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1952-01-29 第13回国会 衆議院 厚生委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年一月二十九日(火曜日)     午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 大石 武一君    理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君    理事 金子與重郎君 理事 岡  良一君       小平 久雄君    高橋  等君       田中  元君    寺島隆太郎君       中川 俊思君    堀川 恭平君       松永 佛骨君    清藤 唯七君       堤 ツルヨ君    苅田アサノ君       福田 昌子君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 吉武 惠市君  出席政府委員         厚生政務次官  松野 頼三君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     太宰 博邦君  委員外出席者         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 昭和二十六年十二月十五日  委員岡良一辞任につき、その補欠として今澄  勇君が議長指名委員選任された。 昭和二十七年一月二十三日  委員今澄勇君辞任につき、その補欠として岡良  一君が議長指名委員選任された。 一月二十四日  委員武藤嘉一君及び山村新治郎君辞任につき、  その補欠として奧村又十郎君及び小平久雄君が  議長指名委員選任された。 同月二十六日  委員奧村又十郎辞任につき、その補欠として  星島二郎君が議長指名委員選任された。 同月二十九日  委員岡良一君が理事補欠選任された。     ――――――――――――― 一月二十二日  ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する  件に基く厚生省関係命令の措置に関する法律  案(内閣提出第一二号) 昭和二十六年十二月二十日  アフター・ケア施設確立のため旧東京少年観護  所跡譲渡に関する請願松谷天光光紹介)(  第一四号)  国立病院地方移管反対に関する請願河原伊  三郎紹介)(第一五号)  国立都城病院存置請願小山長規紹介)(  第一六号)  国民健康保険に対する給付費国庫負担に関する  請願淺利三朗紹介)(第一七号)  未帰還者留守家族国家補償強化に関する請願  (岡西明貞紹介)(第五二号)  兒童福祉司制度廃止反対請願中島茂喜君紹  介)(第五三号)  母子福祉法制定請願橋本登美三郎紹介)  (第五四号)  生活保護費県費負担制度復活請願神田博  君紹介)(第五五号)  水難救護法の一部改正に関する請願神田博君  紹介)(第六五号)  新潟県下の結核病床増設等に関する請願(稻村  順三君紹介)(第七八号)  遺族援護強化に関する請願塩田賀四郎君紹  介)(第七九号)  食品衛生法廃止反対請願塩田賀四郎君紹  介)(第八〇号)  クリーニング業法廃止反対請願岡西明貞君  紹介)(第九八号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第九九号)  社会保険医療強化に関する請願宇野秀次郎君  紹介)(第一〇〇号) 一月二十一日  兒童福祉司制度廃止反対請願伊藤郷一君外  一名紹介)(第一四四号)  未帰還者留守家族国家補償強化に関する請願  (河原伊三郎紹介)(第一四五号)  インターン制度並びに医師国家試験廃止に関す  る請願岡良一紹介)(第一六二号)  未帰還者留守家族国家補償強化に関する請願  (山口六郎次紹介)(第一六七号)  同(大石ヨシエ紹介)(第一六八号)  理容師及び美容師免許制度廃止反対に関する  請願小平久雄紹介)(第一六九号)  公衆浴場法廃止反対請願川西清紹介)(  第一七〇号)  音別村中音別地区給水施設整備に関する請願  (伊藤郷一君紹介)(第一八九号)  クリーニング業法廃止反対請願栗山長次郎  君紹介)(第二〇六号)  国立病院等地方移管反対に関する請願福田  昌子紹介)(第二二五号)  保月保育所建築費国庫補助請願佐々木盛雄  君紹介)(第二二六号) の審査を本委員会に付託された。 昭和二十六年十二月二十六日  衛生行政機構整備充実に関する陳情書外三件  (第一号)  日本医療団の解散に伴う清算剰余金還元配付に  関する陳情書(第三  七号)  三陸フイヨルド国立公園指定並びに観光国道等  建設に関する陳情書  (第三八号)  柏崎、福浦八景阿賀ライン及び妙高高原の国  立公園指定に関する陳情書  (第三九号)  食品衛生法に関する陳情書  (第四  〇号)  同外一件  (第四一号)  兒童福祉関係費特別補助に関する陳情書外一  件  (第四二号)  厚生省兒童局存置に関する陳情書外一件  (第四  三号)  戦争犠牲者に対する援護策に関する陳情書  (第四四号)  国民健康保険事業強化に関する陳情書  (第四五号)  興行場法廃止反対に関する陳情書  (第四七  号)  旅館業法廃止反対に関する陳情書  (  第四八号)  浴場法廃止反対に関する陳情書  (第四  九号)  厚生資金貸付資金国庫交付金増額陳情書  (第五〇号)  保育所給食存続に関する陳情書  (第五一号)  国立病院及び国立療養所等地方移讓反対に関  する陳情書(第五二  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長選任  昭和二十七年度厚生省関係予算に関する件     ―――――――――――――
  2. 大石武一

    大石委員長 これより会議を開きます。  まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事岡良一君が去る十二月十五日委員辞任されたのに伴い、現在理事が一名欠員になつておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、選任方法につきましては、先例により委員長より指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大石武一

    大石委員長 御異議がなければ再び委員選任された岡良一君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 大石武一

    大石委員長 次に小委員会設置の件についてお諮りいたします。去る二十四日の理事会におきまして、母子福祉についての調査並びに対策樹立のため母子福祉対策に関する小委員会を設けたいとの御要望が強かつたのでございますが、この際小委員十名よりなる母子福祉対策に関する小委員会を設けることとし、小委員並びに小委員長選任に関しましては、委員長指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 大石武一

    大石委員長 御異議がなければ、    青柳 一郎君  高橋  等君    堀川 恭平君  松永 佛骨君    丸山 直友君  金子與重郎君    堤 ツルヨ君  苅田アサノ君    福田 昌子君  松谷天光光君 以上十君を小委員に、青柳一郎君を小委員長指名いたします。     —————————————
  6. 大石武一

    大石委員長 次に、戦争犠牲者補償に関する小委員会設置の件についてお諮りいたします。同小委員会設置につきましては、先般の理事会において、その取扱いを委員長に御一任願つてつたのでございますが、この際戦争犠牲者補償に関する小委員会を設けることとし、小委員及び小委員長選任につきましては、委員長より指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 大石武一

    大石委員長 御異議がなければ同小委員会設置することとし、小委員には    青柳 一郎君  高橋  等君    堀川 恭平君  丸山 直友君    亘  四郎君  清藤 唯七君    岡  良一君  苅田アサノ君    福田 昌子君  松谷天光光君 の十君を、小委員長には高橋等君を指名いたします。     —————————————
  8. 大石武一

