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1952-06-25 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第97号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十五日(水曜日)     午後二時二十二分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君    理事 松尾トシ子君    淺香 忠雄君       清水 逸平君    高間 松吉君       苫米地英俊君    夏堀源三郎君       三宅 則義君    宮幡  靖君       武藤 嘉一君    中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (銀行局資金運         用課長)    高橋 俊英君         農林事務官         (畜産局長)  長谷川 清君  委員外出席者         議     員 平野 三郎君         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         大蔵事務官         (管財局外国財         産管理課長)  佐々木庸一君         農林事務官         (畜産局飼料課         長)      豐永  光君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)     松任谷健太郎君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月二十四日  委員清水逸平辞任につき、その補欠として永  井要造君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  委員永井要造辞任につき、その補欠として清  水逸平君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  高金利等取締に関する法律案内閣提出第一  八四号)  接收貴金属等数量等報告に関する法律案(  内閣提出第二三一号)  簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出第二四一号)  資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二四二号)  連合国財産返還等に関する政令等の一部を改  正する法律案内閣提出第二四七号)  食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(  松浦東介君外三十三名提出衆法第七六号)     —————————————
  2. 小山長規

    小山委員長代理 これより会議を開きます。  議案の審査に入ります前に、ちよつとお諮りをいたします。昨日の委員会におきまして、未復員者給与法等の一部を改正する法律案について、海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会と、連合審査会を開くことに御決定を願つたのでありますが、その後厚生委員会からも同法案について連合審査会開会の申入れがありましたので、この際お諮りをいたします。未復員者給与法等の一部を改正する法律案について、本委員会及び海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会並びに厚生委員会の三委員会合同して、連合審査会を開会することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小山長規

    小山委員長代理 御異議がないようでございますから、さよう決定いたします。  なお連合審査会開会日時等については、委員長に御一任を願いたいと存じます。     —————————————
  4. 小山長規

  5. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいま議題なつておりまする法律案のうち、連合国財産返還等に関する政令等の一部を改正する法律案につきましては、質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
  6. 小山長規

    小山委員長代理 ただいまの奥村君の動議のごとく決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小山長規

    小山委員長代理 御異議がないようでありますから、連合国財産返還等に関する政令等の一部を改正する法律案につきましては、質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決いたします。  本案原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  8. 小山長規

    小山委員長代理 起立総員。よつて本案原案通り可決せられました。  なお本案に関する報告書作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任をお願いいたします。     —————————————
  9. 小山長規

    小山委員長代理 この際お諮りをいたします。去る五月二十四日、本委員会において、アメリカ合衆国における日本品輸入関税の問題について、次のような決議行つたのであります。すなわち、現在アメリカ合衆国においてとられつつある日本品輸入関税の引上げについては、日米間の友好的経済協力日米相互の利益となることにかんがみ、本委員会アメリカ合衆国が急速に好意ある取扱いをされることを要望するものである、右決議する旨の決議を行い、その趣旨伝達方議長に依頼してアメリカ合衆国側へ打電したのでありますが、新聞発表で御承知通り、最近アメリカ側の好意ある取扱いを得ましたので、この際これに対し、感謝決議を行い、その趣旨伝達方議長に依頼いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小山長規

    小山委員長代理 御異議はないようですから、さよう決定いたします。  なお感謝決議文案作成につきましては、委員長及び理事に御一任を願いたいと存じます。     —————————————
  11. 小山長規

    小山委員長代理 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、提案者政府委員も見えておりますから、御質問があれば、この際これを許します。
  12. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について、御意見を承りたいのであります。御承知のように、いろいろ飼料輸入及びこの問題については、最近与党野党を問わず、飼料需給調整法と申しますか、これは提出されませんでありましたが、それについて相当に賛否両論あるように承つておるのであります。この食糧管理特別会計法の一部改正によりまして、資金の面が潤沢になるということは、まことにけつこうでございますが、その場合において、その資金の融通を受けられるものは、たとえば農協あるいは一般商人、そういうようなものに政府においては区別されるようなお考えは絶対にないものかどうか。これらについて、御承知のように需給調整法については、いろいろ業者側の方に反対が出たように聞いておるのでありますので、もしこの新しい特別法の一部改正によりましても、資金の面において業者は何らの特典が与えられないというようなことになると、やはり業者側は不満を持つだろうと考えるのでありますが、これについて政府側においては、いかようなお考えをお持ちになつていらつしやるか、承りたいと存じます。
  13. 平野三郎

    平野三郎君 ちよつとお答え申しますが、資金業者農協等の方にどういうふうにわけるのかというようなお尋ねでございますが、これはちよつと誤解があるので、御了承願いたいと思いますことは、資金を割当てるということは全然ないわけであります。すなわちこの法律は、政府飼料を買うことができるという法律でありまして、政府資金を持つて飼料輸入いたしまして、その現物をそれぞれ配給をする、こういうことでありまして、資金を直接業者とか農協とかに配分するということではないわけであります。
  14. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 しからば、輸入飼料をたいへんふやしていただくことは、業者も同様に感謝するのであろうと思いますが、入つて参りました輸入飼料配給と申しますか、そういう点においては、ただいま申しましたような意見は御考慮願えるものでありましようか、伺いたいと思います。
  15. 平野三郎

