか、これらはいずれも住民に直結する生活の諸問題であります。しかもこれも、シヤウプ勧告なり大体の方向としては、大臣がこの委員会においてたびたび所感をお述べになつておるように、区の自治としては市町村の線で行こう、こういうことから行きましても、現在の提案はまことにふさわしくない。これは必ずしも任命区長でなければいかぬというようなことは私は当らないと思うが、そういう点に対しましてお考えはいかがでございましようか。
  13. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいま二十三区が独立しておるというような形にあるがために、二重の行政機構がいろいろありまして、都としても財政的に非常に失費が多いということでございます。住民の方から行きましても、税金一つの問題にしましても、都がわざわざ区に税の徴收の出張所を置かなければならぬということは、これはあり得べからざることだと思います。でございますから、区と都と二十三区の存する区域一体をなして行けば、複雑なる行政機構もつと簡素にすることができると思います。同時に、区民に対して非常に密接な、また身近な仕事行政は、ほとんどすべて区の方におろしてやつていただく、そうして都の方でやりまするのはその大綱を示す。こういうことになればむしろ二十三区が一体となつて区民の幸福を増して行くものだと私は考えます。
  14. 野村專太郎

    野村委員 これは今申し上げましたように、必ずしも区長任命しなければできぬということでなく、むしろ非常に親しみが多い、しかも憲法の上から疑義のあるようなことをあえて敢行をしないで、現在の公選区長のもとにこれをゆだねることもできると思う。今の大臣の御答弁によりましても、これらの住民に直結する身近のことに対しては、これに持つて行くことは支障がないようでもありますし、また当然そうなければならぬと考えております。ただ、都と区の関係地方の市とは違いますることは、私らも認めておるわけであります。そこで条例によつてこれに対する調節をしているわけですが、しかし、市制も適用するというならば、当然これに関する財源というものを付與しなければならぬ。今、住民税のうちの個人に関するものだけをこれに充て、いれゆる準禁治産的な扱いをやつているわけですが、これらに対しましても、自治法とこの地方税法というものがマツチしない。これを今日まで等閑に付したということは、公共団体である特別区に対する基礎的理解の非常に貧困なことを物語るものであると私は思うのです。こういう手を打つて来たならば、この二十三区側というものはまだ非常に不幸ですが、二十三区というものは生れながらにして非常に崎型兒的立法措置になつているわけであります。政府にしても都にしても、これを十分理解し育成する努力が払われなかつたということを、私は非常に遺憾に思うわけです。そういう点に対する大臣の御所見はいかがですか、またいかなる努力をお払いになつたか、その点を伺いたい。
  15. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、東京都というものは二十三区にわかれておりますが、しかし一体をなすものであつてばらばらに独立したようなものになつてつて行政がうまく右かない、と同時に、区民に対しても非常に不便をかけるだろうということに考えておりますから、この特別区を市と同じように完全なものにして行こう——というよりはむしろ、できるならば都と一体をなしたものにして行きたいという考えでございます。でございますから、特別区というものを独立した完全なる市と同じようにして行こうという考えは、私は持つておりません。
  16. 野村專太郎

    野村委員 それから人事権についてひとつお尋ねいたしたいと思います。今度のものは行政区ですから考え方は違いますが、今日までは自治区として、公務員に対しましても人事権というもので、いろいろ不安等もある。これはいわゆる財政の裏づけがないための不安からも来ておりますが、これに対する人事権を持つていないわけでありまして、こういうことに対しては非常に理解が足らないと私は思うのですが、この点に対しまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
  17. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。先ほど来私が申し上げましたように、完全なる自治区にするということよりは、むしろ行政区であつた方がいいという考え方があつたものでございますから、結局一万八千何百人というものは、みな都の職員になつております。区長人事権を持つているものはたしか二百ぐらいと思つておりますが、これを区長人事権に渡してしまいますと、この人事問題からしましても、やはり独立したものになつてしまいまして、都の大局から見て、ある一つ行政をしようと思うときに、その統制もとれないということで、ほんとうに実質的にばらばらなものになりますから、人事権はそのままで今まで通り心して来たわけであります。
  18. 野村專太郎

    野村委員 次に議員定数についてお尋ねいたしたいと思いますが、これは全国的なんですが、地方財政というものは非常に困難である。こういうときに、議員をなるべく一人でも少くして、能率的な地方議会の運営をして行くということに対しては、私らはこれに賛意を表するにやぶさかなるものではありませんが、しかし今日の民主政治において、議員はやはり住民代表者でありますので、議員数にこれをしわ寄せして行くがごときは、日本政治民主化ということに対して、若干私は考慮しなければならぬ、かように考えております。しかも戰前議員数に押えるというのですが、必ずしも現在はそうでないように思われます。たとえば東京都議会に例をとりましても、東京府会東京市会合せて行きますれば、三百人という人数があつたわけであります。また区会においても、今日いわゆる二十三区に統合しまして、二つないし三つの区が統合しておりまして、新市域におきましては従来の町村を合併して、それらの議員数を合せて行きますれば、現在の議員数より相当上まわるものがあるのであります。しかも今回いろいろな二十三区の運動等を見ましても、議員数に対しては一言も触れておらない。この点は私は非常に好意を持つて見ておるわけですが、しかしさればといつて、これは今日の民主政治をようやく軌道に乗せんとするときにあたりまして、これを制約するがごときは、いわゆる日本民主化という方向に対しまして、私は時期については相当検討を要すると思うのですが、この点に対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
  19. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。民主政治は、もしできますならば総会を開きまして、住民が一人残らず集まつて行政考えるということが、私は理想的だと思います。しかし人口がたくさんふえ、また区域が広くなつて来ますと、これはどうしても間接選挙にして、人数をある程度減らし、同時に最も識見の高い、優秀なる方が多数の人から選ばれて、代議制になつて行かなければならぬ。そういう意味でございますから、自治法にもたしかあつたと思いますが、小さい村とか何とかいうものなら総会行政をしてもいいというような規定があつたように思います。あるはずであります。しかしながら人口が多くなりますと、六百万人もおるのを、一々集まつて総会を開くというわけには当然行かないわけでありますから、そこで初めて代議政体が出たわけであります。それで今までの情勢を見ますと、実は終戰後、これを府県議員について見ましても、最低がたしか三十だつたと思います。それを一挙に十人増しまして、四十人を最低とする。そうしてその上に、人口の増加によつて何人とかいうことにきめておつた次第であります。しかしながら日本国力から見まして、すなわち敗戰後のつらい財政状態から見ましても、まあ戰前基礎にしたくらいの程度で考えたらいいんじやないか、こう考えて、議員定数を減らすようにしております。政令諮問委員会では、現在の議員を半分に減らしたらいいじやないかという意見も出ておりますが、これはあまり行き過ぎだと思います。それでわれわれとしてはある程度の調整を加えまして、人口段階によりて議員定数基準としてきめておりますが、しかしながら私は地方自治の建前からしまして、地方自主性というものを尊重し、大体日本国力合つた議員数はこれくらいのものと認めるが、しかしその地方々々において特殊の事情もありましようし、また選挙の条件もありましようし、また人の関係もございまして、実情合つた議員数をきめるのには、これはその地方地方住民が、このくらいの議員数はいるということがきまりますれば、これは条例によつて増減を御自由になさるということがよかろうということで、今までは府県会議員なんかは、ちやんときめてしまつでおりましたけれども、今度の自治法改正におきましては、基準をお示しいたしまして、大体それに対して増なり減なりは、地方の自主的なお考えから条例によつておきめくださつてけつこうだ、こういうことにしておりますから、私は今回の方が、元のきちんときめてしまつておるものよりは、地方自主性を尊重すると同時に、ほんとう地方実情合つた議員数を選び得ることだと思つて、よりよい改正だと考えております。
  20. 野村專太郎

