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1952-04-26 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第58号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十六日(土曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君    理事 松尾トシ子君       大上  司君    川野 芳滿君       島村 一郎君    清水 逸平君       苫米地英俊君    三宅 則義君       高田 富之君    深澤 義守君  出席政府委員         大蔵政務次官  西村 直己君         大蔵事務官         (日本専売公社         監理官)    久米 武文君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (管財局長)  内田 常雄君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (銀行局銀行課         長)      大月  高君         厚生事務官         (大臣官房国立         公園部長)   森本  潔君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  木村 三男君         大蔵事務官         (銀行局資金運         用課長)    高橋 俊英君         建設事務官         (住宅局住宅金         融課長)    前田 光嘉君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 四月二十六日  委員宮原幸三郎君辞任につき、その補欠として  水田三喜男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 四月二十四日  塩専売法の一部を改正する法律案内閣提出第  一七七号) 同月二十五日  理容、美容業者に対する所得税適正化請願(  深澤義守紹介)(第二三七七号)  在外資産の調査に関する請願久保田鶴松君紹  介)(第二三八五号)  未復員者給与法による療養患者給付費引上げ  等の請願武藤運十郎紹介)(第二三八八号)  鹿塩地内の塩水泉開発に関する請願今村忠助  君紹介)(第二三九三号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国有財産特別措置法案内閣提出第五九号)  国民貯蓄債券法案内閣提出第一二一号)  設備輸出為替損失補償法案内閣提出第一二八  号)  国立病院特別会計所属資産譲渡等に関する  特別措置法案内閣提出第一六三号)  製塩施設法案内閣提出第一七六号)  塩専売法の一部を改正する法律案内閣提出第  一七七号)  国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決  を求めるの件(内閣提出議決第一号)
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  去る二十三日本委員会付託に相なりました製塩施設法案、及び一昨二十四日同じく付託に相なりました塩専売法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として、まず政府当局より提案趣旨説明を求めます政府委員西村大蔵政務次官
  3. 西村直己

    西村(直)政府委員 ただいま議題となりました製塩施設法案外法律案につきまして、その提案理由をご説明申し上げます。  この法律案は、国内における塩の生産維持増進し、もつて日本専売公社の行う塩に関する国の専売事業の健全な運営に寄与するため、塩田等改良新設または災害復旧事業費用について公社補助を行わせるとともに、製塩施設保全及びその効用維持のため、所要措置をとることを目的としたものであります。  その内容概略を申しますと、まず塩田等について暴風、洪水等による災害があつた場合には、現在、塩田等災害復旧事業費補助法に基いて、災害復旧事業費用の一部を補助金として交付しておりますが、この現行補助法規定をこの製塩施設法に吸收することといたしました。次に、現行補助法においては、災害復旧事業事業費のうち、災害にかかつた塩田等原形に復旧するのに必要な金額を基準として、補助金を算定することになつているのでありますが、原形復旧が著しく困難または不適当な場合に、これにかわるべき施設を設けるときには、原形復旧に必要な金額を超過する部分、すなわちいわゆる超過事業費について、一定の比率で算出した金額範囲内の補助金を交付できることとして、塩田等災害復旧事業費補助制度に改善を加えることにいたしました。さらに塩田防災施設等改良または新設につきましても、予算範囲内で、その事業費の一部を補助金として交付できることといたしたのであります。  以上申しましたほか、この際製塩施設保全措置のための規定を設けるとといたしております。すなわち製塩施設製塩以外の目的に供しようとするときは、あらかじめ公社許可を受けなければならないこととして、製塩施設を他の用途へ転換することを制限するとともに、製塩施設に隣接する地域または水域において、製塩施設を損壊し、またはその効用を低下させるおそれがある施設新設しようとする者に対し、公社は、製塩施設効用維持保全に必要な予防施設を設けるべきことを、指示することができることといたしたのであります。  以上がこの法律案提案理由並びに内容概略であります。  次に塩専売法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  現行塩売法規定によりますと、公社苛性ソーダソーダ灰等化学製品の製造の用に供する者に塩を売り渡す場合には、一般売渡し価格より低い特別価格で売り渡すことができることとなつておりますが、このほか、新たに鯨、にしん、さけ、ますたら等漁獲物塩蔵用塩につきましても、これらの漁獲物塩蔵費用を引下げて、塩蔵関係食品を低廉な価格で供給いたしますため、特別価格で売り渡すことができることといたしたいのであります。  以上がこの法律案提案理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます
  4. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次にただいま提案趣旨説明を聴取いたしました両案中、塩専売法の一部を改正する法律案につきまして、政府当局より補足説明を聴取いたします日本専売公社監理官久米政府委員
  5. 久米武文

    久米政府委員 塩専売法の一部を改正する法律案、これは皆様よく御承知の通り、長い間の懸案になつていた問題でございまして、実は昨年の春、政府提案で同じ内容法律案を提出しようといたしたのでございますが、当時司令部の中に一部の反対意見がございまして、政府として正式のオーケーを得ることができません。しかし正式の反対もなく、いわゆる握りつぶしという状況に相なりました。その後国会皆様は、この塩蔵用塩特別価格というのは重要な施策であつて、すみやかに実現をはからなければならないということで、政府を御鞭撻相なりまするとともに、国会各党の間でお話合いが進められまして、昨年秋各党共同で、司令部と折衝が行われたというふうな経過も、皆様よく御存じの通りでございます。ごく最近まで司令部側オーケーが事実上得られないまま推移いたしまして、はなはだ遺憾に存じておりましたが、最近オーケーが得られましたので、今度は政府提案ということで、御審議をお願いしておるわけでございます。この塩蔵漁獲物は、国民の最も大衆的な食品でございまして、農山村における蛋白資源供給源として、最も重要なものでございます塩蔵に使いまする塩につきまして、大体トン当り二千円程度の値引きをする特別価格をつくりたいということが、この内容と相なつております。それから従来の塩蔵関係のこれらの食品生産量等から判断いたしまして、所要の塩は大体年間一万八千トンないし二万トン、従いましてこれに要します予算上の影響は、三千六百万円ないし四千万円ということに相なるわけでございます。今回の塩蔵用塩、この塩蔵と由しますのは、単純に塩魚というふうな薄塩のものは含まないのでございまして、塩蔵と称しまするときには、少くともでき上りました製品中、まず大体二五%程度以上塩であるということが必要なわけでございます。これは現在大部分府県におきまして、塩蔵製品検査規則がございまして、製品規格検査をやつております。その場合の規格におきましても、この魚の塩蔵製品規格としては、塩がたとえば二五%あるいは三〇%というふうな規定に相なつております。なお実行におきましては、鯨の関係捕鯨船団が内地の港を出ますときに、特別価格の安い塩を積んで出て行く。初めから安く売るということにいたします。それから鯨以外のにしん、さけ、ますたらいわしというものにつきましては、初め普通の価格で売り渡しまして、あと塩蔵製品ができ上つて製品検査を終り、幾らの塩が使われたかということを確認しました上で、交付金を交付するという制度考えております。結局鯨の場合だけが初めから安く売る。それからにしん、さけ、ますたらいわしというものにつきましては、あとから交付金で差上げる、そういうことでございます。  それからなお関連事項がございますので、申し上げておきますが、塩蔵用塩についての特別価格と同時に、かねて本委員会におきまして、いろいろお話が出ております化学工業用塩中、現在政令で指定されておりまするのは、ソーダ灰苛性ソーダでございますが、これを近く塩素酸ソーダ珪弗化ソーダクロール・ズルフォン酸合成染料等にも適用するように、政令改正をいたす含みでおります。大体この塩蔵用塩特別価格と同時に、実施したいと考えております。なお一般用塩価格につきましても、公社内における諸経費の節減を考えまして、引下げを考慮しております。以上であります。     —————————————
  6. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に国有財産特別措置法案国民貯蓄債券法案設備輸出為替損失補償法案国立病院特別会計所属資産譲渡等に関する特別措置法案、及び国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件の五案を一括議題といたしまして、質疑を続行いたします質疑通告順にこれを許します松尾トシ子君。
  7. 松尾トシ子

