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1952-04-03 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月三日(木曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 小山 長規君 理事 佐久間 徹君       大上  司君    苫米地英俊君       三宅 則義君    宮原幸三郎君       武藤 嘉一君  早稻田柳右エ門君       松尾トシ子君    高田 富之君       深澤 義守君    中野 四郎君  出席政府委員         総理府事務官         (特別調達庁管         理部長)    長岡 伊八君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局総務課         長)      小林 英三君         大蔵事務官         (国税庁税部         長)      原  純夫君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 四月二日  特別調達資金設置令の一部を改正する法律案(  内閣提出第一四八号) 同日  漆器に対する物品税撤廃請願前田正男君紹  介)(第一八四一号)  財務局職員行政整理反対等に関する請願(青  野武一紹介)(第一八八四号)  在外公館等借入金返還促進に関する請願前田  榮之助君紹介)(第一九二二号)  在外資産の調査に関する請願西村榮一君紹  介)(第一九二三号)  同(前田種男紹介)(第一九二四号)  同(井上良二紹介)(第一九二五号)  同(周東英雄紹介)(第一九二六号)  旧陸軍共済組合員年金交付に関する請願(松  岡駒吉紹介)(第一九二九号) の審査を本委員会に付託された。 同日  北海道拓殖銀行の長期及び短期融資兼営に関す  る陳情書(第一一  二七号)  未復員者給與法適用患者療養保障に関する  陳情書外五件  (第一一二八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  国有財産特別措置法案内閣提出第五九号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う所得税法等  の臨時特例に関する法律案内閣提出第一三三  号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う関税法等の  臨時特例に関する法律案内閣提出第一三四  号)  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定実施に伴う国有財産  の管理に関する法律案内閣提出第一三五号)  特別調達資金設置令の一部を改正する法律案(  内閣提出第一四八号)     ―――――――――――――
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  議案の審査に入ります前に連合審査会開会の件につきましてお諮りいたします。ただいま本委員会におきまして審査中の国有財産特別措置法案につきまして、昨日地方行政委員会から連合審査会を開いてほしい旨の申出がありましたが、これをいれて、本案につき地方行政委員会連合審査会を開くことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議なきようでありますから、さよう決定いたします。  なお連合審査会開会日時等につきましては、委員長に御一任をお願いいたします。     —————————————
  4. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に、昨二日本委員会に付託に相なりました特別調達資金設置令の一部を改正する法律案議題といたしまして、まず政府当局より提案趣旨説明を聽取いたします。大蔵省主計局長河野一之君。     —————————————
  5. 河野一之

    河野(一)政府委員 ただいま議題となりました特別調達資金設置令の一郎を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  特別調達資金は、連合国軍需要に応ずる物及び役務調達を円滑に処理するため設置されたのでありますが、今回日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約の締結に伴いまして、一応この資金を、同條約に基いて駐留するアメリカ合衆国軍隊需要に応ずるための物及び役務調達に要する支拂い資金としても、使用することができるようにする必要がありますので、特別調達資金設置令に所要の字句的な改正を加えるため、この法律案を提出した次第であります。   何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————
  6. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次に国有財産特別措置法案日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律案日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案、及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う国有財産管理に関する法律案の四法案一括議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。深澤義守君。
  7. 深澤義守

    深澤委員 国有財産特別措置法案に関連いたしまして、前会に引続きまして質問をしたいと思います。  第五條普通財産の場合において、地方公共団体讓與することができるという規定があるのであります。私は念のため東京都の係官の意見を聞いたのでありますが、普通財産無償讓與を受けるということは、まことにけつこうなことである、ところがなかなかその管理費維持費あるいは改築費等がかさむので、これはただちに喜ぶべきことであるというぐあいに、受取る性質のものでないという意見もあるのであります。国は相当たくさんの普通財産を持つておりますが、国自体が持つてつても、その管理に非常に経費を要するものもたくさんあるので、そういうものを地方公共団体に肩がわりするというような形になるのでありますが、その場合において国といたしましては、今具体的な問題もありましようが、これらの財産に対しまして維持費管理費等補助を出すというような建前になつておるのかいないのか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
  8. 小林英三

    小林説明員 ただいまの御質問の点は、第五條の、特に「戰災者引揚者又は保護を要する生活困窮者収容施設」がそれに該当するのではないか、こう考えております。御指摘のような点も中心にはあるかと思いますが、大体私たちが各都道府県なりあるいはまた関係の市町村の御意見を聞きますと、現在は無償貸付のことになつておりますが、早くこれをもらつた方がいいというような御意見が大多数でございます。なお今御質問の点の維持費等補助規定があるかどうか、こういう問題でございますが、この点については現在予算的には何も持つておりません。いずれ主計局の方から通知があると思いますが、そういうことになつております。
  9. 深澤義守

