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1952-04-23 第13回国会 衆議院 地方行政委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十三日(水曜日)     午前十一時三十二分開議  出席委員    委員長 金光 義邦君    理事 大泉 寛三君 理事 河原伊三郎君    理事 床次 徳二君 理事 門司  亮君       押谷 富三君    中山 マサ君       前尾繁三郎君    吉田吉太郎君       鈴木 幹雄君    藤田 義光君       立花 敏男君    八百板 正君  出席国務大臣         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         総理府事務官         (地方自治庁次         長)      鈴木 俊一君         総理府事務官         (地方自治庁財         政課長)    奧野 誠亮君         総理府事務官         (地方自治庁公         務員課長)   佐久間 彊君  委員外出席者         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 四月二十三日  委員中村寅太君辞任につき、その補欠として金  塚孝君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 四月二十二日  特別区の組織及び運営に関する請願外一件(天  野公義紹介)(第二二四五号)  公職選挙法の一部改正に関する請願荒木萬壽  夫君紹介)(第二二八九号)  遊興飲食税撤廃に関する請願堀川恭平君紹  介)(第二三〇九号)  運送業に対する事業税外形標準課税の廃止に  関する請願淺沼稻次郎紹介)(第二三一〇  号)  道路交通取締法の一部改正に関する請願(野村  專太郎君紹介)(第二三一一号)  笠岡市の警察管轄に関する請願橋本龍伍君紹  介)(第二三一二号)  弁護士に対する特別所得税免除等に関する請願  (田中萬逸紹介)(第二三一三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会要求に関する件  地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二三号)  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約  第三条に基く行政協定実施に伴う地方税法の  臨時特例に関する法律案内閣提出第一五七  号)  町村職員恩給組合法案内閣提出第九二号)(  参議院送付)     —————————————
  2. 金光義邦

    金光委員長 開会いたします。法案審査に先だちまして、この際お諮りいたします。目下大蔵委員会において審査中の国立病院特別会計所属資産譲渡等に関する特別措置法案につきまして、大蔵委員会連合審査会を開会いたしたいと思いますので、この旨大蔵委員会へ申し入れたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金光義邦

    金光委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 金光義邦

    金光委員長 次に町村職員恩給組合法案内閣提出第九二号、参議院送付を議題といたします。質疑を許します。——質疑もないようでございますから、本法案に対する質疑は一応終了いたします。次会に討論、採決をいたしたいと思います。——今立花君が見えましたが、まだ質疑があるそうですから、これを許します。立花敏男君。
  5. 立花敏男

    立花委員 今までの質問応答は、組合給付の問題にあまり触れてなかつたと思うのですが、給付の数字を見ますと、三十五年度一万六千人ばかりでその総額が三億幾らなつているわけです。一人当り二万円足らずになるわけですが、一年に二万円足らず恩給しか受けていないとなりますと、一箇月約千五百円ばかりにしかならないわけです。鹿児島あたり平均を見ますと、年二万円を切れまして一万円ちよつとです。そういたしますと、恩給と申しましても非常に少いのです。月に千円から千五百円というに至りましては、扶助料といたしましても、あるいは退隠料といたしましても、あるいは死亡給与金といたしましても、これは雀の涙ほどになるわけですが、こういうことであつてよいのかどうか、この点どうお考えなつているか、ひとつ承りたいと思います。
  6. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この恩給給付につきましては、お手元に比較表をさしあげてあると思いますが、町村恩給組合については、満十七年たちましたものに対して退職金を給する、四十五歳以上の退職者に三年平均給与の四箇月分ということでありまして、国の恩給制度と大体同じような考え方方式でやつておるわけであります。ただ現在町村職員を退職して恩給をもらつております者は、相当前にやめたものが多いわけでありまして、そういう前にやめました者は当時の俸給についてその百分の二というものを納めているわけであります。そういうものにつきましてベース改訂がございましたので、ベース改訂によりまする額の調整をさらに加えてやつているのでありまして、これも国の恩給方式と大体同じような方式をとつておるわけであります。町村職員につきましては、基本の給与は昔は相当低かつたわけでありまので、その影響が、いろいろ調整を加えましてもなお今日若干残つておるわけでありますが、これはバランス上やむを得ないというふうに考えておるわけであります。
  7. 立花敏男

    立花委員 今の説明の中にも、昔の古いものは古いときの金額でやつているのだというふうなことが言われたのでありますが、やはり絶対額は非常に少いということはいなめない事実なのです。名前は恩給ですが、恩給の役はなさない、月に千円や千五百円もらつて恩給などと言つておりましても、これはタバコ銭にもすぎないので、決してこれば恩給の役をなさないと思うのです。こういう問題についてやはり根本的な対策なり考え方をはつきりしておいていただきたい。その点やはり單なる国家恩給との均衡とかなんとかいう、まつたく形式的な考え方だけからしか法案考えられてないような気がするのです。この点をひとつ考えておいていただきたい。  それから法案にも保険数学を用いてやらなければいけないという規定があるわけなのですが、これは非常に科学的のようで、実は大きなごまかしがあるのではないかと思うのです。保険数学を用いるということは、その中に資金の利子とか、あるいは財源とか、こういうものが含まれておりまして、一見科学的なようですが、平たい言葉でいいますと、保険独立採算制と申しますか、そういう形で、国家保障的な意味あまりなくて、恩給をまつた数学的に独立採算的にやつて行くという意味にかわつて参りまして、従つてさつきから申しております積立金の額が少いから、給付額が少いというふうになつて参りまして、実際は恩給の役を果せないというようなことになつておるわけなのですが、保険数学によるというような、まつたく機械的な算術的な考え方からじやなしに、やはり国家のため、社会のために終生勤めて参つた者に対する生活保障というような意味で、そういうことを原則としてほしい、そういう意味におきまして国家がそれに財源を支給し、生活保障するに足るだけのものを与えて行くという原則が立てられなければいけないと思います。そうなつて参りますと、さつきから問題になつております、絶対額が月に千円か千五百円というような、羊頭を掲げて狗肉を売るはうな内容にはならない、もつと公務員生活をほんとうに保障するようになると思うのですが、この保険数学原則とするという考え方を、一体どういう意味で採用されておるのか、これを改められる意思があるか、これを承りたい。
  8. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 公務員恩給制度につきましては昨日も申し上げましたように、現金支出法という方式保険積立法という方式と二通りあるわけであります。現在の国家公務員とか府県等においては、現金支出法という方式をとりまして、本人が百分の二程度負担をいたしました余りは、国が、あるいは府県予算に必要な額を計上して、年々支出いたして行く、こういう方法であります。今の町村職員恩給組合の方はこれに対して本人負担を百分の二といたしますが、給付に必要な額というものは保険数理によりましてはじき出しまして、その部分は結局町村がこれを負担する建前にいたそうというわけであります。現金を積み立てる場合におきましても、年々給付するに必要な程度の元金が積み立てられてあればいいわけでありますので、その保険積立てにつきましても、そこで若干数学的に調整を行つておりますが、しかしいずれにいたしましても、このどの方法をとるにいたしましても、本人に対する退職金給付の額については、同じようなものが渡るようにしようというところから出発しているのでありまして、その一定給付額を得るのに年々予算に計上して出すか、それとも積立て方式をとるかという方式の違いだけなのでありまして、本人に対する給付というものは、いずれの方式によりましても違わない建前計算いたしておるのであります。積立て方式であろうと現金支出方式であろうと、その点はかわりないのであります。国家公務員法におきましても、現在の恩給制度はさようなつております。国家公務員法におきましては健全な保険数理基礎として計画され、人事院によつて運営されなければならぬということが、百八条ですかにうたつてあるわけでありまして、これによつて新たな恩給制度が今考えられつつあるわけであります。いずれにいたしましても十七年以上勤続をいたしました場合におきましては、俸給の三分の一を退職金として給付するというこの原則は、町村職員恩給組合にありましても国家公務員でありましても、同じような原則に立つているわけであります。特に町村職員恩給制度不利益扱いにしているというようなことは全然ないのであります。国家公務員でございましても古くやめましたような人につきましては、古い俸給基礎なつ計算されているわけであります。それでは不公平でありますので、それを調整しているわけでありますが、それと同じように古くやめました町村職員につきましても、古い三十円であるとか三十五円という俸給を今日月額一方五千円とか二万円というふうに直しまして、それの三分の一の相当額が行くというような建前なつておりまして、何ら原案におきましてはそういう不利益な、不公平な取扱いということはいたしておらないのであります。もちろんよけいやるに越したことはないのでありますが、これは今日の財政の事情から行きまして、また他の公務員との権衡から申しましても、これ以上のことは考えられないということであります。
  9. 立花敏男

    立花委員 大体保険数学というものは、保険会社の営利的な事業経営というところから生れて参りました一つ数学と申しますか、科学なので、こういうものが国家公務員やあるいは地方公務員生活保障に、そのまま原則として採用されることは、これはあまりに機械的じやないか。やはり国家が、あるいは社会が、それに奉仕して参りました者の生活保障してやるという原則がまず第一なので、一つ経営としての保険経済原則とする保険数学というようなものが、恩給組合原則なつては、やはり弊害があるのではないか。だからこの保険数学を当てはめましたものを見ますと、財源と申しますか、積立金資産運用予定利まわりは、保険組合では年四分となつておる。年四分に資産を運用する、そういうことがやはり給付と申しますか、保険数学では重要な部分を占めておりまして、そういう打算的な、まつたく営利的な計算基礎に立つて給付がきめられて来ておる。だから資産が少ければ給付も少いということになつて参りまして、結局何もならないような恩給しかもらえないということになつて来るだろうと思う。だから、私は決して地方公務員だけが、そういう不当な扱いを受けておるとは申しておりませんので、そういう公務員に対する給与の問題、恩給のような問題は、やはり国家地方を通じまして、そういう保険数学のような原則によらないで、国家社会的に保障してやるのだ、国家保障をやつてやるのだという原則で、ひとつ貫いていただけばいいのではないかと思うのですが、そういう根本的な問題が、この法案に現われているかいないかは別といたしまして、そういう恩給の問題に対する根本的な意見を、ひとつ聞かせておいていただきたいと思う。
  10. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 どうも立花さんは民間保険会社のことが、ただちに保険数理であるかのごときお話でございますが、保険数理というのはあくまでも無色透明な数学方式でありまして、それを基礎にして計算をして、堅実なる健全なる共済制度恩給制度をつくれというのが、地方公務員法の四十三条なり四十四条に、すでに規定されておるわけなのですが、保険数学方式をただ計算する場合に用いるというわけでありまして、民間保険会社では一定保険料をとりまして、それをちやんと独立採算制がとれるようなふうに、また二十五年後、三十年後には一定保険金を支給する、そういうことが可能であるように、また事業運営採算がとれるようにするのには、幾ら保険料とつたらいいのかということで、計算を逆にしておるのでありますが、この国家公務員なり地方公務員につきましては、十七年勤続した者に対しては、そのときの最終平均俸給額の三分の一を支給するという結論を出してしまつておきまして、しかもまたいま一つ前提としては、本人からはわずかに給与の百分の二しか毎月とらない、こういう前提を一方にとつておきまして、それでそういう支出をするのには、あと一体どれだけの経費を、そのために積み立てて行つたらよろしいか、あるいは一方の現金支出の方においては、どれだけ現実に支出したらよろしいかということをはじき出すわけでありまして、そういう計算方式保険数理によるということなのでございますが、やはり根本の建て方が違つておると思うのであります。国が百分の二というような点をできるだけ減らして、あるいは百分の一にするというようなふうにすれば、それに越したことはないのでありますけれども、それは全体の国家財政なり、地方財政の問題と結びついて来るわけでありまして、この案といたしましては、現在の方式をそのまま踏襲して、ただそれを法制化しよう、こういうねらいであるのであります。
  11. 立花敏男

