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1952-05-29 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第79号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十九日(木曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 小山 長規君 理事 三宅 則義君    理事 松尾トシ子君    淺香 忠雄君       有田 二郎君    大上  司君       島村 一郎君    清水 逸平君       高間 松吉君    苫米地英俊君       夏堀源三郎君    宮幡  靖君       宮原幸三郎君    武藤 嘉一君       高田 富之君    深澤 義守君  出席政府委員         大蔵事務官         (日本専売公社         監理官)    久米 武文君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局総務課         長)      宮川新一郎君         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         日本専売公社総         裁       秋山孝之輔君         日本専売公社理         事         (塩腦部長)  西川 三次君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国立病院特別会計所属資産讓渡等に関する  特別措置法案内閣提出第一六三号)  製塩施設法案内閣提出第一七六号)  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に  伴う措置に関する法律案内閣提出第一九〇  号)  昭和二十七年度における行政機構改革等に伴  う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に  関する法律特例に関する法律案内閣提出第  一九七号)  緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する  法律案内閣提出第一九八号)  外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第二〇三号)  接收貴金属等数量等報告に関する法律案(  内閣提出第二三一号)  貴金属管理法の一部を改正する法律案内閣提  出第一二九号)(参議院送付)     —————————————
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  貴金属管理法の一部を改正する法律案国立病院特別会計所属資産讓渡等に関する特別措置法案製塩施設法案国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案昭和二十七年度における行政機構改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律特例に関する法律案緊要物資輸入金特別会計法の一部を改正する法律案外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案接收貴金属等数量等報告に関する法律案の八法案一括議題として、質疑を続行いたします。質疑通告順によつてこれを許します。松尾トシ子君。
  3. 松尾トシ子

    松尾委員 国際通貨基金の問題について二、三点お尋ね申し上げたいと思いますが、この基金加盟国拠出金基礎といたしまして、為替を行う一つ組合銀行のようなものに考えられるのですけれども、この基金に対する権利義務は、この拠出金に比例して行われることになつております関係から、割当をきめる場合には非常に慎重に考えなければならないと思うのですけれども、御説明によると、今度二十五千万ドル割当通告があつたと言われますが、この数字的基礎は一体何を参照してきめられたのか。御説明ができましたら、承りたいと思います。
  4. 石田正

    石田政府委員 この国際通貨基金物定加入をいたしますにつきましては、やはり加盟国国際取引の量というものが基準になるわけでございます。しかしながら基金協定自身の中に、こういうふうにしてきめるというような明確なるところの規定は、必ずしもないわけでございまして、こういう算式に必ずよらなければならないというわけのものではないわけでございます。ただしかしながら一般に加盟国に二種類ございまして、現加盟国とそれから新たな加盟国と二つにわけられるわけでございます。現加盟国と申しまするのは、この国際通貨基金協定ができます場合に、その署名国であつて加入通告をした国でございます。これは附表の中にもう初めから算出根拠も何も言わずにきまつておる。協定と同時にきまつておるという形に相なつております。それから新しい加盟国の場合にどうするかという問題でございますが、これは協定の表向きでは、各国代表が集まりまして、総務会できめるということに相なつておるのであります。実際には総務会というのは相当数が多いものですから、特別の委員会をつくりまして、その委員会におきましていろいろな資料を集めまして、そうして大体きめる。それを総会にかけまして、総務会がよろしいといつたら、それを加盟希望しておる国に通告し、加盟希望しておる国がそれに対して異議がなければ、それによりまして申入れを行う、かように相なつておるわけでございます。しこうしていろいろな資料がございまするが、その場合に大体従来の例から申しますると、一九四〇年におきまするところの国民所得とか、あるいは一九三四年から三八年にかけましての輸出入の実績とかいうようなものに基きまして、ある算式を用いまして、それにいろいろな事情を加味いたしました結果として、割当額がきまつて来るというのが普通の場合でございます。日本の場合におきましても、これはなかなか国民所得などとなりますと、いろいろな見方があるわけでございまして、それらの点についてもいろいろと委員会におきまして比較検討いたしました結果、二億五千万ドルという数字が出て参つた、こういうことでございます。
  5. 松尾トシ子

    松尾委員 その点はわかりましたが、次にどなたかほかの委員からお尋ねがあつたかとも思いますけれども、為替平価の問題についてお尋ねをいたします。この基金の業務の中軸というものは、加盟国の要求に応じて金またはドルの加賀を対価として、他の加盟国通貨を供給するということにもなりますし、またそういうような事情ですから、加盟国平価の問題ということは非常に重要な問題だと思うのであります。従いまして日本がこれから加盟した後にも、今の為替レートをずつと堅持して行くのかどうかということ、また一旦きめられたものは、それをずつと堅持するように努力しなければならないという約束をさせられるやに伺つておりますけれども、いくら約束しましても、産業政策とかあるいは物価政策によりまして、国内的なインフレーシヨンでも起れば、あるいはその他デフレーシヨンでも起つた場合に、これをかえざるを得ないと思うのですけれども、こうした場合にかえることができるのかどうか。それからまたこのかえる場合に一つの制約があるかどうか、こういつたようなことをひとつお伺いいたします。
  6. 石田正

    石田政府委員 お尋ねの点は二点あると思うのでございます。第一点は現在の対米を基準といたしました三百六十円という為替平価を、堅持して行くつもりかどうか。それから第二点は将来にわたつて堅持するという気持でやつても、それは通貨面ではそういうことをやりましても、ほかの産業政策その他に関連して、どうしても変更を必要とする場合が起つて来はしないか、その場合にどうするのか、こういう二点かと思うのであります。  第一点につきましては、これは大蔵大臣も答弁されたと思うのでありますけれども、政府といたしましては当然堅持して参る、こういうつもりでございます。  それから第二点におきましては、これに経済全体の立場から申しまして為替平価を堅持して行くということが日本としても望ましいことでございまするし、また国際通貨基金加入しておるところの各国の間の関係から申しましても、軽々に変更すべきではない。為替平価の安定を期するということがこの基金目的であり、またその安定を維持せんがために為替操作行つて資金を供給しようというのが目的でございますから、できるだけ堅持して参るというのは当然であろうと思います。しかしながらそう一律にばかり行かないで、万やむを得ず平価変更という方が、日本経済全体の立場からいつて好ましいというような事態が起つた場合に、どうするかということでありまするが、平価変更ということは絶対に基金協定におきましては禁止しておるのではないのでございます。実際上上平価変更を必要とするような事態が起りました場合におきましては、国際通道基金協議することを必要といたします。黙つてしてはいけないということになると思うのでありますが、国際通貨基金協議をいたしまして、そうしてその協議いたしました結果、同意が得られればこれを変更することは許されておるわけでございます。しかも国際通貨基金といたしましては、いろいろと為替平価の維持安定ということは必要であるけれども、あまりにきゆうくつであつては、かえつて国際経済全般に悪い影響があるであろうという面の配意も、当然いたしておるのでありまして、たとえてみますならば、変更の提議が加盟国によつて行われました場合に、それが当初きめたものの一〇%の範囲でありますならば、それは基金としては異議を唱えないということに大体なつておる。それからまた為替平価変更というものは相当急を要する問題でございます。従いまして今申しました一〇%を越える場合におきましても、それぞれ国際通貨基金は早くその意見を表示して、そうして協議を受けたからといつて荏苒日を延ばすことのできないような配意を加えておる、こういうことでございまして、もし日本におきますところの平価変更の理由が妥当であるならば、必ずや国際通貨基金同意は得られるもの、かように思つておる次第でございます。
  7. 松尾トシ子