    深澤委員 地方公共団体讓與する場合の具体的な條件でありますが、これは戰災後非常に混乱いたしておりまして、事実上民生委員等があつせんいたしまして戰災者引揚者等の住居に充てておる普通財産等もたくさんあるようでありますが、正式には大蔵省との関係において、地方公共団体貸付を受けているという手続はふんでいないのであります。しかし地方公共団体に関連する民生委員等が、処置をしておるというものもあるようであります。そういうものもやはり地方公共団体が、今まで貸し付けられておつたものに準じて、処理するということになりますのか。それともそれは別途の扱いをするのか。その点をひとつお伺いしたい。
  10. 小林英三

    小林説明員 この法律規定によりましては「この法律施行の際」ということになつております。この法律施行規則といたしましては、四月一日から施行することになつておりますが、これはまた別途御修正をお願いするようなことになつておるのでございます。現在そういうような事例は実は聞いておりませんで、そうした貸付につきまして、形式的に一時使用という書式をふんでないものでありましても、事実を目しまして私の方としては処理いたしたい、こう考えております。
  11. 深澤義守

    深澤委員 それから條件付売拂いという問題が第七條にあるのでありますが、この場合たとえば戦災者あるいは引揚者等建物が、地方公共団体が国から貸し付けられていない。それから直接大蔵省の方との関連においても、貸付ということが確定的でない。だが事実は戰災者引揚者が入つておるのでありまして、戰災者引揚者はそれを拂い下げてもらいたいというような意向もあるのを、具体的に私は知つているのでありますが、そういうような場合においては、現在居住している引揚者あるいは戦災者等拂下げをするということができるのかどうか。地方公共団体は正式にも形式的にも借りていない。それは話はしておるが、どうもこの法律施行の当日において、地方公共団体がこれを貸し付けておつた、あるいは管理しておつたという具体的な事実も証明されない。しかし現実においては民生委員等のあつせんによつて引揚者戰災者が入つておる。それをつい最近になつ大蔵省も気づいたというような建物があるのでありますが、そういうものは地方公共団体には讓與できない。しからばそれを直接引揚者戰災者等の現在の居住者拂下げをするということができるかどうか。その点をひとつお伺いしたい。
  12. 小林英三

    小林説明員 御質問のありましたような事例におきましては、個々の具体的のケースにつきまして、それぞれ措置がなされるかと思いますが、公共団体の方で無償でもらいたいという要望もなく、そしてそこに住まれておる方がそれをほしいという場合におきましては、私どもの方としては讓渡をする。現在住んでいる方に売るという考え方をいたしております。その場合におきまする一種の優遇措置といたしまして、十一條の方の延納特約——もちろんその価格といたしましては時価ということになるわけですが、その代金拂いにつきまして、延納を認めるという措置を講じておるわけであります。
  13. 深澤義守

    深澤委員 私は具体的にお伺いしたいのでありますが、国税庁の元の関係でありまする旧両国税務署燒ビルがあるのであります。それがつい最近大蔵省普通財産に編入されたのであります。ところがそれは終戰直後において戰災者引揚者等が、民生委員会並び援護会等のあつせんによつて、そこに居住するようになつたのであります。しかし東京都はこれを知らない。大蔵省も実はそれをつい最近知つたのであります。そこで戰災者引揚者の諸君は、一部にまたこれを取上げてメリヤス会館にするというような運動もあつたようでありますが、そうされると自分たち居住権が脅かされるということで、大蔵省に交渉をいたしまして、従来の家賃と申しますか、弁償金と申しますか、そういうものを拂うから、でき得れば拂下げをしてもらいたい、こういうようなお願いをしておるわけであります。この問題につきまして、具体的に拂下げをすることができるとするならば、これは個人々々に拂下げするというわけに行かないと思うのですが、住宅組合というような法人か何かをつくりまして、拂下げを受けるということこなりますのか。個人々々に売り渡すことになりますのか。それからその場合における燒けビル価格算定等は、どういう基準に基いておやりになるのか。その点をひとつ、こまかい問題でありますが、この際お伺いしたいと思います。
  14. 小林英三

    小林説明員 ただいま御指摘のありました旧両国橋税務署の跡地は、いわゆる行政財産と申しまして、現在としましては、東京国税局所管公有財産なつておるわけであります。その財産につきまして、実は税務署の方でその財産を使うという関係におきまして——指摘のあつたものは、公有財産なつておるのでありまして、これにつきましては、国有財産法におきましても、その目的を妨げない限度においては、使用させてもいいというようなことになつておるわけでありまして、その点もし使用料をとつておらぬとか、あるいはまたそれをどういうふうに貸すとか、何か一度使用をやつておらぬかどうか、こういうような点につきましては、実はまだ東京国税局の方から報告を受けておりませんが、その点につきまして、さらにまた処理いたしたいと思つております。なおこれを国有財産すなわち処分財産とした後におきまして、どういうふうに拂い下げるかどうか。これにつきましても、さらに実地を調査いたしまして、具体的にきめられるだろうと思います。御指摘のように、組合でなければいかぬとか、あるいは個人でなければいかぬとか、そういうような点は考えておりません。その実情に即したような考え方で行きたい。それからなお価格をどうするかということでございますが、抽象的に申しますれば、これは時価で売るということになるのです。すなわち現在の価格で、たとえば燒けビルとかそういうものでございますれば、その値段で売り拂う、こういうことになるわけでございます。
  15. 深澤義守

