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1952-04-17 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十七日(木曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長代理 理事 佐久間 徹君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君       川野 芳滿君    島村 一郎君       清水 逸平君    苫米地英俊君       夏堀源三郎君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮原幸三郎君     早稻田柳右エ門君    高田 富之君       久保田鶴松君  出席政府委員         大蔵事務官         (日本專売公社         監理官)    久米 武文君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         大蔵事務官         (管財局閉鎖機         関課長)    堀口 定義君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 四月十六日  印紙税法改正に関する陳情書  (第一三一六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  貴金属管理法の一部を改正する法律案内閣提  出第一二九号)(予)  閉鎖機関令の一部を改正する法律案内閣提出  第一四三号)  関税法の一部を改正する法律案内閣提出第一  四四号)  補助貨幣損傷等取締法臨時特例案参議院提出、  参法第二号)  特別調達資金設置令の一部を改正する法律案(  内閣提出第一四八号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約  第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専  売法等臨時特例に関する法律案内閣提出第  一六五号)     ―――――――――――――
  2. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 これより会議を開きます。  貴金属管理法の一部を改正する法律案閉鎖機関令の一部を改正する法律案関税法の一部を改正する法律案補助貨幣損傷等取締法臨時特例案特別調達資金設置令の一部を改正する法律案日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案の六法案一括議題といたしまして、質疑を継続いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。高田富之君。
  3. 高田富之

    高田(富)委員 補助貨幣損傷等取締法臨時特例案につきまして、お伺いしたいと思いますが、第一にお伺いいたしたいことは、この提案理由説明にもありまするが、一円以下の補助貨幣につきましては、政府としては何らかの根本的な措置を講ずることを考えておるようであります。どういうふうな措置を将来講ずることが望ましいと考えておるか。またそれを現在やらない理由について御説明願いたい。
  4. 石田正

    石田政府委員 現在円未満通貨価値というものが、実際の経済取引においてだんだんとその効用を失つておりますることは、御承知の通りであると思うのであります。またそういうものの存在を前提として、いろいろな経理記帳等をいたしておりまするために、非常に手数がかかるという事実も、また争われないと思うのであります。従いまして現在の大体の趨勢から申しますると、円未満のものにつきまして貨幣単位といたしまして、依然存置しておくかどうかということについては、問題があろうかと思います。ただ現在におきましても、まだ一部そういう単位が使われておる場合があるのでございます。たとえてみますると、パンの配給価格でありますとか、あるいは塩の方におきましても五十銭というような単位が使われております。これを今すぐにかえるということにいたしてやるということに相なりますると、物価その他に対する影響も一応考えなければならぬというような問題もございます。また郵便貯金のようなものになりましては、郵便貯金法におきまして、たとえば十一円五十銭というものを郵便局に持つて参りました場合に、それは受付けなければならぬようになつておるわけであります。郵便貯金の払いもどしを全部いたします場合には、やはり円未満の端数がついておりますれば、それを払わなければならないというふうなことになつておるのでありまして、そういう点の法律改正もいたしませんければ、円未満単位というものを廃してしまう、それからまたそれに応じまして、そういう補助貨幣を回収してしまうというふうなことが、きれいに参らないわけでありまして、この点はなるべく早く経済の実態に即するように、改正した方が適当でないかと思いますが、いろいろ考えなければならぬ点がございまして、まだ準備が整つておらぬという状況でございます。そこへ持つて参りまして、他方におきましては、たとえば一銭銅貨というようなものの鋳つぶし等が、法令の不知などによりまして行われておるというような実情もあるわけであります。前段申しましたような根本的な改正を、全範囲にわたつて考えております間において、違法に問われたり何かしますことを回避する方が、むしろ実際に即しておるのではないかという意味をもちまして、議員提出の本法案が国会に提出されたのでありまして、政府といたしましても、暫定的な措置としてこれに異存はないわけであります。通過を期待するというのが実情でございます。
  5. 高田富之

    高田(富)委員 現在円以下の補助貨幣が鋳つぶされているという実例があるわけでありますか。
  6. 石田正

    石田政府委員 これは新聞等においても一部ごらん願つたかと思うのでございますが、国家地方警察におきまして、いろいろ違反事件がありまして、そのために問題になつておるところのケースがあるわけであります。
  7. 高田富之

    高田(富)委員 何か相当量のものをまとめて、そういうふうに処分されたという実例でもありますか。
  8. 石田正

    石田政府委員 あまり大きな量になつたものはございません。
  9. 高田富之

    高田(富)委員 現在禁止規定がありますので、小さいケースだけが問題になつておる。もしこういうふうにそれが大ぴらになつた場合には、相当量のものが——そう莫大なものはないでしようが、ある程度まとまつたものが鋳つぶされたり何かすることは、予想しておるわけですか。
  10. 石田正

    石田政府委員 現在この法律に該当いたします補助貨幣種類は、明治四年くらいのものからございまして、五十四種類あるわけでございます。その全体の価格が、要するに発行した方から調べました数字が、十億円見当でございます。これが市場に実際どのくらい残つておるかということは、われわれわからないのでありますが、その数字から申しまして、大した量に上ることはないのではないか、かように考えております。
  11. 高田富之