    松尾委員 それでは基金取引をした場合、つまり基金からお金を借りた場合に、手数料とかあるいは利子だとかはどういう率になるのでしようか。
  8. 石田正

    石田政府委員 手数料の点につきましては、一律な手数料をきめるのではございませんで、そのときどきにおきまして、国際基金当局者変更いたすことも可能になつております。現在におきますところのやり方は、大体加盟国が自分の国の通貨対価といたしまして、他国の通貨を買いまするところの量の増減に応じまして手数料を加減する。平たい言葉で申しますると、技術的には借入れでありますが、かりに借金という言葉を使いまして、借金をするというふうに観念いたしますならば、借金の額が少いうちは手数料も少い、しかし借金が多くなるに従つて手数料も多くするということによりまして、あまりむやみな借入れをしないような方向に持つて行こう、こういうのが実際の操作に相なつております。
  9. 松尾トシ子

    松尾委員 そういたしますと、今ずつと御説明を聞いてまとめますと、結局あまり利用価値がないというふうにきのうも御説明になりましたけれども、そればかりでなく、加盟国経済状態に反映しまして、為替関係が不利になつたとかなんとかいう場合には、割当の問題その他の條件を審議にかけてかえることができると申しましても、国際基金が成り立たないほどまずい状態に落ち込んだときには、基金の言うことを聞かないで脱退をする国も、相当出て来るんじやないかと思うのでありますが、この点はどうでしよう。
  10. 石田正

    石田政府委員 国際通貨基金が将来どういうふうに相なりまするか、私ここではつきりと申し上げることはできないのでございますが、しかし大局的に申しまして、国際通貨基金というものが存在しないような社会に相なりましたならば、これは世界全体のためにも、また一つ一つの国にとりましても不幸なことであろうと考えております。それから脱退の問題でございますが、脱退の問題につきましては、ぐあいが悪いところは、国際通貨基金特定加盟国との間に起つておりますが、しかしなるたけ脱退というような行為に出たいように特定の国はやつておりまするし、国際通貨基金もまたそういうところでございまして話合いがうまく行かない部分につきましても、必ずしも脱退することにはなつておりません。私の記憶ではたしか今までに脱退した国はなかつたかと思つております。それから特定国におきましても、ある事態におきましてはぐあいが悪いことが起りましても、なるべく早い期間にそういうぐあいの悪いところを直しまして、そうして国際通貨基金協定通りにと申しますか、それに違反しないような形において、為替政策と申しますか、あるいは国際経済政策と申しますか、それが運行できるように努力いたしておるというのが実情でございます。
  11. 松尾トシ子

    松尾委員 この国際通貨基金が生れましたときのことをちよつと聞いてみますと、大戦後世界金本位が非常にくずれてきたために、金本位の確立を来すためにこういうものをつくつた。同時にそれは産業の発展あるいは経済の安定というところにあると聞いておりますが、日本の場合でも金本位を確立する確信があるのでしようか。ただいま日本の札は兌換券ではないというふうになつておりますけれども……。
  12. 石田正

    石田政府委員 今のお尋ねの点に関連いたしまして、国際通貨基金協定金本位であるかどうかということは、非常に議論のあるところでございまして、金本位的な色彩相当に強い。たとえば平価をきめる場合に金でもつて表示するというふうなことはございます。ですから金本位的な色彩が強いということは言えるのであります。しかしそれが金本位そのものであるかということになると、必ずしもそうではないと思うのでございます。金本位というものは、解釈をどうするかによつても違うと思うのでありますが、お尋ね趣旨は、たとえば各国相当の金を持つてつて、そうして通貨と金の交換と申しますか、兌換と申しますか、それが相当自由に行われることを御想像になつておられるのではないかと思うのであります。世界各国を見ましても、米国のような一、ニの国を除きましては、大体通貨準備としての金が非常に少いということでございまして、世界を通じて金本位が早急に実現するということは、なかなか期待しがたいかと思つております。しかし国際通貨基金金本位であるかないかは別問題といたしまして、各国がそれぞれの通貨価値を維持して行くことは、大切なことであらうと思うのであります。国際間でいろいろ取引をいたします。たとえば貿易なら貿易をいたします場合に、受取ります相手の通貨がすぐ価値がなくなつてしまうということでは、国際経済が円滑に動かないことは当然であらうと思うのでありまして、国際経済をやつて行く場合におきましては、それぞれ人の国のそれぞれの通貨がしつかりしたものになつて行くことが、当然必要であろうと思うのでありまして、国際通貨基金協定の底に流れる思想も、そういうところに本来あると思います。従いまして日本は特に各国の中におきまして、国際交易によつて国経済を動かして行かなければならない国でありますので、そういうことに入つて行くことは当然であろうと思いまするし、またほかの国もそういう精神で動いてもらつて、初めて日本から見た国際経済はうまく行く、こういうことに相なるのだと思うのであります。なお今申しましたような状況でございまするので、日本金本位を維持しようとか、金本位を再建するというふうなことを考えておるかという御質問に対しましては、それは日本としてはなかなか早急にはできないことである。しかしこれはよその国でも同様である、かように考えておる次第でございます。
  13. 松尾トシ子

    松尾委員 そうしますと、基金自体金本位制度を採用して、加盟国に対しての国内的のあれには自由にやらすというふうに解釈して、了解しようと思いますけれども、それで間違いございませんか。  もう一つついでに一緒にお尋ねしておきたいことは、今外為存続とか廃止とかいうことが非常に問題になつておりますけれども、新聞記事か何かで見たように記憶しておるのですが、外為委員会の生命は、通貨価値が政治的に動かされないでいるという中立的存在であるということに、非常に存在価値があるんだというふうに聞いておりますし、また日本国際通貨基金加盟する動機は、外為やり方がまことに公正で、しかも今後加盟国となつても、日本通貨を堅持して行かれるというような保障とか説明があつたから、それをきつかけにできたというふうに伺つておるのですが、国際通貨基金加盟してから後の外為との関係はどういうふうになるのでしようか。今の場合は、何か行政機構がかわりまして、大蔵省の内局に入るとかいわれておりますけれども、そうなつた場合でも、加盟国に対する何か支障は来さないのかどうか。この点をお聞きしたい。
  14. 石田正