    野村委員 最後に機構改革について、一言お尋ねいたしたいと思います。今回の法案によつて相当機構を制約して、なるべく簡素にして行こう、こういう御趣旨については私もよくわかるのですが、しかし一般地方民負担軽減というところに、行政機構簡素化なりこれらのことは、結論が行かなくてはならぬ、こう思うのです。しかもそういうことを伴わない、ただ機構だけをいじるような改革は、自治法精神からいつても当らない。甲の府県に必要な部局も、他の府県ではいらないこともあると思います。そういう点で、これをあまりに中央地方に干渉がましい機構改革、いわゆる機構いじりに終るがごときことは、当らないのじやないか、かように私は考える。むしろこれらは地方に選択をまかしておいた方がいいのじやないかと考えるのですが、これに対する大臣のお考えを伺いたい。
  21. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説のごくごもつともでございまして、地方実情合つてこれを調整して行かれるならば、よい政治ができる、こう思つております。でございますから、今回機構いじりと仰せになればそうでございますが、都道府県部局を大幅に整理しまして、そうして人口段階によつて大体の基準を定めておりますが、今までの情勢をごらんくださればおわかりになるように、人口六十万の県の部が九つある。人口三百八十万もある大きな府においてもやはり九部である。府県というものは同じような立場にあつて、みな同格であるということからいえば、これは間違いございません。しかしながらその間にはおのずから財政上のこともありましようし、また産業の複雑さも違いますから、そういうところにおきまして、人口六十万の県でありながら、人口三百八十万もあるような、また大都市をかかえておるようなところの府と、同じ九部を置いて、行政をしておるというよううなことは、これは実情に合わないと思います。でございますから、大体いろいろ基準もございましたけれども、一応人口段階によつて県の大きさをはかり、同時にこのくらいの人口のところには、このくらいの部で行政がして行けるのじやないか、こういう意味におきまして、いろいろ段階をつけてやつております。しかしながらお説のように、地方実情合つて、そうしてよく地方符政が完全に行けるようにするということならば、たとい人口の少い県でも、特殊な部を置き、特殊な課を置いて、行政をしなければならぬ必要もありましようから、やはりこれも一応の基準としまして、部の数を人口段階によつてわかち、同時に一方におきましては、地方実情合つて、もしこういう部を増設することが必要であるということになれば、この増設を許しておる次第でございますから、お説にすつかり合つたようなやり方になつておると私は考えます。
  22. 野村專太郎

    野村委員 最後に道州制に対して伺いたいと思いまするが、最近新聞紙上で拝見しますると、地方制度全般にわたつて非常な困難な深刻な大きな問題がたくさんある。この道州制は一時考えられたこともあつたようです。国の自治というものにおける市町村の立場には、非常に大きな問題があろうかと思いますが、しかしこの道州制というものに対しましても、これの理想と現実には非常に困難な問題もたくさんあろうかと思いますが、いかなる信念といかなる見通しでこれをおやりになるか。そうしてこれらの問題は近く発足すべき地方制度調査会で、五大都市の特別市の問題だとか、特に区長任命の問題のごときは十分検討して、この道州制のごときも慎重に検討すべきであろう、かように私は考えておるわけでありますが、この点に対しまして、おさしつかえない程度でお話を承れれば幸いに存じます。
  23. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。道州制の問題が先般新聞に出まして、いろいろ揣摩臆測が行われておるようでございますが、御承知通りに、最近御審議を願おうと思つております地方制度調査会というものに、根本的に独立後の日本自治行政のあり方というものを検討していただきたい、こう考えておる次第でございます。いろいろ考えなければならないテーマの一つといたしまして、府県というもののあり方、また市町村のあり方もそうでございますが、そういうものを行政制度調査会で調べるということに、私は考えておる次第でございまして、この道州制の問題は古くからいろいろ学者並びに指揮者の間に傳えられておりますから、府県、市町村すなわち今後の日本自治団体のあり方を根本的に検討する場合には、当然今まで考えておつたことも研究をしなければならぬということで、道州制の問題も、言葉は悪いかもしれませんが、統合廃置というようなこともやはり地方制度調査会に持ち込んで研究していただく、こういうような研究題目になつておる次第であります。
  24. 野村專太郎

    野村委員 最後にこの一点を伺つて、私の質疑を一応終りたいと思いますが、この区長任命の問題は、今いろいろ批判の対象になつております知事の官選というものに、やはり一脈の関連性を持つて来ると思います。また治安関係等から行きまして、大阪の警視庁を国家警察にするがごときこと、こういうような関連した世に言われておる逆コース、こういうことは、講和条約が効力を発生する、日本ほんとう民主化された姿において行こうとするときに際して、これらの関連した方向に対しましては、私は慎重に考慮すべきだと思うのですが、これに対しまする大臣の御所見を伺いたいと思います。
  25. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。知事の公選を廃して任命制にするということは、どこからうわさが出たか私は存じませんが、そういううわさもないと存じます。また私の考えといたしましても、知事の公選をとりやめて、任命制にするというようなことは、現在何ら考えておらない次第でございます。でございますから、区長任命制と、知事の公選を廃して知事も任命制にするということは、まつたく関連のないことであります。これだけはよく御承知を願います。
  26. 金光義邦