    高田(富)委員 それは名目が十億円ですか。現在の金属の価格にしたらどのくらいですか。
  12. 石田正

    石田政府委員 これは銀貨もございますし、銅貨もあり、いろいろな種類がございますが、それらをそれぞれの銘柄に従いまして、少しも欠損がない、ほんとうに完全な状態にあるものとして、今の時価地金価格を算定いたしますと、大体五十七億円くらいになるのではないか、かように考えておる次第であります。
  13. 宮幡靖

    宮幡委員 少し調べが足りませんので十分な質問はできませんが、ちようど理財局長が珍しくおいでになつておられますので、伺つておきたいと思います。まだこちらの研究が足りませんので、うまく趣旨が徹するかどうかわかりませんが、今補助貨幣の問題が出ましたが、近ごろ日本銀行の一万田さんが各地に行きまして、通貨制度確立という言葉使つておるのであります。通貨制度などという問題は、市中銀行元締程度しかなつておりません日本銀行総裁が、先走つてくちばしを出すことでないと私は感じておる。少くとも大蔵大臣中心といたしまして、経済閣僚あたりが懇談の上にでき上つて、これに時の経済事情あるいは民間の要望等が加わりまして、一つの制度改革ということになつて行くものだと思います。単に通貨制度確立という言葉を、黙つておれば何でもないのでありますが、その声を裏表検討いたしますと、よい響きもあるし悪い響きもあるわけです。これはまた適当な機会に大蔵大臣に出てもらいまして、詳細にわたりお尋ねいたしますが、きよう理財局長さんに伺いたいのは、そういうことを大蔵省考えているのがどうか、同時に日本銀行と何か打合せでもしてあるのか、こういうことにつきまして、おさしつかえない程度伺いたいと思います。
  14. 石田正

    石田政府委員 お尋ねの点でございますが、通貨制度と申しますと、これは大蔵省では正式には理財局の所管でございます。また金融方面とも非常な関係がありますので、もちろん銀行局といたしましても大いに関心があるわけであります。私ははつきり申し上げますが、事務当局として、理財局におきましても、銀行局におきましても、ああいうふうな新聞に出ますようなことを考えてはおりません。それからまた一昨日でございますか、たしか信託協会がございました席上におきまして、ちようど新聞記事が出たのでございますが、大蔵大臣といたしましてもそういうことは考えておりませんし、また大臣日本銀行総裁との間においても、そういう話があつたことはないということを申されたのを、私は聞いておるのでありまして、その意味におきまして、大蔵省全体といたしましてそういうことは考えておらない、こういうふうに申し上げられると思います。なお一万田総裁がどういう話をされましたか、私どもも新聞記事を見ただけでありまして、はたしてどういうふうなことをお話なつたのか、あるいは全然無根でありますかどうかということにつきましては、目下総裁は旅行中でありまして、われわれとしても今確かめるすべはございませんし、また大蔵省といたしましてはそういうことでございますので、真剣にあれを考えているわけではないということだけを、ここで申し上げておきたいと思います。
  15. 宮幡靖

    宮幡委員 さしあたつてはそのお話でよくわかりましたけれども、通貨制度なんという言葉を申しますと、いわゆる管理通貨にするという意味もあろうし、あるいは通貨整理を断行するという底意を持つておる、いろいろな経済的な響きがあるわけです。たとえば名目的に切下げをする、百円を十円にするというような措置をするのでないか。補助貨幣の一円以下は、ただいま提案になつておる法律案趣旨から行くと、これは金の部類でないというのであります。言葉はどう言いましても、一円以下は金の仲間ではないのだ。妙な方に使つては困るけれども、ある程度むだにされたり、自由に処理しても、決して罰則には触れないというような程度考えているというものでありますので、これとあわせて考えまと、いろいろ意味におきまして、デフレ要素として考え通貨制度インフレ要素として考え通貨制度というものの間に、非常に判断に迷うわけであります。ただいま大蔵省の方針は、まだそれに触れておらない、しかも一万田総裁とも話しておらない、一万田総裁の話が事実であるかどうかは確かめてよいか確かめて悪いか、確かめる方法もないであろうというようなお言葉でありますが、これは積極的にひとつ確かめていただきたい。一万田さんの言葉は決してうそじやない。ジャーナリストが途中で考えまして取材いたしたように載せた記事ではなくて、事実そう言つておる。これはどうも来週金融制度大蔵委員会で取上げまして、ひとつ検討いたしたいというやさきからいたしますと、なかなかただ相談いたしておらないというだけでは、納得できないわけであります。本日は議題議題でありますから、あえて深い方面までは申し上げませんが、ぜひそれまでの間に、一万田さんがああいうお話をなさるという根拠と、しかもそれを取消すなら取消すということを、大蔵省考えていないならいないということを、はつきり線をお出しになることを、この際お願いいたしておきます。いずれ来週金融制度を検討いたします場合におきまして詳しくお尋ねいたすことにして本日はこの程度でけつこうであります。  次いでちよつと監理官にお尋ねいたしますが、日米行政協定第三条によりまする付属処置としましていろいろな法律ができた。特に大蔵関係の税を中心といたしましたものは、割合に行政協定に詳しく書いてありますから、それに伴います国内手続は、立法措置を要するとしましても比較的明解であります。ただCPOの関係なんかにおきまして、関税の問題でなかなか割切れないところがある。それと関連しまして例のタバコであります。私がこう申し上げれば監理官にすぐわかるのでありますが、このタバコ適用外人たちに流れます問題を、どのように御処理なさる考えであるか。これはくどいことを聞く必要はありません。日本人には日本人タバコを吸わせることをどういうふうにして徹底させるか、こういうことのお考えを述べていただきたいと思います。
  16. 久米武文

