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1952-02-09 第13回国会 衆議院 水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月九日(土曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 川村善八郎君    理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君    理事 林  好次君 理事 佐竹 新市君       川端 佳夫君    久野 忠治君       鈴木 善幸君    田渕 光一君       冨永格五郎君    松田 鐵藏君       水野彦治郎君    井之口政雄君  出席政府委員         水産庁長官   塩見友之助君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      伊東 正義君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁業調整第一課         長)      尾中  悟君         專  門  員 徳久 三種君 二月八日  委員青野武一君辞任につき、その補欠として佐  々木更三君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月七日  小型機船底びき網漁業整理減船に伴う乗組員  の救済措置に関する陳情書  (第三四九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小型機船底びき網漁業整理特別措置法案内閣  提出、第十二回国会閣法第五〇号)  小型機船底びき網漁業及び旋網漁業取締に関す  る件  公海漁業に関する件  漁業権証券資金化に関する件     ―――――――――――――
  2. 川村善八郎

    川村委員長 これより水産委員会を開きます。  この際、公海漁業に関する件につきまして、松田委員より発言を求められておりますので、これを許します。松田委員
  3. 松田鐵藏

    松田委員 北洋の出漁問題に対して、けさの新聞に、農林大臣記者団会見において、三社が共同でなければ、一社を切つてもこれを許すのであるというような記事が出ておるのであります。大体これは農林大臣がどのようなお考えお話されたか、その意図はわかりませんけれども、記者団会見において発表されたことは、公式なものとわれわれは心得ておるのであります。しかしてあの記事を読むときにおいて、日本の法律に事業者団体法というものがあるのであつて、あの記事に対しては、少しく大臣考え方を言われたことが、俗に言う広川放言でなかろうかと私は考えておるのでありまして、当委員会においても、広川放言という意味合いで取扱いたいと私は考えておるのでありまして、別に意にとめることもないだろうと思いますけれども、要は、われわれの信頼する塩見長官によつてあらゆる角度から研究されておつて、いずれわれわれに対して、その調査され、しかも成案のできたものに対して提示されることだろうと思うのであります。その時期の一日も早からんことをわれわれは希望しておるのでありまして、その間は事務当局の御努力またその研究を期待しておるのでありまして、どうか長官においてはそうした意味合いにおいて十分御研究されて、そうしてわれわれに一応でき上つた成案を御指示を願つて、われわれも研究したいと考えておるのであります。さようお考えおきを願いたいと思うのであります。またこれについて昨日あたり仄聞するところによりますと、われわれが一番心配しておつた白洲次郎氏が動いておるということを聞くのであります。かようなことはまことに遺憾な問題でありまして、水産長官白洲次郎氏に対して何かお話されたことがあるかどうか。絶対にさようなことはないと考えておるのでありまして、長官は事務的にあらゆる角度において業者と懇談され、また大臣と協議されておることと存ずるのでありますが、他方の関係のない人々の発言や、またその動き方というものに対しては、われわれもこれを非常に警戒するものでありまして、水産長官においてはどのようなお考えを持つておられるか。そうしたものに対しては、どうか意に介さざるようなりつぱな態度をもつて、この問題の解決をしていただきたい、かように考えておるのでありますが、長官の御意思を承りたいと思います。
  4. 塩見友之助

    塩見政府委員 最近の新聞記事に載つた事項とか、あるいは白洲次郎氏と私が会つて話をしているかどうかということでありますけれども、それらはすべて私は関知しておりません。事務当局といたしましては、この国際条約によつてかち得たところの新漁場開発を、関係者全体の協力によつて、できるだけ能率よく、円滑に進めて行きたいという考え方にはかわりはございませんし、またそういう方針であつせんもし、またその勧奨もしながらなお努力して行くという態度をかえておりません。
  5. 松田鐵藏

    松田委員 ただいま私が長官質問したうちの、白洲次郎氏の問題でありますが、これは長官と話合つておるということでなく、業者に対しても話合つておる。たとえていえば、ある会社行つて、君はこういうことをやらなかつたならば、水産庁は、いな農林大臣は、断固として君を相手にしないというようなことを言うたということを、ほんとうかうそか知らぬけれども、聞いておるのでありまして、かような立場に彼が入るなどということが、もし事実とするならば、当委員会に呼び出して、私はその考え方を聞こうと思つておるくらいのものでありまして、業者に対してもさようなことを言うようなことがあつても困るし、それが水産庁及び農林大臣の職務にまで影響しないように御注意を願いたい、こういうのであります。     —————————————
  6. 川村善八郎