    松尾委員 まず第一にお尋ねしたいのは、国有財産特別措置法案についてでございます。これは過般もかなり詳しくお尋ねをいたしましたのですが、少し漏れているところがございますので、もう一度質問をいたす次第であります。第一に国有財産譲渡あるいは払下げをする場合の公示方法を、ここでひとつ明らかにしていただきたいと思います。なぜならば、ある範囲内だけにこれが譲渡あるいは払下げをする知らせがあつて、その他の欲している者にまでこの通知が行かなかつた場合があると、弊害を生ずると思います。その一例としましては、四日市燃料廠などのように、一部の人だけがこれに運動するかのような弊害を生ずるので、私はこれが公示方法を広く日本全国にできるような方法がございましたら、ひとつ明らかにしていただきたいと思います
  8. 木村三男

    木村説明員 公示方法につきましては、財産種類にもよりますが、御意見通り、広く一般に徹底するようにしたいという考えは、私どもも強く持つておるところであります。そこで財産種類にもよりますが、原則といたしましては財務局、税務署等出先機関はもちろんのこと、地方公共団体府県などの機関にも応援を求めまして、掲示あるいは公報などに掲げる、場合によつて新聞ども利用するというような方法で、徹底をはかりたいと思つております
  9. 松尾トシ子

    松尾委員 次に過般の御説明の中にあつたかのように記憶するのですけれども土地あるいは農地国有財産の中にかなりあると思うのですが、その場合に、特に農地の問題は、一旦これを処理する場合に、農林省に移管されましてから、いわゆる農地法によつてこれが整理されるようになるのでございましようか。その点をお尋ねいたします。また農地あるいはその他の土地が、どのくらいでございますか。ひとつ御説明願いたいと思います
  10. 木村三男

    木村説明員 農地につきましては、農林省の方に移管して処理するという御質問通りであります。次に農地等がどのくらいあるかという問題でありますが、ちよつと手持ちの資料ではつきり出ておりませんので、調べましてからお答えいたします
  11. 松尾トシ子

    松尾委員 次にこの法律の第九条にございます、いわゆる中小企業合理化のために、老朽機械の交換とございますが、この中小企業事業自体、具体的にどういうものをさすのか、御説明願いたいと思います
  12. 木村三男

    木村説明員 中小企業範囲をどういうふうに定義するかという問題でありますが、大きなわくで示すか、あるいは個々的に事業的に示すか、二つの方法があるのであります。そこで私の方としましては、なるべく範囲を限定しないで、広く運用したいという考えでおりますので、この点中小企業庁などと話合いをいたしております。一々網羅するという方式よりも、むしろ大きな範囲でもつてきめるという方法をとりたいと思います
  13. 松尾トシ子

    松尾委員 建物譲渡あるいは払下げをした場合に、場合によつて敷地を除くとあるけれども、この敷地一緒譲渡あるいは払下げをするようにした方がよろしいのではないかと思いますが、この点の御意見はいかがありますか。
  14. 木村三男

    木村説明員 原則としましては、建物をやる場合には、土地一緒にということで考えておるのでありますが、今御指摘の敷地を除くことができるというのは、生活困窮者收容施設の場合でございます建物の方には、地方公共団体がたくさん有益費を投じてやつておる。しかしながら土地そのものにつきましては、比較上の考えでありますが、あまり有益費を投じておらない。程度の問題から考えまして、生活困窮者收容施設については、従来無償で貸付することができるとなつておりましたが、これを拡張しました本法案におきましては、建物の方を先に取上げたということであります
  15. 松尾トシ子

    松尾委員 建物を払い下げていただいて、どかなければならないというような場合があると思います。たとえば何か国策によりまして、その土地利用価値がある場合に、上だけ払下げを受けてどけるということになりますと、いわゆる払下げ価格を半減していただいても、採算が合わないということが私は生ずると思います。そのために私は建物を払い下げる場合には、必ず土地一緒にというふうに考えたのですが、またこれをこわして他に移譲する場合には、価格としてはもつとずつと下げていただかないと、とても移転して再建築するというわけには行かないと思いますので、かような質問をしたわけでございます
  16. 木村三男

    木村説明員 建物だけを払い下げた場合に敷地が残る。そこで建物土地とが分離してしまつて、上と下とが別別に行つてしまうというような懸念も、なきにしもあらずと思いますけれども、従来からそういう取扱いはいたしておりませんし、常識上もそういうことがあつてはならぬと考えておりますので、この点は遺憾のないように処置したいと思います
  17. 松尾トシ子

    松尾委員 次に国民貯蓄債券のことについてちよつとお尋ねしたいのですが、この御説明の中を検討いたしますと、電源開発その他国の経済再建のために必要な緊要産業設備資金に充てるため云々とございまして、そのような大きな産業に対して、債券を発行してやることはよいことだと私も思うのですが、電源開発とかあるいはその他の緊要産業にいたしましても、ただいまのところでは、政治問題の構想を一歩も出ていないように思われるのです。言えかえますと、経済問題がまだ発生していないかのように思われるときにあたりまして、浮動購買力を吸收してまで、この資金中央に集める策に出ることは、それらの資金に充てるより、何かはかに意図目的理由があるのではないかと私は考えるのです。たとえば国防強化の際に、その資金が足りない場合とか、あるいは事態が急に逼迫した域に追い込まれた場合に、いたし方なくこれを補填して使うというようなぐあいになると、旧来の報国債券愛国債券というものにかわつて、使われはしないかという懸念があるのです。そういつたような裏の目的のために、零細な金まで吸收するというようなことが起りはしませんか。
  18. 河野通一

    河野(通)政府委員 お答え申し上げます。この貯蓄債券によりまして吸收された資金は、法案の第一条に書いてございますように、資源開発その他経済再建のために緊要な資金、これを調達いたすための目的に使うわけであります。先般の委員会でも御説明申し上げたのでありますが、さしあたり考えておりますのは、今国会に別途提案されております電源開発公社、この所要資金の一部に充てることを、とりあえず二十七年度としては考えておるわけであります。そのほか今お示しのようなその他の目的に、これを流用されるようなことがあるのではないかという御懸念でありますが、この点は現に第一条に書いてございます目的に限つて使用されるのでありまして、そういう御心配は絶対に起らないように処置いたします
  19. 松尾トシ子

    松尾委員 それでわかりましたが、結局そういうような急な事態が発生するということは、河野さんがそれを今から御説明たらたいへんでしようから、そういう御説明におちつくことはわかつておりますけれども、そのような事態の場合にでも、この第一条の趣旨に基いておやりになることをお願いいたします。  それからその次にお尋ねしたいのは、債券を売り出す場合に、信用金庫とか、相互銀行とか、郵便局窓口で扱わせるとありますけれども売上金国庫に納める期間、納入する期間をどのくらい置いておるか。またその期間中に、これを短期融資資金に流用させるというような御意図があるかどうか。この点をお伺いいたしたいと思います
  20. 高橋俊英