    久米政府委員 ただいま御審議を願つておりますところのたばこ専売法等臨時特例、これは行政協定に伴いまして、現行法のままで条約が発効になれば、違法となるというふうな特殊な行為を合法化する、つまり軍人軍属等輸入あるいは軍人軍属仲間の間の譲り受け、譲り渡しというふうなものを合法化するという、きわめて形式的な立法でございまして、ただその輸入もいろいろ濫用されてはいけませんので、特に携帯輸入等の場合には、その数量を限定するとか、航空軍事郵便局を通じて軍事郵便で送つて来るという場合も、その数量を限定するというふうに、いろいろアメリカ側と折衝いたしまして、こういうふうな特例が濫用されることは防止するように、制度的にも考え、今後の運用においても遺憾のないようにやつて参るつもりでございます。こういうふうな特例によりまして輸入されましたタバコが、もし日本人等に譲り渡されるという場合には、現在のたばこ専売法違反になりまして、これは譲り渡したアメリカ軍人軍属罰則に触れるし、譲り受けた日本人罰則に触れる、そういうふうなかつこうになつております。これはやみタバコの問題といたしましては、従来専売公社といろいろその防止に努力しておりましたのと同じ方向で、今後もやみタバコ防止について周知徹底をはかり、また取締りの面も適当に推進して参る、そういう考えでございます。
  17. 宮幡靖

    宮幡委員 そういたしますと、公社の委託または許可なくして携行し輸入するというものについては、数量制限をなさり、あるいはその他の適切な処置をとるというお話でありますが、そういうことで輸入されましたタバコ国内に流れました場合には、日本人なら日本人に流れた場合におきましては、専売法違反として取締るんだ、このことはわかつておることでありますが、そういうものを区別する何か標識でもつけられるおつもりですか。ただ軍人軍属がのんでおりますタバコを、たまたま日本人がのんでおつたという事実を現認した場合に、その違反の事実を確認して行くのか。この点が少し言いまわしは悪いのでありますが、なかなか問題だろう患う。かつてOSSのときにも、この流れが非常に強くて困つたわけであります。しかし今は国内タバコが非常に嗜好にも適するようになつて参りましたし、価格の点においても安いので、実情外国タバコが横流れするであろうという心配も、割合少いだろうと思うのでありますが、一面におきましては、外国タバコがさらに下るという事態考えられる、葉タバコ耕作者などの意見を聞きますと、もう少し国の機関——国機関というのは専売公社のことをいうのでありましようが、熱意を持つてこの方面をひとつ取締つてもらいたいというような要望が強いのです。とにかく軍人軍属の手からしからざる者に渡つたら、専売法違反になつて処罰されるべきだ、これは相手方の軍人軍属日本人も、同様に処罰されるというスムーズな答弁では、何か満足しないものがあろうと私は思うのであります。それでこれらについて、もう少し積極的に専売公社としてはお考えがあるのではないでしようか。もし具体案がただいまなければ、何かもう少し納得の行く手をお打ちくださる熱意を示していただきたい、こう私は思うのであります。これもまた別に本法案審議と並行的に考えなくてはならぬ問題でもないので、本日は別に御明答をいただこうとは思いませんが、もう少し深く考えていただきたい。ただそういうことを実際にやつたら、専売法違反になるんだということで——実際専売法違反で処罰しておる件数は、きわめて少いのが従来の事実であります。しかしこれは占領下にあつたことでありまするから、ある程度得心をいたしておるでしようけれども、自正的な独立国家なつた場合に、国民感情は許さないということをもう少し重要にお考えを願いましてこれらの取締りあるいは携行タバコに対しては数量制限をするというふうな微温的でなく、何か特別の標識でもつけて行くというような手でも打つて、万人が納得するという形で、ひとつ御処置を願いたいという希望を申し上げます。
  18. 久米武文

    久米政府委員 いろいろ御注意ありがたく拝聴いたしましたが、現在日本専売公社が正式に輸入いたしまして、正式ルートでもつて日本人一般に供給しておりますタバコには、たとえばラッキー・ストライクならラッキー・ストライクで一例を申しますと、パラフィン紙で上を包んでございますが、あの中央のところに日本専売公社証票張つてありますから、タバコを見ますと、これは正式に公社の譲り渡した合法的なタバコであるか、あるいは軍人軍属が横流ししたタバコであるかということは、上に紙が張つてありますから、その証票の有無によつて判断はし得るという建前になつております。それから外国タバコ証票張つてないのは違反タバコだということがわかりますから、それによつて現在取締りをやつておりまして、取締り件数等も、昭和二十四年度、二十五年度、二十六年と、ずつと現在のところ検挙件数は増加の趨勢にございます。これは監視など努力いたしまして、相当検挙件数はあげております。この前ちよつとこの委員会でお答えいたしましたけれども、二十四年度は五千件程度、五年度は大体二万件弱だと覚えております。それから二十六年度は二方を越えました。そういうふうに相当数検挙件数に上つております。ただそれが現に横行しておりますものに比べますれば、その一部分にしかすぎないということは御指摘の通りと思います。
  19. 夏堀源三郎