    平野三郎君 この法律はただ、政府食糧以外に、飼料をも輸入することができるというのでありまして、その輸入いたしました飼料を、今後どういう径路を通じて配給するかということにつきましては、この法律案としては、直接何の関係もないわけでありまして、今後政府がこの輸入飼料を配分するにつきましては、別個の行政措置を講じてこれを行う、こういうことでありまして、政府としてどういう考えを持つておるかは、政府の方にお尋ねをいただきたいと思いますが、やはりこの輸入飼料配給するにつきましては、農業団体だけに限定するというようなことでなくして、当然業者に対しましても機会均等で行くようにすべきであるというふうに考えておるわけであります。
  16. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 平野農林委員会理事お答えは、まことにありがたく存じますが、その通りのことをはたして政府においても考慮なさるようなお考えであるかどうか。もし政府委員が御出席でありますれば、御答弁をお願いしたいと思います。
  17. 長谷川清

    長谷川政府委員 輸入飼料配給方法につきましては、ただいま平野議員からお話のありましたように、われわれといたしましても、実は関係業者の中から飼料需給調整に関する協議会というようなものをつくりまして、その協議会に御相談いたしまして、的確にまた確実に末端まで飼料配給できますような方法を、十分研究してやりたい。考え方は平野さんのお話通りやりたい、かように考えております。
  18. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 それでは重ねて恐縮でありますが、業者農業団体も、ある意味機会均等でやる、こう解釈してよろしゆうございますか。
  19. 長谷川清

    長谷川政府委員 できるだけそういう趣旨でやりたいと存じます。
  20. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題なつております食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、二、三質疑をいたします。ただいま中野議員から御答弁があつたのでありますが、飼料日本に必要であることは当然であります。これは政府委員に尋ねた方が確かだと思いますが、飼料をどのくらい買い入れるか。今の段階において調査したものがありましたならば、簡単でけつこうでありますから、一応承りたいと思います。
  21. 長谷川清

    長谷川政府委員 現在考えております輸入飼料の総量は、大体二十五万トンでございまして、その内訳は、とうもろこし約七万トン、大豆かす四万トン、ふすま四万トン、小麦のうちの特にマニトバ五号と称します小麦約十万トン、合計いたしまして二十五万トンの飼料輸入するように、ただいま計画しておる次第であります。
  22. 三宅則義

    三宅(則)委員 農林委員会でないから、あまり詳しいことは聞きませんが、これらの今まで足りなかつた飼料も、従来もこれは買い入れていたのでありましようが、今回あらためてこの会計として仕入れることになつたのでありましようか、その辺を簡単に御説明願いたいと思います。
  23. 長谷川清

    長谷川政府委員 飼料輸入につきましては、終戦後もわれわれといたしまして、できるだけ努力をいたして参つておりますが、何分にも飼料価格が安定を欠いておりますために、必ずしも計画通り輸入を見ておらないのであります。     〔小山委員長代理退席委員長着席〕  昨年は、十四、五万トンの飼料輸入を見たのでありますが、本年度は実は計画はあるのでありますが、実際問題といたしまして、資金手当等が十分でありませんので、現在のところ飼料としての輸入実績はないのであります。今度御提案なつておりますような方法によりまして、食糧管理特別会計においてこれを買い上げるというような裏づけ措置が講ぜられますれば、われわれが考えておりますように、この計画輸入も確保することができるというふうに考えております。
  24. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は他の委員会関係を持つたのでありますが、たとえば専売の塩を買い入れる場合に、数十社が仕入れたのでありますが、この委員会を通しまして、食糧管理特別会計のうち、飼料につきましてはどのくらいの商社貿易業者等を通じて買い入れる見込みでありましようか。そういうようなことについて、何かもくろみがありましようか。たとえば南方でありますとか、中国でありますとか、濠洲でありますとか、いろいろな方面がありましようが、ごく簡単でけつこうですが、何社くらいがどのくらい買い入れる見込みがありますか、承りたい。
  25. 長谷川清

    長谷川政府委員 具体的に何社ということは、ただいま申し上げるほどの資料を持つておりませんけれども、そうたくさんの商社にはならないのではないか。おそらく数社ではないかというふうに考えておる次第であります。
  26. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はこの際攻撃するのではありませんけれども、法案に対して政府委員として答弁せられる場合におきましては、なるべく心構えをはつきりしていただいて、法案の審議の便宜に資することが必要であろうと思う。法案通つてからどろなわ式にやるのだというようなことは思わしくない。かつて経済が混乱いたしておりました場合におきましては、そういうこともあり得るのでありますけれども、だんだん正常経済に復し、講和も発効になりました今日、政府といたしましては確固不動精神を持つて国民にサービスする、こういう精神を涵養していただきたいと思いますから、十分なる資料熱意ある御答弁をいただきたい、かように本員は了承するわけであります。つきましては、もう一つ承るのでありますが、これは飼料の買入れでありますから、お互いに競争を来すのであろうと思います。私はどこから買い入れるかということは聞きませんが、たとえばあるいはインドならインド方面に行く商社濠洲なら濠洲に行く商社、あるいは南方筋なら南方筋に行く商社というのが数社ずつあると思う。これを専売公社のごとく二十数社にもまかして、かえつて買いあさりをしたために暴騰したというおそれがある。そういうことのないように正常にいたしまして、入手が楽に行くようにやつていただきたい、こういう観点を持つておるのでありますが、政府委員はどういうふうに今心がけておりますか、承りたい。
  27. 長谷川清

