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1952-05-16 第13回国会 衆議院 厚生委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十六日(金曜日)     午後二時十六分開議  出席委員    委員長 大石武一君    理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君    理事 亘  四郎君 理事 金子與重郎君       新井 京太君    高橋  等君       寺島隆太郎君    松井 豊吉君       松永 佛骨君    松谷天光光君       堤 ツルヨ君    苅田アサノ君  出席政府委員         厚生事務官         (薬務局長)  慶松 一郎君         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部長)  楠本 正康君         引揚援護庁次長 田辺 繁雄君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局国庫課         長事務取扱)  大島 寛一君         国民金融公庫理         事       最上 孝敬君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ————————————— 五月十六日  委員岡良一君辞任につき、その補欠として三宅  正一君が議長の指名で委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  外国軍用艦船等に関する検疫法特例案内閣提  出第二〇四号)  麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法  律案内閣提出第九一号)(参議院送付)  戦傷病者戦没者遺族等援護に関する件     —————————————
  2. 大石武一

    大石委員長 これより会議を開きます。  まず小委員会の件についてお諮りいたします。青柳委員より、日本赤十字社に関する調査のため小委員会を設けられたいとの御要望があり、先般理事諸君とも御相談いたしたのでありますが、小委員本名よりなる日本赤十字社に関する小委員会を設置することとし、小委員及び小委員長選任に関しては、委員長より指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  3. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認めそのように決し、小委員には    青柳 一郎君    新井 京太君    高橋  等君    松永 佛骨君    丸山 直友君    金子與重郎君    松谷天光光君    堤 ツルヨ君    苅田アサノ君    福田 昌子君 以上十君を指名し、小委員長には、青柳一郎君を指名いたします。     —————————————
  4. 大石武一

    大石委員長 麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案議題とし、その審査を続行いたします。質疑を許しまする丸山直友君。
  5. 丸山直友

    丸山委員 このたびのこの法律改正については、大した異議もなく、また大した意見もないと思いますが、この際大麻関係する部分をお伺いしたいのであります。大麻は、わが国においては、これを麻薬原料として栽培しておる者はほとんどございません。繊維をとるものという、繊維対象であるとわれわれは了解しおるのおります。しかし、その植物からたまたま麻薬がとり出し得るということから、この中へ入つておるわけであります。これをただあまり厳重にいたしますと、日本繊維の生産を非常に阻害する危険がある、あるいは繊維をとる目的をもつて栽培する人たちに、相当いろいろな規制が加わり、困難が加わるということが考えられるのであります。これはこの前、この法律を制定せられる場合に、そのことは、たしか私から申し上げておいたのですが、その後この作付反別等の昨年度及び本年度許可見込み反別、それから得られるところの繊維数量の概略、及びこれから漸次造船等も発達して参るので、ロープその他の需要は多くなると思います。このロープ等需要に対応し得るだけの繊維——外国からのいろいろな他の種類繊維も輸入しておるように聞いておりますが、たとえばマニラ麻のごとき、そういうものと日本産の大麻との間の需給関係は、どんなふうになつておるか。ただこれをあまり厳重に取締るために、日本繊維需給支障を生ずるようなことがなかろうかということを、私は憂えるのでありますが、それらの点について、ただいまどんなふうな情勢になつておるか、この際承つておきたいと存じます。
  6. 慶松一郎

    慶松政府委員 大麻取締りにつきましては、一九二五年に行われました国際阿片条約の中に、大麻の輸出入の取締り及びその不正取引防遇取締り規定するということがきまつておりまして、これがさらに一九四六年の、国連におきます条約にかえられた次第でございますが、その条約は、去る三月、国会におきまして承認を受けたのであります。従いまして、それから引続きまして大麻取締りということが、わが国においても行われなければはらないということになる次第でございますが、大麻等の栽培につきましては、占領期間中におきましては総司令即から覚書が出ておりまして、全国で五千町歩と限定されておるのであります。そこで従来私どもの方では、五千町歩を限りまして作付割当をいたしておつたのでございますが、実際上は三千五百ないし四千町歩作付されておつたにとどまるのでございます。ところで、この大麻の実際に使われます部分は、これが成熟いたしました軸の中分でございまして、しかしその中で麻薬的な成分を含んでおりますのは葉の部分であります。葉の部分はこれは切畑から持ち出すことが禁じられてるのでございまして、従いまして実際上に使われます大麻繊維は、これはどう処置されようともかまわないわけでございます。ところで、本年の割当は、これはまだ種をまきます時期が占領期間中でございましたので、やはり本年度は五千町歩に限られてございますが、それが来年からは自由になる次第でございます。ただ作付は自由になりますが、畑で処理しなくてはいけないという点で、このものが取締り対象になる次第でございます。数字は実は私持つておりませんが、その意味におきまして、繊維は今日までのところでは五千町歩の以内の作付によつて得られる繊維数量に限定されております。しかしながら、その程度数量で、今日までのところでは、さしたる不足を来しておらないように私どもでは承知いたしておる次第でございます。
  7. 丸山直友

    丸山委員 作付反別を許可する割当があつた場合に、その単位面積は、たしか制限があつたと思います。幾ら以上のところでなければいけない、非常に小規模な、つまり家庭的に栽培することはほとんど許されておらなかつたと思います。そうすると農家等が自家用に繊維を使いたいと思つて小規模につくるものは、今までは許されておらなかつた一つの村なら村の中で、数人の人間が自分の畑を利用して小規模につくつております場合に、総合してある規格に合う反別なつたときには許されるかどうかということを、この前伺つたことがあると思いますが、こういうふうな取締りはどうなりますか。
  8. 慶松一郎

    慶松政府委員 作付反別単位ということの制限は、別に法的には何らございません。ただ取締り対象上、あまり農家庭先等で少量につくることは困るということで、そういう意味ではつきりした規格においてつくらしめておるにすぎないのであります。
  9. 丸山直友

    丸山委員 了承いたしました。
  10. 大石武一

    大石委員長 他に本案に対する御質疑はありませんか。  御質疑もないようでありますから、お諮りいたしますが、本案質疑は終了したものと認めるに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、本案質疑は終了したものと認めます。  次に本案討論に入めますが、本案討論につきましては、通告もありませんので、これを省略し、ただちに採決に入る二とに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、案の討論を省略して、これより麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案を表決に付します。本案原案通り可決するに賛成の諸君起立を求めます。     〔総員起立
  13. 大石武一

    大石委員長 起立総員。よつて本案原案通り可決いたしました。  なお本案に関する委員会報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————
  15. 大石武一

    大石委員長 次に外国軍用艦船等に関する検疫法特例案議題とし、審査を続けます。質疑を許可いたします。苅田委員
  16. 苅田アサノ

    苅田委員 第一にお伺いいたした、のは、この検疫法特例行政協定との関係は、どうなつていますか。たとえば、行政協定との何らかの話合いに基いてこういうものが生れて来たのかどうか、あるいは現在講和発効後今日まで、あるいはこの法律が制定されるまでの外国軍用艦船に対する検疫等は、どういう処置で行われるのか、この点について御答弁願いたいと思います。
  17. 楠本正康