    夏堀委員 閉鎖機関令の一部を改正する法律案について、二、三質問いたしたいと思います。政府提案理由のうちに「閉鎖機関特殊清算対象範囲を拡大して、その本邦外にある本店支店その他の営業所にかかる債権及び債務をも含ませることとし、かつ閉鎖機関在外負債のために、その国内資産のうちから留保されている資金について平和条約に基く在外負債処理の問題が決定次第」ということが内容に入つておりますが、非常に重大な問題でありますので、これに関連してお伺いしたいと思います。  閉鎖機関本邦外にある本店支店等にかかる債権債務で、命令に定めるものはこれを本邦内の財産とみなすが、それらのものは一体どんなものであるか。具体的にひとつ説明を願いたいと思います。
  20. 堀口定義

    堀口説明員 お答えいたします。今度改正案の中で審議をお願いしております点は、従来閉鎖機関制度といたしましては、内外店舗を厳密に区別いたしまして、国内店舗資産を処分して、国内店舗の負うべき負債を弁済して行くというかつこうをとつておりました。ところがその制度平和条約締結以前にできた制度でありまするために、平和条約締結以後の事態をも、大体考慮してやつてつたわけでありますが、若干違つて来た点もある。原則としましては平和条約の十四条によりますと、日本外地における資産清算されるなりあるいは没収されるというのが、一応原則となつておるようであります。従いまして海外におきまする資産について規定する必要は、全体の問題からしてはあまりないわけでありますが、非常に日本に好意を持つておる連合国等におきましては、日本資産を返してやろうというところも出て来ておるわけであります。その具体的な例といたしましては、正金がブラジル支店資産を持つてつたわけでありまして、このブラジルに預金しておつた資産を、平和条約の十四条によりますれば、向うで処分したりあるいは没取したりするということも可能でありまするけれども、好意的にそれを解除して、返してやろうというようなことを申しております。その場合に現在の閉鎖機関令によりますると、国内店舗資産負債清算するということになつておりますので、そういう資産処理のしようがないというために、そういう資産をも本邦内店舗資産として加える必要がある。また負債の部面についてみますと、向うからそういうふうにして解除されました資産に関して、あるいは負債があるかもしれない。もし負債があるならばそれをも内地店舗負債として一応取入れないと、外地において清算をして、資産だけを日本のものにするという操作もできなくなる。そこでそういう特別に返して来るようなものを、一応現在は考慮に入れて、そういうものの措置ができるように、従来の閉鎖機関令範囲を拡大したということであります。
  21. 夏堀源三郎

    夏堀委員 ただいまの御答弁の中にブラジルにおいてということでありますが、これは一例でありましようが、私のお伺いしたいことは、ブラジルのような戦争被害の少いところではなく、朝鮮台湾あるいは今の中国というような、いわゆる戦争によつて被害の多いところ、こういうところで本邦外にある閉鎖機関債権債務が一体どれくらいあるのか。これを知りたい。そしてこの処理は一体どう持つて行こうとするか。たとえば、この前御質問申し上げたときに、国内には二百億程度登録公債その他の資産がある、こうお伺いしておりました。そのときに私の感じたことは、登録公債であろうと、そういうような資産は何か国内産業開発等にこれを向けることが、非常に望ましいじやないか、そういうことをお伺いしたのであります。そのときの御答弁は、それはたいへん同感であるというように私は伺つてつたのであります。この在外債権債務資産は接収されるということになりましようが、朝鮮銀行台湾銀行等において銀行券等を発行しており、その金額が相当な額であれば、それは平和条約において定められた何かの条項によつて、賠償的にこの負債日本政府において何か処理するというようなことでありますが、そうした意味からいつて、たとえば朝鮮銀行等国内にある資産に限定して、これを整理対象としようとするのであるか。これは非常に大きな問題であつて、もしそういうようなお考え処理なさるとすれば、厖大な整理資産として残るであろうことを予想されているそれは、全然ゼロになるということも考えられるのであります。またあるいはその在外負債等において、その範囲を越えてなお賠償等にまで及ぼすものであるかどうか。非常に重大な問題でありますから、この内容をひとつお伺いしたいのであります。
  22. 堀口定義