    長谷川政府委員 現在のところ輸入します先は、大体アメリカ中心になろうかというふうに思うのでありますが、その具体的の取扱い商社につきましては、ただいまお話のありましたように、いたずらにたくさんの商社がこの飼料の買いあさりをするようなことになりませんように、先ほど申し上げましたように、できるだけ限定をいたしまして、おそらく数社程度において輸入をするようにいたしたいと考えている次第であります。
  28. 三宅則義

    三宅(則)委員 さらに承りたいと思いますが、これを輸入して配給するにつきましては、どういうような状況において配給し、この代金を取立てるのでありますか。簡単な御計画がございましたら、承りたいと存じます。
  29. 長谷川清

    長谷川政府委員 輸入いたしました飼料につきましては、先ほどお話申し上げましたように、実際の配給方法に関しましては、さらに関係者よりなります飼料需給調整協議会なるものを設けまして、関係者の御意見を十分に承つた上、なるべく安く、しかも畜産農家飼料が確実に渡るようにいたしたいと考えている次第であります。
  30. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はこれまた他の委員会関係をもちまして、よく調べたわけでありますが、およそ配給公団とか何々公団というようなものは、かつてはあるいはボスの温床となり、あるいはその一部の者が利得を得たという場合があるわけでありますが、いやしくも今回の食糧管理特別会計改正にあたりましては、そうしたような疑念、不安を一掃したいというのが、われわれ議員の責務であろうかと考えるのであります。つきましては、これらを配給するときにおきましては、先ほどもお請いたしましたように、協議会等の御意見もよく聞かれるのだと思いますが、これは十分調査をいたしまして、公平なる態度において、順調に配給が行くようにやつていただきたいと思います。これらにつきましては、もう少し政府委員は信念と熱意を披瀝して答弁していただきたいと思いますが、いかがでしようか。
  31. 平野三郎

    平野三郎君 ただいまの三宅さんの御質問は、この法案の今後の運営につきましてのまつたくの急所でありまして、これをしつかりわれわれ提案者としてもやらなければならないと考えるのでございます。これは三宅さんも提案者の一人でございまして、われわれとしてはこの法案を通した以上、この配給計画については、ただいまお話のありましたようなことの起るおそれが十分にありますので、そういうことのないように、国会としても十分政府を監督して、遺憾なからしめるようにやらなければならないと考えているわけでありますが、ただわれわれ提案者といたしましては、その点は十分注意をしなければなりませんが、何といいましても、農業団体というものは、それぞれ下から民主的にでき上つた団体であり、また政府飼料配給する場合におきましては、その価格も公表いたしますし、また数量も公表する、そういうことになりますならば、各末端農業協同組合等においても、およそ自分の町村へ来るであろうという数字はわかるわけでありまして、その間に横流しというようなことはまずあり得ないようになる。しかしそうは言うものの、正式の法的根拠がなくして、行政措置でそういうことをやるわけでありますので、その点は十分注意を要するわけで、ただいま政府委員からも答弁がありましたように、まず中央に飼料需給調整協議会というものを設けまして、そうしてここで国会からもこれを十分監督しつつ、的確なる計画を立てて、それが公正に運営せられるように、万全の注意を払つて行きたいと考えておるわけであります。
  32. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま平野議員の御答弁でありますが、まつたくそのように運用していただきたいと思います。  もう一つこれは俗つぽい話でありますが、政府委員の方にお尋ねいたします。各農業団体でも、地方の末端に至りますと、多少欲目を出しまして、多く山をかけ、あるいはさばをよんでとる。そうして余つたものはあるいは横流しをするということが、かつてつたわけであります。今後はないものと思いますけれども、そういうようなことにつきましては、よほど愼重に調査をいたされまして、たとえば有畜数でありますとか、あるいは今後の計画でありますとか、あるいは将来の発展等考慮に入れまして、そういうような事柄を十分に監督する熱意を示す必要がある、かように思います。もちろん農林省では、各府県あるいはその他の末端と連絡をとつておられると思いますが、一段とそういう面についての御考慮が必要であると思いますので、政府委員としての心構えを承りたい。
  33. 長谷川清

    長谷川政府委員 お話の点につきましては、私ども御趣旨に沿いますように、十分熱意をもつてやりたいと考えております。
  34. 三宅則義

    三宅(則)委員 これは平野議員お尋ねやら、また実際面を担当しておられますから、お願いいたすわけでありますが、いやしくも農林事業に携わる人間は、国家の人口の大半を占めておるわけでありますから、指導よろしきを得ますればますます安全になり、一歩誤りますと、多少末端に行つて不安を生ずる、こういうことになるわけでありますから、この際日本食糧政策需給調整をはかるために、食糧の米と飼料との関係につきまして、どういうようなバランスをとつておられますか、もしおわかりでありましたら、平野専門農林委員といたしまして、この際国民に発表せられたい、かように考えておる次第であります。
  35. 平野三郎