    立花委員 そこにおかしいところがあるど思う。全体の国家財政地方財政と結びつけて考えると言つておられるので、この結びつき方は、やはり保険数学というようなものから出て来ておると思う。十七年勤続いたしまして收入の三分の一を与えると言われるのですが、三分の一という規定が一体どこから出て来たのか。これは非常に問題なので、三分の一を与える、あるいは百分の二を掛金としてとる。こういうことが前提なつて、これが出て来たということを言われますが、むしろ私どもから言わせますと逆なので、こういうような逆算をされて三分の一がきまりましたので、三分の一というようなもので生活保障できるはずは私ないと思う。たとえば一万五千円もらつておりますと、五千円しかもらえない。現在の給与実態で、本給を一万五千円もらつておるというような者は、おそらく中央地方を通じてあまり多くないと思うのですが、こういう者ですら月に五千円しかもらえない。これでは老後保障することは非常に困難なので、こういうことが前提としてきめられておると言われますが、こういう老後保障するに足りないようなものを大前提としてきめたというところに、非常に矛盾があるので、これは矛盾があるということを承知の上で、老後保障するという原則でなしに、何かほかの原則があつて、たとえば保険数学のような経営数学的な原則があつて、こういう三分の一というようなものがはじき出されて参つておるので、国家社会に奉仕した者の老後を完全に保障してやるという建前から行くのであれば、三分の一というような生活保障するに足りないものは、私出て来ないと思う。その点で、言葉の上で何と言われましても、統計で見ますと、月に千円か千五百円しかもらつてない。これでは実際上は何の保障にもならないということは事実で証明されておると思う。しかも他の資料によりましても、退隠料が大体九割まで占めておりまして、やはり公務に一生を捧げました者の老後保障が八割七分、大体五割以上を占めておりまして、こういうものが、今言われました年に二万円足らず、月に千円か千五百円というに至つては、恩給の体をなさないと思うのですが、この体をなさない実態の原因は、やはり恩給法をつくるこの原則が間違つておるのではないか。今のような恩給実態で完全に生活保障されておる、その一生を国家社会に奉仕させた者に対して報いる方法として、十分であるというふうにお考えなのがどうか、これを承りたい。
  12. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 かねて御説明申し上げておりますように、この法律案は、現在の町村吏員恩給組合制度という事実上行われておりまするものに対して、法律的な裏打ちを与えたいということを、第一義的な考え方にいたしておるわけでありまして、現在の恩給制度全体はただいま国家公務員地方公務員を通じて検討を加えられておる最中でありまして、しかもそれについての最終案がいまだ固まらないということなんであります。その最終案が固まりましてから、こういう法律案を出すということも考えられたわけでありますけれども、それよりもとにかく現状において基礎を強固ならしめておきたいということで出したのでありまして、現在の地方公務員恩給制度自体が、これで完全だとは思つておりません。これは国家公務員恩給制度についても同様な問題があるわけでありまして、これは一般社会保障制度との関係もございますし、それらとの関連において公務員恩給制度をどうするかというような大きな問題と結付くわけでありまして、また反面国家財政関係考えて参らなければならぬ問題でございますから、これらの検討は、なお政府としては今後に期する、こういう考え方をしておるわけであります。
  13. 立花敏男

    立花委員 だから私は質問の際に言いましたように、必ずしもこの法案にとらわれないで、どういう方針と、現状に対するどういう考え方をお持ちになつておるかということを尋ねたわけなんで、それを具体的に答弁願えればいいと思う。現状には不満足である。それをどういう方法で、どういう程度改正されようとしておるかということを承れば、私は一応納得できると思うのですが、その点を御答弁願いたいと思う。それからきのうもお尋ねしたのですが、今度は強制加入なつておるということなんですが、市の方ではとつていないところもある。本人関係でとらないところもある、あるいは百分の一のところもあるのに、町村は百分の二にいたしまして、しかもそれを強制的にやるということはおかしいじやないか。本人負担強制的にとることになるので、それは不穏当じやないかということを聞いたのですが、いやそうではないという答弁がきのうあつたわけなのです。しかしこの法文で見ますと、やはり町村組合をつくらなければいけないとありまして、結局実質強制的になつて来るじやないかと思うのですが、その点どういうふうにお考えなつておるか。やはり本人給与の百分の二を差引くということは、現在の苦しい給与から申しますと、相当大きな問題なんで、これを強制的にやる。法文の上では個人の強制の問題には、直接触れていないようですけれども実質上は強制なつて来ると思う。そういう場合に、現在の給与の問題と掛金の問題、これを強制されるということにおいて、どういうふうにお考えなつておるか。強制されるのであれば、率をもつと下げるべきであり、できるだけ本人掛金はなくするのが私は当然だと思う。百分の二という掛金を義務づけながら、しかもこれを強制するということは、現在の給与実態から申しまして、非常に不穏当だと思うのですが、その点どういうふうにお考えなつておりますか。
  14. 佐久間彊

    佐久間政府委員 今度のこの法律によりまして強制をすると申しました意味は、ただいま御質問の中にもおありでございましたが、町村にこの恩給組合加入強制するというところにあるのでございます。町村になぜ強制するかと申しますと、従来の恩給組合は、町村地方自治法規定によりまして任意に一部事務組合をつくつて共同事業をやるという建前なつておりますので、町村が入りたくなければ入らなくてもいい、こういう建前なつておるわけでございます。実際の状況を見てみますと、町村によりましてはそこの少数吏員のために、相当多額経費を年々予算に計上をするということにつきまして、町村の議員の中にも、あまり快く思つていないというような者も出て参りまして、少数職員のためにそれほど多額経費支出するならば、脱退ができるならばむしろ脱退したらいいじやないかというような声も起つておるということも、私ども聞いておるのであります。従つてこの法律では町村職員の福祉の増進をはかることになりませんので、町村は必ず恩給組合を設立し、必ず恩給組合加入をして、その職員のために経費負担をしなければならないということにいたしましたところに、この法律意味があるわけであります。なお職員につきましての加入強制するかどうかということでございますが、これはそれぞれ恩給組合条例をつくつておりまして、その条例の中で規定をいたしておるのでございますが、これは各県の組合によりまして、条例規定は必ずしも同一ではございませんが、私どもの方で承知しておりますところでは、大体強制ということではなしに、次に掲げるような職員はこの恩給組合から恩給を受ける権利を有するという規定をいたしておるのが通常でございます。従つてこの恩給を受けたくない者は百分の二を納めないで、そのかわり恩給をもらわないということはかまわないわけであります。職員権利だということで条例はつくられておるわけであります。
  15. 金光義邦

    金光委員長 立花君の発言中でございますけれどもちよつと理事会を開きたいと思います。そのまま休憩いたします。午後零時六分休憩      ————◇—————     午後零時九分開議
  16. 金光義邦

    金光委員長 休憩前に引続き開会いたします。  町村職員恩給組合法案について、引続き質疑を行います。立花君。
  17. 立花敏男

    立花委員 大分お急ぎのようですから、簡單に質問をやりますが、最近知事会議つたとか、市長会議つたか、もう地方予算をきめてしまつたんだから、あまり地方負担になるような法案を通してもらつては困る、法案を通すときには財政的な裏づけをやつてくれということがあるわけなんですが、この法案町村負担あるいは県の負担が増加されるということがあるのかないのか、これをひとつ承りたい。
  18. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この町村職員恩給組合制度実施に伴います負担関係につきましては、昨日も床次委員質問に対しまして申し上げました通り、ほとんど現状負担の変更はないわけでありまして、また事実各町村におきましては、すでにそのことあるを予期いたしまして、一応の予算を計上いたしておることでありまするし、そういう意味の心配はないと思います。
  19. 立花敏男

    立花委員 それから知事総理大臣監督なんですが、こういう一般の者がみずから掛金を出しまして、自分たち生活保障のためにつくります組合などに対しましては、あまり知事総理大臣監督をやらなくてもいい、こういうものこそ民主的に運営させればいいと思うのでありますが、この法案知事あるいは総理大臣が大きな監督権と申しますか、むしろ干渉するような権限を持つておるわけです。この点をどうお考えになりますか、きのうお尋ねいたしますと、これは法人なんだから届出のつもりで、こういうことをうたつたのだと言われましたが、内容はそうじやないと思うのです。これは明らかに監督、指導する権限知事総理大臣に与えていると思うのですが、こういうような公務員がみずからのためにつくる組合に対しましては、民主的な運営がとらるべきであつて国家の指導、監督は不必要だと思います。なぜこういうものをお入れになつたのかお尋ねします。
  20. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この町村職員恩給組合というのは、現在の地方自治法に基く一つの一部事務組合であります。一部事務組合の設立については、府県知事の許可を必要とするのが地方自治法原則であります。その他一部事務組合についての各種の規定があるわけでございますが、これはそういうものに対する特例を書いておるわけでありまして、何らこれによつて新たなる監督権を加えようというものではないのであります。附則をごらんになればわかりますように、現在できております町村吏員恩給組合というものは、当然この法律による恩給組合になるというふうにみなしておるわけであります。従つてこの法律によつて新たに設立をいたすための自治法に基く許可というものは、むしろ必要がなくなるわけでありまして、将来この規約をかえるというような場合に許可がいる。これも自治法の原則によれば当然でありますけれども、そういうことを言うておるわけであります。これによつて監督権を強化しようということは全然ないと思います。また恩給組合連合会でありますが、これに関しましても、公益法人につきましては、民法の三十四条に、設立の際に行政官庁の許可がいるということが明らかにうたわれているのであります。これもそういう種類の法人でございまして、いやしくも法人としてそれに基く各種の権利義務を負担いたします組合につきましては、やはり国家機関による一つ保障的な考慮というものが必要であるのは、現在の法制全体の建前から申して、当然であると考えております。そういう意味で主管の行政官庁であるところの内閣総理大臣の認可を必要としておるわけであります。
  21. 立花敏男

    立花委員 單にこういう組合をつくる場合の設立についての届出、あるいは許可という問題とは違つて、やはり非常に具体的な規定があるわけで、第四条では「その規約を変更しようとするときは、組合の議会の議決を経て、都道府県知事の許可を受けなければならない。」とあつて、たとえば給付の額とか、あるいは掛金の増減とかいうものを、自主的に変更しようと組合が議決いたしましても、それだけでは効力を発生しないので、やはり都道府県知事の許可がなければいけない。不許可ならばいくら掛金を減らそうと思つても、それはできないんだということになりまして、これは單に設立についての手続上の届出とか、許可とかいう問題とは多少違います。設立されましたあとにおいて、自主的に自分たち給付額なり、あるいは負担率なりをかえようと思つても、それが自由にできない、知事の許可が必要だということになつております。これはまことに民主的な運営とは隔たるところがあるじやないか、この法案自体が、昭和十八年の内務省時代の内務省令ですかで、つくりましたあの戰時中の中央統制的な色彩が残つております。だから知事がそういうものを許可したり、あるいは総理大臣が連合会の定款の変更の認可をやるというようなことになつておるじやないかと思うのですが、現在は昭和十八年時代とは根本的に違うのですから、あの内務省の考え方ではなしに、新しい民主国家における民主的な組合運営は、知事総理大臣の許可がなくても、その組合が大会で議決さえすれば、自由に掛金なり給付額なりが、変更できるようにしておいた方が、私はいいじやないかと思います。もし必要とあれば届出もけつこうですが、こういう知事組合の議決を拒否し得るような条文は必要ないと思う。それから連合会の場合は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、定款は変更することができないとあります。これも同様で、非常に中央集権的な官僚的な色彩が強いので、これでは組合運営が民主的に行われないじやないかと思うのです。あなたの言われるように、ほんとうにこれが手続上だけの問題であるとすれば、いさぎよくこういう条文は削られた方が、むしろすつきりするじやないか、ただ附則で、設立については届け出なければいけない、許可を要するとかいうふうに簡單にやつておいた方がよろしいので、本文の中で規約の変更に知事の許可を要する、あるいは内閣総理大臣の認可がなければ変更することができないというようなかどばつた条文を無理に置かれる必要はないと思うのですが、この点はどうですか。
  22. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 現在の民主的に定められました地方自治法の中において、町村の一部事務組合というものは、いわば地方公共団体であるわけでありまして、地方公共団体というのは、やはり御承知のごとく国家の中でも特別な地位を与えられておる団体であるわけでありますから、そういうものの設立については、都道府県知事の許可を要するというのが、地方自治法原則であるわけであります。その原則をこれはそのままとつておるわけでありまして、ここで組合の総会の議決を経るというふうにいたしましたのは、もしも地方自治法一般原則のままで参りますと、これは県内三百なりあるいは二百五十なりの町村の各議会の議決を全部経なければ、その規約が変更できないわけであります。実際問題としてそれだけの多くの意思を合致せしむるということは相当に困難でありますし、また組会議会というものが各恩給組合にあるわけでありまして、この組会議会が多数決をもつて、その規約の変更を可といたしますならば、それをもつて規約を変更してよろしい。それについて設立の際に許可を受けております知事の許可を合せておる、こういう簡單なる手続にしようというのが、この第四条でありまして、いろいろお話でございまするが、何らそういうような他意あるものではないのでございます。
  23. 八百板正