    堀口説明員 ただいまの御質問は二点だと思うのであります。第一点の在外資産負債関係でありますが、これはなかなか資料が少いのでありまして、正確なところは出て来ないのであります。ただできるだけの資料を各方面から集めまして、一応終戰時の時価で算定いたしますと、閉鎖機関だけに関して在外資産が約二千七百億程度あるのであります。それから負債が二千四百億前後、従つて資産の超過だというふうに一応見ております。しかしそのおもなるものは大体満州が相当多い。あとは北支、中支、朝鮮台湾ということでありますが、これらの帰属に関しましては、連合国にありますものは平和条約の条文に従いまして、さつき申し上げましたように清算するかあるいは没収される。その辺も将来の交渉にかかつております。それから割譲地域台湾及び朝鮮等にありまするものは、相互の山交渉によつてきまることになつておるわけであります。現に旧朝鮮との問題につきましては、日韓会談で相互に請求権の問題を議論しておるわけでありますが、まだどうなりまするか見通しがついておらない状況だと思います。  それからこれらの閉鎖機関資産が、全体としてどうなるかということにつきましては、そういうふうに将来の外交折衝によるわけでありますが、もしいろいろの場合仮定したら、どういうふうになるかという点であります。もし日本割譲地域との折衝が、対等の立場で行われる場合には、相互に請求し合うというかつこうになるのではないか。それから連合国と同列であるということならば、講和条約第十四条に基きまして同じように向うにある資産は、一応清算あるいは没収される。あるいは日本側になおもつと有利な立場において折衝されれば、それよりかもいい条件で資産が残るようになる。たとえば朝鮮銀行等に例をとりますと、もし対等な立場でありますれば、こちらにある株主の請求権はそのまま残るでしようし、それから向うの株主については、その主張は認めざるを得ないと思います。それから連合国と同列に交渉が行つた場合には、十四条に基きまして、向うにある資産向う処理される。しかしこちらにある資産については、うまく行けばこつちに残すことも可能じやないかということでございます。それから特に朝鮮につきましては、この前もちよつと申し上げましたが、連合軍のヴエステイング・オーダーというのがありますので、それを非常に強く主張されてもしそれに対抗できないということを仮定しますれば、内地にある資産もあぶなくなります。これは三つの場合が将来考えられるのであります。それがどれになるかということは、私たちにもちよつとわかりかねるのでございます。  それから第二番目の御質問国内にある資産の問題でありますが、これは約二百億といいますのは、朝鮮銀行台湾銀行等が、従来通貨発行準備として持つておりましたような古い国債がありますのと、それ以外に閉鎖以後に買つた国債及び現金等があるわけです。二百億と申しましても、そのうち対外関係で、いわゆる在外活動閉鎖機関資産が留保しているもので約百億あります。これにつきましては、今申し上げましたように、各地域との折衝の結果、どのくらい日本に残るかということは、将来の問題であります。ほかの部分につきましては、それぞれ法令の定めるところによりまして債務の弁済をしたあとは、社債の弁済それから株玉に全部分配されれば終るのでありまして、対外折衝について問題になる部分というのは、この約百億程度というふうに考えております。
  23. 夏堀源三郎

    夏堀委員 ただいま対外債権債務の問題で百億ということを言われましたが、それはどういうことですか。
  24. 堀口定義

    堀口説明員 現在対外関係のある閉鎖機関だけの資産を集めてみますと、大体百億前後になつております。それを補足して申し上げますと、先ほど申した二千七百億とか申すのは、在外資産を全部入れた話でありまして、閉鎖機関制度といたしましては、国内における店舗の資産負債清算しておりますから、その閉鎖機関整理による清算の結果、現在残つている資金は約百億ということでありまして、その二千何百億という数字とは立場が違つているわけであります。その二千何百億というのは、北支、中支、満州あるいはその他の国にある全部の資産を言つておるわけであります。
  25. 夏堀源三郎

    夏堀委員 私のお伺いするねらいは、今台湾朝鮮等において折衝中であるいろいろな問題にからんで、閉鎖機関債権債務資産があちらの方に相当つておれば、それはよろしいけれども、負債の方が多くあれば、国内にある資産に手がつく、あるいはまたそれ以上にも及ぶかということが心配なんで朝鮮台湾、この二国に対してのみ御質問いたしたわけであります。先ほどお伺いした銀行のいわゆる銀行券と申しますか、そういうような証券は、相当台湾朝鮮等の国民の手にあるものとすれば、それを賠償しなければならぬのであるか、どういうものであるか。そういう問題とからんでこの問題を伺つたのであります。これは今折衝中でありましようけれども、私の考えとしては、できるだけ在外においてこれを処理し、国内にあるものにはあまり手をつけてもらいたくない、こういうような私の感じなんです。ここで私ども希望を申し上げたところで、その通り行かぬでしようけれども、在外にあるすべての債権債務対象を、国内にまで及ぼすということになつたならば、これは朝鮮台湾ばかりではなく、相当範囲なものであると思いますので、今申し上げたような、いわゆる在外だけで処理ができるのかあるいはできないのか。でき得ればこれに対する金額は一体どうなのか。特に朝鮮台湾についての御説明を願いたい、こういうのであります。
  26. 堀口定義