    川村委員長 次に小型機船底びき網漁業整理特別措置法案を議題とし審査を進めます。  本法案は、御承知通り第十二回国会において、内閣提出法案として、十一月十六日本委員会に付託され、翌十七日提案理由説明を聞き、審査を進めて来たのでありますが、第十二回国会においては審査を終了するに至らず、継続審議といたしたものであります。本国会におきましては、去る十二月十日に本委員会に付託となりましたが、本案提案理由説明は、前国会において政府より聴取したものと同様でありますので、これを省略し質疑に入りたいと思います。
  7. 川村善八郎

    川村委員長 それでは御質疑を許します。
  8. 冨永格五郎

    冨永委員 ただいま提案になりました法案につきまして、昭和二十七年度小型底びき減船整理方式と、二十六年度整理計画内容が御配付に相なりましたが、これはただいま委員長からお話のありました前国会からの継続審議法案であり、しかも現在配付になりましたこの計画内容を示すものが、前国会以来しばしば要請されておりましたものが、ようやく今度できて来たように承知いたしておるのであります。もちろんこれに対しての説明も伺うことにいたしますが、現在の三万五十隻を、昭和九年ごろに操業されていた二万程度減船整理して、そうして今後五箇年間、昭和三十一年三月三十一日までにやるという計画の内窓でありますが、本法案によりますと、その第四条に、農林大臣が本法の施行後三箇月以内に最高限度を決定するとなつているし、その第五条には、年度ごとにその年度減船整理するものを都道府県別に公示するというのであつて、その五箇年間の年次整理計画が今度こういうふうに出て来たのですから、この予算が、事務費を別にしても、前年度で大体二億白九十七万円ある。現在審議中のものを入れますと五億二千五百万円、今予算に上げられているものが三億二千二百五十一万円ありますから、結局合計五億二千五百万円あるものについて内容が内示されているのですから、この関連性について長官から御説明を願いたいと思うのであります。  なお整理された結果の、資源とバランスのとれた操業をするようにしようという点はわかるのですが、これがために整理された漁船あるいは漁夫が何ぞう何人くらいあつて、これの転換策はどういうふうにお考えになつているか等について詳細な説明を承りたいと思います。
  9. 伊東正義

    伊東説明員 私から御説明いたします。ことしの補正予算に二億入つておりまして、来年の予算はただいま御審議願つております三億数千万円であります。それで約二千隻くらいを予定いたしております。これも何度も御説明いたしましたように、補正予算においては八百隻ばかり、それから来年度におきましては千二百隻くらいを予定しております。それで五箇年計画で、今お話のありました三万五千隻を二万隻くらいに持つて行くという計画なのでありまして、一応計画をつくつております。金額は五箇年で約三十四、五億くらいかかるのじやないか。しかしこれは一応単価と今のままの数字について計算しております。二箇年間で五億円であり、五箇年計画で三十四、五億のものがその転換にはかかるのじやないかと考えます。  五箇年計画の見通しでございますが、これは一応今の三万五千隻を昭和九年ごろの二万隻まで持つて行こうというのでありますが、海区別とかその他詳細なことは、資源調査等と相まちまして、将来の問題は具体的にきめて行きたい。どこの海区で幾らやつて、それが五箇年くらいに三万五千が二万になるのだという、五箇年先まではきめておりませんが、大体大ざつぱな考え方としまして三万五千を二方まで持つて行く。それには予算としてはおそらく今の物価で換算すれば三十四、五億になるだろうというふうにわれわれ考えております。  それで失業者の問題でございますがこれは御承知のやります方法は、築いそ漁業とか、あるいは他種漁業への転換とか、あるいは運搬船への改造とかいうことを考えております。他種漁業への転換運搬船への改造といいましても、今の漁業現状から行きますと、そう大きなものは期待できません。たとえば北海道魚田開発にある程度を振り向けますとか、あるいは共同販売事業を経営しましてそこに人を収容して行くというようなことが考えられますが、そう大勢の者をこれに収容することは期待できませんので、かなりの者がいわゆる築いそ、船を沈めまして相当他の職業等に向いて行かなければならぬものが出るかと思います。われわれとしましてこの対策としましては、今厚生省等とも共同調査をいたしております。これは消極的な面でありますが、失業保険の適用も受けたいというようなことで、関係省とも今現地に出向きまして漁業実態等共同調査もやつております。何とかそういう方法も講じたい。それで漁業だけといいますが、これは特に瀬戸内が一番多いのでありますが、漁業だけでこれを収容して行くということでは十分でありませんので、農業の問題でありますとか、その他の産業との関連において、将来考えて行かなければいかぬというふうにわれわれは考えております。
  10. 冨永格五郎

