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1952-06-19 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第93号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十九日(木曜日)     午前十一時二十四分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君       清水 逸平君    高間 松吉君       苫米地英俊君    夏堀源三郎君       宮幡  靖君    武藤 嘉一君       深澤 義守君    久保田鶴松君       中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君         大蔵事務官         (管財局長)  内田 常雄君         大蔵事務官         (銀行局資金運         用課長)    高橋 俊英君         郵政政務次官  寺本  齋君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         大蔵事務官         (管財局外国財         産補償課長)  松永  勇君         大蔵事務官         (管財局閉鎖機         関課長)    堀口 定義君         農林事務官         (食糧庁総務部         企画課長)   齋藤  誠君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 六月十九日  委員有田二郎君辞任につき、その補欠として武  藤嘉一君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 六月十八日  未復員者給與法等の一部を改正する法律案(大  谷瑩潤君外七名提出参法第一四号)(予) 同月十九日  昭和二十六年産米穀超過供出等についての奨  励金に対する所得税臨時特例に関する法律案  (佐藤重遠君外二十三名提出衆法第七五号) 同月十七日  物品税法の一部改正に関する請願山口シヅエ  君紹介)(第三七九四号)  政府資金統一運用に関する請願畠山鶴吉君  紹介)(第三八〇四号)  同(松本善壽紹介)(第三八〇五号)  同(上林與市郎紹介)(第三八〇六号)  同(本間俊一紹介)(第三八三〇号)  同(上林與市郎紹介)(第三八六〇号)  同(上林與市郎紹介)(第三八六二号)  同(中村清紹介)(第三八八二号)  石炭手当に対する所得税免除に関する請願(柄  澤登志子紹介)(第三八八三号)  陶管陶瓶及び粘土かわら燒成用工業塩指定  に関する請願三宅則義紹介)(第三九〇〇  号)  旧軍用土地及び建造物の無償拂下げに関する請  願(堀川恭平紹介)(第三九一二号)  未復員者給與法による療養者生活費支給に関  する請願武藤運十郎紹介)(第三九一三  号) の審査を本委員会に付託された。 同日  政府資金統一運用に関する陳情書  (第二五〇七  号)  同(第二五〇  八号)  同  (第二五〇九号)  同(第二  五一〇号)  同(第二五一  一号)  佐嘉神等境内地拂下げに関する陳情書  (第二五一二号)  未復員者給與法適用患者療養保障に関する陳  情書  (第二五一三号)  水田裏作收益に対する課税に関する陳情書  (  第二五四〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  閉鎖機関令の一部を改正する法律案内閣提出  第一四三号)  接收貴金属等数量等報告に関する法律案(  内閣提出第二三一号)  簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出第二四一号)  資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二四二号)  連合国財産返還等に関する政令等の一部を改  正する法律案内閣提出第二四七号)  昭和二十六年産米穀超過供出等についての奨  励金に対する所得税臨時特例に関する法律案  (佐藤重遠君外二十三名提出衆法第七五号)     ―――――――――――――
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  閉鎖機関令の一部を改正する法律案接收貴金属等数量等報告に関する法律案簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案資金運用部資金法の一部を改正する法律案連合国財産返還等に関する政令等の一部を改正する法律案の五案を一括議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。小山長規君。
  3. 小山長規

    小山委員 閉鎖機関令改正案についての当局の説明を求めたいのでありますが、閉鎖機関なるものはどういう根拠によつて、そうしていかなる目的をもつてこれは制定せられたものであるか。これを一通りまずお伺いしたいのであります。
  4. 堀口定義

