○河野(通)
政府委員 先般
国会で御決議いただきました長期信用銀行法に基きまして、現在新しい信用銀行設立の準備を進めておる
段階であります。しかしながら御案内のように、現在でも長期の金融を專門にや
つております民間の金融機関があるわけであります。たとえば興業銀行、北海道拓殖銀行等は、現在でも長期の金融をや
つておるわけであります。その資金は債券の発行によ
つてこれを調達いたしておるわけであります。この
制度をさらに確立いたしまして、金融の分野をはつきりいたしたいということで、先般成立を見ました長期信用銀行の法律ができたわけであります。問題はだんだん
経済の正常化に応じまして、長期
資本が増大いたして参
つておりますが、なお
日本の
経済全体から需要いたされておりまする長期資金には、まだ応じ得ないような状態にな
つております。従いまして一番大切なことは、何といいましても、この長期信用の金融をいたしますための財源と申しますか、資金源を充実することであろうと思うのであります。これがために民間の長期
資本を吸收することを、一層今後努力いたして参りますとともに、なおかつそれでも十分でありませんので、資金運用部資金等によりまする金融債の引受等、さらに資金繰りの許します限りにおいて、できるだけこれをふやして行く。これによりまして新しい長期信用銀行の資金源の確保に資したいと
考えております。なお長期金融につきましては、ただこれらの民間の金融機関だけではどうしてもまかない切れないので、
国家の
資本を投資いたして参りますことが、この際としては必要でありますので、御案内のよりに開発銀行につきまして、現在財政の許します限り、これらに対します
国家の投資をふやして参りたいまた最近の法案の
改正によりましてこれらができれば、外資の導入等もできるように、
政府機関としての開発銀行が、長期
資本の資金源の充実をさらに進めて参るというふうにいたしまして、民間の金融機関たる長期信用銀行と相並んで、これを補完しながら開発銀行の機能をさらに充実して参りたい、かように
考えております。