    高橋説明員 御心配の点は、金融機関にあまり長く置くのもよろしくないじやないかというお尋ねかと思いますが、これは政府としてはできるだけ早く国庫に入れてもらうのが有利でございまして、発行した後にこちらに金が入つて来ないということは、その間結局無利子で運用ができないということになるから、他の税金とかあるいはそのほか国の関係で、国庫金取扱いのいろいろ細かい規定がございますが、それらの例を見まして、金融機関としてさしつかえない範囲で、われわれといわば妥協できる範囲で、できるだけ早く国庫に入れてもらう、こういうふうに措置したいと考えております。その期間は、今のところはつきりきまつておりませんが、売出しの期日が過ぎたあとになると思いますが、おそらく三日とが四日とか、できるだけ早い機会に入れてもらうことにして、資金運用部資金になるように措置したいと考えております
  21. 松尾トシ子

    松尾委員 三日とか四日ですか。
  22. 高橋俊英

    高橋説明員 売出し期間というものがございます。それは十五日とか二十日とか、ある程度期間を見なければなりませんから、その間は売つてしまつた分については一応銀行において持つておる。期間が経過したらじきに入れてもらう、こういうふうになろうかと思います。だからある程度期間は寝るようなことになりますが、これもその条件の定め方で、売出し最終日発行日になるような、あるいは売出し最終日の翌日が発行日になるようなきめ方をすれば、資金運用部としては何ら損失はない、こういうことになるのであります
  23. 松尾トシ子

    松尾委員 今度この金融問題につきまして、ずいぶんたくさんの法律が出ておるのですが、地方の零細なものを法によらずして、経済的に中央みな引揚げてしまうということになると、地方は困るのです。せめてもこれを売り出す場合に、郵便局にやらせずに信用組合か銀行窓口にやらせて、たとい一箇月でもそこに売上金を置いて、短期金融にまわした方が地方金融のためによいのでありますが、これはどうですか。
  24. 高橋俊英

    高橋説明員 それは国庫指定預金の例でもあるのですが、あまり短かい指定預金は使えないのです。信用金庫相互銀行に三月くらいの期間で金を預けましても、実際はそれをコールに出すとか、あるいはひどい場合には他の銀行等預金をしてしまう。必ずこれは近いうちに返さなければならぬということがわかつておるものについては、おちついて貸付にまわせない。せいぜいコール市場の資金が豊富になるということはありますが、中小企業を潤すというふうな段階までは行かないのではないか。ただこれをほとんど常時売り出しまして連続的に行く場合には、絶えず幾らかの歩どまりがあるのでございますが、そういうふうにも実際上参らぬと思います。必ず間が欠けてしまいますので、置いておつても使い道がなくて、中小企業まで潤わないと思うのであります
  25. 松尾トシ子

    松尾委員 この発売させるときの手数料は、どれくらいにおきめになるのですか。
  26. 高橋俊英

    高橋説明員 それは正式に決定されておる予算上の計算では、売出し価格千円につき二十五円という計算であります
  27. 松尾トシ子

    松尾委員 これでよろしいです。
  28. 佐藤重遠

  29. 佐久間徹

    佐久間委員 ただいま松尾委員から四日市燃料廠のことがちよつと出ておつたようでございましたが、これは最近新聞紙上で騒がれておる問題で、大分誤解があるように思うのであります。近く何か野党と言つては語弊がありますが、一部の議員から国会の問題に付するように聞いておるのであります。当委員会といたしましても、今日この機会に真相を明らかにしていただきたいと思いまして、質問申し上げるわけでございます。  これは払下げめぐつていろいろの運動が行われておるという程度しか、ただいまわかつておらないのでございますが、この問題については、通産省と最終決定をする大蔵省との間に、何かトラブルがあるように世間に言われておるのでありますが、はたしてその事実があるのかどうか。これをひとつお聞かせいただけるならばと思いましてお尋ねするのですが、いかがでございましようか。
  30. 内田常雄