    石田政府委員 前段の問題の国際通貨基金金本位であるかという点につきましては、これは金本位と断ずることは非常にむずかしいということを私は申し上げたのであります。一体通貨価値を何で表示するかという場合に 今の情勢のもとにおいては、金で表示することが一番妥当な方法ではないだろうか、こういうことがございまするので 国際通貨基金もまたそれをとつておるのではないかと思います。国際通貨基金は完全なる金本位をしいるものだとは、われわれ考えておらぬわけであります。従いまして日本加盟いたしましても、金本位でないということは何ら支障にならない、かように考えております。  次に外国為替管理委員会との関係でございますが、国際通貨基金加入するにいたしましても、大蔵省の中におきまして為替政策を行うといいますか そういうことをやりましても、何ら加入支障にならぬと思つております。現に国際通貨基金当局との間には、いろいろと話合い等をいたしておるわけでございまして、これは大蔵省が現に当つております。これに対して国際通貨基金から、この問題について外国為替管理委員会との関係はどうだというようなことは、何ら言つておりません。ただこの法案におきましては、一応外国為替管理委員会存続ということを前提といたしましたので、この法案の中におきましても、基金加盟いたしました後において、基金との間に取引をするということについては、外国為替管理委員会が行うというのが、日本の法制の建前に合致するであろうというので、そういうふうに規定してあります。しかしこれはどうかわりましても、別に国際通貨基金との関係において問題はないと思つております。これは機構改革に関しまするところの法律案の中におきまして、直すことにたつておるわけでございます。
  15. 松尾トシ子

    松尾委員 それはまたそつちの方法案のかかつたときによくお尋ねをすることにいたしまして、最後にもう一点。この基金の組織及び管理はどういうふうにされておるかということと、またこれに加盟した場合の義務はどういうふうなことがあるかということ、これを具体的に御説明を願います。
  16. 石田正

    石田政府委員 この基金につきましては、各国代表者によりまして構成せられておるところの総務会というものがございます。この総務会か全般的な大きな政策はきめるということになつておるわけであります。しかしこれは非常に大がかりなものでございまするので、先ほどもちよつと申し上げたのでありまするが、理事会というものが別にございまして、この理事会が大体の日常の事務等を決定いたしておるわけです。なおこの理事会の中に常務理事というのがございまして、この、選ばれた常務理事が実際の事務当局みたいになりまして働いておる、こういうのが実情でございます。義務の点につきましては、加盟後におきましては、国際通貨基金協定精神に従いまして、行動しなければならないということに相なるのであります。この基金協定いろいろとございまして——ちよつと一々列挙するというのもあれでありますが、大体大きなところは、先ほどから御質問がございましたようなぐあいに、通貨価値というものをよく維持して行くということ、それからまた為替の制限というものはだんだんと廃止するようにして行くこと、こういうことが大きな義務であろうかと思うのであります。
  17. 松尾トシ子

    松尾委員 たとえば金を借りましたときに、その使途についての年々の報告とか、あるいは償還などといつたようなものの義務はどうなりますか。
  18. 石田正

    石田政府委員 金を借ります場合には、国際通貨基金当局に対しまして、こういう趣旨で金を借りたいのだという申入れをいたしまして——買入れがほんとうですけれども、借入れの場合という仰せですから申しますが、借ります場合には、こういう意味で借りるのだということを言いまして、向こう納得いたしますれば借りられるということになるわけであります。そしてこれをどういう使途に使うかということは、そのときにきまりますが、しかし大体こういう特定目的に使うからという借り方をするのではなくして、たとえばドルならドルが足りないから、このくらいのドルを買わしてくれというような申入れをするのでございまして、どこに使つたとかあそこに使つたとかいうことは報告する必要もございませんし、また向うもそういうことを期待しているわけではございません。
  19. 佐藤重遠

    佐藤委員長 武藤さん、どうぞ御発言を願います。武藤嘉一君。
  20. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 話は少し前にもどるかもわかりませんが、この前に関税引上げのところで、まぐろのほかに陶磁器の問題が非常に重要化しているという問題が出まして、その陶磁器関税に関連することでございますが、実は陶磁器に使いますのに金液というものが必要なのでございます。金を溶解いたしまして茶わんやディナーセットに塗りつけるのでございますが、この金液値段が非常に高いので、何とか金液値段を低めてほしい、安くしてほしいというのが業者の要望でありますので、この機会に、もしお係が違いましても、御連結くださつてお骨折りをお願いいたしたいと思います。
  21. 石田正

    石田政府委員 今お話がありました点は、貴金属管理法の改正に伴いまして——今までは一オンス三十五ドル基礎にした価格によりまして、今申されましたような金液等に対して運用をしまするところの金を政府拂下げをしておつたわけでありますが、今度は、産業用の金につきましては、実際に消費者に入りまするところの価格というものが、家庭用のものとかわつて来る。すなわち値が上つて来るということに関連して、そういう問題が起つて来るのであろうかと思うのでございます。この点につきましては、金を実際に掘りまするところの産金業者の採算から申しますならば、非常に高くしなければならない。ところが、消費者でありまするところの陶磁器業者の方とか、あるいは歯科のお医者さんの方とか、こういう関係におきましては、今まで通りすえ置いて上げてもらいたくないという希望があるわけであります。両方の希望が非常に離れておりますので、われわれは苦慮しおるわけでありますが、私たちの考え方といたしましては、やはり産金業者としての苦しい部面というものも、ある程度緩和するのに貢献するような方向に行かなければならないし、そうかといつて産金業者の立つ場ばかりをとりつましてむやみに高いものを消費方面価格とするわけにも参らないかと思つておりますので、適当にそれの間をとつてきめつるようにいたしたい、こういうように考えておる次第であります。
  22. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 陶磁器日本の対米輸出品の中では非常に重要な部面を占めておりますので、外貨獲得の点から、関税引上げの問題で、業者は、この状態でもし関税引上げが行われるならば、全然陶磁器輸出は杜絶するのではなかろうかと非常に憂慮しておる折でありますので、大蔵省におかれましても、金液に使いまする金の拂下げ価格については、せいぜい安くしていただくように要望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  23. 深澤義守

    深澤委員 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案に関連しまして、二、三御質問いたしたいと思います ただいまも説明があつたのでありまするが、国際経済関係の均衡の状態を維持することが大体の目で、これに加入いたしまして出費をするわけでありますが、大大蔵省の見解といたしましては、これに加入することが、何か日本貿易関係あるいは、外国為替関係等を、非常にぐあいよくするという説明なのでありまするがわれわれは單にこいううものに加入いたしましても、必ずしも日本貿易関係状態が非常によくなつたり、あるいは日本為替関係日本経済関係が非常によくなつたりするという、特別の理由を見出すことはできないのであります。この協定加入することによつて、飛躍的にそういう状態がもたらされるという見通しを、どういう具体的根拠に基いて持つておられるのか。その点をお伺いいたします。
  24. 石田正