    平野三郎君 非常に大きな問題で、ちよつとお答えに困るわけでありますが、まず食糧政策飼料との調整をどうするかということでございます。もちろんわが国といたしましては、食糧が不足しておりますので、今後これらの有畜農業を推進して、その面から食糧問題を解決するという方向に進まなければならぬわけでありましてそれには何といつて飼料の問題の解決が第一であります。外国から今度の法案のように飼料輸入しなければならぬというようなこと自体が、はなはだ遺憾なことでありますので、どうしても日本農業というものはやはり飼料作物を栽培する、そうして飼料自給をすることが必要であるというふうに考えるわけでありまして、それらの恒久的な対策としては、政府といたしましてやはりサイロであるとか、あるいは畜舎というようなものに対する補助金を交付いたしまして、飼料自給度を向上せしめて行くという方向に向つて、とにかく畜産でもつてこの飼料を解決し、同時に食糧問題を解決して、行く行くは食糧自給自足までできるという方向に持つて行かすべきであると、考えておるわけであります。
  36. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいまの御説明で大体了承いたしましたが、ただちに今この改正案を出しまして、二十五万トンの飼料輸入計画しておる御様子でありますが、これは将来だんだんと減少することを基準に考えておられますか。当分これで行くつもりでありますか。もし見通しが多少ありましたら、この際政府として明確にお示しを願いたいと存じます。
  37. 長谷川清

    長谷川政府委員 家畜飼料につきましては、ただいま平野議員からお話になりましたように、われわれといたしましては、建前はどこまでも自給飼料中心考えるべきではないかということで、いろいろ指導、奨励をいたしておるのでありますが、ただ現実の問題といたしますると、そればかりでは十分に参りませんので、必要最小限度飼料購入飼料にまたなければならない。その不足量は、これもはなはだ遺憾でありますけれども、外国から入れなければならないような事情にあるのであります。将来の見通しでありまするが、実はわれわれといたしましては、先ほど平野議員からお話のありましたように、食糧政策の一貫といたしまして、今後大いに家畜増殖をはかりたいということをあわせ考えておるのでございまして、家畜増殖に伴いまして、自給飼料増産を奨励いたしまするとともに、やむを得ず必要といたしまするところの飼料についてはその最小限度輸入もまたやむを得ない、こういうふうに考えておる次第であります。将来の輸入数量につきましては、家畜増殖いたしまする数とも関連いたしまして、現在的確に幾らということを申し上げるわけには行かないと思いますが、なるべく輸入飼料への依存度を少くいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  38. 夏堀源三郎

    夏堀委員 わが国として今一番大きな問題は、食糧自給態勢をつくることであります。そうした意味から、今御説明なつ輸入飼料の問題は非常に重要な問題と考えております。ただ私もこの問題でいろいろ研究しておりますので、あらためて明日農林大臣及び農林省の所管の方の御出席を求めて、意見を徴したいとは考えておりますけれども、きようお伺いしたいことは、この飼料輸入によつて食糧の面において数量的にどの程度食糧輸入調整することに役立つか。これがもし数字的におわかりになつておりますならば、お伺いしたい。  次に各種目別に掲げておりますが、日本価格輸入価格との差はどれくらいあるか。お二人のうちどちらでもおわかりの方にお伺いしたい。
  39. 長谷川清

    長谷川政府委員 飼料輸入いたしまして家畜増殖する結果、食糧輸入量をどの程度に減らせるかということでございますが、これは実は見方がいろいろございます。まず第一に、家畜を持ちますと、それから厩肥、堆肥が増産いたされますので、それによる米麦増産量をどういうふうに考えるかということがあります。また家畜そのものがふえますことによりまして、肉の供給量あるいはお乳の供給量が増大する。それが米麦に換算いたしまして幾らになるかという見方があると思います。その場合におきましても、これをカロリーの面から見るのがいいか、あるいは蛋白の量、脂肪の面から見るのがいいか、こういう点につきましても、学者の間にいろいろ議論もあるのでありまして、的確に何万トンが何万トンになるということは、なかなか資料としては出にくいのでありますが、私の今頭にあります数字で若干申し上げてみたいと思います。現在乳牛の数が約二十五万頭ございますが、これがかりに百万頭になり、それから役肉用牛が現在約二百二、三十万頭おりますが、これが三首三十万頭程度なつたと仮定いたしますると、大体一千万石くらいの米に相当する増産が期待できるのではないか、こういうふうに概算考えられる次第であります。こまかい計算の方法につきましては、今申し上げましたようにいろいろの見方がございまして、今ここに資料を手元に持つておりませんが、概括的に申し上げますと以上のようでございます。  それから次にお尋ね飼料輸入価格でありまするが、大体最近の輸入価格をシフで申し上げますと、とうもろこしがトン当り大体百ドル、大豆かす百十五ドル、ふすま六十五ドル、マニトバ・フアイヴ八十ドル程度でございます。これは国内産の価格に比較いたしますると、約二割程度高いのではないか。これはおそらく船賃の関係が相当入りまして、二割程度高いように考えております。
  40. 夏堀源三郎

