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1952-04-10 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十日(木曜日)     午前十一時二十六分開議  出席委員    委員長代理 理事 佐久間 徹君    理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君       大上  司君    川野 芳滿君       島村 一郎君    苫米地英俊君       藤枝 泉介君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮腰 喜助君       深澤 義守君    中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局総務課         長)      小林 英三君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 四月十日  委員川野芳滿辞任につき、その補欠として藤  枝泉介君が議長の指名で委員に選任された。 同日  松尾トシ子君が理事補欠当選した。     ————————————— 四月四日  地方公共団体職員給與改善のための地方公共  団体に対する国の貸付金に係る債務の免除等に  関する法律案内閣提出第一五三号)  補助貨幣損傷等取締法臨時特例案参議院提出、  参法第二号) 同日  在外資産の調査に関する請願外五件(周東英雄  君紹介)(第二〇三三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国有財産特別措置法案内閣提出第五九号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う所得税法等  の臨時特例に関する法律案内閣提出第一三三  号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う関税法等の  臨時特例に関する法律案内閣提出第一三四  号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う国有財産  の管理に関する法律案内閣提出第一三五号)     —————————————
  2. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 これより会議を開きます。  この際理事補欠選任の件についてお諮りいたします。実は去る二月二十日理事松尾トシ子君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員となつております。松尾トシ子君が去る三月三日再び委員となられましたので、松尾トシ子君を理事に指名いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 御異議なしと認めまして、松尾トシ子君を理事に指名いたすことといたします。     —————————————
  4. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 次に国有財産特別措置法案日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律案日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案、及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う国有財産管理に関する法律案の四法案一括議題といたしまして前会に引続き質疑を継続いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。松尾トシ子君。
  5. 松尾トシ子

    松尾委員 委員の御出席がたいへん悪いのでまことに残念ですけれども、せつかく政府委員の方々に御出席を願いましたので、少しお尋ねを申し上げます。  今議題となりましたうちの所得税法等臨時特例に関する法律案について一、二点お尋ねをいたそうと思います。近く独立も見まして、独立が成立しますと、占領軍駐留軍にかわつて来ると思いますけれども、この法律が実行されますと、税の治外法権的な感じを受けるのでございます。具体的に御説明いたしますと、朝鮮行きの陸海空軍交代地なつている現在の日本の領土におきまして、この法律が施行された後に、政府駐留軍朝鮮行き——いわゆる国連軍と申しますか、これの見わけを一体どこにつけて、この所得税法実施なさるか。その御見解を聞いてみたいと思うのであります。たとえば政府は、きつと休戰が成立するかもしれないということを、おつしやられるでしようけれども、今の世界情勢から申しましても、休戰のあかつきにも、全米軍朝鮮から撤退するようなことは望めないと思いますので、この点が税法の上から見ても、非常に重大なる見地ではないかと思う次第でございます。
  6. 平田敬一郎

    平田政府委員 この所得税法臨時特例に関する法律適用を受けますのは、その第二條に明らかにいたしておりまするように、つまりアメリカ合衆国及びその軍隊でございまして、この軍隊ということの中には「日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き日本国の領域及びその附近に配備される合衆国の陸軍、海軍又は空軍をいう。」という定義がはつきりしておりまして、従つてこの特例法適用を受けますのは、ここに規定しておりまする範囲に限定されるわけでございます。国際連合軍関係はやや事情が違いますので、そういうものにつきまして、いかなる法律上の待遇を與えるかということにつきましては、目下外務省を中心に別途に話合い中でございまして、過渡期としまして若干の特例がおそらく認められることになるのではないか、その後のことになりますと、これはまたあらためて特別な協定を必要とするのではないか、このように考えておる次第でございます。
  7. 松尾トシ子

    松尾委員 そういたしますと、たまたま朝鮮建設のために、日本が助けるというようなかつこうになりがちだと思うのですけど、この見解は、ただいま御説明になりましたように、後に特定の規約を設けてこれに当てると申しますから、その辺にいたしておきまして、次にお尋ねをいたしたいのは、ここにございますように、合衆国軍隊並びに軍属、その家族日本滯在中個人用動産を讓渡する場合には、譲渡所得を課さないというふうにうたつておりますが、この個人用動産範囲というものを、具体的にお示しを願いたいと思います。なぜならば、米国人日本人とその生活程度が非常に違いますし、男女を問わず、高価なる宝石などを所持していることが常でございます。日本に参りまして、税の特例に便乘いたし、外国人同士、あるいは日本人第三国人の間に、いわゆるバーター制のような交換商売が行われがちではないかと思うのですけど、そのために、この個人動産範囲というものを、お尋ねしておきたいと思うのでございます。
  8. 平田敬一郎