    堀口説明員 お答えいたします。現在の閉鎖機関の仕事は、御存じのように閉鎖機関令に基いておるわけでありますが、この閉鎖機関令は、当切ポツダム政令でありまして、司令部の指示によつてつくつたものであります。その一番根本的な閉鎖機関指定及びこの清算目的と申しまするのは、一つには従来国の膨脹政策なり、あるいは戰時中の国策に順応して海外等活動した会社等を整理して、残つたものは平和産業その他に転向して行こうということでありますが、一つの点は、要するに過去の行為に対する若干の懲罰的な面が確かに含まれておつたと思います。しかしややもすると忘れがちな第二点でありますが、当時一千億以上に上る資産を持つてつたわけであります。その中には工場もあればあるいは生糸もあります。あるいはいろいろ重要な織物その他もあつたわけであります。従いましてそのパージ的な色彩があつたことは事実でありますとしても、早くこの資産日本の戰後の国民経済に役立たせい。それを内外一緒清算する日まで待つてつたのでは、いたずらに死蔵することになるというわけでありまして、国民経済の面から見まして、早くこの資産を新しい経済活動運用したいという面が、非常に強かつたわけであります。その二点が大体閉鎖機関指定及び清算の重要な目的であつたというふうに解しております。
  5. 小山長規

    小山委員 閉鎖機関閉鎖機関として指定したということは、一つは政治的に考え戰時中における活動の懲罰的な目的が含まれておる。第二には、戰後混乱時代において国民経済に寄與するために、これらの資産国民に配分するという目的があつたということでありますが、国民経済的な部面については、もはやすでにこの目的は達成せられたと思うのでありますし、また懲罰的な面と申しますか、これまた独立後戰争犯罪者の釈放、減刑すら行われようとするときに、この閉鎖機関ひとり懲罰的な制度として残しておくことはいかがかと思うのでありますが、なおこれを存続しなければならぬ何か根本的な理由がありますか、それを伺つておきたいのであります。
  6. 堀口定義

    堀口説明員 お答えいたします。仰せ通り、その懲罰的意味におきます閉鎖機関の解体ということにつきましては、全然現在その意味を失つておるということは明言できることだと思います。第二点の国民経済の面に寄與するという点につきましても、大体八〇%以上その目的を達しておりますので、あとは最後締めくりという段階になつておるのでございます。従いまして私たちといたしましては、できるだけ早くこの最後の締めくくりをいたしたいという考えでありまして、今度御審議をお願いしてあります法案におきましても、民法及び商法によつて清算ができるような機関につきましては、すみやかにそり指定を解除いたしまして、一般民法商法による普通の清算人を立てまして、そのもとに清算を進めるなり、あるいはもしその希望があれば、新しく会社をつくるなりできるような方向に向けてやりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  7. 小山長規

    小山委員 一日も早く普通の清算手続によりまして、株主その他の利益を擁護するという建前で、今度の法律案提出せられたことはよくわかるのでありますが、朝鮮銀行であるとか台湾銀行であるとか、従来日本株式会社として設立せられ、そうしてその大部分株主日本人であるそれらの銀行等につきまして、あるいは一般民法商法によるところの清算手続が、今度の改正令において予定されていないということについては、はなはだ遺憾と考えるのでありますが、これについては何か特殊な理由があるのでありますか、伺つておきたいのであります。
  8. 堀口定義

