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1952-06-03 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第82号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月三日(火曜日)     午前十一時三十五分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 佐久間 徹君 理事 松尾トシ子君       淺香 忠雄君    有田 二郎君       川野 芳滿君    島村 一郎君       夏堀源三郎君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮原幸三郎君       武藤 嘉一君    深澤 義守君  出席政府委員         外国為替管理委         員会委員   大久保太三郎君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君  委員外出席者         総理府事務官         (外国為替管理         委員会事務局資         金課長)    龍路 紀男君         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         大蔵事務官         (管財局閉鎖機         関課長)    堀口 定義君         通商産業事務官         (通商振興局経         理部長)    石井由太郎君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月三日  委員高間松吉辞任につき、その補欠として奧  村又十郎君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事宅則義君の補欠として奧村又十郎君が理  事に当選した。     ————————————— 五十三十一日  陶磁器製タイルに対する物品税撤廃請願(武  藤嘉一紹介)(第三二七〇号)  在外資産の補償に関する請願外一件(宮原幸三  郎君紹介)(第三三〇四号)  政府資金統一運用に関する請願夏堀源三郎  君外二各紹介)(第三三三二号) 六月二日  陶磁器製タイルに対する物品税撤廃請願(多  武良哲三紹介)(第三四二〇号)  政府資金統一運用に関する請願南好雄君紹  介)(第三四三三号)  同(田口長治郎紹介)(第三四三四号)  同(奧村又十郎紹介)(第三四三五号)  同(中馬辰猪紹介)(第三四三六号)  同(内藤友明紹介)(第三四三七号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  閉鎖機関令の一部を改正する法律案内閣提出  第一四三号)  緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する  法律案内閣提出第一九八号)  外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第二〇三号)  接收貴金属等数量等報告に関する法律案(  内閣提出第二三一号)     —————————————
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  まず理事辞任補欠選任の件についてお諮りいたします。本日理事宅則義君から理事辞任の申出がありましたが、これを許可し、そのかわりに奧村又十郎君を理事に指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議なしと認めましそれでは奧村又十郎君を理事に指名することにいたします。     —————————————
  4. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に閉鎖機関令の一部を改正する法律案緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、及び接收貴金属等数量等報告に関する法律案の四法案を一括議題といたします。そうして本日は、まず緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案、及び外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案の両案につい政府当局より逐次詳細なる説明を聴取いたしました上で、質疑に入ることといたします。説明員通産省通商振興局経理部長石井由太郎君。
  5. 石井由太郎