    大石委員長 次に、昭和二十七年度厚生省関係予算に関する件について、まず政府より説明を聴取いたしたいと存じます。太宰政府委員
  9. 太宰博邦

    太宰政府委員 ただいま議題になりました昭和二十七年度の一般会計予算厚生省関係につきまして、概略を私から御説明申し上げます。  お手元に差上げましたうちで、三枚ございまして、一つは、昭和二十七年度歳出事項別予算額調というのでございます。それから一つは、そのうちの社会保障経費内訳というのでございます。最後一つは一枚刷りで、遺族援護の費用の内訳、この三つを差上げてございます。最初昭和二十七年度の歳出事項別予算額調と申しますのは、大蔵省から提出いたしました分厚い二十七年度一般会計予算、これの項目だけを便宜書き出したのでございます。それでここでおもなものだけを御説明申し上げます。  これの一番最後を見ていただきますと、厚生省所管合計——これは一般会計だけでございます。——昭和二十七年度予定、査定額とありますのは、要求額の間違いでございますが、七百九億九千四百五十万一千円となつております。前年度が補正予算を含めまして四百六十億一千七百七十七万八千円でございますので、差引き二百四十九億七千六百七十二万ほどふくらんでおる、こういうことになつてございます。この中には遺家族援護関係経費が含まれてございまして、それに伴つてまた一般生活保護費その他の減少などもございます。そういうようなもので増減を差引きますと、約七十億ほどが遺家族関係以外で増になつておる、かようにお含みおき願いたいと存じます。  それで、この項目の中では、大臣官房はいつもの通り格別申し上げることはございません。  公衆衛生費の方では、一貫番号が左にございますが、十一番の受胎調節普及に必要な経費二千二百六十五万九千円、これは人工妊娠中絶その他で母体が非常に傷つけられる、そういうものを擁護する意味におきまして、一歩前に受胎調節を普及するというために計上いたしたのでございまして実施は大体府県の優性結婚相談所を活用いたしまして、ここに指導用の器具、機械を備え、そのほかいろいろな事務費を計上しておるわけでございます。さようなのが合せて二千二百六十五万九千円ございます。それから二十四番の簡易水道新設補助に一億二千五百五万円、これは農村の方に水道を敷くという場合に、従来の公共事業費水道予算では入りませんでしたので、別個に要求いたしまして、これを計上いたしたわけでございます。なおその上の二十二と二十三に水道関係経費が入つてございますが、これは前年度までは公共事業費に入つておりましたものが、今年度からここに一括同様に計上されることに相なつたのでございます。その関係でここに入つております。  それから次をめくつていただきまして、社会局のところに飛びますが、ここの四十五番、四十六番というのが、いわゆる遺家族傷痍者対策経費でございまして、この四十五、四十六、それから四十八の中に若干というふうに各所にわかれておりますので、これは別に一枚刷りのものを差上げましたものですから、そちらで御説明させていただくことにいたします。  それから五十三番のララ救助物資処理、これは従来のララ援助を、今年は大体六月一ぱいで打切る、こういう建前で、そのために大幅に減少しております。  それから兒童局の方におきましては、一般的に例の前々から御援助をいただいております兒童保護費を、平衡交付金から補助金にとりもどすという件は、残念でございましたが、やはりうまく成功いたしませんで、今年度も引続き平衡交付金としてこれを見るということになりましたので、ここでは格別申し上げるようなものがなくなつたのであります。  それから引揚援護庁の方では、大体全般的に引揚げする数を毎年計上してございますが、実績が非常に少いので、今年は一部を一万人としてこれを計上してございます。その関係で庁全体としては減つて参つておりますが、そこの六十八番などにやはり遺家族戰傷病者対策経費などが、そのかわりに入つております。  これで大体その紙は終りまして、遺家族援護経費の一枚刷りちよつと見ていただきますと、そこにございますように、遺家族等援護に要する経費といたしまして、金額は計二百五十七億五千五百三十万九千円でございます。この各費目につきましては、必ずしも厚生省が全部やつておるのではございませんで、三段目の欄に所管別とございますが、この中で厚生省大蔵省、文部省、労働省と各省に分離してございます。この厚生省所管のものだげ合計いたしますと、二百二億六千三百六十四万六千円というような数字になります。それから減少いたします方が、やはり厚生省その他ございまして、厚生省関係だけでは二十三億三千二百四十六万四千円、これが減少になります。それで遺族年金は、一にございますように百五十六億、それから障害年金が十七億九千五百万円、更生援護か七億二千六百万円。この更生援護というのが種々雑多にわかれてございまして、この更生援護七億二千六百六十四万円の内訳ちよつと申し上げますと、このおもなものが五つほどございまして、この中の第一が更生医療、これは傷痍者の方が新しく活動するには、たとえば腕が曲つたきりでは、それ自体は医学的に見ればなおつておることになりましても、活動するという面から見れば、そのままではいけない。それを活動できるようになおす、こういう意味更生医療一億二千四百万円ほどをそこに計上してあります。それから傷演者の方にやはり義肢義足という補装具、これを四億一千万円ほど計上してございます。それから失明した人々を収容いたしまして、これを職業補導なり医療を加えるという意味で、国立光明寮に増設いたしまして、そこに収容いたします経費が二千五百万円ほどあります。それからなお身体障害者につきましては、相模原国立身体障害者指導所がございますが、これを東京都内に持つて参りまして、能率を非常に上げるというための経費が一億一千七百万円ほど入つてございます。それからなおさような方法を用いて極力再起活動をお願いするというほかに、そういう道がほとんどない、国で終生めんどうを見て上げねばならないような方もあると思いますので、そういう方のために保養所国立で設けます経費が四千七百万円ほどございます。そういうものに若干の事務費を加えまして、合計して七億二千六百万円ほどになるのであります。そういうのが、前の欄で申しますと、いろいろなところに盛り込んであるのでございまして、恐縮でございますが、もう一ぺん前のやつを見ていただきますと、社会局の欄の四十五の合同慰霊祭の式典の執行、それから四十六の戰傷病者戰歿物及び遺家族援護に必要な経費、これはこの欄で言いますと、遺族年金障害年金との合計額でございます。それから四十八番の身体障害者保護更生に必要な経費、この中にただいま申し上げました五つのうちの更生医療費補装具経費が入つてございます。それから六十八番の旧軍人戦傷病者戰歿者遺家族等援護に必要な経費、これは事務費でございます。申請が出て参りました場合の裁定及びその支給のための事務費の計上でございます。それから附属機関の方に参りまして、八十九番国立光明寮、それから九十番国立光明寮施設整備、この二つの項目の中にただいまの失明軍人傷痍者収容補導経費が入つてございます。この中には先ほど申し上げました五つのうちの光明寮関係経費が入つてございます。もちろそれ以外の一般の分も含まれております。次に九十一番、九十二番、国立身体障害者更生指導所、この九十一と九十二の中に先ほど申し上げました相模原施設東京に持つて来て能率を上げる、そうしてこういう障害傷痍者を収容するという経費が一億一千七百万円ほど入つてございます。その次の九十三番、九十四番が、ただいま申し上げました再起更生がなかなかむずかしいという方々のための保養所経費でございます。大体そういうふうに分割して入つてございます。  大体そういうようなことになつておるのでございまして、あと第三番目の社会保障経費内訳というところで、その他のものについて、もう少し詳細に申し上げたいと存じます。  この社会保障経費の中で、例によりまして一番最初社会保險経費が出てございます。この中で申し上げまするのは、(一)の厚生保険のところで、まず最初健康保険結核療養所整備費が出ております。これは九百五十床分を整備するという結核対策の一環としての補導所でございます。同じようなものが、社会保険といたしましては、(二)の船員保険の(イ)船員保険結核療養所整備費、これの中に五十ベッドございます。それから(三)の一番下にぺン書きで、(イ)健保組合結核療養所整備費、これが二千床ございます。合せまして、社会保険といたしまして三千床を結核増床として予定してございます。それが第一でございます。  それから第二に事務費は、健康保険事務費が従来十分の八国庫負担でございましたものが、ここでは十分の十と申しますか、まずこちらで査定しました額になりますが、それの全額を見るというようにいたしてございます。健康保険関係給付費に対しまする国庫負担の件は、遂に実現できなかつた次第でございます。  それから一枚めくつていただきました裏に、(四)、国民健康保険補助とありますが、(ロ)保険者補助、この中は事務費及び直営診療所整備費が入つてございます。事務費はすでに前年度から十分の十になつておりますので、格別申し上げることはございません。直営診療所は前年と同様に四億入つてございます。新しい項目はその(ハ)と(二)で、(ハ)の方は振興奨励交付金でございまして、これは国民健康保険組合の中で、財政が非常に困難で悩んでおるのがあることは御承知の通りでありますが、それにつきまして、今後の事業の健全な運営をはかるために、一定基準を設けまして優良なるものを選びまして、そこが保険料を徴収いたします場合に、これを奨励、督励するというような意味合いにおきまして、交付金を国から交付するということで、大体二十七年度以降五箇年間これを実施するという建前なつてございます。大体保険料徴收割合が七割を越えますものにつきまして、その越えた分について、その徴収額の一五%ないし三七%ほどのものを国が交付する、こういうような経費でございます。  それから(二)の再建整備貸付金と申しまするのは、これは過去におきまする赤字の累積のために、軌道に乗らないという団体のうちで、健全なものを選びまして、低利長期融資の道を開いて、その過去における赤字を一挙に解消する、そうして国に対しては少しずつ返還するというような施策でございます。