○新井
政府委員 ただいまの御質問に対しまては、われわれまつたく同一の
意見を持
つておるのでありまして、現在の消防の勢力というものが、ほんとうに消防に対して責任を持ち得るまでの段階に立至
つておらないという感を、常に持
つておるのであります。特に
都市におきまする有給の消防職員の数が、まだ不足しておるということを痛感をいたしておるのであります。この消防職員の充実につきましては、もちろん
地方財政に重大な影響を與えるものではありますけれ
ども、治安の面並びに火災による経済的な損害ということをあわせ
考えますると、
相当に財政的な負担にはなりますけれ
ども、なおかつ消防を充実することによ
つて、得る方の利益が大きいということを確信しておる次第であります。従いまして、現在有給の消防職員は、全国におきまして約三万一千名ございますけれ
ども、この三万一千名の現員を減らすことは、一般的に申しまして非常に不適当だと
考えます。もちろん消防は市町村の自治にまかされておりますので、
都市によりまして、消防の職員が割合に充実しておるところ、またはなはだしく足りないというようなでこぼこはありますけれ
ども、全般といたしましては、この三万一千名の職員をも
つていたしましては、まだまだ不足の状態でありまして、これをさらに充実せしめることが、結局経済、財政的な見地からも、必要であると
考えておるのであります。従いまして、常にこの消防の設備並びに人員の充実を、われわれの権限内において勧奨しているのであります。あるいはまた通牒によ
つて一般的な
注意を喚起いたしますとともに、場合によりましては、
会議等において詳細にこれが
説明をし、また個々の
都市につきましては、
都市の等級化ということを行いまして、消防の職員等については、重大な関心を持
つてその充実をはかるように、欠陥は指摘いたしまして、その弱小化を防止いたしますというよりは、その充実を期待している次第でございます。なお
大阪の問題につきましては、さようなこともごく最近に耳にいたしましたので、これはさらに検討いたしました上で、適当な
措置を講じたいと
考えております。