  27. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 大臣にお尋ね申し上げたいのは、区長任命制の問題でございますが、私は日本を滅ぼしたのは官憲と国家警察と、それからいわゆる既成政党と官僚、こういうものが日本の今日の敗戰の原因をなしたものと信じている一人でございます。そこで区長任命するということになりますと、これは民主主義に反して大衆を無視したものであります。そうして日本は今またまさに右翼転回しつつあります。だんだん右になろうとしているときに、この大衆を無視したそういう形の任命制をしかれるということは、私は元の内務省の復活を想像するものであります。内務大臣がおつてその下に警視総監がおり警保局長がおつて、ボタン一つ押せば日本の警察が全部動員された。日本はそういう国家警察であつた。やがてこれが前哨戰となつてまた知事の任命制となり、また元の内務省が復活する。私はこの点非常に疑うものでございます。今大臣事務ばらばらになつて、二十三区にわかれておつて、都政をうまく円滑にやることができないということをおつしやいましたが、それは事務上お互いが都知事と区長と譲り合つて話さえすればその事務上のことはどういうことでもできると私は思うのです。大臣も御承知通り、婦人が参政権を獲得したのは昭和二十一年四月十日、人類の半数であつた婦人に参政権を與えられたのは敗戰の結果與えられた。そうしてやがてその婦人が選んだ都知事が権限をもつて区長任命する。私は大臣質問したいのは、今の安井都知事は自由党の知事さんと聞いておる。それが今度社会党の都知事にかわる、そうするとすべての区長が今度社会党にかわる。今度はかりに共産党が天下をとつたとする。すると共産党の都知事が東京都の知事になる。そうすると全部区長が昔の通りの共産党の人々が区長になる。そういうふうにまたしても日本が右翼転回するということを私は非常に嘆いておる。ことに先ほど申し上げた通り、われわれ女性が二十一念四月十日初めて婦人参政権を得て、そうして選びました区長、その区長をまたしても任命制にするとおつしやいますその大臣の眞意を私は知りたいと思いますから、簡單でなく詳細なる大臣答弁を望むものであります。
  28. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいまの御説、右翼が非常に擡頭して来る心配がある、また中央集権的になる心配がある、こういう御心配をお持ちになつての御質問でございますがその御心配しごくごもつともだと考えます。われわれといたしましても、そういうふうにならぬことを切望いたしておる次第であります。ただ区長任命制が内務省の復活のきつかけになるのではないか、こういうようなお話でございますが、私はそうは考えません。先ほど野村委員からお尋ねがありましたように、中央政府が都道府県知事を官選にして、任命して、そうしてその都知事に区長任命させるというのでありましたら、その御心配もあるいは出て来るかと思います。しかし私は、ただいま申し上げました通りに都知事、府県知事を官選にするという考えは持つておりません。同時に今の都知事は都の住民公選によつて出て来た都知事でございますから、住民の意思によつてきめられた都知事、すなわち民主主義の主権在民のその結果として出て来た知事でございますから、結局住民を代表している知事でございまして、内務省とか中央政府がそれに何ら関與することができない次第でございます。でございますから、民主主義といたしましてその住民から選ばれたところの公選の知事が、その委託として自分の公吏を任命するということは、何ら中央集権にも右翼の方にも走るという心配はなかろうと私は考えております。でございますから、今大石委員のおつしやつたその辺の心配、すなわち右翼に堕しやしないか、中央集権になつて来るのではないかという心配は持つておりますけれども、区長を都知事が任命するということは、そういうような法理論から行きまして、私は心配ないことと考えております。
  29. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それでは大臣にお尋ねします。心配がない、心配がないとおつしやいますが、警察予備隊です。警察予備隊は軍隊でなくしてこれは警察である、こういうふうにおつしやるのですが、今度は海上保安庁はただほんとうに海上を守る、すなわち密入国者を検挙したり、禁漁区域のものを検挙するのが、海上保安庁であるということをわれわれはここで審議した。今や予備隊は軍隊にならんとしておる。海上保安庁はまた元の軍隊にならんとしておる。今大臣がおつしやいましたが、こういう区長任命制をそのままにしておくと、またしても知事が官選になり、そしてまたしても右翼転換になる。その点を私は非常に心配しておるのです。事務上の手続はどういう方法ででも、区長と知事との間でお互いが御考慮になつたら、これは簡單に解決するものと私は思つておる。しかも自由党の中ですら、これについて非常に反対があるのに、なぜ選挙を間近に控えてこういうことをなさいますか。私はその点を非常に疑つておる。もう一度私はお尋ねします。
  30. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。予備隊が軍隊である、海上保安庁が海軍である。こういうようなお説でございますが、われわれといたしましてはそう考えておらぬ次第であります。これはまた所管が違いますから、それに対して申し上げることも筋が違いますが、しかしながら私は、ただいま仰せのごとく区長任命制が、だんだんと右翼に走つて行くのではないかという御心配は、先ほど申しましたように心配はないと考えます。同時に私は自治庁の長官といたしまして、いつも自治団体の方の味方をいたしまして、自治団体戰後ますますりつぱな自主性を持つた自治団体になつてつて、そして地方行政が円満に、また倹約して能率が上つた行政ができるようになつて行きたいということを念願して、こういうような改正法を出しておる次第でございますから、その点は御心配になるとおつしやれば、これはいたし方がございませんが、私は御心配くださらないようにお願いしたいということを切にお願いする次第であります。
  31. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 大臣にお尋ねいたしますが、憲法においても基本的人権が認められております。そして選挙権というものはここに男女平等になつて、さつき私が申し上げました通りお互いが自分の信ずる人を投票する、これが現在の民主主義であります。そうすると私が杞憂するところは、都知事は、現在のいわゆる大衆から選ばれた区長は自分の思う通りにならぬから、自分の思う通りにするには任命制にしたいという趣旨から出ておると私は思いますが、その点大臣にお聞きしたい。
  32. 岡野清豪

    岡野国務大臣 都知事が、公選区長がおつては思う通りにならぬ、自分の任命であれば思う通りになる、だから今度の改正をそうしたんじやないかというような御疑念だと思いますが、しかし私はそうは考えません。むしろ区民の代表であられるところの区会議員に、すなわち区会に対して十分なる御同意を得て、そして区会の御同意を得た上で、知事がこれを任命するということになりまして、同時にそういうふうに、都から見ましても区から見ましても意見の一致したりつぱな方に区長になつていただいて、二十三区が一体となつて末端までの行政を完全にまた円満にやつて行くという意味にやらして行きたい、こう考えまして、すなわち区民全体から考えましても承服のできる人、同時に都全体から選挙されたところの都知事が考えても承服できる人、こういうような一体となつた一つの機関をもつて、区の行政をやつてもらいたい。こういう意味からやつたわけでございますから、私はますます区民とのくつつきぐあいが都全体といたしましても、いいことじやないかと思つております。
  33. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 大臣一体となつて一体となつてということを繰返されますが、都知事が任命することは、大臣の意思に沿わずして相反するものだと思う。一体とならないと私は思う。憲法においても主権在民ということがある。今までずつと民主主義の選挙をして、ほんとうに大衆の声の代弁者となつて区長になつておる。その区長をいまさらあなた方がおつしやるように任命制にするということになると、区民承知いたしません。輿論を尊重するのがデモクラシーの精神である。あなたはどういうふうにお考えになるか。
  34. 岡野清豪

    岡野国務大臣 区長任命をいたしましても、私はそう大した輿論の反撃を受けないと考えます。と申しますことは、区議会の同意を経るのでありまして、区議会の構成員は区会議員であります。その区会議員はみなその区の人が選挙して出しております。その区会議員の人々がこの区長ならよろしいということになつて同意するならば、私は何ら輿論の反撃は受けないことと考えております。
  35. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それでは府県知事も県会議員に諮つたらいいじやないですか、こういうことになりますね。お答え願いたいと思います。
  36. 岡野清豪

    岡野国務大臣 府県知事は、県会議員以上に県の住民全体から推されておる人でございますから、私はさように考えません。
  37. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 ただいまそういうことを聞きまして、私は非常に大臣の頭のセンスをさびしく思うようになつて来ます。大臣いかがですか。くちやくちやしやべらずに、私の言うことを聞いておつてちようだい。東京都の区民はこれに反対しておるのです。デモクラシーとは輿論の政治です。そしてあなたの党の自由党の中で反対なさる人が大分ある。選挙を間近に控えておつて、自由党も賢明であるならば、もつと賢明な方法をおとりになつたらいかがでございますか。今これをおやめになるお考えはございませんですか。それをお聞きしたい。
  38. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は確信をもつて出しておる法案でございますから、これを引下げる考えは持つておりません。
  39. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それではお尋ねいたしますが、各府県地方事務所長というのがあります。その地方事務所長というものは、府県知事がどういうことを言つても、すべて易々諾々として聞いておりますが、結局そういうふうにしたいと、あなたはおつしやるのでございますね。それをお聞きしたい。
  40. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。府県におきます事務所長というものは、これは区長とは少し性質が違うのでございまして、区長は御承知通りに、ちやんと特別の区会議員を持ち、区会を持つておるのでありますから、知事の言いなりほうだいになるというようなことには参らぬと思います。
  41. 大石ヨシエ

    ○大石委員 ただいまそういうお言葉を聞きまして、私は非常にきびしく思つたのでございます。たとえば地方事務所長と同じことではありませんですか。今度任命制になつた区長というものは、府県地方事務所長と同じことになつて、都知事のおつしやることは何でも聞く。今の大衆から選ばれた、すなわち主権在民のもとに選ばれた区長は、都知事の言うことを聞かない。そればなぜ聞かないか。それはほんとうの民衆の意見を反映する。それが自分の御都合主義のもとにならないために任命制をしこうとする。私はこれは非常に時代に逆行するものだと思う。そこで私の考えているのは、前に申した通り日本の敗戰を喫したということは、さつき申したような条件であつて日本が今日のように戰いに破れた、しかも前代未聞の御承知通り無条件降服した。それは主権が在民でなかつたために、今日のように破れたのであります。それをまたしても右に転回して、またもとの内務省の復活になり、またもとの警察国家になろうとしておることを私は非常に悲しんでおる。現にあなたがどれほどよい提案をなさつても、この地方行政でみな反対したらあなたはどうなさいますか。その点をお聞きしたい。
  42. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。政府といたしまして、法案を国会に提案いたします。むろん国会は国家の最高機関でございますから、国会において御決定になつた通りにわれわれは従いまして執行機関としての義務を盡したいと存じます。しかしながら、われわれは、こういうふうな法案が国会においても賛成されるものと、こう考えて実は出しておる次第であります。もし御賛成いただけない、国会がこういう意思だということでおきめになることは、これは、われわれとして何ら一言もないわけでございます。でございますから、国会が国家の最高機関であつて、そうして立法は国会の権限である。でございますから、その御立法をお願いしまして、その御立法通りにわれわれは執行機関としての義務を盡して行くわけでございます。     〔委員長退席、野村委員長代理着席〕
  43. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それで私がお願いしておきたいのは、いずれこの委員会では否決されると思います。そうしましたら、どうぞあなたの方から、安井都知事がいろいろと手を入れて、あれこれとこの委員会をかえたり、委員を特別に都知事の思うようにかえたり、いろいろ手品をしないようにしていただきたい。これをお約束してくださいますか、どうですか、御返答をお願いしたい。——委員長、答えてもらつてください、私の言うことに……。今からいろいろやられると困りますよ。
  44. 岡野清豪