    平田政府委員 今のお尋ねの件は法律の第三條第二号に該当する事項かと思いますが、ここに明記しておりまするように、「不動産及び不動産の上に存する権利並びに投資のため又は事業を行うために有する資産」、こういうものにつきましては、かりに軍人、軍属またはその家族等が、日本において所有しておりまして、それを譲渡、相続したような場合には、これは課税をする、しかしその他の動産類はおおむね、何と申しますか、日本で仕事をする上において必要なものが大部分でございまして、たとえば自動車を持つている、それが不用になつて、処分して帰る、あるいは電気冷蔵機をどうする、そういう問題が主として考えられるかと思いますが、そういう場合につきまして、どうも讓渡所得税なりを課税するのは、やはり実情に即せぬだろう、こういう意味で、そういう場合には課税しないことにいたしておるのでございます。御指摘通り、かりにダイヤモンド等を持つておりまして、それを販売いたしましても、これはやはりそこまで課税するというわけにも行くまいと思いますが、通常そういう場合におきましては、なかなか実際問題としまして捕捉も困難でございまするし、しいて課税するということにいたしましても、実益に乏しいと考えられますので、ここに書いてありますように、不動産とか投資目的とする財産、そういうものに対しましては課税いたしまするが、そうでないものには課税しない。しかしダイヤモンド等も、一種の商売みたいに、買つて売るというようなことがございますならば、これはやはり私は投資のためといつたようなふうになりかねない場合もあるかと思います。しかしそういうものにつきましては、具体的ケースによつて判断するほかないと思いますが、通常たまたまダイヤモンドを売つて讓渡所得があるというような場合には課税するというのは、まあそこまで行く必要はなかろうと考えておりますので、特にそういう場合には課税することにしていないことを、御了承願いたいと思います。
  9. 松尾トシ子

    松尾委員 今の御説明を伺つておりますと、幾分こぼれる点は猶予しておこうというふうに伺われますけど、できるだけこの点を取締るような方向にしていただきたいと思います。日本人米国人の間にそのようなことが起きると、なかなか嚴重取締りまるのですけど、その他の第三国人との間にしている場合には、なかなか日本人の目の届かない所でこれが悪用されがちだということを、ひとつ御記憶を願いたいと思うのです。  次には、第三條の二項に当りますところに、「合衆国所得税を課せられない場合に当該所得については同項の規定適用しない。」とされておりますけど、そのようなケースはどういうふうな事情でどういうときをさすのかを、ひとつ御説明願いたいと思います。
  10. 平田敬一郎

    平田政府委員 これはたとえばPX等に勤務しておりまするアメリカ人の場合でありまして相当長く日本にいる——一年半以上ということになつておりますが、アメリカ所得税法が、一年半以上アメリカ外で勤務しておりまして、そこで所得がある場合におきましては、アメリカの市民といえども合衆国所得税を課税しない、こういうことになつているようでございますが、そういう場合に、アメリカ所得税もかからない、同時に、この協定の解釈次第で日本所得税もかからない、そういうのはお互いに不合理だから、ないことにしよう、少くともどつちかの国所得税がかかるようにいたしたい、こういう趣旨でこの規定を設けている次第でございまして、おそらく、今申し上げますPX等販売機関に勤務しているような場合に、そういうケースがあるのではないかと考えておる次第でございます。
  11. 松尾トシ子

    松尾委員 次に、先般政府委員の御説明によりますと、今後は直接調達になろうと予測されているというふうに言われましたが、この場合に、日本政府としましては、何らかの発言権があるのですかどうですか。軍がかつてにいろいろの資材調達いたしますと、日本経済復興産業復興計画が立たないのではないかと、私は憂えているのであります。そうしますと、日本平和産業というものが圧迫されますので、そこに日本業者のいわゆるやみと申しますか、悪い行為が発生して来ると思うのです。と言いますのは、いずれ外国人日本人にいろいろなものを注文なさいますときには、コストの点で、相当たたくと思うのです。それはかねての経験から申しましてもわかるように、なかなか安いコスト日本業者をたたいた経験を私たちは聞いております。そうしてそういう場合に、だんだんできないからというような声が高くなると同時に、向う計画によつて現物、いわゆる資材配給を受けて、こちらは労務の提供ということになると思うのですが、そうしたときに、コストをたたかれておりまするので、日本業者は、配給された資材を合理的に使つて、言いかえますと、そこに過剰を来すようにして、その余つた材料で、世間で少くなつている品物を製造して、やみに流すというかつこうになつて行くのは、必然だと思うのですけど、そうした場合に、專戰後よくありましたように、あのような物資が不足して悪性インフレなつた苦い経験からすると、この点を私は大いに憂えているのですけど、そのようなことがあるかないか。あつた場合にはどうしてこれを防止して行くのか。政府の御見解お尋ねいたしたいと思います。
  12. 平田敬一郎

    平田政府委員 お尋ねの問題は目下例の予備作業班と称しまする——将来はそれが合同委員会に発展して行くと思いますが、そういうところで日本政府アメリカ軍隊当局者との間に、話が進められておるようでありまして、大体は御指摘のようにやはり直接調達という方向に行きそうでございます。いろいろの建設等に出す資金の方も、日本側がさしあたり負担する分は、御承知通り協定できまつておりまするが、実際問題としましては、アメリカ側で持つ方が、額としてはおそらく多くなるのが通常ではないかと予想されまするし、そうなりますると、やはり先方の責任においてやるということの方が、よりベターではないかと考えられておるようでございましておそらく直接調達という方向に行くのではないかと見ておるのでございます。そういう場合において、今御懸念のような点が起りはしないかというのも、確かに一つの問題だと思いまするが、今後におきましては、もちろん調達一般方針等につきましては、委員会あるいは委員会の中に設けられまする分科会、そういうところで十分相談してきめられるものと、私どもは考えております。せひそうしなければならないと考えております。さらにまた御指摘通り、具体的に非常に合理的でないと認められるようなことが、相当行われるということでございますれば、これは事実を調べまして、日本政府としましても十分先方の反省を求めるということにいたしますれば、私はそれほど心配するほどのことはないのではないかと思います。その点今までの占領軍としての行動に対する日本政府のいろいろな立場は、なかなかむずかしいところがございましたことは松尾さん御承知のことかと思いますが、今度はすべて対等の立場で交渉に当ることに相なりますので、もちろん政府並びに日本国民の心がけ次第でございますが、運用と心構えのよろしきを得ますれば、相当その辺は合理的にやつて行けるのではないか、かように考えておる次第でございます。
  13. 松尾トシ子