    内田(常)政府委員 四日市海軍燃料廠、つまり第二海軍燃料廠というものがございまして、これが現在のところは賠償指定になつております。しかし賠償指定でありましても、司令部許可を得て一時使用が許される建前がありますので、そこで従来からこの海軍燃料廠の転用のための一時使用につきまして、私の記憶でも約十社ぐらいの石油精製会社から使用申請がございました。もつとも四日市海軍燃料廠と申しましても、非常に広い区域でありまして、地積にして多分六十万坪くらいに及んでおると思います。その中で約半分くらいは石油精製ではないのでありまして、硫安つたと思いますが、東海硫安会社にすでに一時使用が承認されておりまして、残る部分が今お尋ねの対象になつているところでございます。なおこの東海硫安のほかにも一、二他の石油会社に対しまして、貯油施設等が一時使用として許可されております。それは大協石油外一社であると思いますが、これらはいずれも附帶設備でありまして、四日市燃料廠の中枢的な部分ではございません。私の申しました十社くらいから申請が出ておると申しましたのは、いずれも旧燃料廠石油精製に関するいわば心臓的な部分でありまして、これをどうするかということがいろいろ問題になつております四日市燃料廠は、日本海軍が持つてつた燃料廠の中で一番大きいものであり、一番新しいものであると聞いております昭和十八年くらいに就工いたしまして、ほんとうにこれが運転し始めたころは、戦争の状態も非常に悪くなり、アメリカからはむろんのこと、南方の原油も取寄せられなくなつて松根油などを処理する程度で、戦争が済んでしまつたということで、せつかくつくつたものがあまり戦力にはならなかつたようでございました。もつとも昭和二十年ごろ三回ぐらい爆撃を受けまして、私も一度見たことがありますが、私どもしろうと目から見ますと非常にこわされております。かつ化学工業でありますために、地上で目に見えますものは、そう大したものでもないように見えますが、おそらく地下のパイプその他の施設等を合せますと、今後修理を加えますならば、相当の規模で石油精製を再開し得るものだろうと考えます。私が承知しておりますところでも、あれに修理を加えて再開しますと、一日に二万五千バーレルくらいの原油の処理ができる。今日日本の原油処理の状況は、おそらく一日七万バーレルか八万バーレルくらいであろうと思いますから、従つて現在の国内の動いている石油精製能力の四分の一くらいの規模を持つている。従つてあの石油精製施設を、だれが一時使用許可を受けて運転するかということによりまして、そのものが石油精製上非常に有利な地位に立つということが、もつぱら業界の最大関心事になつているわけでございます。ところがこれはいろいろ説があるのでありますが、従来の一時使用というものはいつ取上げられるかわからぬ。司令部の命令があるといつでも使用の状態を中止させて——これは賠償指定になつておりますから、いつやめさせられるかもしれないということのために、他の施設でもこれはそうでありますが、一時使用料というものは非常に安かつた。もちろん政府が払い下げるわけでもないのですからよけいな金はいらぬ。毎年何がしかの使用料を払つて行けばそれで施設の運転ができるということのために、十社というところから申請があつたと思います。しかし御承知のように講和条約が発効いたしますと、賠償指定は自動的になくなりますから、今までのような安い使用料で、民間の申請会社に貸し付けるということはございません。従つて今後は政府が評価する相当の価格で、それを買いとらなければならないことになります。そうなると、今まで一時使用申請中の十社が十社まで、単独でこれの払下げを受け得る資力があるかどうか、ここにもかなり問題がありますが、いずれにしても今までの申請が一時使用を対象としておつたものが、今後は私どもの方針はこれを評価額で払い下げるということになりますから、そこに問題がかなり違つて来ると思います。なおお尋ねのように、大蔵省と通産省との間には意見の相違や争いはございません。それは、御質問のないのに私から申し上げてしまうのもいかがかと思いますが、今日他の委員会等でしばしば問題にされおりますのは、あれを某々一社が資金的にも資格あるものとして、ことに資金の面については外資を入れて、その資力によつてあれを買いとる、こういう申請があるそうだが、さようなことになつた場合には、日本石油精製施設の相当大きい部分に、外国の勢力が入ることになりはせぬか、その辺は政府はどう考えるか、むしろこれはその一社ではなしに、数社で共同で経営させるようにした方が適当ではないか、あるいは国がむしろあれを現物出資をして、他の足らない資金を民間から集めて、一つの特殊会社のような形に運営さしたらどうか、それらの今後の運営方式いかんということが問題になつているのではないかと思います。大蔵省に関しまするものは、あの財産はまさに大蔵省所管の国有財産でありますから、最後に売るか貸すか、また幾らに売るかということは大蔵省の仕事でありますけれども、大蔵省は財政官庁でありまして作業官庁ではないのであります。いかなる形態であれの復旧をはかつたらいいか、どこにやらしたらいいかということにつきましては、大蔵省自体が判断するよりも、むしろ石油行政の担当官庁である通産省の意見をまつ、こういう態度であります。その大蔵省の態度と照応いたしまして、通産省で現在すでに、たとえば播磨製造所などについて同じことが行われましたように、業界の、これはまあ石油に直接の関係はない方々のようでありますけれども、識見ある産業家、金融家等のいわゆる五人委員会というものが、非公式に通産大臣の御相談相手の機関として通産省の中につくられまして、そこで一切の状況を説明されて、これはおもにどういう形で運営させるのがいいかということを御研究中のようであります。通産省の意見がきまりますと、通産省から大蔵省にその意見の通報がある。大蔵省におきましては通産省の意見を、これは大蔵省単独ではなしに他の作業官庁、たとえば運輸省、経済安定本部というような他の作業官庁と、転用に関して常時催しておりますところの関係官庁間の協議会のようなものがございますが、通産省の意見をその協議会できめまして、みな異存のないところで最終的な処分を決定する、こういうことに相なると思います。  なおもう一点他の委員会等で問題になりましたのは、あたかも大蔵省が非常に何か安い評価額を示しているようだ、これは話にならぬような安い評価額だ、さような評価額は適当とは思えないというような御意見もありますが、その点につきましては、大蔵省はまだ評価を完了いたしておりません。従いまして何億円というようなこともまつたくきまつておりません。ただこれは四日市の燃料施設に限らず、賠償指定になつております旧軍用施設につきましては、昭和二十三年に司令部の命令によりまして評価をしたものがございます。これは非常に大きな仕組みと相当の金を使いまして、当時の民間の有識者といいますか、経験者の応援までも得まして、昭和二十三年の状態で評価をしたものを大蔵省が持つております。詳しく申しますと、二十三年に評価をしたのですが、評価の価格は二十三年で評価をしたのではなしに、一九三九年ですか、ですから昭和十四年になりますが、昭和十四年の時価まで引きもとして、昭和十四年の時価で、現実の状態は一九四八年の状態で評価をしたものがございます。それを基礎といたしまして、その後の物価の倍率と申しますか、これは一般的の標準物価とか卸売物価でなしに、同種の機械なんかの市場価格の動き方の系数、大体これは機械なんかの一九三九年から今日までの値上り額で、一般の物価よりも上り方が割合少くて、八十倍ないし百二十倍のようでありますが、そのようなものをかけまして一応の評価をするようであります。これはあくまでも一応の机上の評価でありますから、机上の評価をもととして、なお民間の有識者つまり信託会社とか、あるいは産業銀行とか、あるいは工場財団等を取扱う機関というような方々の協力を得まして、さらにその最終評価をやり直す、こういう予定でおりますが、現在のところは大蔵省としては評価がきまつておらないのであります。従つて従来ちよちよい問題にされましたように、評価が安いとか高いとかいうところまで来ていないのが現状であります。以上一応申し上げます
  31. 佐久間徹

    佐久間委員 私の尋ねようとすることは、要するに他の方面で大分問題になつており、またこれは国会の問題になる性質のものであるということで、所管の当委員会が全然これを等閑に付するということはどうかと思うので、概要を説明していただこうと思つてお尋ねしているわけでありますが、ただいま局長から詳細に御説明がありまして、まだ最終決定にはもちろん至つていない、価格の点もきまつていないのだということで、私の質問しようと思つたことも結局必要がないことになりましたのですが、ただその中でわれわれの一番心配しているのは、いわゆる産婆役を勤める通産省と最後決定権を持つている大蔵省との間に、これをめぐる運動屋ですか、そういう連中がおのおのの勢力を利用して大分論争をしておるとか、あるいは猛運動を続けておるとかいうようなわけで、自然通産省あるいは大蔵省に対して、相当政治的圧迫がかかつておるということが言われておるわけでありまして、大体腹づもりがきまつておるようなことも言われておるわけでございます。今お話によればそういうことはないんだということでございますので、安心したわけであります。  そこでもう一、二点お尋ねしたいのは、旧大阪造兵廠の播磨製造所でございますか、これが図上の査定においては十五億円で神戸製鋼所に払下げなつた。この例から見ると、あるいは臆測であるかもしれませんが、今度の四日市の分は五十億円に査定しておるということが言われておるのです。ところがこれは地下にパイプなどを非常に多く持つておるので、それらのことを考えてみると、価格は七百億ぐらいじやないかというようなことまでもつぱらうわさに上つておる。おそらく大蔵省としては、おつしやる通り最終決定はしてないのだということですし、これもまたいろいろの委員会にかけて、最終決定に至るでありましようから、ここでどうこう議論する必要はないと思いますけれども、とにかくこれが非常な問題になつておるときでありますから、特に今後は最後決定は大蔵省にありというならば、世間からいろいろ言われないように、十分御戒心のほどを願いたいということを申し上げたいのであります。こまかいことは新聞に詳しく出ており、きようここに持つて来ておりますが、そんなことは一々質問しようとは思いません。大綱を今の御説明によりまして了承した次第であります
  32. 内田常雄

    内田(常)政府委員 佐久間さんのお尋ね以外のことにわたりまして、私は持たせぶりの答弁を一々するのもいかがかと思いまして、総括的に申してしまつたはずで、真相はあの通りであります。ただ最後にお話のございました一部の評価によると七百億円、これは私どもが今まで聞きましたうちで一番高い値段で、だんだん多くなつて行くようであります。この前の委員会でどなたか経済ジープでございますか何か、その雑誌の記事にあるということに関連して発言があつたときには、五百六十億円というお話があつたようであります。きようまた七百億円ということでありまして、あすは九百億円くらいになるかもしれませんが、それはこういう意味ではなかろうかと思います。当時軍が、昭和十四年ごろから十八年ごろまでにつくつたのですが、その当時の軍が幾らの金を使つたか、あの辺の民家を立ちのかせたり、いろいろな補償費まで払つて、当時の言葉で言うと、軍がやるんだから親方日の丸で、幾ら金がかかろうと、軍事目的のために相当強行してやつたように思います。そのときの費用と今日の物価は三百倍になつておるということで、三百倍すると、あるいは五百億というような数字が出るかもしれませんが、今日評価を大蔵省がいたす場合には、昔親方日の丸で支出した金を、全体の卸売物価へかけるということは経済に適さないので、現状を他の同種の工場施設なり、あるいは土地でいえば類地の価格というものを基準にして、まつたくの経済的時価を出すという方法が適当だろうと思います。ことに先ほどもと触れましたように、三回の爆撃を受けまして、相当いたんだり風化したりしております。これは行つてごらんになるとわかりますが、化学施設でありますために、保温施設とかいろいろなものがありますが、それが風化したり、とられたりしておりまして、昔の状態と大いにかわつて来ております。そこで今手がかりになりますのは、先ほど申しましたように昭和二十三年の状態で評価したものがありますから、それをもとにしてその後の償却なり破損の状況とか、あるいは私どもの管理が十分でないために、物を持ち出されたというようなものもあるんじやないかと思います。そういうような状態を一切加味いたしまして、経済的の客観評価をするという方法をいたしますと、そこに何百億という評価にはどうもならないようでありますお尋ねの五十億ならどうかというお話でありましたが、これはまだ昭和二十三年の評価を基礎とする図上評価も完了しておりませんので、何とも申し上げられませんが、あなたのお耳にまで伝わつておるなら、むしろ申し上げた方がいいと思いますが、物がなくなつておる状態とか、ことに悪くなつておる状態を別にしますと、一応四十億ないし五十億の評価になるのではなかろうかということを、私の方の係官が、これは図上査定もしないで想像をいたしたことはございます。それが伝わつておると思いますが、これは現実に即してやると、それより安いかもしれないし、高いかもしれない。少くとも大阪造兵廠の播磨製造所の基準価格十五億、それも基準価格で現地につきましてやつてみて、上げ下げはありますが、それよりも高いものだろうということは間違いないと思います。以上申し上げましたことが私の知つておることの全部でありまして、間違いございません。
  33. 佐久間徹