    石田政府委員 この協定加盟することによつて飛躍的に日本経済がよくなるかというお話でありまするが、率直に申しまして加盟いたしましたから、すぐ日本経済がよくなるという性質のものあるとは、われわれは考えておりません。国際通貨基金のねらつておりまするところは、要約いたしますれば二点であろうと思います。第一点は各国がかつて通貨政策をやつて、ほかの国に迷惑を及ぼすことを平気でやることは、国際経済のためによくないのみならず、特定の国にとつても好ましいことではない。そこでお互いに国際経済が安定してやつて行けるようにしようということについて、いろいろ相談をし協議をしてやつて行こう、これが一つの点であろうと思うのであります。  それからもう一つは、各国がそれぞれ為替資金に困りまして、そのために、何と申しますか、ドラスティックなことをやる。それがまた他国に影響を及ぼす。そういうことを何とか避ける道はないであろうか。そういう異常時のもとにおいて為替資金の供給がかりに行われるとするならば、他に非常な迷惑を及ぼすこと、なくして済ませることができるかもしれない。あるいはその程度というものが少くて済むかもしれない。そういうことについて、資金供給の道を開こうというのが、第二点であろうと思われるのであります。  日本は先ほど申しましたように、これに入つたからすぐよくなるというようなことはないと思いますが、第一点で申しましたように、日本の国は国際経済にこれから帰つて国際経済の中において生きて行かなければならぬという場合に、そういうつ制度に入ることはいいことであろう。またそういうところにおきまして、国際経済がよくなつて行く上において、発言権を持つて行くことはけつこうなことではないか。これが一点だろうと思います。それからまた現在日本は外貨資金に困つておるのではない。ある見方からすれば外貨が余り過ぎておるのではないかという議論もあるのですが、しかしこういう調子で、もつてずつと将来にわたつて推移して行くということは、何人も保しがたいわけであります。困りました場合に対処する何がしかの手段を持つておくということは、望ましいことでありまして、そういう意味から申しまして、国際通貨基金に入つて、そして将来かりに外貨資金に因るような場合があつたときには、その借入れの道を開いておくことも必要なことであろう。困つてから入るということは、なかなかできがたいことでありまして、むしろ困らないうちに入つてつてつたときに対する用意をしておくことが、適当であろうと考えておる次第であります。
  25. 深澤義守

    深澤委員 国際間のの関係は、いろいろな関係がございまして、まことにむずかしいのですが、今あなたのおつしやつたように、他国に迷惑をかけないような国際経済関係を確立しよう、そういう考え方から、将来困つたときには助けてもらおう、だがらあらかじめ入つておこうというような道議的な制度が確立されて、それが文字通りに行われればまことにけつこうでありますがなかなかそうでない。一つの例を申し上げますれば、日米経済協力と言いながら、日本の商品に対する関税を引上げまして今日本経済を苦しめておるというように、主導権を持つておるアメリカ自身が、日米経済協力関係を破壊しておるという事態があるのであります。ましてや国際通貨基金等はドル支配であつて、アメリカが支配しておる。これに加入して、日本が困つた状態を訴えたとき、これが助けてもらえるという保証ができるのかどうかということについて、われわれは非常に疑問に思うのです。私の考えを申しますと、アメリカが主導勢力を持つておるのであるから、ひとつおつき合いに入らなければならないというのが、本音ではないかと思うのですが、その点はどうですか。
  26. 石田正

    石田政府委員 おつき合いだけだとは思つておりません。たびたび御質問がありましてお答えいたしましたように、実質的な利益があるものだ、かように考える次第であります。     〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
  27. 深澤義守

    深澤委員 この協定加盟することによつて日本に対する資金の融通面について、非常な利益があるという具体的な見通しがありましたら、ひとつお示し願いたい。
  28. 石田正

    石田政府委員 この協定の建前といたしまして、困りました場合、いわゆる外貨資金に困つた場合には、年々割当額の二五%ずつの資金の供与をするということに相なつておるわけでありまして、これはもちろん資本取引等のためには用いられませんが、正常な経営取引に対する資金が不足する場合に、供与することに相なつておるのであります。
  29. 深澤義守

    深澤委員 すでに協定加盟国はたくさんあるのですが、そのように額面通りに供与が行われた具体的事実があるかどうか。
  30. 石田正

    石田政府委員 私は基金当局でありませんので、はつきりこうするのだということは申し上げかねまするが、しかし具体的の事実といたしまして、この通貨基金が発足いたしました当時は、いわゆるドル不足ということがやかましい時代でございました。その時代におきまして大体一億五千万ドル見当のものであつたと思うんですが、通貨基金は供与いたしております。その後例のマーシャル・プランというものができまして、そちらの方からドルを供給する道ができましたので、この基金の活動はしばらくそちらの方の模様を見るということに相なつてつたのですが、最近また米国自体によるドル供与だけでは足りないだろうというので、再び国際通貨基金が活動を始める機運になつて来たのではないか、というふうに考えております。
  31. 深澤義守

    深澤委員 現在世界経済において一番大きな悩みは、やはりドル不足という問題なのであります。従つて国際通貨基金が額面通り活躍しておるとすれば、かようなドル不足の状態はある程度緩和されておると思うのです。額面通りはたして二五%の供与が行われておるかどうかということは、非常に疑問だと思うのです。そこで日本に対してそういう具体的な供与の交渉が行われて、その見通しがあるのかどうか。その点をひとつお伺いいたしたい。
  32. 石田正

    石田政府委員 日本政府国際通貨基金に入つてしまわない限りは、金を貸してくれという立場にないわけであります。それから先ほど来申し上げましたように、日本の外貨の事情というものは、国際通貨基金から金を借りなければやつて行けないという状況ではないわけでありますから、まだ日本政府といたしまして、国際通貨基金に対して、これだけ金を貸してくれという意味のアプローチはいたしておりません。
  33. 深澤義守

    深澤委員 それからこの協定加盟するということになりますれば、大体九百億程度に相当する出資をすることになるのでありますが、この出資をすること自体が、日本通貨あるいは金融関係において、何らの支障が生じないという確信をお持ちであるかどうか、その点をひとつ……。
  34. 石田正

    石田政府委員 先ほど来申し上げましたようなぐあいに、われわれといたしましては、この通貨基金協定加入いたしますことによりまして、われわれの政策が困るということはないものと考えております。
  35. 深澤義守

    深澤委員 それから協定によりますと、日本経済全般の情報の提供という問題が約束づけられているのであります。これは提出を要求することができることになつているようでありますが、これはやはり一つ義務として、年々ある時期に報告をしなくてはならぬということになると思いますが、その点はどうなりますか。
  36. 石田正