    松尾委員 将来はそういうことが起きてみないとなかなかわかりませんけれども、戰後業者間のいろいろな実体を調べますと、ずいぶんこの問題があつたわけです。当然統制をし、あるいは米軍からの配給によつてつていた品物が、日本の普通の市場にたくさん流れて、私のうちのようにまじめにやつていたところでは、そういうものに流されたようなかつこうがずいぶんあつた。事実私のうちの倉庫には向う配給品物が相当余るのです。けれども私が議員なる立場もございますし、やみに流すわけに行かないで、売つてしまつて足りなくなつた人に補填してやつたというような経験を、たくさん持つているわけです。いわゆる資材配給の場合には、そうした実態が現われて来るわけです。  次に、関税特別措置についてお尋ねします。出入港手続免除のところなんですけれど、第五條の三に規定してございます「合衆国の安全を保持するためその他これに類する事由により、第一項但書」すなわち入港届とか積荷目録とか旅客氏名とか、こういつた表を出さなくてもいい。及び関税法第十八條の規定によりがたいときには、やはりこの規定によらなくてもいいということが書いてございますけれども、これはどういう場合にどういうことをさすのか。ひとつ御説明を願いたいと思います。私は入港届積荷目録も乗つているお客さんの名前も明記できないというようなときは、非常事態をさすのではないかと思つて心配しているんですが、そういつたことはないのでしようか。また初めからそういつたことを予測して、こういうものを規定なすつたのかどうか。この点をお尋ねします。
  14. 北島武雄

    北島政府委員 第五條第三項についての御質疑でございますが、「合衆国の安全を保持するためその他これに類する事由」と申しますのは、通常事態におきましてはこういう届を出していただきますが、軍隊機密保持の上で、どうしてもそのときはぐあいが悪いというときも想定いたされますし、また不開港に出入する場合、遭難その他のやむを得ない事由でもつて、あらかじめ税関長に届を出すことができないということも考えられます。こういう場合には適用しない。但し先方との話合いによりまして、その事由が消滅したら、事後に届けてもらうという話合いにはなつております。
  15. 松尾トシ子

    松尾委員 その次にちよつとお尋ねしたいのは、国有財産特別措置法案についてでございます。私は国有財産処理あるいはその活用に対しては、自立経済達成という国家的見地から検討さるべきだと思うのですが、これに対してどうお思いになりますか。私をして言わしめますと、過般来問題になつておつた四日市の旧海軍燃料廠を、通産省民間業者に拂い下げたということは、ちよつと納得が行かない感じがするわけなんです。しかも同廠は、戰時中に国民の血税によつて建設されたということを新たに呼び起し、なおまた日本石油精製業者が、外国資本支配下に非常に圧迫を加えられておる今日、これは公益奉仕として、独立後のわが国の石油精製業の対策をして行かなければならない一つの拠点ではないかと、私は考えておるのですけれど、こうしたことになりました事情と今後の見通しを、具体的に御説明を願つておきましたら、その他の国有財産処理にも、非常に役立つ資料になるのではないかと思うのです。
  16. 小林英三

    小林説明員 ただいまの御質問の第一点でありますが、国有財産管理処分考え方と申しましようか方針には、もちろんただいま御指摘になりましたような、自立経済達成ということも入れておるわけでありまして、旧来のいろんな軍関係施設を、日本自立経済達成のためにすみやかに転活用するため、現在もたとえば賠償指定施設の一時使用なり、そういう形においてどんどん活用をはかつておる。それからまたすでに賠償指定を解除された、あるいはまた軍事占領を解除された施設については、重要と見られるような、また必要と見られるような企業に貸付するなり、あるいは拂下げするという形において、目下つておるのでございまして、この国有財産特別措置法案におきましても、そうした考えを盛つておるわけであります。  それから第二の四日市にありまする旧海軍燃料廠のことでございまするが、今お話によりますれば、通産省の方で民間業者拂下げることを決定したというようなお話も出ましたけれども、実は四日市燃料廠拂下げと申しますか、貸付と申しますか、その転活用は、権限的にはこの財産を所管しております大蔵省でやるのであります。賠償指定施設使用につきましては、現在までにおきましても、国有財産につきましては、司令部の方の認可と申しましようか、承認を受ける形になつております。そのためには大体この石油関係といたしましては、通産省の方の推薦ということが必要になつております。この通産省の方で推薦する場合に、一体だれにしたらいいかということを、通産省の方で通産省としての意見をきめるために諮問委員会を設けて、いろいろ御意見を承つているような状況でございまして、目下のところといたしましては、だれにどうするかということについては、決定いたしておらない次第でございます。もちろん今後この経営をどうするかということについても、やはり愼重に考えなければならぬということで、私の方としてもいろいろ研究はしておる次第でございます。
  17. 松尾トシ子

