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1952-05-19 第13回国会 衆議院 建設委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十九日(月曜日)     午後一時五十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 田中 角榮君    理事 村瀬 宣親君 理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       宇田  恒君    上林山榮吉君       小平 久雄君    瀬戸山三男君       内藤  隆君    西村 英一君       福田 繁芳君    増田 連也君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君  出席政府委員         総理府事務官         (特別調達庁労         務部長)    中村 文彦君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君  委員外出席者         総理府事務官         (特別調達庁労         務部次長)   山田 二郎君         建設事務官         (大臣官房文書         課長)     小林與三次君         建設事務官         (住宅局住宅企         画課長)    鬼丸 勝之君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 五月十六日  飛島村、南陽町間日光川に逆潮止樋門設置に関  する請願(江崎真澄君紹介)(第二七六九号) の審査を本委員会に付託された。 同月十七日  住宅建設事業に対する補助増額陳情書  (第一九二二号)  災害復旧工事財源措置に関する陳情書  (第一九二三号)  非常災害に対する法制整備に関する陳情書  (第一九二四号)  河川水利使用許可権の国に移管反対に関する  陳情書(第一九  二五号)  農地、開拓地の接収並びにその使用に関する陳  情書(第一九二六  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  日本国との平和條約の効力発生及び日本国と  アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に  基く行政協定実施等に伴い国家公務員法等の  一部を改正する等の法律案内閣提出第一七八  号)  建設省機構改革に関する説明聽取の件  国土総合開発に関する件     ―――――――――――――
  2. 田中角榮

    田中委員長代理 これより建設委員会を開きます。  本日委員長が不在でありますので、私が暫時かわつて委員長の職務を行います。  まず日程に従い、日本国との平和條約の効力発生及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。法律案につきましてはすでに質疑が終了いたしておりますので、討論に移りたいと存じます。西村英一君。
  3. 西村英一

    西村(英)委員 私は、ただいま上程せられておりまする法案につきまして、自由党を代表して賛成意見を述べるものであります。  安全保障條約第三條に基きまして、行政協定実施をいたしまする場合に、従来連合国軍の需要に応じましたところの労務者、いわゆる連合軍労務者を、このたびの行政協定実施に伴いまして駐留軍労務者といたし、従来これら労務者国家公務員としての取扱いをいたしておつたのでありますが、これを国家公務員としての取扱いをせずに、この法律によりまして特殊の取扱いをしようということは、真にやむを得ないものであると思うのであります。その意味におきまして、私は本法律案賛成をいたすものであります。ただ本法律案附則の第三項によりますれば、連合軍労務者であつて條約の効力発生の日におきまして引続いて駐留軍労務者となつたものに対しましては、駐留軍労務者を退職する場合に、国家公務員として在勤した期間中の退職手当を、国家公務員として在職した期間中の退職手当でありますから、そのときに支拂うのが至当であるわけであります。しかしながら、本法律案によりますれば、これは一応計算をいたしておいて、そうして実際に退職したときに支拂おうというものでありますが、政府至急予算措置を講じまして、もし本人希望する場合におきましては、この保留いたしておりまするところの退職手当を、本人希望に従いまして支拂いし得るような処置を私は講ずべきである、かように思うのであります。従いまして、私は賛成條件といたしまして、本案の成立は非常に急を要するのでありますから、ひとまずこれを認めるといたしましても、今申し上げましたように、労務者がその退職手当を不時の自分災害、病気その他に備えようというようなときには、これの支拂いをいたすというふうに取扱いをすることを希望いたしまして、本案賛成するものであります。
  4. 田中角榮

  5. 村瀬宣親

    村瀬委員 私はこの法律案に対しましては、改進党を代表して、一応賛成意見を申し述べておきます。しかしながら、この法律案自体は非常に不合理な條項を含んでおるのでありまして、退職手当を、五分の利子をつけてそのまましばらく置いておくというような例は、今までどこにもありません。警察予備隊等におきましても、当然この秋には、一応すべてに退職金の六万円を出して、そうしてあらためて他の給與その他が発足することになつております例に見ましても、これは一旦こういう切りかえを行う以上は、当然退職金はその場で支給すべきはずのものであります。従つて計算だけしておおいて、五分の利子をつけるというような先例を開くことは、これは法律案として、まことに首尾一貫しない、一つの瑕瑾のある法律であります。でありますから、私がこれは強力な希望意見を付して賛成せざるを得ないというのは、このためであります。そこで特に政府はこういう問題に対しましては、せつかく独立したのでありますから、もう少しずつきりとした姿で、退職金についてあいまいな姿を残さないように、至急予算措置を講じまして、この附則の第三項は第三項としておいて、ただちに国民に明らかな、すつきりした感じを與えるような処置をとるという、強力な希望意見を付して賛成をしておきます。
  6. 田中角榮

    田中委員長代理 これにて討論は終局いたしました。ただいまより本案につき採決いたします。  本案原案通り可決するに賛成の方は、起立を願います。     〔総員起立
  7. 田中角榮

    田中委員長代理 起立総員。よつて本案原案通り可決することに決しました。  次にお諮りいたしますが、本案に対する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。     —————————————
  9. 田中角榮

    田中委員長代理 次に建設省機構改革に関する件について調査を進めます。  この際お諮りいたします。先ほど懇談の席上申しました通り建設省設置法の一部を改正する法律案が、内閣委員会審議にかかつておるのであります。当委員会といたしましては、重大なる案件でありますので、連合審査要求をいたすつもりでおりましたところ、当該委員会にかかつております付託案件が非常にたくさんありますために時間的な余裕なしとの回答を得ましたので、当委員会としては、次のごとく内閣委員会に対し、修正意見を申し述べたいと思います。修正案を朗読いたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案建設省設置法の一部を改正する法律案の一部を、次のように修正する。一、第五條の二を、第五條の三とし、第五條の次に次の一條を加える。第五條の二、建設省技監または技術総監一人を置く。二、技術総監は上官を助け、建設省所管行政にかかる技術を掌理し、かつ第十條第一項に規定する会議を主宰する。  以上であります。以上の通り内閣委員会要求いたすことに御異議ありませんか。
  10. 上林山榮吉