    堀口説明員 その点に関しましては、ほかの閉鎖機関と同様に一日も早く解除してあげたいということは、政府としても同意見でありまして、早くしてあげたいわけでありまするが、それに関しましては二つの理由があると思います。一つ法律上の問題でありますし、一つは政治的な問題じやないかと思います。  第一点につきましては、朝鮮銀行台湾銀行等は、日本法律によりまするいわゆる日本法人ではありますが、本店がやはり外地にありまして、それからその株主の一部にもやはり朝鮮人及び台湾人が含まれておるわけであります。そういう関係から解除しただけでは、ただちに民法及び商法上の清算に移ることが法律上できない。従いましてそれを可能にするためには、やはりそれに必要な、内地に店舗を移すというような援権をしなければならぬ。それから株主総会等の通知を出しても、あるいは届くかどうかわかりません。そういう手続上のこまかい問題もいろいろあるわけであります。従いまして、そういう立法をすることは、外国と何ら関係のない国内機関において解除すると、商法民法移つて清算ができるということと違いまして、国がそれだけの新しい援権をする法律をつくるというかつこうになるわけであります。それが第二の点と関連するのでありますが、現在これらの台湾銀行及び朝鮮銀行等資産負債につきましては、いわゆる條約の規定によりまして、中華條約も同様でありますが、相互の話合いによつてきめるということに一応なつておるわけであります。従いまして、その決定を見ないうちに、一方的に本、支店を分離して、本店資産負債等関係を一切顧みず、支店だけの清算をやつて行くことが、現在の段階において安心してできるかどうかというような点がありますので、なるべく早く株主及び債権者の手による清算に移りたいと考えておりますが、時期的にもうちよつと待つ方が好ましいのではないかということで、今度の法案はその点の道を開いておらないわけであります。
  9. 小山長規

    小山委員 ただいまの法律的な面においては、政府見解とわれわれの見解は若干意見を異にするのであります。すなわち日本法律でできました株式会社であり、その大部分株主日本人でありますから、この株主総会を開けないということは法律上はないのであります。株主総会は開けますし、従つて株主総会が開けます以上は、定款の変更によつて京城にあつた本店を東京に持つて来ることは、これは法律上可能なのであります。従つてその点についてはわれわれは見解を異にするのであります。  第二の点であるところの、平和條約において朝鮮にある日本資産については、話合いによつてこれを処置するのであるという平和條約の規定がありますので、あるいはその点において政府が躊躇されておるのではないかというふらむことは考えるのでありますが、しかしこの場合においそも、国会といたしましては、朝鮮銀行なりあるいは朝鮮殖産銀行なり、その他日本法律でできて、かつ朝鮮本店がある、しかもその株主の圧倒的大多数は日本人であるというような会社の場合においては、これは日本資産であり、日本人に所属するものであるということを強く主張される意思はあるのかどうか、その点はどうしても確かめておきたいのであります。第一点の法律上の問題についての疑点についても、なお政府のお考えをさらにお伺いしておきたいのであります。
  10. 堀口定義

    堀口説明員 第一点についてでありますが、第一点につきましては、本店をこちらへ持つて来て登記するというような手続上の問題があるいは起るかもしれませんが、これにつきましては共通法というものがありまして、これが現在まだ廃止になつておりませんので、法務府としては一応これによるのだろうと思いますが、それによりますと、法人登記ということには、やはりその地域において許される営業でないと、許可されないような一応の仕組みになつております。従いまして、向うにおきまして中央銀行的な一つ発券銀行をやつております場合に、それをこちらへ持つて来て、形式的にすぐ登記ができるかどうかというようなこまかい手続上の問題でありまして、なお研究の余地もあることでありますから、私どもとしても確信はございませんが、そういうようなややこしい問題もありますので、法務府としても、登記をして、これで移せるというところまでまだ行つておらないと思います。その点を御了承願いたいと思います。  それから第二点でありますが、第二点につきましては、これは所管はやはり外務省でありまして、私たち直接の権限も、あるいは意見も特に申し上げるべきでないと思いますけれども、少くとも清算を監督しておる立場から見ますれば、小山委員の御主張通り強く主張すべきであるし、主張いたしたいというふうに考えております。
  11. 小山長規

    小山委員 これは国会考え方としてそうであるという旨は、機会がありました場合には、ぜひ政府主張として申し伝えていただきたいと思います。  次には朝鮮銀行なり、台湾銀行なり、あるいは朝鮮殖産銀行なりが当分の間閉鎖機関として存続するという場合に、株主あるいは旧理事者利益をいかにしてこれに反映させるか。従来閉鎖機関であります間は、株主なりあるいは旧役員においては、清算過程において発言機会もなければ、帳簿閲覧機会もない規定になつておると思うのでありますが、情勢も変化しておるわけでありますから、なお政府任命による清算人を置く場合におきましても、これらの株主利益を代表する人々が、清算過程において何らかの発言ができるような措置を講ぜられる意思政府にありますかどうか、その点を伺つておきたいと思います。
  12. 堀口定義

