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堀口説明員 ただいまの御
質問は二点だと思うのであります。第一点の
在外資産、
負債の
関係でありますが、これはなかなか
資料が少いのでありまして、正確なところは出て来ないのであります。ただできるだけの
資料を各
方面から集めまして、一応終戰時の
時価で算定いたしますと、
閉鎖機関だけに関して
在外資産が約二千七百億
程度あるのであります。それから
負債が二千四百億前後、
従つて資産の超過だというふうに一応見ております。しかしそのおもなるものは大体満州が
相当多い。あとは
北支、中支、
朝鮮、
台湾ということでありますが、これらの帰属に関しましては、
連合国にありますものは
平和条約の条文に従いまして、さつき申し上げましたように
清算するかあるいは没収される。その辺も将来の交渉にかか
つております。それから
割譲地域、
台湾及び
朝鮮等にありまするものは、相互の山交渉によ
つてきまることにな
つておるわけであります。現に旧
朝鮮との問題につきましては、日韓会談で相互に請求権の問題を議論しておるわけでありますが、まだどうなりまするか見通しがついておらない状況だと思います。
それからこれらの
閉鎖機関の
資産が、全体としてどうなるかということにつきましては、そういうふうに将来の外交折衝によるわけでありますが、もしいろいろの場合仮定したら、どういうふうになるかという点であります。もし
日本と
割譲地域との折衝が、対等の立場で行われる場合には、相互に請求し合うというかつこうになるのではないか。それから
連合国と同列であるということならば、講和
条約第十四条に基きまして同じように
向うにある
資産は、一応
清算あるいは没収される。あるいは
日本側になおもつと有利な立場において折衝されれば、それよりかもいい条件で
資産が残るようになる。たとえば
朝鮮銀行等に例をとりますと、もし対等な立場でありますれば、こちらにある株主の請求権はそのまま残るでしようし、それから
向うの株主については、その主張は認めざるを得ないと思います。それから
連合国と同列に交渉が行
つた場合には、十四条に基きまして、
向うにある
資産は
向うで
処理される。しかしこちらにある
資産については、うまく行けばこつちに残すことも可能じやないかということでございます。それから特に
朝鮮につきましては、この前も
ちよつと申し上げましたが、連合軍のヴエステイング・オーダーというのがありますので、それを非常に強く主張されてもしそれに対抗できないということを仮定しますれば、内地にある
資産もあぶなくなります。これは三つの場合が将来
考えられるのであります。それがどれになるかということは、私たちにも
ちよつとわかりかねるのでございます。
それから第二番目の御
質問の
国内にある
資産の問題でありますが、これは約二百億といいますのは、
朝鮮銀行、
台湾銀行等が、従来通貨発行準備として持
つておりましたような古い国債がありますのと、それ以外に閉鎖以後に買
つた国債及び現金等があるわけです。二百億と申しましても、そのうち対外
関係で、いわゆる
在外活動
閉鎖機関の
資産が留保しているもので約百億あります。これにつきましては、今申し上げましたように、各地域との折衝の結果、どのくらい
日本に残るかということは、将来の問題であります。ほかの部分につきましては、それぞれ法令の定めるところによりまして
債務の弁済をしたあとは、社債の弁済それから株玉に全部分配されれば終るのでありまして、対外折衝について問題になる部分というのは、この約百億
程度というふうに
考えております。