    ○八百板委員 この町村職員恩給組合法案でありますが、今までの質疑を通じて、この法律案が單なる手続上の規定であつて、実体的なものに触れておらないというふうな意味の御答弁をいただいたのでありまするが、この法律の第一条を見ますると、この法律はこれらの「事務を処理するための組織及びその運営方式を定め、もつて町村職員の福祉の増進を図ることを目的とする。」と、明らかに町村職員の福祉の増進をはかることを目的としているのであります。この第一条によるならば、この法律は單なる手続規定としての法律であると、われわれは、理解することができないのでありまするが、もし答弁せられるがごとくこの法律案が單純なる手続規定であるといたしますならば、第一条の目的の中で、あたかもこれによつて町村職員の福祉が増進せらるるがごとき印象を与える目的の条項を削除すべきであると、私は考えるのでありますが、この点について提案者はどういうお考えを持つておられるか。削除の意思があるかどうかということをお答えいただきたいと存じます。
  24. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 町村職員恩給組合法案は、先ほど来申し上げまするように、現在ありまする町村吏員恩給組合の制度の実際上の仕組みに、法律上の根拠を与えて基礎を強固にしよう、こういう意図のものでございまして、單なる手続規定という表現は必ずしも当つていないと思うのでございますが、要するに現状につきまして法律的な裏打ちをしてもらう、こういう考え方のものであります。しからばそういう意味からいつて、一体どの点が直接に関係があるかと申しまするならば、各府県の三百なり二百なりの町村が、それぞれ町村職員恩給組合には加入しなければならないという点が、現在は必ずしもしなくともいいことになつているのでありまするが、これを加入強制をいたしますることによつて町村職員の将来の退職後の福祉を保障しようというところに一つの、目的に定める考え方が現われているわけであります。  また実際問題といたしまして、現在府県から補助金を町村職員恩給組合に出すような、これも実際上の運営指導になつているのでありまするが、なかなか府県から恩給組合に対する補助金か出ておりません。そのために現在約九億近いものが、本来府県から恩給組合に交付せられるべき補助金が、依然として交付されていないわけであります。そういうような建前でございまするので、府県から補助金をもらうという方式を変更いたしまして、本人が百分の二を負担いたしまするほかは、それぞれの町村が残りの全額を負担する、こういう建前にかえているのであります。この点だけは現状に変更を加えているわけでございます。そうして町村負担すべきものは町村の基準財政需要として当然にこれを見込んでいるわけであります。そういうことによつて現状におきましては府県からの補助金がなきために、ともすれば恩給給付にさえも支障を生ずるような状態にあります現状を変更いたしまして、町村がこれを必ず負担する、こういう建前法律に明確に書くということにいたしたわけであります。こういうようなことで町村職員の福祉を増進するようにいたそうというわけであります。しかしながら根本には、町村職員恩給制度自体につきまして、さらにこれを合理的に改善をしなければならぬと考えているわけでございまして、そういう意味ではさらに今後を期する点がある、こういうわけであります。
  25. 八百板正

    ○八百板委員 要するに府県から出るべきものが出なかつたから、これを町村の責任において出させようというだけでございますれば、それによつて実質的に組合員の利益がはつきり増大するということにはならないだろうと私は思うのでありまして、そういう意味合いにおいてよくなつたとしますならば、事実数字の上において、どういうふうな程度であつたものが、これによつて明らかに数字の上においてどういうふうによくなつたという証明をせられるものを提示せられんことを、私はお願いしたいのであります。なおその問題につきましては、従来たびたび触れておりますのでその程度にいたしまして、これがいわゆる手続上整備する規定であるといたしますならば、次の点において少し明らかにしていただきたいと思うのでありますが、一体一部事務組合というものは、地方自治法の二百八十四条でございますか、この規定によるものと思うのでございますが、一部事務組合の單位というものは、一体どういうふうになつておりますか。
  26. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 どのくらい府県から補助金が出るべきものが出ていないかと申しますと、八億八千二百五十七万五千八百十五円、これは本年の二月二十日現在の数字であります。これが出ませんと、十七年勤続した者に対して給与額の三分の一を給するというような給付に、支障を来すわけであります。そういう支障を来さないようにいたしますためには、やはりこういうようなことで法律上はつきりと基礎を与えることが必要である、かように考えているわけであります。それから今の地方自治法の一部事務組合ということに町村職員恩給組合はなるわけでございますが、これの單位といたしましては個々の町村恩給組合を構成する。單位は地方公共団体になるわけであります。
  27. 八百板正

    ○八百板委員 地方の個々の町村が一部事務組合の構成單位になるといたしますならば、この法案に示されましたところの第二条の条項は、はなはだしく矛盾すると申さなければならないのであります。ごらんの通り町村職員恩給組合の設置ということをこの条項は示しておりますが、單位組合町村でありますならば、單位組合が一部事務組合を設置するということはりくつが通らないのであります。町村單位組合が一部事務組合に対して参加し、あるいは加入するということは筋の通る話でございますけれども、單位組合そのものが一部事務組合という多数の組合の連合体を設立するということは、常識上判断できないのでありますが、これは一体どういう見解に基いて、こういう条項を用意せられたか、その点をお答え願いたい。
  28. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方自治法の二百八十四条の一部事務組合と申しますのは、地方公共団体が二以上共同いたしましてある事務を処理するために設けるわけでございまして、従つて甲村と乙村というものが、町村職員恩給給付事務というものを共同処理するために、そういう組合をつくることができるのでありますが、それをこの法律ではある県の区域の中の二つなり三つの町村だけが、そういう恩給組合をつくるというようなことをしないで、県内の三百なら三百ありまする町村全部が共同して、町村職員恩給組合というものを地方自治法の一部事務組合として設けなければならない、こういうことを強制をしているわけでありまして、そういうことによつて一つなり二つなりの小さな村では、合理的に恩給給付が行われていませんのを、団体の力によつて合理的な恩給給付制度が可能であるようにいたそう、こういうわけであります。要するに、県が三百なり二百なりの全町村に対して、町村職員に対する恩給給付事務を共同処理するための組合ということになるわけであります。
  29. 八百板正

    ○八百板委員 一部事務を共同処理するためのものが、一部事務組合でありまするならば、しかもその一部事務組合の單位というものが町村であるとしまするならば、それは町村が設立をするのではなくして、町村町村とが連合で設立するものが一部事務組合と、私は理解するのでありまするが、そういうことになりますると、第二条は矛盾して来るように思われるのでありまするが、そうじやないですか。
  30. 佐久間彊

    佐久間政府委員 御質問は、町村一つの單位組合をつくりまして、それがさらに一部事務組合をつくるのだから、第二条ではいけないので、一つ府県單位のようなものが、連合体のようなものになるのではないかというような御質問の趣旨ではないかと思うのでありますが、先ほど單位というお言葉がございましたが、町村一つの單位組合をつくるのではございませんので、町村ごとには恩給組合はないのであります。町村全部が集りまして、府県一つ恩給組合があるだけなのでございます。
  31. 八百板正

    ○八百板委員 町村恩給組合がないとしますと、第二条には、町村職員恩給組合の設置ということをうたつてあるのでありまするから、従つて第二条は、町村における恩給組合の設置を定めた条項だと私は理解するのでありますが、これはそうじやないのですか。
  32. 佐久間彊

    佐久間政府委員 町村には恩給組合はないわけでありまして、府県内にあります町村の全部が集まつて一つ恩給組合をつくる、こういう意味でございます。たとえば甲村と乙村とが一部事務組合をつくりまして、中学校を設置しよう、あるいは病院を設置しようと申します場合にはその学校なり病院なりに当りますものが、この恩給に関する事務というふうに御理解願えばけつこうだと思います。
  33. 八百板正

    ○八百板委員 一部事務組合というものは、自治法によつて当然認可を必要とするということになつておるのでありまするが、第二条によりますると、認可が問題ではなくて、設けなければならないと、強制力を条文の中に記載しておるのでありまするが、この点もどうも納得が行かないのですが、どういうことになりますか。
  34. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この二条では、お話のように設立につきましては認可を要しない、認可どころじやない、もう当然につくらなければならないということを強制をいたしておるのであります。その町村に、なぜ地方自治法原則通りに任意に協議をして設立をさせるということにしないで、法律上当然に設置を強制したかということは、先ほど立花委員の御質問に対しまして、お答え申し上げましたような趣旨でございます。
  35. 八百板正

    ○八百板委員 つまり第二条においては、設立を強制し、その際には何らの認可を要しないという建前をとつておりながら、この一部事務組合の規約の変更については、あとの方において、知事の認可を要するということを定めておるわけであります。設立というものには認可許可がいらなくて強制されて、部分的な規約の変更については許可がいるということは、少しく本末転倒のきらいがあると思うのでありますが、この点についてどんなふうにお考えなつておられますか。
  36. 佐久間彊

    佐久間政府委員 設立いたしますには、設立しなければならぬということに、組合法で強制をされるわけでありまして、その設立の際には当然規約をきめなければならぬわけでありますが、その規約につきましてはやはり認可がいることになるわけであります。
  37. 八百板正

    ○八百板委員 設立の際には規約をきめる、それは自由に行われておりながら、その自由に定められた規約が、後において若干変更を加えるという場合にのみ許可がいるということは、法律の立て方としてはなはだ矛盾すると思うのですが、この点そうは思われないのですか。
  38. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この設立そのものは、町村であります限り当然設立しなければならないことに強制をいたしておるわけでありますが、附則の第二項におきまして、現在すでに町村にあります——恩給組合と申しておりますが、それが当然この法律による町村職員恩給組合なつたものとみなすということで、設立のための認可はいらないで、町村恩給組合なつたわけでありますが、さらに現在あります組合の規約が、この法律規定によりまして、若干修正整理を必要とする部分があるわけであります。その規約の変更につきましては、法律施行の日から六月以内に変更しなければならない、こういうことに定めておるわけであります。そうして第四条で、その規約を変更する場合には、組合自体において議会の議決を経て、都道府県知事の許可を受けなければならない、こうなつておるわけでありまして、設立については、認可なしに附則の第二項で当然にみなしておきながら、あとで規約の変更について、なぜ許可を必要とするかというお話でありますが、設立後におきまして、規約につきましては、たとえば組合給付を受けるものの範囲をさらに拡張しよう、あるいはその給付の額をさらに改善をしようというようなことが起つて来るわけでありまして、設立行為とは別に、規約の変更の必要は今後たびたび起つて参ると思うのであります。その規約の変更の際には、第四条による手続をとらせよう、こういう趣旨でございます。
  39. 八百板正

    ○八百板委員 どうもそれでは私はわからないのですが、この二条の2の町村職員恩給組合というのは、これは法人ですか。
  40. 佐久間彊

    佐久間政府委員 そうであります。
  41. 八百板正

    ○八百板委員 そうしますと、この恩給組合というものは、言葉づかいが非常に間違うので、町村と言つても複数の町村ということを意味しておるのですか。「町村は、」というのは、單なる町や村はという意味ですか。
  42. 佐久間彊

    佐久間政府委員 質問意味がはつきり受取れないのでありますが、第二条の「町村は、」というのは、地方自治法で言つております町や村ということでございます。それが都道府県の区域ごとということでございますから、各都道府県の区域内の全町村はということになると思います。
  43. 立花敏男