大体一定基準を設けまして、その団体に対しまして二十七年度から二十九年度までの三箇年の間に、その赤字に対しまして一定割合金額を貸し付ける。大体赤字につきまして最高五割を貸し付ける。以下いろいろ段階がございまするが、まず最高五割までを貸し付ける。そうして同額以上のものをその保険者の方において何らかの方法で調達いたしまして、これを診療報酬の未拂いの分についてつまり過去の赤字分について弁済する。こういうように貸付期間を大体五年すえ置きの十年というようなことで、これを貸し付けて行きたい、かような考えでございます。そういうような経費がおのおの四億円余入つてございます。  それから二番目の国家扶助及び社会福祉費のうちで、生活保護費が約三十五億ふえてございます。もつともこれの中には、このほかに遺族対策関係で、約四億円余が減つてございまするので、そういうものを見込みまして、なおかつ三十五億の増というふうに考えてございます。大体この生活扶助の分で行きますと、基準を六大都市で標準の五人世帯で、従来、前年二十六年の八月一日のあれでは六千二百三十一円でありましたのが、二十七年においては大体七千円くらいにするというような含みで基準改訂をやつてございます。その他住宅扶助につきましては、基準を五割ほどよくするとか、それぞれ所要の改正を若干ずつ行つてございます。  それから(二)の施設整備費という欄、これは社会事業施設に対する補助費でございますが、前年三億でありまするものが二億に減つてございます。これは今年度投資的な予算の方針といたしまして、従来の施設整備のうちで補修的なものはこの際遠慮してもらう。それで新設というようなものに力を注ぐということになりました関係上、これが若干減少しておるわけでございます。  それから身体障害者保護、ここでは格別申し上げることはございません。  遺族関係は、先ほど申し上げたところで御説明いたしまして、ここには計上してございません。  それから児童保護費のところで、恐縮でございますが、あわてて印刷いたしましたので、ミスと申しますか、計算漏れがございます。(二)のところに妊産婦乳幼児保健指導補助金、二十七年度が三千三十一万円とございます。これに今年度は新規要求といたしまして、母子歯科衛生の分が通りまして、これが七百八十八万四千円ございますので、まことに恐縮でございますが、そこの三千三十一万を三千八百十九万四千と御訂正をお願いしたいと思います。  それから兒童関係では、社会局施設費と同様、施設費減少しております。(ト)のところに兒童福祉施設費とございます。この児童福祉施設費が、前年度に比較して、五億一千七百万円が三億五千七百万円に減少いたしておるのでございますが、これは社会事業施設と同様、補修関係経費を落しまして、新設関係だけにいたしました関係上、これが減少いたしておるのでございます。  それから(四)の更生資金、これが前年三億が、今年は残念ながら通りません。大体この経費につきましては、過去において貸付額累計が四十億になつております。それでその中にはもうすでに回収されて、再び償還された元金の中から再運用できるものが約七億ほどある見込みでございます。さような点もございまして、今年は新しく国から追加するということは実現しなかつたのでございます。  それからあと公益質屋などは細々と前年程度に入つてございます。  一枚めくつていただきまして、公衆衛生及び医療のところでございますが、この中で保健所につきましては、非常に施設費を削られまして、現在七百二十四箇所ありますものにつきまして、十箇所の新設増を認められた程度に納まらざるを得なかつたのであります。そのかわりに、その内容につきましては、いろいろなレントゲン設備とか、あるいは電気冷蔵庫、あるいはレントゲン自動車、それから普通の自動車というようなものを、それぞれ若干ではございますが、整備として計上してございます。  それから(二)の医療機関整備、ここで医療関係施設を大体一まとめにいたしました。(イ)の公的医療機関は、前年度に引続きまして、八箇所で五千万円、それから(ロ)の国民健康保険直営診療所は、先ほど社会保険の方で御説明しましたので、ここでは再掲というかつことで括弧を付してございます。これは前年度同様四億、それから(ハ)の結核療養所整備、これはあとで申し上げます結核対策の方にございますので、ここは再掲といたしましてやはり中括弧に含めてございます。一応申し上げますと、国立で千五百床、公立で四千床、法人が千五百床、社会保険が先ほど申し上げました合せて三千床、合計一万床となつてございます。  それから(二)の国立癩療養所、これは千五百床の増床でございます。これもあと癩対策の方に一括出ております。  それから精神病院では、地方精神病院の項で五百ベツト、前年と同様に五百ベツトをさらに整備するということになつております。  それから脊髄療養所はごく若干土地の関係がありまして、わずか十ベットだけをふやしております。  以下一枚めくつていただきました(ト)の伝染病隔離病舎整備費、これは前年とほぼ同額でございまして、千九百床を、これは古いものを、何と申しますか、やめて、それをまとめて新しい近代的な伝染病隔離病舎をつくる、こういう経費でございます。  それからその次の(チ)の国立病院移譲整備費補助六億四千四百万円、これは国立病院の中で特別なもの、ないしプロツク的にモデル的なものを除きまして、約六十箇所ほどを地方に移譲したいという方針でございましてそれを移讓いたします際につきまして、その建物が古く、補修を要するようなものがございますので、それの整備費を国から地方へつけてやる、こういう経費でございます。地方の手でそれを建て直してやつてもらう。  それから(1)の国立病院特別会計べの繰入れ、ここにございますのは、整備費だけでございまして、前年度の二億四千六百万円に対して三億四千三百万円。これは病院の建物、看護婦宿舎、看護婦養成所などの増設の経費でございます。  それからその次の三の結核対策。これは前年度が、補正予算を込めまして八十七億九千二百七十四万七千円とございましたのを、本年度におきましては、百三億四千二百九十四万一千円と増になつてございます。備考にございますように、この結核対策というものを、大体全部ここでまとめたのでございまして、内、社会保険増床分は、前に社会保険で御説明いたしましたが、なおこの中に含めて申し上げているわけでございます。その中で(イ)、(ロ)は格別申し上げることはございませんで、(ハ)の地方事業補助、健康診断、予防接種などにつきましては、昨年末におきましていろいろ問題が起きまして、また御心配なり御援助をいただいた項目でございますが、幸いにいたしまして、今回前年度と同じような基準でこれを計上することができるようになりましたことであります。それであとは大体前年とほぼ同様、一番最後の物件廃棄補償費というのに、ごくわずかながら新規に入つております。  めくりまして、次の医療費の中の二行目、医療療育費、もし直つておりませんでしたら医療療養費と御訂正願います。これは特殊医療、ストレプトマイシン、パスあるいは胸部成形手術等の特殊医療に対しまする国の補助でございます。前年の七億三千八百万円は、これは半年分でございましたので、これが年間分になりましたために大幅にふえてございます。それからあとは、これの実施のための経費がそれぞれ入つてございます。  それから(二)の結核療養所経営費、これはそれぞれ国立、公立、法人、こういうものの経営費に対しまして、国の支出する分でございます。国立の分は六十九億、この中にあとで申しますストレプトマイシンの購入費なども含めてございます。  それから(ホ)の結核療養所整備費は、先ほど医療機関の整備費のところで申し上げたもの、それから社会保険で申し上げたものを再掲いたしました次第であります。  次の(へ)、ストレプトマイシンの国家買上げ、これが前年度九億入つておりまするのが、今年度からゼロになつておりまするのは、すでにストレプトマイシンの国内生産が軌道に乗りまして、それに伴い、その経費も非常に安く、現在の三百三十円のマル公で売りまして一向さしつかえないようにまでなつて参りましたものでありまするから、国家買上げをここでやめたわけでございます。そのかわり、先ほど申し上げましたごとく、国立療養所の分は、従来の国家買上げから保管転換をいたしておつたのでありまするが、今度は、それを国立療養所に計上いたしておるわけでございます。  それから四の伝染病予防その他のものをここに一括してございまして、(イ)の国立療養所は、結核だけを抜き出しまして、残りの癩療養所、精神、脊髄というような経費、それから(ハ)の国立病院特別会計への繰入れは、これは経営費の分であります。先ほどのは整備費でございましたが、これは経営費だけをこちらにまわしまして、これの繰入れが若干あつたのであります。  それから伝染病予防費のうちで、これは大体項目に書いてございますように、駐在防疫官事務所の経費、あるいは府県に防疫職員が委託して配置してありますが、その経費などでございます。ただそこで、上下水道整備水道調査費、その次の簡易水道というようなものが新らしくこちらに入つて来てございます。これは先ほど申し上げた通りでございます。  それから(E)の寄生虫予防費の下の地方対策費のカツコ内の内施八百五十万円というのは、例の住血吸虫病の対策としてのコンクリートのみぞをつくる経費でございます。件数といたしましては、前年度五千件のものを一万件、件数が倍にふえておるのでございます。(F)の狂犬病予防費は、今年は平衡交付金の方にこれをまわしてございます。あと格別取上げて申し上げることもございません。それで最後の計の欄で、先ほどの母子歯科衛生のあれが加わりまして、二十七年度四百七十四億六百何ぼとございますのが、また御訂正を願つて恐縮でございますが、四百七十四億一千四百四十四万四千円というふうになてつおるわけであります。  以上きわめて概略でございましたけれども、二十七年度の要求書の厚生省所管内訳を申し上げた次第でございます。
  10. 大石武一

    大石委員長 ただいまの御説明に対して御発言ありませんか。  なお、政府からは松野政務次官、太宰会計課長、小山総務課長が出席しております。
  11. 堤ツルヨ

    ○堤委員 政務次官に、予算のことでなしに、緊急に質問させていただきたいと思いますが……。
  12. 大石武一

    大石委員長 簡單に。
  13. 堤ツルヨ

    ○堤委員 政務次官にお尋ねいたします。ただいま会計課長の御説明の中に、国立病院地方移譲に関する予算が組まれてあるようでございます。けさの新聞を拝見いたしますと、政府はけさの閣議でこれを御決定になるというふうに見たのでございますが、非常にこれは反対運動が猛烈でございまして、政府の方でそういう御意向のもとに予算をお組みになり、閣議で御決定になりましても、都道府県においてこれを受付けないというような問題が起つて来るのではないか、かように存ずるのでございます。もしお譲り渡しの政府の意向が通らなくて、地方が受入れなかつたときに、いかなる方法においてこれを処置なさるおつもりか、政府の御意向を承りたい。
  14. 松野頼三

    ○松野政府委員 ただいまの堤委員からの御発言のように、私たちの方に対しましても、大分いろいろな意見が来ております。ただいま、本日の閣議で決定いたしました地方移管の問題は、あれを推進して行く所存でございます。なお、御承知のごとく行政整理とは違いまして、病院を切り捨てるという問題でなしに、あくまで移譲、移管でありますから、相手があることであり、相手さんと今から十分話をしまして、これからその目的を達成したい、この予算もそのように組んであります。
  15. 堤ツルヨ

    ○堤委員 大体御意向を承りますと、やはりけさの閣議で御決定になつておるようでございますが、地方財政が非常に貧困いたしておりますときに、あのような不完全な国立病院地方へ今日の状態において移讓されるということは、非常にむずかしい問題でございまして、私が先ほど言いましたように、もし受付けないようなことになつたら、最後にどうなさるおつもりか、そこのところを承りたい。
  16. 松野頼三

    ○松野政府委員 相手がありますから、受付けるところもありましようし、受付けないとも言えませんので、受付けるように十分お話をして、受付けていただくつもりでおります。
  17. 堤ツルヨ

    ○堤委員 受付けていただくつもりで、もう予算を維んでしまつていらつしやるところに、少し矛盾があるのではないかと思います。絶対大多数だから衆議院は通るだろうというようなお気持で、こういう横着なことをなすつていらつしやるのじやないかと思いますが、地方の意向をしかと確かめないで、受付けるものやら受付けないものやらわからないものを予算に組んで、今課長が説明をなさるということは、われわれ国会議員としても、厚生省予算だけでも、簡單に通せないような気がするのです。政府次官などは、閣議にオブザーヴアーとしてもおでましになつているのじやないかと思いますが、厚生大臣からどういう意見の開陳があつたのか、聞かせていただきたい。
  18. 松野頼三

    ○松野政府委員 本日、厚生大臣がどういう発言をしたか、残念ながら私は全然聞いておりませんし、また会つてもいません。それから今のお話ですが、一応予算は本年は九箇月ですから、本年の十二月三十一日までの予算を計上しまして、その間に地方と話合いをして行く。御承知のごとく、まだ具体的内容は地方の方も御存じないことが多々ありますし、それから地方の意向も私たち一々ケースケースを当つてみれば、いろいろなことも出て参りましようし、御希望のあるところもあります。ある市では、市会で、たしかこの前は、ぜひ地方に移管してくれという市会決議の行われたところもあるのです。またその前におきましても、どうか地方に移管してくれという陳情もたくさん私の手元に来ているところもある。全然できないという見通しはありませんし、全部できるという見通しも、これは相手方との交渉次第ですからわかりません。しかし一応今から本年中によくお話をして、何とか希望のあるところは四月でも五月でも早くやつて行きたいというつもりでおりますので、どこも全部できるかと言われても、これは交渉次第ですから明言はできません。全部できないという見通しもないのです。できるという見通しのところがたくさんある。一つ一つやつてみますと、案外世間の受けがいいところもあるだろうと思いますから、ただいま反対運動の声ばかり聞いておりますが、賛成運動の声もぼつぼつ出て来ると思います。いずれそのときにぼつぼつやるというつもりで、決心しております。
  19. 堤ツルヨ

    ○堤委員 政務次官のただいまの御答弁でございますが、この問題は大切でございますから、ひとつ大臣が閣議でどういう御発言をなさつて、どういう御意向でおいでになるか。あす、あさつても厚生委員会が開かれますから、この予算の審査をする時間をちよつとさいてもらつて、この問題に触れていただきたいと思いますので、大臣の出席を委員長から要求していただきたい。
  20. 大石武一

    大石委員長 堤さん、この問題はやはり相当関心の高い問題だと思います。近いうちにこの委員会で取上げて、いろいろなことを審議したり、御相談したりしたいと思うのですが、それまで遠い将来ではございませんから……。
  21. 堤ツルヨ