    冨永委員 今御答弁を承りましたが、減船整理された船もしくは失業者の問題について御答弁が非常に明確を欠くように思います。私ども前国会から非常に重点的に取上げていた問題であり、またそれが議決に至らずして継続審議なつたゆえんも、主としてそういう点にあつたと存ずるのであります。水産庁当局にもこれについては強く要望いたしておるのでありまして、それが相当の日時を経た今日、さらに委員会の空気は、でき得ればきようの委員会でこの法案を議決するところまで行くようにいたしたいという、委員会の決意が盛り上つておる現在の段階にもかかわらず、せつかく法案提出した水産庁当局が、そのよつて生ずるきわめて重大観すべき問題に対して、ああもいたしたいと思つておる、こうもいたしたいと思つておるという程度の御答弁では、われわれは非常に不満足を感ずるのです。しかし現段階において、必ずしも私の言う通り参らないかもしれないという事情もわかりますが、しかし御答弁の誠意の点について当局の御反省を促して、私の質問を終りたいと思います。
  11. 塩見友之助

    塩見政府委員 ただいま整理をされる漁民立場からの冨永委員の御発言には、われわれも十分考えながらやつて行かなければならないものを多分に含んでおることが多いと思つております。今のところは具体的に十分なものは立つておらぬ。しかし初年度の分については、そう無理な強制でなしに進められる分が多いのじやないか、二年度、三年度に行くに従つて、そういう点について特に重く考慮しながら進めて行かなければならぬ、それについて十分なきめ手というか、はつきりした対策水産庁だけでは立てにくいような部分が多いと思います。そういうふうな状態にあることは非常に遺憾ではありますけれども、これはただ計画を立てて、あと漁民の生計不安を大きく起してまでも、機械的に進めて行くというようなことは相当考えなければなりません。そういう点については、冨永さんの御注意のあつた点を十分考慮しながら進めて行くべきものでありまして、資源十分残つて漁民が食えなくなるということでは、問題は済まぬものがありますし、またそうかといつて、この立法の精神としまして、共倒れになつても困るわけでありますから、そこのところは十分勘案しながら、できるだけ私の方としましても、これは水産庁だけでは転業その他の点は十分な効果を期待し得ませんので、十分関係の各省とも連絡をとりまして、遺憾のないような形で進めたいとは思つておりますが、現在は御指摘の通り十分自信のある対策を持ち合せておるわけではございません。御了承を願います。
  12. 川村善八郎

    川村委員長 小型機船底びき網漁業取締規則案並びに小型機船底びき網漁業処理要綱の両件に対して、松田委員より発言をめ求られております。これを許します。
  13. 松田鐵藏

    松田委員 ただいま委員長お話のあつたことく、この二つの要綱に対しては、この前の委員会でもいろいろ議論があつたのでありまして、要するに紀伊水道においての問題であります。もはや議論は盡されたのでありまして、いろいろと鋭い議論もありましたが、何しろ予算措置——今日、本要綱を急速に決定しなかつたならば、予算関係する問題が伴うものでありますから、やむを得ずここに条件を付して、将来この海区の実態を調査して、しこうしてその場合にまた改正する場合もあることを条件として、本要綱に対して賛成したいと考えるものであります。
  14. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま松田委員より御発言がありまして、両要綱漁業法の一部の改正に伴う予算措置等の問題がありますので、将来の改正も予想できることであるという意味の条件を付してこの際通過すべきである、いわゆる承認を與えるべきであるという発言がありましたので、皆さんにお諮り申し上げます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 川村善八郎

    川村委員長 異議なしと認めまして、さよう承認を與えることに決しました。  次にまき網漁業取締に関する件の質疑を許します。
  16. 松田鐵藏

    松田委員 この前の委員会田口委員からいろいろと地方の状況について議論があつたのでありまして、ああした議論に対して水産庁は十分に勘案して、その後に適当な方法を講じていただくことを条件として賛成するものであります。
  17. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま松田委員よりまき網漁業取締に関する件につきましては、前会田口委員より発言がありましたことを十分考慮に入れて、将来その方針にのつとつて執行するようにという条件がありまして、これも承認を與えることに相なりましたが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 川村善八郎