    岡野国務大臣 国会の運営は政府並びに私が何らくちばしを入れることはできない次第でございますから、国会の委員の入れかえとかなんとかいうことは、国会が自主権を持つておられるのでございまして、どうとも私はやりようがございません。
  45. 大石ヨシエ

    ○大石委員 今までそういうふうな裏でやみ取引をするというくせがあるから、ここで私は申し上げる。それでそのくせを直してほしいから、ここにお願いしておるのでありますが、大臣は裏からいろいろと手を入れぬようにしていただききたいのですが、それをここで誓つていただきたいのです。
  46. 岡野清豪

    岡野国務大臣 誓つて国会に干渉するようなことは絶対にいたしません。
  47. 野村專太郎

    野村委員長代理 床次徳二君。
  48. 床次徳二

    ○床次委員 今回自治法改正案提案せられました機会に、一言その基本になつておりますことについてお尋ねいたしたいと思います。  今回の改正は根本的な改正ではありませんが、しかし改正案の中を見ますると、少しずつ政府の将来の自治行政に対する考え方が織り込まれておるように見受けられるのでありまして、以下数点にわたつて基礎的なことについてお尋ねいたしたいと思うのであります。  第一は、民主政治基礎といたしまして、われわれが自治行政を行うことはきわめて肝要でありまして、この自治行政の完璧な実施のために、政府もこの自治法を通じて努力をしておられることと思うのでありますが、大体この自治行政を行います国民の立場から申しますと、市町村に対しましてはできるだけ完全な自治を行わせるという方向に、今日向いつつあるのだと思うのであります。従つて半面において、府県が次第々々に自治行政という立場から、あるいは監督行政と申しますか、市町村行政のできないものを補うという補充的な自治行政自治団体に移りつつあるというふうに考えられる。なおその結果といたしまして、過般新聞にも出て参りましたが、道州制というものも論ぜられると思うのでありますが、大臣は市町村の自治をでき得る限り完全にするということに対しまして、もちろん御異議はないと思うのでありますが、この自治行政を行いまするところの範囲を、どの程度までに拡充すべきものと考えておられるか承りたいのであります。
  49. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。自治行政の完全なる発展を期するということに対しては、お説の通り考えております。それから私のただいまの考えといたしましては、今後の自治行政というものは、市町村を基盤にして行きたい、こう考えております。でございますから、今後行政制度調査会でもできますならば、大幅に市町村に仕事を渡して、そうして府県というものは国との連絡機関並びに市町村だけでは範囲が狭過ぎるから、広範囲の自治行政をして行く一つの機関として、府県を見て行こうという考えを持つております。  それから道州制の問題は、先ほども申し上げましたように、新聞に出ましたが、これは府県のあり方というものを、今後御研究願う場合には、その事務の再配分なんかから考えまして、従来いろいろとなえられておりまする道州制というようなものも、あるいは議題になるのじやないかということも考えまして、行政制度調査会にかけるという決心をしておる次第でございます。
  50. 床次徳二

    ○床次委員 市町村が完全なる自治行政の基盤となる、その方向に向うべきは、私もまことにその通りに思う。従つて府県はだんだんと自治行政の範囲が狭くなつて参るということが、それに附帯いたしまして当然起ることと思うのでありまするが、しからば市町村が基礎的な自治団体として発展して参ります場合に、どの程度の大きさまでが行い得るものか、これは地方において大分違うと思います。大きな市もありますし、また戸数が五百あるいは三百などという小さな村もあるわけであります。地方によつて同じ自治行政でありましても、区域の形の上から見ますと、非常に違つておるわけでありますが、わが国の情勢から見ますと、場所によりまして相当つた形で発達してもやむを得ないのじやないか、あるいはその個性を発揮せしむる方が、自治行政がより完全にできるのじやないかと思う。従つて法律的におきましては、画一的な規則を設けずして、多少その間に特色が出て参りましても、これは自然やむを得ない、むしろ特色を発揮せしむる方がりつぱな自治行政ができるのじやないかという考え方もいたしておるのでありますが、これに対していかようにお考えになりますか。
  51. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説その通りでございまして、私は市町村を自治行政の基盤にして行くという根本の精神は、これを貫こうと考えておりますけれども、しかし日本の国情といたしまして、山あり川あり、また海岸線も多い、中心の都市は非常な文化的発達をしておる、千差万態でございます。でございますから、この千差万態の市町村というものを、みな地方々々の特色を生かして、そうしてその地方住民が最も福祉を感ぜられるというような行政にやつて行きたいと考えております。しかしこれはなかなか広汎な問題でございまして、これをいかに調節するかは相当骨の折れることと思いますが、これはまた十分検討いたしまして、御説のような方向へ進んで行きたいと考えております。
  52. 床次徳二

    ○床次委員 ついででありますから一言この機会にお尋ねしておきまするが、東京都の場合におきましては、先ほど野村委員からお話がありましたが、都民の自治行政というものを、しからばどの段階で行うか。いわゆる区におきます都民の自治行政というものが、いかなる段階において行われるかということについてお伺いしたいと思います。どうも今日の法案等の傾向等から見て参りますと、結局都民の段階において自治行政を行わせようというお考えかのようにも考えられるのであります。従来の考え方から申しますれば、区という形において自治行政を行う。これが都になりましたときに、その自治行政が一部都の方に移つて参るという変態な形をとつておるようにも思われるのでありまするが、都民は、他の地方と比べますると、大分かわつた自治行政をやつておるのであります。でき得る限り、しかし民主主義的な自治行政を残すということが、東京都民にとつてはきわめて大事なことであるのでありますが、今日大臣のお考えによりますると、都の場合におきましては、都をむしろ自治行政の中心として考える。あるいは区というものを自治行政の第一段階として相当考慮しておるという点について、多少明瞭でない点がある。ややもすれば都を中心として自治行政考えておるかのようにも考えられるのでありまするが、この点いかがでございましようか。
  53. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。今の都政の立場から行きますと、都は山村も持つております。それからまた東京の二十三区のごとき非常な大都市の形態も持つております。そこで私の考えといたしましては、都行政と申しますけれども、都のいわゆる二十三区以外の地域と、それから二十三区の存する区域というものとはまつたく別なもので、ございまして、でき得るならば、やはり二十三区の区は特別の一体としまして、そうして地方の山村の行政とはむろんかわつたことにして行かなければならぬと思います。でございまから、今回いろいろ行政事務を都から区の方に移しまして、そうして区民の最も身近な行政というものは区の方でやり、同時に大都市としての二十三区の大きな市政というものに対しては、また都の方で相当考えを持つてやる、こういうことにして行きたいと思います。その辺のところは、私は端的に申上げますれば、昔の東京市のように一体行政ができるということに重点を置いてやつている次第であります。
  54. 床次徳二