    立花委員 関連して。今の質問の中で、どうもこのままでは少しおかしいという考え方が、ますます強くなつて来たのですが、組合の形が非常に制限されまして、一つの村、一つの町の職員組合組合員というものが一体あるのかないかのかということが疑問になつて来るのです。この組合員の発言権というものは、まつたくこれは無視されておるというふうに思われるのです。というのは、町村組合の代議員と申しますか、発言権のある者は一つ地方事務所の中で一人だというふうに書いてありますね。一つ地方事務所の管内に町村が幾つあつても、二十あつても三十あつても——これは町村が二十も三十もあるのですから、職員にいたしますと、おそらく何百何千となるだろうと思うのですが、そういうものが一人しか議員が出せない。そういうものによつて自分の生活保障関係する重大な問題が決定されている。こうなつて参りますと、非常にこれは何か自分の重大事件が一方的にほかで決定されて来る。しかもそれは自分が掛金を出しているのだ、毎月々々自分の給料から百分の二掛金を出してやつているのにかかわらず、一つ地方事務所の中で、一人しか代議員が出せないということになつて参りますと、まつたくこれは官僚的と申しますか、お役所的と申しますか、これは民主的な組合の体をなさないと思うのですが、なぜこういうものをおつくりになるのか。つまり私ども考えますには一つ町村ごとにほんとうに一人々々が組合員の資格を持つて参加できる組合をおつくりになつて、それの連合会というようなものをおつくりになればいいのです。無理に何か地方自治法の一部事務組合というふうな、かびの生えたみたいなものを利用されて、そういう民主的な運営を故意に阻害され、妨害されるような気がするのです、そういうお考え方が明白だと思うのですが、その点どうお考えですか。
  44. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 どうも立花委員は、労働組合あるいは職員団体と、この恩給組合と同じように考えておられるように思われるのでありますが、これはそうではないのでありまして、地方公共団体の組合組合の構成單位はあくまでも甲村乙村という県下二百なり三百なりある町村が構成單位。それでは組合はどういうことをやるのかといえば、自分の村の職員恩給給付事務をやる、こういうのがその共同の事務なのです。そういう恩給給付事務をやるための組合であるわけであります。従つてその組合は、先ほど来申し上げまするように、十七年勤続した者には給与の三分の一をやる、こういう仕事を連帯共同してやるという一つ地方公共団体なのです。組合という名前が、非常に労働組合とか職員組合と似かよつておりますけれども、それとはまるで性格の違うものです。その点をひとつはつきりお考えいただきたいと思います。それから、一地方事務所管内一人というふうに規約の準則にございますが、これは要するにそういう地方公共団体でありますから、ちようど町村町村議会があるのと同じように、この恩給組合に組会議会というものがあつて予算をそこに出してそこで議決をするわけです。また規約もそこで議決をするわけなのです。これは組合でありますけれども地方公共団体そのものなのです。そういう組会議会の議員の選任の方法は、県内の各地方事務所單位ごとに町村長が互選で選ぶ、こういうわけであります。これは決して非民主的なことではない。公選で出て来ました地方事務所管内十なり十五なりの町村長が、互選で組合会議議員を一人ずつ選ぶわけです。県には大体十五なり十六なりの地方事務所がありますから、十五人なり十六人というものが、この町村職員恩給組合の議会の議員になるわけです。議会がそこで構成される。一方組合管理者というものがあり、そういう組会議会というものがあつて地方公共団体としての執行機関と意思機関がある、こういうことになるのです。
  45. 八百板正

    ○八百板委員 さつきの話のつながりですが、第二条に「町村は、都道府県の区域ごとに、」と書いてありますね。そうしますと、町村は都道府県の区域ごとに一部事務組合をつくるということでありますと、この第二条そのものは、あとの第七条に連合会というものがありますね、これと結局同じものになつてしまうのじやないですか。
  46. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 今のお尋ねでございますが、四十六の都道府県ごとに、單一の町村職員恩給組合というものができるわけです。その四十六の各都道府県恩給組合が一緒になつてつくるのが、この町村職員恩給組合の連合会、こういうことになるのであります。従つてここで予想しておりますのは、一つを予想しておるわけであります。各県には町村職員恩給組合というのは一つしかない、こういうわけであります。
  47. 立花敏男

    立花委員 その恩給組合と、單位組合にある自主的な組合——共済組合と申しますか、そういうものとの関連をどうお考えなつているか。そういうものはやはり認められるのか認められないのか、こういう方法で、こういうものさえあればいいというふうな指導方針を持つておられるのかどうか、その点を聞きたいと思います。  それからこの法案の中には第三条の二ですか、ここには「地方自治庁は、前項の事項に関し模範規約例を定め、町村職員恩給組合に示すことができる。」とありまして、自治庁がやはり上からこういう規約をつくれ、こういう条例で行けというふうにちやんときめて、その町村職員組合に指示することができるという条項があるのですが、これは自治法の精神に違反しているのじやないかと思うのです。なぜこういうふうな条文で職員組合を上からわくにはめて行かなければいけないのか。こういうことこそ私は地方自治の精神でまかしておけばいいと思うのですが、こういうことがわからないのです。こういう中央が指導して行つて恩給組合を育成して行こうというやり方の裏には、やはり自主的な各個々の町村でできますような共済組合、おるいは恩給組合、名称はいろいろあるでしようが、こういうものは大体もう認めない方針で、あるいはつくらせない方針で、こういう官僚的な一部事務組合のシステムに切りかえて行こうという考え方があるのかどうか、簡單に言いますと、そういう個々の町村における自主的なそういうものとこれとの関連ですね、これをひとつ明白にしてもらいたいと思います。
  48. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 官僚的々々々とおつしやいますが、これは現在このような町村吏員恩給組合がありまして、町村の一部事務組合として現にあるわけなのです。これは全国十数万の町村吏員が、現実にこういうものをすみやかにつくつてもらいたいということを要望しておるわけなのです。今のお言葉の中にも、恩給組合のことを職員組合ということでお話になつておられましたが、そういうふうにどうも職員組合あるいは労働組合とこれを、性格を混同しておられるように感ぜられますが、個々の組合員は、これは直接この問題には関係がないのであります。町村職員を使つておるのですから、その職員に対して恩給をやらなければならぬという義務を町村が負つておるのであります。町村がその義務を履行するための組合として、こういう恩給組合をつくろう、従つてこれが一部事務組合になる、こういうことになるわけです。個々の町村の中で、町村吏員の互助会というような——これは個々の吏員が構成の主体になる共済組合式のものでございますが、そういうものがあるところもあります。これはあつてもむろん一向さしつかえないので、それは吏員相互の自主的な共済制度でありますから、それはそれであつていいのであります。これはとにかく最小限度の一つ社会的な保障として、町村職員に対しては少くとも国家公務員と同じ程度の、十七年勤務した者には給与の三分の一のものはやるようにしよう、こういうことから出発しておるのであります。これはやはり社会保障制度の趣旨から申しましても、またその財源を平衡交付金で保障しているという趣旨から申しましても、これはやはり国家的に一つの模範規約例という形でございまするが、一定のスタンダードによつて、各町村職員が最低限を保障されるようにいたさなければならない、かように考えておるわけです。
  49. 立花敏男

    立花委員 鈴木君はどうも私の言葉を間違つて聞いておられるのじやないか、私は職員組合、労働組合と申しません。共済組合という言葉を使つたのであります。あなたが言われる互助会ですか、そういう意味のものと同じような共済組合地方にありまして、そういうものがこういう仕事をやつているところもあるわけですから、そういうものと今つくられるものとの関係あるいは指導精神として、そういうものはあまりいらないので、こういう一部事務組合ができて、一方的に給付さえやつておけばそれでいいのだというふうな考え方で、こういうものを整備されようとしておるのかどうかということを聞いたわけなのです。それからそれと関連いたしますが、こういうものに対しまして、自治庁が模範規約例をつくつて提示するということを、なぜ特に条文でうたう必要があるのか。私はこういうのはまつたくいらないと思うのでありまして、地方といたしましても、自治庁に対して何か模範のこういうものを、特に法令で定めてまで求めておるというようなことは、おそらく私はないのじやないかと思うのです。特にさいぜん申しましたこれは知事にやはり監督してもらわなければいかぬということも、おそらく地方では要望していないと思うのです。何を好んで自治庁が模範規約例を中央で定めて組合に提示しなければいけないのか、こういうものをなぜ法令で定めなければいけないのか、こういうところが私は非常に疑問なんです。こういうものがありますがゆえに、何か官僚的というお言葉をおきらいのようですが、官僚的に上から組合をつくつてつて、そうして下にありますところのあなたの言われる互助会、あるいは私が言つておりますような共済組合、こういうものはあまりなくてもいいのだ、こういう上からの、地方自治庁の模範例に従うような組合がどんどんできて行けば、実際は治まつて行くので、そういう下からできて来るような共済組合、互助会等はあまり大きくなつてもらつては困るという考え方かどうかということを聞いておるわけです。
  50. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 共済組合あるいは互助会ということは、恩給制度と全然別個の問題であります。これは地方公務員法の中にも、すでに規定せられておるわけでございまして、共済制度というものは、一面においてこれを施行しなければならぬということになつておるわけであります。これは区療費の場合の給付でありますとか、冠婚葬際の場合のいろいろの各種の互助的な給付でありますとか、これはできればそれに越したことはないのでございまして、そういうこともやらなければならないのでございますが、これは共済組合で申せば長期給付であります、退職した場合の恩給給付のことだけを規定しておるので、何ら共済組合あるいは互助会のような方式のものと矛盾しないどころか、それはそれとして行わなければならない、かように考えております。
  51. 立花敏男

    立花委員 実際どこの役場へ行きましても、大体互助会とか共済組合がありまして、それが共済の仕事をどんどんやつております。それがやはりこういう恩給の問題なども取扱つてつた方が、ほんとうに民主的に保障の問題が正しく解決されて行く、妥当に解決されて行くものだと思うのですが、こういうものが特に取上げられないで、何か自治庁が範例を示し、知事総理大臣監督するようなものだけが、特に対策として取上げられて来ているというところに、そういう行き方の中に、何か非常に不安なものを感ずるわけなので、そういうせつかく下にあります民主的な組織、それが実際の問題といたしましては、退職金の問題あるいはそれと関連いたします恩給の問題なども、実際は関心を持つて参画しておるにかかわらず、こういう実態を離れて何か上からこういうものをきめて行つて、そうしてそういう下からの発展して来るものを阻害するようなそういう意思はないにしても、実質上はそういうものの発展をとめるような性格を、この法案が持つておると思いますので、非常に不安なわけです。そういう点で、そういう問題との関係をどうお考えなつているのか、そういうものは今後育成して行つて、官僚的な一部事務組合にかわつてそういうものを審議し、そういうものに対する決定を行うようになつてもいいというふうにお考えなのか、それを承りたい。
  52. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 いろいろお話でございますが、これは国家公務員につきましても、共済制度恩給制度と二つあるわけであります。いわゆる雇用人につきましては、共済組合制度の中に長期給付の制度がありまして、恩給に相当するものと、短期給付に相当するものとが一緒に行われているわけですが、雇用人以外の国家公務員につきましては、恩給法が適用されるわけです。そこでこれは恩給制度改正のやはり一つの問題でありまして、共済組合方式で全部統一いたすか、それとも恩給制度恩給制度として残して行くか、要するに雇用人の方も恩給組合法の中に全部一緒にして規定をして行くか、こういう二つの方式があるわけであります。地方公務員につきましても、恩給制度共済制度とをいかようにするかというやはり同様な問題があるわけであります。そういう問題は先ほど来申し上げますように、すべて今後の問題として、さしあたつて現状を法制化するというのがこの案なのでありまして、さように御了承願いたいと思います。
  53. 八百板正

    ○八百板委員 この給付の責任というものは組合自身にはないわけですね。
  54. 佐久間彊

    佐久間政府委員 個々の職員に対して給付をする義務は、組合が持つておるわけです。
  55. 八百板正

    ○八百板委員 この組合というのは、町村の義務をただ履行させるための組合であつて組合自体その責任をとらないのじやないですか。
  56. 佐久間彊

    佐久間政府委員 個々の職員掛金を、町村ではありませんで、町村のつくつております組合に納めて、組合職員に対して給付をやつておるわけであります。
  57. 八百板正