    楠本政府委員 行政協定は、日本国アメリカ合衆国との間の協定であります。ところが、この特例は、対象は単にアメリカ合衆国のみならず、世界各国軍用艦船適用いたすものであります。また戦前にも、たとえば開港検疫法あるいは航空検疫規則等によつて実施をいたして来たことを、そのまま踏襲をいたしておるのであります。従いまして、行政協定とは全然関係がございません。
  18. 苅田アサノ

    苅田委員 それで私が後段にお伺いいたしましたこの法律実施までの外国軍用艦船に対する検疫処置は、どういうふうになつていますかということを伺います。
  19. 楠本正康

    楠本政府委員 従来はアメリカ合衆国軍隊の中に回章がまわつておりまして、その回章に従つて実施しておつたわけであります。もちろん講和成立傍におきましては、今日これは正式には—正式と申しますか、講和発効後、他に特別な立法措置がありますれば、ただちにその法律によつて実施をいたしますが、ありませんときには大体講和発効後九十日以内は、従来の例にならうのが慣例になつております。従つて現在は従来の例にならつてつております。従つてこの特例が発効いたしますれば、ただちにこの特例によつて実行いたすことになります。
  20. 苅田アサノ

    苅田委員 そういたしますと、私は資料を追加してお願いいたしたいのですが、それは今お話になりました検疫に関する回章を、ひとつ出していただきたいことと、それから戦前日本で行われておりました航空並びに船舶検疫法が、現在出ております検疫法と異なつている箇所につきましてだけでけつこうでありますから、その資料をこの次までに出していただきたいと思います。それから「外国軍用艦船等」ということで、これは飛行機なんかも含まれていると思うのですけれども軍用艦船と申しますと、これは軍艦だけでないと思うのですが、その範囲はどれぐらいに当つておりますか、お聞きしたいのです。
  21. 楠本正康

    楠本政府委員 特例の第二条に規定してございます。要するにその書いた通りでございまして「外国軍隊に属し、且つ、その軍用に供する艦船又は航空機をいう。」と規定してございます。
  22. 苅田アサノ

    苅田委員 二条は読んでいるわけで、もう少し詳しく、たとえばこれに対して、家族人たちを運んで来るところの船とか、家族用貨物を運んで来る船とか、そういうふうなものがおそらくあると思いますが、そういう種類にわたつてもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  23. 楠本正康

    楠本政府委員 まず艦船の方について申し上げますと、これは当然借用を含んでおります。またその場合に、この「軍用に供する」という意味は、使用中のもの、または使用目的として碇泊しておるものもこれに含めております。なお軍用機につきましては、これは軍人に指揮されておる航空機を言つております。なおこの艦船等につきましては、大体軍用機または所定の標識を掲げておるのが例となつております。
  24. 苅田アサノ

    苅田委員 そうしますと、これは借用を含むということであれば、当然日本の国から借りてこれが軍用に供せられる—まあ使用中のものということがあるわけですから、これはどういうことになるのか、この点ひとつ使用中のものということを、具体的にもう少しお聞きしたいのですが、そうなつて来ると、当然日本から借りましたところの船なんかも、この中に含まれると思うのですが、その点いかがですか。
  25. 楠本正康

    楠本政府委員 今のところ、日本から外国借用しておる船はございません。なお借用ということは、普通チャートするという言葉を使つておるようでありますが、いわゆるチャートという言葉を当てておるわけであります。
  26. 苅田アサノ

    苅田委員 私は現在そういう例があるかないかということは知りませんが、たとえば朝鮮向け貨物船なんかで、これが日本の船を借りてするというような場合も、私は考えられなくはないと思う。従来あつたかどうか、その点もひとつ答弁願いたいのですが、そういう場合にはこの適用を受けるわけですか、どうですか、お伺いしておきます。
  27. 楠本正康

    楠本政府委員 将来日体船舶を、他国が借りて軍用に供すれば、当然この適用を受けます。しかしながら現在は、ただいま申し上げました通り、さようなことはないのであります。
  28. 苅田アサノ

    苅田委員 従来はなかつたのですか。
  29. 楠本正康

    楠本政府委員 はあ。
  30. 苅田アサノ

    苅田委員 使用中のものというのは、どういうことですか。
  31. 楠本正康

    楠本政府委員 これは軍の作戦目的使用しておるという意味でございます。
  32. 苅田アサノ

    苅田委員 しよう中というのは、公用私用私用でなくて、使つているということですか。
  33. 楠本正康

    楠本政府委員 そうです。はなはだ言葉が足りなくて失礼いたしましたが、先ほど使用中のもの、または使用目的としておるものということを申し上げましたが、すでに借り上げまして—あるいは借り上げないものも、その船籍が軍に属しておつて、しかも現在は使われておらないで、どこかの港に碇泊しておるというものも含まれるし、また一方では、現に軍の行動あるいは軍の作戦、それらの目的のために活動しておるものも含まれるという意味でございます。
  34. 苅田アサノ

    苅田委員 大体使う船の種類はわかりましたが、これによりますと、この一条にありますように、これが軍用艦船並びに飛行機などであれば、検疫所のないところの港や飛行場に、船や飛行機が来ることができるわけですが、従来の日本航空機法並びに船舶についての特例の中にも、かように検疫所のない港や飛行場に、外国の船や飛行機入港着陸を許した規定があつたかどうかということをお聞きしたいことが一つと、それからそういうような規定は、諸外国におきましても、たとえば米・英・仏・伊・独というような国におきましても、外国艦船なり飛行機なりに対しまして、検疫所のない港や飛行場にも入港着陸を許しておるのが慣例でありますかどうか、この二点をお聞きしたいのであります。
  35. 楠本正康

    楠本政府委員 第一点につきましては、軍用艦船は、あらかじめ連絡がたく他国の港に入るということは、これは全然例がございません。従いまして、必ず通報があるのであります。なお一般の船につきましては、これは現在は検疫港に入らなければならぬ規則になつておりますが、この場合には、他の港にも入り得るようになつておる。しかしながら、戦前お話がございましたが、戦前につきましては、これは検疫港以外の港にも一般の船が入れることに相なつておりました。それからなお第二点につきましては、諸外国もまつたく同様な例でございまして、この特例はまつたく列国の国際櫓例を尊重してつくつたものでございます。
  36. 苅田アサノ

    苅田委員 検疫港以外のところに、戦前は他の商船も入つてつたというように、軍艦のならずというふうなお話ですが、それは実際商船を動かしておる海員組合等調査と非常に違つておるわけなんです。検疫港以外にそういう外国船が入つて来ることは、従来なかつたというふうなことを私ども聞いておるのでありますが、この点につきまして、あなた方の御答弁は、検疫港以外にも入つていた、従前から入つていたのだというのは、お間違いございませんでしようか。
  37. 楠本正康

    楠本政府委員 戦前に、一般船舶検疫港以外にも入り得たことは、間違いございません。
  38. 苅田アサノ

    苅田委員 この点は、なお私の方でも調査いたしまして、次の質問の機会にさらにお聞きいたします。そういたしますと、検疫所設備のない港なり、あるいは飛行場なりに入つて参りました飛行機や船に対しましては、検疫所かち出張して調べるというような趣旨になつていると思うのでありますが、戦前におきましても、やはり同様な措置をとつてつたのでありますか、どうですか、その点お聞きいたします。
  39. 楠本正康