    石井説明員 緊要物資輸入基金特別会計法は、昨年の四月以来運用されておるものでありますが、同法の目的は、—主として特需需要を充足いたしますために、外国産の緊要な物資政府がみずから輸入、保有いたしまし国際協力の実を上げようとするところにあるのでございます。現在までの実績は、政府におきまして買入れの契約が成立いたしました金額約七億九千万円、うち引取りましたものが約四億円ということに相なております。買入れ契約の済んでおりまするものは、ニツケルが約五百六トン、合成ゴムが千七百八十六トン、石綿が百七トン、苛性ソーダ六百トン、コバルト三トン、原皮約四十二方六千トンでございましてこのうち引取られました物資は、ニッケルが四百三十七トン、合成ゴム六百七トン、石綿二十四トンといたような状況と相なつております。この会計はもつばら特需の原材料で、かつ国際的な希少物資に属するものの取得のみを目的として運用して参つたのでございますが、今後の独立後における日本経済の自主的な運営について考えてみますると、特需は、国際協力見地から申しましても、また国際收支上外貨收入源である見地からいたしましても、将来ともその充足を円滑にいたさねばならぬのはもとよりでございますけれども、さらにわが国の置かれておりまするいわゆる底の浅い経済という見地から考えてみますると、若干の国際経済界の波動によりましても、非常に深刻な影響を受けるという状況にございまするから、国際的な希少な物資にきましては、ぜひともこれの供給が安定して行われるように確保せねばならぬわけでございまし希少物資の持ておりまする国際的な通有牲といたしまし非常に価格の変動がはげしい。また往々にいたしまし市場売手市場でございまする関係上、日本国内から買付に出動いたしますれば、ただちに非常な高価をもつて押しつける。ことに希少物資でありますだけに、国内におきましての価格が非常に高い。これが国際流通秩序を乱しましあるものは国際的に原料割当会議等で想定いたしておりまする価格よりも、非常に高く買いつけねばならなくなるという弊害が多く見受けられるのでございます。さらには現在国際経済情勢から見まし取得しておきますれば有利かつ安定した供給を確保し得るにもかかわりませず、あるいは国内における関係産業金融難でございますとか、あるいは非常に少量ずつの需要なつておるというな関係で、これがうまく取得できないというようなものも見受けられるのであります。このような見地からいたしましてどうしてもこのような重要物資につきましては政府みずからが取得、確保いたしまし安定いたしました国内供給をはかろうというのが、本改正案目的でございます。いかにして国際的な供給不足物資を確保いたすかという具体的な計画といたしましては、でき得る限り有力なる外国生産商社間期契約を取結びまして、国際原料割当会議あるいは米国外国貿易局等割当規正等に従いつつ、これを取得して参りたいと考えておるわけでございます。また国際的に日本の当業者が熾烈なる競争をいたしまし不当に価格つり上げ競争をいたすというような弊害に対しても、事実上の買手独占をいたすことを排除して参りたいと考えておる次第でございます。現在計画をいたしまして持つております構想は、IMC国際原料割当会議から割当を受け得る見込みの物資ニッケル約八百トン、金額にいたしまして四億八千万円、コバルト二百四十トン、約七億二千万円、タングステン鉱約三百トン、四億五千万円、モリブデン鉱三百五十トン、約三億五千万円、ほかに石綿原皮亜麻仁油脂といつたようなものを約十億見込んでおりまして、三十数億の予定を組んでおるわけでございます。法文につきまして若干御審議の便宜のために、説明を加えさしていただきますれば、第一号にございます「国際條約、国際協定その他国際的な取極に基いて日本国に割り当てられた物資」と申しますのは——現在普遍的に存在しておりますこの種の物資についての国際的な協定をするのは、国際原料割当会議でございます。この国際原料割当会議によりまして、わが国輸入割当勧告がなされて参るのであります。現在国際原料割当会議におきまして、輸出輸入あるいは消費等割当を受けております物資は銅、亜鉛、鉛、硫黄綿花綿リンタータングステンモリブデン、マンガン、ニツケルコバルト、パルプ、紙、羊毛の十四品目でございますが、御承知通り羊毛綿花等国内に有力なる業者がおるのでございまし政府が特に買出動をいたす余地はないと存じますので、本基金は主としてタングステンモリブデンニツケルコバルト等稀少物資運用いたす考えでおります。