    佐久間委員 それではもう一つ伺いますが、四日市海軍燃料廠施設運営会社準備委員というものがあることを御存じですか。
  34. 内田常雄

    内田(常)政府委員 これも見たことはございませんが、さような名前の陳情書のありますことは承知しております。これはどこまで一体判こをとられたのか知りませんが、そのもとになる方四人くらいが今の準備委員というような名前で、一社にやらせるよりも共同でやらせた方が穏便だという趣旨の陳情書が、通産省にも大蔵省にも御提出になつております
  35. 佐久間徹

    佐久間委員 大蔵省としては当面の責任者としてのあなたのお考えは、国民の血税によつてつくつたものである、従つてこれは国家の所有で、民間に使用させて行くという形をとつた方がいいという議論があるのですが、その点に関してどういうお考えをお持ちになつておりますか。その点をお尋ねます
  36. 内田常雄

    内田(常)政府委員 これは最高政策に属する問題で、私がただ財産管理者という立場からは何とも申し上げにくいのであります。自衛力増強その他のことが言われておりましても、これはまつたくの私個人の意見でありますが、おそらく昔のように燃料廠に限らず、その他の造兵廠につきましても、政府みずから施設を所有して、みずからさような施設を運営するということは、財産の面その他から困難ではなかろうか。どうしてもかりに自衛力増強等の問題がありましても、民間の企業をして運営せしめて、政府が調弁するという形になる方が、今の日本の財政状況からは適当ではないかと、私は個人的には考えます。ただその中間的の行き方として、昔の官有民営といいますか、政府が持つてつて、民間に運営させるという形も理論的には考えられますが、さようなことがはたして現実に即するかどうかということにつきましては、私個人としては疑問だと思います。ただ政府が現物出資として民間からも資本参加をさせて、一つの特殊会社のようなものをつくるということは、最高政策できめられるならそれは別でありますが、これは一つの方法であろうと思います。もつともこれをやりますためには、国有財産法あるいは財産法の規定によりまして、政府国有財産を出資するためには、法律がなければできないことになつておりますから、おそらく特別な法律でも政府提出で国会にはかつてやらなければ、政府単独ではできないことであると思います
  37. 佐久間徹

    佐久間委員 おそらくその点はいろいろついて来ると思うのであります。それから外国資本等を導入すべきでないということを言つておりますが、それらの点については十分ひとつお考えおきを願つて、はつきりした線をお出しになつて、亡者どもを安心させるように、一日も早く決定せられるように私はお願いしたいと思つております。私の質問はこれで終りといたします
  38. 佐藤重遠

    佐藤委員長 大上司君。
  39. 大上司

    ○大上委員 ほんのちよつと質問いたします。  まずただいま提案になつております国有財産の問題ですが、この逐条的なことはやめますが、第七条あるいは第九条等を見まして、非常に伏魔殿的なものがあるように思うのです。まずそれは第七条の規定では、いろいろありますが、略した意味で、政令で定めるということになつておるので、大体のことはおわかりだろうと思われますので、その内容説明してもらいたいのが一つと、それからいま一つは「事業者に対し事業の成功を条件としてその財産の売払又は貸付の契約をすることができる。」それでは事業の成功はどういう基準で判定なさるのですか。この判定基準というものがあるでしようから、その判定基準というものをお示し願いたい。そこでわれわれが単なる常識的に判断してみますと、非常に伏魔殿のような気がする。その裏づけといたしまして、まず管財局長お尋ねしたいことは、昭和二十年度の会計検査院から出されたところの会計検査報告をお読みになつたかどうか。おそらく読んでおると思いますが、その中で批難事項として上つておるのは、国有財産管理のあなたの所管だけで約五十一件もある。その中には当然いわゆる職員の不正事項というものも相当出ておりますが、そういう問題は特にあなたの監督の不十分によるものだろうと私は思います。そこで、こういうふうな既往の実績から見られて、今度の七条の規定をどうお使いになるかというとについて、確固たる監督者としての立場をひとつ伺いたい。  その次に同じようなことですが、第九条の規定で、同じように政令で定ある事業者に対し、その所有する機械が非常に悪くなつた、これは交換することができる。そこで機械もいろいろあります。特にわれわれがよく言うところの旋盤も、十二尺盤もあるし八尺般もあるし六尺盤もある。これをどの程度で古くなつたものと判定なさるのか。使用年度でなさるのか、あるいは今まで使つておるものも使つておらないものもあるのだが、この機械をどの限度に置くならば、これが古くなつたと判定づけられるか、一括して質問いたします。  最後にお尋ねしたいのは、もう四月下旬になつておるのですが、この法律は附則を見ますと、昭和二十七年四月一日から施行するということになつておる。そこでまずこれに関連をもちまして、あなたが監督なさる、または事務を遂行する上において、昭和二十七年度予算にどの程度事務費を出しておられるか。従つてつた分が出て来るはずです。どれだけ余剰をなさるのか。その三点をとりまとめてお尋ねいたします
  40. 内田常雄

