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門司委員 齋藤長官としては、おそらくそういうことを言われるかとも思いますが、しかし少くとも
国警長官ですから、日本の国内の治安状況というものが、どういうものであるかというくらいのことは、おわかりにな
つておると私は思う。またそれがわからないで、私の所管が違うから
といつて、ほかでどんなことをしようと、それに関しないというりくつは立たないと思う。たとい所管が大橋さんにありましても、事の起りが国内治安の
関係でありまして、国内治安に関しましては齋藤さんに全然責任がないということはない。むしろ私は齋藤さんの方から、国内治安を確保する上に、今の国警と自治警だけでは非常に困難であるから、これについて何らかの
処置を講ずべきである、それには今ある警察予備隊だけでもまだ不安だ、
従つてこれの増強ということを、齋藤さん自身の方からむしろ要請なさるべきであ
つて、主管大臣であるから
といつて、これが大橋さん独自の
関係だけで行われるということは、私は少しおかしいと思う。これは齋藤さんが国警の方として、警察予備隊の増強はこれ以上必要ないのだという見解があれば、大橋さんといえ
ども、か
つてにこんなものをふやすわけには行かぬと思う。国の機構というものは、そういうふうにばらばらであ
つてはならない。ことに治安
関係は
国民の大きな負担を伴うものでありますので、この点一貫した
政治の方針というものがなければならない。その方針の基幹をなすものは、やはり何
といつても治安の状況であ
つて、その治安の状況について、一方の責任者である
国警長官から答えられないというりくつは、私はどう
考えてもないと思う。
一体そういうことでかりにあなたがおやりにな
つておるとすれば、日本の治安というものは、あなたにおまかせするわけには参らぬと思う。自分自身が責任の立場にあ
つて、治安状況がどうな
つているかわからぬというのでは、まるつ切りむちやくちやだと思うのですいろいろないきさつがあると思うのですが、何も私は
国警長官と大橋さんとけんかさせようと思
つて言
つているわけではありません。そういうことでなく現実の問題で、今の国警の力と自治警察の力だけでは、国内の治安というものを維持することは困難だという点と、さらに現在までの警察予備隊だけでも困難だという、何らかのはつきりした根拠をひとつお示しを願いたいのであります。そういたしませんと、大橋さんに聞くにいたしましても。やはり水かけ論とな
つて、事実をつかむことができないと思うのです。私たちは警察予備隊の増強も事実に基いた要求だと
考えております。決して架空なものであ
つて、ただおもちやの兵隊をこしらえたというわけではなかろうと私は思うのです。
従つて事案に基いたその根拠を、ひとつあなたの立場から率直に
お話を願いたいと思います。