    ○床次委員 東京都の問題につきましては、さらに別の機会にお尋ねいたしたいと存じます。ただいまは一般的な問題について、別の問題についてお尋ねいたしたいと思います。それは、地方行政につきましては、委任事務と固有事務と二つにわけて考えておりまするが、今後の自治行政ということを考えてみますると、委任事務相当の分量は、やはり固有事務に移していい。むしろ固有事務といたしまして、自治行政の対象といたした方が、民主政治の建前上よいものが多いのじやないかという気がするのでありますが、この点に関しましては、いかように考えておられますか。
  55. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。それもやはり床次さんの御説とまつたく同感でございまして、と申しますことは、今自治確立のために非常にわれわれは努力しておりますが、中央政府からいろいろな事務を委任しまして委任事務が非常に数が多くなつている次第でございます。これは要するに自治法において国から委任されました仕事はやらなければならぬ。むろん国家の行政でございますからいたし方ございませんが、しかし何でもかんでも中央政府考えたことは、すぐ地方に押しつけて、これを委任事務としてさせることは、私は自治確立の上において非常に障害が起る。これを野放しにいたしましたならば、固有の事務をするひまがなく、委任事務ばかりしなければならない、こういうことも考えられますので、今後は、今まで委任事務としてされておりました行政も、できるだけ地方自治団体の固有の仕事に溶け込ませるというような運営をさせて行き同時に中央政府から委任させる仕事は、よほどのことがなければこれをさせない。すなわち今度の改正法で出ております通りに、今まで委任されておる総理府令とか法務府令とか、そういつたような昔言いましたところの省令なんかで、地方仕事をさせておるようなものも全部これを書き上げまして、そうして別表に掲げまして、委任事務はこれだけあるのだ、しかしその委任事務は今後は法律でなければ、すなわち国会においておきめにならなければ、地方にそういうことをさせることはできない、こういうような建前にしまして、できるだけ地方に委任事務をさせることを制圧して、同時に委任される仕事は、よくよく委任でなければ性質上できて行けないものだけを残して、今までの委任事務なんかで地方事務にこれを転嫁させることができるようなものは、全部固有事務にだんだんとまかせて行きたい、こういう方向で進んでおりますから、庄次さんのお考えのような方向に進めるべく今回の改正ができておるということに考えております。
  56. 床次徳二

    ○床次委員 なお、ただいまの委任事務の問題につきまして、委任事務をできるだけ制限することは適当でありますが、しかし委任事務を制限した反面におきまして、政府が自己の出先機関をかつてに設けるという現象になつたのでは、かえつていけないと思います。この点は委任事務を制限するということと関連いたしまして、考慮していただかなければならないことでありまして、政府もこの機会におきまして、政府自体の出先機関というものを、十分整理するがごとき御考慮をお願いいたしたいと思うのであります。  なおこの機会にお尋ねいたしたいのは、政府は適当なときにでき得る限りすみやかに委任事務の中で固有事務としてなし得るものに対しましては、これを移管するということを考えでおられまするが、その手続がとれまするまでの間、あるいは委任事務を固有事務に直した後におきましても、本来の事務をいかように処理するかということ自体に対して、もう少し検討を要するのではないかと思う。形式的な委任事務を、能率的に申しましてもまことにどうかと思われるまま、これを実施いたしておると思う。委任事務そのものにつきましても、事務の処理方法について再検討を加えられる必要があるのじやないか。今日政府考えておられまするのは、もつばら機構の方に重点を置いておられまして、真の事務整理という点につきましては、はなはだ力が加えられておらないとどう点を感ずるのでありまするが、この点に関しまして大臣はいかようなる御意見を持つておられますか。
  57. 岡野清豪

    岡野国務大臣 事務整理につきまして、これを徹底的にいたすつもりでいろいろ研究をしておつたのでございますが実はこれを本国会に御提案申し上げるほどの進捗を見ませんでございました。それでただいまのところでは形の上では自治法だけで機構改正ということにおちついたわけでございます。しかし政府といたしましては、お説の通り事務整理をやるためにまだ研究もしております。また中央政府もこれに努力しておる、同時に先ほど御言及になりましたように、地方に対して中央政府の出先機関をふやすという心配もありますので、むしろ今まで地方にありました出先機関を整理して行きたい。こういうふうな考え方をもつて寄り寄り研究しておる次第であります。
  58. 床次徳二

    ○床次委員 次にお伺いいたしたいのは、地方自治政治というものは、つまり自己の責任によつてこれを実施させる、このために費用につきましても、やはり自己の意思によつて、その負担が大きいか小さいかということを決せさせるということが必要だと思う。先ほど御説明にもありましたごとく、自治体機構議員数等におきましても、地方の意思を尊重するという考え方は適当だと思いますが、真に自己の責任において地方事務自治団体が執行いたすにつきましては、何と申しましても財政的に責任を持てる形式が必要だ。しかしながら現在の平衡交付金あるいは地方税制、さらに起債等の取扱いを見て参りますと、どうも地方自治団体が真に自己の責任をもちまして、自主的に運営する余地が非常に少い。少くとも市町村民の立場から見ますと、直接自己の負担においてこれを行つておるという考え方が明瞭に現われて来ないと思う。もつ自治団体といたしましては自己の責任によりまして地方事務を執行する、たとえば吏員の数をふやしましたならば、それだけ税金がよけいかかる。しかし能率をよくすればそれが少くて済むということも考えられますし、われわれの負担というものと地方団体の機構というものとの関連性をはつきりさせる必要がある。このためには現在のいわゆる平衡交付金法あるいは税制におきましては、あまりはつきり出て来ないと思う。この点につきましては地方制度全体から見て、非常に改善を要するのではないかと思いますが、大臣はいかように考えておられますか、伺いたい。
  59. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方制度調査会をつくりましたのも、やはり御説のようなことを研究せんがためにつくつたわけでございまして、今度その調査会でいろいろ検討しますことは、やはり根本的に地方税法検討させ、地方税法ばかりじやなくて、国税と地方税との関連につきましても研究をさせ、同時に平衡交付金というもののあり方につきましても総合的に研究させそうしてお説の通り地方ほんとうにいい行政をして行きますためには、財政の確立がなくちやいけない、その財政の確立はまず大部分地方制度調査会で取上げられ、そうしてりつぱな結論を得たい、こう考えておる次第であります。
  60. 床次徳二