    深澤委員 それから第九條の、旧陸軍省海軍省及び軍需省所管に属しておつた普通財産のうちの機械及び器具の問題でありますが、これを政令で定める事業者に対しまして、老朽した機械及び器具とこれを交換してやる、そうして交換して引取つた物は、これをくず化してしまうということでありますが、この旧陸軍省海軍省軍需省所管しておつた普通財産で、現在の日本の産業の合理化推進のために役立て得るというようなものは、非常にたくさんあるのかどうか。その点をひとつお伺いしたい。
  16. 小林英三

    小林説明員 旧陸海軍省軍需省所管に属しておりました機械類、これは機械が大部分でございまして、そのほか器具も入つておりますが、大体三十三万点程度なつておりました。そのうち特別機械というので、兵器をつくる機械というようなものにつきましては、破壊命令が出ましてこれを破壊したわけであります。それからなお機械として不十分だというので、これをスクラツプを條件といたしまして、賠償指定解除を受けたものもございますが、大体そういうものを除きまして、約二十五万台程度というのが、現有機械器具なつております。この現有機械のうち、これを民間の会社あるいはまた学校その他の政府機関に、それぞれ一時使用の形で使わしております。なおその他賠償指定につきまして、すでに先ほど申しましたように、一時使用という形で使用を認めておるものもありますが、まだ使用を認めていない機械もあるわけでございます。こうした機械につきまして交換するというような措置を講じようという考え方でございまして、その数字も相当多量にまだ現在残つておるわけであります。
  17. 深澤義守

    深澤委員 この交換の結果といたしまして、くず化するようなものも結局相当出て来るようでありますが、企業合理化推進のために必要な機械をやつて、そうしてくず化するような物を政府引取るという、こういうことが私には理解できない。むしろそんなくず化するようなものを引取るよりも、機械そのもの時価なら時価、あるいは時価の何割引なら何割引で売り渡してやる方が、きわめて簡單に処理できるのではないかと思うのです。交換制度を設けて、そうして引取つたものをくず化する、その差額は金銭で補足するということになつておるのであります。こうなりますと、私はそこにいろいろなスキヤンダルが起きる危險性がありはしないかと思います。交換制度よりも、むしろ時価で、あるいは時価の何割引かで拂い下げることの方が、適当じやないかと考えるのでありますが、どうして交換制度を考えられたのか。その点をひとつお伺いしたい。
  18. 小林英三

    小林説明員 この九條の対象といたしましては、大体中小企業をねらつておるわけであります。もちろん私の方といたしましても、時価で売り拂うということは当然考えておりまして、その代金支拂いについては、延納を認めて行くというような考え方をいたしておるわけであります。ただ金はないけれども、物はある、その物が非常に性能が悪いのだ、こういうような場合があると思いますので、性能の悪い物と、国有で持つておるいい物をかえる、こういうような措置を認めよう。現在国有財産法といたしましては、交換できるのは、土地建物に限られておりまして、機械についても、こうした特別の場合におきましては、交換できるように考えてみたらいいじやないか、こういうような趣旨で、この交換規定盛つたわけでございます。
  19. 深澤義守

    深澤委員 今の御説明で、中小企業に限るのだということで、私は納得するのでございますが、その中小企業に限るということを、それならば條文にお入れになると非常に明確になると思いますが、これが條文に入つていない限りは、中小企業に限るということにはならないと思う。一般の大企業にもそれができるということになりますが、これは中小企業に限るということを、法で拘束するということは考えておらないのか。あるいは政令か何かででもおやりになるのか。その点をお伺いします。
  20. 小林英三

    小林説明員 その点については、第九條の一項で「政令で定める事業者」ということにしてございます。この点については、通産省ともすつかり話合い済みなつておりまして、現在といたしましては、中小企業に限るというような考え方をいたしております。
  21. 深澤義守

    深澤委員 それから第十條に「旧軍用財産は、大蔵大臣が特に必要があると認める場合には、その適当と認める者に管理を委託することができる。」こういう規定があるのでありますが、大蔵大臣が特に必要があると認める場合に、その適当と認める者に管理を委託するということであります。この場合は旧軍用財産の中には、相当駐留軍関係等使用するものも出て来ると思うのですが、そこで「大蔵大臣が特に必要がある」という意味は、これは一般的な場合を国内的な問題として言つておられるのか。あるいは駐留軍関係の場合であるということを意味しておるのか。その点の解釈をひとつお聞きしたいのです。
  22. 小林英三