    楠本政府委員 戦前におきましては、検疫警察官吏によつて行われておりました。現在は、さようなことはございません。
  40. 苅田アサノ

    苅田委員 そうしますと、戦前はそういう設備のない、検疫所のないところに入りました船や飛行機に対しまして、具体的にはどういうふうな検疫措置がなされておつたのか。全然検疫所がなかつた場合には、だれもしなかつたのか、それを具体的にお聞かせ願いたいと思います。
  41. 楠本正康

    楠本政府委員 戦前におきましては、ただいま申し上げましたように、警察官吏行つてつたわけでありますが、その検疫港以外の港におきましては、もちろん十分なる施設並びに十分なる人間というものが整備されておらない関係上、多少でも警察官吏におきまして、疑いあるいは危険等を感じました場合には、ただちに検疫港に船を回航せしめることとしておつたのであります。
  42. 苅田アサノ

    苅田委員 それは外国軍用船の場合も、やはりそうですが。
  43. 楠本正康

    楠本政府委員 まつたく同様であります。
  44. 苅田アサノ

    苅田委員 今度そういう警察検疫ということをやめまして、検疫所から出張員が参りましてさせる、そういうふうに改正がなされましたのは、どういう理由によるのですか。
  45. 楠本正康

    楠本政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、施設の点、あるいは専門職員点等から考えまして、警察官吏が行うことは、きわめて科学的、技術的には行かぬような点もあると存じます。従いまして、先ほど申しましたように、あらためて検疫港に回航せしめるということになります。従いまして、理想から申しますならば、当然これは当然の施設使つて専門家検疫を行うのが正しいのであります。従いまして、今回はさような方針に改めまして、検疫港を指定したわけであります。
  46. 苅田アサノ

    苅田委員 そうしますと、今度の措置は、政府の意向としては、もとより十分な検疫をしたい、検疫遺漏がないようにという措置であるように私は考えるのですが、そうでありますれば、現在の二十四箇所の検疫所設備のある港はいいですが、子の設備のない港の五十八箇所ですか、これに対して検疫出張員を出すということは、現在の機構上、はたして政府がねらつておられるように、防疫上の遺漏がない措置がとられるかどうか。私は先般神戸の検疫所行つて参つたのでありますけれども、やはりそういうところにおきましても、非常に人員あるいは費用等について、足りないことを訴えておつたわけであります。そういうところに持つて来て、さらにそういうところから人を出してやるということで、どういうことができるか、私どもこの点非常に不安に思われるわけなんです。そこで現在の検疫所に、どれだけの医者なり従業員なりがあるか、そういうこともお聞きしたい。この次の委員会までに、資料を出していただきたいと思います。  それから、検疫施設がないところでやる場合に、どういう設備をもつてこれをやるのか、そういう点につきましても、もう少し具体的にお話願いたいと思います。
  47. 楠本正康

    楠本政府委員 現在、港は五十八、それに対しまして検疫を行い得る港が二十四。従いまして、余つたところは出張検疫をしなければならぬことになります。しかしながら、実際には、船の大部分は現在の検疫港に入るのでありまして、同じ海港でありましても、検疫港以外に入る船の頻度は、現在においてはきわめてまれであります。従いまして、現在におきましては、出張検疫において間に合つて参ります。しかしながら、一昨日もお答え申し上げましたように、将来船の運航あるいは交通関係等に大きな変革が来ますれば、当然最小限の増設等を考えなければならぬと存じます。しかし、現在におきましては、ただいま申し上げたように、頻度関係から、支障はございません。なおその場合、さらにそこに軍用艦船検疫を義務づけられておりますが、この軍用艦船が国内の港に入るということは、これまたきわめてまれでありまして、ほとんど全体の作業量の上には影響がない程度のものであります。  次に、やり方についてのお話がございましたが、これは最初に、船舶責任者から検疫当局に、疾病発生その他の状況報告をさせまして、次に健康診断その他の検疫業務を行いまして、次の段階で必要のある場合には必要な措置をとる。たとえますれば、隔離の要があれば隔離措置をとる、あるいは消毒の要があれば、消毒措置をとるという手順になります。それが大体の順序であります。
  48. 苅田アサノ

    苅田委員 少しこまかいことをお聞きしたいのですが、また私はこういうふうに聞いておるのです。従来、入港いたしました船は、一定錨地に繋留いたしまして、そこで検疫が済んでかり入つて来るのが慣例になつておる。ところが、今度の外国軍用艦船に対下る特例によりますと、そういうふうに一定錨地にとどまらないで、どんとん入港して来ることができることになるのじやないか、かように考えるのぐすけれども、そういう点はいかがですか。
  49. 楠本正康

    楠本政府委員 御指摘のように、軍用艦船検疫区域にあらかじめとどまつておる必要はございません。ただその場合は、黄色い旗を立てて港へ入ることになつております。従つて、だれが見てもわかる仕組みになつてございます。
  50. 苅田アサノ

    苅田委員 排便なんかも、普通の場合には、入港の場合は検便が済むまでは、外に排泄しないで、ちやんと一定の器物にとつておくということが、従来なされておつたというふうに聞いておるわけなんです。しかしながら、そついうふうにしてどんどん入つて来ます場合には、検便をしないものがどんとん下に流されるというようなことも出て来るのじやないかというふうにも考えるのですが、その点はどうですか。
  51. 楠本正康

    楠本政府委員 これは、当方とのあらかじめ話合いによりまして、軍の側におきまして、さような検便は自発的に実施することになつております。
  52. 苅田アサノ

    苅田委員 そういうことも、国際化慣例として行われておるわけなんですか。
  53. 楠本正康

    楠本政府委員 おつしやる通り、どこの軍艦も国際的にはさような措置をとつております。
  54. 苅田アサノ

    苅田委員 私が海員組合なんかからお聞きしているのと、大分御答弁が違います。それは私の方でもなお調べますし、またあなたの方から戦前立法措置等資料も出していただきました上で、この点はさらに次の質問の場合にお尋ねいたします。  そういたしますと、先ほどお話になりました、戦前に行われました船を回航さすということが、戦前はでぎたわけでしよう。軍艦警察で調べまして、それでどうも怪しいというときには、検疫港へまわすことができたわけでしよう。今回の措置は、そういう入港の禁止とか、あるいは一定の場所にとどまつておるというような指示あるいは退去、そういうようなことの条文が適用されないことになつているように私は拝見したのです。従つて今後はそういう処置は全部、船長なり船長にかわる人がそれを承諾しない限り、とれなくなるのじやないかと私は思うのですが、その点はいかがでしようか。
  55. 楠本正康

    楠本政府委員 これはあらかじめ協議をすることになつております。従いまして、協議のととのわない場合には、検疫はできないわけです。しかしながら検疫ができなければ上陸はできませんから、従つて先方としては、上陸ができないから、そういうところに支障が来るだろうと思うのです。
  56. 松谷天光光

    松谷委員 昨日聞き漏らしました点を二、三点だけ伺つておきたいのです。提案理由の説明をいただきました中に、軍用艦船一般船舶に比してなるべく簡略な取扱いをするという言葉があつたのです。これは検疫取扱いの上の簡略という意味は含まれていたいのでございましようか。検疫内家でございますね、その点を承つておきたいのです。
  57. 楠本正康

    楠本政府委員 おつしやるように、検疫やり方等につきましては、別に簡略にしたわけではございません。ただ一般船舶に比べまして、内容でなくてむしろ手続であるとか、あるいは権限行使であるとか、かような点を簡略にしてあるのでございます。また一方軍の行動というものは、大分一般船舶の行動と違いますので、さような点を考慮して簡略にしてあるものであります。
  58. 松谷天光光

    松谷委員 この法案の裏つけとなります予算でございますが、従来の検停に必要な予算に比べまして、ことに出張をいたします場合の予算をどのくらい、特に外国艦船用のための出張というような面で、割当をしておいでにたりますか。
  59. 楠本正康

    楠本政府委員 現在までのところは、検疫港以外に入ります船の頻度は、きわめて少い現状でありますので、既定の出張旅費の範囲でまかなつております。
  60. 苅田アサノ

    苅田委員 それではこの点は、多分資料を少し出してもらわなければならぬと思うので、お尋ねしておきたいのです。罰則の点なんですがこの罰則の点に対しまして「この限りでない」というふうな処罰の除外例があるわけです。こういうことは、一体どういう関係になるのでしようか。
  61. 楠本正康

    楠本政府委員 三十九条は、これは法人の場合の罰則でありますから、当然軍隊には適用できないわけであります。あるいは三十六条等につきましては、明告書を提出しない者は、普通は罰せられるのでありますが、しかし、この場合には艦長がその責任者であります。従いまして、艦長を罰するということは、国際法上の問題でありまして、別個な問題になりますので、さような点を除外してあるわけであります。
  62. 苅田アサノ

    苅田委員 そうすると、そういう場合の罰則は、ほかの何か国際法上の規定で行われるということになるのでございますか、
  63. 楠本正康

    楠本政府委員 軍艦あるいは艦長等に対しては、検疫法の建前から罰することはできないのであります。なお、ここに罰則を適用してございます個所は、たとえば上陸してならぬ者が、検疫を済まさずに無理に上陸するとかいうような、個人的な問題について罰則が適用されておるわけであります。
  64. 苅田アサノ

    苅田委員 そうすると、これは全部罰則適用なしということなんですか。そういう艦の犯したことに対しては、罰則なしということになるのでしようか。
  65. 楠本正康

    楠本政府委員 これは聞くところによりますと、国際法上のきわめてむずかしい問題だそうであります。問題は、軍艦は領土の延長であるという解釈をとつておりまして、従いまして、たとえば外国の領土という考え方に立ちますために、罰則の適用等につきましては、国際法上のきわめてむずかしい問題と聞いております。従いまして、もし何かその点で御必要ならば、資料で御返事をしたいと思います。
  66. 苅田アサノ

    苅田委員 それでは従来、国際法上、そういう場合にはどういうふうなことをやるかという規定が従来もあれば、それを従来はどういうふうに処置したかということを出していただきたいし、それから従来そういうふうなものがなくて、今度あれば、どういう根拠に基いて、どこまで交渉するとかいうようなことを聞きたいと思いますが、これは後ほど資料でお答えくださつてもよいと思います。
  67. 大石武一

    大石委員長 外国軍用艦船等に関する検疫法特例案に関する質疑は、本日はこれにて打切ります     —————————————
  68. 大石武一

    大石委員長 次に戦傷病者戦没者遺族等援護法案による弔慰金の問題につきまして、青柳君より発言を求められておりますので、これを許可いたします。ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕
  69. 大石武一

    大石委員長 速記を始めてください。
  70. 高橋等

    高橋(等)委員 まず国民金融公庫の方にお伺いいたしたいと思います。この前、生活困窮者に対します生業資金の貸付につきまして、特に遺族の生業資金に対します一定のわくを国民金融公庫に設けて、遺族の生業資金の貸付が一般よりもスムーズに行くようにいたしたいと、これは大蔵大臣並びに厚生大臣が数回にわたつて予算委員会及び当委員会において答弁せられたところであります。その後当委員会において、金融公庫の方の御出席を求めまして、これが生業資金に対しまする別わくの設定について、その後いかに取扱われておるかということをお伺いいたしたはずでございます。そのときの御答弁では、金融公庫としてはそういう別わくが必要であるし、できるだけ出したいと考えておるが、まだ何ら措置がきまつておらないという御答弁を承つて、すでに一箇月くらいたつております。その後金融公庫及び政府間において、この点についていかなる処置がとられて参つておりますか、その点をまず伺つてみたいと思います。
  71. 最上孝敬

    ○最上説明員 一箇月になりまして、実は結論を申しますと、まだほんとうに確定はいたしておりません。しかし、いろいろ大蔵省の方などと御相談をしております。と申しますのは、私どもの方で、ただいまお話がありました生活困窮者に対する貸付というのは、ごくわずかでありまして、月に四千万円程度しか出せません。これでは問題にならない。もう一つ普通一般の生業資金でございますが、これも本年度の回収金と出資金と借入金と全部合せましても、年間百十六億円でございまして、一箇月当り約十億円足らずでございます。ところがお申込みの方は、最近一箇月に四十億ほどございます。そうしてだんだん、私どもの方で今まで都市中心でありましたのを、今度地方にお貸し付けするようになり、店もふやし、て参りますので、今後はふえることはありましても、減ることはないと思います。そういうわけでございますので、今特殊な方面に対しまして、あるわくを設定するということは、事実上不可能でございます。そこで、私どもの方では、何とかもう少し資金量をふやしていただきたいというお願いをいたしております。またこの一定の資金量に対しましても、それをお貸し付けして、もしどうしてもだめならば、担保にいただきました公債をお買取いただきまして……。
  72. 高橋等

    高橋(等)委員 ちよつと待つてください。これは担保とは関係がないのであります。そこまで入つていないのです。
  73. 最上孝敬

    ○最上説明員 その点あるいは皆さんのお考えと、私どもの考えておるところと食い違つておるかもしれませんが、私どもの方では、大体公債の担保をいただきまして、そうしてお貸し付けする、そういうような方針で、話を進めておるわけであります。
  74. 高橋等

    高橋(等)委員 今の点について、大蔵当局、といいましても、あなたは国庫課長さんで、そのあなたから御答弁がいただけますか。
  75. 大島寛一

    ○大島説明員 それは銀行局の方で扱つておりまして、私の方は国債の面だけ所管しておりますから、どなたか適当な者をまた後日呼びまして、お答えした方がいいと思います。
  76. 高橋等