    ○堤委員 あまりあとにならぬようにしていただきたい。——それでは了承いたしました。
  22. 青柳一郎

    青柳委員 私はただいま御説明のあつたうちで、事務的な問題につきまして御質問しようと思います。  まず第一は、WHO、世界保険機関に必要な経費の計算基礎であります。日本の国は、御承知のように平和條約の調印も済ませて、いよいよ平和条約の効力を発することになります。そうしますと、あの平和條約の宣言のうちに、たくさんの国際條約に加入することに相なつております。これらの條約に加入するといたしますと、これらの事務機構に対しまして、これからもいろいろ負担をしなければ相ならぬ、こういうことになると思うのでございます。まず第一にWHOに必要な経費の計算基礎につきまして、御存じならば承つておきたいと思います。
  23. 太宰博邦

    太宰政府委員 これは大体第三番目に出ております五千五百四十万円、この中の大半が負担金でございます。負担金の基礎その他は、実はまだこまかいところの計算ができておりませんので、本日はちよつと申し上げかねます。あとで申し上げたいと思います。
  24. 青柳一郎

    青柳委員 この問題は、それでは後ほど次の機会にお知らせ願いたいと思います。  その次は、国民健康保険振興奨励交付金に関することでございますが、ただいまの御説明によりますと、保険料の徴収成績のいいところに従つて、これが七〇%以上の場合に奨励金を出す。その奨励金のパーセンテージは、七〇%以上の分について一五%ないし三七%という御説明があつたのであります。一〇〇%の場合に三七%というお話でありましようか、その点について承りたいと思います。
  25. 太宰博邦

    太宰政府委員 これは徴収割合七割を超過する額につきまして、かりに百円を徴収しましたならば、こちらが三七%、正確に申すと三七・五%、三十七円五十銭のものを奨励金として交付する、こういうことになります。
  26. 青柳一郎

    青柳委員 それは七〇%以上一〇〇%に至る部分に対して三七・五%、こういうことでございますか。
  27. 太宰博邦

    太宰政府委員 さようでございます。
  28. 青柳一郎

    青柳委員 わかりました。それでは次に更生資金の問題でございますが、本年度はこれはゼロになつております。昨年度は三億円の計上であつた。いかにも本年度はすでに回収されたものを再運用いたしまして、七億円のわくが出るというふうに御説明があつたのでありますが、三億円のほかに回収再運用分を合せまして、どの程度金額が二十六年度にはあつたかということを承りたい。
  29. 太宰博邦

    太宰政府委員 ちよつとこまかい数字を記憶いたしませんが、三億のほかに五億弱ほどの償還のあれがあるということで、大体七億ないし八億のものが総額の貸付になるように記憶しております。
  30. 青柳一郎

    青柳委員 そういたしますと、二十七年度におきましては、二十六年度の分よりも運用せられる金額は減るということに相なるのでございますか。
  31. 太宰博邦

    太宰政府委員 詳細な数字はちよつと持つておりませんが、しかしほぼ同額のものが運用せられるのではないか、かように考えております。
  32. 青柳一郎

    青柳委員 詳細なものの御提示をいずれ願いたいと同時に、二十六年度と同じ程度でいいという御意向は、ふに落ちないのでございます。その点につきましても、またゆつくりお考えの上で御答弁を願いたい、こう存じます。  次に、結核ベツドの増床でございますが、二十六年度におきまして、二十六年以降五箇年で十九万床の計画を立てられたというふうに承つておるのでございます。本年は一万七千床であつたと思いますが、来年は一万床ということは、その十九万床計画に変更があつたのか、この点について承りたい。
  33. 太宰博邦

    太宰政府委員 結核の問題は非常に重要でありますので、あるいは所管者から申し上げた方がいいのではないかと思います。一応私どもが承知しておるところで申し上げますと、十九万床計画というのはかえておらない。大体この結核対策が世人の関心を呼びまして、一般の病院その他におきましても、結核ベツドを建てて行くということで、結核ベツドが非常に伸びております。大体私の方で計算して見ますと、そういうものも込めて参りますと、順調に行くのではないか、かように考えております。
  34. 青柳一郎

    青柳委員 次に厚生省関係の遺族問題に関しまして、別に本日はいろいろと申し上げませんが、ただ事務的に援護という字が使つてあるのでございます。いかにも厚生省所管分といたしますれば、援護ということかと思います。しかしこれはあくまでも広い意味の国家補償の中の狭い意味援護であるのであります。これらの字句の点につきましても、御考慮を願わなければ相ならぬ、こう存ずるのでございますが、これにつきましての御意見を承りたいと思います。
  35. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 私実は参議院の本会議に出ておりまして、遅れて参つてまことに申訳ございません。  先般の内閣の改造にあたりまして、私が大事な厚生行政を兼務することになりまして、今後もいろいろな問題につきまして、皆様方の御協力を仰がなければならないと思いますので、この際ごあいさつを申し上げておきます。  なおただいま青柳委員からお尋ねがありました遺家族に対する問題でございますが、この問題は、根本的に申しまするならば、国家のために犠牲になられた方々に対するものでございまするので、国家として補償すべき筋合いのものと思います。しかしこの根本的な問題をいたしておりますると間に合いませんので、さしあたり政府としては、今回一時金として八百八十億の交付公債を出すことにし、なお予算措置といたしましては、二百三十一億を決定いたしまして、遺族の方の年金を考えたわけであります。従いまして、これはさしあたつてのことでございまするから、基本の考え方はいろいろ考えられるでございましようが、正直に言つて、やはり一時の援護と考えるべきじやなかろうかと思います。従いまして、これを長くこの考えでやる意思はございませんで、近く審議会を設けまして、それによつて基本的な考え方は定めて行きたい、かように考えている次第でございます。
  36. 青柳一郎

    青柳委員 本日は会計課長の事務的説明に対する御質問というふうに承つておりますので、遺族問題に関する論議は、私は将来に残したいと思います。ただいまの大臣の御答弁で一応了解いたしておきます。  最後に一点、ただいまも堤委員がお触れになつたのでありますが、会計課長の説明によりますと、国立病院移譲整備費補助といたしまして、六億四千四百万円が計上された。その御説明の中に、六十箇所を地方に移譲するというお話があつたのであります。六十箇所ということに相なりますと、相当具体的にどしどしと、六十箇所を取上げて移譲するお考えがあるというふうに考えるのでございますが、六十箇所というのは、どういうふうに考えておられますか、その点について承りたいと思います。
  37. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 国立病院移管の問題に関しましては、実は本日閣議で基本を決定をしたわけでありますが、御承知のように、今日九十九箇所国立病院がございます。従いまして、これは社会保障審議会でも、あるいは医療制度審議会の答申にも、そのうち相当のものは地方に移譲すべきではないかという御意見もございましたし、従いまして、今回大体六十箇所ほどを、地方の府県あるいはその他の公的機関に移譲したいと思つております。箇所につきましては、まだ決定をいたしておりませんが、ただ六十箇所以外の二十四箇所につきましては、地方的分布を考えまして、たとえば北海道とか九州、東北あるいは関東というふうな、それぞれの地域で総合的な模範になるようなところを国立で残しまして、総合病院にいたしたい。なお国立でありまする中に、精神病院でありますとか、そういうふうな特殊な病院がございます。これも国家として保存をして行くべきではなかろうかというふうに考えております。なお残留いたしまする中の十五箇所につきましては、結核療養所として国がこれを経営して行くべきが至当ではなかろうか、かような趣旨をもちまして、それ以外の六十箇所につきましては、先ほど申しました府県であるとか、あるいはその他の公的機関と協議の上で移譲をする。決して強制的に移譲する考えは持つておりません。
  38. 青柳一郎