    堀口説明員 お答えいたします。仰せ通りでありまして、当初閉鎖機関指定し、どんどん清算をやつて行つたという時代とは大分違つておりますし、当然株主なり債権者の意向を十分聞きまして、合理的に清算をやつて行くべきであるというふうに私たち考えておる次第でございます。実際のやり方として、それをどういうふうにやつて行くかという点につきましては、現在の閉鎖機関令でも株主総会意見を聞かなくてもいいということでありまして、開いていかぬということでもないし、聞いちやいけないということもありませんので、その辺なお運用余地がありまして、具体的にはやはり株主全体の意見から見まして、適当な人を顧問なり相談役というようなかつこうで、しかるべき人数この清算にタツチとていただきまして、さつきも問題になりましたように、外交交渉の問題もあるでしようし、将来のいろいろな考え方の問題もあると存じますので、その点独断的でなく、納得づくで、うまく行くように、完全な解除に至る過程といたしまして、できるだけ円滑に行くような措置を講じたいと考えて、現在すでに話を進めております。
  13. 小山長規

    小山委員 株主なり旧理事者発言機会を與えるという意味で、政府の任命する清算人顧問なり相談役なりを、これらの株主代表者の中から選ぶという御趣旨でお進みになると承りまして、その点は行政的に解決できると、かように考えるのでありますが、その時期はいつごろからというふうに御予定になつておりますか。あるいは何人ぐらいというふうに御予定になつておりますか。
  14. 堀口定義

    堀口説明員 それにつきましても、具体的にこちらから何人ということでなく、おも立つた株主あたり意見を徴しまして、この人とこの人は適当である、それから何人であるというようなことも相談で行こう、但し非常に人数が多くなりまして、名前だけ連ねる、あるいはこのために清算経費だけが非常に膨脹するということもいかがかと思いますので、その辺は二、三人程度を相談づくで、まあ機関の大きいところもありますし、小さいところもあります。それから外交関係その他も、御相談する必要の量なり性質の問題もありますので、特殊清算人とよく相談して、うまく納得の行くようにやつて行きたいと考えております。
  15. 小山長規

    小山委員 そういうふうな清算人とかあるいは相談役というものは、法制的に置くわけじやないと思います。プライヴエートなものでありましようが、給料は出る道はあるのでありますか。
  16. 堀口定義

    堀口説明員 その点は、特殊清算人自体政府が任命いたしますが、顧問なり相談役というものは、通常の会社の社長に対する顧問なり相談役というようなものと同じ性質でありまして、十分顧問料なり何なりという名目で、適正な額を支出する道はあると思うのであります。
  17. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいま議題となつておりまする五法案のうち、閉鎖機関令の一部を改正する法律案につきましては、質疑も大体盡されたと思われますので、この際質疑を打切られんことを望みます。
  18. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようでありますから、閉鎖機関令の一部を改正する法律案に対しましては、以上をもつて質疑を打切ることにいたします。  次にただいま質疑を打切りました閉鎖機関令の一部を改正する法律案議題として、討論に入りたいと存じます。本案につきましては、自由党小山委員から修正案提出せられておりますので、まず修正案提出者より、修正案趣旨弁明を求めます。修正案提出者小山長規君。     —————————————
  20. 小山長規