第二号にございます「外国政府において輸出統制している物資その他国際的に供結の不足している物資で、政府において取得しなければ輸入することが困難なもの」と申しますのは、たとえばアメリカにおきましては、商務省の外国貿易局と申します機関におきまし多くの物資統制を行つておるのでございます。この物資取得いたすにつきましては取得者の側が信頼すべきものである、リライアブルなものでなければならぬ。必ずそれの消費につきまし十分に国内的規正が行われているということを、必要といたしておるのでございます。従いまし価格あるいは数量等につきましても、一般民間貿易によりましては、取得する実益が多くないのでございましてむしろ政府による一手取得一手販売によりまして確実なる消費流通規正行つた方がよいのではないかと考えているのでありまし先ほど申し上げました石綿あるいは原質といつたようなものに当てはまるわけでございます。  それからその後段にございます「政府において取得することを有利とするもの」と申します範疇に入りますものとしましては、民間からの買付が行われますれば、いわゆるオファーが競合いたしましてみすみす価格をつり上げるというようなことを意味し、また民間で買いつけるためには、資力その他の関係からいつて長期契約等ができない。従つて安定した供給を確保し得ない物資をさしておるわけでございまし石綿等がその適当な例ではないかと考えておる次第でございます。  おな本基金をもちまして取得いたしました物資国内運用につきましてはもちろん会計原則の定めるところに従いまして売拂い等が行われるのでございますけれども、一部の物資につきましては、御承知のごとく国際的供給不足物資等需給調整に関する法律がありましいわゆる規正等が行われておりますので、これらの用途につきましては逐次計画をしてやつて参ることにとりはからいたいと考えております。また拂下げ価格につきましては国内一般市価によりまして拂い下げるわけでございますが、本会計によりまして取得しました物資につきましては、昨年の臨時国会におきましては輸入価格を下まわらない値段で、市価よりも安く拂い下げてもよろしいという御承認を得ているわけでございましあるいは特需関係用途に、国際経済協力関係からIMC物資等を拂い下げる場合でありますとか、あるいはわが国の当面いたしております一番重要な経済的要請、すなわち産業合理化でございますとか、あるいは輸出の増進でございますとかいうような用途に対しまし国内価格国際価格との間に著しき開きのあるものにつきましては、国際価格を中心といたしました価格で売渡し等の措置を講じて前申しましたような趣旨に合致する運用を期したいと考えております。  なお従来、本基金活動がやや活発でございませんでした理由の一つは、IMC等の発足によりまし国際的な重要物資につきましては、国際的な規正が行われるようになつたのでございますが、その活動がなかなか軌道に乘りませんために、これに即応した十分な活動ができなかつたといううらみもあつたのでありますが、国際原料割当会議活動も逐次軌道に乘つて参りましたので、これらに即応した国内態勢としても、本制度運用したいと考えているのであります。  ついでをもちまし国際原料割当会議活動状況に言及して御説明申し上げますれば、昨年の二月十六日に発足いたしたのでありますが、現在加入いたしておりまする諸国は二十七箇国でございます。その統制割当等を行つておりまする物資は先ほど申し上げました十四品目でございますが、このために七つの委員会が設定されております。各委員会におきまして各国の事情を検討し各国に対して消費あるいは輸出輸入等勧告を行つておるのでございますが、これらの勧告を無視いたしましたり活動は、後の割当等の場合に考慮されることと相なるわけでございます。わが国が同会議から割当を受けておりまするものは、昨年の十月以降でございますが、ニツケル五百十六トン、コバルト百二十トン、タングステン百五十五トン、モリブデン七十七トンというような状況と相なつております。また同時にわが国といたしましては、国際的にやや生産の潤沢なる物資輸出割当を受けておるわけでありまし硫黄五千トン、銅一万六千四百五十トン、フエロ・タングステン百千トン、亜鉛千七百七十トン等の輸出割当を受けておるというような状況に相なつております。  以上簡単でございますが、本制度改正目的並びに運用計画につきまして御説明申し上げた次第でございます。
  6. 大久保太三郎