    川村委員長 異議なしと認めまして、承認を與えることに決しました。
  19. 林好次

    ○林(好)委員 まき網漁業水産庁指導方針につきまして、一応長官の御意見を伺いたい、こう考えますが、最近のまき網漁業は、つまり沖積み運搬船を使いまして、まき網漁業行つておるということと、さらに長短波ほんとうに科学的な漁撈法によつて漁業を営んでおるわけであります。従つて特定会社の優秀な漁船というものは、すべて完全な装備をして操業をいたし、さらに暗号の無線電信によつて自分らの会社に所属する漁船に対しましてそれぞれ連絡をして、魚の回遊状況を十分に把握して漁業を営んでおるのでありまして、考え方によりましては非常に進歩的な漁撈法でありまして、一面には非常に生産増強の上からいいという考え方もできますけれども、また考え方によりましては、漁業均衡というような観点、あるいはまた資源の保存というような観点から考えますならば、この方法がはたしていいか悪いかということに私どもは相当疑義を持つておるわけでありまして、水産庁としてはそういうような画期的な、進歩的な漁撈法を今後指導される方針であるか、あるいはある程度そういうような方法に制限を加えられる指導方針であるか、それをひとつ伺つておきたいと考えるものであります。
  20. 塩見友之助

    塩見政府委員 ただいまの林さんの御質問は、日本漁業の当面している非常にむずかしい問題だと存じます。やはり水産庁といたしましては、漁業の問題は、資源の不足な日本としては公海漁業で今後大いに発展をさせて行かなければならないという点、大正から昭和にかけて非常に国際漁場発展して行つた経緯は、やはりある程度機械化と、新しい優秀な技術を採用するということによつて出て行つたものであつて、これはやはり沿岸から沖合いにかけて、また沖合いから遠洋にかけて、そういう技術発展というふうなものは、やはり経済進化の一つの方向として肯定しなければならないもの、こう考えておりますので、どうしても方向としましては、その方向に進めつつ行くことが必要だと思います。但し一方資源が非常に不足しておるとか、あるいは新しい資源があるけれども、まだそれが十分採算的に企業化できるような形でつかまれていないとか、そういう問題を並行して解決しつつ、また資源が足りない場合にはどうしてもある程度の規制を加えながら、また在来あるような漁法と新しく出て来た漁法操業上同じ漁場でやるとか、その他いろいろな関係から来る調整は十分はかりながら、漸進的に実体を考えながら、その方向に持つて行かなければならないと考えております。
  21. 川村善八郎

    川村委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  22. 川村善八郎

    川村委員長 速記を初めてください。
  23. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 小型底びき網漁船減船整理の問題は、現在の沿岸資源枯渇現状にかんがみまして、早急にこれを行わなければならぬ重大な問題であります。つきましては本委員会におきましても、前国会以来、この具体化のために予算措置並びに法案審議に当りまして、非常な努力払つて参つたのでありますが、補正予算におきましても、また今国会提案されておりまする二十七年度予算におきましても、所要の経費を計上しております。つきましてはこの際本委員会といたしましては、すみやかに法案の成立を期しまして、この減船整理をすみやかに断行されることが適当であると考えるものであります。ただこの際政府要望いたしますことは、この減船整理対象は、沿岸におきますところの比較的零細な漁民がその対象になつております。またこれが転換措置を誤りますならば、他の漁業との間の摩擦なり、あるいは特定資源に対する重圧を加重するというような結果にも相なりますので、総合的な観点から、資源との均衡をにらみ合せ、また整理さるべき多数の漁民諸君の生活が安定確保されますように、万全なる措置を講ぜられまして、本法案趣管を生かすように、長官におかれましては関係者を十分御指導されんことを要望いたしまして、この際本委員会討論を省略いたしまして、ただちに採決されんことを要望いたします。
  24. 川村善八郎

    川村委員 ただいま鈴大委員から出御発言もありましたので、小型機船底びき網漁業整理特別措置法案に対する質疑はこの程度でとどめ、本案に対する討論は也れを省略し、ただちに採決いたします。  本案賛成諸君の御起立を求めます。     〔賛成者起立
  25. 川村善八郎