    松尾委員 新聞によりますと、もうそのような手続が終つたかのように伝えられておりましたが、ただいまの御説明を聞いて少し安心しました。ところで最後には大蔵省の権限によるということになつておりますが、ここで平田主税局長は大いに大蔵省立場から、日本経済自立に持つて行くように、いわゆる民間業者が、これをただ利潤の搾取に使わないようなことにしていただきたいと思います。  それからもう一つお尋ねしたいのは、この措置法の全体を見ておりますと、医療施設だとか、保健所だとか、社会福祉事業施設学校施設、公民館、その他そういつたものを全部望みがあれば地方公共団体に貸したり、あるいは拂下げたりするとなつておりますけれども、それはただいまのところ地方財政が非常に逼迫しておりますし、いくら地方から大蔵省平衡交付金の増額を要請しましても、これがかなわないし、これをやればいいのだという調子で片づけられると、まことに困ると思うのです。どうもその中の実態を検討してみますと、医療施設のごときは、何でも全国に九十九あるうち、六十箇所だけ地方に委譲する、しかもそれが赤字だからやつてしまうのだというようなかつこうに聞いておるのです。残したものは、いわゆる予備隊のために、あるいは結核療養所のためにして、しかもその内容が黒字でもうかつていて、政府あまり金を出さなくてもやれるというところだけをひつこ抜いて残して、足りないところだけを地方に委讓するのはあまりひどいんじやないか、こう思うのですけれども、こういつた点はどういうふうに御処理なさるつもりか。明快なる御説明を願いたいと思います。
  18. 小林英三

    小林説明員 この国有財産特別措置法案によりまする医療関係施設につきましては、そうした今御指摘のようなことは全然考えておりませんで、もつぱら地方公共団体の方でこの医療施設として、たとえば伝染病とかそういうもののためにつくりたいというような場合におきまして、これを五割減額した対価で讓り渡す、あるいはまた貸し付けるということにしておるのでございます。御指摘のありました現在厚生省の所管しておりまする病院の特別会計所管財産につきましては、これはこの法律によるのではなくて、別途国会の御審議を願う法律として、出す予定になつておるように聞いております。むしろその場合におきまして、あるいはその事業を監督しておりまする厚生省の方から、いろいろ御説明があるかと思いますが、私の方としては、この法律としてはその問題と別個に考えておるわけでございます。ただいま御指摘のありましたような考え方ではないというように、見ておる次第であります。その衝にないもので、詳しく御説明できないのは、はなはだ遺憾でございます。
  19. 松尾トシ子

    松尾委員 その点はよくわかりました。  次に総括的にお尋ねしたいのは、ただいまこの法律によつて処理して行こうという、いわゆる国有財産終戰後からずつと活用していたならば、非常に厖大な收益があつただろうと私は想像しているのです。ところで当局はこうしたものの活用方を、かねてGHQに願い出た御経験がございますか。また願い出たときにいけないと言われたなら、どういうような理由であつたのかをお聞かせ願いたいと思います。
  20. 小林英三

    小林説明員 国有財産については、大体これを大きくわけまして、行政財産的なもの、すなわち国の行政目的に使うものと、それからそれ以外のもの、これをわれわれは普通財産と申しております。この普通財産につきましては、大部分が旧軍用財産関係のものと、それから終戰処理費で建てましたいろいろ建物、その他の施設があるわけでありまして、その旧軍用財産等につきましては、これをまた賠償指定として、司令部の非常な嚴重な監督のものと、それからまたそれ以外のものがあつたわけであります。それ以外の、大体司令部の方から現在占領の形において使用されている以外のものについては、日本側に解除されたわけであります。この解除されたものにつきましては、司令部の方の一々の承認を得ずして処理できたわけでございますが、ただ司令部の方で現在使つておるものにつきましては、どうしてもほかのものがいるから、それを解除してほしいというようなことで折衝した例もございます。それからなお問題になつておりますのは、賠償指定関係施設でございますが、これにつきましてもなかなか許可のおりなかつたものもございまするが、いろいろ折衝の結果許可されたのもありまするし、また現在賠償指定関係によりまして、日本側に解除されないものもあるわけであります。
  21. 松尾トシ子

    松尾委員 どうも私が聞いている範囲では、民間が非常に熱心にこれを運動いたしました結果によつて政府にいわゆる一時使用メモランダムが来ておるということを聞いておるのですが、それでもなかなかこれが、実際に民間あるいは適当な必要な人たちが使用できなかつた理由というのは、政府の手落ちだというふうに聞いているわけです。その手落ちとはどういうことかというと、向うメモランダムをよこした場合に、確かにこのような人間にこうした計画のもとに使わせるから、という公の書簡を向うへ出さなかつたので、今のところはいらないのだろうからこつちへとつておけ、こういつたようなかつこうのケースがたくさんあるやに承つておるのでありますけれども、そういうことはなかつたでしようか。
  22. 小林英三

    小林説明員 ただいまの御質問の点は、賠償指定施設の問題かと思つておりますが、賠償指定施設につきましては、大体現地におきまして関係の、たとえば工場関係につきましては、そこの通産省意見を聞くなりして、現地におきまして、いろいろな申請者がたくさんあつた場合におきまして、これをどうするかという——一応競合がありますれば競合を調整いたしまして、さらにまたどうしても現地的に解決をつけ得ないようなものは、その現地の意見を付してこれを中央に持つて来るわけであります。大蔵省といたしましては、その現地から出て来ました案につきまして、さらに中央で、これまでは賠償庁を中心にいたしまして、いろいろと協議するわけであります。その協議の結果これがよろしいということになりますと、先ほど申しましたような通産省の推薦状と、それから大蔵省の方で一時使用をさせてよろしいかという申請書を添えまして司令部の方に出し、司令部の方でよろしいということになれば、その申請者に貸す、あるいは一時使用させる、こういう形をとつておるのでございまして、今御指摘のような、民間の方が司令部の方に行つて一時使用の許可をとつた、それにもかかわらず、こちらがしなかつたという例はございません。形式的には、司令部の方が直接民間の人に指示書を與えるということはしておりませんのです。ただ内容的に見ますと、われわれの方でよく聞く例でございますが、司令部の方でいいと言つているのだというような話は聞いておりますが、実際いろ——つてみますと、そうでもない、こういうような問題が出ておるのでございます。いろいろその間においては、場合によつては時期的に少しずれたというようなこともあるかと思いますが、今申し上げたような点で、これまで処理しておりまして、御指摘のような点は、私としては聞いておりません。
  23. 松尾トシ子