    大久保政府委員 ただいま御審議をいただいております外国為替資金特別会計法の一部改正法律案内容につきまし御説明申し上げます。  改正点は二点ございまし第一の点は、外国為替資金特別会計に属します外国為替資金を、今後外貨証券にも運用ができるというふうにいたす点でございます。最近わが国対外收束は非常に好調でございまして外国為替資金特別会計に属しております外貨資金相当の巨額に上つております。本年の四月末の米ドル並びに英ポンドの残高を申し上げますと、米ドル現金勘定は大体六億六千万ドル英ポンド現金勘定は一億一千万ポンドなつております。こういうふうな非常に順調な蓄積ぶりは、世界にもまれな成績であろうと思うのでございますが、こういう資金は現在のところ実際のわが国対外為替取引に利用いたしておるのでございまして、たとえて申し上げますと、日本為替銀行が発行いたします輸出信用上の保証金に利用する。また日本輸入の場合に外国で振り出された為替手形は、この資金から支拂いが行われるといつたふうに、貿易の決済のために利用いたしておるのはもちろんなんでございまするが、そういう需要に応じましなお相当余裕が生じて参つております。この余裕をできるだけ有利な、また確実な運用をはかつて行くということが必要なのでございまし現在すでに外国銀行等には定期預金をいたしましそれで相当利息收入を上げておるというふうに運用いたしておりますが、今後なお確実な外貨証券、たとえば米国大蔵省証券その他国債、またイギリスの大蔵省証券等にも運用ができるというふうにいたしたいと思いましこの道を開く必要がございますので、この特別会計法の一部改正を企てた次第でございます。  次に改正の第二点は、外国為替資金特別会計に属しております外国為替資金を、銀地金運用いたしました場合に、この評価をどうするか。銀地金価額大蔵大臣の指定する価額によつて評価するということに、改めたいと考えるのでございます。従来銀地金価額は、物価統制令に規定する統制価額によつて評価するということに、ただいまの法律なつておるのでございますが、このたび銀の価額統制が撤廃されることになりましたので、評価基準を銀については大蔵大臣の指定される価額によつて評価する、そういうふうにしようとするわけでございます。もつともただいまのところ、現在まで外国為替資金金銀地金運用をいたしました例はございません。ただいまそういう地金を持つておりません。今後もあまり例はなかろうかと思うのでございますが、ただいまの法律には銀にも運用できるという建前になつておりますし、そうなつておる以上は、評価をどうするかということをやはりきめておく必要がある、その評価のただいま基準なつておる統制価額がなくなる以上、何かそこにきめておく必要がございます。それで、大蔵大臣の指定される価額によつて評価するという、そういう技術的な改正をこの際いたしておきたいと考えました次第でございます。  大体以上をもちまし本案の改正内容についての御説明といたします。
  7. 佐藤重遠