    堀口説明員 ただいまの夏堀委員の御質問は非常にむずかしい点があつて私たちで十分に御説明できないかもしれませんが、交渉の実態については現在その過程でありますし、何と永申し上げられないわけでありますけれども、朝鮮台湾との二つにわけて考えますと、韓国につきましては、特に現地の軍司令部で接収命令が出ておりまして、それによつて一応日本資産は、米軍司令部に接収されたということになつておるわけであります。それがその後米韓協定というものによりまして韓国側に渡された。これにつきましては、韓国側としては、それによつて最終的所有権が自分の方に帰属したのであるから、日本の韓国における資産はもちろんのこと、韓国に本店を有するようなものは、その日本国内に持つておる資産も、自分の方のものであるというようなことは、強く言つておるわけでありまして、これにつきましては新聞等にも報道されている通りであります。しかしこちらといたしましては、そういう所有権まで全面的に韓国に移つたということは、なかなか認めるわけに行かない。ただ講和条約によりまして、現地の軍司令部のやつた行為を追認するような条文がありますために、相当困難ではあると思いますけれども、日本側の解釈といたしましては、最終的な所有権が移つたのじやないという解釈をとつておるわけであります。従いまして先ほど申しましたように、将来の交渉の結果としては、三つの立場がある。それは要するに対等な立場でその交渉が行けば、両方請求し合う。それから連合国並に韓国が扱われる場合には、講和条約の十四冬によつて解決されると思います。それから日本が非常に不利な立場に立つて、接収命令というものを全面的に認めなければならないという立場に立つた場合には、国内にある資産まで相当危険になるという、三つの場合があろということだけしか、これは申し上げられないのじやないかと思います。台湾につきましては、ただいまのところ私たちの知つておる範囲では、そういう特別な接収命令というものは聞いておりませんので、お互いの折衝によりまして解決のつく問題じやないか、そういうふうに考えております。  それから通貨発行債務の問題でありますが、これは終戰時にどのくらいの通貨が台湾銀行及び朝鮮銀行から出ておるかということも、なかなかわかりにくいのでありまして、いろいろの説がありますが、大体朝鮮銀行で三十七、八億くらいのものが出ておつたんじやないかということがいわれております。台湾については二十数億じやないか。これもそのソースによりまして、いろいろ数字が違うのでありますが、こちらの主張としては少くともそういう通貨発行債務につきましては、その銀行の後継者というものが当然負うべきものであつて、現在の通貨制度なりあるいは金融制度によりますれば、その終戰時における通貨の発行高を、そのまま通貨発行国が負うというようなことは不当だ、理論的にはそういうふうに十分主張できるのじやないか、こういうふうに考えております。
  27. 夏堀源三郎

    夏堀委員 なかなか明確な御答弁を求めることは困難であります。こういうような処理の方法について、何かただ折衝によつて結末をつけるということでいいというのであるか。またもつと大きく平和条約その他の条文に、何か盛られてあるのかどうか。先ほども申し上げたいわゆる在外債権債務に対して、国内資産にそれを及ぼすということは、非常に重大な問題であろうと思いますが、そういうことはまあないだろう。だろうではぴんと来ません。だろうじやなく、何か条約にそういうことがあるのかどうか。ただ折衝によつて結末をつければいいというのであるかどうか。これを明確に御答弁願いたい。
  28. 堀口定義

    堀口説明員 その点は割譲地域の場合と連合国の場合と違うのでありますが、割譲地域の場合につきましては、明らかに折衝によるということがある以上、またそれ以外のこまかい明文は平和条約中にはないのでありまして、やはり相当程度両国の力関係なり国際関係によつて、左右されるのではないかというふうに考えられます。それから連合国関係におきましては、十四条によりまして賠償のことが規定してあるわけでありますが、その一項目として、日本資産というものは、ある一部のものを除いては、「権利及び利益でこの条約の最初の効力発生の時にその管轄の下にあるものを差し押え、留置し、清算し、その他何らかの方法で処分する権利を有する。」というふうに規定してあるわけであります。そこでこれをもう少しこまかく言いまして、どういうふうに清算し、どういうふうに処分するか。それからもし外地における資産負債が超過した場合に、その負債額を日本に請求して来るかどうかというような点については、少くともこの明文でははつきりしないんじやないか。またそれが請求されるのかされないのかという点については、まだ私たちの範囲でははつきりしておらないわけであります。
  29. 夏堀源三郎

    夏堀委員 この問題は非常に大きな問題でありますし、またこれに関連するいろいろな問題もありますので、大臣の出席を求めて、あわせて大臣質問をいたしたいと思います。  その次に、この案には第二会社をつくるような規定がないが、一体その意思はないのかどうか。この前の質問をいたしましたときには、第二会社をつくるようなことはさしつかえはないだろう、こういう閉鎖機関に対しては……、何かそういうふうな御説明があつたかのような——第二会社をつくることはできないものであるかどうか。第二会社をつくることができるのであつたならば、何か法律上の処置を要しないのであるかどうかお伺いしたい。
  30. 堀口定義

    堀口説明員 お答えします。第二会社の問題につきましては、審議をお願いしております法案改正の中には入つておらないわけであります。その理由といたしましては、最初この中に第二会社の設立に関する案文を入れて、御審議をお願いしようという考えでおりましたけれども、ただいま申しましたように、その対象となるのは、数からいいましてもあるいは経済上の重要性からいいましても、やはり外地で活動いたしました金融機関等がおもなものでありまして、要するに台湾関係あるいは朝鮮関係等の金融機関等であります。これらにつきましては現在のところ残つている資産相当程度ありますけれども、これが折衝の結果どういうふうになるか全然帰趨がはつきりしない。従いましてその資産を根拠にして、ただちに第二会社を発足するということは、特に金融機関のような場合であれば困難でありますし、かつ対外関係考えてみましても、一方で日韓会談をやつておる最中に、そういう法案によつて日本政府がその資産を全部自分のものとして第二会社をつくるというような法案を、提出することはいかがかというような点、その他審議をお願いする期間の点等もありまして、一応この改正案から落したわけでございます。ただ対外関係のない閉鎖機関につきましては、この法律によつて閉鎖機関の指定が解除されますれば、株主総会におきまして継続の決議をして、第二会社を自発的に株主においてつくることは、現在の商法において可能であります。
  31. 夏堀源三郎