    夏堀委員 一千万石の増産、これは非常に大きな数字でありまして、この通り行けばこれはたいへんけつこうなことであります。今総理が首班となつて何か食糧需給態勢でいろいろえらい人方が協議をしているようであります。もしこれがこの数字を求めることができたならば、むしろこの線で進んだ方がいいだろうと私は考えております。しかしこれはちよつと数字が多過ぎると考えますので、参考にいたしたいと存じますから、あとでよろしゆうございますが、この資料を概要でけつこうですからひとついただきたい。  それから二割方高いのだ、高い分を何か先ほど補助という話がありましたが、この高い分を補助するという意味でありますか、何の意味でありますか、何か政府で補助をなさる御意向でしようか。
  41. 長谷川清

    長谷川政府委員 現在農林省で顧問会議が行われておりまして、そこで食糧増産に関しまするいろいろな問題が取上げられておりますことは、お話通りでございますが、現在のところ主として土地改良等の問題を中心に論議せられておるようであります。続きましては畜産の問題についても、いろいろ御研究をお願いいたしたいということで、事務的に準備を進めておるような次第でございます。  それから補助という点についての問題でありまするが、私畜産局長の立場からいたしますれば、飼料はなるべく安く畜産農家に供給をいたしたいというふうに考えるものでありまして、できるだけ輸入飼料も適正な価格で農家に渡りますように、努力をいたしたいと考えております。
  42. 夏堀源三郎

    夏堀委員 適正な価格はわかつておりますが、この補助政策は今政府の方ではそう簡単に行かない、このように大蔵大臣が言つておりまするので、この二割高の分を政府が補助するというような前提のもとに、法律案をなさつたものであるかどうかということをお伺いいたしたい。
  43. 平野三郎

    平野三郎君 提案者といたしましてお答え申し上げまするが、補助ということは考えておりません。しかしこの輸入しました飼料は、どうしても日本の相場からすれば、幾らか安くわけるということにしなければならないことになるわけであります。ということは政府が内地の米麦を統制しているわけでありまして、麦は今回はずしたと申しましても、やはり依然として政府が買入れ価格というものを定めているわけであります。それから御承知通り二千円ということに米価審議会で決定しているわけでありますが、輸入しまするところのものはマニトバ・フアイヴの悪いものでありまして、内地の麦と同じ価格政府で売るということはとうていできません。実際には内地産の麦と価格において同じくらいになるわけであります。どうしてもそこに政府が売る場合においては、政府が買う価格から見れば、幾らか差をつけなければならぬということになつて来るわけでありまして、従つて当然政府の食管会計には、赤字を生ずるということはあり得るわけであります。どの程度の赤字を生ずるかということは、今のところはつきり計算が立つておりませんけれども、二十五万トンを輸入いたしまして、そうしていずれ飼料需給調整協議会において定める適正の価格において、これを政府で払下げをするということになれば、およそ二十億程度の赤字を生ずるのではないかというように考えるのでありますが、その場合は当然これは補給金と申しまするか、あるいは赤字の補填をするとか、いずれ政府の食管会計の内部において解決しなければならぬということに、政府としてはならざるを得ないというふうに考えておる次第であります。
  44. 夏堀源三郎

    夏堀委員 私の今お伺いしたことですが、補助政策は政府としてもあまりこれからやりたくない、という方針のようでありまするけれども、食糧輸入ということについては、現在輸入食糧に対しての補給金は政府では相当なものを支出している。それによつて国民食糧をどうにか今日ささえ得たということは、政策上当然のことであります。そこで私が先ほどお伺いしたいと言つた点は、輸入米との調整においてどの程度数字を現わすことができるかということ、その輸入米の数字が、調整数字と補給金のそれとに比較いたしまして、これはあなたの今おつしやつた二十億という赤字、これを埋め合せするにふさわしい何かの数字を求めることができれば、これは政策上成立するものと私は考えている。補給金の問題、これは食糧輸入米に対していやがおうでもやらなければならぬ政策であつて、この最後まで残された補助政策というものは、やはり現在でも行わなければならぬ。その意味においてこの飼料に対しても、輸入食糧のその補給金の面を調整する意味において役立つことがあつたならば、これはさしつかえないと私はこう考えている。ただ一千万石のいわゆる米に換算しての数字はあまり大き過ぎる。もしこれが事実であるならば、今総理が首班となつて何かの顧問会議で論議しているいわゆる五百億、七百億という財政資金をもつて、土地改良のようなまわりくどいことをやつている。これはやることはけつこうであるけれども、そういう土地改良のようなものに年々何百億というような、何箇年計画——十箇年を特に五箇年に圧縮したというように聞いておりますが、そういうような厖大な計画と比較して、この方はむしろ簡單にできると思う。このようなことも考えられるのであつてなかなかえらい人方というものは、こういうような数字をまだ検討しておらぬだろうと思う。もし一千万石がかりにその五割程度のものの生産ができるとしても、これは非常に大きな問題であつて、当然政府がこれに対しては考えなければならぬ、こう私は思う次第であります。こうした大きな問題でありまするので、明日私がこれに関連して、食糧需給態勢の一環に入れてもらいたいというようなことを一応立案しておりまするので、明日ひとつ委員長より農林大臣出席を求め、それから水産長官の御出席もお願いして、この内容を若干説明申し上げて、ともに協力していただくことがいいのじやないかと私は考える次第でありますから、そのようにおとりはからいを願いたいと存じまする
  45. 佐藤重遠