    佐藤委員長 通告順によつて順次発言を許可いたします。奧村又十郎君。
  8. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの御説明によりますと、外貨の手持ちが非常にふえておるということでありますが、われわれは貿易外收入による外貨が非常にふえておるように聞いております。今のところどの程度貿易外收入ドル及びポンドがふえておるのか。なおつけ加えてお尋ねしたいと思いますが、特に駐留軍関係が個人で国内支拂米ドルがわれわれの予想に国内に流されるというふうに聞いておるのでありますが、これはしかし確実な政府筋からの話は聞いておりませんので、政府の筋でお話できるだけ、なるべく詳しくお話を願いたい。
  9. 大久保太三郎

    大久保政府委員 国際收支の現状につきまして御質問でございますが、ただいま手元に最近までの資料はあいにくと持つて参りませんでしたが、昨年中の暦年の資料がございますので、それで申し上げますと、一般輸出入関係におきまして、輸出ドル地域につきまして三億一千九百八十万ドル、それから輸入が九億四千五百万ドル、そういう数字なつております。特需その他の收入、これが大体三億八千六百五十万ドル、これは特需その他連合国等消費によるドル貨收入でございます。それからその他たとえば運賃であるとかあるいは保險であるとか、そういつたものの受拂いもあるのでございますが、昨年中におきましては、こういつたものはきわめて少額でありまして、そうしてしかもこれは拂い超過に相なつております。九千三百万ドルぐらい日本からの持ち出しということになつております。それからポンド受拂いでございますが、輸出は六億一千二百九十万ドル——これはドル單位で申し上げます。それから輸入が三億八千百二十万ドル、そういうものでございます。これには特需その他の收入はほとんどございません。ただ英濠軍消費します円貨を調達しますために、ポンド外国為替管理委員会に売つて参りましそれで若干の收入がございますが、これはドルにいたしましてわずかに五百九十万ドル程度でございます。それから運賃保險料、その他のインヴイジブルの收支、これもドルと同じく、わが方の拂い超でありましこれが五千五百九十万ドル、そういうふうな状態になつております。それからなおオープン・アカウント地域について申し上げますと、輸出は四億二千百十万ドル、それから輸入は三億一千四百七十万ドル、そういうふうになつております。これにつきましては、もちろん特需その他の軍関係收入はございません。それから運賃保險料その他の收入でございますが、これはやはり日本の拂い超でございまして三千六百三十万ドルそういつた拂い超過なつております。特に後段の御質問の点でございますが、特需その他駐留軍関係による日本外貨獲得、これは昨年中は、概算でございますが、六億二千百万ドルございます。これは物資特需、それからこちらに終戰処理費外貨支拂いを受けるとか、あるいは将兵がこちらで必要とする円貨の調達のためにドルを買い取りますものとか、内訳は非常にこまかくございますが、全体を合せまして六億三千百万ドル、これを一昨年との比較を申しますと、一昨年は一億四千八百万ドルという数字でございます。昨年は非常にふえて参つたわけでございます。  こういつた特需その他の收入が、外国に流れて行く心配はないかという御質問のようでございますが、こういつた收入は、一つは従来は米国政府小切手でもつて支拂いが行われまし業者がこれを受取りまし為替銀行に売却いたすのでございます。為替銀行に売却いたしますと外国為替資金特別会計集中されるということになります。ただ問題はそういつた特需小切手が、これは米国内支拂われるものでございますから、直接業者外国にこれを送つてそうして外国でこれの支拂いを受けるということ、いわば集中違反行つていはしないかという点でございます。この点につきましては特に為替管理委員会といたしましては嚴重に注意いたしております。それでこれをチェックいたします方法といたしましただいままでこういう方法をとつております。というのは外国為替銀行から米国政府小切手を買い取つた場合には、必ずその日に日報でもつて報告委員会によこすことになつております。一本月々どの商社から何ドル小切手をいつ買い取つたという報告をとりますと同時に、一方米国支出官協力を得ましそちらの方から、業者に対してどういう小切手切つて拂つたかということを、一本一本リストをもらいましそれでもつて携われた小切手を、業者の名前まで、小切手番号までこちらで見ましそうして銀行報告とチエツクいたしまし駐留軍の方からは支拂いがあつたというにかかわらず、銀行の方では買い取つていないというものがございますと、これを実際どういうふうに、そのチエツクがどうされたかということを照会いたしましその間一本々々トレースしておるわけであります。一方この委員会といたしましては、一々業者に立入り検査はございませんので、特別調査庁活動にお願いいたしまし特別調査庁の方から直接資料によりまし業者集中義務違反がないかどうかということをチエツクしてもらつております。そうして疑わしいものは、また駐留軍の方に照会いたまして、一々小切手の写真をワシントンからもらいまして、それに裏書がどういうふうになつているかというところまで調べましてやつているわけでありましただいままでのところ、この政府小切手の横流れと申しますか、集中義務違反につきましては、著しい違反の事実をまだ発見いたしておりません。それからなお特需につきまして円拂いが若干ございましたが、これは米国支出官の方でまとめましドルを私どもの委員会へ持つて参りましそれで円資金を調達しそれでもつて支拂いが行われるわけでございますから、集中脱漏という問題は円拂いいの分にはないわけでございます。これはもう一本でもつて集中されて参りますから、問題はございません。独立を回復いたしました後、特需支拂いにつきましては御承知通り全部円拂い原則がとられましもうすでに米国政府小切手による特需代金支拂いは現在行われておりません。かたがた先ほど問題にして私ども心配しておりました集中脱漏という問題は、解消いたしましたわけで、さように御承知願いたいと思います。
  10. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの御説明によりますと、輸出入貿易特需、そういうもののほかに、米ドルを年間六億二千万ドルくらい獲得しておるようであります。この六億二千万ドルの中には、終戰処理費関係支拂いもあるでしようし、あるいは観光客日本内地における支拂いもあるでしようが、そのほかにも、米軍日本国内における支拂いもあるというふうに推察されるのであります。この六億二千万ドル、これが主として外貨獲得の大きな原動力だろうというふうに思うのですが、これの内容をもう少し詳しくお尋ねしたい。
  11. 大久保太三郎