    石田政府委員 お話の通りでございまして、向うができるということに相なつております。でありますから、向うの要求がありました場合には、こちらは出さなければならぬ、かように思つております。のみならず、先ほど来申したのでありますが、日本為替状況というものは、現在はよろしいのでありますが、将来どうなるかわかりません。そういう場合におきまして、買入れをするという可能性もあるわけでございますが、報告を怠つてつて、そうしていよいよ困つたときに買入れをしたいということを申しますることは、これは買入れに非常に支障を来すのではないかと思いまするので、ある程度日本事情というものは、常時知らせておいた方が便宜ではないか。これはもちろん政治的な話でございますが、そういうふうに考えている次第でございます。
  37. 深澤義守

    深澤委員 それから為替相場の問題ですが、為替のレートの変更というものは、日本経済界でもすでにある程度問題になつているのであります。ここでもつて加入いたしますると、為替レートというものはくぎづけされるという結果になると思うのですが、そういう点は、どうなりますか。
  38. 石田正

    石田政府委員 国際通貨基金協定は、為替レートを頻繁に変更することは好ましくないという思想には立つておりまするけれども、しかし絶対的に為替相場をかえてはならぬという義務を、加盟国に課するものではないのでございいまして、そこのところは実際的に考えておる次第でございます。一〇%の範囲の変更であるならば、それが理由があるならば、基金協議を受けた場合に、異議は唱えないということになつておるわけであります。また一〇%を越える場合におきましても、これは協議にあずかることには相なつております。しかし実際上その必要性を認めた場合においても、なおかつ国際通貨基金はかえることは好ましくないから反対するのだ、そういう精神ではございません。
  39. 深澤義守

    深澤委員 それから一応加盟しました場合において、脱退するというようなことが自由に認められるのかどうかという問題です。ここにはいろいろなことが書いてありますが、脱退についてはどういうことになりますか、
  40. 石田正

    石田政府委員 脱退いたしますことが適当であろうかどうかということは、これは加盟国として慎重考慮の上行わるべきであろうと思うのでございますが、国際通貨基金協定といたしましては、十五條にありまするようなぐあいに、脱退権を認めておるのでございまして、入つた以上は脱退できないというものではございません。
  41. 有田二郎

    ○有田(二)委員 ただいま議題になつております八法案のうち、国立病院特別会計所属資産の譲渡等に関する特別措置法案国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、及び昭和二十七年度における行政機構改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律特例に関する法律案の三法案につきましては、質疑もすでに盡されておると思いますので、この際右三法案につきましては質疑を打切られんことを望みます。
  42. 小山長規

    ○小山委員長代理 ただいまの有田君の動議のごとく決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 小山長規

    ○小山委員長代理 御異議がないようでありますから、右三案は以上をもつて質疑を打切ることといたします。  これより順次討論採決に入ります。  まず国立病院特別会計所属資産の譲渡等に関する特別措置法案を議題として、討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。松尾トシ子君。
  44. 松尾トシ子

    松尾委員 私は社会党を代表して、ただいま議題となりました国立病院特別会計所属資産の譲渡等に関する特別措置法案に対して、反対するものであります。  今回政府は新医療体系の確立を唱えて、国立病院九十九箇所のうち二十四箇所を国に存置し、他は地方に移譲するお考えでありますが、およそ医療は社会保障の線で行き、国営でやるのが当然であります。財源の極度に枯渇している地方自治に、あまりにもその運営上採算の立たぬ医療施設を地方に讓渡することは、弱いものいじめもはなはだしく無責任であります。なるほど六億四千万円の持参金をつけるとか、移讓の際はこれを欲するもののみに限ると説明はしておりますが、本年度の予算を検討すれば、明らかにこれらの補助金を落としているところは 政府の答弁をまともに受入れることができないのであります。  公の体系のものは国が行い、その他の国立病院的の型のものは各県に当らせるよう、日本の医療体系を改革して行くならば、双方がその運営上支障なきまで、暫定的期間は国が当然財政的負担を負うのが、本意ではないかと思います。その方法としては、平衡交付金を増額するとか、起債のわくを拡大するとか、いろいろの方策があります。  特にわが党が心配することは、その讓渡にあたつて一方的に偏したり、強制的になつたりするおそれが十分あるので、反対するのであります。
  45. 小山長規

    ○小山委員長代理 深澤義守君。
  46. 深澤義守

    深澤委員 国立病院特別会計所属資産讓渡等に関する特別措置法案でありますが、これに対して日本共産党は反対であります。  本来医療制度というものは社会保障制度の根幹でありまして、政府が全責任を持つてこの医療制度を運営すべきものであるということは、これはもう世界の常識であります。しかるに日本政府は終戦後において旧軍関係の設備を接收いたしまして、これを各県に国立病院としてつくつたのでありますが、この機会にこそこの国立病院を充実拡充にいたしまして、日本における社会保障制度の一つの制度として、政府が責任を持つてこれを運営すべき性質にあるにかかわらず、むしろこれをやつかいもの視いたしまして、さきには独立採算制を用いたしまして、医療の国の責任を回避し、さらに今日の段階におきましては、さらに地方公共団体に押しつける こういうことになつて来たのであります。これはまつたく社会保障制度に対する反逆であり、国家がこの重大な医療制度の責任を地方機関に転嫁しようとするところの陰謀であると、われわれは考えざるを得ないのであります。従つてこの医療機関に働く人々自体も、また地方公共団体も、これを引受けることに対しましては賛成していないのであります。  こういうような事情に基きまして、日本共産党はこの責任回避の陰謀によるところの本法案に対しましては、断じて反対するものであります。     〔小山委員長代理退席、委員長着席〕
  47. 佐藤重遠

    佐藤委員長 討論は終局いたしました。  これより本案の採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  48. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数、よつて本案は原案の通り可決いたしました。国際通貨基金に対する採決は後日に讓ることといたします。  次に昭和二十七年度における行政機構改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律特例に関する法律案を議題として討論に入ります。
  49. 小山長規

    ○小山委員 ただいま議題となりました昭和二十七年度における行政機構改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律特例に関する法律案につきましては、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
  50. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの小山君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようでありますから、本案については討論を省略してただちに採決に入ります。  昭和二十七年度における行政機構改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律特例に関する法律案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  52. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案も原案の通り可決いたしました。  なおただいま採決いたしました両法案の、委員会報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  53. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に製塩施設法案を議題として質疑を続行いたします。大上司君。
  54. 大上司