    ○八百板委員 私のお尋ねしたいのは、組合の單位というものを都道府県にして、そうしてその給付責任を従来の都道府県がやつてつたものを町村に移す、それは平衡交付金等によつてつているのだからと、そういうふうな形で行くその考え方にうなずけないものがあるので、そういう点についてのお尋ねなのであります。
  58. 佐久間彊

    佐久間政府委員 給付の責任は、ただいまのお言葉で従来府県が持つてつたようにお考えのようでございますが、給付の責任は初めから町村が持つておるわけであります。個々の町村が自分の使つている職員に対して退職年金、退職一時金を給付する義務を持つているわけでありますが、その個々の町村一つ一つその給付事業をやるのにつきましては、財政上その他の事情で力が足りませんので、町村が寄り集まつて府県ごとに一つ恩給組合をつくつて、そうしてその仕事をやつてもらおう、こういうわけでございます。従いまして給付をする義務を負いますのは、個々の町村ではありませんで、町村が集まつてつくりました組合が、給付の義務を負つておるわけであります。府県は従来ともそれに対しまして補助金によりまして財政上の援助をやつてつた、その府県の補助金を町村に出しております財政需要につきましては、国としましては平衡交付金の算定上、それを府県財政需要に見まして、その措置をしておつた、その府県財政需要に見ておりましたものを、今度は町村財政需要にプラスをいたしまして、府県から町村がもらつておりました交付金の分も、国から直接町村財源として渡して、町村が自分ですべての給付負担して行こう、職員俸給以外のものは負担してやつて行こう、こういうわけであります。
  59. 立花敏男

    立花委員 鈴木君に最後にちよつと聞いておきますが、それじやこの組合は、個々の職員には全然関係がない、ただ自治体としての町村に関するものであつて、個々の職員には全然関係がない、そういうことが明白なのですが、そういたしますと、個々の職員は自分の掛金をかげながら、それがどう配分され、どういう給付なつて帰つて来るかということについては、何ら発言権がないということになると思うのですが、その点はどうお考えなつておるか。その点をこそ私明白にすべきであり、組織化すべきだと思うのですが、組合員は掛金をかげながら、しかも重大な自分の将来を支配するようなことが決定されるのに対して何ら発言権がない、つくられまする組合はただ自治体の方の事務的な扱いをきめる機関であつて組合員自身、職員自身には何ら関係がない、それがそのまま放置されておるのだ。こういうところから恩給というものは、職員は文句を言わずに默つて受取つておればいいのだ、掛金を默つてつておればいいのだということになつて参りまして、ちつとも民主的なにおいがいたしませんし、そういうものに手を触れないでおいて、こういう上からのものたけをつくつて行きますことは、たびたび申しますが、何だか非常に変な感じがするのですが、職員から掛金だけは強制的に取上げておいて、発言権は何ら与えないという現実に対して、何とお考えなつておるか。それから最初に申しましたように、そういう問題を、実質的には共済組合とか、互助会の問題にしておるのですが、そういう問題を今後発展さすような意思があるのかどうか。それをひとつ最後に聞いておきたいと思う。
  60. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 先ほど来申し上げまするように、この組合は個々の職員とは全然関係がないわけでありまして、町村恩給給付事務を共同処理するための組合でありまして、ちようど水道を共同で経営するために、組合をつくるのと同じであります。その点はそうでありますが、今の百分の二の本人負担がはなはだけしからぬという御説でありますが、これは国家公務員におきましても、百分の二ということは恩給法規定をせられておるわけであります。この町村職員恩給組合につきましては、恩給をもらいますることは町村職員権利であるわけでありまして、その反面として町村は自己の職員に対して恩給を支給しなければならない、こういうことになるわけであります。その百分の二を本人からとるかとらないかということについては、町村法律であるところの条例、言いかえまするならば、この組合につきましては、やはり法律に当る規約、条例で定めるわけでありまして、町村の議会が町村職員に対して退隠料、退職金支出いたします場合に、幾らのものを支給し、また反面どれだけの本人負担をとるかということを同時に規定するわけであります。その規定一般考え方財源計算原則として百分の二ということを、規定をいたしておるわけであります。
  61. 立花敏男

    立花委員 百分の二の問題でなく、百分の二納めさせながら、何らこういうことの決定には発言権を持たせないということを、どう考えておるかということを質問したわけなのです。  それからもう一つ聞いておきますが、百分の二とるのは強制ではなしに、恩給をもらうことを好まなければかけなくてもいいのだと言われておりますが、実際問題として、では今の町村職員の中で恩給を拒否して掛金をかけない者が一体何人おるのか。個々の町村でそういうものは一体どうなつておるのか、この実際をひとつお知らせ願いたいと思う。
  62. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これは先ほど規約と申し上げましたが、要するに甲県なら甲県の町村職員恩給組合恩給条例というものの中に、今の給付その他の各種の関係のことを規定しておるわけでありまして、これは現にそういう条例ができておるわけでありまして、この法律が成立いたしました後におきましても、そういう条例内容のものが、そのまま現実に行われることになると思うのであります。具体的にはたとえば警察の職員等で、従来から警察官でありました者につきまして、恩給法が適用されるのでありますけれども、初めて自治体警察に入つたような、新たに警察吏員になりました者については、従来の町村職員恩給組合では扱つていなかつたのであります。そういう者は個々の町村だけで恩給をやらなければならぬ、こういうことになつておつたわけであります。そういうことでは非常に困る、困るという要望がありまして、それから今日におきましては、取扱い方針としてそういう警察吏員あるいは消防吏員で、恩給法の適用を受けない者もこの組合給付の対象にする、こういうことにしたような次第でありまして、これに入ることをみな希望いたしておりまするし、個個の町村としてはまたそういうふうにいたしませんと、なかなか一時に多額退職金を支給したり、あるいは相当多くの負担をするということは困難な実情にあります。
  63. 立花敏男

    立花委員 私の聞いておることにちつとも答弁がないのですが、個々の組合員から掛金をとりながら、実際上それは強制的にとつていると思う。強制的にと言いますか、そういうものを拒否している者はないと思うのですが、そういうものをとりながら発言権を与えていないという点に矛盾を感じられないか、発言権を与えるような制度をおつくりになる方向に持つて行かれる意思はないのかどうか、そういうことを聞いておるわけです。それから実際問題として全部納めておると思うのですが、納めてないような例がどういうところにあるか、どういうパーセンテージであるか、それをお聞きしたい。もう一つ聞いておきますが、恩給給与について異議がありました場合の救済方法はどうなつておるか。
  64. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 結局恩給制度につきまして、個々の地方公務員にどの程度の発言権を認めるかということになるだろうと思う。これは国家公務員につきましても百分の二というものをとつておるわけでありますが、個々の公務員自体としては、これに対して何ら特別な発言権を保障されていないわけであります。そういうことがいいか悪いかということは、今後の問題で研究しなければならぬと思つておりますが、この案におきましては、国、地方を通ずる現在の実情を、そのまま予定をして考えておるわけであります。将来の研究問題としておるのであります。それから恩給につきましての異議は、これも自治法に基きましてそれぞれ異議の申立てなり訴訟が可能になつておるわけであります。
  65. 門司亮

    ○門司委員 ちよつと今立花君の質問の中に、大体恩給組合に入つてないのがありはしないか、それの数字がどのくらいあるかということですが、私どもの資料はちよつと古いのでありますが、昭和二十三年八月の調査によりますと、大体二十一ばかりの町村組合をこしらえておりません。四千人余りの吏員恩給組合に入つていない者があるのであります。こういうものが現実に私はあると思う。そういうものが今度の法律強制されることになると思う。これは強制されて全部入らなければならぬ、こういうことになるのですか。現在はどうなつておるかわかりませんが、私の調査した範囲ではこういう数字が出て来ておりますが、こういうものがやはり今でもあると思う。こういうものが全部今後強制的に加入しなければならぬのか、なおそういうものが残つてつていいのか。
  66. 佐久間彊

    佐久間政府委員 町村で現在の恩給組合加入していないものがあるかというお話でございますが、私どもの調査いたしましたところでは、現在では恩給組合加入していない町村はないように聞いております。ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、少数職員のために町村が相当な金を恩給組合のために支出しなければならないということで、脱退をしたいと言つている町村が若干あるという話を聞いております。なお町村職員が全部組合に入つて給付を受けておるかというお話でございますが、これにつきましては、現在まではいわゆる吏員だけが対象になつておりました。今度この法律におきましては職員ということになつておりますので、いわゆる吏員だけでありませんで、雇用人もその対象になり得ることになつております。従いまして今後は職員の中で、恩給組合給付を受けたいと思うものが、多数受けないでおるという状態はなくなろうと思つております。ただ財源措置の関係もございますので、さしあたりは従来通りの範囲のものが、組合給付を受けるということになろうかと思つております。
  67. 立花敏男

    立花委員 さいぜんも聞いたのですが、この法律強制的に設立しなければならない、その場合の事務費とか、そういうものに対する財源措置は一体どうなつておるのか。
  68. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これらのものはすべて平衡交付金の「その他行政費」の中で見込まれておるわけであります。
  69. 立花敏男

    立花委員 それは府県に渡す平衡交付金の中にあるのか、市町村に渡す平衡交付金の中にあるのか、あるいはそのほかに現在の平衡交付金の中には、それは含まれておるのか、新しく追加されてこういう法律で設置が強制化されると同時に増加して、平衡交付金の中に含まれるのか。その配分の経路なんかは一体どうなるのか。これを御説明願いたい。
  70. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 御承知のように、町村負担金は職員給与の額に一定の率をかけたものになるわけでありますので、二十六年度よりも二十七年度の所要額の方が多くなるわけであります。従いまして多くなりました額だけは、それだけ町村財政需要額に増加して見込んでおるわけであります。それから二十六年度におきましては、若干の部分府県財政需要として見込みまして、反面府県からそれだけのものを町村恩給組合に補助金として交付しておつたわけでありますけれども、この部分府県財政需要をそれだけ減額いたしまして、町村財政需要をそれだけ増額するわけであります。これらは今鈴木次長からお話がありましたように、町村の基準財政需要の行政項目のうちで、「その他の行政費」の中で計算することにしておりまして、人口を測定單位にして計算して行くことになつております。地方財政平衡交付金の参考資料として、「その他の行政費」が幾らなつているかということをお示ししているわけでありまして、二十六年度よりも二十七年度の方が、町村の「その他の行政費」になります財政需要が、非常に増額しておるのは、もつぱらこの関係部分であります。
  71. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、すでにきまつております千一百五十億ですか、あの中にはこの法律改正されるということを見通して、その費用をお入れになつておつたのか。この法律で設立が強制されましたから、特に平衡交付金を新しく千二百五十億のほかにふやそうというお考え方なのか、それをひとつどちらかはつきりしていただきたい。
  72. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 この法律のいかんにかかわりませず、現実に町村恩給組合というものが設立されておりまして、町村が現実にこれらにつきまして相当の負担をしているわけであります。これらを基礎にいたしまして、財政需要額を二十六年度と同様二十七年度も計算しているわけであります。ただ府県がその一部を町村に補助しておる。その部分はやはり町村職員に関する負担金でありますので、ことさらに府県財政需要の中にそれを見込みまして、府県から町村に交付することは穏当ではございませんので、府県の団体あるいは町村の団体、両者の意見を聞きまして、町村財政(需要)に見込みがえをするようにかえたわけであります。
  73. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、この法律が成立いたしましても、新しく事務所を設ける必要もない、新しく事務がふえることもない、新しく人を余分に雇い入れなければならないこともない、そういうことで費用が現在よりも府県あるいは市町村に余分にかかつて来るということは全然ないという見通しなのか。それともう一つは、あなたの方で見通しをされておりましても、実はあるかもしれない。あつた場合は一体どこから金をお出しになるか。その場合に出す方針なのか、出さない方針なのか。出すとすればどこからお出しになるか、それをひとつ伺いたい。
  74. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 この法律関係で、特に経費がふえるとは考えておりません。従つてまた、ふえた場合の措置というものも考えていないわけであります。
  75. 八百板正