    夏堀委員 朝鮮銀行台湾銀行等においては、第二会社はちよつとまだ研究の余地がある、これはごもつともと思います。その他の閉鎖機関においては株主総会において、あるいは清算人において——清算人の意向で第二会社をつくるという意思表示のもとに、総会を開くというふうに行くべきものでありますか。この順序はどういうふうになりましようか。
  32. 堀口定義

    堀口説明員 ただいまの御質問でありますが、それは考え方によつて、もし法律をそういうふうにすれば、清算人が相当程度総意でもつて、そういう株主総会を開催し、あるいは爾後の手続等をある程度軌道に乗せることも可能だと思います。しかし現在のこの法律でありますと、民法、商法上の清算人をつくつてもらえば、そこでその清算人に渡してしまう。あとはその清算人が株主総会を招集して、株主総会において第二会社をつくつて行こうという考えがあれば、その決議によつてつていただくというふうになつておるわけであります。
  33. 夏堀源三郎

    夏堀委員 特経会社等であれば、適当に株主総会とか簡單な方法もできるでありましようが、特殊清算人と申しますか、そういうような大臣の任命によつていろいろ処理されておる閉鎖機関と、やはりこれも大臣の任命によつて特殊清算人であれば、その清算人によつて第二会社をつくることも可能ではないかとも考えておるのですが、この点はどうです。
  34. 堀口定義

    堀口説明員 その点は、可能か可能でないかという点でありますれば、これは法律立法事項にいたしますれば、よろしいわけでありますが、全体の考慮から申しますると、そういう特殊清算人がどの程度——語弊がありますが、強権的にそういう整備計画なり、第二会社の設立計画なりというものをつくつて、一方的に押し進めるのがいいか、あるいはどの程度債権者なり株主なりの自発的な意思によつてやらした方がいいのか、その点は相当問題があるのじやないか。会社更正法などによりましても、相当程度株主なり債権者の意向を尊重しておるのでありまして、もし清算人が指導的に第二会社をつくつて行く中核になるということになりますれば、株主及び債権者の利益をあまり署しないような方法によりまして進めて行く。もちろん特経会社等については、特別な理由があつて第二会社をつくつていたわけでありますから、相当程度強権的な面もあるかもしれませんけれども、この場合どの程度にそこをやつて行けるかという点は、通常の民法、商法との関係におきまして、調整を要する問題ではないかというふうに考えております。
  35. 夏堀源三郎

    夏堀委員 この点の御質問を申し上げた際に、大体登録公債とかそうしたようなもので、朝鮮銀行台湾銀行及び朝鮮殖産銀行等の総合した整理資産として残るものは二百億程度、こう伺つておりましたが、私はもつともつとその金額は上まわるのじやないか、こういうように考えております。そうした場合、今台湾及び朝鮮等で折衝中でありましようが、この折衝済みになつた際に、法律によつて本々ということの御説明がこの前にあつたのです。法律によらざれば第二会社をつくることはできないのかどうか。私は今申し上げたように、法律によらなくても第二会社をつくることは可能であろう、こうも解釈されておりますので、何百億——私は三百億くらいあると思う。三百億とかなんとかいうような大きな金額は、これはできるだけ早く国内の産業開発に向けた方がいいじやないか。法律をつくれと言つたつて、なかなかもう今国会中にはできない、こうおつしやつておりますので、第二会社をつくることが法律によらなくてもできるということであつたならば、大蔵大臣によつて清算人として任命になつておるのですから、ただちにその人方及び株主において、そういう方向に進めればいいのじやないか、こういうふうに考えますので、この点を今お伺いしたわけであります。そういうわけでありますから、その点に対しての御答弁をお願いいたします。
  36. 堀口定義

    堀口説明員 御説明いたします。第二会社をつくる場合に、その根拠法規がどういうことになるかという点につきまして、在外資産負債のないもの、及び対外関係のあまりないものにつきましては、日本の民法、商法によつて軌道に乗せられるわけであります。しかしそれ以外の、たとえば朝鮮における政令等によつて設立された会社とか、あるいは向う本店のあるような会社につきましては、こちらの民法、商法によつて清算するとか、第二会社をつくるとかいうことはできないわけであります。商法には外国会社に関する規定は若干ありますけれども、これはもうごく簡單な規定でありましてこれによつて清算することも、あるいは第二会社をつくることも非常に不完全で、とてもできないというのが一般の見解であります。従いまして、少くとも外地本店を有するものとか、向うの法令でできたものというような法人につきましては、別に特別な法律をつくらない限り清算することもできないし、第二会社をつくることもできない。ただ閉鎖機関令によつて現在の清算を進めて行くことは、これは当初司令部の命令によつて確立されました閉鎖機関令によつてつておるわけでありますから、可能でありますが、そういうことでやはり特別な法律を必要とする。ただ閉鎖機関の指定を解除しただけでは、全然動きがとれないということになると思います。
  37. 夏堀源三郎

    夏堀委員 大蔵大臣の選任する特殊清算人、この特殊清算人の資格及び要件はどういうことになつております
  38. 堀口定義

    堀口説明員 その点は閉鎖機関令には特にこまかいことは申しておりません。当初はこれを、清算に移らない管理の時代におきましては、日本銀行等にお願いしたこともございますし、またこの前も御質問がありましたように、正金銀行等につきましては、東銀に一応依頼したこともございます。それ以後は閉鎖機関整理委員会というものがポツダム政令でできましたので、公的な政府機関によつて清算を進めて来たわけでありますが、法令の建前から見ますれば、特に限定はありませんので、その任務を遂行するのに適切なものであれば、さしつかえないというふうに解釈しております。
  39. 夏堀源三郎