    ○床次委員 なお最後に一言お尋ねしたいのですが、この地方行政を円滑にして参りますためには、行政簡素化ということと能率化ということが必要であるのは当然でありますが、今日まで政府におきまして地方公務員行政能率の向上ということに対して、どの程度までの努力を払つておられるか、もつと国家といたしましてはこの能率向上ということに対しては、積極的な配意が必要なのではないかと思う。特にこれは行政整理と申しますか、経費節減という意味から申しましても、重大なことであると思いますが、簡素化本部等におきまして、機構等については相当考えておられるようでありますが、教育面におきましてはどうも不十分のような気がするのであります。最近地方におきまして人員をよけい要するという点も、実は公務員の素質の問題にも関係していることが少くない。なお今般の自治法におきましても、地方の部制、課制等につきまして相当の縮小をいたしまして、実情に合うように考えておられますが、これをさらに徹底せしめるためには、どうしても事務能率の向上ということ自体を、やはり考えなければならない。これに対して特に最近の機会において、政府考えておられることがありますならばお述べいただきたいし、なおこれに対し積極的な努力を要望する次第であります。
  61. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。その点についてはやはり私たちも完全に満足しているわけじやございませんで、地方公務員の素質をよくし、同時にまた事務能率を上げるべくいろいろの手だてをしておりますが、ただいまやつておりますことは自治庁並びに財政委員会あたりで地方公務員を寄せて、いろいろ研修をやつている程度でございますが、今後ほんとう自治を確立し、同時に行政能率を上げるということについては、もう少し突き進んだ研修もしくはそれに似たような制度によりまして、公務員を向上させて行く道を講じたいと存じます。こういうことについてもやはりいろいろ案も持つておるわけでございますが、まだこれらの実行のところに移つておりませんから、行く行くお説のような能率向上のために、地方公務員に対して働きかけをする考えは持つておる次第でございます。
  62. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの問題は一応地方公務員について申し上げたのでありますが、一般国民に対しましても自治制に対する思想の普及という点について、まだまだ努力が足りないのではないかと考えるのであります。特に私ども遺憾に思いますのは最近問題となつております特別市制の問題あるいは東京都内の特別区の区長公選等の問題に関まして、それぞれ意見が述べられておるのでありますが、その意見の取上げ方について、相当考慮を要するものがあると思うのであります。運動のために多額の経費を使う、しかもこの運動のやり方自体につきまして、私どもは遺憾に思うのであります。でき得るならばかかる問題に関しましては、地方自治制という立場において、国民にも正しい認識を與えるという意味において、関係団体はもちろん、政府自体におきましても、これに対しましてはもつと責任ある態度をとるべきではなかつたか、ことさらにこの問題が混乱に陷り、地方におきまして問題を複雑化させた点もあると思います。しかも反面におきまして、地方行政を正しく認識させることに、案外欠けておるのではないかということをはなはだ遺憾に思いますが、この点に関しまして政府も十分善処していただくことの方が、日本自治行政の進展のためによろしいのである、民主政治の発展のためにいいのだと私ども考えるのでありますが、その点は政府にもお考えをいただきたいし、また善処していただきたいいと思ます。
  63. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。過去におきましてわれわれ地方の六団体の代表者と協調しまして、自治確立運動をいたしております。しかしこの自治確立運動は主として地方行政官またいわゆる政治——議員とか長とかいうものを啓発することに重点を置いておりましたが、昨年の秋以来やはり大衆を啓発して行かなければならぬという考えから、大衆啓蒙の自治確立運動にも力を注いでおるわけでございます。それからこれはまだ固まつたことにはなつておりませんが、今後民主主義というものを津々浦々まで、また一般のすべての住民を啓蒙するという意味において——言葉は忘れましたが、民主主義を宣伝し啓蒙するというような係を自治庁に置きまして、相当な予算もとつてやることにしております。もし私たちの考えがうまく通りますならば、二千万円くらいの資金をもつて、さつそくにも着手できはせぬかという構想を持つておりますが、まだこれは一、二箇月実現が遅れると思います。
  64. 門司亮

    ○門司委員 きようごく概念的に一つ、二つだけしか聞かないことにしようと思いますが、大臣に聞いておきたいと思いますことは、大臣説明書をずつと読んでおりますと、まことにごもつともなことが書いてあるわけであります。ただ中で私欠けておるかと思いますことは、民主政治に対する大臣の観念であります。いわゆる民主政治は私どもの観念から言いますと、いわゆる主権が在民になつております以上は、やはり国民の責任の上において政治は行わるべきである、こういうふうに解釈いたしておりますが、大臣民主政治というものは、どこまでも住民の責任の上において行うものであるというような解釈をお持ちになつておりますか。
  65. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。民主政治の根本精神はお説の通りでございます。民主政治と申しますのは、主権が人民にあり、同時に人民の責任においてやつて行くのが民主政治である、こう考えております。
  66. 門司亮

    ○門司委員 そういたしますと、この法案の中でただいま問題になつております区と都との関係であります。あるいは府県関係もそうだと思いますが、東京都の区の中には区の固有の事務というものがあるようにお考えになつておるのか、固有の事務は全然ないとお考えになつておるのか、こういう点をお聞きをしておきたいと思います。
  67. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。区の固有の事務——事務というものは、自治団体でも何でも自然発生的に、その辺の地方ではこういう固有の仕事というようなものをいろいろあると思います。しかし私の考えといたしましては、区は二十三区にわかれておりますが、千代田区のようにビルデイングばかりあるところもございましようしそれから大田区もしくは世田谷区のごとき周辺の住宅地というようなところもありまして、個々別々にわかれておりますから、その意味におきましては、その地方々々に合つた固有の事務があるわけでございます。しかし固有の事務と申しましても、何と申しましても、これは一にその地方に最も合つた行政をして行くという意味においての固有の事務でございます。固有であるか委任であるかというようなことは、これは自治法上の政策的な問題であろうと思います。
  68. 門司亮

    ○門司委員 非常に巧妙な御答弁のように承つておきますが、地方自治法の中に定めております東京都の区は、市町村と同じというよりも、むしろ市に準ずる、こういうことが書いてあります。こういう法律をこしらえましたゆえんは、東京都の区は、固有の事務を持つておるということが大きく考えられてこういうことがなされたのではないかということが、今日の東京都の沿革から考えて参りますと容易にわれわれにはうなずけるのであります。そこで問題になつて参りますのは、さつき大臣が一番最初に御答弁になりましたように、民主政治はどこまでも責任政治だということ、その責任政治というものは、住民の責任において行うということになつて参りますと——この自治法は実はその通りにできておるのでありまして、それが民主政治のあり方であるということが、自治法の中で一番大きく出ておりますのは、いわゆる行政を担当いたします直接の責任者に対して、住民任命権と同時に罷免権を持つておるというところに、今日の民主政治の大きなあり方があるのであります。従来の日本政治は、御存じのように天皇の政治でありました関係から、みずからの事務を行います。市町村長あるいは知事等にいたしましても、住民はこれを解職する権利を持たなかつた住民に解職する権利を與えたということは、住民政治であるから、住民にみずからこれを選び、みずから解職する権利を與えたのであります。これが民主政治の正しいあり方であるとするならば、たとえば東京都の区において処理さるべき事務があるとするならば、その事務を執行させます区長は、当然住民の責任の上においてこれを選挙し、そして住民がこれを罷免する制度にしておかなければならぬ。住民の意思と、行政を行います者との間に食い違いがあつたのではどうにもなりませんし、住民みずからの政治を行つておるその長が、住民の意思に反して行政を行つても、これを罷免することができないというのでは、非民主主義もはなはだしいと思う。これは今日の日本憲法自治の条章の中に書いてあります精神と、まつたく相反したあり方じやないかと解釈するのであります。従つてわかりやすく要約して聞いておきたいと思いますことは、こうした住民選挙によつて住民がこれを罷免することができるというように、責任の所在が非常に明確になつておるのが、私は今日の民主政治のあり方の一番正しいところだと思う。ところがさつきから申し上げておりますように、これが任命制になつて参りますと、責任の所在は一体どこにあるかということが明確になつて来ない。大臣一体どういうように責任の所在を明確にされるつもりか、一応お聞きしておきたいと思います。
  69. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。民主政治のお説しごくごもつともでございます。しかし任命制になりましても、責任はやはり主権を持つておるところの区民に対して持つておるのであります。と申しますことは、都知事が任命しようとしましても、民区を代表しておる区会がこれに同意を與えなかつたならば、これは区民の意思に沿わないということで、結局任命ができないわけです。同時に、一度任命されたものでありましても、区民の意思に沿わないようなことがございますれば、区会において不信任を決議し、同時に区会で不信任されたものは、都知事がこれをやめさせなければならぬということになつておりますから、その意味において区民の意思を十分くんで行く区長でなければ勤まらない、こういうことになつております。
  70. 門司亮