    小林説明員 「大蔵大臣が特に必要があると認める」という場合におきましては、御指摘の点については一般の場合ということで、特に駐留軍のことはここでは考えておりません
  23. 深澤義守

    深澤委員 そこで私は特調長岡さんがおいでなつておりますので、昨日以来の問題についてもう少しお尋ねしたいことがありますが、本日の朝日新聞を見ますると、日米行政協定に伴う土地等使用に関する特別措置法案というものができるのであります。私は先般来長岡さんに対しまして、駐留軍の必要に基く土地等の取上げあるいは建物等の取上げについては、何らか具体的な補償措置をせられるために、法案を出されるかどうかという質問をいたしましたところが、それは法案を出す準備をしておるのだ、こうおつしやつてつたのでありますが、その補償をするための法案というものは、この新聞に発表されております日米行政協定に伴う土地等使用に関する特別措置法案のことをさされて御答弁なさつたのか。あるいはこれより別に、補償についての法案を出されるというのか。その点をひとつお伺いしたい。
  24. 長岡伊八

    長岡政府委員 昨日も申し上げました通り、ただいま法律案につきましては関係庁と協議中でございまして、上司の決裁を経ました上、いずれ成案を得ました上で、御審議を願うことになると思いまするが、おそらく今考えております法律によりまして、いろいろ補償もして行けることになる、かように考えております。
  25. 深澤義守

    深澤委員 そうすると今の御答弁趣旨は、つまりこの日米行政協定に伴う土地等使用に関する特別措置法案で、補償ができるというぐあいに承知してよろしいのですか。
  26. 長岡伊八

    長岡政府委員 さように考えております。
  27. 深澤義守

    深澤委員 この法案審議はまた別に担当の委員会でおやりになりますから、私は深く立ち入ることは遠慮したいと思いますが、どうもこの法案では、私はむしろ補償する方に力を入れずに、土地を收用する方に力を入れている法律であるという意味において、長岡さんの昨日来の御答弁とこの法案とは、非常に食い違つているという感じを受けますので、あるいは施行規則政令等によつてその補償の具体的な措置が講ぜられるということになると思うのですが、この法文の文面だけでは、十分に補償せられるという期待が持てないのでありますが、省令あるいは施行規則等において、そういう準備をされておるのかどうか。その点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  28. 長岡伊八

    長岡政府委員 ただいま申し上げました通り、いずれ成案を得ました上で御審議を願いますが、ただいま新聞に出ておりますことで、ここで論議いたしますことは差控えたいと思います。しかし気持といたしましては、われわれは使用といい、接收といいながら、昨日も申し上げました通り、條約上の義務の履行と権利者権利の擁護の調整の問題でございますので、むしろわれわれ事務に携わります者といたしましては、むしろわれわれを縛ると、こういうふうにしなければやれないぞという、われわれを拘束するような意味において法律案を取扱いたい、かような気持でおります。繰返して申し上げますが、いずれ成案を得ました上で、御審議を願いたいと思います。
  29. 深澤義守

    深澤委員 なお予算の面でありますが、二十六年度の借上料は五十億である、二十七年は現在のところ防衛支出金中において、九十二億円であると報ぜられているのでありますが、従来の借上料というものは、一般土地改良あるいは公共事業建設関係等事業によつて、つぶれ地になる補償価格よりも十分の一くらいの非常に安い借上料つたということは、これはもう先般来他の委員からも言われているのでありますが、それで大体借上料が五十億円である。ところが今年度は九十二億円でありますから倍近いのでありますが、予算自体を見ますれば、九十二億円というふうに多くなつていると理解できるのであります。しかし従来の補償が普通の十分の一くらいの補償しかしなかつたというような時代から考えまして、たとい予算が倍になりましようとも、これは十分の補償措置は講ぜられないというぐあいに、われわれは考えるのでありますが、この点は幸いに河野主計局長おいでなつておりますから、この予算面から言つて補償料というものが従来の借上料倍程度にしかならない。こういう根拠に基いて予算をお組みになつておられるのか。その点をひとつ主計局長からお伺いしたいのであります。
  30. 河野一之

    河野(一)政府委員 過去におきまする土地建物の借り料等が非常に低かつたというようなお話でありますが、当時はマル公もございまして、そういつた価格でやつておりましたので、非常に不当に低い価格であるとも私ども考えておりません。ただ最近不動産の審議会ができまして、その答申をいれまして、たしか昨年の八月くらいから従来の三倍程度にいたしておると思います。当時答申には五倍にしたらというふうな御意見もございましたので、この借り料を本年度から相当上げたいというようなことで、御指摘通り九十二億円程度防衞支出金から一応予定している、こういう次第に相なつております。
  31. 深澤義守