    小山委員 ただいま議題となりました閉鎖機関令の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、修正趣旨を弁明いたします。  修正案の案文につきましては、お手元に配付いたしてありますので、これをごらん願うことにいたしまして、この際朗読を省略いたします。  修正の要点は、政府原案におきましては、閉鎖機関特殊清算対象範囲を擴大して、本邦外にある本店支店その他の営業所にかかわる債権及び債務をも含ませることとし、かつ閉鎖機関在外負債のためにその国内資産のうちから留保されている資産について、平和條約に基く在外負債処理の問題が決定次第、それに応じて処理することができるように、所要の改正がいたされておるのでありますが、これを修正いたしまして、閉鎖機関特殊清算対象範囲の擴大を、本邦外にある本店支店その他の営業所にかかわる債権のみにとどめ、さしあたり債務につきましては、これを除外することにいたしたのであります。その理由といたしましては、第一に平和條約発効の結果、今回連合国から返還を予想される在外資産は、閉鎖機関との関係におきましては、ブラジルにある旧正金銀行債権を除いては、さしあたり該当事項が見当らないのでありますので、この際特殊清算対象在外債務まで加える必要はないというのが、一つ理由であります。  第二の理由といたしましては、朝鮮等の旧領土との間の財産及び請求権処理につきましては、平和條約第四條によりまして、日韓両国間の特別とりきめによつて決定されることとなつておりますので、今後の彼我の交渉によつて解決されるべきものであり、従いまして未確定な在外債務を、国内留保資産をもつて返済するような立法をしておきますときは、今後の外交交渉に際し、かえつて相手方に有利な口実を與える結果とならないかを非常に心配せざるを得ないのであります。このような観点からしましても、今日の段階におきまして、在外債務特殊清算対象範囲に加えることは何ら必要がないのみならず、かえつて有害かつ不適当であると認めたのであります。  なお第十九條の三に関する修正部分は、政府原案において脱漏いたしておりましたのを追加いたしたものでありまして、別に説明を加える必要はないと存じます。  何とぞ御賛成あらんことを希望いたしります。
  21. 佐藤重遠

    佐藤委員長 修正案趣旨弁明は終りました。  これより本案及び修正案一括議題として討論に入ります。
  22. 奧村又十郎

    奧村委員 本案につきましては、原案及び修正案ともに、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
  23. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようですから、本案及び修正案につきましては、討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。  まず、小山提出にかかる自由党修正案賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  25. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて修正案は可決されました。  次に、本修正案修正部分を除いたる原案賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  26. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案小山提案のごとく修正議決せられました。     —————————————
  27. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次にただいま付託になりました不肖佐藤重遠外二十三名提出にかかる昭和二十六年産米穀超過供出等についての奨励金に対する所得税臨時特例に関する法律案議類として、提案者より提案趣旨説明を聴取いたします。提案者小山長規君。     —————————————
  28. 小山長規

    小山委員 ただいま議題となりました昭和二十六年産米穀超過供出等についての奨励金に対する所得税臨時特例に関する法律案について、提案理由説明いたします。  御承知の通り昭和二十六年産米穀生産高は、災害等事情により、約六千二十七万石にとどまり、前年の約六千四百三十三万石に対して相当の減收となつたのでありまして、このため供出割当数量も、前年の約二千八百八十四万石に対して、約二千四百四十七万石に減額されるに至つたのであります。ここにおいて、配給食糧確保のため、供出完遂はもちろんのこと、進んで超過供出にまつ必要が非常に強くなつたのでありますが、一方この間諸般の状況から、供出割当が遅延する等の事情があり、供出面において種々の困難を生じたのであります。  そこで政府においては、右のような特殊の事情にかんがみて、超過供出の促進に資するため、いわゆる超過供出奨励金を交付するとともに、匿名供出を認め、さらにこれに関連して超過供出奨励金に対する昭和二十七年分の所得税については、何らかの措置により、これを課税対象から除外することを考慮する旨の発表があつたのであります。しかしてこれらの措置により、幸い農民諸君の協力を得まして、供出成績も逐次上昇し、本年五月末現在の供出数量は約二千五百十六万石に達し、各農家についての超過供出数量も、総額約百四十余万石に達するものと推定されるに至つたのでありまして、国民生活の安定に資するところ少くないものと存ずるのであります。しかして超過供出奨励金に対する所得税については、あるいは政府行政的措置により、これを課税しないこととするという意見もあつたのでありますが、これでは所得税法適用上、困難な問題があると認められ、措置の徹底を欠くおそれもあるのではないかという懸念も考えられますので、これを立法により明確にすることが適当であると認め、ここに本法律案提出することしたのであります。しかしてこの措置を講ずることといたしましたゆえんは、もつぱら以上に述べましたような、やむを得ない特殊の事情及び経緯に基くものでありまして、本法律案も二十六年産米穀についての一年限りの臨時立法としているのであります。  以上が本法律案提出した理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに賛成されるよう切望する次第であります。
  29. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより本案に対する質疑に入ります。
  30. 奧村又十郎