    ○八百板委員 第七条の連合会の規定に関連してでございますが、この連合会は、規約を見て参りますと、加入及び脱退に関する事項が、それぞれ定款によつて定められることになつておりますから、おそらく加入脱退が自由な任意組合というふうに考えてよろしかろうと思うのでございますが、そういうふうに考えてよろしゆうございますか。
  76. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お説の通り連合会は各組合加入するか脱退するか、任意の団体でございます。
  77. 八百板正

    ○八百板委員 そういうことになりますと、当然に幾つもの連合会ができるということも予想せられるわけでありますが、たとえば地域ブロックごとに連合会ができたり、あるいはそんなことはございませんでしようけれども一つの傾向を帯びた連合会ができたり、そういうふうなことは予想されないのでございますか。そういうことを考えておりますか。
  78. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この法律の字句の上から申しますと、お説の通りに数個の連合会もできるかのように思われますが、実際問題といたしますと、このやつております仕事の内容が、各府県ごとにばらばら区々になりまことは適当でないと考えられますし、またすでに現在あります町村吏員恩給組合の連合会というものができております。それらは全国一つだけの連合会であります。やつております事業の性質からいたしましても、全国で一つの連合会をつくることが適当であろうと思いますし、現実にもおそらくこの連合会の基盤になろうと思われますが、現在の町村吏員恩給組合連合会が全国一つでありますので、今後とも数個の連合会ができるということは予想されない、かように考えております。
  79. 金光義邦

    金光委員長 ほかに質疑はございませんか。——なければこれをもつて町村職員恩給組合法案に対する質疑を終了いたしました。     —————————————
  80. 金光義邦

    金光委員長 次に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う地方税法臨時特例に関する法律案を議題といたします。質疑を許します。質疑はありませんか。——なければこれをもつて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  81. 金光義邦

    金光委員長 次に地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を許します。門司君。
  82. 門司亮

    ○門司委員 この機会に聞いておきたいと思いますが、例の鳥取の大火のことであります。これについては、おそらく鳥取の市は非常に困つておると思いますが、地方財政平衡交付金の中からとりあえず政府は何らかの処置を講じられておるものだと思いまするが、一体現在までどのくらいのものが、特別平衡交付金として出されておるか、もし出されておればその額と、それとも出されていないとすれば、なるたけ近い機会にお出しになる御意思があるかどうか、その点をひとつつておきたいと思います。
  83. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。これは御承知の通りに、政府といたしましては、臨機の処置といたしまして、二億ほどつなぎ融資を出しておる、住宅金庫から二億融通して、応急の措置をしておるわけでございますが、われわれの方といたしまも、地方財政委員会並びに自治庁から係官を派遣いたしまして、そうして実情を調査しておりますから、早急にその結果によりまして、善処したいと思いますが、むろんこの対象は平衡交付金並びに特別平衡交付金を考えなければならぬことだと思いまして、調査の結果によりまして、適当な処置をとりたいと思つております。
  84. 門司亮

    ○門司委員 それにさらに関連いたしまして、今時期の問題は答弁がなかつたのでありますが、起債の問題が、やはりこれと同じように、私は出て来ると思いますが、この起債等についても特別にお考えなつておるかどうか、またお考えなつておるとすれば——これも調査中だと言われればそれまでだと思いますが、しかしそういうものでは私はないと思うのです。この点もしお考えがございましたら、ひとつ承りたいと思います。
  85. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 むろん起債も考えなければならぬことでございますから、善処をいたします。
  86. 門司亮

    ○門司委員 それからもう一つの処置でありますが、これは住民に対する救済の措置であります。これは厚生委員会か何かの方がよくわかると思いますが、自治庁としてとりあえずそういう処置が行われておるかどうかということ。それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、住宅の問題であります。今聞いておりますと、大体住宅を建てまする木材なんかも、相当値上りをしているというような話を、私は聞いておるのであります。これらに対しては政府はやはり何らかの処置を講じて、人の弱みにつけ込んで金もうけをするようなことのないように、十分にやはり自治体として処置ができるならば、処置をしなければならぬと考えておりますが、こういう点に対して自治庁は、県庁なりその他に指示をされたようなことがあつたかどうか、また指示をされる御意思があるかどうか。
  87. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 先ほど建設大臣に会いまして、建設省から派遣しました係官の報告なんかの断片を聞きますと、そういう方面にも建設省でいろいろ努力して、すでに千五百戸の住宅をつくる計画をしていた。それからもう千戸ほど何とか考えたい。それには何かいろいろ言つていたようですが、私ははつきり覚えておりません。
  88. 門司亮

    ○門司委員 私の聞いておりますのは、そういう暫定の処置も必要でしようが、さつき言いましたように、住宅の資材の方の値上り等が、べらぼうに上つて来るということになりますと、実際自分の金でやるというような人たちに非常に迷惑をかけるのでありまして、従つてこれを何か県が統制して買つて、そうしてこれを住民にわけてやるという方法が私は従来あつたと思うのです。こういう方法についての、政府としての指示がなされておるかどうかということなんです。
  89. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 住宅金融公庫の金を借りまして建設して、そうしてそれを将来本人に買却するという方法もあるのじやないかと考えますが、これは借家組合連合会等がそういうようなことの主体になつておるのであります。また先ほど大臣から話がありましたように、相当多くの公庫住宅を建設するような計画も進められているようでありますが、ただ事柄の性質が、自治庁の所管じやなしに建設省の所管になつておるものでありますから、あまり詳しくは知りません。
  90. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ詳しくわからなければしようがないと思うのですが、ただ建てるというのではなくて、私の心配しておりますのは、資材がかなり値上りしておるという情報があるのでありまして、何らかこれを押えてもらわなければ困るじやないかという話もあるのであります。従いまして、従来やつておりましたような、たとえば建築の用材については、県なら県がこれをあつせんするという形をとつて行く。そうして暴利を押えて行くという形が、私はやはりとられるべきだと考えておるのであります。従つてそういう処置が一体とられておるかどうかということ。それからもう一つこの機会に聞いておきたいと思いますことは、学校建築や何かの場合の起債でありますが、これはやはり特別の——さつきはまあ考えようという大臣の答弁でありましたが、特別の処置として、やはり私は考えて行かなければならないと考えておりますが、これについては、起債の全額でありますが、かなり大きな額に実はなると思います。従つて起債のわくというものが定められておりまして、これに多少の影響があると思いますが、こういう場合には現在予算できめられております起債のわくのほかに、特別に何か起債を認可される御意思があるかどうか。要約して申し上げますと、わくの中で一体融通されるのか、別に起債をお考えなつておるか、こういうことであります。
  91. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 災害のためにわくを少しとつてございますから……。それからこういう場合には起債を許すということにしてございますから、大体いけると思います。
  92. 立花敏男

    立花委員 特別平衡交付金はこういうときのためにあると思うのですが、ちつともお出しになつていないようですが、どうなんですか、それは。
  93. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 今係官を派遣して、そうして調べておるときですから、まだ出ていないことは確かでございますが、いずれ出すことになりましよう。
  94. 立花敏男

    立花委員 それはいつごろになつたら出せるのですか。
  95. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 実情のわかり次第でございます。
  96. 立花敏男

    立花委員 わかり次第と申しましても、もう相当わかつておりまして、私ども国警あたりから報告を受けております。新聞なんかでも、災害の額は出しておるわけなんであります。係官を派遣されておりましたら、もつと早くわからなければならぬと思いますが、どの程度わかれば出せるか、大体の見通しはいつなのか、もつと誠意のある御答弁を願いたいと思います。
  97. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 特別交付金の計算方式も、二十六年度、また二十五年度と二箇年継続して参りましたので、ある程度のものは地方団体でも予想できるのではなかろうかというふうに考えております。さらに具体的に申し上げますと、災害の結果事業税、あるいは入場税、遊興飲食税、固定資産税等に相当の減收を来すだろうと思うのであります。平衡交付金の計算にあたつては、財政需要額から財政收入額を控除いたしまして計算するわけでありますので、減收された結果の、実際ことし入るであろう收入見込額というものを基礎として、計算しなければなりませんので、かりに普通交付金の計算方式の結果、相当多額に見込まれました場合には、過大に算定されましたものだけが特別交付金として交付されることになります。しかしながら入場税等にありましては、一定時日におきまする現実の映画館の收容定員等を基礎にして計算して行きまするので、すでに減收額が見込まれたものが、財政收入として普通交付金の場合においても、計算されて来るというふうになるだろうと思います。また財政需要の増加の面につきましては、恒久的な施設の建設費等に要しまする部分にあつては、原則として地方債でまかなわれるべきだろうと思つているのであります。しかしながらこれらの元利償還費は、当然測定單位として利用されて行きまするので、将来において現実に元利を償還しなければならない場合に、普通交付金がそれだけ増額になつて来るだろうと思います。また災害救助法を発動する結果、国からの負担金のほかに相当地方団体も持出さなければならないわけでありますけれども、こういうようなものは大体全体に近いものを特別平衡交付金として計算いたして参つてつておるわけであります。また地方団体の施設が災害にかかつたために、それを復旧しなければならない、今門司さんから学校の校舎の点についての御質問がございました。これらは起債で認めるほか、その他設備等にやはり相当の金がいるわけでございますので、燒失した坪数に応じまして、一定金額を特別平衡交付金として交付する、こういうような計算方式は、二十六年度において示しておるわけでありますけれども、大体大同小異のことを二十七年度においても、継続することになるだろうと思うのであります。いずれにいたしましても、特別交付金は普通交付金で計算されました結果、なお捕捉されていない財政需用があつたり、過大に算定された財政收入の結果、交付金が少な過ぎる部分を補填しようとするわけでありますので、その他の団体におきました部分もすべて計算いたしまして、最終的には、決定しなければならないわけであります。そういうような意味合いから、現行地方財政平衡交付金法では、特別平衡交付金だけは、二月末までに決定しなければならないというふうな方針をとつておるわけであります。しかしながら大臣がお話になつておりますように、現地の事情をつまびらかにしまして、それぞれの地方団体が将来見通しを持つて財政運営ができるように、適当な協議をして行かなければならないだろうというふうに考えておるわけであります。
  98. 立花敏男

    立花委員 あなたの話を聞いておると、なかなか金をもらえそうもないのですが、だからそれが、そういう手続が大体日数にして、いつごろまでに目鼻がつく見通しだということを聞いておるのです。
  99. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 今お話しましたように、形式的には二月中に決定しなければならないことになつております。
  100. 立花敏男

    立花委員 二月つて、一体いつの二月です。
  101. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 二十八年の二月であります。
  102. 立花敏男

    立花委員 二十八年の二月となりますと、来年の春までこれは待たなければならないのですか。
  103. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 今お話しましたうちに、特別平衡交付金の要素というものは、今後なお若干予想されるわけでありますので、総体的に考えなければ最終的な決定ができないわけであります。しかしながら今まで示して来ております方式によりまして、大体の見当がつき得るわけでありますので、特にそれがために異常な支障を来すこともないだろうというふうに考えておるわけであります。しかしながら個々の問題につきまして、国から補助金を出しまする部分も、なお今後相当時日を要するだろうと思うのであります。さしあたり必要な問題は、税が減收する、これだけがカバ一されるだろうかどうだろうかということは、非常な問題だろうと思うのであります。しかしこれは完全にカバーされますということを申しております。第二に災害救助法が発動される、それがために地方団体が非常に大きな負担をしなければならない、こういうことを申し上げました。二十五年度も二十六年度も、ほとんど全額に近い額の特別平衡交付金を交付することにいたしますということを申し上げたのであります。その他いろいろ臨時的の経費もあるわけでありましようけれども、大体今までの経過から考えまして、さしあたつていつまでに必要とする財源について、どの程度特別交付金に依存できるかということは、ある程度その団体においても考え運営できるということを申しておるわけであります。
  104. 立花敏男