    ○上林山委員 建設省設置法案はきわめて重要な案件でありますので、当委員会において、建設大臣に対して私は建設行政一般に関する問題として先般の委員会において発言をしたのでありまするが、その発言の際において、ただいま伝えられておる設置法は、まとまつた案ではないし、結論でもないのである、よつてできるだけ正しい輿論を背景にして、これが改正をするつもりである、こういう発言建設大臣からあつたのであります。そのときの発言の内容について、私が特に強調した問題は、今日日本行政を見てみると、農林省行政は、不満足ながらも相当よくやつてつておる。建設行政も部分的には飛躍して来たが、まだまだ道なお遠しの感がする。それで特に私は都市行政に対するところの政府考え方を是正しなければならぬ。そういう立場から設置法改正の、伝えられる案を見ると、都市局を廃止して計画局ということになつておる。これはわれわれとしては、文化中心であり、しかもその及ぼす影響のはなはだ大である都市行政というものに、政府が冷淡な態度をとつておるかのごとく見えるから、その点どうだということを、その当時も主張したのでありますが、この点に対しては、まだ案が固まつていないのであるから、善処するとの大臣答弁であつたと私は記憶するのであるが、ただいま出されている案は、その当時自分らが危惧した通りそのままの案が出ておる。こういう意味において、私はこういう部分的な單なる修正に対しては反対である。もう少し根本的な修正をなし得るような処置を当委員会としてとつていただきたい、こういうふうに考えるのであります。そこで連合審査会を拒否されたとするならば、もう一応連合審査会を開くようにするか、さもなければ、もつと徹底した修正案を出すようにするか、あるいは委員をさしくりしてもいいから、内閣委員会にわれわれの有志委員が入つて、そうして適当な方法をとるなり、もう少し私は積極的な態度をとつてもらわなければならぬ、こういうふうに考えます。だから本日この案を、わずか一技監を置くというような、こういう微温的な案を修正案として出すということは、当委員会の慎重さを欠く問題だと考える。むしろ私どもは、この都市局の問題は、これは都市庁を設置して——農林行政では、御承知通り食糧庁長官がおり、林野庁長官がおり、水産庁長官がおる。しかるにわが建設、省において、しかも近い将来国土省的性格も含んで来ておるこの際において、私はまずそのうちの一番重要である都市局を廃止するなどということは、言語道断であり、むしろ飛躍して、都市庁を設置すべきであるという全国的運動が展開されておる。これは全国市長会及び全国戰災都市市長会、こういうものどもが満場一致可決して、政府にただいま猛烈な陳情をしておる際であります。そういう意味合いからいたしまして、私はただちにこの案を修正案として出すことに反対であります。できるだけ委員長において、急ぐことなくひとつ善処せられるような方法を講ぜられることを希望いたしまして、私の一応の意見を終ります。
  11. 田中角榮

    田中委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止
  12. 田中角榮

    田中委員長代理 速記継続。ただいま建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会から内閣委員会修正申込みをいたそうといたしましたところ、上林山委員より別の修正意見がありますので、本意見統一をして、しかる後に当該委員会に申込むことにいたします。  では建設大臣が出席せられましたので、建設省機構改革に関する件及び国土総合開発に関する件につきまして質疑を続行いたします。
  13. 上林山榮吉

    ○上林山委員 建設省設置法の一部を改正する法律案について建設大臣質疑を試みたいと思います。過ぐる当委員会において、私は建設行政一般についてという質問の中で、建設省設置法の一部を改正する法律案の問題について質疑を試みたわけでございましたが、その際管理局河川局道路局都市局住宅局、これを計画局河川局道路局住宅局営繕局、こういうふうに改めるというふうに世間に流布されておるが、この点はどうか、こういう質問をいたしました。ところが当時の事情を明らかにする意味で申し上げますならば、大臣はこれに対して、そういう話はまだまとまつていない。御意見のある点は考慮して、できるだけその意に沿うた案を出すべく政府は努力するつもりである、こういう趣旨の御答弁であつたのでありますが、私の当時考え通り、ほとんどその当時用意されていたであろうところの案が今日設置法案としてここに出ておりますが、これに対する事情はどういうふうであるのか。私が当時指摘した通りになつておるにかかわらず、大臣は何がゆえにあいまいな答弁をされておつたか、この点をまず承りたいのであります。
  14. 野田卯一

    野田国務大臣 ただいまのお話の点は私も若干記憶があるのでありますが、お尋ねになりました当時におきましては、いろいろ論議されたり、研究過程にあつたと思います。
  15. 上林山榮吉

    ○上林山委員 当時は論議の過程にあつた、しかし発表せられた案は当時も今もかわりはないのだが、その間の事・情はどういうわけです。
  16. 野田卯一

    野田国務大臣 発表せられた案というのは、まだこのころなかつたのではないかと思うのであります。何か新聞がいろいろ書いたとかいうようなことはあつたかと思いますが、まだ発表された案というものはなかつたと思います。
  17. 上林山榮吉

    ○上林山委員 新聞の記事とこの設置法改正案とが偶然の一致であつた、こういうふうに言われるのですか。
  18. 野田卯一

    野田国務大臣 私はその当時の新聞がどういうふうに書いておつたか、今よく記憶いたしておりませんが、まだ発表はしておらなかつたと思います。
  19. 上林山榮吉

    ○上林山委員 私が具体的に、計画局河川局道路局住宅局営繕局、こういうふうになるのだと言われておるがそうかと言つたのに対して、そういう話はまだない、速記録を私持つておりますが、そういうふうに言つておられる。そのときにも申し上げた通りこれから私申し上げますが、まず住宅局営繕局とをわけた理由、これはどういうわけでわけたか、この点を伺いたい。
  20. 野田卯一