    奧村委員 本案目的とする事柄につきましては、本国会の当初において、すでに政府の方針が明らかにされておつたのでありまして、この点は提案理由説明にも述べられたところでありますし、また当委員会においても、それに関してかねてから十分質疑も行われておつたことでありますから、この際質疑はとりやめ、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます
  31. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようですから、本案につきましては以上をもつて質疑討論を省略して、ただちに採決に入ります。  本案原案通り可決するに賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  33. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立総員。よつて本案原案通り可決いたしました。  なおただいま議決いたしました両案の委員会報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  34. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に連合国財産返還等に関する政令等の一部を改正する法律案、及び接收貴金属等数量等報告に関する法律案の両案を一括議題として、質疑を行います。
  35. 中野四郎

    ○中野(四)委員 この際私は参考人の要求をいたしたいと思います。それはかねて本委員会におきまして、二日間にわたつて参考人諸君の参考意見を徴しまして結果、青木参考人より、この接收貴金属に対して、特に日本銀行の地下室にあるダイヤモンドあるいは金塊をば、埼玉県の自宅へ疎開をしたということは、当時大蔵省の外資局長であつた久保文藏君、櫻井という事務官の依頼によるものだという話でありましたが、私はこの久保前外資局長並びに櫻井君にこの事実を確かめましたところが、本日の毎日新聞でも御承知の通り、主計局の役人が何億という予算を組んでも、現金には一銭も手を触れないように、ダイヤや金塊には何らタツチをしなかつた。しかも金塊は大蔵省で扱つたけれども、ダイヤモンドは軍需省の所管だつたのでまつた関係はなく、青木君に保管を依頼したり疎開を頼んだことは、断じてないと言つております。これはせんじ詰めれば相当せんさくする必要がありますけれども、本委員会の性格上から申しましても、それ以上に深くタツチすべきものでないと思うのでありますが、当時の軍需省でこのダイヤモンドを所管しておりました関係官は、兵器行政本部の総務部長とかあるいは整備局の戰備課長とか、軍務局の軍事課長というような、それぞれの主管の課長がありまして、これらとの間に深い関係があつたのであろうと思うのです。本委員会において参考意見を求めたいと思いますことは、大蔵省が日銀地下室にあつた金塊、ダイヤモンドに、事実上接收当時あるいは接收前に関係があつたかなかつたかということを、明らかにする必要があると思いますので、はなはだ恐縮に存じますけれども、元大蔵省の外資局長でありました久保文藏、現日新印刷工業株式会社の社長であります。それから当時タツチをいたしました櫻井事務官、これは群馬県のどこか税務署の署長をしておるという話でありますから、この両君をば来る土曜日に参考人としてここにお招きをいただきたいということを、お願い申し上げます。
  36. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいま中野委員より、前外資局長、現日新印刷工業株式会社社長久保文藏君及び櫻井君を、接收貴金属等数量等報告に関する法律案に関する参考人として意見を聴取するため、来る二十一日土曜日に招致してもらいたいとの要求がありましたが、さよう決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  それでは暫時休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた