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金子委員 その御答弁を聞いて、はなはだ遺憾であります。またそういうふうな局長の
考え方だから、いつに
なつても
国保というものは浮ぶ瀬がない。これは一番政治力の弱い階層である。しかもあなたは、
社会保障制度審議会の
意見も、被用者と一般国民とをわけることはやむを得ないじやないかというような結論が出ていると言う。それは事実であります。だから、私は、か
つて社会保障制度審議会の前の会長の当時、会長以下四、五人の方々をお招きしまして、まず、あなた方は
日本の
農民というものを企業者とみなすのか、あるいは労働者という見解をと
つておるのか、あの差別をつけるに対して、どちらの基本的観念でや
つておるのか、学問的に言うのではない、
経済的な地位からどう
考えるかと言うと、それに対しては答えられませんと割切
つていない。もし企業者であるという見解で行くならば、その実例を示して納得させてくれと言つたら、そういうことはできませんということを言
つておる。それ自体、あの
社会保障制度審議会の会長ですらその点を割切
つておらないのであります。でありますから、この割切
つておらない人たちの結論をも
つて、すぐ審議会の
意見もこうだということは、私は納得できない。でありますから、国家が
社会保障制度を確立するという、あるいは憲法に保障するというような段階に
なつた今日、あくまで国家が社会保障の形なり、あるいは国家保障の形なりにおいて
国民保険というものを取上げるならば、これはあくまで機会均等の形でなければいけないと確信すべきだ。私は常にこういう信念を持
つておるのでありますが、それにもかかわらず、局長その他が、今の
制度がこうだからとい
つて、その
制度のわくの中で一つ一つどうしようかというふうな見解に立
つてお
つて、しかも被用者
保険の方は毎回国会でその引伸ばしをしておるではありませんか。今年もその一つの
法律改正を
船員保険法でやつたように、年々被用者
保険の方だけは、甲に比べて乙が不つり合いだからこれを上げよう、乙に比べて丙が不つり合いに
なつたからこれを上げよう、こういうふうな有利な
條件に伸びて参つた。ひとり一般
国民層に課せられるところの
国保の問題だけは置去りに
なつて、そうして去年から国会で二回も決議をして、そしてやつと本年度四億というような
数字がここに上
つて参つたのであります。この点につきましては、この
国保問題についてはこれ以上申し上げませんから、ぜひとも局長は今の
制度というものを金科五條のような
考え方でなく、もう一歩憲法の本義に基いて、国民の機会均等の立場に立
つて、
保険制度をどうするかというふうな点についても十分お
考え願いたいと思います。
それから第二番の問題といたしまして、この
法律をこういうふうな形で持
つて来たのでありますが、私はこの
法律は、四億というような大蔵省の
予算を、あなたの方でどういうふうにしたらばうまく割振れるかというふうな形において、
金額の上から
法律を作文したとしか見えないのでありまして、またそういうふうに非常なきゆうくつな
金額の上に、一応りくつを立てて
法律をつくられることには、非常に御苦労なさつたことと想像するのであります。その点は私はよくもこういうふうに苦労して、こればかりの
金額をどうしてわけようかと、りつぱな
法律をつくつたものだと感心しておるのであります。そこでこの問題は、今度の
法律を施行するにあたりまして、各県ごとでもよろしゆうございますが、これらの再建
組合に対して、一つのまとめた指導機関というわけではありませんけれ
ども、県が中心に
なつて、指導
対象というものを一つのグループにいたしまして、たとえば、これは一つ例でありますが、協同
組合の
再建整備に対しては、各県の再建を要する
組合を一つにまとめておるのであります。そして指導をや
つておるのであります。そういうふうな形でこの問題を持
つて行く意思はないか。そういうことによ
つて、お互いに切磋琢磨もできましようし、また指導も万全を期せるのじやないか。またもう一つは、そういうことによ
つて、今度の不必要なというか、申訳的につくつた
法律のどこに抜けがあるか、どこに要望があるかというこの
法律改正の重要な一つの参考
資料が出て来はしないか、こう
考えますので、そういうふうな指導の仕方をする意思はないかということを
お尋ねいたします。