    内田(常)政府委員 大上さんからたいへん推問的な御質問を受けまして、まことに恐縮するのでありますが、この法律につきましては、実は長い間委員会にも付託せられ、私もたびたび各種の委員会説明をいたして来ております。これはもう一度私の気持を申しますと、従来国有財産の処理はもつぱら財政法的感覚で行われておつた。国の財政法あるいは国有財産法という財政処理だけでもつぱら来た。ところが国有財産の現状を見ますと、単に財政法的な感覚だけから処理したのでは足りないのではないか。むしろ産業経済法的感覚から処理すべきである。つまり財政法で交換もできないものを売るならば、入札で一銭でも高く売るのだというやり方だけをとつて参りましたし、またさような見地から会計検査院等から批難事項も受けておつたのでありますが、それを今日の社会経済の状況に適するように、社会経済的感覚から処理する。言いかえると国有財産の処理を、財政法から経済法の範疇に少し持つて参つたら、その方が実情に合うだろうという趣旨で、この法律の全体ができております。従つてお尋ねの第七条関係でありますが、これも決して私ども意図では、伏魔殿を来すようなつもりは毛頭ないところから出発しておるのでありまして、たとえば土地改良災害の復旧防除等の問題があります際に、今日の財政法あるいは今までの国有財産法の建前だけから申しますと、処分をします際は処分時の状況で処分するよりしようがない。非常な荒地や災害をこうむつたところを、民間の公共団体あるいは企業組合等が非常に苦心をしてよい状態にしてみましても、いざ政府から買うときには、政府はよくなつた状態で売る。これは非常にその実情から申して無理だ。これは非常に悪いところを、自分らが政府の承認を受けて非常に苦労していい土地に直したものだから、売るなら今のいい状態になつたものを売るのは無理じやないか。前の素地と申しましたか、復旧前、改良前の状態で売るべきじやないか、こういう問題が起ると思います。そこでこれはその土地改良と申しますか、ある種の事業について政府の承認を受けてやつた場合には、その改良される前の状態で売ることができるという予約をしておく。事業が成功した場合には、それに関連する部分を前の予約の通りに、安い価格で売れるということにする。また事業が全体として成功しなくても、諸般の情勢から見て一部の成功が意味があるなら、これも予約通り売れる、こういう趣旨であります。成功したか、成功しないかの認定につきましては、まだ法律的な基準というものはできておりませんが、先ほど申し上げましたような社会経済あるいは産業的の見地から、無理のないように基準を設けて行きたいと思います。なおこの第七条の規定は、実は日本が占領軍に占領されます前の大昔の——大昔でもございませんが、敗戦前の国有財産法には、大体これと同趣旨規定がございました。それを進駐軍が参りましてから、その規定その他の改正がありました際に落してしまつたものを、復活さしたようなものでございます。昔もこれはあつたことを申し上げます。  それから第九条の機械の交換でありますが、これもまつたく私が最初に申しました、財政から経済へという趣旨から出ておるのでありまして、今日日本中小企業が、一方において企業合理化とか、設備の近代化ということが叫ばれておつても、なかなか中小企業までの近代化ができておらぬ。しかるに政府が何万台かの機械を持つて、それを財政法的見地から入札さしてただ売りさえすればよい、中小企業の機械が改良できなくてもいいという見地にとどまらないで、それをさらに一歩を進めて、さような悪い機械が国内に横行しているのは、国家の経済のために非常に大きな損失だから、さようなものはこれをスクラップに鋳つぶして、国の機械に置きかえてやるのです。いわばスクラツプ・アンド・ビルドの政策をとる。ここで政令できめるというのは大体中小企業範囲をきめるつもりでございます。  それから最後の四月一日から施行するということにつきましては、これは当委員会理事の方とも三月中にお打合せしたのでありますが、この法律はたいへんおもしろい法律であつて国民経済に貢献する法律であるから、ゆつくりひとつできるだけいい状態にみなが理解して、これは悪い法律でなくて、非常にいい法律だから、みんなでゆつくり味わつた上で、満足したところで判定したい。特に年度がかわつて四月一日からでなければできないという問題ではなしに、四月一日が過ぎても、これは国民の幸福になる法律だからやろうじやないかということで、私どもこれを了承したわけであります。なお、これをやりますために特別の経費を予算に計上してはおりません。さような経済法的な法律をやつても、やらなくても、国有財産の管理、処分のために経費が計上してあるのでありまして、これをやつたから特によけいな経費がかかるという趣旨で、予算に計上してはございませんけれども、四月一日が五月一日にかりに延びましても、その間の経費が浮くというものではありませんことを、御了承願いたいと思います
  41. 大上司

    ○大上委員 最後の三点について、ちよつと結びが悪かつたので再質問いたしたいと思いますが、特に第七条については法律云々ということもありましたし、時間も来ておるようでありますから、与党の立場から引込めましよう。  そこで最後にお尋ねしたいのです。これはお答えがなかつたのですが、いわゆる非常に会計検査院の批難事項が多い。それで私らの受ける考え方は、そういうふうなもので非常にこれは多いのだ、しかも事務費もさらに計上しなくてもやれるというお話でありますが、われわれの考えから行くと、仕事の量なり、行政事務の量がふえて行くのではないか。そこで現在のような行き方から見ますと、監督はしておられるだろうが、私生活まで云々ということであなたは逃げられるかもしれぬけれども、これは当然監督の不十分によるとわれわれは思う。そこで、どういうふうな運営をおやりになればそれを防げるか、それをお尋ねます
  42. 内田常雄

    内田(常)政府委員 会計検査院の報告に、国有財産に関して数多くの不当事項があげられておりますことは、これは私ども責任者といたしまして、監督の及ばなかつたことはまことに申訳ないところでありまして、決算委員会等におきましてもしばしばおわびを申し上げ、また改善の意向等も申し述べております。もつとも検査院の機能と申しますとまた問題になるかもしれませんが、会計検査院の不当事項の取扱いの中には、私どもとしても、悪い点はたくさんあるのでありますが、ただ財政法的見地から申しますと、不当事項になるという種類のものもございます。たとえば公定価格が改訂になつたのに、なぜ政府の売値は上げないのかという意味のものでありますが、この点については公定価格が改訂になつたから、政府の処分価格をただちに引上げなければならぬものとも思えないような気もするのであります。たとえばそういう種類のものは政府はできるだけ高く売ればよい。財政法の精神に合いさえすれば、経済的にそぐわなくても、それが財政法の精神だという意味のおしかりを受けたこともあるのでありますが、それらのことについては決算委員会において、逐次誠意を披瀝して御理解を願うようにしおります。われわれとしましても不当事項としてあげられたのは申訳ないことでありますが、あらためてこの機会に陳謝をし、お約束をするほかはないと思つております。なお本省としましては、これらの財産は直接所管しないで、本省にある私どもの機構はいわば主税局のような機構でありまして、国税庁、国税局に当る機構として、実際財産を管理処分をする機構といたしましては、御承知のように各財務局があり、その下にちようど税務署に当ります機構として、財務部というものがございまして、これらの役所に属する職員が取扱うわけでありますが、私どもの監督も不十分な点がありまして、末端の職員にしばしば不正の事実があるわけでございます。しかしそれらも検査報告で御承知のように大体スクラツプの処理、スクラツプを搬出する際の不正、涜職というよりもむしろ看守——財務部あるいは現場の看守のような、公務員ではあるけれども、特殊の役目を持つている看守のようなものが民間の買受人とぐるになつて、一車スクラップを持ち出すべきところを、ごまかして他の一車も運び去つたという、これを窃盗のような事件が大部分でございまして、これを監督するためには今までより財産の管理を厳重にし、ことに人間、車の出入り等を一々伝票のようなものをつくりまして、受払いを厳正にするということより、防ぎようがないのでありますけれども、これらの点につきましては、昨年来の入門、出門伝票等を整備いたしまして、人員の許す限り、また予算の許す限り、手を配るようにいたしております。今後はさような事件は、たとい小さいとはいえ、絶無を期したい考えでございます
  43. 小山長規

    ○小山委員 ただいま大上委員からもお話がありましたが、この国有財産特別措置法につきましては、非常に政令事項が多いのであります。しかもその政令内容いかんによつて、この法律目的が右にも左にも曲るような分も、相当程度あると私は思つております政令内容は一体どういうふうにするつもりかというような方針は、この委員会を通じて伺つたのでありますが、実際にその政令が、この委員会において質疑応答されたような方向において、できるかどうかということについては、なおまだわかつていない。そこで委員会質疑応答されたような方向に、この政令ができるかどうかということについては、われわれも強い関心を持つているのであります政令ができる前に、われわれが希望するような、委員会を通じて質疑応答があり、あるいは委員会の各委員の諸君が申されたような趣旨に、政令ができておるかどうかを見る機会を与えられて——というとおかしいのですが、そういうふうな機会をそちらの方で提供される御意思があるかどうか。
  44. 内田常雄