    ○佐藤委員長 了承いたしました。さようとりはからいます。
  46. 奧村又十郎

    奧村委員 私も提案者の一人でありますが、大事な事柄は、やはり国会の審議を経て会議録にも載せておいた方がよかろうと思いますので、お尋ねしておきたいと思います。  本院の農林委員会飼料需給調整法を審議しておつたと思いますが、その飼料需給調整法の目的も、今回のこの食管会計の一部改正の目的も同じようなものであると思うのでありまして、同じようなものであるにかかわらず、この食管特別会計法の一部改正というような方法をとつて提案する理由を、平野さんからよく承つておきたいと思います。
  47. 平野三郎

    平野三郎君 飼料需給調整法は、社会党、改進党を中心としまする野党各派の提案で、現在農林委員会に付託になつ審査を進めておるわけでございまするが、私ども提案者としては、この飼料需給調整法というものは適当でないという理由で、今回この法案を別個に提出いたしまして、大蔵委員会において御審査を願うこととしたのであります。どこが違うかと申しますと、飼料需給調整法輸入ということを前提といたしておりません。もちろん輸入ということもすればいいわけでありますが、飼料需給調整法の中には、輸入をするということはうたつてないわけでありまして、ただ現在政府食糧として輸入しておりますところの麦から発生するふすまは、政府が製粉工場に対しまして必要なるところの指示をすることができるという内容になつておるわけであつて、現在ふすまというものは全然自由になつておるわけでありまするが、これを再び政府が管理して統制を加えるというような意味を持つておるわけであります。自由党といたしましては、これは国民の好むところではないというような考え方で、とにかくどうせ足らないのであるから、国内においてそういうものを一々政府が統制をして管理したからといつて絶対量そのものがふえるのでなければ、決して価格の安定ということは期し得られないのではないか。そうした無用な統制は避けて、飼料が足らなければ輸入をして、絶対量をふやすことによつて間接的に価格の安定をはかるということがいいのではないかという見地から、今回この法案提出いたしたわけでありますので、御了承を願いたいと思います。
  48. 奧村又十郎

    奧村委員 飼料需給調整法においても、飼料需給調整のために国の方からかなりな補給金を出すということを考えておるようでありますが、その点を伺いたい。
  49. 平野三郎

    平野三郎君 飼料需給調整法によつて輸入をするものは、全部食糧なつておるわけであります。現行法においては食糧輸入政府ができますけれども、飼料輸入というものはできない建前になつておるわけで、この法律案が御審議の結果幸い御可決を願えれば、できることになりますけれども、現在ではできない。従つて食糧として輸入しておりますところの麦から発生するふすまというものを、飼料にするということだけのことでございます。特に先般来マニトバなどをいろいろ輸入しておりますけれども、マニトバというものは非常に品質の悪いものであつて食糧としては適当でないわけでありますが、ただ悪いものであるだけに多分にふすまが出るわけであります。マニトバ五号の場合には、ほとんど半分がふすまになるというわけで、食糧としては不適当であるが、飼料が足らないのだということで、あまり使いものにならないようなマニトバを輸入するということでありますけれども、しかしこれは今日の日本食糧事情から見れば逆行するところであります。ということは、麦の統制が撤廃されまして、だんだん良質の粉が要求せられておるわけでありますから、精麦度をだんだん高めて行くというのが本旨でありまして、マニトバのようなものを輸入したのでは、これは食糧としてはあまり歓迎されない。だから本来ならばこういうものは輸入すべきものではないのでありますけれども、飼料輸入できないということのために、やむを得ず食糧としてマニトバを入れて、そうして実際は飼料にこれを向けるということを政府がやるわけなんでありまするが、こうしたことはやはり不適当であるから、できればふすまそのものを輸入するということが最も適当でありまするので、今回とうもろこしとか、大豆かすとか、ふすまとかいう純然たる飼料輸入することができるという、はつきりした法律をつくることがいいのではないか、こういうことで提案をいたしておるわけでございます。
  50. 奧村又十郎

    奧村委員 そこでわれわれは、この法律に基いて食管会計外国から飼料をどんどん買い入れ、そして豊富に供給し、また価格を安定するということについては、非常に時宜に適した処置であると考えるのであります。そこで本案が実施された場合において、政府におかれましては、これは当然現在の食管の予算を修正せねばならぬと思うのであります。その予算の修正は、補正予算を組む際に、あるいは来年度予算においてこれを改訂することになるわけでありますが、当分のところはどういうふうにしてやつて行かれるのか、二十五万トンというのは年間の輸入量と思いますが、これは当分のところ現行の予算をかえずにやつて行けるのかどうか。そこらの予算との関連をお尋ねしておきたいと思います。
  51. 松任谷健太郎

    ○松任谷説明員 お尋ねの点につきましては、本案が施行になりまして補正予算が成立いたしますれば、正当にこれを買い入れまして払い下げるという措置ができるわけでございまするが、その間何か便法があるかどうかという点につきましては、実は事務的に大蔵省と折衝中でございまして、大蔵当局におきまして、たとえば預金部の問題その他等にわたりまして、検討をいたしておるという段階でございます。
  52. 奧村又十郎