    野田国務大臣 住宅局営繕局をわけたと申しますが、営繕部は御承知のように管理局の中にある営繕部であります。住宅局住宅局として今あるわけであります。一緒にしたらどうかという議論はありましたが、しかしそれは途中においていろいろな案が出たことは御承知通りでありますが、住宅重要性から見て住宅局営繕重要性から見て営繕局を設けることにいたしたのであります。
  21. 上林山榮吉

    ○上林山委員 住宅局営繕局一緒でよろしい。理由は、名前が悪ければ住宅営繕局でもいいし、場合によつて仕事の性質上建築局でもよろしい。われわれはこういうふうに考えておるのでありますが、これをわざわざ二つにしなければならないほど大きな局であるかどうかという点をまず考えると同時に、何がゆえに今まで都市局というものがあるか。全国二百七十七都市ありまするが、この都市行政は、御承知通りに、ある意味においては日本のその地方々々の文化中心でもある。これがうとんせられておるということは、われわれはまことに遺憾にたえない。農林行政はこれもまだ不満足ではあるが、都市行政に比較してみますと、相当これは充実しつつある。しかしながら日本都市は、ごらんの通り戰災を受け、災害を受け、しかも部市計画等も実に不十分なときであります。私は吉田内閣が今までの内閣に比較して、都市行政に関心を持ち、仕事をし、予算を組んだことは知つておりますが、しかしながら先ほど申し上げた農林行政に比較して見る場合に、まだまだ不徹底のうらみのあるこの際に、何がゆえに都市局を廃止するのであるか、われわれは政府意思がわからぬ。少くとも農林省には食糧庁長官があり、あるいは山の問題は林野庁長官があり、海の問題は水産庁長官がある。そういうような見地から考えますと、われわれといたしましては、少くとも都市行政に対しては都市庁長官を置く、それくらいの考えをもつて善処しなければ都市行政の充実というものはできないと私は思います。こういう観点からいつて、何がゆえに都市局というものを廃止したか、われわれは大臣意向がわからぬ。この点をひとつつておきたい。  なお、つけ加えて申し上げておきますが、本問題は全国市長は全部反対であります。同時に全国市会議長大会も全部反対全国戰災都市の大会も全部反対であるという意向をつけ加えておきますが、まず政府意見伺つた上で、われわれは当委員会了解を得て修正案を提出したい、こういう意向を持つておりますので、單にこれは質疑でない、真剣な考えを政治的に含んでいるのだという意味でお答えを願いたいと思います。
  22. 野田卯一

    野田国務大臣 今度の機構改革でまとまりました最後案で、今御審議願つておりますのは、管理局というものがなくなりまして、その仕事二つにわかれておることは御承知通りでありまして、管理局の中には、今営繕部というものが五課を擁してたいへん大きなのがぽかつと入つておるわけであります。これは非常に不自然があると思いまして、今後官庁営繕統一をやろうということを政府では企てておるわけであります。その手始めといたしまして、最近におきましても、営繕局定員は、ほかの方はみんな仕事が減る傾向にあるにもかかわらず、営繕局定員は六百二十五名増加になつておるわけでありまして、今後官庁に関する営繕はここに統合して行きたい、こういうふうに考えておるのでございます。従つて仕事もどんどんふえております。そのために営繕局というものを設けたい、こういう趣旨であります。営繕部が出ましたあと管理局には大体国土総合開発計画の問題、それから建設業取締りの問題、あるいは建設機械の問題が残る。この建設業建設機械というような問題につきましては、これは建設行政全般に関連する問題でありまするから、これを官房で取扱うということにかわつて来ております。そういたしますと、あと国土総合開発、要するに国土計画仕事が残るわけであります。その国土計画仕事都市仕事と、このものを合せまして計画局というものにしたわけであります。でありますから、今度できます計画局というものは、都市が非常に大きな部分を占めているわけでありまして、都市計画、そういうものがこの局の大きな仕事になります。それからもう一つ国土総合開発計画国土計画、こういうものがこの局の中心をなして運営される。こういうことになると思います。
  23. 上林山榮吉

    ○上林山委員 むしろ計画局は将来の問題を考え国土計画局、こういうふうにするのが建設省性格からいい、将来性からいつて、われわれはその方が正しい、その方がまた時代の要求に応じた組織である、こういうふうに考えておるのであります。ことに国土計画都市計画とを一緒にするという問題は、考えようによつては一応そう見られるけれども、本質的には必ずしもそうじやない。新たにこれからどこかに国土計画の上において港をつくるとか、あるいは新たに広い野原に新しい都市建設するとかいうのとは非常に趣が違うのでありまして、そういう意味からいつて、われわれはむしろ国土計画局をつくり、そうして都市庁を置き、住宅局営繕局は同じ性格のものであるから——違うといえば違うが、七分通り同じである。だから建築局というふうに改めて住宅営繕の両方やつて行ける、また行かなければならぬと私ども考えておる。だから当時私はこういう問題について一応の予備的な質疑応答を申し上げておつたので、政府側においても相当御研究になつたであろうと思うし、また当委員会に対しても大臣等から親切な説明があり、あるいは懇談会でも開いて、ひざをつき合せて当委員会意見を聞くというような態度をもつて進まなければ、これは仕事としてはわれわれの仕事になるのでありますけれども審議内閣委員会が主体になつてやらなければならない制度になつておる関係からいたしまして、われわれといたしましては、かゆいところに手の届かないような気持がして、まことに遺憾に考えておるところでありますが、それであればあるほど、当委員会としては、政府がもう少し懇談会でも開いて、こういう事情でこうやりたい、皆さん意見はどうかというように、もう少し砕けた懇談というか、あるいは立案に対する予備的知識というか、そういうようなことをお考えにならなければ私はうまく行くものじやないと思います。だから当委員会皆さんがどういうふうに御理解くださるかわかりませんが、われわれといたしましては、この案に対して政府が御修正意思がなければ、当委員会といたしまして修正方向に持つて行きさたいということを考えておりますから、事前に政府了解を得ておきたいと考えます。
  24. 村瀬宣親