    高橋(等)委員 ただいまの点につきましては、実は当初国債担保で生業資金の貸付をしてもらいたいということを大蔵大臣にお願いをした。大蔵大臣は予算委員会で、これは担保をとらないで貸すのです、そうして相当のわくを設定するのですという実に勇ましい御答弁をいただいて、私も非常に喜んでお礼を申し上げたのです。どうぞそのお礼が、ただ単にお礼を言わされただけでないように、ひとつつてもらいたいと考えます。いずれこの点は金融公庫の方でも御努力をお願いせなければならぬと思いますが、特に政府の方面の御努力をお願いせなければいけませんので、その点につきましては、また機会をあらためてお伺いすることにいたしまして、本日は担保にした国債の換金といいますか、そうしたものについてお伺いをいたしたいと思います。この前にも国債課長にしつこく私からも意見を述べたのでありますが、それは困窮者には国債を五箇年で払い、一般の人には十箇年で償還する、これは従来大蔵大臣が答弁をしておる通りであります。しかししさいに検討いたしてみますと、困窮者は今困つておるのであります。今困つておる人に対する換金措置が、五箇年の年賦では間に合わない。またもう一つ極端に言えば、今年度から少くとも換金措置を講じませんと、困つている人に一年待つてくれというのでは意味がないということを再三申し上げて、善処方を促したのでありますが、これは何分にも国債償還に関する予算というものが今年度はないのであります。従つて、はつきりした答弁を事務当局から求めるわけには行かない。むしろこれはわれわれの問題ではないかとも私は考えたのでありますが、少くとも今申し上げますように五年、十年ということをお考えになつておるようでございます。それはいずれにしましても、ほんとうに困つている人に、まずこの国債の換金措置を至急に講ずるということをやりませんと、悪質のブローカーが、すでに買いあさりを始めておる事実があるのでありまして、せつかくのわれわれの気持というものが、あるいは英霊の遺産というものが、こうした悪質のブローカーの手にかかつて、悪質ブローカーを利得さすにすぎないということで、はなはだ残念であります。そういうことであれば、それは政治の貧困といわざるを得ないと思うのです。そこで、ただいまの換金措置につきまして、まず政府側がお考えになつておられます点を伺わせていただきまして、その後で質問してみたいと思います。
  77. 大島寛一

    ○大島説明員 ただいまのお尋ねについて、御説明申し上げます。先般来、衆議院の本委員会における御審議の過程におきまして、ただいまお話のありましたように、何らかの換金並びに金融措置を講ずるようにという御要望が、たびたび出おつたのでります。それに対しまして、従来お答えして参りましたように、私どもといたしましては、一つはこれを担保にする金融の措置がございます。もう一つは、これを買い上げまして、文字通り換金する措置が考えられるわけでございます。その両方につきまして、先ほど国民金融公庫に対する御質問の中にも触れておいでになりましたように、財源あるいは財政的な措置を伴わなければならない点がどうしてもございますので、その方法並びに程度、範囲というような点を、実はせつかく引続き研究を進めておる段階でございます。率直に申し上げまして、まだ具体的な細目に至るまでの結論を得ていないのでございます。なるべくすみやかに目途をつけ得るようにいたしたいと思いまして、努力いたしております。  次に、ただいま御質問の第二点といたしまして、換金措置を早く講じませんと、悪質ブローカーなどに悪用されるおそれがあるじやないか、これを防ぐようにすべきであるとの御趣旨の御質問でございました。このたび弔慰のために出します国債につきましては、御承知のように記名式にいたしまして、特に定めました場合のほか、譲渡あるいは担保にすることを特に制限いたしておりますのも、極力ただいま御質問のような弊害が生じないようにする意味をもちましてできておるような次第でございます。なお趣旨の徹底その他種々の方法を講じまして、悪質ブローカーに悪用されるというような弊が起らないように、あらゆる角度から一層研究もいたしますし、また努力もいたしたいと考えております。
  78. 高橋等

    高橋(等)委員 ただいま悪質ブローカーなどに利用せられないために、これこれの措置、担保に供さないとか、いろいろなことを考えられておるということですが、これは考えられておるだけでありまして、ああいうものがあつても、そんなものにへこたれるものではないのです。実際やつておるのです。そこで私は、むしろあなた方が早く、換金措置をどういうふうにすべきか、どうする方針であるかということを遺族方に示すことが、悪質ブローカーを封じる道だと考えております。もちろん、これは公債が出てからの問題を今お話をしておるので、出る以前にどういう措置をとるかという問題もあるのですが、出てからの問題とすれば、九月に公債が出るとすれば、九月までにきめればいいようなものですが、そうのんびりされておつては困るのです。その点を十分念頭に置いていただかなければならない。それから五年の償還公債、十年の償還公債ということをやりますと、非常に手続上煩雑なことだろうと考えております。ことに、今ちよつと御説明にありましたように、ただいまは生活困窮者は五年の公債をもらつておりますが、普通の十年の公債をもらつておる人が今度困窮者になりたときに、五年の公債に切りかえてもらおうといたしましても、ちよつと不可能だと思います。いろいろ矛盾もありますが、一体五年の公債と十年の公債はパーセンテージとしてどの程度になるか、御研究になつたところがあれば、ちよつとお知らせいただきたいと思います。
  79. 大島寛一

    ○大島説明員 御説明申し上げます。従来衆議院におきまして御説明しておりましたように、弔慰の国債は、原則として十年と考えております。一部困窮者に対しましては、五年のものを出すようにいたしたいという考えで来ておるわけであります。五年にいたします趣旨は、十年でございますと、五万円の場合におきまして、毎年の利子並びに元金の収入がある額来るわけであります。五年ということにいたしますと、毎年その額の収入もそれだけ多くなるということになりますので、その意味におきまして、毎年その元利払いをつけるだけでも、一般の場合よりは、より多額の現金が入るというわけであつたのであります。ただいまの御質問の五年のものをやろうと考えておつたのは何パーセントくらいであるかということでございますが、大体十万人前後ではなかろうかという見当で参つているわけでございます。この点につきましては、生活援護法の援護を受ける者のほかにも、なおこれに準ずる者も考えてほしいという御要望も、本委員会における審議の過程において承つております。そういう経緯もございます。また実際に遺族の方の請求を見まして、こういう標準にはまるかどうかというような点を、厚生省において裁定していただく、その結果によつて実はほんとうの数字がはつきりするわけでございますから、今からどれくらいの数であるということをはつきり申し上げるまでに至つておりません。およその見当としましては、少く見積りますと八万五千、多い場合におきまして十三万、およそのところで申し上げますと、十万前後ではなかろうかという推定のもとに考えて参つたわけでございます。
  80. 高橋等

    高橋(等)委員 そこで大蔵省の方で今いろいろとお考えだそうでありますが、この換金措置は二つの方法が考えられる。一つは買上げでありまして、一つは貸付であります。どちらに重点を置いておられますか。ただいまのところ、どういうお考えか、それを承つておきたい。
  81. 大島寛一