    大久保政府委員 昨年の特需その他軍関係消費だけでございまして、一般観光客日本に参りまして落して行く金は、これ以外のものでございます。大体大きなものは特需でございまし三億四千二百万ドル、その中に物資関係が二億四千四百万ドル、それからサービスの提供に関連するものが九千八百万ドル、それから、終戰処理費の補填、一時終戰処理支拂いましたものを、後に外貨をもつて償還を受けましたものが二千万ドル、それから特調基金関係のものが三千百万ドル、それからこれは推測でございますが、ここに駐留しております軍隊の給料を円で拂われますが、これに対してドルを売つて来て円貨を調達するという関係のもの、これが約一億ドルそういつたものがおもなものでございます。そのほか若干クラブの消費であるとか、あるいは軍ではなく米国政府の購買機関における消費であるとか、そういうふうなものが若干こまかいものはございますが、おもなものはただいま申し上げましたような点、これを合計いたしまして六億二千百万ドル、こういうふうな統計になるわけでございます。
  12. 奧村又十郎

    奧村委員 それでは観光客あるいは駐留軍が、国内米ドルを現実に拂つていないかという点をお尋ねするのですが、これは速記をとめてお聞きしたいのですが……。
  13. 佐藤重遠

    佐藤委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  14. 佐藤重遠

    佐藤委員長 速記を始めて。
  15. 奧村又十郎

    奧村委員 それでは最後にお尋ねいたしますが、四月末の米ドル及び英ポンドの手持ちは莫大な数字なつております。これに対する円資金の調達はどうなさつておられるのか。総額は約三千億円余りになつているのではないかと思いますが、その円資金の調達の状況をお尋ねしておきます。
  16. 大久保太三郎

    大久保政府委員 四月末の円資金状況につきましては、あいにく資料を持ちませんので、三月末の調べで申し上げます。  外貨は三月末におきましてはドルが六億三千九百万ドル、それからポンドが九千九百万ポンド、そういうふうにございます。なおオープン・アカウントでございますが、これの受拂いのしりが、われわれの方の受取り超過——債権の方でございますが、これが約一億四千万ドルなつております。こういう外貨に見合いまし円の資金が必要なわけでありますが、こういう外貨を抱きまするのに必要な円資金といたしまし三月末に借入金を七百億いたしております。それから日本銀行外貨貸付制度、それから日本銀行ドルを一時売りまして円を調達するいわゆるスワップの方法、これを込めまして三月末千二百九十九億円利用いたしております。そのほかいわゆるインヴェントリー・ファイナンス、一般会計その他から資本金の繰入れを受けましそういう関係で資本といたしまして一千九百二十四億、そういう資金を持つております。こういう円の状況でございまし外貨の方を円に直しますと約三千八百億程度でございますが、そういうように見合つておるわけであります。
  17. 佐藤重遠

  18. 武藤嘉一

    ○武藤(嘉)委員 先ほど緊要物資輸入資金特別会計の問題で承つたのですが、ニッケルは先ほど二百十六トンIMCから割当てておるとおつしやつたのですが、値段あるいは実際日本ではどのくらい需要があるのか。必要なものをお漏らし願えばけつこうです。
  19. 石井由太郎