    夏堀委員 特殊清算人は特経会社に対する破産宣告をすることができるかどうか。
  40. 堀口定義

    堀口説明員 ただいまの御質問ちよつとわかりかねる点もあるのでありますが、特経会社については、破産の宣告等についてその特経会社自体の方にいろいろ制限規定があると思いますので、できないのじやないかというふうに考えております。
  41. 夏堀源三郎

    夏堀委員 私は破産宣告ができないというか、しないというか、そうしたようなことはちよつとあまりやらぬ方がいいのじやないかというような方針になつておるようにも聞いております。私はそう聞いておりますが、その点はまあこれで……。  そこで閉鎖機関が、特に金融機関が整理中に、保管料、保険料、特に金融機関としては収入の利息、そういうものがどんどん入つて乗るのであります。そうしてその閉鎖機関としての整理の費用は、この前に五十数億円に上つております。それは第三者においてその費用を償つておる。そうして収入利息等はほとんど入つておらない。いわゆる管理等によつて生ずる費用は第三者が、その整理人が償つておる、こういうことになるだろうと存じます。利息はどんどん入つて来るので、いわゆる収入を伴つて来る、こういうことになります。そういたしますると、この閉鎖機関に対する税金について、何か特別の措置があるものですか。これをお伺いいたします。
  42. 堀口定義

    堀口説明員 ただいまの御質問でありますが、閉鎖機関整理委員会といたしましては、その登記その他法的にある程度やらなくてはならないような問題につきまして、登録税その他を免じておるということはありますけれども、一般の各機関清算におきまする利益金その他に対する課税については、減免の措置はないわけであります。通常の会社の清算と同様に取扱われておるのであります。
  43. 夏堀源三郎

    夏堀委員 無制限とか制限とかいうような区分があるかのように聞いておりますが、それはないのですか。今日は主税局長の出席を求めてそういうことを聞こうと思つたのですが、これは大きな問題です。たとえば今申し上げたように、休んでおつたつて収入利息はどんどん入つて来るでしよう。そうなりますと、これは相当な金額ですから、清算の際に相当清算金額というものが出る。そうした場合にも、税の面は何か制限とか無制限とかいうような区分があるかのように聞いておりますが、それはないのですか。
  44. 堀口定義

    堀口説明員 さつき申しましたように登録税その他につきまして委員会の公的機関としてやらなくてはならぬような行為については、免税の適用はありますけれども、たとえば一般の何何繊維株式会社というようなものの清算過程を見ますと、もし利息が入つて来るならば、通常の金融機関にそれを預けておる場合には、その利子に対して税法の適用はそのままあります。それからもし日本銀行における当座勘定を持つてつた場合、あるいは国債を持つてつたといたしますならば、その利子については課税があります。一番大きな問題といたしまして清算の結果生ずる利益金につきましては、当然旧法によりまして清算所得税が課せられて来ます。従いまして税法については、ほかの通常の法人に対して特に大きな減免の適用があるということは言われないと思います。
  45. 夏堀源三郎

    夏堀委員 今日は大体この程度質問を終りたいと思いますが、先ほど申し上げたいわゆる在外閉鎖機関債権債務が、国内資産に対してもし及ぶとすればたいへんな問題ですから、これはあとで大臣の出席を求めてよくお伺いしたいと思います。  それから所得税問題はなお私も研究いたします。何か無制限とか制限ということがあるかのように聞いておりましたが、堀口さんは専門家ではないでしようから、あとでよく研究するようにいたしたいと思うのであります。
  46. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいま議題となつておりまする六法案中、関税法の一部を改正する法律案補助貨幣損傷等取締法臨時特例案特別調達資金設置令の一部を改正する法律案、及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案の四法案につきましては、質疑も大体尽されたと思われますので、この際質疑を打切り、討論を省略いたしまして、ただちに採決に入られんことを望みます。
  47. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 ただいまの三宅君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 御異議がないようでありますから、関税法の一部を改正する法律案補助貨幣損傷等取締法臨時特例案特別調達資金設置令の一部を改正する法律案、及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案の四法案につきましては、この際質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入りたいと思います。  これより採決に入ります。まず関税法の一部を改正する法律案、及び補助貨幣損傷等取締法臨時特例案の両案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  49. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 起立多数。よつて両案はいずれも原案通り可決せられました。  次に特別調達資金設置令の一部を改正する法律案、及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案の両案に、賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  50. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 起立多数。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお委員長報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
  51. 宮幡靖

    宮幡委員 資料の請求をいたしたいと思います。地方公共団体職員の給与改善のための地方公共団体に対する国の貸付金に係る債務の免除等に関する法律案審議するにあたつて債務を免除することと、還付税と相殺することと、平衡交付金で調整いたしまする関係を、各都道府県別に数字で示しまして、その利害得失が明らかになる資料を御提出願いたい。しかしてこの資料の提出されるまで、本法律案審議を進められぬようにお願いしておきます。
  52. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後零時十八分散会