    内田(常)政府委員 政令事項はたびたび御説明申し上げましたような考え方で、誤りなきを期するつもりでありますが、なお政令案等ができました際は、適宜の方法、たとえばこれは一つの方法にすぎませんが、与党の政調会の御意見も承るというような方法をとるようにいたしたいと考えております
  45. 奧村又十郎

    ○奧村委員 時間が経過したので、同僚諸君に非常に恐縮でありますが、一点だけ国民貯蓄債券に関してお尋ねいたします。この規定を読み、また政府の腹案をお尋ねしてみますると、国民貯蓄債券が案外に利用者にとつて有利でないという感じが強い。つまり五年のすえ置きで、五年間最終まで持つて、その最終の利回りが六分九厘六毛、そこで途中でこれを政府が買い上げるという場合は、まず半年はすえ置き、一年間は発行価格で買い上げる。つまり一年間に売り渡すという場合には全然利子がつかぬ。それからあとだんだん買上げ価格は多少は有利になるでしようが、最も有利なもので五年すえ置きで六分九厘大毛、しかも法律規定によると、抽籤によつて割増金をつけるということになつているが、実は今つける計画をしていない。この割増金によつて非常に魅力があるのであるが、これをやらない。これでは国民貯蓄債券というものははなはだ魅力がないもので、政府の今回の初めての企てにおいてはたしてうまく行くかどうか。政府は六十億消化できると言われるかもしれぬが、従来のやり方を見ると、おそらく郵便局に割当てて、半強制的に、無理に押しつけるということでもつて消化できると言うかしらぬが、それでは今後この国民貯蓄債券を永続してやられるについて、遺憾な点ができるのではないか。はたしてこういう魅力のない、しかもあまり有利でないものを予定通り消化できるかどうか、その政府の自信のほどをお伺いしておきたい。
  46. 河野通一

    河野(通)政府委員 私ども委員会でいろいろ御説明申し上げておりますような趣旨によりまして、この貯蓄債券の消化はできると思つております。条件の問題でいろいろお話が出ましたが、これは法律にも書いてございますように、一般の金利水準等を権衡をとりながら、特に税の関係取扱い等の権衡等も頭に置きながら、この程度の利回りが適当であろうという結論に到達いたしておるわけであります。もつともこの点はまだ具体的にはつきり確定いたしたところではございません。一応の腹案という程度でございまして、条件等につきましては、実情に応じまして消化が可能のところを目安にして参りたい。しかしながら消化を十分にして行くことだけを考えまして、他の一般金融機関の金利水準、それらの条件を無視したやり方は、これは適当でない。特にこれは政府で発行いたすものでありますから、一般金融機関資金の吸收の方途としての預貯金等とは、信用の程度といつたようなものにつきましても幾分違います。そういつた関係も頭に置きながら、一般の金利水準も目安にして考えて行きたい、かように考えておる次第でございます。ただいまのところでは、私どもは今予定いたしております程度の消化はできるものと考えております。  第二に割増金の問題でありますが、この法案では割増金はつけられることに、お願いをいたしたいと思つておりますが、さしあたり当初におきましては、割増金をつけないで発行いたしてみたい。それでその後の消化の状況によりましては、やはり割増金といつたものをつけなければおもしろみがない、割増金がないために消化が非常にうまく行かないといつた場合におきましては、割増金をつけるということで参りたいと思つておりますが、さしあたりの問題としては割増金をつけないで、何とかただいま申し上げましたような条件で、売れて行くのではないかというふうに考えております。  それから郵便局等に割当をして、強制的に消化をはかることをやるのではないかというお話でありますが、これは実際の運用の問題として、かねて郵便貯金ことに定額貯金等につきましては、一方ではそういう御非難等もいろいろ受けておつたわけであります。先般の金融制度懇談会におきましても、いろいろその点についての御非難と申しますか、そういつたことも承つております。これらの売りさばき等の方法につきましては、できるだけ民間の金融機関との不当な紛淆と申しますか、摩擦と申しますか、そういつたことのないように、できるだけ自然に売れて行くような方途を講じて参りたい。しかし一方でやはり消化はやつて参りたいのでありますから、ある程度やはり積極的に、足でもつてこれを売りさばくということはやつて参りたい。ただ窓口にすわつてつて、買いに来る人に売るということでなしに、やはり足である程度は売つて歩く。戸別に戸ごとに売つて歩くという制度は、続けて参らなければならぬと考えておりますが、これが非常に度が過ぎて、不当なやり方ということにならないようには常時注意して参りたい。これはただこの国民貯蓄債券だけではなくて、一般の郵便貯金についても同じようなことと思つて、十分注意いたして参りたいと思います
  47. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいま議題となつております五案のうち、国有財産特別措置法案国民貯蓄債券法案設備輸出為替損失補償法案、及び国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件の四案につきましては、すでに質疑も尽されたと思われますので、この際右四案につきましては質疑を打切られんことを望みます
  48. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようですから、右四案に対する質疑は以上をもつて打切ることといたします。  次にただいま質疑を打切りました四案につき順次討論採決を行います。  まず国有財産特別措置法案議題といたします。本案に対しましては自由党佐久間徹委員及び宮原幸三郎委員から修正案が提出せられており、修正案の提案趣旨説明は去る二十二日すでにこれを聴取いたしましたので、これより本案及び両修正案を一括議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します松尾トシ子君。
  50. 松尾トシ子

    松尾委員 私は社会党を代表いたしまして、国有財産特別措置法及びその修正案に対して討論をいたします。原案に対しましては反対でございます。修正案に対しましては、賛成ですが、総体としては反対の表示をするものであります。なぜならば国有財産を処理するにあたりましては、その活用について国家的見地に立つて、自立経済の立場より検討さるべきだと思うのでございますけれども、この法律が施行されましたあかつきに、はたしてそれらが私どもの唱えるように進んで行くかどうか疑わしい点が、この法案内容に盛られているように思われますので、反対の意を表する次第であります
  51. 佐藤重遠

    佐藤委員長 高田富之君。
  52. 高田富之

    ○高田(富)委員 私は日本共産党を代表して、国有財産特別措置法案並びに修正案に対しまして、反対意見を一言申し述べたいと思います。  国有財産の処理につきましては、先般行政協定に基きまして、アメリカ駐留軍に対する無償使用法案が、本院において通過いたしたのであります。一方駐留軍によりまして必要とするものは、どしどし無償で使用される。その一部使用されないものにつきましては、一般譲渡される部分が相当多くなるということでありますが、特に民生の安定、社会施設関係等につきましては、譲渡する場合にも無償ではない、有償でやるということになつております。これはまことに了解に苦しむ点でございまして、なおそのほか機械設備の交換でありますとか、あるいは旧軍用財産の管理委託であるとか、あるいは普通財産譲渡の場合における延納期限の延長でありますとか、これらすべての点を通覧いたしまして、やはりこれらのものが一部の今後拡張されるであろうところの兵器生産、あるいはこれに関連する軍事的な方面に優先的に渡されるであろうことは、これは政令の公布を見るまでもなく、大体明らかに想像できるのであります。従いましてわれわれはかかる国有財産の処理方法並びに処理の基本的な目標に対しまして、賛成することができない次第であります
  53. 佐藤重遠