    松尾委員 そうすると、それは民間とお役所とのいわゆる見解の相違だと思うのですけれども、民間の方はあまり形式ばつたことはわかりませんので、かえつてまわりで騒ぎ立てて、役所に御迷惑をかけているというようなかつこうのように思われるのですけれども、実際においては、GHQの個人的の意見によりますと、あるときには、この施設あるいはこの物が必要でないために、特定の期間中だけ使わしてやつてもいいと思うので、いわゆるメモに近いような言葉を吐いても、日本の役人はこれの手続をとつて来ない、こういうことを私はしばしば聞くのです。東京と違いまして、私は横浜に住んでおつて日本全国で一番占領軍の数が多いところで、個人といいましても、それぞれその地位が違いますから、その発言権あるいはその考えが、どこまで履行できるのかわかりませんけれども、しばしばかなり偉いところの人の個人の意見で聞くのですけれども、そういつたようなことは、耳にお入りになつたことがないでしようか。
  24. 小林英三

    小林説明員 先ほど申しましたように、司令部の方ではいいと言つているというような話は聞いた例もございますが、大体そうした場合におきましては、現地的にだれがいいかどうかということの競合者が、おそらくたくさんあるような例があるわけです。それをだれにきめるかという、日本の内部的な意見をきめるということでありまして、それに対して、司令部の方もこういうような意見であるというようなことは聞いた例もございます。しかし、これも形式的になるでございましようが、日本政府としての意思表示をはつきりするということにおきまして、申請書を出すということになるわけです。その間において、あるいは司令部の筋においていいと言つたから、早く一時使用の申請書を出してくれというような例も聞いたことはありますが、これは非常に少いケースだと考えております。
  25. 松尾トシ子

    松尾委員 この中に、中小企業工場の合理化やあるいは何かをするために、機械を交換してやるというようなことが書いてございますけれども、その場合にはリンク制になつて、便わなくなつた機械をスクラツプとして出さなくてはいけないのでしようか。
  26. 小林英三

    小林説明員 ただいまの御質問は、国有財産特別措置法案の第九條でございますが、この法律のねらいといたしまして、現在中小企業のいろんな設備について非常に合理的でない、こういうような声を聞いておるわけであります。そこでたまたま賠償指定を解除される機械が相当ありますので、この機会に、中小企業者の持つております性能の低い機械と、それからただいま申した国有の機械と交換するということを考えたらどうか。もちろんこの場合におきまして、中小企業の方におきましても、機械を売つてくれという場合がありますれば、それは売るということで問題は解決できるかと思います。しかしなら、いろいろ資金の関係その他におきまして、自分としては新しい機械をよけいに増設するのじやない、この機械はいらなくなる。だからこの機械ととりかえてくれというような御要望がある場合におきまして、現在におきましては、国有財産法では土地建物について交換の規定がございますが、機械の交換の規定がない。そこでこういうような規定を設けまして、中小企業者のためをはかろうじやないか、こういうことにしておるわけであります。この交換された機械というものにつきまして、さらにまた国として、これを交換の希望者があつたならば、その古い機械を使つたらどうか、こういうような考え方もあるわけでございまするが、むしろそうした古い機械はスクラツプにしてしまいましてそういう古い機械を使わずに、新しい機械をつくり、またそれを使うようなことにした方がいいじやないかというふうに考えた次第でございます。
  27. 松尾トシ子

    松尾委員 私の知つている民間の、中小企業工場といえば、それまでですけれども、かなり資力を持ち、大きな工場を持つている人が、この法律が出る前に、非常に古い機械が大分あつたわけです。それで申請いたしましたところが、お役所の御見解で、お前のほしがつているものは日本の至る所どこだつて、金さえ出せば買えるのだから、これを拂下げるわけには行かぬ、拂下げる場合には、それをつくる場合に、非常に長い月日を要するとか、日本ではてんで手に入らないような機械だから、というような特定の條件がつけられなければ、拂下げることも交換してやることもできないと断られたと、数日前に言つて来ているのですけれども、こういうのはどういうふうに処理したらよろしいでしようか。
  28. 小林英三

    小林説明員 ただいまの御質問の点は、こういうことではないかと考えております。先ほど申しましたように、賠償指定の機械につきましては、現在も売拂いということは禁止されておるわけであります。そこでこれを活用するということで、一時使用という形で活用をはかつておるわけでありますが、この一時使用の申請につきまして、国有財産については、司令部の方の承認を受けておるわけであります。この司令部の方の承認の基準といたしまして、ただいま御指摘のあつたように、どうしても日本において現在すぐに手に入らないようなものとか、あるいは日本自立経済にすぐ役立つような場合であるとか、そういうような基準におきまして、司令部の方としてはこの一時使用ということを認めておる次第でございます。従いまして、大体私どもといたしましても、ただ何でも持つて行くというのではなくて、やはり通産省の御意見なり、いろいろのものを聞きまして、ただいまのような基準に合つておるかどうかということを認定して、それで司令部の方に対してその承認を受ける、こういうことになつております。従つて指摘の点については、あるいはそうした基準に該当しないということで、留保されたのではないかと考えております。なお賠償指定の解除になりますれば、これはまた一般競争入札なり、あるいは指名競争入札なり、あるいはまた第九條の規定によりまして売るなり、あるいは交換という形において、御要望の点を満足することができるようになるかと考えておりますが、ただいまのところはそうした扱いになつておりますので、今御指摘の点は、さらにまた具体的にお話がありますれば、調べてみたいと思いますが、以上のような次第でございます。
  29. 松尾トシ子