    深澤委員 長岡さんにお伺いしたいのでありますが、実際に特調としての事務中心なつて担当せられておる長岡さんといたしまして、この範囲の予算で十分の補償ができる、そうして土地收用等強行手段に基かずに、円満に解決するという御自信がおありになるかどうか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
  32. 長岡伊八

    長岡政府委員 予算との関係は、実はわれわれといたしまして予想いたしておりますことは、相当のものがここで解除になるのではないか。その意味におきまして、借り賃は大蔵省の方とも協議いたしまして措置いたしたいと考えておりますが、今の情勢でございますと、家なり土地が返つて来るものがありまするので、何とか措置できるのではないか、かように考えておる次第でございます。
  33. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は国有財産特別措置法案、並びに日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約に基きました国有財産管理に関する法律案につきまして、河野主計局長並びに長岡政府委員の両者にお尋ねいたしたいと思うのでございます。  まず昨日長岡理部長にお尋ねしたのでございますが、特別調達庁がただ調達庁となつた、こういうことになりまして、今後もアメリカ軍の要請等によりまして、相当広汎に日本の内地のものを供給しなければならぬ、こういう点が出て来るわけであると思うのであります。そこで昨日長岡さんにお伺いいたしますると、今度の法律によりまして向うが直轄いたしまするその工事あるいは請負工事等につきましては、日本内地の方では干渉することができない。今までは特調というものがありまして、相当程度までの役を勤め、内外の、あるいは向うの苦情、こちらの苦情等をさばいて円満にやつてつたのでありますが、今度の協定によりまして、直接工事におきましては何ら日本に発言権がない、管理権もあるいは指導権その他の仲介権もない、こういう御趣旨のように承つておるのでございますが、主計局長もそういうような意味合いで、今後おやりになる御予定でございますか。ひとつ御構想なり御所見なりを承りたいと存じます。
  34. 河野一之

    河野(一)政府委員 長岡さんがどういうふうに言われましたか、でありますが、従来特調でやつておりました仕事は、幾多の変遷を遂げておるわけであります。終戰当時におきしましては、ほとんど占領軍関係のあらゆる調達をやつておりまして、電気、ガス、水道、そういつたような経常費から、兵舎、住宅工事、ほとんどすべて特調の手を通ぜざるはなしというふうなものであつたわけであります。だんだん仕事が一段落しましたのと、それからことに昨年の七月からは従来の終戰処理費系統のものにつきましては、大体半々の負担ということになりまして、労務費は大体ドル拂いでやつていただくのでありますが、これは特調を通じましてあとで返してもらうわけでありまして、間接調達の式でやつております。その他の電気、ガス、水道といつたものは、これは特調を通じておやりになつておる。そのほかに大きな工事につきましては、これ大体において一部ありますが、特調を通ぜずに、あるいは特需という形式のものもございますが、直接おやりになつているというような関係で、大分様子がかわつて来ております。しかし今後の問題といたしまして、移転等に伴いまして各種の工事が起るでございましよう。これはこちらの負担になるものもございましようし、また向う自身でやつていただくものもございましようが、この行政協定にありまする通り、いろいろなそういつた調達は、日本国の経済に不利な影響を及ぼさないようにやるということで、お互いに合同委員等におきまして、その施設の計画あるいは契約等につきまして十分協議いたしまして、そのいろいろな不利な影響が出ないように円満にやつて行く。こういう建前に相なつておるわけであります。
  35. 三宅則義

    三宅(則)委員 合同委員会におきましてあまりいざこざが起らないようにやる、こういうお話も昨日承つたわけでありますが、さて実際の工事面を担当いたして参りますと、直轄でありますると相当言葉が通じなかつたり、あるいは習慣が違いましたりいたしまして、日本と向うとは合致しない場合も相当ある、こう考えられるのであります。そのためにはなはだ失礼な話でありますが、日本国一般事業者等が、アメリカさんは信頼できないというようなことになつたのでは、たいへんだという意味合いもありまするし、向うも親切な立場において指導し、あるいはこれを利用するということになるわけでありまするから、やはりある程度まで政府といたしましては責任を持つてこれを監督し、管理する必要があると私は思うのでありますが、将来これはなくす御意思でありましようか。もう一ぺん承つておきたいと思います。
  36. 河野一之