    佐藤委員長 討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず佐久間徹君提出の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  54. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本修正案は可決されました。  次に、宮原幸三郎君提出にかかる修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  55. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本修正案も可決されました。  最後に、ただいま採決いたしました二つの修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  56. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案は佐久間君及び宮原君提案のごとく修正議決されました。  次に、国民貯蓄債券法案及び設備輸出為替損失補償法案の両案を一括議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許可いたします松尾トシ子君。
  57. 松尾トシ子

    松尾委員 ただいま議題となりました二法案中、国民貯蓄債券法案に対しまして、社会党を代表して反対をいたすものであります。  国の緊要産業は起債をいたしまして、債券を発行してこの資金に充てることは賛成なのでありますが、この法律案内容を見ますと、国の緊要産業にまで零細な所得者に犠牲を払わしてこれをやつて行くというところに、反対理由があるのであります
  58. 佐藤重遠

    佐藤委員長 高田富之君。
  59. 高田富之

    ○高田(富)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、両案に対する反対理由をごく簡単に申し述べます。  国民貯蓄債券法案につきましては、先般も出ましたところの国民貯蓄組合法の拡充の問題、あるいは郵便貯金の利息の引上げの問題、その他一連の零細な国民資金中央にできるだけ強力に吸收するという、政府の一貫した政策のこれは一つであります。しかもこれにつきましては、国民の生活水準を押えまして、国民の購買力を押えまして、そうして資金中央に集中し、かつその使途はもはやきわめて明瞭でありまして、当面の電力開発にいたしましても、その重要な原因となつておるものが、わが国における軍事産業の飛躍的拡大に資するものであることはもはや明瞭であります。従つてどもはこういう方式に基いて、国民の零細な資金を軍事的な用途に動員することに対して、根本的に反対する次第であります。  設備輸出為替損失補償法案につきましては、要するにプラント輸出そのものが、アメリカの侵略的な経済政策の重要なものとして、わが国に課せられましたものであり、わが国にとりましては、このために非常な犠牲を払い、幾多の矛盾しておる貿易政策を強化するために、いろいろな問題が出て来るわけです。本案のごときもそのための一つの矛盾の現われでありまして、かかることに国民の犠牲を払うということにつきましては、われわれは賛成いたしかねる次第であります
  60. 佐藤重遠

    佐藤委員長 討論は終局いたしました。  これより右両案の採決に入ります。  まず国民貯蓄債券法案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  61. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に設備輸出為替損失補償法案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  62. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に国有財産法第十三条の基定に基き、国会議決を求めるの件を議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。島村一郎君。
  63. 島村一郎

    ○島村委員 私は自由党を代表して、本案に対して希望条件を付して賛成を表したいと存じます。  すなわち当面の問題となつております千代田グランドは、現在運動施設として広く都民に利用されておる状況でありますから、公共福祉用の財産に編入後におきましても、その整備の計画を立てる際には、右の事情をとくと考慮の上運営せられるよう強く希望いたしまして、本案に賛成いたすものであります
  64. 佐藤重遠

    佐藤委員長 高田富之君。
  65. 高田富之

    ○高田(富)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本案に反対の意を一言申し述べたいと思います。  ただいまの与党の賛成討論の中にもありましたが、私どもといえども、もし確実にその希望条件がそのまま実行されるということであれば、あえて反対する理由もないわけではありますが、その約束が将来にわたりまして守られる問題であるならば、むしろこのようなことをやらない方がよろしいのでありまして、われわれは国会における決議を無視したり何かすることにつきましては、まつたく常習犯とも言うべき政府に対して、かかる希望条件を付して渡すことはできないのでありまして、この陳情書等にもありますように、官公庁三十万勤労者諸君のために現に利用されておるものを、将来宮城をますますりつぱにして、天皇の威厳を高めるために、いろいろな復古的な改造をやろうという危険性がきわめて大でありますので、私はこれに対しては反対をいたすものであります
  66. 佐藤重遠

    佐藤委員長 内藤友明君。
  67. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 島村さんが私どもの気持も代表しておつしやるのだと思つておりましたが、御自分だけのことをおつしやつたので、私も——これはうしろの社会党の松尾さんもそうでありますが、島村さんの希望条件を付して私ども賛成いたします
  68. 佐藤重遠

    佐藤委員長 討論は終局いたしました。  これより本件につきまして採決いたします。本件を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  69. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決せられました。     —————————————
  70. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に先ほど政府当局より説明を聴取いたしました塩専売法の一部を改正する法律案議題として質疑に入ります質疑通告順にこれを許します。三宅君。
  71. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいま議題となりました塩専売法につきましては、大体この趣旨におきまして、いわゆる苛性ソーダでありますとか、ソーダ灰等につきまして、化学製品の製造用に供します塩、並びににしんや鯨、さけ、ます等に対します、こういうような漁獲物塩蔵用の塩につきましては賛成をするものでありますが、これに関連いたしまして私どもは、私の特に要望いたしておりますところの農産用、特に農林省では多くの予算をとつておりますが、ことに土地改良でありますとか、農地改良等についての問題であります陶管、これは灌漑用もしくは排水用に必要欠くべからざる重要なるものでありまするが、これに使いまする塩に対しましてはどういう方策をとつておりまするか。私は農産用、食糧用に対しましては特に考慮を払つて、少しく安く販売してやる方がよろしいと思いますが、大蔵省はどういうふうに考えておられますか、この際言明を求めます
  72. 久米武文

    久米政府委員 陶管用の塩につきましては、三宅委員はたびたびこの委員会の席上で御意見を述べておられます制度的には困難と考えますが、実際問題としての処理を考えて行きたいと思つております
  73. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は今の政府委員の御答弁には満足しておりません。なぜならば今度は農林省がたいへん多く予算をとつておるわけです。二百億も増大しておるわけでありますからして、少々考えればそういう施策はできるわけであります。これは久米監理官の方の御研究を煩わしまして、近いうちにそういうような施策を施すことこそ、わが国の食糧の自給態勢を確立する上において、必要欠くべからざるものであると思うのであります。もう少し農林省当局と折衝を重ねられまして、もう一段と公平にして妥当なる案をお出しになる御用意があるかどうか、この際御言明を願いたいと思います
  74. 久米武文

    久米政府委員 法案としては、ただいま御審議を願つております法案で十分と考えております。ただ将来の問題といたしましては御意見のあるところはよく考えます
  75. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 政務次官がおられますから、政務次官にお尋ねいたします塩専売法の一部を改正する法律案につきましては、かようなことになりました事柄は賛成です。苛性ソーダにいたしましても、鯨にいたしましても、日本の現今の施策といたしまして適当でありまするが、どうか大蔵省といたしましては農林省と特別に関係があるわけでありますから、もう少しく掘り下げまして、実際の国民の要望いたしております陳情等についても了解のもとに、至急そういう施策を講ずるような御用意を持つていただきたいと思いまするから、政務次官からもひとつ御言明をいただきたいと存じます
  76. 西村直己

    西村(直)政府委員 国会から政務次官が送られておりますから、国会議員のお考えにつきましては十分考慮をしながら、同時に国の施策がそれに合うように考えて参りたい、かように御答弁申し上げます
  77. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいま議題となつております塩専売法の一部を改正する法律案につきましては、その内容についてはすでに前々国会において、この大蔵委員の中で議員提案提案しようという計画もありましたので、審議は十分実質上尽されておると思われますので、この際本案につきましては質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます
  78. 佐藤重遠

    佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようでありますから、本案につきましてはこの際質疑を打切り、討論を省略してただちに採決に入ることにいたします。  塩専売法の一部を改正する法律案議題として、採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  80. 佐藤重遠

    佐藤委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。  なお本日採決いたしました五法案に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時十一分散会