    立花委員 来年の二月まで待てといつたようなことを言つておられたら、現地の人たちにどなられるのじやないですか。もう少し早くこれを計算できないのですか。それから計算にそんなに手間取るようだつたら、これは何かの形ですぐ交付してやるという方法がとれないものか。そういうことについて努力を一体されておるのかどうか。来年の二月までといつたようなのんきなことを言つてつては、家を焼かれたところでは困ると思うのですが、なぜもつと急速な措置をおとりにならないのか、どういうところに隘路があつて、急速な措置が一体とれないのか、とらなくてもいいというお考えなのか、二億円融通しておけば、何とかまかなつて行くだろうというお考えなのか。一体その点がどうもわからないのですが、その点を明白にしてください。  それからこれは具体的な例で、非常に参考になると思うので、奥野さんに聞いておきますが、北海道の災害に対して特別平衡交付金を出したのか出さないのか、これも二月まで待てということで、ほつたらかしてあるのか、北海道の震災が起りましてから大分たつのですが、あれに対しても特別平衡交付金などは交付してないのか、やはり二月まで待たすつもりなのか、これを承りたい。
  105. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 地方財政平衡交付金は、立花さんがお考えになりますように政府のポケット・マネーとして、時時にあてがい扶持にあてがつて行くべきものではないというふうに考えております。具体的に立花さんが、どのような財政需用につきまして、特別平衡交付金で財源補填をしなければならないのであるかというふうにお考えなつておるか、具体的の事例についてお尋ねをいただきたいと思うのであります。私は繰返し、財政收入が減つて来るでありましよう。そういうふうなものにつきましては当然補填されると、こう申し上げました。災害救助法につきまして、地方団体が現実に負担しなければならない部分につきましても、過去においてもそうでありましたし、それらの部分については、全額補填されるということを申し上げました。生活保護法の結果増大して来る地方負担部分についても同様であります。その他都市の建設の問題等いろいろあるわけでありますけれども、そういうような部分につきましては、平衡交付金で補填するという行き方は穏当じやないのでありまして、むしろ地方債を充当するということだろうと考えるのであります。またこれらに対しましては国からも補助金が交付されるわけであります。もとより地方債で実施いたしました事業につきましては、まず元利の支払いの問題が起きるわけであります。これらの元利の支払いの問題につきましては、普通平衡交付金で計算をされる仕組みが講ぜられておるということも申し上げたわけであります。従いまして、もし具体的に今このような件について、どのような財源措置がなされるべきかということでありましたら、お答えいたしたいし、わかりませんところはさらに研究いたしまして、お答えして行きたいと思います。
  106. 立花敏男

    立花委員 あなたの答弁の中にも出て来ているのではないかと思う。災害救助法の発動によつて自治体が支出すべき金は、全額大体二十五年度も二十六年度も補填して来た。それであればそれは現在やつているではないか、災害救助法が発動されて自治体が、鳥取市も鳥取県もやつておるから、それは私かここで数字を上げるまでもなく、市、県についてお調べになれば、すぐ必要な額はわかるわけです。現地は毎日々々やつていることだから、その数字があなたの方でわからないはずはない。だからその現地で毎日々々出している金を、一体政府は来年の二月までというので、ほうつておいていいのかどうかということを聞いているわけです。おそらく北海道あたりではもう大体出した額もわかつていると思うんです。そういうものはやはり来年の二月までほうつておけというようなことでいいのかどうか、あなたはポケツトマネーだと私が言つたように言われますが、あなた自身が言つていることはポケットマネーで、地方でも出している。その金は自分が持つてつて出さないで来年の二月まで、自分のふところに握られておつたら、それこそポケットマネーだ。そうじやなしに政府が出すべき金をなるべく早く出してやるということが問題じやないか、あなたの言われるように、計算ができないと言つたつて、これはりくつなんで、実際は毎日々々現地で出しているんだから、この金をどういうふうに政府では補つてつてやるかということが、まず第一に考えられなければいけないと思う。その問題については何も具体的な答弁がないんだが、大体そういうものをどのくらい鳥取では必要とするか、そういうことをどれほど一体見込みとして見込んでおられるのかということを聞かしてもらいたいと思います。それに対して特別平衡文金付をいつまでにどれくらいは出せるということをなるべく早く出してもらいたいのですが、最大限どのくらいに出せる、あるいは臨時措置として前渡しの形あるいは概算渡しの形でやられる方法がないのかどうか、あるいはそういうことをやりたいんだが、法制上何か隘路があると言われるなれば、それを打開するような特別の措置を政府の方から提案されて、議会で決定して出す方法もあると私は思う。そういうことを何ら努力されないで、来年の二月まで、計算のできるまでほつたらかしておくのだ、これではあまりに官僚的な怠慢じやないかと私は思う。なるべく一日でも早く金を出してやるという方向へなぜ努力されないのか。それもあなたの方で資料をおつかみになつて出そうと思うが、こういう隘路があつて出せないのだが、議会の方でもひとつ協力を頼むというふうにお話されないで、来年の二月まで待てという、こんなばかげたことはないと思う。北海道の場合もほつてあるとすると、鳥取の場合もおそらくまだ当分ほつたらかしたまま、あなたの言うように二月にならないと、何らの手も打たれない、平衡交付金は出されないで、わずかの一億か二億のつなぎ資金でごまかしておかれるのだと思うが、そういうふうな誠意をなぜお示しにならないのか。これはひとつ大臣から答弁を願いたいとい思う。  それから奥野君の答弁の中に、平衡交付金よりもこれは起債でやるべきだという意見があつたわけです。大臣のさいぜんの起債の意見を聞きますと、災害のわくがあるから、ここから何とかしようと思つていると言われますが、実は災害のわくは幾らつて、鳥取に対しては幾ら出そうと思つておられるのか。起債の問題は大蔵省との関係もあるでしようが、一体地方自治庁あるいは地方財政委員会としては、鳥取に対してどれくらいの額の起債が必要であるというお考えで工作されておるのか、こういうことをもつと具体的にひとつ答弁願いたいと思うのです。私どもがこの国会のじゆうたんの上で質問しておるとお考えにならないで、実際現地で家を焼かれて、寝るふとんもないという者がここに参つて、あなたたちに聞いておるのだというふうに理解され、もつとひとつ誠意のある答弁をお願いいたしたい。
  107. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 災害救助につきましては、三分の二を国が負担すべきことになつておりまして、厚生省からその金が交付されるわけであります。今後これが幾ばくになつて来るか、これは今後の推移を見なければならないだろうと思います。しかしながらこれに伴いまして、地方団体が負担しなければならない部分につきましては、二十五年度も二十六年度も、全額特別交付金で補慣するようにして参つたわけでありまして、大体特別交付金の計算方式につきましても、地方団体がそれぞれある程度の推計ができるように仕組んで来ておるわけでありまして、将来こういうふうなものをもつと客観的な基礎の上に打立てたいというふうに考えておるわけであります。ただ御承知のように、地方財政平衡交付金のうちの特別交付金にも限度がございますので、非常に地方団体の財政需要が多くなつた場合は格別でありますけれども、そういうふうな関係から、これらの決定は、年度内におきまするいろいろな事情を全部拾つて算定をする。その結果二月までに決定するということになつておるわけでありますけれども一法制的にはそうなのですが、計算的には、先ほど申し上げましたように、税收入の問題でありましても、あるいは災害救助費の問題でありましても、生活扶助の問題でありましても、従来の計算方式から、地方団体において見当がつくようになつているのだということを申し上げたわけであります。個々に決定して行くよりも、それの方がむしろ大切であるというふうに考えておるわけであります。災害に対しましては、国から個別的に補助がございます。あるいはまた地方債を発行いたします。あるいはまた地方財政平衡交付金で財源の補填をいたして参ります。財政措置の問題は、むしろ個々の、国からの特定の施設に対する補助の額が集まつて参りませんと、今ただちにどれだけ財源を必要とするかということは、むしろわからないのでありまして、特にこれがために、立花さんの言われるように、あわててやつては、かえつて穏当でないことにもなると思うのであります。従つてまた応急の措置としては、むしろこの資金に困つて、応急の救助措置もとれないのでは困ると思いますし、そういうふうなものにつきまして、ほとんど全額に近いものを国からの補助なり、特別交付金で見ておるということを申し上げておるわけであります。従つてまた、つなぎ融資によつて必要なものを時々に地方団体が借りて来られるというふうに、大きなわくがさしあたり地方団体に与えられたわけであります。これを運用して、応急の措置に支障を来さないようにやつて行けばよろしいのではないかというふうな考え方を持つておるわけであります。  なお地方財政平衡交付金の資金の交付においては、どうするのかという問題がございました。昨年平衡交付金の決定後に、北海道において震災が起きたわけでございます。従つて四月に平衡交付金を概算交付いたします際に、罹災地の市町村に対しましては、その年度の四分の一の額を概算交付することになつておるのを、若干これらの団体につきましては、多く配分するようにいたしたわけでございます。鳥取も火災前に概算交付を了したわけでございますけれども、六月に平衡交付金を概算交付いたします際には、当然鳥取県なり鳥取市に対する平衡交付金の今年の額は多くなつて来ると思われますので、若干概算交付の金額をきめます場合にも、他の団体よりも多く配分するような方法を講じたいということで、協議いたしておるわけであります。
  108. 立花敏男

    立花委員 だから、そういうことをはつきり初めから言えばいいわけです。六月にはどれだけ多く鳥取へ出す予定なのか、それをひとつ額ではつきり言つていただきたいのです。
  109. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 先ほど大臣からも御説明がありましたように、それぞれの、国の補助金の額も調べなければなりませんし、なおまた現地にせつかく自治庁、地方財政委員会から調査に出かけておりますので、それらの事情を検討した上で、額の問題も決定して行きたいと思います。
  110. 立花敏男

    立花委員 六月と言つたらもうすぐなんだし、こういうことがはつきりできていないはずはないと私は思う。ではもつと前のやつを聞きますが、北海道には概算交付の場合に幾らを出したわけですか。
  111. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 北海道につきましては、特に関係町村に概算交付をよけいしたいと思うだけのものを、知事の裁量にゆだねたわけでございます。知事が現地の実情に即して、必要な資金の交付を概算交付で充足するようにゆだねたわけでありまして、今どれだけ多く配分されておるかという資料は持ち合せておりません。
  112. 立花敏男

    立花委員 そういうことが必要ではないのですか。自治庁でも地方の災害を大体つかんで、平衡交付金がどれだけ多く実際に行つたかということがわからなくては、問題にならないと思う。知事にまかせたといつても、行つたのはわからないというのではおかしいと思うのです。この現地からの報告がなくても、見通しとしてはもうすでに自治庁の方にあるのではないか、財政委員会の方にあるのではないか、それを率直に出していただきたいと私は思う。あなたの説明によりますと、毎年災害の場合にも出しているのだから、地方団体では大体予想しておるのではないかというふうに言つておられます。そうすると地方団体で予想できることなら、中央でも予想されなければいけないので、あなたの方が出す方なんだから、もつとはつきり予想できるわけなので、大体それをどの程度予想されておるか。もしあなたの方でわからないとすれば、地方団体で予想した額を、知事なりあるいは市長なりが要請してくれば、やはりそれを考慮される用意があるのかどうか、それをひとつつておきたい。
  113. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 北海道の問題については、いずれ北海道知事からどのように概算交付を了したかという報告が出て参るだろうと考えます。なおまた今ただちにどれだけの財源を必要とするかというふうな問題につきましては、たとえばきよう鳥取県では、減收額だけで一億五百万円程度だという数字を持つて来ております。しかしながらそれにつきましても、今後映画館等が建つのか建たないのか、あるいはまた事業税につきましても、はたしてそれだけ徴收不能になるのかというふうな問題は、今ただちにここで額が幾らであるかということをきめてかかるのは、かえつて穏当を欠くと思つております。しかし実際将来において減收になりました場合は、減收になつた額だけは、当然普通の交付金が増額されるようになつて来るというふうに申し上げたわけであります。
  114. 立花敏男