    村瀬委員 先ほど大分審議がスムーズに行かなかつたようでありますが、建設大臣もおいでになりましたから、私はこの建設省設置法の一部改正についてのお尋ねをいたしてみたいと思うのであります。  結論から申しまするならば、まず建設大臣がお認めになつて出されたこの案で、最もわれわれの不服といたしまするところは、日本で特に国土開発が大事であるにもかかわらず、何人も認めておる欠陷技術を尊重しないしないことはないでありましようが、そういう傾向がある。これはあらゆる部面において、そう言えるのでありまするが、特に土木建設建築、いわゆる建設関係において、こういう傾向が多年あつたということよりいたしまして、われわれは建設事務次官のごときは、技術者をもつて充てるべきであるということを、当委員会においてもずいぶん論議して参つてつたのであります。ところが岩沢技監次官を兼ねておりまするのが初めての技術次官でありまして、それがおやめになりますと、またいわゆる事務屋次官となつてつた。それにはいろいろ理由もあるでありましようが、そういう伝統的なわれわれの考えに逆行いたしまして、技監というものもやめてしまうということは、少くとも理由のいかんにかかわらず、技術者を尊重しないというような感じを與えて参るのであります。これは一体どういうところからそういう考えが出たのであるか。これは前田委員から前にお尋ねになつたと思いますが、もう一度お伺いいたしたいのであります。  それから先ほど林山委員は、住宅局営繕局とは一つでもよいというような御意見もありましたが、そういう見方もできる。私たちの感じといたしましては、これは分離すべきである。そうして営繕局というものは、確かに国費を有効に使う意味において、今までにすでにつくつておらなければならなかつたと思う。これは当委員会でも、国家的な営繕統一ということは多年にわたつて主張して参つたのであります。これがばらばらになつておるがために、どれだけ国費が損しておるかということは、幾らでも例があります。そこで私は営繕局をつくることには賛成であります。ただこれは本質的に、かつて大蔵省営繕管財局というものがありまして、統一をしておりましたが、そういう関係と、今度できる営繕局とはどういう関係になつておるか、大蔵省営繕管財局にそのまま復帰するような考えのもとにやつておるのであるかどうか、もつと大きなものであるか、あるいはそれよりは小さいものであるか、方向は同じであるか、あるいはどこかかわつたところがあるのか、これを私は伺つておきたい。それが第二点。  第三点といたしましては、住宅局の問題でありまするが、今後日本福祉国家建設して行くにつきまして、一番大事なことは住居の問題であります。衣食足つて礼節を知るといいますが、衣食は一応——根本的解決はいまだしでありますが、目先だけの解決はややついた形であります。もつとも食糧問題は一歩掘り下げてみますると、これはなかなか重大な問題で、決して解決も何もできておらないのでありますけれども、ただ目先だけを考えてみますれば、一応衣も食も何とかなつた。ところが衣食住の住だけはますます窮といいますか、逼迫の度を加えておるのでありましてあるいは結婚難といい、あるいはもろもろの青少年の不良化といい、すべて多くの社会問題が住居の不足に端を発しておるのでありまして、住宅をいかに国民に與えるかという点が、これからの大きな民主安定の根源になると思うのであります。この意味において私は、住宅局営繕局と切り離して、大きな一つのものをつくつておかねばならないと思うが、政府のお考えになつておる住宅局ではまだ小さ過ぎる。もつと大きな構想を立てねば、なかなか住宅問題は解決しないと思うのであるが、これに対してうんと大きな、推進力のある、政治力の発揮できる、いわゆる国民住宅問題解決にこたえ得るような大住宅局をお考えになつておるかどうか。言いかえますならば、これを建設省一つの外局として、大きな住宅政策を推進する御意思があるかどうかという点をお尋ねいたしたいのであります。
  25. 野田卯一

    野田国務大臣 三点の御質問でありますが、技監制度の問題につきまして、一般的の方針といたしましては、今回政府の行います行政機構改革におきましては、技監と事務次官と並列したような形になりまして、責任の関係が必ずしも明瞭でないような制度は、各省にわたりまして全面的に廃止せられたのであります。建設省におきましても、技監という制度があつたのでありますが、全体的の方針に従つてやめたのであります。それにかうるに——私は技術を尊重しないという意味では全然ないのでありまして、むしろ今までよりもつと技術を尊重したい、あるいは建設省の持つております技術のブレーンというものを最高度に発揮したい、こういう希望を持つておりまして、この点は村瀬委員と私はまつたく相通じておると思います。そこで技監制度は廃止するが、これにかうるに、技監制度の持つておりました最も必要な技術を尊重し、かつ最高度に発揮させるにはどういうふうにしたらいいかということを研究いたしました結果、技術最高会議というものを今度建設省において新しくつくることにいたしまして、建設省部内の技術の最高峯を集めまして、打つて一丸として今日の問題を取上げまして十分検討する。そして結論を出し、それに従つて行く、いわゆる総力を結集するという形をとつたわけであります。今までの技監制度は、正直に申しまして必ずしもそういうふうに動いておらなかつた技監というものは個人になりまして、この人がたとえば道路の專門家である場合、あるいは港湾の專門家である場合、あるいは河川の專門家である場合、といろいろ專門にわかれておりまして、村瀬委員承知通り技術家が万能であることはなかなかむずかしい。そこでどちらか專門の方が技監になりまして、その人が統べるというのも一つ方法でありましようが、あるいは道路とか河川であるとか、港湾であるとか、その他建築であるとかいうような最高峯をすぐつて最高会議をつくり、ここで十分討議をして遺憾なきを期する、こういうふうに行くのも一つ方法だと私は思いまして、この後者の道を選んで技術を大いに尊重して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。また建設省の事務次官技監をもつて充てたらどうかということにつきましては、私はあくまで適材適所主義をもつて次官建設行政の上においていかなることを果さなければならぬかということを勘案いたしまして、適材をもつてつて行く方針をとつて行きたいというふうに考えておる次第でありまして、むしろ技監であるとか事務事官であるとかいうようなことにはとらわれないで、最適任の人をもつてこれに充てる、こういう方針を堅持いたしておる次第でございます。  次に営繕局考え方でありますが、これは村瀬委員賛成してくださいまして、私たちの気持をよくわかつてくださつて非常に満足するわけでありますが、ずつと昔には、御承知のように大蔵省営繕管財局がありまして、その中が二つにわかれておりました。今の営繕局に当る部分と財産管理局に当る部分と二つの局にわかれておつたのであります。今考えております営繕局は、営繕管財局に対する工務部というものに相当するのであります。営繕は、私は今後なおふえて行くと考えておりまして、着々として——各省まだ終戰前後の一種の異常なアブノーマルな状態から、営繕統一されておらない、ばらばらになつていましたが、だんだん秩序が回復し、各方面で物が秩序的に行われるようになつて来るにつれまして、営繕建設省営繕局統一すべきだという方向に今力強く足を踏み出しておる、こういうわけであります。  第三点の住宅局の構想であります。これを建築局にするという考えもあつたのでありますが、住宅政策の重要性にかんがみまして、これを局として今後力強く推進して行きたいと考えている次第であります。これをさらに拡張して住宅庁あるいは大きなものにするかどうかということにつきましては、外局というものでは、結局真の意味におきまして行政力が強くならぬ、これは過去の実例が示しております。むしろ内局にしてそれを力強く推進して行くのがよろしい、こういうふうに考えているわけでありまして、別に今大きく外局にするという考えは持つておりませんが、重点を置いてやつて行くということは考えているわけであります。なお住宅の問題は、單に役所だけでやる、あるいは役所がもちろん指導の地位に立つてやりましようが、同時に民間の力を百パーセントあるいは百二十パーセントに活用して行くということを考えまして、政府と相応じまして住宅問題解決に力強く進んで行く民間の団体をたくさん設けまして、それとかたき提携をしてこの難問題の解決に邁進いたしたい、こういうふうに考えている次第であります。
  26. 上林山榮吉