    河野(一)政府委員 大体労務関係は別といたしまして、おそらく直接調達の方式で行かれるのではないかと私は思います。これは三宅さんのおつしやるようないろいろ御懸念もあると思うのでありますが、向うの企画に従つて向うで調達する。向うの必要に応じてやるわけでありますから、これをこちらで請負いましてやるというのも、独立国と独立国の間においていかがなものでございましようか。従来のような占領下において、日本国民の税金において負担しぬければならぬといつたものは、ともかくでありますが、向うが支出してやるという場合において、こちらがそれに対していろいろなさしずをする。もちろん安く調達した方がアメリカのためではありましようけれども、今後においてはドルの契約ということでなしに、円建の契約でおそらくおやりになると思いますが、そういつた物資のあるいは買いあさりとかあるいはその他の面において、日本経済に不利な影響を與える、こういうことであつては困るのでありますが、その大綱について御相談をしていただくということに相なりますれば、それでけつこう事足りるのではないか。ただちよつと御指摘がありましたように、契約その他の條項においていろいろな点が不利である、あるいは言葉が通じない、こういつたような問題が多少あることは事実であります。しかし現在やつております契約のいろいろな條項等につきまして、改訂すべき問題については、目下予備作業班において協議いたしております。たとえて申しますと、五万ドル以上はアメリカの陸軍長官が最後の決定権を持つとか、そういつたようないろいろな條項がございますが、そういつた問題についていろいろ不利にならぬように、対等の立場においてできるように、現在協議しておる段階であります。
  37. 三宅則義

    三宅(則)委員 主計局長にお尋ねするのはどうかと思いましたが、実はせつかくおいでくださいましたし、また全般の財政経済を担当いたしておりますからお伺いいたします。ことに私の考えております事柄は、日本の内地、特に丸の内あたりのりつぱな建物が向うに占領せられたために接收されておるが、最近これが解除になるわけであります。少くとも東京のどまん中においては、そういうような占領せられたような形式を早く除去してもらいたいということが理想であると思います。でありまするから、私の構想といたしましては、なるべく郊外、東京でたとえて言うと、立川とかあるいは池袋の先の方とかいうふうに、目につきやすくないところに移転してもらうように、政府としては交渉もし、また実際もやられておると思いますが、その方法等について所見をひとつ承りたいと思います。
  38. 河野一之

    河野(一)政府委員 接收を受けておりますものの解除について、具体的にどうするかということについては、目下両当局において予備作業班におきまして協議いたしております。大体北海道、東北地方につきましては見当がつきまして、了したと申し上げてもよいかと思います。具体的に一番問題になりますのは、関東地区でありますが、関東地区につきましては、ここ一両日中にアメリカ側よりすぐ解除すべきもの、あるいはしばらく駐留するものといつたものの表を出していただくことになつております。それによつて具体的に交渉を数日中に始める予定になつております。ただその場合におきましても、大体これは根本的な方針として、いつぞや発表があつた通りに六大都市、福岡まで含めて七大都市から、大体出て行くという方針にはかわりはございません。それから学校や病院、そういう建物は優先的に返すといつたようなことであります。ただいろいろな問題があるわけでありますが、娯楽施設、PXというような問題についても同じような問題があると思いますが、この点につきましても、駐留軍が都会地に出て来ることを、抑制するわけにもなかなか行かないという実情もあり、その意味において方々歩きまわられるよりも、特定の施設で慰安、娯楽施設を設けた方がよいのではないかという議論もございます。面子論にとらわれず、実情に沿つてつたらよいではないかという議論もあるのであります。こういうことについては国民の要望をよくわれわれとしても察しまして、それに沿うようにいたしたいと考えておる次第でございます。
  39. 三宅則義

    三宅(則)委員 さらにお尋ねいたしまするが、たとえて申しますると、大蔵省自身も、今霞ケ関でありまするか、向うの兵隊さんが入つております。さつそくこれの立ちのきもしくはこれの移転を要求したいという希望もあろうかと思いますが、そのためには他にこれにかわるべき兵舎なりあるいは宿舎がなければ、行かれぬということになりますが、私の承るところによりますと、講和が発効いたしましても、なお三箇月以内はその連続といいますか、その勢いが残つておりまして、まだ移転が完了しない場合もあろう、こういうお話でありましたが、大蔵当局といたしましては自身のことでありまするからして、何らか御構想を持つておりますか、そういうものは早く他に移転せられまするか、あるいは別の兵舎等を建設せられましてそこに移転しなければ、まだなお三箇月も四箇月も一箇年もおるということになりましようか。その辺のことをもう少し具体的にわからぬでしようか。わかりましたらばひとつ承りたいと思います。
  40. 河野一之

    河野(一)政府委員 いろいろ官庁関係建物、それから民間の建物と二つあるのでありますが、民間の建物等がまず優先してというふうにわれわれは考えております。ことに民間の住宅につきましては、約二千戸ほど接收されておるのでありますが、現在駐留軍——ただいまは進駐軍でありますが、非常に御協力をいただきまして新しい家族を当分の間呼び寄せないというような措置までとつて、おそくも本年度一ぱいくらいにはしたいというふうなことを言つておられます。現実にはいろいろ問題がございますので、その通りに行くかどうかは確約はできませんが、できるだけ早く解除する。それからその次に官庁の建物、具体的に大蔵省のお話があつたのでありますが、これは私も表を、テーブルをいただきませんと何とも申されませんが、われわれの方としては返していただきたいということを、申し出ておる次第でございます。どういうふうに——占領終結と同時に軍政関係、つまりいわゆる軍政、占領行政でやつてつたものは当然返つて来るというふうに私は思つておりますが、ただ軍令といいますか、作戰の方の系統になりますと、これは一時九十日の間は当然でありますが、その後においてもやむを得ぬと思われるものがあるだろうと思つております。
  41. 三宅則義