    ○大上委員 本法案につきまして、幸い公社の総裁がお見えでございますので、二、三お尋ねしたいと思います。いずれ他の委員からもお話があると思いますが、われわれから考えまして、本製塩施設法案がもしも国会で通過した場合、どのような運営方針なり、どのようなお考えのもとで、これを実際面に移して行かれるか。まずその点について承りたいと思います。
  55. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 ただいまの御質問にお答えする前に、日本の塩の情勢の概略を申し上げたいと思います。  日本の食料塩は約九十万トンないし百万トン、工業用原料として百二、三十万トンの間を要するのであります。しかるに、御承知及びのように、日本の国内において生産される塩は、前年度におきましては四十余万トンにすぎないのです。食糧塩に対しても外塩を輸入しなくてはならぬという、はなはだ悲境にあるのであります。これに対しては専売公社といたしまして、さきに塩の増産に対する方策を政府に要請いたしまして、閣議決定として目先少くも七十万トンの内地製塩を得る、これに努力邁進するという閣議決定になりまして、私どもはその方針に基いて、全力をあげて奨励育成に努めておるのであります。しかるにはなはだ残念なことに、ときどき台風というような天災もあり、戦争後における塩田の地方減もあつて、そういうことからなかなか所期の目的を達することが困難なのであります。おそらく私どもの考えからすれば、困難というより不可能に近いような現状にあるのであります。この点はまことに国としても憂うべきことで、ぜひただいまお手元に差上げているような、ああいう措置法によつて塩の増産をはかりたい。もしこれが幸いにして本国会を通過いたしますれば、私どもはあらゆる金融の面において、また技術士の面において、全力を盡して目的を達成したいと存ずるのであります。巨細の御質問がありますれば、さらにお答えいたします。
  56. 大上司

    ○大上委員 大綱の説明をしていただきましたが、やや専門的に二、三お尋ねいたします。今日の製塩業者というものは、ただいまもお話のあつた通り非常に金融的に逼迫しており、これがいわゆる国の施策上、昭和二十三年までは専売公社の範囲内でいろいろ補助があつたのですが、今はそれもない。特に今度はその間において、製塩業者が非常に施設について改善しなければならぬ。しかもこれは、長期資金では不可能であるから、短期にどうしても持つて行く。そうなると、これの金利償還に非常に苦しんでおるようにわれわれは考えるのです。そこで当面の問題として、金融政策をどのように総裁は考えておられるか。まず大まかな金融政策お尋ねしたいと思います。
  57. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 公社といたしましては、さきにお手元に差上げて御協賛を願いました、農林金融金庫の一部として金融の道をつけたのであります。これは御承知のように、はなはだ金額面においても僅少であり、塩の増産をするという上において、遺憾の点が少くないのであります。今年は若干ふえたのでありますが、しかしこれは将来私どもといたしますれば、單に塩だけの金融金庫をつくつていただくような方針に進みたいと思つております。
  58. 大上司

    ○大上委員 大体それもわかりました。  では次にもう少しこまかくお尋ねしますが、われわれの調査したところによりますと、いわゆる昭和二十七年度において、製塩設備に必要な金は約二十三億円である。ところがこういうふうな要求額があつて、ただいまのお説のように、農林金融金庫から借り入れた金額は、わずかに六億円余りでございます。しかもこの製塩事業というものは、收納価格が一定限度でちやんときめられておる。ほかに副收入あるいは企業運営上收入はないはずです。そうなると、小さい金額においてすぐ復旧が可能であるものも、資金面で放置するからだんだん修繕費かさんでくる。いざ着工ということになると、根本的に改善をやらなければならぬというような、きわめて常識的な問題も起つて来る。そこでどうしても背に腹はかえられないから、短資に乘りかえておりますが、そうなりますと、これの金利等も企業の計算面には相当かさんで来る。これがまず塩業者に及ぼすところのパーセンテージと申しますか、金融に苦しんで短資でつくつたがために、製塩業者全体が大体企業の何パーセント金利を拂つておるか。なおこれがお説の通り国民に不可欠なものであるならば、幾分何らかの形において、国民にこの金利が転嫁せられておるのではないか。それの国民に及ぼすところの影響、まずこの二点をお尋ねいたします。
  59. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 今の御質問でありますが、私は大体企業というものは、企業者自身の努力と意欲というものによるのが根本である。これを幇助するといいますか、保護をするのが国家の職分でなくてはならないのであります。どの費目を国民の負担に帰するとかいうようなことについては、私はさような考え方は持つておらないのであります。しかしさればと申して、小さな塩業者のいろいろな金融の必要に対しては、公社も極力地方銀行その他の金融業者と連絡をとり、この融通面を円滑にするということには努めております。しかしさればと申して、私は現在の塩業に対する国家の補助というものは、十分であるとは申し上げかねております。もし塩業が非常な有利な事業であるというならば、もう少し塩業者の新しい面においての進出がなくちやならぬ。そういう点において欠けるところがあるということは、塩業自身が非常な困窮、苦難にあるということを物語つておるのでありますから、これは公社としても單に金融面ばかりでなしに、あらゆる事業面において、できるだけの援助をいたしておるつもりであります。
  60. 大上司

    ○大上委員 他の委員からも発言があるので、もう一点お尋ねして打上げたいと思います。本製塩施設法案についての逐條的な細部は、後日に譲るといたしまして、私決算委員会におきまして、かつて専売公社の特別な調査をやつたことがあるのです。ところがあなたの方において、思わざるところの国に損害を加えておる点が非常に多い。そこでその一連といたしまして、かつて総裁も行政監察委員会等にお出になつたような問題もある。これを国民的な感情から申しますと、この問題は、先般三宅委員から出ておりましたが、今度七月から三社の輸送に分割するといつておりましたが、私の取上げてみたい問題は、非常にかん水の度合いと、申しますか、そういうふうな面から見て、少しの査定で国損が相当額あるのじやないか。これはうろ覚えでありますが、検査報告番号は、昭和二十四年の六百何号と覚えておりますが、これははつきりしません こういうふうないわゆる会計検査院の批難事項が相当出ておる。中にはいわゆる刑事事件といいますか、不正な職員も見受けられる。こういうふうなものに対して将来の運営上さらに総裁はどのような方針、どのような施策を持つて、部内的な引締めをおやりになるのか。これを最後に伺いたいと思います。
  61. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 ただいまのお話のように、私は先年当院の行政監察委員会の召喚を受けまして、るるお尋ねにあずかつた。そのとき私が常に持つておる所信をお話申し上げ、即往における不満足な点というものについては、私は断固としてこれを改める。国家に一毫の損耗もかけないと、いう方針によつて、将来の経営をして行きたいということつを申し上げて、御了解を得たと存じております。ただいま塩の巨細の点について、まだ欠点があるということでありますれば、私承つてこれを改むるに躊躇しないのであります。今後、先般問題になりました塩の輸送関係におきましても、従来の歴史、塩取引関係を考慮して、これを三分割して、六月一日から実施したいと思つております。さように手配を進めております。なお塩の操作につきまして、もしわれわれの職員の中に不正、歪曲を営んでおるという者がありますれば、私はこれを蛇蝎のごとくきらうのでありまして、先般の私どもの機構改正において内部監察を十分にするため審査部なるものを設けましてこれは各地方局にも審査委員なるものを置いて、そしてみずから自分の不満足な点を省み、またそういう職員がおればこれを指導して、そして矯正するというようなことに全力をあげて、目下努めておるわけであります。どうか御不満、御指摘に相なりますようなことがありますれば、この機会にでもお伺いいたしいと存じます。
  62. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 時の関係上、二、三点ごく簡單にお伺いいたしたいと思います。総裁に第一にお伺いしますが、この製塩施設法に関係を持つておることでありますが、私は従来から災害といつうことに対しては、災害を受けた部分だけを改修したのでは何にもたらぬ、それ以上に改修しなければ何ら効果がない、こういう持論であります。そこで承るところつによりますと、塩田等については五割、堤堤防については六割五分、こういう補助をせられておるように聞いております。ところが、その超過分につきましては一割ずつ減じまして、塩田については四割、堤防については五割五分というよりに、一割ずつ減ぜられておるのでありますが、むしろ同じような額にいたしまして、復旧並びにそれを今度災害の起らぬように、上の方までやるということの方がよいじやないかと思いますが、どうして区分せられたか。これについての総裁の御意見を承りたいと存じます。
  63. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 そのテクニツクの問題につきましては、私よりなお詳細に存じておる局長がこの席におりますから、どうぞ局長からお聞き願いたいと思います。
  64. 西川三次