    松尾委員 公開入札になつて参りますと、ほしい所にほしい物が行かないというかつこうに、しばしばなるわけです。また仲買人なんかが出まして、非常な価格の暴騰にもなりますので、あまり芳ばしくないと思うので、私はこの国有財産処理に際しましては、民主的な審議会をつくつて、必要な方面の人たちの代表にそこへ入つていただいて、おやりになつた方がいいのじやないかと思うのです。あるものは最終的に公開入札もけつこうなんですけれども、そうした機関を通して大いに活用したあと、どうしてもこれを処理できないとふうものは、公開入札もいいのじやないか、こういうふうに考えているわけです。所管庁だけがこの処理に当らないで、いわゆる民間団体なども入れた審議会を通して、民主的な形で、これは国家が扱え、これは民間——その民間もこうしたものにはこうした條件で、ということをおきめになつた方が、私は有利じやないかと考えております。  それからもう一つお尋ねしたいのは、これを拂下げる場合には、普通財産もあるいはほかのものもそうですけれども、帳簿づらとその価値がちやんとしているのでし考か。たまたま管理の責任を全うしなくて、帳簿に載つている価格よりも、非常にその価値が落ちているとういうようなことはないのでございましようか。その点をひとつお伺いしたい。
  30. 小林英三

    小林説明員 この機械その他の旧軍用財産、あるいはまた国有財産一般になりましようが、国有財産の売拂い処分につきまして、むしろ入札なりその他をとらずに、随契といいますか、相対契約で、しかもそのきめ方について、いろいろな民間の方も入れて公開的にやつたらどうか、こういうような御意見でございますが、いろいろなむずかしい問題がございまして、私の方といたしまして大体適時、的確と申しましようか、必要なところに、いろいろなわれわれの方の考えておりますようなところに、国有財産活用されるということが非常に望ましく、またそのように具体的に考えておる次第でございまるが、たまたまその競争者が非常に多い、需要者が多いということになりますると、どうしても抽籤するなりあるいはまた会計法の原則に従いまして、どちらが有利と申しましようか、買いたい熱意がどちらにあるかということで、やつておる次第でございます。できる限り必要なところに活用されるように、今後とも考えて行きたいと思つております。  それからなおその価格の問題でございますが、現在この価格につきましては、国有財産一般につきまして、取得価格、そのとき買つた値段が現在の記帳価格になつておる次第でございます。現在におきましては、大体時価主義でこれを売り拂うなり、あるいは貸し付けるという形にしておりますので、台帳の価格に拘泥せず、現在の時価においてやるということになつております。
  31. 松尾トシ子

    松尾委員 旧陸海空軍施設を全部解放しないで、一部は行政協定に基いてとつておくのだという話も、ちらりとうかがわれましたけれども、その場合に米軍の方から、敵産管理として押えた当時の機械あるいは施設実態と違つて、破損したり紛失したりしている場合には、弁償しろなんという請求を受けるようなことはないでしようか。その点をお伺いしたい。
  32. 小林英三

    小林説明員 国有財産特別措置法関係におきましては、行政協定を実行するために保留しておくという考えは毛頭ございません。ただ行政協定実施に伴う国有財産特例におきましては、日本側アメリカ側とにおいでとりきめができたものについては、アメリカ合衆国国有財産を提供するということになつておりまして、それ以外のものについては、すべてこれを先ほど申し上げましたように、必要なところに活用しようというように考えている次第でございます。
  33. 松尾トシ子

    松尾委員 講和が発効しまして、すぐにこうしたものは解除になると思つておりました民間の人が、けさほどの話によりますと、民間の接収された家屋とか土地が、もう一年間接收解除が延びてしまつたんでといつて、非常に悲観して、私がここへ出て来る前につかまえられて訴えられたのです。これはちよつと筋が違うかもしれませんけれども、この点何かおわかりになつている点がございましたら、御説明願えるとけつこうだと思います。
  34. 小林英三

    小林説明員 実はそういうお話を聞いたのは初めてでございまして、私の方といたしましては、予備作業班で仕事を始めるときにおいて、向うからいろいろ話を聞いたところによりますれば、駐留軍に、ずつと話がきまらないでいるものについては、使用を認めるという、行政協定の交換公文にある通り考えておりまして、それ以外のものについては、條約効力発効とともに、これは日本側に返還なり解除されるというように考えております。なお御指摘の点がございますかどうか、さらによく調査して参りたいと存じます。
  35. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私はただいま議題なつております法案について、二、三質疑をさしていただきたいと存じます。  まず平田主税局長お尋ねいたしますが、日本アメリカ合衆国との間におきます安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う規定でございますが、大体アメリカの法人が日本の国に参りまして、米軍の基地の設定とか、あるいは所要の調達をする、建設をする、こういうことに相なると考えておりますが、米国の本国で契約して来たのでありますから、日本に来てその工事を進行する場合におきましては、やはり日本人を手下に使つてやる、下請をするということがあるのではないかと思います。この点については、どういうふうに政府は思つておりますか。下請した場合におきましては、その元の会社の方には御迷惑をかけない、下請をした方にはかける、こういうことになりますか。その辺をひとつ承りたいと思います。
  36. 平田敬一郎