    青柳委員 大体了承したのでありますが、十五箇所を国立結核療養所として残すと言われたのであります。これは初めて承ることです。そううなりますと、ここに結核療養所のベッドの数が相当ふえて参ります。一万床だけではないということになりまするが、そういうことを考えられまして、十九万床計画はそのまま押し通すのだと、こういうふうに言つておられるのかどうか、その点についてお伺いいたします。
  39. 太宰博邦

    太宰政府委員 ただいま大臣が申し上げましたように、十五箇所ほどのものを療養所に転換するということは、私どもの方で計算に入れてございます。
  40. 青柳一郎

    青柳委員 何床でしよう。
  41. 太宰博邦

    太宰政府委員 ベツド数にいたしますと、約千床ぐらいかと思います。
  42. 岡良一

    ○岡(良)委員 ただいまの予算編成の技術的な御説明を承りまして、厚生関係予算が、きわめてわれわれの意に満たないことは遺憾でありまするが、それ将来のわれわれの問題といたしまして、それぞれ委員会においていろいろと要望申し上げたいのです。ただいまの御説明を中心に予算編成の技術的な面について、二、三の疑点でありますので、ただしたいと思います。  国立病院の移管の問題が、今関係者からは非常に注目を浴びておりまするが、前年度の国立病院に対する特別会計の方の国庫の補助と申しましようか、本年度の看護婦養成等に関する補助との間に、格段の開きが金額の上でありますが、これはいかなる理由によつてこういう減額が起つたのでしようか。——厚生省所管、特別会計予算参照書百二十五ページの第三項ですが、歳入の部において一般会計よりの受入れが本年度の予定額が五億八千七百余万円であります。昨年度は十二億九千七百余万円でありますが、約七億近い減額になつておりますのは、いかなる理由に基くのでありますか。
  43. 太宰博邦

    太宰政府委員 この一般会計からの受入れと申しますのは、主として国立病院の特別会計運用上におきまして、赤字が出ると予想せられますものにつきまして、一般会計から、その穴埋めに繰入れておるのであります。最初の出発のときには、御承知の大体二五%ぐらい赤字が出るであろうということで、予算一般会計から繰入れてスタートしたのでありますが、その実施の成績を見ておりますと、予想以上に成績が上りまして、二五%の補助のものが、たしか二〇%に減るとか、一五%に漸次に赤字が少くなつて来ております。もちろんそういう過程をたどりますまでには、いろいろ整備いたしましたり、またそれぞれの病院施設がくふういたしまして能率を上げよという問題もございます。明年度の分につきましては、やはり明年度予想せられます歳入、これは先般改正になりました保險の一点単価の引上げの問題、それから入院料の点数の引上げの問題、そういうものとからみ合せて考えまして、それから歳出の分につきましては大体やはり所要のまかない費の増その他を考えて計上し、差引きこれだけのものが赤字として繰入れを要する。この五億八千七百万円の内訳は、先ほど社会保障経費の中で申し上げましたように、そのうちの大半は整備費補助で、残り二億四千万円ほどが経営費の赤となつております。こういうふうな状況でございます。いずれにいたしましても、前年度より今年度の一般会計繰入れが減りましたのは、さような意味合いにおきまして赤字が減る見込みである、こういうところからこれが出たのでございます。
  44. 岡良一

    ○岡(良)委員 国立病院赤字が減つたとおつしやいましたが、しかしわれわれが国政調査に参つて、国立病院の職員諸君あるいはまた患者諸君に聞きましても、実際入院患者のまかないなり、また光熱費の問題なり、あるいは予算定員に非常に足りないというような病院があつて、国立病院としての公共的な機能においては、決して国立の名にふさわしい機能を発揮しておらないというのが事実であることは、厚生省もよく御存じの通りであると思う。しかも、かつてわれわれが、特別会計か、独立採算かというときに、あくまでも国立病院は国の公共的な医療施設としての十二分な運営を期待するということで、二割五分の国庫補助等を條件といたしまして、これは特別会計ということで、あくまでも国の公共的な機関としての運営に十全を期したいという念願からああいう取扱いになつたということも、御存じの通りと思うのであります。してみれば、かりに国立病院の、あるいは保険単価の値上りとか、入院料の値上り等によつて多少の収入増があつたといたしましても、従前通り国立病院としての公共的な機能に十二分な熱意を政府として拂われるならば、單に帳面の上で収入がふえたからというので、それをそのまま差引くというような取扱いは、われわれとしても納得できないのであります。国立病院というものに対して、またその果しておる今日の社会環境の中における機能に対して、一体厚生省はどういう考えを持つておられるのかという点も、あわせてこの機会に大臣から承りたいと思います。
  45. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 ただいま国立病院に対する考え方のお尋ねがございましたが、これは今のお話にもありましたように、やはり特別会計でできるだけ独立採算でやつて行きたいと思つております。しかしながら、事の性質上、普通の事業とは違いますので、もしそれに対して非常に困難であれば、一般会計から繰入れることは当然であろうと思つております。ただあまり一般会計に依存をいたしておりますと、これだけのたくさんな病院を国がかかえ込んで行くということは困難でありまするので、できるだけ独立採算で行く。もしやむを得ぬときには一般会計から繰入れる、かように考えております。
  46. 岡良一

    ○岡(良)委員 国立病院の点は、これ以上のことは政策の問題になりまするから、一応また今後の問題として保留いたします。  先ほど会計課長の御説明で、健康保険の一点単価の値上り等も考慮して、国保の財政で赤字部分については、特定な国保の組合等については、多少赤字補填のための国の補助と申しましようか、融資をするという御説明がありましたが、さようでございますか。
  47. 太宰博邦

    太宰政府委員 岡委員のおつしやつたのは、多分再建整備貸付金のことだろうと存じますが、これは国民健康保険組合が、過去の赤字の累積のために悩みまして、これを軌道に乗せることができない、その過去の赤字をいかにして解消するかという対策のために、その一定の条件を満たしたものにつきまして、赤字の二分の一以内を長期融資する、こういうことでございます。
  48. 岡良一

    ○岡(良)委員 この予算面に出ておる数字、それは別といたしましても、戰傷病者及び戰没者遺族等援護法案というのが、いただきました国会提出予定法律案の中に含まれでおります。これはまだ総司令部とも折衝しておらないということがこれに書いてありまするが、財政法上からいつても、この二百三十一億という、戰傷病者なり戰没者の遺族に対する障害年金あるいは遺族年金等の支給というものは、やはり法律ができて、法律に基いて予算を要求されるのが、財政法上からいつても、正しい取扱いではないかと思います。この点について非常に前後の感がありますが、その辺の呼吸をひとつ承りたいと思います。
  49. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 お話ごもつともでございますが、戰争犠牲者に対する援護の法律は近く提出するつもりでございます。従いまして、予算予算として別に御審議を願いまして、そのうちに法律も出しまして実現をはかりたいと思つております。法律を先へ出してからということになりますと、なかなか予算が遅れますので、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。  なお先ほどお尋ねのありました国民健康保険の問題でありますが、これも今回予算措置を若干講じておりますが、御承知のように、単価引上げによりまして、健康保険及び国民健康保険については影響するところがございます。そこで調べますると、健康保険の方は、事業主と労務者と両方の掛金を建前にしておりまするので、標準報酬の値上り等で大体経営ができる見込みであります。国民健康保険の方は、御承知のように農村その他の部落等を中心にした保険でございまして、いわゆる事業場を対象とした事業主という立場のものがございませんので、経営が困難でございます。従いまして、今回の予算措置としては、滞納等のために困つておるときには、その徴收を督励する、そうして再建整備を行う。これはちようど農協について一時困りまして昨年農協再建整備を行いましたが、それと同じような構想で、まじめに努力されて再建整備されるものには、四億何がしかの金の範囲内で融資をして、長期間にこれを貸し付けて再建整備する。同時に、成績のよいものは、奨励金を別に四億幾らか出しまして、そうして医療費を、表向きに国庫負担はいたしませんけれども、あらゆる努力を講じまして、負担のやりくりをしよう、かように考えております。
  50. 岡良一