    川村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。(拍手)  なお本案に対する報告書作成につきましては委員長に御一任を願いまして、それぞれ手続をいたしたいと思います。御了承を願います     —————————————
  26. 井之口政雄

    井之口委員 昨日松田委員からも、北海道の例の浜益村め漁民が道庁に押しかけて、いろいろな請願をした。これはひとつぜひとも水産庁においても聞いてもらいたいというような要望がございます。われわれも太いにこれを支持するのであります。すでに沿岸漁業が大資本家によつて荒されて、沖へもどんどん出られなぐなつて来ております。のみならず、さらにここにわれわれが重大な関心を持つてみなければならぬのは、日本沿岸の名所の漁場が、海軍演習地としてたくさん接収されておるのであります。今度いよいよ行政協定が締結されるということになつて、最近日々具体的な問題が取扱われておるようでありまするが、こうして漁民漁場が次から次に演習地として没収されて行くということになつて、それが——講和が成立すれば返還にもなるだろうというふうな期待を今まで持つていたにかかわらず、それがいよいよできない、ということになれば、漁民としても立ち行く場がないのであります。水産委員会においては、この際この問題を大きく認識いたしまして、この問題の解決に乗り出したいと思う。現在千葉沿岸状態を見ますと、東京から出て北海道まで行くのに、千葉沿岸を通れず、太平洋のまん中まで出てまわらなければならないので、何日もかかるというような状態になつております、こうしてエイブル地区キング地区、べーカー地区とかの広汎な海域が演習地にとられてしまつておるような状態であります。農林委員会におきましては、農地が警察予備隊とその他軍用に使用せられることに対して反対し、そういうことのないようにということを決議しております。当然水産委員会においても、これほど重大な問題が起つておるのでありますから、各委員において将来こうしたものを広げないのみならず、これが取上げられておるものは、行政協定によつて日本に返すように努力してもらわなければならぬということを決議して、政府要望したいと思います。この点提案いたします。
  27. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま井之口君よりの御発言は重要な問題でありますので、この次の委員会において十分研究をして、それぞれ運びたい、かように考えます。     —————————————
  28. 川村善八郎

    川村委員長 小高君より漁業権証券資金化について発言を求められております。これを許します。小高委員
  29. 小高熹郎

    小高委員 漁業権証券の交付と相まちまして、これが資金化の問題は一日も早くしてもらいたいということは、全国漁民からの要望であるのでございますが、これが出そうはなかなか出ない。それから資金化されそうであつてなかなか実現しないというので、最近に至りましては一部定置網漁業者が、もし二月中にこれが資金化さないと漁期に間に合わないという強い要望があるのでございます。これらの証券資金化につきまして、水産庁長官政府との間にどのような接衝が続けられておつて、またこの証券資金化が遅れる場合に、早急を要するものはつなぎ資金としてどの程度の話がついて出せるようになつておるか。あわせてこのつなぎ資金の問題もお伺いしたいと思うのであります。
  30. 塩見友之助

    塩見政府委員 漁業権証券資金化は、これは沿岸漁業建直しという点からいつて非常に重要なものでありますし、私は前任のときからこれによつて何とか沿岸漁業を救つて行くということを考えていたものでありまして、ただいまの御質問については非常に関心を深くしておるのでございますけれども、遺憾ながら今までいろいろな点で——県庁との関係あるいは沿岸漁業からの現実の要望が非常に大きいが一定の資金わくの中で資金化しなければならない、そういうふうな点から、手続的に遅れておることは非常に遺憾でございまするが、今のところは三月一日から資金化はできるというふうな状態に大体なつております。三月一日前にその必要のあるようなものは、資金化わくの中に載るものについてはこれは農林中央金庫の方からつなぎの融資をやる。これは中央金庫の方も、三月一ぱいは相当自己資金に余裕もございますので、そのつなぎは十分できます。そういうふうな形になつております。非常に遅れておることはまことに遺憾ではございまするけれども、そういう点で、できるだけ私らの方も努力をいたしまして進めて参りたい、こう思つております。
  31. 小高熹郎

    小高委員 この資金化が遅れた場合に、農林中金からつなぎ資金を出すような方向になつておるというのでありまするが、実際問題に触れてみますと農林中金は、日銀との話合いがつかなければいけないとか何とかと言つて、実際にははかどつていないのであります。これらについて、主務官庁たる水産庁当局においては、あわせて日銀等とも促進方について協議した事実があるかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
  32. 伊東正義