    平田政府委員 先般も申し上げました通り日本で行われます建設関係の工事は、大部分日本におきまして入札等の方法によつて契約され実行される。その際には、もちろん日本の請負業者あるいはアメリカの請負業者が、ともに参加する場合があろうと思いますが、原則は私どもはやはりそのように聞いております。ただ先般も申し上げましたように、非常に特殊な設備、たとえば電波関係の工事、こういうことになりますと、ちよつと日本の業界ではようできない。そういう場合におきまして、アメリカの本国で契約を結びまして、向うから会社あるいは個人の契約者を連れて来まして、それでむずかしい仕事をやらせる、そういう場合におきまして、この行政協定特例に基きます税法特例が認められる、大体私どもはこのように理解しておるわけでございます。その後いろいろ予備作業班で事務折衝をいたしておりますが、そういう際の考え方が、大体同じような考え方のようでございます。従いまして所得税なり法人税が免除されます場合は、全体の工事量の中のほんの一部分だと私どもは理解しておりますが、そういう場合におきましても、なおかつお話のように、もちろん全部の資材あるいは全部の従業者を、向うから持つて来てやるというわけには参らないのでありまして、やはり責任者あるいは技術者、あるいはある程度の管理者、あるいは非常にむずかしい工事をする特殊な労務者、こういう人々が向うからやつて来まして仕事をするだろうと思います。そういう同じ仕事の場合におきましても、相当大がかりな仕事になりますると、私はおそらくやはり日本の下請業者に請負わしてやらせるということになるだろうと思います。その場合におきましては、もちろん下請の方は別段課税上特例は設けておりません。向うから連れて来ました特殊な人々だけが、この特例を受けるということになるわけでございます。
  37. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいまの御説明で了承いたしましたが、次にこの前もたしか皆さんからも御質問があつたわけでございますが、物品税のことにつきまして伺います。これは軍隊もしくは家族構成員等にこれを提供した場合においては、日本の物品に対しては物品税を免除する、こういう規定があるわけでございます。これは当然であると思いますが、これを納めたにいたしましても、横流ししては困るということをたびたびれ言つたわけであります。これを防止するために、必ず何かレッテルを張るとか、極印を押すとかしてこれは米国駐留軍に納めたものである、日本人使用を禁ずる、こういうような方法を講じた方がはつきりするかと思いますが、主税局長は今どういうように考えておられますか、承りたいと思います。
  38. 平田敬一郎

    平田政府委員 御懸念の点は確かにいろいろありますので、この法律におきましてもいろいろ制限をくつつけております。たとえば処分する際には許可を受けなければならないとか、それを受けないでやる場合におきましては、讓渡者に対しましても一種の制裁を加える。現在はいわゆる横流し使用するようなものにつきましても、どうも日本側法律適用して処罰するということはできないわけでございますが、今後この法律が実行されました後におきましては、免税品を横流ししたというような場合におきましては、それぞれ必要な処罰規定適用を受けるということに相なるわけでございまして、その辺は今までよりもよほど法律関係が明らかになりまして、よくなるのではないか。その際におきまして、もつと商品自体に何か特別のくふうをしたらどうかということのようでございますが、まあこれも一案かと思います。ただタバコの方は、たとえばミリタリー・ユース・オンリー——軍用だけという封がしてございますが、それがやはりある程度横流しされておるというのが事実でございますので、そういう方法によつて防ぎ得るかどうか、これも問題であろうと思いますが、私どもやはり今後施行に際しまして、できる限り横流れ等のことのないように、相互に協力しましてやつて行きたいというふうに考えておる次第でございます。
  39. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 この法令の第九條の物品税のことでございますが、この第一項におきまして、政令で定めるということがございまするが、政令でどういうものを定めるという腹案でも今持つておられましようか。場合によりましては、そういう事態にぶつかつたときに、政令をもつてつくるという意味合いでありましようか。その点を承り  たい。  次にこれに関連いたしまして、昭和二十七年四月七日に日刊食糧通信という通信が出ておりますが、これによりますと、砂糖消費税を千七百円に期待とかいう記事があるわけであります。これは御承知通り、今国会におきまして、水あめ、ぶどう糖の物品税を免除するために、わざわざ砂糖消費税を百斤当り千九百五十円に上げて、これを四月一日から実施しておるわけでございますが、たまたまこの通信によりますと、全国菓子連合会の北本理事長並びに若原専務、こういう人がまた元通りの千七百円の大蔵省の原案だつたものの方にもどしたい、こういう運動を展開しておるということが載つておるわけでありまして、おそらく補正予算等においてはそうなるであろう、こんなばかばかしいことが伝えられておりまするが、政府といたしましてはどう考えておりまするか。これも関連いたしておりまするから、御説明を願いたいと存じます。
  40. 平田敬一郎

    平田政府委員 前段の九條の政令でございますが、これは現在輸出免税の制度等に関連いたしまして、物品税法にそれぞれ必要な手続的な規定を設けておりますが、ほぼそれに準じまして、必要な規定を設けたいと考えておる次第でございます。主として免税の手続に関するものでございますことを、御了承願いたいと思います。  それからいま一つお尋ねがございましたが、砂糖消費税をまたこの際引下げるのではないかというお尋ねでございますが、私もそういう考えは現在のところ全然持つておりません。
  41. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の御説明は確かに政府当局としてはしかるべきであろうと思いますが、今言つたような問題が流布せられまして、せつかく本国会におきまして成立を見ました物品税の改正によつて、特にあめ、ぶどう糖に対する物品税の免除のために、砂糖の消費税の方が上つたわけでございますが、またまた最近においてこれをひつくり返すということになりますと、これは政治をもてあそぶものである、こういうおそれがありますから、どうかせつかく政府におきましてもその線は堅持されまして、そうむちやくちやにかつてにやるものではないということにしてもらいたい、かように考えるものであります。  次に関税のことに関係がありますので、北島部長にお尋ねしたいと思います。それは連合国軍が使つておりました自動車を、最近になつてすでに拂下げておるわけでございます。この拂下げ等につきましては、もちろんある程度まで関税もかかることと思いますが、将来、相当拂下げの用意を持つておりまするか、どんなふうでありましようか。日本とこの協定ができました以後におきましても、今まで使つておりましたハイヤーあるいはトラック等を拂下げる用意を持つておりましようか、どんなふうになつておりますか。部長のお考えを承りたい。
  42. 北島武雄