    ○大島説明員 換金措置の方法といたしまして、買上げの場合あるいは担保等によります金融の問題、どちらに重点を置くかという御趣旨のように承つたのであります。この点は目下の研究の段階といたしましては、どちらに特に重点を置くということなく、その資金の使途なり必要の度なりによりまして、いろいろな態様があろうと思います。換金措置と申しますと、要するに簡単に申し上げれば、五万円とあります国債を買い上げまして、五万円だけ一度に差上、げるということになる。金融の場合におきましては、それを一つの担保等にいたしまして、所要の生業資金なり何なりを貸し出すということになるわけであります。金融措置をつけます場合にも、全額が一ぺんに現金化された方がいいと思う場合と、必ずしもそうでない場合もございます。また反面、財政的な財源の見地から申しましても、その範囲方法等に、そのときどきの状況に応ずる制約等もあるわけであります。目下の考え方といたしましては、両方併合いたしまして考えたいという気持で、研究を進めているわけでございます。  なお、一言つけ加えますと、この点が五年のものを出すかどうか、あるいは先ほどお話がありましたように、参議院の御希望として承つておりますように、期限の区別をつけないで一種類でやつたらどうだろうという御希望も参議院から出ているわけでございます。その場合にはまた金融、換金の措置をいかに考えるか、その辺の関連のにらみ合いがございますので、なおその点研究しているわけであります。
  82. 高橋等

    高橋(等)委員 実は遺族国債は、できるだけ早く遺族方に手渡したいということは、だれも意見が一致するところであります。ただいま承つておりますと、法案が通りましてから、もうすでに、一箇月にはなりませんが、二十五日に通つたのですから、大分時間がたつているのに、まだこの公債を五年にするか十年にするかというようなことや、あるいは換金措置をどうするかというようなことが腹がきまつておらない。こんなことをやりおりますと、九月に公債を出すといつても、とても出るものでないと私は考える。そこでわれわれが—これは私という個人名称を使わせていただいてもいいと思うのでありますが、この公債の問題を五箇年ということを言い出したのは、これは大蔵大臣が言い出した。私たちは、大蔵大臣に対する要望としては、少くとも生活に困つている場合、あるいは生業につきたいという場合については、この換金を容易にしてもらいたということを要求をした。そのときに大臣は、五年払いにするということを言われたわけであります。私たちの考え方は、やはりこの五年でも不十分なので、五箇年年賦払いでは困る人もたくさんあるだろうと思うのです。そうかといつて、公責を一時にまるまる買い上げるまでに至つていない人もあるだろうと思います。ただいずれにしても、換金措置ということがうまく行くなら、公債は一応十年一本にされても、これは目的は同じである。ところが、十年一本にして換金措置をうまくやられないと、たいへんなことになります。そういう点で一応早く腹をきめていただいて—これは貸し付けてもよろしいし、買い上げてもよろしい。私は貸付の方が非常にスムーズにすべてが行くじやないかと思いますが、そこは十分に研究をせられ、早くものをきめられぬといかぬと思う。そこで、公債の準備はどの程度進んでおりますか、いつごろ出せるお見込みですか、もう一度伺わせていただきたい。
  83. 大島寛一

    ○大島説明員 御質問の前段の、公債を早く渡すようにすべきであるという御趣旨の点につきましては、私どもとしましても、まつたく仰せの通りの気持をもちまして、公債の紙の手配、印刷の手配はすでに進めて、現在の見当といたしましては、早くでき上りますものは七月中、あるいはおそくも八月早々には、現場の印刷ができ上る見込みでございます。これは印刷庁で印刷その他をやるわけでございますが、印刷庁といたしましても、この国債の性質並びに趣旨にかんがみまして、あらゆる努力を払つて、最短期間に完成するようにやろうということを言つてくれております。現にそのつもりで、すでに紙をすきますとか、いろいろな手配に着手しております。
  84. 高橋等

    高橋(等)委員 紙をすくですか。紙をすく手配をするということでしたら、実を言えば二箇月前からお伺いしている。そういうお答えにはもう飽いている。あなたにお目にかかりますのは初めてなので、御存じないと思いますが、これが時間的に早く渡るか渡らないかは、実にデリケートな問題であります。  それから田辺次長にちよつと伺いますが、今七月か八月には印刷ができるということですが、あなたの方の受取人の決定—全部の決定ではないが、大多数の受取人がきまるのは、一体いつごろの見込みですか。
  85. 田辺繁雄

    ○田辺(繁)政府委員 法案の審議の過程において、いろいろわれわれの方で法律の施行の準備に関する法令を用意したのであります。大分法律の内容もかわりましたし、また最後まで全般にわたつて法律の内容が確定をしなかつたという点から、施行の準備が遅れておりました。急いでいろいろ政令なり、あるいは施行規則なり、それに伴ういろいろな訓令その他こまかいことがたくさんありますが、それを急いでやりまして、先般主務課長会議におきまして、主務主任者をブロリクごとに集めまして詳細説明しております。こういうものは最初きちつと体制を整えてすべり出しませんと—途中でかえたり、また追加したりすると、混乱いたしますので、十分研究いたしたいというので、若干時日もかかりましたが、大体今月二十一日で全国的なブロック会議が終るわけであります。それが終りますと、各県では市町村の方々を集めて趣旨の徹底をはかるので、早いものは六月初めころから申請書が出て来るのではないかと思います。申請書に基いて本人の、戦死した方の身分なり死んだ原因なりに問題がなく、また遺族の身分関係等にあまり問題がなければ、たとえば、すでに恩給の扶助料をもらつている人があり、あるいは靖国神社にすでに合祀になつている人もあり、その他すでに形式的に身分関係がはつきりしている方も相当おありになります。また既存の資料で、戦死なり戦傷死なりということが、明確に確認できる者も相当ございますので、それがどんどん申請して事務の方で流れますれば、相当こちらの態勢さえなれて参りますれば、早くできるのではないかと思つております。但し、中には相当複雑な関係があつて、なかなかきめにくい問題もあるのじやないか。ことに第一順位者が内縁関係だということになりますと、よほど慎重にいたしませんと、一旦裁定をしたあとで、また次の順位にくつがえされるということがあつてはならないと思いますので、大部分はいつころまでに済むかというお話でありますが、まあ九月までには相当多数を済ませたいと思つております。もつとも、九月までに裁定になつたのは、九月に初めて現金を払うわけでありますが、九月以降裁定になるものについては、その都度郵便局で払うということになつておりますので、できるだけ早くやりたいと思います。もつとも、今度の仕事につきましては、地方におきましても、中央におきましても、このための定員増というものは一人もございません。ただ臨時雇い人でやつております。急いでやるということも必要でありますが、的確にやるということも必要でありまして、一旦裁定をして、あとで取消すというようなことがあつては、大蔵省の関係にも御迷惑でございますので、やはり的確であるということが、あとからふり返つてみて問題がないということになりますので、的確迅速ということで大いに勉強して行きたいと思つております。今後も中央と地方と密接に連絡をとりまして、あらゆるくふうを凝らしまして、御希望に沿うようにいたしたいと思います。
  86. 高橋等

    高橋(等)委員 あなたの方で流れ作業やつて行かれるのに、いろいろ人をふやさなければならぬでしようが、この仕事を迅速にやるためには、どうしても臨時雇いその他の人間をふやさなければならぬ。その場合に、あなたの方の経費は、今どういうようになつているか。大蔵省から相当の経費がとれなければ、私は仕事が遅れるということを心配している。これはわずかな金の問題ではないのです。その点は、どういうふうに万遺憾なく整えられているか、それをもう一点伺つておきます。
  87. 田辺繁雄