    ○門司委員 そこに非常に大きな問題が残つておるのでありまして、先ほどから私が申し上げましたように、責任の所在を明確にするということが、民主政治のあり方の根本の精神であります。住民が投票して選挙するから住民が解職することができるのであります。ところがこれが都知事の推薦というかあるいは任命というか——推薦にいたしましても、区議会がこれを承認してきめるものである、こういうことになつておりまするが、そうなつて参りますると、住民一体この区長に対して、何らの権限を持たないかどうかということであります。今度の自治法改正の次に来るものは、解職権は持たないが、解職の請求権は住民にあるということになるので、特別職であります限り請求権は私はあると思う。しかし解職の請求権と直接解職権というものは、非常に大きな開きを持つております。これは住民一つの権利を剥奪するものでありまして、民主政治の上からいつて私は非常な間違いであると思う。責任の所在というものが明確にならない。区議会がこれをやるからいいじやないかということになりますが、これは間接であります。直接政治を行います、行政の責任者であります区長が、間接の機関において任命されるということは非民主的であると思う。この制度は明治の時代からあつたのであります。明治の時代から市長は間接選挙でありまして、村長さんも大体そうであつたと思う。明治時代から行つて来た制度とちつともかわりがないのであります。もしそういう形になつて参りまして、理論は別にいたしまして、実際上の問題といたしましても、知事が任命したものを区議会が受入れないというような場合には、必ずそこに政治的の責任性が生れて来る。そのために政治的責任性をのがれようとすれば、政治のやみ取引が行われることはわかり切つている。政治の腐敗はそこから出て来る。政治上の責任の所在が明確にされて、住民がみずから行政を行うものを選挙し、それが議会にいれられなければ、それを罷免することができるという民主政治の根本的なあり方が、政治の上に確立されているにもかかわらず、これを昔の姿にもどそうということは、先ほどからいろいろ議論されておりますけれども——内務省の復活ではないかというように考えられておりますが、あるいはそうかもしれないと思う。だんだんたどつて行けば、その次には知事の任命制が行われ、そうして知事が原案執行権を持つというようなことまで行くかもしれない。区長がこういう形で任命制になつて参りますると、原案執行権のようなものができて来なければ、区議会がもし区長の意に沿わざることを議決するといたしまするならば、それに区長が必ずしも従うかどうかということ、都知事の意見と食い違いが生じた場合に一体どういうことが生れるか、こういう点をわれわれは非常に危惧するのであります。  それからもう一つ。これ以上時間が遅くなつておるので申し上げませんが、お答え願つておきたいと思いますることは、民主政治のあり方において、任命権者に対する責任の所在であります。この場合区長はたれに責任を負うべきかということであります。都知事に責任を負うべきか、あるいは区議会に行政上の責任を負うべきか、この責任の所在をひとつ明確にしておいていただきたい。
  71. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。まず第一点から申し上げますが、私はこう考えております。区民が反対しましたならば、その区長というものはどうしてもその職におることはできないようにしたいと思います。すなわち、区民の意に沿うように行政ができて行くという意味で、区というものに密着させる。それから第二点のどちらが責任を負うかと申しますが、むろん区民に対して責任を負うと同時に、都知事に対しても責任を負う。双方に対して責任を負う次第であります。そうして双方と申しましても、やはり住民に対して責任を負うております。都知事は少くともリコールを受けない。やはり都民、すなわち二十三区を加えたところの住民公選によつてつておるところの都知事でありますから、これは二十三区の住民の意思を代表しておるんだと考えていいと思います。そうすると、その都知事に対して責任を負うということは、やはり都の二十三区の住民に対して責任を負うということになる。すなわち区長は都知事に対しても責任を負う、また区議会に対しても責任を負うということは、直接その区民に対して責任を負う、こういうふうに私は考えております。
  72. 門司亮

    ○門司委員 どうもこれは大臣との間に押し問答しても、なかなか明確にならぬと思います。責任の所在は非常に重要でありまして、もし区長任命権者といいますか、推薦者であります都知事の命令に従わない場合は、都知事はこれをいかに処分するかということであります。しかも区の議会はその主張を承認しておる形であります。こういう場合には一体その責任の所在が明確になつておれば、任命権者に責任を負うのだという民主主義のあり方に合致いたしておりますれば、住民は氣に入らなければ、解職する権利を持つておりまするから、これは解職することができるのでありますが、この場合の解職権は、それなら一体どこにあるかということであります。区議会が解職を決議をいたしましても、任命権者である都知事がこれを解職しなかつたならば、一体だれがこれを解職するか、こういう規定が実は明確になつておりません。私が申し上げておりますのは、どこまでも民主政治のあり方である、いわゆる責任の所在を明確にするということ、その責任の所在は、おそらくだれが考えても、任命権者に対して責任を負うということが私は正しいと思う。任命権者にあらざる者に責任を負う必要はございません。そういたしますると、今の大臣答弁を聞いておりますと、両方に何か責任があるようになつておりますが、大体よくいわれておりますように、両方立てれば身が立たぬということは、わかり切つたことであります。そう簡單に両方が両立し得るものではないと思います。従つてこれ以上私は聞きませんが、大臣のお考えでは、その行政上の責任の所在は、一体どこに置いて行くか。そうして両方にあるというようなことでありませんで、正しくどつちの方に責任を負うべきかということを——一体都知事に責任を負うべきか、あるいは区議会に責任を負うべきか、あるいは区民に責任を負うべきか、どの点に一体責任を負うかということを、ひとつ御答弁を願いたいと思います。  なおこういうことを聞きます上に誤解があるといけませんのでつけ加えておきますが、都の委任事務に対しましては、あるいは都が区に委任いたしております事務につきましては、都の知事が推薦をいたしまする以上は、任命されるかもしれません。しかし一方においては、区議会というものがありまして、この区議会は一体何のためにあるかということであります。区議会で議決いたしますことは、区の当然行わなければならない行政上の固有の事務があるから区議会があるのでありまして、そういたしますならば区議会があるところには、必ず区の固有の事務がなければなりません。区の固有の事務があるということになつて参りまするならば、その固有の事務を執行いたしまする区長は、憲法通り住民が当然選挙するの権利を持つておるはずであります。こういうことが考えられると思います。そこでその次にもう一つ聞いておきたいと思いますることは、区議会の責任は一体どうなるかということであります。区議会はそれならだれに一体責任を負つて行政を行うべきか。今の形から見ますならば、区議会に対しましては、住民がこれを解職するの権限を持つておりますが、その権限もそのまま置いておいて、そうしてこういう任命制が行われるということになつて参りますと、区議会の責任は一体どういうことになるか、区議会で議決したことは一体どういうことになるのか。もう少しわかりやすく申しますと、区議会で議決したことを区長が実行しなくとも、区議会の責任は住民からのがれることができるかどうか。
  73. 岡野清豪

    岡野国務大臣 今回区に対して大幅に都の事務を配分しまして、そして区としてのやらなければならぬ仕事をちやんときめております。同時に都議会におきましては、必要があればまた条例によりまして区にやつてもらう仕事、すなわち区の仕事をきめるわけでございます。その区が持つておりますところの仕事に対しては、区議会が十分これを検討し、区の最高政策をきめるわけです。そして区長はそれに対して区議会の決議に従つて行政しなければならぬ、こういうことになる次第であります。
  74. 門司亮