    三宅(則)委員 長岡さんにもう一点つけ加えてお尋ねいたしたいと存じます。昨日もしばしば論議をかわしましたから、大体盡きておるわけでありますが、長岡政府委員のお考えによりますると、調達庁といたしましては、今後も向うの命令に従うのでありましようが、特別に向うは直轄部門については干渉できぬ、こういうお話でありましたが、何らか長岡さんといたしましてはこれにかわりまして、構想といたしましては、もんちやくの起らないように防ぎ得るというような政策、あるいは希望條項等がありましたならば、この際ひとつお聞かせを願いたいと思います。
  42. 長岡伊八

    長岡政府委員 先ほど河野主計局長からも御答弁がありました通り、先方といたしましても、日本の経済に悪影響を及ぼさないような措置をとるということに相なつております。特調といたしましては昨日申し上げました通りに、かりに経過約に特調が取扱いますものにつきましては、先ほども申し上げました通りの心組みで依然としてやつて行きたい、こう考えております。全然特調がタツチいたしませんもの、たとえば今日まで行われておりますいわゆるドル調達の問題のごとく、向うが直接業者を選定し、支拂いもされるということになりましたものにつきましては、現在の特調といたしましては何ら容喙する余地がないであろう、こう考えております。
  43. 三宅則義

    三宅(則)委員 もう一点つけ加えさしていただきます。特別調達庁は過去数年間にわたりまして、いろいろな変遷がありまして、幸いによくなつて来た、こう言つておられます。長岡政府委員のお話によりましても、特調があつたがために連合国とのもんちやくが少かつた、こういうことを言い得る、こういうお話でありましたが、もつともの点があろうかと思うのでありまして、将来日本国アメリカ合衆国、その他の国との関係におきましては、もんちやくの起らないようにして、お互い相親和し、相なつき合いましてやることが必要であろう、こう考えるのであります。そこで今後残りまする調達庁といたしましては、相当人員を減らしまして、精鋭の部隊と申しますか、精鋭な人種をこれに吸收いたしまして、直接工事その他の工事につきましてもこれを履行して行きたい、こういう整備をしなければならぬと思いまするが、政府委員といたしましての心構えを、この際ひとつ承りたいと存じます。
  44. 長岡伊八

    長岡政府委員 これは行政機構改革の問題に関連いたす問題だと思つておりますが、もし機構改革が行われまして、特調の従来やつておりました仕事が減つて来るということになりまして、人員を減さねばならぬということになりました場合には、少くとも特調といたしまして続けて行く仕事がまだあろうかと思いますので、これに対してはただいま三宅委員の御指摘に相なりましたように、優秀な者を残して行きたいという考えは、われわれもその通りに思つております。ただこれはいささか泣言になるかもしれませんけれども、実際問題といたしましては、首の切りつぱなしというわけにも参りません。各方面にこの就職のあつせんというようなこともやらなければならぬのでありまして、実際問題としては非常に困難を伴うこととは思いますけれども、優秀な者を残して行きたいという考え方については、三宅委員と全然同じ考えを持つております。
  45. 佐久間徹