    ○西川説明員 ただいまのお話は、塩田の超過事業といわれているものであります。つまり災害復旧は、原則が原状回復という建前になつておるのでありますが、この原状回復は不適当であるとか、あるいは、事実上困難であるという場合には、それにかわる方法としまして超過事業未を行つています。たとえば堤防防の場合に、地震でもつて相当沈下いたしたものもありますが、これを原状回復ということであれば、その沈下したものがあるならば、これを元通りのところまでしか回復できないというのでありますが、これではちよつとした津波があつても、すぐ災害をこうむるということになりますので、理想から申しますれば、かさ上げという工事が必要になるわけでありますが、こういつたふうな事例が、いわゆるただいま申しましたような超過事業に該当するわけであります。こういつたふうな補助をやるわけでありますが、今三宅さんのおつしやいましたそういう超過事業の場合にも、普通の復旧事業と同じような比率で出したらつ、どうかというお話であります。この点はほかの農地等の関係におきましても、そういう改良事業については、復旧よりも一割方くらい大体低くしている、こういう権衡の点がありまして、そうういう低い率に提案したわけであります。これは理想から申しりますれば、塩田の現在の事情としまして、堤防については塩田の急所でありますし、また現在の塩業者としましても、資力の点からいたしまして災害復旧には自己資金の調達が非常に困難であるというふうな事情もございますので、理想から申しりますれば、そういつたふうに率を同じにすることが一応いいのじやないか、かように考えられます。
  65. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は今西川塩脳局長のお話になりましたように、理想としてぜひ同額にいたしまして、災害が、再び起らないように、そして製塩事つ業を、発達せしめるように、将来とも御努力願いたいと思います。  次に総裁にお伺いいたしますが、この公社におきましては、製塩施設の効用を有効たらしめるために、その隣接の地域にいわゆる化学会社とかいうものができさまして、あるいは塩の生産に適当でないような水を流しましたり、あるいはその他の汚物を流すようなことがありましたのでは、たいへんで、あるという意味において予防措置を講ずる、こういうことになつておりますが、これは公社の総裁が大蔵大臣協議し、もしくは通産大臣と協議いたしまして、予防措置をするのでありましようか。それとも分社独自でもつて予防措置をするようになつておりましようか。その辺をひとつ承りたい。
  66. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 ただいまの予防措置につきましては、公社総裁独自でやるのではありませんので、通産大臣あるいは農林関係であれば農林大臣というところと協議して、実行することにいたしております。
  67. 三宅則義

    ○三宅(則)委員  今の総裁のお話によりますと、協議をされますが、特に製塩事業をやつております近所に、そうしたような設備を持つておるようなものが今ありましようか。どんなふうになつておりますか、承りたい。
  68. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 ここで申し上げることも何でありますが、最も適例でありますから申し上げますが。防府の市が現在やておる国有地でありますけれども、それを租借して製塩業を営んでおる業者との話合いによつて、ある化学工業を建設したい、こういうような事例が昨年から起つておるのであります。これに対しては公社は塩の増産という方針に反するために、これに製塩業廃止の許可を与えないという方針をとつておるのであります。これは必ずしもどういう工場、どういう事業ということは、全般にわたつて私はそういう業者を持たないのでありますけれども、それから排泄する毒物を含んでおる水が海水に放射される。これが製塩業に支障を生ずる。こういう見解のもとに製塩業廃止の許可を躊躇しておるのでありまして、これは許可しないつもりであります。
  69. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ぜひ適当な措置によりまして、将来とも近所に化学工工業等を持つて来まして、その製塩事業を妨げるというような場合においては、よく通産大臣並びに大蔵大臣とも、あるいは農林大臣とも御相談の上において、予防措置を適切に講じていただきたいと思うのであります。  次に他の委員会からも質問があつたことだろうと思いますが、ひとつ追加してお尋ねいたします。製塩事業の奨励をいたしますことはもちろんでありますが、やはり抜本的に日本の製塩というものにつきまして改革案があるかどうか。今は輸入塩にまつということを、たびたび質問のときにお答えになつておりますが、輸入塩と比例を逆にいたしまして、国内塩はたしか六十万トン、輸入塩は百六十五万トンということを承つておりますが、これを逆にするような方法はないものかどうか。たとえて申しますと、ある人が非常に簡單にできる機械を発明したというようなことを、他の委員会に来て申したことがあつたわけですが、何か拔本的に増産する用意があるものかどうか、この際承りたい。
  70. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 そのお尋ねはまことに答弁に困難をする問題なのであります。私ども公社にもいろいろ新くふう、新発明の紹介をして見える者もたくさんあります。しかしながら公社としてはいかなるものといえども、これを軽視せずに全部調査研究をしておるような次第でありますが、国内塩の拔本的な増産ということにつきましては、公社においても目下塩業審議会、これは各大学のその道の專門家、機械とかいろいろな方面の人たちにお集まりを願つて、研究いたしておるのでありますが、まず最初に取上げた問題としては、海水直射の機械製塩を目下取上げまして、福島県の小名浜に建造中でありまして、この六、七月の交に竣工いたすと思います。これについては、お話申し上げればなかなか企業家もありまして、例の北山川にダムをついて、あれから電力を開発し、そうして一貫作業でソーダまで行こうというような計画はありますけれども、これは資金関係でおそらく四、五十億の金を要するだろう。そういうようなことで、機械製塩についても怠らず研究をいたしております。塩田の改良につきましても今回御協賛を願う案にも片鱗は出ておりますけれども、これを抜本的に改良するというのならば、おそらく三、四百億の予算をちようだいしないと、なかなか困難こと思うのであります。これはしかし人間の知恵でありますから、なかなか手品使いのように奇拔な案もありませんけれども、現在の塩田を改良して行くというのがいわゆる急がばまわれで、そういう順を追うて予算をちようだいして現在の塩田を改良し、しかも同時に新しく塩田を増設するというほか、抜本的の増産の方法というものはなかなか困難だと私ども考えております。
  71. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 もう一点お伺いいたしますが、先ほど来の御質問にもあつたわけでありますが、外国の輸入塩につきましては、各国とも割当があると思つております。その割当に対しまして、これを数十社に委託をして輸入いたしておるということを聞いております。こういうようなことは自由経済でありますから、多くの会社が競争的にやるわけであろうと思いますが、もう少し整理しておやりになつた方が、いいのじやないかということを思つておるわけです。ついでに申しますと、百六十五万トンを輸入いたしますのに、四十社も使つて仕入れるということになりますと、あまりに多いのじやないかと思いますから、これをたとえば数社、五、六社、七社というふうにした方が軽便だろうと思つておりますが、そういうふうなことについて総裁はどう考えておられますか。商業、実業について経験の深い総裁でありますから、その辺をひとつ承りたい。
  72. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 今の御意見は、私全幅に御同意申し上げておるのであります。しかし関係方面がここにおられた間は、政府が物を買うという場合の買い方は広く一般から買う、これに応ずるものはどこからでも、だれでもよいというような建前でやられたように私は承つておる。この点において私は三宅委員のお説と同様に、私も商売人であります。物を買うというときには、どういうようにするかということは心得ております。しかし四十何社は全部取引をしておるというのではないのでありまして、公社に塩を売りたいという人を窓口で私が排斥して、お前からは買わないのだというような態度は、公社としてはとりたくない。みなおいでになつてさしつかえない。その中から私が力、信用、能力、そういうものを勘案して取引をいたしておりますから、大体御意見に沿うようになつて行こうと思つております。
  73. 大上司