    ○上林山委員 営繕局の問題について村瀬委員から、これが全国的に統一される問題であるならば賛成であるというような意味質問があつたようであります。私も政府機関を全部統一する、こういう意味であれば半ば賛成でありますが、私どもの聞いたところによりますと、警察予備隊には建設部というものをつくり、さらにまた鉄道は、公社ではあるけれども考えようによればまだ純粋の公社ではないのであるが、その方面にも独立したものを持つており、さらに特別調達庁の変形した存在もまたこれを許す、こういうふうに聞いておる。そういうようであれば、われわれは建築局という名前のもとに住宅政策も重大であることは知つているのでありますから、この段階においては、これを一緒にしてやつた方がかえつて合理的に能率を上げ得るではないかという趣旨を含んでの私の質問であつたのでありますが、営繕局の構想範囲というか、その程度を私が今指摘したものははずれるのか、そういうものも中に入つて統一をとるのかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
  27. 野田卯一

    野田国務大臣 営繕局の所掌事務でありますが、これはただいま申されましたように、政府あるいは政府関係機関の全体の営繕というところまでは行つておりません。もしそれをやつて行きますと厖大なものになるわけでありまして、人員からいいましても、何からいいましても、たいへんな仕事になるわけであります。それがはたしてよいか悪いかということについても特殊な研究がいると思います。一般的な建築は、これは営繕局に極力集中して行こう、しかし特殊なものが中にはあるわけでありまして、特殊なものの建築につきましては、必ずしも営繕局統一するがよいかどうかという点について相当考慮を要すると思います。特殊なもの、しかも厖大な量に上つているというようなものにつきましてこれを統一することはどうか。たとえば国有鉄道というものがあります。国有鉄道に関するものは営繕局が全部こちらで引受けるかどうかということにつきましては、慎重に考慮をしなければならぬと考えております。專売公社の工場等につきましては、相当部分営繕局において取扱つて行けると思いますが、仕事の内容の許す限りにおきまして、できるだけ集めて行きたいというふうに考えております。ただ営繕関係仕事につきましては、特殊なものやいろいろな関係がありますので、それらを漸次整理しつつ統合をはかつて行きたい、こういうふうに考えております。  警察予備隊の関係につきましては、警察予備隊は、今度保安庁ということになるのでありますが、保安庁の機構の中におきましては、当初の案に工務局というものがありましたが、それは審議過程において、建設省営繕局へやればよろしいということで削除になつて原案はそうなつて出ているはずであります。それから特調におきましても、一時特調が警察予備隊の仕事をやつたらどうかという議が出たのでありますが、これも閣議で否決されまして、それは建設省営繕局にやらせるということになつております。
  28. 村瀬宣親