    ○岡(良)委員 国保なり健保なりの医療給付費は、二割国庫負担ということは、申し上げるまでもない。一昨年十月の社会保障制度審議会も、また昨年十月の審議会の第二次勧告でも強く要求されておつたことであつて、これがそのような実質的に使われる費用でありながら、再建整備費というような、きわめてぬえ的な表現で出されることは、われわれも非常に納得しがたいのですが、それはさておいて、それでは会計課長に承りますが、結核病床の昨年度の増床計画は、実際においてどれだけできましたか。年度末までにどれだけできますか、計画通り行きますか。
  51. 太宰博邦

    太宰政府委員 国が補助いたします分の中で、ちよつと数字の持合せがございませんが、保險と公立の分は若干下まわるんじやないかと思つております。そのかわり、公益法人のものが案外伸びておるようでございます。それから先ほどちつと申しましたが、一般のそういう補助対象外の病院などにおきまして、結核ベツドに振りかえるとか、あるいは増床した場合に、それを結核にまわすとか、それが若干伸びているようでございます。本年度末がどれくらいになるか、はつきりした数字はございませんが、大体二十五年度末に比較いたしますと、たしか予算では一万七千床ほどの増をお願いしておつたと思いますが、一万七千を若干上まわるだけのものができる見込みでございます。はつきりした数字はまだわかりません。
  52. 岡良一

    ○岡(良)委員 今度も結核病床の増床の計画が予算に盛られておりますが、こういうふうに放漫なインフレ政策の時代だと、どうしても予算単価が上つて、結果として計画数に達しないという結果になるということでは、日本の現在の結核の実状では、やはり療養所のベッド数というものの増床が緊急の急務の一つなつておりますので、そういう事情があつたら、厚生省としても力強く予算を追加いたしまして、計画の病床を確保するという方針を、国の計画の線において特に重要に推進していただきたいということを希望いたしておきます。  それから次官にお伺いいたしますが、先般理事会において、いわゆる厚生省原案なる遺族並びに戦傷病者に対する援護についての案というものを、文書によつて全常任委員に配付をしていただきたいということを、委員長から伝えられてあるはずでありますが、いまだにわれわれ入手しておらないのです。これをいついただけるのであるか、この点をまず承りたいと思います。
  53. 松野頼三

    ○松野政府委員 お答えいたします。厚生省案なるものは、現実に作成されておりません。おそらく省内で知つている者はおりません。ただお聞きのように橋本厚生大臣が所管大臣として、橋本さん自身でいろいろな数字を計算されました、その手伝いはもちろん事務官がしたかと存じますが、その手伝いの途上でいろいろ世間に数字が出たので、正確な数字が出たことはございません。そういうふうに、この問題は橋本さんが所管大臣として、及び橋本個人として非常に奮闘され、自分で起案されたことは事実でありましようが、はなはだ残念ながら——閣議でもちろん討議されましたろう、しかしその討議の内容は私もそこにおりませんし、聞いてもおりません。たまたまこういう意見も言つたというかいつまんだ話は聞いておりますが、会議の内容もあまり聞いておりません。あのときは橋本さんが厚生省案なるものをぜひつくりたいということでありまして、作成いたしましたならば皆さんに御配付し御協力願う所存でありましたけれども、実は厚生省案というものもできないうちに、御承知のごとく閣議でりつぱな政府案ができましたので、これをひとつ御審議願いたい、こう考えております。
  54. 岡良一

    ○岡(良)委員 それは非常におかしな話で、昔、西尾個人か書記長かという話がありましたが、少くとも閣議において国務大臣橋本龍伍氏として御出席の上、しかもその結果が、是非は別といたしまして、ああいうような結果になつたというところまでの、やはりちやんと一本の線は出ておるのであつて、これを主務大臣として、かつ国務大臣としての橋本龍伍氏が閣議において主張されておるということは、はつきり新聞紙も報道し、日本中が知つておることなので、こういうものが——これは何もわれわれがそれにたてついてどうというのではないですが、やはり今後小委員会等が設けられてこれを審議する場合にも、非常に参考になるものなので、これが橋本個人の案というふうな、ぼやつとした形でうつちやりを食わせるということは、次官、どうですか、もう少し愼重にやつていただきたいのだが……。
  55. 松野頼三

    ○松野政府委員 ちようどその話のように、現在はあの当時伝えられました厚生省案が実はかわりまして、橋本個人案になつておるのです。そこのところは御承知のごとく橋本大臣か橋本個人かという問題になりましようが、現在はどうも私がここで御答弁いたしますならば、橋本個人案でありまして、大臣もおやめになつていらつしやいますし、厚生省案とは私も申し上げかねます。
  56. 岡良一

    ○岡(良)委員 それはまあそれといたしまして、さつきも申し上げたように、根拠法規が出ていないで予算が出て来る。そこで障害年金は特別項症五万六千円では少いから十万円にしろ、あるいは遺族年金基本金は千円では少いから二千円にしろと、委員会がそういうふうにかりに修正した場合、やはり大臣なり次官としては、やめることばかりが芸ではないので、あくまでもそれを実現してもらうという含みを持つてもらうためには、根拠法規のない予算を出されるということは、非常に大きな拘案をわれわれの審議権に加えることになる。そういう点で、これはやはりこの予算の説明がありましたが、一日も早く根拠法規を出していただいて、それに十分なる審議を加えて、その上で遺族年金が二千円か三千円、障害年金最高十二万円という線を出したら、大臣も次官もあくまでもこれを閣議で実現していただくように努力してもらうという意味で早く出していただきたいということを、この際強く御希望を申し上げたいと思います。
  57. 松野頼三

    ○松野政府委員 私は包み隠して言葉巧みに逃げておるわけではありませんし、私がただいま申しましたのは、御承知のごとく、いろいろな案がたくさん出ておりましたし、もちろん政調会内におきましても高橋案、小平案とか、いろいろな案があるわけであります。私たちの省内におきましても、橋本さんがいろいろな案をおつくりになつて、それを持つて来て、今度の閣議ではこの案を説明される、次の閣議ではまた新しい進んだ案をお考えになつたでしよう。それは閣議の模様ですから、私は内容は存じませんが、そういうふうに党内でも各種の案ができましたように、橋本案にも、私は実にかわりがあるだろうと思う。結局その案がまとまらないうちにああいう事情になりましだのですから、橋本個人案とはどれかといわれましても、ただちにお答えができませんし、厚生省案はどれかといわれましても、実はこれだという決定案が出て来なかつた。党内におきましても、御承知のようにいまだに各案があるだろうと思う。こういうわけで、私は率直に申しまして、どの案を出せといわれましても、私としてははなはだ申し上げにくいのです。それでいろいろな案が出ますならば、数字の方は私の方の援護庁でありますから、各委員はその数字を十分研究されて一番よい案を御討議くださることを、私は希望したいのです。
  58. 金子與重郎