    立花委員 だから私の尋ねているのは、なにもここで、鳥取の将来の減收額が何円何銭何厘だというきつちりした数字を出してくれと言つておるのではない。あなたの言われますのは、先ほどから言つておるように概算交付で、決して一銭一厘まできつちりと予想して出す金ではないと思います。概算交付だから、大体どれくらいを概算して出す予定なのか。あなたも地方では大体わかつておると言われておるのだから、わかつておるとすれば、概算で出せばいいので、大体六月の概算交付はどれくらいを出す見通しなのか。北海道の場合も私は概算としてお出しになつたと思うのですが、その場合知事に対して、普通四分の一交付するよりもどれだけ多くの額を概算としてお出しになつたのか、それを承りたいと思います。
  115. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 原則的には、地方公共団体が資金のやり繰りに困りました場合に、資金運用部から金を借りまして、その結果利子負担ができる、この利子負担を特別交付金で補填するようにして行く方がよいのではないかと思うのであります。しかしながら概算交付の場合には、前年度の普通交付金の四分の一程度ずつを概算で交付するわけでありますけれども、ただそれらの団体におきましては、当然その年度の交付金が多くなつて来ることがわかつておるわけでありますので、資金のやり繰りをもかねて、四分の一というものをあるいは二分の一にするなり、若干増額するというふうにしてあるわけであります。こういう問題は、先ほど申し上げましたように、原則的には必要度に応じて金を借りる。そしてそれらの利子負担は別途に補填するという行き方が、一番弾力のある運営ができてよろしいと思うのであります。     〔委員長退席、河原委員長代理着席〕 しかしながら資金の借入れも困難な場合もございますので、そういうものとにらみ合せて、概算交付の額をきめたいというふうに考えておる次第であります。
  116. 立花敏男

    立花委員 この六月というのをもう少し繰上げることができるのかできないのか、できないとすれば、どういうふうにしたらできるのか、来月でも今月でもやつてもらつた方がいいと思いますが、それがやれるのかやれないのか、概算支給の期日を繰上げることはできないのか。それから概算交付をふやす場合に、どういう要素をふやされる考えなのか、それを承りたい。  それから岡野さんの問題になるのですが、金を借りて利子だけ払つてつた方がよろしいと言われるのですが、金を貸す見通しがあるのかどうか、その努力は一体どういうふうにされておるのか。さいぜん岡野国務大臣の答弁では、二億ばかりつなぎ資金を出したとおつしやられますが、新聞で見ましても、やはり二百億ばかりの災害が起つておるわけなので、自治体の負担も相当多いと思うのですが、二億ばかりのつなぎ資金でまかなえて行くお考えなのか、現地からの要請は一体どうなつておるのか、それに対して政府の方ではどういう用意があるのか、これをひとつ承りたい。
  117. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 いろいろとお尋ねでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたように、現に自治庁、地方財政委員会から現地調査に派遣をいたしておるわけでございまして、その調査の結果によつて、具体的な数字はさらに考えて参りたいと思います。先ほど財政課長から申しましたように、平衡交付金の計算上、将来におきまして最終的に鳥取なら鳥取の特別の負担になりますものについては、特別交付金で補填をされることになるわけでありますし、税の減收等につきましても、それぞれそういうことになるのであります。また災害の関係の各種の特別の負担につきましても、先ほどるる申し上げますように、交付金等でカバーされるわけでございます。また中小学校その他の公共施設の災害につきましては、起債が当然にこれに割当てられることになるわけでありまして、そういう将来の交付金なり起債を目当にいたしまして、さしあたつての短期融資が二億行われたわけであります。これは今の実際の調査の結果によりまして、さらにそれ以上必要であるということになりますならば、さらに大蔵省の方面に短期融資の増額を要請しなければならぬと思いますけれども、目下とにかく調査中でありまして、今ここでどうこうするということは申し上げられないのであります。
  118. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますのは、今の政府の説明は、單に減收になる面だけでありますが、財政措置としてはそういうことが考えられると思いますけれども、罹災者に対する地方税の減免の措置を講ずるお考えがもしあるとすれば、御発表願いたいと思います。
  119. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 こういう災害がありました場合に、個々の地方団体におきまして、それぞれ減免の条例をつくつておるわけでありまして、これが客観的に不当でない減免の部分につきましては、当然相当の減收を生ずるわけでありますので、これらの減收部分を特別交付金で充てて行くというやり方をしております。個々の団体がそれぞれ減免条例をつくるということになつております。
  120. 門司亮

    ○門司委員 私の聞いておりますのは、もちろん個々の団体が条例をつくらなければできないことはわかつておりますが、その場合の地財委の措置であります。一体地財委はこれまでそういうものを指示されたことがなかつたけれども、そういう申請があつた場合には、これを地財委は一応許可しなければならぬと思います。ただまかせつぱなしではならないと思います。従つてもし地方公共団体がその減免の措置を講じて来た場合には、地財委はそれを認可しないとは言えない。積極的に何かの達しをされておるのか、あるいは自治体から出て来るのをお待ちになつて、それを認可されるお考えなのかどうか。
  121. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 地方    免条例をつくることは、もちろん  にできるわけであります。大体  につきましては、全国一律にやらなければなりませんので、減免に関する法律がございまして、大体これに準拠したような条例をつくる、そういう指導をやつております。適宜地方団体ができるわけであります。
  122. 門司亮

    ○門司委員 もう一つさつきの大臣の答弁の中で、はつきりしないところがありましたので聞き返しておきます。住宅の建設の問題でありますが、建設省の意見では、千五百戸あるいはそのほかに五千戸くらいというお話でありましたが、その建設は建設省自身がやる建設でありますか、あるいはこういう資材をあつせんしておるということでありますか、どつちでありますか。
  123. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私もその辺のところははつきり聞いておりません。ただ早急の場合でございますから、現地に行つた係官が、ぜひこうしなければならぬというので、そういう手当をして帰つたという報告だけを聞いております。それを建設省が資材を提供したか、もしくは都道府県知事がこれをやつたか、そこまでの詳しいことは聞いておりません。ただ簡單にそういう応急施策をまず計画し、同時に手当をして来た、こういう報告だけであります。詳しいことをお聞きになりたければ、行つた建設省の係官をお呼びになつてお聞きくだされば、正確に詳しいことがわかると思います。
  124. 立花敏男

    立花委員 ちよつとかわつた方面をお聞きしりておきますが、やはり平衡交付金の問題です。地方財政委員会がなくなりまして、平衡交付金の配分が大蔵省に移るという問題がありまして、非常に地方は不安を感じておるわけですが、岡野国務大臣はこれに非常に賛成だということなのですが、どういう方向にこの問題は進みつつあるのか、どういうお考えを持つておられるのか、これを聞いておきたいと思います。
  125. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 地方財政委員会を今度解消いたしまして、自治庁において平衡交付金の総額をきめ、もしくはこれを配付するというような仕事をすることになりますけれども、しかし御承知の通りに、これを公平に判断するという一つの中立の委員会を置かなければならぬと思いまして、地方財政審議会というものを自治庁に付置することになつております。その地方財政審議会の委員は、学識経験のあるりつぱなお方をお願いしまして、今までも都道府県市議会並びに町村会等六団体ございますが、その六団体のうちで、都道府県知事会並びに県会議員の方面から一人、また市長会並びに市会議員会の方から一人、町村長並びに町村会議員の方から一人、この三団体の方面から推薦を受けて、これに公正なる判断をしていただいて、私がそのアドヴイアスを受けまして、そうしてやつて行こうと思いますから、大して御心配のようなことはなかろうかと思つております。
  126. 立花敏男

    立花委員 きようの朝日新聞を見ましても、最近の議会での立法について、特に議員提出の立法について、選挙対策の臭みがぷんぷんとしておるということが書かれてあるのですが、この点やはり私たちも率直に認めなければいけないと思うのですが、従来とも平衡交付金の配分につきましては、地方は中央へお百どを踏み、いろいろな阿護迎合をやつて、金をもらうという弊害が多かつたわけです。ところが今後はさらに、今まで独自の権限を持つておりました地方財政委員会がなくなつて、行政機関の方に配分がまかされて来る。こうなつて参りますと、今まででも変な陰影の伴いました平衡交付金の決定配付が、非常に政治的な色彩を帯びて来るのじやないか。だから考えようによりますと、今回の地方財政委員会の廃止は、自由党の選挙対策のような気がするのですが、そういうことをお考えなつておられるのかどうか。これをひとつ承りたい。
  127. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 申し上げるまでもなく、選挙対策によつてわれわれは国策を決定しておりません。要は地方財政委員会のやつている公正なる機能は十分これを生かして、そうしてやつて行く。同時に平衡交付金は過去二年間の経験によりまして、大体中央においても、地方においても、こういう程度にわけられるものということになつております。今後ますます平衡交付金のわけ方については法定いたしまして、そういう情実因縁によつて不公平にわたるということのできないような制度に進んで行きたいと思つておりますから、御心配御無用でございます。
  128. 立花敏男

    立花委員 政治的な意図がなければ幸いだと思いますが、もう一つ疑問に思いますのは、地方税法の修正の問題ですが、朝日新聞あたりがきのうあたりから騒いでおりますのは、地方税法の修正は、自由党の全気取り選挙対策であるというふうに言われておりますが、ふしぎなことには岡野国務大臣は、この修正にやはり反対だ、地方財政委員会は反対だというふうに聞いているのですが、地方財政委員会は、巷間伝えられております入場税あるいは遊興飲食税の率の軽減には反対であるかどうか。意見としてはどういう根拠で反対なのか、これをひとつ承りたいと思います。
  129. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 今のは地方財政委員会考えておることと思いますから、私存じませんが、しかし入場税とか、遊興飲食税と申しますものは、この委員会でもたびたび御答弁申し上げておる次第でございます。できるならば、十割とか五割とか八割とかいうような高率の課税は、将来といえどもこれを直して行きたい、妥当と考えられる税率に直さなければいかぬという考えを持つております。同時に先般来この税法改正案を提出いたします前にも、私は財政の状態が許し得るならば、この入場税とか遊興飲食税に対しても、税率の変更を企図しておつたわけでございます。いろいろの事情によつてこれが実現できなかつた次第でございます。あとは地方財政委員会の御意見をお聞きくださればわかると思います。
  130. 立花敏男

    立花委員 地方財政委員会はどうですか。地方財政委員会は答弁ありませんか。
  131. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 大臣が今お答えになりましたように、地方財政委員会考えておるわけです。必ずしも現行地方税制が百パーセントよろしいと考えておるわけではありません。ただ、どこから税源をとつて来るかということでありますけれども、適当な税源が今考えられないわけであります。従いまして財源対策が考えられません限り、現在改正しようとしております方法でやりたいというふうに考えております。
  132. 立花敏男

    立花委員 あなたたちのお出しになつておる改正案に対する修正案の問題を聞いておりますので、その問題で地方財政委員会に異論がある、反対だということを聞いておるのですが、その根拠を承りたいのと、その根拠が巷間伝えられるところの平衡交付金の増額が困難であるからということに対して、それがほんとうであるかどうか。平衡交付金の増額が困難であるから、改正案に対する修正案に反対であるというのかどうか、その点を具体的に明確にしていただきたい。
  133. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 地方財源の中で税源を減じた場合には、他の税源で補填するという行き方が最も好ましいと考えております。税源を減じまして国からの補助金を増額する、あるいは地方財政平衡交付金を増額するというような行き方は、ある場合においてはやむを得ない場合がありましようが、しかしながら、これは正常なやり方ではないというふうに考えております。現在自由党で考えられておりまする修正案につきまして、完全な話は承つていないわけであります。財源措置をどうするかということも、われわれはまだ何も聞いておりません。
  134. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、改正案に対する修正案が、たとい入場税、遊興飲食税が減税になりましても、それのかわり財源の保証がない限り、地方財政委員会としては賛成できかねるということになると思うのですが、そのように理解していいかどうか。
  135. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 財源措置のない限りは反対であります。
  136. 門司亮

    ○門司委員 最後に、これは要求だけですが、今までの御答弁だけでははつきりいたしませんので、次会に建設省、厚生省関係の被害状況を資料にまとめて御提出を願いたいと考えております。自治庁でこれをまとめてくださいませんか。おのおの各所管に聞けば一番いいことですけれども、なかなかまとめるのはたいへんですから、できるだけ早く国警の調査その他は大体県庁で資料をとつていただけばわかると思いますから、そういう資料の御提出を願いたいと思います。
  137. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 内閣でさつそく関係各省の事務当局を集めまして対策委員会をつくりまして、各省が派遣しておりますのはそこへ持込みまして、そうして総合的な対策を考えております。それができ次第お目にかけます。
  138. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 次回委員会は公報をもつて通知することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後二時八分散会