    伊東説明員 私からお答えいたします。今長官から御説明のありましたように、手続が非常に遅れております。それで実は先月の三十日、三十一日、今月の一日と、県の関係者全部集まりまして、三日間にわたりましてこの資金化の問題について相談したわけなのであります。それで手続としまして、一応県内の協同組合等に行きまして、共同施設をやるような——証券資金化してもらつて、その金をこういう施設に使いたいというような計画ができておりますと、それを県から農林省の方に上げて来まして、承認をしたものを買い上げるというような手続を詳細にきめたのであります。それでその金額は二十六年度におきまして六十五億買上げをする。これは税金の十億が入つております。が、六十五億買上げをするということで金額のわくがきまつております。それから今お話のありました中金から——これはつなぎといいますか、おそらく証券担保の融資であろうかと思うのでありますが、六十五億の買上げのほかに、われわれとしましては、約十九億分を証券担保にして、中金から融資をしてもらいたいという交渉をいたしております。この点につきましては、日銀との関係がございますので、農林省としましても、日銀と交渉をいたしております。それでこの買上げの六十五億と並行いたしまして、大体今の話合いは、十九億に近いものは証券担保で融資をして行こう。中金の方も——これは三日間の会議でいろいろ話も出たのでありますが、大体は、そのくらいのものは行けるのではないかというふうに考えております。これは証券担保の場合であります。今お話になりましたつなぎの問題でございますが、これはつなぎを二つに考えてもいいかと思うのであります。六十五億を買い上げてもらう前に、相当確実なものにつなぎ融資をしたらどうかという問題と、あとの、私が説明申し上げました証券担保融資も、あるいはつなぎという意味にお考えになつてもよろしいかと思うのであります。あとの方は、十九億程度は大体目鼻もついております。買上げ前に、相当確実なものをつなぎ融資をしたらどうかという問題でありますが、これも中金といたしましては、大体三月一日から買上げを始めるのでありますが、その前でも、県、農林省としまして、手続が完備いたしまして確実だというものについては、三月一日の買上げの前でも、つなぎ融資をしてもいいというようなところに話合いがついております。これは日銀とも交渉はいたしまして、完全な了解というところまでは行つておりませんが、中金等につきましては、今申し上げたように、十九億につきましてはほぼ了解を得ております。  それからこれはつけ加えておきますが、漁業協同組合連合会におきましては、この十九億のほかに、さらに数十億のものをすぐに資金化してほしいというような要望もあるのでありますが、この分につきましては、来年度の買上げのわく関連いたしまして、われわれ検討したいと思います。その分についてはまだ話合いがついておりません。
  33. 小高熹郎

    小高委員 水産庁としては、最善の努力を払われておるという事情はよく了承しましたが、この資金化がとかく遅れそうでありますので、これはこれ以上遅れますと、せつかく喜んでおりますのが、事業に支障を来すことになりますので、これは手をすかさず、将棋を詰めるようにぐんづんと、毎日のように促進方の御努力を願いたいということを要望しておきます。  それからいま一つは、委員長要望するのでありますが、先般全国の漁連、信連会長会議において、私発言をしておいたのでありますが、農林中金が事務的の手続において愼重を期す——いやしくも金融である以上愼重審査することは、これは私も大賛成でありますが、少しその手間がかかり過ぎて、せつかく融資をせんとして希望いたされましても、その答えが出るのがおそ過ぎるという非難の声が高いのでありますが、これらについては、委員長から適当な機会において、農林中金の事務の促進方及び迅速にこれがとり行われるように——愼重審査とスローモーシヨンとは意味が違うのでございまして、そういう声が非常に高いのでありまするから、適当な機会に農林中金の首脳部を呼びまして、そうしてこれらについて、ひとつすみやかに要望にこたえられるような機会をつくられますよう希望しておきます。
  34. 川村善八郎

    川村委員長 小高君の御発言中、委員長に対する要望に簡単にお答え申し上げておきます。私が就任早々、湯河理事長と会いまして、ただいま小高委員の御発言のようなことを要望したのであります。ところが中金は、御承知通り各地の末端まで、支所あるいは支店がないので、そういう事務の進捗に非常に降路になつておるというお言葉でありまして、できるだけ善処するという言質をとつて参つたのであります。委員長におきましても、今後小高委員の御発言通り、十分連絡をとりまして処置することにいたします。  他に御質疑もないようでありますから、本日はこの程度で散会いたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時二十八分散会