    奧村委員 これは提案者はいつから実施するおつもりですか。その間補正予算でも早急に組まねば実行し得ないのではないかと思いますが、食管の金繰りの事情をお尋ねいたしたいと思います。
  53. 平野三郎

    平野三郎君 この法律の実施は、この法律の中に書いてありまするように、政令の定むる日からこれを施行するということになつておりますが、政令で定むるということについては、ただいま食糧庁の政府委員からお答えいたいましたようないろいろな含みがあるわけでございます。ただ現在最も飼料輸入を急ぐべき段階に来ておるわけでございます。それは御承知通り、現在は青草の時代であつて普通ならば一番飼料の安いという時期でありまするけれども、それでも今年は現在ふすまが、一俵八百円もするという非常な暴騰の状態にあるわけで、これが秋になりますると急激に高くなつて来るわけでございます。このままで行けば、おそらく秋には千円を越すのではないかという憂慮すべき状態にあるわけでありまするから、何としても今輸入の手配をいたしまして、この秋に間に合うようにするということが必要でありまするから、幸いこの法案が成立いたしますならば、政府をして早急にその手配をさせるというふうにいたしたいと、提案者としては考えておるわけでございますが、この予算措置につきましては、現在食管にありますところの三十億の予備金を一時流用いたしまして、そうしてこの手配をするというふうに考えておるわけで、いずれ補正予算の機会等がありますならば、当然その場合に措置をする、こういうことになろうかと思うわけでございます。
  54. 奧村又十郎

    奧村委員 次に、飼料の供給の増加及び価格の安定を目的としておるわけでありますが、この価格の安定はどういうぐあいに実現しようとするのであるか、政府の御意見をひとつ承りたいと思います。つまり年間二十五万トン入れれば、これは自動的に供給も増加され、価格も、二十五万トン入れば自然的に安定するんだというお考えですか、それとも二十五万トンの価格はある程度政府が標準価格と申しますか、一定の価格をきめて、そうして売渡しについても、価格をある程度指示して出す、それで要するに、政府のこの食管から出した飼料だけの価格は一応安定するのだ、いわゆる統制的な考えでこれをなさるのでありますか。つまり二十五万トン入れれば、自然的に価格は安定するのだ、こういうお考えですかどうか。その点お尋ねしたいと思います。
  55. 長谷川清

    長谷川政府委員 飼料の需給でございますが、御承知のように自給飼料購入飼料、しかも購入飼料の中におきましても、品種が非常にたくさんありますので、この需要推算はなかなか困難なのでありますが、現在私たちといたしましては、年間大体百六十万トンの流通飼料が確保できれば、その価格は一応安定するのではないか。百六十万トンの飼料を確保しますためには、輸入飼料を二十万トンないし二十五万トン程度確保する必要がある。こういうふうに考えておるのであります。特に先ほど平野議員からお話になりましたように、夏場はどうしましても草その他の自給飼料が豊富でありますので、夏場の関係は割方楽でありますが、冬場になりますと、飼料価格が高騰するというのが通例であります。従いまして、年間の需給数量がかりにとんとんになりましても、夏場余つたということではおもしろくないのでありまして、冬場の足らないものを確保する処置が絶対に必要ではないか、それにはこの際二十五万トンをなるべく早目に入れておきますれば、端境期に対する飼料の不足を緩和するに大きな力があるし、それによりまして価格の安定を期し得ることになると考えられるわけであります。
  56. 奧村又十郎

    奧村委員 それでは要するに飼料需給調整協議会ですか、そういうような機関でもつて、一定の価格の基準を設けて、その価格以上に暴騰した場合には売る、そういうようなことで調節なさるのでありますか。
  57. 長谷川清

    長谷川政府委員 全体的の考え方といたしますると、今申し上げましたように数量を確保いたしますれば、一応安定するというふうに考えるのが至当ではないかと思うのでありますが、しかし具体的な問題になつて参りますると、端境期等におきまして、飼料の値段が不当に上るというようなことが考えられますれば、今お話飼料需給調整協議会等で適当なる値段を協議いたしまして、それ以上の価格にならないように、行政的にやつて参りたいというふうに考えておる次第であります。
  58. 高間松吉

    ○高間委員 大体のこの法案趣旨は了承したのでありますが、ひとつお伺いしておきたいことは、協議会のメンバーはどういうふうな形において組織されるのであるか。同時に、たとえば協同組合とかあるいはまた業者、そういうふうな面の構成はどういうふうにお考えなつておりますか。
  59. 長谷川清

    長谷川政府委員 飼料需給調整関係のある人をもつて、メンバーにいたしたいというふうに考えておるのでありまして、具体的には、使用者団体でありますところの農業協同組合の代表者でありますとか、あるいは飼料取扱い業者の代表者でありますとか、あるいは場合によりますと輸入業者の団体でありますとか、そういうものを加えまして協議会をつくりたいと考えております。
  60. 小山長規