    ○田辺(繁)政府委員 実は援護法の関係の予算というものは、御承知の通りな経費で、すべてきちつときまつたわけでございます。事務費についても、同様でございます。そこで、一旦きまつた経費でありますので、これをまず使つてみて、そうして仕事をやつてみる。そうしてやつている途中におきまして、もし既存の事務費の範囲内で不足が生ずるということであれば、われわれも遠慮なく大蔵省に要求いたしまして、経費をちようだいいたしたい、かように考えております。
  88. 高橋等

    高橋(等)委員 今の点は、当委員会でも非常に関心を持つている点であることを、大蔵当局にも申し上げておきます。  なお国民金融公庫の方に最後に申し上げておきたいのですが、この生業資金の問題は、これを担保にするしないということは、まだ後の問題であります、公債が渡りますれば、これを担保にして金融がよりたくさんやれるものなら、これは担保にしてさしつかえないものと私は考える。しかし、生業資金の問題は、そんな国債が渡つてからめんどうを見るとかどうとかいう問題ではないのです。これは政府に対しまして、すぐやつてもらいたい。遺族補償の一環として、すぐ手がつけられるものなんだ。ちようど未亡人や遺児たちの就職のあつせんがすぐできると同じように、すぐやれるものだし、またすぐやらねばいかぬものなんだ、七年もほうつてつたのだということを申し上げてあるのでありまして、そういう意味合いから、国民金融公庫も十分御努力なさつておられると思いますが、特にきようは大蔵当局の主務の方が来ておられませんけれども、これは重大な政治とお考えくださつて、遺族補償の一つの筋金が入つたものだ、これをやるには、どうしてもこの点をやつて行かなければいけない、補償が十分でないのですから、どうぞその辺をお伝えを願うとともに、機会を見て、この点はあらためて当委員会質問をいたしたいと思う。それとともに、公債及び年金は、どうぞ政府部内でよく御連絡くださり、一日も早く遺族方にお手渡しできるようにしていただきたい。これは重大な関心を持つていることを申し上げさせていただきます。これで私は終ります。
  89. 大島寛一

    ○大島説明員 国債印刷の時期につきましての御質問に対しまして、先ほどお答え申し上げたのでありますが、二、三追加して御説明させていただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、印刷庁におきまして、すでに紙は着々すきを入れる作業が進んでおります。同時にそれと並行いたしまして、銅版にこまかい彫刻をするのでございますが、普通にやつておりますと、技術家の見込みによりますと十月くらいまでかかるであろうということを当初言つておりましたものを、そういうようなことではとうてい問題にならないということになりまして、先ほど申し上げたような最大馬力で、しかもいいものができますようにやつているわけでございます。なお印刷は、一日で百数十万枚が一ぺんにできるものではございませんので、厚生省と緊密な連絡をとりまして、厚生省から要求が来るその流れに応じながら印刷ができ上つて行くというような段取りをつけて行きたいと思つております。先ほど、うまく行きまして七月中あるいは八月初めにでき上ると申し上げましたのは、最初の用意ができ上つて来る見当でございまして、それと呼応しまして厚生省の要求を受けまして、それに、記名でございますので、一つ一つお渡しする遺族の方の氏名、元利支払いの事項を大急ぎで記入いたしまして、その上でお渡しするという段取りであります。もちろん、あらゆる手配をいたしまして、一層の努力を傾けて行くつもりでございます。
  90. 松谷天光光

    松谷委員 御質問いたしたいと思いますが、高橋委員質問と重複する点は省きまして、私は高橋委員のただいま出された強い御意見にまつたく同感でございます。ぜひその点はおとりはからいを願いたいと思います。先ほどお答えくださいました中に、換金あるいは貸付にするかということは目下研究中である、しかしこれを並行して行こうというお考え方もあるというお話でございました。貸付ならば別の問題でございましようが、ことに換金と貸付を並行になさるという場合に、予算的な面から見まして、換金は一体どのくらいの可能性がありますか。
  91. 大島寛一

    ○大島説明員 買い上げて換金いたします場合に、予算的に見てどの程度見当があるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、先般来本委員会の御審議の経過におきまして、大蔵省の方から御説明いたしましたように、本年度の予算としましては、目下のところそのめどがついていない事情もございますので、すべて総合いたしまして、なお研究中でございます。
  92. 松谷天光光

    松谷委員 ただいまのお答えによりますと、少くとも換金あるいは貸付を並行して行くような方針に出るといたしましても、本年度予算内においては不可能だという御意見でございましようか。換金するにしても、それは来年度からという解釈でございますか、それとも何年先から換金と貸付の並行にするという意味をもつてのお答えでございましようか。
  93. 大島寛一

    ○大島説明員 本年度絶対に不可能という結論までは、まだ出ておりません。しかしながら、現在の状態におきまして、それではできるというところまでも同時に行つておりません。その辺をあわせまして、なお極力研究しております。
  94. 松谷天光光

    松谷委員 そういたしますと、いつまでたつても、どうも公債の発行というところまはなかなか立ち至らない、また実施が不可能のような感を多分に受けるのでございますが、一体いつごろまでに当局の腹をおぎめになる御予定でございましようか。
  95. 大島寛一

    ○大島説明員 先ほど御説明いたしましたように、国債の発行につきましては、目下極力すみやかにやるように、すでに手続その他も進めております。従いまして、国債は御希望に沿うように早く発行できる見込みでございます。その換金、金融等の措置につきまして、いつごろまでに見当をつけるかというお尋ねでございますが、私ども事務当局といたしましては、極力研究を進めておる段階であるという以上に、目下御説明できないのでございます。
  96. 松谷天光光

    松谷委員 御当局がそれをおきめにならぬということは別問題といたしまして、すでに受取る方の予算の中には、組まれておりますし、もうそれを一つの手形同様の資格をもちまして、いろいろの生活財としてこれを考えておる向きが多分にございますので、から手形に、あるいはぬか喜びにならぬように、ひとつ早急に当局の御方針をおきめいただ妻せんと、いろいろここに問題が出て来るのではないかと思うのであります。一日も早く、それを御決定いただきたいと思います。  次に、次長にちよつとお尋ねしたいのでありますが、先ほど大蔵省の方の御意見で、年賦を五年あるいは十年にする場合に、五年年賦の数を八万五千から十三万、中をとつて大体十万ぐらいというようなお話でありましたが、次長の方では、大体十万ぐらいでこれを了とされるまうなお考えでございましようか。
  97. 田辺繁雄

    ○田辺(繁)政府委員 五年償還の国債の対象をどうするかということですが、これにはいろいろ考え方もありましようが、技術的には、生活保護法の適用を受けておるか、おらないかということで判断するより以外にない思います。遺族の中で、生活保護法の適用を受けておるのがどれくらいかということは、昨年の実態調査で、ある程度の数字が出ておりまして、その資料は皆さん方のお手元に差上げてある、思いますが、それによりますと、八方余となつておりまして、大体十万と見ておけばいいのではないかと思います。
  98. 松谷天光光

    松谷委員 この際特に御考慮に入れていただきたいのは、ただいま生活保護法の対象者を基準になさつておるいうことですが、生活保護法の対象者でなく、なお入れていただかなければならない方が相当あると思いますので、この点もぜひ御考慮に入れていただきたいと思います。もつと具体的に申しますと、たとえば要保護者ではないけれども、医療扶助だけは受けなければならないような立場にある人、あるいは生活保護は受けないけれども、すれすれの線にある者についても、十分な御調査と御研究をしていただきたいと思います。
  99. 田辺繁雄