    村瀬委員 先ほど建設大臣の私に対する御答弁について、もう一度お尋ねをいたすのであります。野田大臣も、技監を廃止するのは必ずしも技術を軽んずる意思では毛頭ないという御答弁でありましたが、私はその点は非常に技術を軽んずるようにとれるのであります。なるほど技監を廃止しても最高技術会議というものを持つて、專門の港湾あるいは建築、土木の一つでなしに、全部を集めてその任務を遂行するという点をお述べになりましたけれども、そうなりますと、かえつて力は分散して弱まるのであります。機構だけがいたずらに大きくできましても、実際の技術の活用という面が、いかにも稀薄になつて参ります。現に日本学術会議というものがあつて、その選挙によつていろいろ專門々々の学者、いわゆる技術者も出て来ておるのでありまするが、それらが施策面に強力な効用をなすかどうかということは、まだあまりはつきり表明されておりません。ことに何々監という通産省その他のものと違いまして、この内務省時代からの技監というものには、長い伝統もあり、また運用も十分有効に行われて参つているのでありまして、今までの国土建設行政というものは、実はこの技監制度の実施によつて非常に負うところが多かつたと思うのであります。ただいまの御答弁によりますると、一人では全部兼ねられない。港湾專門もあれば、道路專門もあれば、河川專門もあれば、建築專門もあるから、それらのものがすべての技術の最高峰を持するのには運用上どうか、というようなお話もありましたけれども、それはたとえば東大の総長を選ぶ場合にも、あるいは理科からも出るでありましようし、あるいは文科からも出るでありましよう。それは一つのそういう制度、機関でありまして、機関としてはそういうものが何から出ようとさしつかえないのであります。従つてそういう機関をここに置いておくということが、技術を尊重する具体的な現われともなるのでありまして、それを最高会議というようなものにしてしまうということは、いかにも技術がぼやけてしまうという感じがいたすのであります。それらに対して大臣はどういうお考えを持つておられるか。とかく委員会とか何々会議というものは、ただ漠然と大勢の者が集まるだけで、強力な施策面の指導ということは困難でありますが、その点をどのようにお考えになつておるか伺いたいのであります。  それから営繕局は、かつて大蔵省営繕管財局の工務部に相当するという御答弁でありましたが、それでは昔の営繕管財局仕事が、現在どういうふうにわかれておるでありましようか。私は昔の営繕管財局というものは、なかなかよい仕事をしておつたと思うのでありますが、それが大蔵省でどういう仕事にわかれるか。今度建設省営繕局ができて、どういう仕事の区分になるかという点を、もつと具体的に伺いたい。と申しますのは、昔の営繕管財局の工務部のような仕事だけでは、せつかく営繕局を設けましても、上林山委員が言う通り技術だけならば、そこに建築局を置いて住宅局とくつけてもよいではないかというような意見も起り得る余地が生ずるのでありまして、いわゆる昔の営繕管財局、もちろん大蔵省の財産管理というところまで建設省が立ち入ることはできないと思うが、そこらのあんばいをよくして、有機的に何らか活用する方法があるのではないか、そこで初めて営繕局の存在の効用が生ずるのではないかと思いますので、この点を特に伺つておきます。
  29. 野田卯一

    野田国務大臣 技監制度にかえるに技術の最高会議をもつてするという点につきましては、私は、その構成並びにその仕事の範囲、あるいはそれに具体的になる人々の関係からいいまして、必ずや緊密にしてかつ有効なる運営が期し得られるというふうに考えております。建設省技術に携わつている人々は、おのおの最もよき技術建設にもたらしたいという熱意に燃えております。その点におきまして、この熱意を持つた人々の数も、そう多くはありません。こういう人の結集でありますので、選挙によつてやる学術会議、ああいつたものとは性格を全然異にしております。十分村瀬委員の御期待のような成果を必ず達し得るのではないか、こういうふうに私は考えております。  それから営繕局考え方でありますが、現在の設置法では、大蔵省に管財局というのがありまして、国有財産を管理しておるわけであります。この国有財産の管理ということと営繕ということは、多少関係がありますけれども、さほど不可分的な関係ではないと考えておるのであります。なお営繕につきましては、ただ建てるということではなしに、りつぱなものを、しかも官庁営繕法というのは御承知だと思いますが、官庁営繕法等によりまして、各官庁の建物を規制し、かつまた日本の現在にふさわしい建物を秩序的に建てて行くという大きな目的を持つておるのであります。技術の点におきましても、後世はずかしからぬ、りつぱなものをやりたいと考えておりますが、同時に各官庁を通じまして均整のとれた建物を建てたい、こういう点も十分考慮して行きたいと考えておるのであります。
  30. 村瀬宣親

    村瀬委員 そこでお尋ねをしておきますが、今の法務府、昔の司法省には特殊な営繕の人員がおつたと思うのであります。たとえば刑務所等は普通に建築しては困るからとかいつて、それぞれの機関を持つてつたと思うのであります。また文部省も、そういう建築関係の機関を相当持つてつたと思うのでありますが、この営繕局が新たにできますと、そういうものは全部統一されるのでありますか、伺いたい。
  31. 野田卯一

    野田国務大臣 法務府関係営繕でありますが、これは法務府では相当やつているわけであります。この点につきましては、二十七年度においては、役所と役所との申合せなり、あるいは予算編成等の過程におきまして、大体これだけのものを法務府でやるという話合いができておりますので、それによつてつて行かざるを得ないかと思います。しかしながら、二十八年度以降におきましては、この問題を営繕統一の観点から十分考えまして、どうしても法務府——今度は法務省になりますが、法務省自体でやることが必要なものを除きましては、営繕局統一したい、こういうふうに考えておるわけであります。  それからなお文部省でやつております学校営繕につきましても、これは一時的な現象といたしまして今文部省でやつておりますが、文部省では御承知のように、それをやるために教育施設部という独立した部が管理局の中にありましたが、この施設部を廃止いたします。しかし仕事は、二十七年度の仕事はやはり向うで大部分やつて行くということになつております。それはそれで行きますが、将来の方向といたしましては、文部省でなければ困るという特殊なものを除きましては、漸次営繕局の方に持つて来るように話を進めたい、かように考えております。
  32. 村瀬宣親

    村瀬委員 次に住宅局に対します先ほどの御答弁によりますと、外局は必ずしも力が強まるものではないという考えを持つておるというような御答弁でありました。私たちの考えといたしましては、たとえば水産局よりも水産庁なるものが力が大きく、林野局よりも林野庁が力を発揮しておる、こう思うのでありますが、大臣のお考えは一体どこにあるのでありましようか。そうして住宅問題は非常に大事だ、民間をも総動員してやらなければならないほどの大問題だという観点は、私と同じだと思うのでありますけれども、何といいましても今日の情勢では、事は急を要するのでありまして、いかに政府が力を入れても、ここ三年や五年では、三百数十万戸不足しておる日本住宅が完全に解決することは困難であります。そういうわけで、政府の総力をあげて熱意を示さなければならぬと思うのでありますが、これを外局にしても必ずしも力が大きくならないという点は、私は承服できないからその御説明を求めるのと、また何とかして一つ住宅省とまでは行かないにしても、きわめて大きな力をここに結集して、住宅問題解決に熱意を示すという点についての御構想があれば伺つておきたいのであります。
  33. 野田卯一