    小山委員 私も提案者の一人として、この法案に賛成をしておるのでありますが、たまたま野党側から飼料需給調整法という提案がありまして、そのためにこの法律案に対していろいろ難くせをつけておる面があるのであります。そこでこれは国民の側に明らかにしておかなければならぬという点を、ただいま奥村委員からも申されたのでありますが、一、二点追加して、提案者並びに政府側の御意見を明らかにしていただきたいことは、飼料輸入して、それを安く売るために、先ほど提案者の話によると、若干赤字が特別会計に出るであろう、こういうことであります。しからば食管特別会計の赤字を補填するために、他の輸入食糧の値段のつり上げをはかるというようなことはないかということを、懸念される向きもあるのでありますが、この点提案者はいかがお考えなつておりますか、承つておきたいのであります。
  61. 長谷川清

    長谷川政府委員 輸入飼料を放出することにおきまして、食管特別会計に若干の赤字を生ずることがありましても、それによりまして、他の一般の食糧が値上りをするというふうには、私たちは考えておらないのであります。飼料飼料で、食糧とは別に考えればいいのではないかというふうに考えております。
  62. 小山長規

    小山委員 食糧管理特別会計というものは一本の特別会計でありますから、片方において赤字が出た場合に、かりに特別会計において最初の予算通りに執行するとするならば、当然他の輸入食糧を民間に払い下げる場合は少し高く売つて、最初の予定よりも高く売つて、そこで予算以上の利益を上げて、これを補うであろうということは、まず一般に想像されやすいことである。そこで政府がかりにこれを補正予算とする場合に、その赤字は赤字として処置するのだという心構えがないと、これは当然他の輸入食糧価格つり上げということに波及して来はしないか、野党側はこういうことを必ず言うのであります。その点はどういうふうな心構えでおるか、この点をはつきりしておく必要があると思うのであります。
  63. 平野三郎

    平野三郎君 お話通り、食管の赤字をできるだけ少くするということのためには、そういうこともやつてやれぬことはないわけでありますけれども、提案者として考えておりますることは、これは今までの食管の補給金というものとは全然別個に、また飼料についても当然多少の赤字が出るであろう、その赤字は、いずれ一般会計から補填をしてこれを埋める、こういう考えで進んでおるのでありまして飼料の方の赤字を食糧の方の操作によつて穴埋めをして行くというようなことは、毛頭考えていないわけでありまして、当然飼料を追加することによつて、新しい赤字の若干は覚悟をせねばならぬ。こういうことで、大蔵大臣とも数次にわたつて折衝いたしまして、大蔵省としてもそういう認識のもとに賛成をしておるわけでございますから、その点はこの際明確にひとつ申し上げておきたいと思います。
  64. 小山長規

    小山委員 その点でそれは明確に相なりましたが、次には、これまた必ず非難として出るであろうと思うのでありますが、この点についてはこれは特に政府として、どういうふうに取締るかを伺つておきたいのであります。市価よりも安く飼料を売ろうとするのでありますから、買つた方の人はもうけが出ることはきまり切つている。それが不当に利益が出ないように、つまり安く売つたものが、安く末端の需要家に行き渡るようにするためには、どのような行政手続をとられようとするか。これはおそらく野党側としても、一番非難なりあるいは言いたいところであろうと思うのでありますが、これはほんとうに法律案の執行として明確にしておかないと、いろいろな非難事項とも相なろうかと思いますので、それについての心構えなりあるいは方法なりについて、もはやすでに行政当局としてはお考えがあろうかと思いまするからして、この点をひとつつておきたいのでございます。
  65. 長谷川清

    長谷川政府委員 この法案考え方は、これによりまして輸入飼料を確保いたすのでありますから、全体の需給バランスは一応とれる。従つて市場価格が不当に高騰することはないであろうというふうな考え方に立つわけであります。しかし現実の問題といたしますと、特に冬場等におきましては、一般の市価が相当高くなることが考えられます。この場合におきましては、お話のように、この飼料を市価よりも安く配給をするという場合が考えられます。従つて取扱い業者に対する監視、監督が十分でありませんと、せつかくの飼料末端まで安く配給されないという欠陷が生ずることは、御指摘の通りでございます。私たちこの点につきましては、先ほど来申し上げますように、飼料需給調整協議会の方々ともよく御相談を申し上げ、適切なる方策を講じたいと考えるのであります。その一つとして考えられますことは、取扱い業者の手数料と申しますか、取扱いの費用を、ある程度一定にするというようなこと、また必要な場合におきましては、なるべく実需者に近い団体に小口に配給をするというようなことも、あわせて考える必要がある場合も生ずるのではないかと思つておるのであります。御指摘の点につきましては、この法案が成立いたしますれば、御趣旨に沿つて、できるだけ的確に、しかも適正価格で実需者に渡るような方策について、さらに研究を進めたいと考えておる次第であります。
  66. 小山長規

    小山委員 この点は国民、ことに需要者側としては一番関心を持つ点であります。ただいま畜産局長の申されましたように、つまり最末端需要者に一番近いところに、じかに政府側から供給する。その考え方は私は一番正しいと思います。だからできるだけそういう線に沿つて、途中でブローカー連中に利益を与えないように、これはぜひそういう心構えなり、あるいはそういう行政措置でやつていただきたい。それだけ希望を申し上げておきます。
  67. 佐藤重遠

    ○佐藤委員長 別に御質疑はございませんか。——次会は明二十六日午前十時から開会することといたします。  なお明日は午後一時から未復員者給与法等の一部を改正する法律案につきまして、連合審査会を開会する予定であります。この際御報告いたしておきます。振つて出席をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十六分散会