    北島政府委員 この拂下げ自動車の見込みにつきましては、私の所管では実はございませんで、通産省が外貨資金の割当をやつております。二十七年度におきましても相当量の拂下げがある由を私は聞いておりますが、その数字はまだ確定いたしてないようでございます。
  43. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 本問題と多少食い違いがあるかもしれませんが、やはり国産の自動車と向うの自動車とを比較いたしますと、国産の自動車よりも向うの自動車の方が相当性能がよろしい、こういうことを聞いておるわけであります。しかし国産の奨励も必要欠くべからざるものがありますので、そういうものに関連いたしまして、国産品も多少獎励をするということもけつこうでありますが、また先進国のよい長所を取入れまして、わが国の産業を刺激せしむるために、ある程度まで不要品になりました自動車等は内地にもぜひ拂下げをしていただきますと、これが日本の交通量の緩和にもなり、また産業の啓発にもなると思いますから、当局といたしましても、十分この折衝をいたしていただきたいと思います。これは希望でございますが、御答弁ができましたら、一応御説明をいただきたいと思います。
  44. 北島武雄

    北島政府委員 御希望の点につきましては、通産省の方にもよく連絡をいたしておきます。ただ、ただいまちよつとお話がございましたように、外国の自動車は値段が非常に安い。現在の関税は、乘用車につきましては四割、その他の自動車につきましては三割の税金がかかつております。その上にさらに物品税がかかつておるのでありますが、それにいたしましても、最終価格は国産品に比べて安いという状況でございます。これについては現在の関税率の四〇%というのは、国内産業保護のためには妥当でない率ではないか、不適当ではないかという気もいたすわけであります。自動車工業は日本でも今後相当振興する必要がありますので、将来関税率などをもう一ぺん見直します際には、こういう自動車の関税などについては、もう少し高くした方がよいのじやないかとただいま考えております。
  45. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 時間の関係がありますから、もう一点だけ今度は小林説明員の方にお尋ねいたしたいと思います。国有財産につきましては、過日来たびたび質問があつたことでございますが、この旧軍用財産のものを中小企業のために拂下げをいたしましたり、交換する、こういうふうになつておると思いますが、この数量等につきましては、調査をせられまして、どのくらいの数量をそういう方面にまわそうという御用意がありまするか。もしありましたらば、この際簡單でけつこうですから承りたいと思います。
  46. 小林英三

    小林説明員 御質問のこの数量については、実はどの程度まで中小企業にやるかについては、目下通産省と寄り寄り相談中でございますが、大体賠償指定の機械類については、現在一時使用という形で相当転活用しております。それからなお残つておるものは、現在賠償指定のままで転活用を認められない数字でございます。全体として、この中に機械器具類も入つておりますが、相当多量にわたつておりまして、現在約二十九万台と申しますか、器具類も入つておりますので、概数はその程度になつております。このうちにおいて中小企業に使われるようなものにつきまして、大体この程度ならば行けるだろうということを通産省と相談しておりますが、相当これも多量に上るかと思つております。ただ大蔵省としては、中小企業の実態的なものはよくわかりませんので、具体的な数字をまだ発表できる段階にないのは、はなはだ残念でございます。
  47. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 承知をいたしましたが、次にこれに補足をいたしまして、どなたでもけつこうですから、おわかりの方から御説明を願いたいのであります。ただいまのところにおきまして、賠償指定になりました工場、機械等も、ほとんどこれは解除になるわけであると私は思うのでありますが、そういうものに対しましては、帳簿価格等におきましては、ある程度まで一時に価格をつけかえる、こういうことを言われておるのであります。そういうような数量等も調査済みになつておりましようが、今後相当活発にそうした賠償指定工場が解除せられまして、わが国の産業開発に相当寄與せられると思いますが、場合によりましては一面から考えますれば、これは老朽の施設であつて、時代に沿わないというものもあろうかと思います。その辺につきまして、主税局長からでもけつこうですから、どんなふうになつているか、簡單に御説明願いたいと思います。
  48. 平田敬一郎

    平田政府委員 賠償指定施設はいろいろございますが、その国有の方は別にいたしまして、民間の所有の分は先般の調べによりますと、たしか従前の帳簿価格で約十五億円程度でございます。従いまして現在の時価に直しますと、相当な額に上るようでございます。もつともその中には、おそらくすでに陳腐化いたしまして、うまく使えないようなものもございましようし、あるいは昔のままによく保存されておりまして、最近の経済情勢のもとにおきましても、よく使えるものもあろうかと思います。その辺のことはあまり細目の調査をいたしておりませんが、従来の帳簿価格によりますと、大体民間は十五億あるようでございます。
  49. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 けつこうです。
  50. 佐久間徹

    佐久間委員長代理 本日は午後一時より本会議が開かれますので、この程度にて散会いたします。次会は明十一日午前十時より開会いたします。     午後零時三十四分散会