    野田国務大臣 繰返して同じことを申し上げるようでありますが、やはり住宅問題の重要性ということは、われわれも十分に承知いたしておりまして、それがために大いに努力をしたいと考えておるのでありますが、それを実行すべき機構といたしまして、住宅局を外局にするかどうかということについては、私は疑問を持つておりまして、先ほども申されましたように、政府なら政府全部の力を結集しなければならないということは、御説の通りでありますが、まず全政府の力を結集し、あるいは全国民、官民を通ずる力を結集する前に、建設省として住宅問題に全力を結集する必要があるのではないかと思うのであります。私の記憶では、昔の外局と、国家行政組織法における外局とは違うのでありまして、外局はかなり独立性を持つておるわけであります。でありますから、建設省の外局とすることは、建設省から非常に離れるということが考えられるのであります。離れなければ外局にする意味がない。ところが住宅局仕事は、建設省の他の行政と非常に関係もあり、かつまた大臣次官などが一生懸命に力を注がなければならない、全責任をもつて予算をつぎ込まなければならないという性質のものだろうと思います。従つて外局にして別の長官を置きますと、これは長官大臣と対立するという意味ではありません。もちろん大臣長官を任命するわけでありますが、人事の問題とかいろいろな点におきまして独立性を持つてしまうのでありまして、私はかなり離れるようになると思います。それよりは大臣あるいは次官一緒になつて、がつちり行くという方が強く行くと思います。そういう関係から行きましても、外局よりは内局に大臣としては重きを置くというわけでありましようし、次官でも当然そういうことがある。私は仕事重要性からいうならば、むしろ外に出して関係を薄めるというふうに行かないで、みずからの内局に包攝して、大臣次官以下これにうんと力を入れて行くことがいいのじやないか、少くとも現在の国家組織法においては、それがいいのではないかと考えておるのでありまして、重要性については決してこれをないがしろにする意味ではないので、十二分の力を注いで行きたい。大臣次官が体当りで向つて行くというような考え方で行きたいと思つておるのであります。
  34. 村瀬宣親

    村瀬委員 営繕局住宅局の問題はその程度にいたしまして、次にお尋ねいたしたいと思いますのは、野田さんが建設大臣に御就任になりまして、大体国土省の当委員会における構想に御共鳴になりました。そうしてその後他の省からいろいろ誤解されるほど、建設省の拡充については御熱意を示されて、われわれは野田大臣を超党派的に支持して参りました。ところが現在こういうふうに建設省設置法改正されて参つたのでありますが、あの当時御熱意を示された、いわゆる川の源から海に達するまでの一つ建設行政、砂防関係はすべて建設省で責任を持つという思想、それからその末端であるところの港湾についても、むろんこれは以前に内務省時代には内務省に所属しておつたのでありまして、これはむしろ戰時中に一時ちよつと運輸省に間借りしたというか、軒を借りたというだけの問題であつたのでありますが、これらに対しましては、その後どういう経過と、お考えに変更があつて、こういう案になつたのであるか。また今度はこうして置くが、一年あと半年あとにはこういうふうにするつもりだという構想があるのかないのか、そういう点について伺つておきたいのであります。
  35. 野田卯一

    野田国務大臣 ただいまの国土省の構想につきましては、御承知のように、二十四年に設けました行政制度審議会の答申の中にも、国土省の案が出ております。また吉田総理の要望に基きましてつくられた政令諮問に関する委員会の答申におきましても、国土省というものが出ておるわけであります。従いまして、行政機構改革を現段階において考えるとなりますと、そういう点に当然触れて参るのでありまして、国土省をつくるという考えも一時存在したわけであります。考え方としては、なかなか筋の通つた、いい考え方だと思つておるのでありますが、まだ今日におきましては、いろいろ各方面に対する関係におきまして、十分まだ熟しておらない点があると考えられるのでありまして、今後この問題はさらに検討を加えまして、将来どういう形になりますか、とにかく水に関する行政というものの首尾一貫した全き運用を期したいというふうに、何らかの方法でそうしたいというように考えておるわけであります。
  36. 村瀬宣親

    村瀬委員 水道問題の建設省と厚生省の共管とか、砂防関係林野庁というような面とは、なるほどそのあり方が違うにいたしましても、港湾関係におきましては、何人も自明の理だと思うのでありますが、これはどうだつたのでありますか。
  37. 野田卯一

    野田国務大臣 港湾につきましても、港湾建設と港湾の運営というからみついておる問題がありまして、御承知のように、港湾法というような法律もできておる今日におきまして、かりに運営と建設を切り離す場合におきましても、やはり十分なる検討を遂げなければならぬ、こういうふうに感じておるのであります。
  38. 上林山榮吉

    ○上林山委員 大臣に伺いたいのは、営繕局は、これは行政を主としてやる局ではない。行政といえば行政のうちにも入るかもしれぬが、これは行政をやる局とは思えない。行政国民に対して直接やるものを主としなければならぬということは、御承知通りでありますが、そういう観点から行政をやらなければならない都市局などを廃止して、行政は従でいいところの営繕局を置いたというこの感覚、しかもそれが先ほど村瀬君、私の質問通り統一的に国の建物等の建設を一元的にやるという行政能率の上から改革するというのであれば、これは一歩下つて賛成したいと思うのだが、どうもそういう趣旨でない。主として行政をやらなければならない、しかも三百七十七の都市行政はほつておいて——内容の上においては、ほつていない、こう言うけれども、形の上においてほつておるという感覚を国民に與えるということは、私は為政者としてよほど愼重に考えなければならぬ点だ、こういうふうに思うのですが、この点はどうですか。
  39. 野田卯一