    ○田辺(繁)政府委員 ごもつともなお尋ねでございますが、これを具体的にどうするかという問題について、いろいろ社会局の方と打合せたのですが、技術的に非常に困難であります。そういうことを研究してから実施するということになりますと、その施行が遅れることになりますし、この点は参議院の方の審議のときにも申し上げましたが、技術的には現在生活保護法の適用を受けておるかどうかということで判定するよりほかにないということで、準備を進めておるわけであります。医療扶助ということでありますが、これは生活扶助ということによつて検討いたしております。
  100. 松谷天光光

    松谷委員 私は少くともそれに幅を持たせておいていただきたいということを、今日は要望いたしまして、あとは社会局長の方にお伺いいたします。
  101. 堤ツルヨ

    ○堤委員 先ほどからいろいろ御答弁を聞いておりますと、官庁は横の連絡をおとりになつておられないのではないか、大臣がこの委員会で御発言になつたことが、実際に事務をおやりになる皆さん方の方へ十分連絡がとれていないのではないかという感じがいたします。上の方でこんなにもたもたしておられるようでは、末端はまことに心細い。三人の御返答を聞いておりましても、そんなことではとても目的を達することはできないと思いますので、この援護法に関する少くとも弔慰金に対する措置については、もう少し厚生大臣並びに大蔵大臣の責任のある言質をこの委員会においてとつて、統一ある準備を進めていただくよう、委員長のおとりはからいを願い、初めからやり直していただいたらどうですか。どうも大蔵省の御答弁も、何かふろの中で眠つているような答弁ですし、国民金融公庫と来たら、何もしていらつしやらない。今の松谷委員の御質問は、非常に大切でありまして、生活保護法の対象にはなつていないけれども、ボーダー・ラインにある教育扶助、住宅扶助、医療扶助を受けておる者は、当然五箇年償還の対象になるものだ—いさぎよく、勇敢に政府の方から口をお切りになつたのでありますから、そういう虫のいい解釈をしておつたのですが、一向そういうふうに実施されない。しかも、われわれ全国至るところで聞かれますことは、遺族援護法はできたが、一体いつ公債をくれるか、いつ金をくれるか、実際いつわれわれの手にもどるか、役所では事務が煩雑で、泣いておるというようなことばかりで、一向らちが明かぬ。しかも丸山委員がおつしやいましたが、行政機構の改革に伴つて—速記もございますから、田辺次長はそうはつきりはおつしやいませんけれども、事務上の支障を来すように私は解釈いたします。二百三十一億、公債八百八十億の予算で、不備なものがあるにしても、せつかくできたからには、遺族にその誠意が届かなければならない。しかるに、ただいまの三人の答弁を聞いておりましたら、三人が三人とも、非常に心もとない御答弁で、はたして大臣がみえを切られた言葉が末端に届いておるか、決してそうではないと私は先ほどから拝聴いたしました。でありますから、ここは、あらためて当委員会としては、言質をとりながら強行な申入れをするなりして、この援護法案の実施に対して、当局の責任ある態度を、もう少し明確にしてもらわなければ、法をつくつた目的が果せないと思いますから、どうぞ議員諸公にお諮りになつて—皆さん御同感と思います。実際なつていない。国民金融公庫も何もしていない。言うだけですよ。まあ委員長とつ皆さんに……。
  102. 大石武一

    大石委員長 よくわかりました。
  103. 高橋等

    高橋(等)委員 もう一点、田辺次長にお伺いいたします。これも田辺次長から答弁を求めることが、あるいは無理かもしれませんが、一応事の成行きがどうなつているかということを伺わせてもらいたい。それは当委員会は、法案を通しまする際も、本法案が暫定措置である、従つて恩給法特例審議会をすみやかに設置して、審議をせなければならないという決議を、実は付しておるのであります。その後恩給法特例審議会というものがどういうように設置されたか、またされつつあるのか、どこまで準備が進んでおりますか。もう法案が通つて、ずいぶん目にちがたつておることだから、とうに審議が始まつておらなければならぬと思うのです。ことにわれわれが非常に心配いたしておりますことは、今年は予算の編成あるいは国会提案というものが、相当早目に繰上げられる公算が実は多いのであります。それだけに、準備は一日もゆるがせにできない問題があると思うのです。それらについて、どういうふうに進んでおるか、あなたの所管ではないかもしれませんが、一応承つておきたいと思います。
  104. 大石武一

    大石委員長 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕
  105. 大石武一

    大石委員長 速記を始めてください。
  106. 高橋等

    高橋(等)委員 ただいま、いろいろ堤委員からの御発言がありましたように、われわれはほんとうに物足りない。そこで当委員会としましては——物足りないのも無理はないかと思うのです。御出席の方々別に遊んでおつたわけでもないのでしよう。ことに厚生省方面あたりは、連日たいへんな作業をその後なさつておるように聞いております。何分にもまだどうしても上の方で決定をせなければならぬ問題が多いようですから、今、堤委員が御発言になりましたように、大蔵大臣、厚生大臣及び官房長官の出席を次回に早急に当委員会に求めて、本問題をもう少しはつきりさすということに、委員長のおとりはからいをいただきたいと思います。
  107. 青柳一郎

    青柳委員 さつき私速記をとめて御報告いたしたように、この問題は、政府の責任ではございます。法律は通つた。あとは運営の問題で、衆参両院の意向を盛り込んで、その運営に当ろうとする意味から、先ほど御報告したように、われわれに対して、どうしたらいいかという話し合いをかけて来られたのであります。ただ政府の責任ばかり問うわけには、ことに私としてはできないのでございます。考えてみますのに換金措置ということを大蔵省が生み出されたのかどうか。換金措置となりますれば、一時に八万あるいは十万に及ぶ人が換金を要望いたします。それに応ずるだけの予算はない。従つて、換金措置に頼つて行くことは至難だと思います。従つて、ここに担保という問題で金融をつけて、これをカバーするということのみしか考えられぬと思うのであります。大体その方向であろうとわれわれ思うのであります。この問題につきましては、委員長におきましても、理事諸君におきましてもまた高橋氏においても、大体のみ込んでおられるのであります。私はこの方向よりない。私、いかにもとりまとめ役のようなことを申して失礼でございますが、衝に当つておりますから申し上げるのであります。この方向に向つて政府の結論をすみやかに出していただきたいということが、結局私の要望であります。いたずらに政府のみを責めるのではございません。何といいましても、政府当局がばらばらになつてはいけないのてあつてできるだけすみやかにまとめた結論を出していただきたいと思います。その結論を出すにつきまして、ただいま堤委員並びに高橋委員から御発言がありましたように、その結論をもつて、この委員会において公式に責任のある答弁を願い、声明をしていただくようにお願いいたしたい、こう存じます。
  108. 大石武一

    大石委員長 堤ツルヨ君その他の方方の御意見は了承いたしました。委員長において善処いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後百二時五十九分散会