    ○門司委員 私はその通りだと思うのです。その通りだと思いますから聞いておるのでありまして、従つて区議会は区民に対して当然責任を負わなければなりません。そういたしますると、さつきから何度も申し上げておりますように、区議会できめたことについては、区議会は住民に対して責任を負う。ところがその区議会できめたことに対して、区長が、これは任命権者である、推薦権者である都知事の意見ともしそれが食い違いを生じておつて、あるいは区長意見が違つてつて、そうして区議会の意見を尊重しなかつた場合、これは必ずしも私はないとは言えないと思う。そういう場合の責任の所在というものが明確になつておりません。この責任の所在が明確になつておらなければ、当然罷冤も明確になつて参りません。そういう場合において、一体これをだれが罷冤するかということであります。区議会だけが罷冤するわけには参りません。少くともこれについては都知事の同意が払はいると思う。そうして参りますると、これはどこまで行つても区議会は区民に対して責任を負つて一つ仕事をきめて行く。その仕事の執行に対しては区長が責任を持つてつて行く。ところがその責任を持つてつておりまする区長に対しては、これは任命であつて、それで区議会できめたことが必ずしも尊重されないということは、住民の意思決定である区議会の決定が、区長に十分に尊重されなければ、区民の意思が十分に尊重されないことになる。そういう場合があつて区長住民に対して責任を負わぬということである。気に入らなければ、住民はせいぜい解職の請求をする権利しか持つておらない、私はこうなると思います。解職の請求をする権利を持つということと解職をする権利を持つということは住民にとつてきわめて大きな問題であります。この住民行政の任に当つておりまする区長に対する解職の権限を住民からとつてしまうということに、結論からいえばなると思います。従つてこういうことが民主政治のあり方として一体いいか悪いかということは、先ほどから何度も申し上げておりますので、大体おわかりだと思いますが、住民から自分の行政を行う責任者の解職権をとられるということについて、大臣はどうお考えになつているか。     〔野村委員長代理退席、委員長着席〕 解職権と解職請求権との住民に対する権限の相違を、この際一つ聞かしていただきたいと思います。
  75. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。私の考えといたしましては、区会というものは区民の代表でありまして、住民の意思を代表しているものと考えます。そういたしまして、もしただいま申しましたように、区議会で決定していることを区長が執行しないというような場合がありますならば、区議会はその区長の不信任を決議することができます。不信任を決議すれば、都知事はこれを罷免しなければならないということになりますから、区議会を尊重する。区議会を尊重するということは、間接的に区民の意思を尊重して区民に責任を持つて区長仕事をして行く、こういうことになります。
  76. 門司亮

    ○門司委員 そうすると、こう解釈してよろしゆうございますか。ちようど昔の府県制と同じような考え方だということに結論的にはなると思うのです。県会が知事の不信任を決議する場合に、内務大臣がこれをどう処置するかという形になつて來ると思う。だから考え方は、ちようど昔の内務省復活のような形であるというように申し上げても、私は決してさしつかえないと思います。今日は時間がありませんから、これ以上申し上げません。次に聞いておきたいと思いますことは、現在起つております行政上の処置の問題でありますが、具体的に申しますと、私の手元にも参つております問題で、実は逗子の町会の臨時会が招集されておりまして、これは議題といたしましては、「逗子町警察を維持しないことを住民投票に付することについて」という議題で招集されております。これは何もこの議題自身に私は問題はないのでありますが、ただ一昨日かと思いますが、行われました逗子の町会の委員会において、町長が配付いたしました書類であります。この書類にどう書いてあるかといいますと、現在有志の人によつて、警察法第四十条第三項を変更しようとする町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案というものが提案されているのであります。これは当委員会に付託されておりますが、いまだ審議されておりません。従つてこれがいつ審議されて両院を通過して立法化されるかということは、未知数の問題でありますが、この法案が出ているから、しかもこの法案の内容が、五月二十日までに諸般の手続をとれば、町議会で議決して、これを住民投票に付して決定が行われれば有効であるということになつているから、早くしなければならないということが、つい二、三日前の全員協議会に町長から出した刷つたものにはつきり書いてあります。私はその書類をこの間町長かもらつたのでございますが、町長が返してくれと言いますから返しておきました。しかしその写しはここに持つております。この法案の審議が行われておりませんから、提案者にその趣旨を聞くわけに参りませんが、立法された法律に対する効力の問題でありますがこの法律はまだ出ておりません、ところがこの法律の出ない前にそういう法律が出るだろうということを予測して町会できめたということが、この法律が施行されたときに有効であるかどうかということであります。こういう法案が出されたということは、大阪あるいは愛知におきまして、去年の十一月までに議決したものに対しては、今年の四月一日からこれを廃止することができるという法律があつたのでありますが、それがたまたまこの二つの地区において間に合わなかつた。何か時間の関係から一日か二日か間に合わなかつたので、せつかく町議会で議決し、住民の決定がすでに行われているものを、わずかの差でこれを無効にすることは遺憾であるというので、これの救済策であるということを私は聞いているのであります。私はこれは一応りくつは立つと思います何でもかでも、一日か半日日が延びたといつて住民投票まで行つたものを無効にするというのは、いかがかと思いますが、しかしこういう法律が出るであろうということを予測して、この住民投票が行われるということは一体この法律の施行後において、あるいは法律的の解釈からいえば有効であるかもしれないが、私どもは法律を取扱います場合において、非常に大きな問題を投げかけて来ると思う。国会でこういうものが提案され、いついつか通るであろうから、その前にこれをやつておけば間に合うということになりますと、これは法の権威にも関係いたしますし、また取扱いの上にも問題を生ずると思う。こういう問題の起つた場合に、地方自治庁としては、指揮監督の権限はありますまいが、その地方自治体に対してどういうお考えをお持ちになるか、その点をひとつお聞きしておきたいと考えるのであります。
  77. 岡野清豪

    岡野国務大臣 私その法案一つも存じませんで、今初めて伺つたのですが、もし行政課長が知つておりますなら、行政課長からお答えいたします。
  78. 長野士郎

    ○長野政府委員 ただいまのお話は、これは法律的に申し上げますと、今のお話を伺いましたところでは、市町村の議会がその議会の議決によりまして、当然に法的な効力を生ずるような、そういう議決のことであろうと思いまするが、そうでありますならば、町村議会でこれを議決することについて、当然に法的にそういう権限を持つておるという状態が必要であろうと思います。ただ、今提案になつているとおおせになりました法律の内容はよくわかりませんので、申し上げかねますが、その法律で何か遡及適用のようなことは、ちよつと普通には考えられないと思うのでありますけれども、そういう特別な手段が講ぜられておりまして、現在そういう権限が議会にないものでも、それをやればそれを救済する、そういう考え方、そういうものが法律になるとすれば非常に新しいといいますか、非常にめずらしい考え方だと思いますが、そういう何か非常に特殊なしかけがなされておれば、あるいはなし得るかと思いますが、一般的、原則的に申しますれば、やはり権限のない行為によりまして、当然に何らの効力を生ずるものでないということが言えると思います。
  79. 門司亮

    ○門司委員 これは自治庁はまだよくごらんになつておらぬという話でありますが、実は四月一日に提出になつて、衆法第二十六号になつておりまして、当委員会に付託されている法案であります。その内容もきわめて短いのでありまして、今年の五月二十日までにすべての完了したものについては、六月一日から町の警察を廃止することができる、こういうことであります。これはさつき申しましたように、二つのすでに住民投票まで終つているところがありますので、これを救済しようという意図だと考えて了承しておるのであります。ところがこれに便乗して、五月二十日までに終了すれば、六月一日からやれるからということで、臨時町会が開かれている。それは先日出しました町長の謄写版刷りの理由書にもそういうことが書いてあります。こういうものがもし将来次々に行われるということになつて参りますと、法律の先まわりをして、いろいろなことになつて来ると思う。私の心配しておりますのは、もしこの法律が施行されなかつたという場合においては、これは私は非常にむだがあると思う。今は町が自治警察を廃止する決議をすることは何らのさしらかえはありません。しかしこういうものを目当にして、しかもそれが理由になつて、非常に取急いで、臨時議会を開いてまでも、これをやらなければならぬということにはならないと思う。同時にこの町長の書いた書類を見てみますと、大体自治警察というものは、町のときに廃止さえしておけば、市になつて自治警察は持たなくてもいいだろうということが書いてある。町長がどういうところからこういうことを書いたか知りませんが、こういうことが書いてあるのであります。そうしてこれは町長が公文書ではないと言つておりました、私の私案で書いたのだから、ぜひ返してもらいたいというので、私は返したのでありますが、そういうことで実際はこれがなされておるのでありまして、この点はひとつ自治庁といたしましても、十分御留意を願つておきたいと思います。
  80. 金光義邦

    金光委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十九分散会