    ○佐久間委員 二、三日前に私が直税部長にお尋ねいたしたのでありますが、それは給與所得者の年末調整に関してであります。過納の場合が相当出て来ておるのでありますが、これが自然地方税に影響しておる、こういう陳情を受けておるのであります。相当こまかい数字が実は出ておるのでありますけれども、国税局にこの資料を渡してしまつたものですから、今ここに持つておらぬのですけれども、この取扱いにつきまして地方当局は非常に困つておる、こういう現状でございます。これは法制上の欠陷であるのか、あるいは取扱い上の不備かもしれないのでありますけれども、政府はこういう場合、これに対して将来どういう考えをもつて対処して行くのであるか。これをひとつ平田主税局長から、御説明をいただきたいと思うのであります。
  46. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 御指摘の問題はおそらく年末調整の際の税額と、それから確定申告の際の最終税額、これに計算上の誤差が出て来た場合に、どう処理するかという問題であろうと思いますが、理想として申し上げますと、実は誤差がないようにするのが税制の上における理想でございます。私どももその点につきましては、作成する際にくふうしてみたのでありますが、そういうことをなくするためには、場合によつては表を五倍程度にふやさなければならぬ。これまた非常に厖大なものになりまして、取扱い上これまた非常に煩雑になりまするので、一応ある程度の誤差の生ずるのも、いたし方がないということにいたしておる次第でございます。若干取り不足になる人と取り過ぎになる人とございます。もちろんその金額が大きければ大問題でありまして、そのような措置をとるのはどうかと思つたのでありますが、納むべき税額に対しまして大体一%以下、つまり年額五万円の所得税に対しまして二、三百円とか四、五百円、その程度の税額の差が出て来る、こういうことになつておるのでございます。その際に不足した税額につきまして、これを申告によつて追徴するというのは、どうも行き過ぎではないか。そこまで行く必要は必ずしもない。しかし取り過ぎになつたものにつきましては、これはやはり確定申告が出ますれば、その確定申告に応じまして返すという建前に実はいたしておるのでございます。年末調整で打切つてしまうのも一つの行き方でございますが、そうしますと、一般の申告納税者より源泉納税者が不利になるという結果になりますので、取り不足のものはわずかでありますから、もう目をつぶつて申告を要しないことにいたしておりますが、あくまでも取り過ぎになつた分は申告があれば返す、こういう建前にいたしておる次第でございまして、おそらくその問題に関連して、その事実を少しあとで知りました方々が、問題にしておるというのが現状ではないかと思います。もちろんこの問題は法制上の建前といたしましては、確定申告をしていただきまして、税務署が確認しました場合におきましては、税務署から返すか、あるいは支拂者の方に過納額を提示いたしまして、その次に納める税額に充当して、源泉税額から控除することができるようになつておるのでございます。  これがうまく行われますれば、実質負担には影響がないということになるのでございますが、どうもその事実を最初から知らぬ人が相当あつたようでございまするし、それから中には数多く出て来る場合もございまして、本年はその辺のことが若干スムーズに行かなかつたような点があるように、見受けられるのでございます。しかしこれは本年はあくまで期限の二月末日までに申告した人といたしまして、これはひとり源泉課税だけではございません。たとえば預金利子等につきましても、同様な問題があるのでございますが、そういうのはすべて二月末までで一応打切りまして、処理する一とにいたしておりますので、本年といたしましては、今からさかのぼつて処理するというのは、どうも無理ではないかというふうに考えるのでございます。もちろん申告がございまして本税額が直りますれば、基礎がかわつて来ることになるので、地方税の方もそれに応じて直さなければならぬのですが、二月末日までにその申告がなければ、やはり元納めた税額で地方税もかかつて来る、こういうことに相なる次第でございます。将来の問題としましては、もう少しくふういたしまして過不足の出る人をもつと少くするように考えてみたらどうか。と申しますのは、全部なくするためには非常に厖大な税額を要するのでありますが、その数をうんと狭めますれば実際的な問題がよほど少くなりますので、二倍ないし三倍程度にするところまで行きますかどうか、その辺もなお少し研究してみたい、そうしてなるべく過不足ないように措置するのが一つであります。それからもう一つは過不足が生じた場合におきまして、過納額につきましてはもう少し周知をよくはかりましてたとえば支拂者等につきましてとりまとめて計算して、一応申告書をつくつてもらつて、そこの税務署で確認してもらいまして、その分をすぐ二月の税額から相殺する、こういう行き方をとりますれば、比較的早く処理できるのではないかというふうに考えられますので、今後の問題といたしましては、立法的な問題としてなおよく検討いたしまして——そのような問題は額が小さいので大した問題でないということにもなりますが、何しろ相当の人に影響がございますので、さらに一層合理的に処理するように努めて行きたいと考えておる次第でございます。
  47. 佐久間徹

    ○佐久間委員 御説明で大体わかつたのでありますが、過納の場合相手方の希望するところは、税務署の方から早く誤差を発見してこれを次の納税の額から差引くとか、あるいは本人に還付するとかいうようなことをやつてもらいたいということでありまして、少しくらいの不足やあるいは滞納の場合に税務署が非常にやかましく言うのだから、それくらいの親切さがあつてよかろう。幾分甘えた気持かもしれませんけれども、そういうことを言つております。それともう一つは、地方の人はなかなか確定申告なんということに重きを置いておらぬものですから、その処置が十分に敏速に行われない。こういうわけで自然地方税の方へ影響をして来て、地方税を賦課する地方当局がさんざ文句を言われているというのが実情であります。私の方へ参りました資料を見ますと、神奈川県の大山町一町で給與所得者の過納になつておる分が、今ちよつと資料がございませんから、よくわかりませんけれども、二十件くらいあつたように思うのです。一町でそれくらい出て来るのであります。それを納税者が見つけて、政府のやることが実に不親切きわまりないということで盛んに文句を言つておる。その将来を考えたときに、これが他の納税者に悪い影響を與えるから、一日も早く是正してもらいたいというような希望を言われておるのであります。そんな状態でございますから、一日も早くこれを今平田君の言われたように、何らか方法を考えてやる、こういうことを政府で御考慮いただきたいと思います。
  48. 佐藤重遠

    佐藤委員長 次会は公報をもつてお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十八分散会