    ○金子委員 私は今の遺家族の問題は、後に別な機会に質問申し上げようと思つたのですが、今次官のお話を聞くと、何だか一向に要領を得ませんので、お尋ねいたします。予算もここに出ておつて、そうしていろいろな案があるけれども、これからきめるのだということでは、一体予算の数字はどこから割出したか、今、岡委員の言うと同じように、この金額はどういうふうな方法で支出するために組まれたか、それを私ども知らぬことには審議はできないじやないか。これが一つと、もう一つ質問するのは、なるほど橋本案だとか、あるいは自由党の政調会案だだとかいろいろなものがある。お話を承つておりますと、そういう話でありますが、しかしこの厚生委員会として正式にこれらの遺族援護に関する小委員会を設けられまして、二十数回の会議をいたしまして、その結論を厚生委員会の全体の決議として、政府には出してあるはずだと思うのでありますが、それらは、一体今度の政府がつくろうとしておる案に対して、どの程度で参考にされたのか、その点をお伺いしたいと思います。
  59. 松野頼三

    ○松野政府委員 ただいまこの数字に出ております案は、これはきまつております。私が申しましたのは、この前に橋本大臣が在任中の案がどうだつたかという御質問に対して、実はいろいろな案があつて、本人としてもどの案だという決定がなかつた、この点だと思います。ただいま金子委員の御質問の、この予算に計上してある金額は、これは近々のうちに御説明できます。二段階にわけて御説明をお聞き願いたい、こう考えております。
  60. 金子與重郎

    ○金子委員 遺家族の小委員会の審議というものは、どういうふうに取扱つておりますか。
  61. 松野頼三

    ○松野政府委員 これも特に尊重いたしましたので、政府ではもう一度強く主張する意味で、広く各界に拡げた審議会を設けるという結論になつたわけであります。
  62. 金子與重郎

    ○金子委員 これは少々意見になると思いますが、今まで厚生行政の問題で一番がんになつた問題は、專門委員会と称するやつが一番にがんになつておりまして、この委員会といたしましても、幾度かそういうことを経験しているのであります。この厚生委員会は、私は厚生行政に関する国会における專門委員会だと思う。それを一つの部門の問題が起るごとに、エキスパートと称して特殊な人を政府指名して、その委員会がこうだというふうに、その案を厚生委員会に押しつけるというふうな形のものがあつて、ときどき摩擦をしておりますので、これは今後のためにこの機会に一応私は次官に御注意申し上げておきたいと思います。  それから、国民健康保険の問題でありますが、去る国会におきまして、衆議院において全会一致、国民健康保険に対して医療給付費の一部を国家が補助する、二割以上の補助をせよということが決議にもなつておるのでございます。多分その決議というものは、厚生省も尊重されてその意図に基いて予算の折衝に当つたと思いますが、当時の厚生省が、その医療給付の一部国庫負担の問題について要求しました金額は、幾らになつておりますか。
  63. 太宰博邦

    太宰政府委員 国民健康保険医療費は、大体二割を補助するものとして、五十一億という数字で要求いたしました。
  64. 大石武一

    大石委員長 金子君、大分きようの御質問はこまかい点に入つて来ましたけれども、実は明日各局長を呼んでその局のこまかいところをやりたいと思いますから、もしそういうふうにわたるのだつたら、明日にまわしていただいたらいかがですか。
  65. 金子與重郎

    ○金子委員 いま一つです。そこで、この五十一億、これは次官にお伺いした方がよろしいと思うのでありますが、こういう国会の決議によつて要求しましたものが、大蔵省の査定の結果、全面的にこれはなくなつたにひとしい——まあここに四億何がしというものがありますが、そういう結果になる、国家がこれを出せないというような意見の主なるものは、どういう点が問題でありますか。
  66. 松野頼三

    ○松野政府委員 一番大きな問題は、財政の問題であります。もう一つは、国民健康保険の徴収率におきましても、相当努力はされておりますが、調定額の百パーセント徴収までには行つておりませんので、まず保険実施という意味から、調定額の百パーセント徴収目標とともに、これに対して奨励金を出したい。まず自主的な徴收をしていただきたい。なおかつ今度の奨励金は、これは確かな国の出費であります。こういうところから発足しております。
  67. 金子與重郎

    ○金子委員 そういうふうな、一つには金額でありますから、予算の総額というふうな、金額の問題として、当然しわ寄せられたということも考えられますが、もう一つには、国民健康保険の徴収率並びにこの保険が自主的でなければならないというような見解から、もし次官がそれを了承されたということであるとすると、ここに非常に大きな問題があると思うのであります。なぜならば、一体保険と申しまするけれども、純粋なる保険であるならば、国民健康保険のように、その組合員の資産割合を主として、徴収するなんということは、おそらく意味ないのでありますから、これは保険の形をこそとつておるけれども、町村自体が一つのグループをなしまして、そこに社会保障をやつておるようなものなんです。要するに、所得のたくさんある人から税金の形においてとる。もしこれがほんとうの自主的な相互保険だという性格で行くならば、そういうふうな所得による徴収というものは、もつと低くあるべきものであります。人だれでも病気するのでありますから、若干の給與というものを受ける、あるいは収益にもつて行つてかけることはやむを得ませんが、今の国民健康保険のように、財産なり収益率というものを重点に置いてやることは、純粋な健康保険ではなくして、むしろ国でやるべきことを、財政の貧弱は町村が社会保障をやつておるようなことになるわけであります。そこの性格を考えたときに、單にこれは自主的にやるべきだということに行くならば、これは今後の問題に対する考え方を、従来よりは根本的に考え直さなければならぬと思います。その点、次官はどういうふうにお考えになりますか。
  68. 松野頼三

    ○松野政府委員 私も、自主的ばかりで行くべきであるという考えは持ちませんし、ただいまの答弁も、実はその意味でありまして自主的ばかりでやつておるわけでもありません。政府としましても、事務費全額国庫負担もやつております。また再建整備貸付金も組んでおります。できるならば内容的にも自主的な最大の努力をしていただき、なおかつ足らないところは国で負担をする。本年はこの両面の促進をやりたい。費目も御承知のごとく奨励金という名前のものもございますが、これはりつぱな国の出費でございます。
  69. 金子與重郎

    ○金子委員 個々の問題に対する次官のお考えに対して、これからしばらくの間いろいろとお伺いしなくちやならぬ問題がありますので、この問題についてもぜひとも納得の行くまで何かの機会に次官のお考えをお聞きしたいと思いますから、宿題にしておきまして、きようは時間がずれておりますから私の質問を打切つておきます。  もう一つ、これは委員長にお願いしておきますが、厚生大臣に対しましても、厚生大臣の根本的な厚生行政に対するお考えを伺う機会をほしいと思いますので、明日の委員会にはぜひ大臣の御出席を願えるようにお願いしたい。
  70. 大石武一

    大石委員長 かしこまりました。
  71. 苅田アサノ

    ○苅田委員 詳細なことは次の機会に譲りまして、私は予算の資料につきまして追加したいのです。それは今度いただきました予算には、厚生省の要求した案が出ていないのですけれども、これは前々年度にいただいた予算には、ちやんと厚生省が幾ら幾ら幾ら要求したということが出ておるのです。やはり厚生省の問題は、予算をとるということで盡きると言つてもいいようなことなんですから、やはり予算には厚生省がどれだけのものを要求したとかいうことがないと、私どもとしても非常にやりにくいわけなんです。ですからぜひ厚生省案を出していただきたいと思うのです。
  72. 大石武一

    大石委員長 それは先月委員会を開いたときに配つたはずですよ。それが今度査定になつておるのですから、それと合せたらわかることと思います。  本件につきましては、まだ御発言も多いことと思うのでありますが、明日も再開して、細部にわたつて審議いたしたいと思いますので、今日はこれで一応散会いたしたいと思います。  明日は午前十時より開会いたします。     午後零時三十一分散会