    石井説明員 国際割当会議から割当を受けました数量は五百六トンでございます。本会計におきましてすでに買つておりまする数量が五百六トンでございます。現在の国内需要はこれは数字のはじき出し方、すなわち国内における消費規正の仕方によりましいろいろな数字出るのでございます、千七、八百トンという需要があると想定されておるのでございます。輸入可能な数量との差額は国産でございますが、これは御案内のニツケル製錬助成法等を制定いたしまして、ニツケル鉱石を輸入いたしましこれを別子その他で製錬いたしておるわけでございます。現在の生産状況は月約五十トン程度でございますが、この秋ごろからは月百トン程度国内生産をし得る見込みでございます。なお本年度ただいま五百六トンと申し上げましたのは、すでに割当を受けておる数字でありますが、年間ペースで考えまし約八百トン程度国際原料割当会議から割当を受けますので、国産約千トン近いものがございますれば、国内需要は充足し得る見込みでございます。輸入ニッケル価格は、これは先ごろの民貿等の形式をふんでおりました時分は相当高かつたのでありますが、政府輸入といたしましてからは、積出地ポンド五十七セント、トンに換算しますと千二百ドル見当、円価としますと四十二、三万円、こういう値段で輸入いたしておる次第であります。
  20. 武藤嘉一

    ○武藤(嘉)委員 私の申し上げたいのは、仏領のニユーカレドニアに相当ニツケル鉱がたくさん出る。向うでも非常に輸出をしたがつておるそうでありますが、どうも船がないということ、もう一つは為替資金がないから買えないということ、そこで向うの方ではたいへん日本側に売りたい。ところがニツケルは御承知稀少物資でありますので、英米方面からも来て手を延ばして、ニユーカレドニアの原鉱を買い占めようという計画がある。何とか日本政府が少し骨を折つてくれれば、このニツケル鉱は十分に確保できる。こういうことを私は聞いておるのでありますが、さようなことは御承知なつていらつしやるかどうか。
  21. 石井由太郎

    石井説明員 ニユーカレドニアは、現在のところわが国の期待し得まするニツケルの原鉱の唯一の供給源ということになつておるわけでございましてその鉱石を安くかつ確実に取得し得るようにいたしますことは政府といたしましてす努力いたしておる次第でございます。ただ従来の実績に徴しますると、大体品位四%以上のものは、全部フランスが本国の供給源として使用いたしておりましわが国といたしましてはそれ以下の品位のものを取得いたさねばならぬわけでございます。現在三五%の品位のものを取得いたすべく努力いたしておる次第でございますが、現実に入つておりますものは二・八%程度の貧鉱でございましこれがために国内製錬ニッケル価格国際価格に比べまして数倍に達するというような負担も残しておるわけでございまし何とかできるだけ早くこれを解消いたしたいと考えておるわけでございます。ただ比較的大量の買付契約が、比較的高い値段ですでに行われておりまし契約の切りかえ期を待ちまし適正な価格による取得をはからねばならぬような事態になつておりますのは、実は昨年の六、七月ごろの一番ニッケル需要が逼迫しておりました当時の契約が行われたからでございまして今後はIMC等割当とにらみ合せながら、価格の面でも適正化をはかつて参りたいと考えております。船の問題は、現在の船腹事情からいたしますれば、困難な航路ではございますけれども、船自身の問題といたしましては、まだ問題があるというように承つておらないのでございますが、長期契約によりまして所要の金融措置等を民間業界にはつけまし適正な価格による取得をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
  22. 武藤嘉一

    ○武藤(嘉)委員 ちよつと申し上げたい。その点は実は私の聞いておる話は具体的に交渉している男であつて日本がうつかりするとこれは英米に独占されてしまつて ニッケル鉱がシヤツト・アウトはされないでしようが、非常に入りにくくなるから、何とか政府の方でしてもらえないかということを、私は陳情を聞いたことがありますので、もう少し詳しく調べてまたお聞きしたいと思います。
  23. 佐藤重遠

    佐藤委員長 本日は午後一時から本会議が開かれますので、これにて散会いたします。次会は明四日午後一時から開会いたします。     午後零時三十四分散会