    ○大上委員 一つ関連質問をさせていただきたい。まことに愚論と申しますか、私としてはどうもぱつとしないのですが、まず総裁に一つだけお尋ねします。いわゆる農家が受取る米の価格と塩の収納価格と、それぞれ異なつた原価が入つております。そこで米の買上げ価格の農家に、手渡される利益のパーセンテージ、それから塩の收納価格の今日見積られた塩業業者に渡る利益のパーセンテージは、どちらがどのような程度になつておるか。あまり小さいことですからおわかりにならないかと思いますが……。そこでもう一つお尋ねしたいのは、それから答えを得なければいかぬのですが、こういうふうに考えております。なるほど米褒も必要である、塩も必要である、そういうふうにした場合に、どれもこれもというわけには行きませんが大体国家における公益性という点からいうた場合に、これを今日のような——農家は非常にむずかしいと思いまするが、営利法人の形態でなくて、公益法人の形に製塩業者を持つて来れば、なお皆さんの監督その他收納価格が低下せられる、採算率も非常に思うように行く、ひいては国民生活にいいというので、どれもこれもではございませんが、塩についてはそういうふうな考えがし得られるのですが、総裁はどのように考えておられるか。一例を引いてみますると、たとえば今日塩業業者における法人税の扱い等から見ますると、いわゆる收納価格はきめられてはおるが、これに及ぼすところの他の営利法人と、歳入固いわゆる普通でいうところの收入面においては相当狂いがある。こういうふうな場合は特別のいわゆる機械の償却率を見てやるとか、あるいは固定資産税の軽減をはかつてやるとかいうような、側面的な、いわゆる生産コストの引下げができ得る。そこでこういうふうな問題を総合的に見て、本件についてはどのようにお考えなされるか。これをひとつお尋ねしたい。
  74. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 米及び塩の生産費、と收納価格の差の割合については、私はなはだ遺憾でありまするが、存じておらないのであります。ただ米塩と称して生活に必要なる度合いは相讓らないかもわかりませんですけれども、商品である限りはやはり生産費を基礎にして、需給の面からマーケット・プフイスが生れることは当然なことであります。私どもが塩を收納するという点におきましては、先刻申し上げましたように、現在塩の増産ができないというところに何があるかということについては、よく心得ているつもりでありまして、常に收納価格においても上げるというと語弊がありますけれども、そういう面において今日まで極力努力して参つたつもりであります。ただ税金の点においては減税の恩典もあります。その余において、どうも塩の代金というものは、赤裸場々に帳面を押えればすぐわかるから税が不利にとられるという不平については、これは不平として取上げていいか悪いかということはよほど疑問だと思います。税金は支拂うべきものだ、支拂わない方がおかしいくらいなんでありますから、この点においてはどうも不平をお聞きしても、いかんともいたしがたいと思いますが、しかしその余のことについては、ただいまの御質問趣旨もよくわかります。公社としても極力業者のマージンを広くするということについては、私今後もやつて行きたいと思います。
  75. 佐藤重遠

    佐藤委員長 島村君。
  76. 島村一郎

    ○島村委員 私はやはり三宅委員のただいま御質問になりましたようなことと、ほぼ似たようなことでありますが、塩の増産につきましては、国策的な見地から見ましても、これは非常に重要なものであるということは、だれしも疑う余地がございません。きようは幸い秋山総裁がお見えになつておりますので、何とかこれに対して増産をする積極的な御方針をお持ちであるかどうかということを、お伺いいたしたかつたのでありますが、三宅委員に対するただいまの御答弁で、目下御研究中であるように拜承いたしました。でありますから、その点についてはお尋ねを申すことをやめまして、要望を申し上げておきたいと思うのでありますが、いろいろの観点からいたしまして、でき得れば他国にのみ依存するような現状は、はなはだ心もとない行き方である。どうかひとつなお竿頭一歩を進めていただきまして、積極的に塩の増産の問題につきまして、御配慮をいただきたいというお願いを申し上げたいと思うのであります。  つけ加えて申し上げますが、これほど重要な問題でありますので、私どもといたしましては、あらゆる面に当局に協力することに決してやぶさかでありませんから、これもお含みの上、十分なる御施策を要望いたします。
  77. 秋山孝之輔

    ○秋山説明員 ただいま非常に私どもといたしましても力強い御発言をいただきまして、ありがとう存じます。公社におきましては、実はただいま塩田方面の改良に三百億を要するというお話を申し上げましたが、これは單に私抽象論で三百億と申し上げたのではなくて、公社におきましては、あらゆる細目にわたつて改良工事をすれば、集計約三百億の金を要する。こういうことで政府者とは交渉をいたしておるのであります。しかしこれも予算の関係上一時には参らないのであります。現在においてははなはだ不満足ながら、公社の意見と政府の意見と必ずしも合致はしておらないのであります。まことに御説の通りに百七、八十万トンの塩を海外から輸入する。この世界的の政局変動によつて起る差は、一年の間に一トンの塩の値において十ドルも差がある。さようなマーケットに入つて塩を買うということそのことだけでも、日本としては非常な危險な状態にあるのであります。さような次第でありますから、極力内地塩の造成に努めるということは私ども念といたしておりますから、どうぞ本院におきましても、公社の方針について御了得が行つたならば、御援助をいただきたいと思います。
  78. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次会は明三十日午後一時より開会することといたしまして、本日はこれで散会いたします。     午後零時四十七分散会