    野田国務大臣 営繕局の取扱う仕事は、国家営繕統一機能の発揮ということでありまして、これも局は直接民間には触れません。民間に触れませんが、官庁相手に、あるいは政府機関を相手にする仕事でありまして、その統一をするということが行政の内容になるわけであります。御承知のように官庁の中にも、直接民間を相手にやつておる仕事もあれば、役所中の役所といわれておる主計局のごときは、何ら民間を相手にしません。役所を相手にして、しかも一番重要な局になつておる。そういう意味におきまして官庁営繕全体を統括して行く営繕局というものもやはり存在の理由が十分あるのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。  それからなおその他の御指摘のいろいろの点がありましたが、今後運営におきましては、十分営繕局にふさわしいものをやつて行きたいと考えております。  それから都市局につきましては、都市行政の実態、内容といいましても、都市行政そのものは、御承知のように主として建設行政、しかも都市計画というものが中心になつて行くのであります。こういう点につきましては、今後計画局の大きな分野を占めて都市計画としてそういうものを局が統括して行く。決して都市行政そのものをないがしろにしておるわけではなしに、今後の都市行政の実際については十分やるように考えております。
  40. 上林山榮吉

    ○上林山委員 私も営繕局が全然行政ではないとは言わない。主として行政は内輪の問題よりも、そとに対しやる行政が主でなければならぬ。機構改革はそういう点に重要を置いてやつた方がいい。内輪の問題は、たとえばこれはほかの局に併合してつけても、内輪の問題として処置できる。国民にわかる行政国民と直接関係のある行政機構改革は、ここを重点に置かなければ私はポイントが違うと思う。ただ單に長い聞役人生活をした感覚から、いわゆる内輪の行政行政の主たるものであるという錯覚に陥りがちなのでございますが、そういう方向に持つて行くということは、政治家としては考えなければならない。私は見解が違うわけでありますが、さらに私も先ほど指摘し、村瀬委員も同じ趣旨で指摘したのでありますが、国土省をつくり得なかつたという事情は、機が熟さなかつたという点も私ども承知しておる。しかし先ほども申し上げた通り大臣からは明確なそれに対する答弁はなかつたが、計画局という漠然とした局をつくつて、その中に三百七十七の都市行政を含む、あるいは国土計画仕事もこれに含むというのでは、これは一歩退却どころではない、三歩も三歩も退却した構想である。だから私は計画局を何がゆえに国土計画局とでもしなかつたか。国土計画局にして何かさしつかえがあつたのかどうか、そこまではやつていい問題だと思つておるのだが、これに対してのいきさつの説明を願いたいと思います。
  41. 野田卯一

    野田国務大臣 国土計画局として都市計画を含めるという御趣旨かと思いますが、国上計画局と申しましても、現在の建設省の内部におきましては、国土計画局という一つの局を設けるということにつきましては考えておらないわけであります。やはり国土計画を担当するの二、三の部課で担当する。それと都市計画等を合せて一つの局部とする、こういうふうに考えております。
  42. 上林山榮吉

    ○上林山委員 どうも私の質問に対してはつきりお答えにならないのでありますが、私の言うのは、国土省をつくつて行政を一元的にやつて行く、水の源から海までを国土計画的にやつて行きたいという構想を示された場合に、われわれも積極的にこれを支持して来たわけであるが、それは大臣村瀬委員に対する答弁通り、機が熟さなかつた、近い将来そういうふうにして行きたいという意図のあることはわれわれも了とし、またそれを支持するのであるが、その前提としてというか、あるいは一歩下つた案というか知らないが、現実的に考えても、将来の問題を含めて考えてみても、建設省のあるべき性格というものを何も現わしていないのじやないか。この改革案を見ると、ただ営繕局ができただけ、そうしてあいまいな名前を使つた計画局というものができただけであつて、これで機構改革であるとか、あるいは設置法改正であるとかいうことには、われわれはあまりにも内容がなさ過ぎると思う。こういう意味合いにおいて申し上げておるのであるが、国土計画局をつくり得なかつたいきさつ、それがつくり得ないのだということは、ここに出ておるのだから、わかつております。だが、そこに至るいきさつ、それは何があつたのかということです。それは全然不適当であると思つたから、やらない、こういう考えであるのか、その点を明確にしてもらいたい。
  43. 野田卯一

    野田国務大臣 将来のことは別といたしまして今回の行政機構改革にあたりましては、国土計画局をつくるというまでには至らなかつたのであります。
  44. 西村英一

    西村(英)委員 村瀬さん、上林山さんからたびたび同じことを繰返されて大臣の御答弁もこの辺で大方わかつたと思います。大臣はこういうぐあいに考えておられるのではないか、少し考え違いをしておるのじやないかと私は思うのです。それでとにかくこのたびの設置法改正行政簡素化の線に沿うたのだから、局をあまり置くというのは、五つの局を現状で置くか、四つにするか、これは縮小することになるわけで、はなはだむずかしいことになるのでしようが、結果的に現われたところを見ますと、従来の五つの局がやはり五つの局になつて、結果的には都市局が消えて営繕局ができた、これは今までの方の言われた通りであります。そこでやはりわれわれが考えることは、大臣官庁営繕に身を入れておつて都市計画は従になる、気持の上ではそうではないと言うておりまするが、そういうことが現われておる。そこで大臣が何に迷わされたか、私が忖度して申しますと、官庁営繕法ができた、従つてある程度の官庁営繕建設省に取込む、仕事の量が多くなつて人間をふやさなければならぬ。都市局予算も少いし人間も少い。人間の多いところに局をつくらなければならない。こういうことではないかしらん。しかし仕事の性質は違うのです。さいぜんも上林山議員がおつしやつた通りに、都市局というのは予算が少くても、やはり直接全国の市民あるいは町村民につながるところの行政面がある。また建設省としてはこれを掲げなければいかぬわけである。ところが営繕局というのはコンストラリシヨンなんです。ですからそれをまた今後多く取込もう、あそこの予算も取込もう、ここの予算も取込もうとしますと、建設省の評判はますます悪くなる。また人数がふえたといつて、人数のふえた上に偉いものを持つて行くというのなら、土方の親分が一番偉いことになる。性質が違うのでありますから、人数が多くなつたから営繕局をつくり、都市局は少いからというようなことではなかろうかと推察するわけでございまするが、われわれの感じといたしましてはどうかと実は思つておるわけであります。五つの局を六つにすればいい案もできましようが、なかなかこの辺はむずかしいと思います。  それからもう一つ技監の問題が村瀬さんから出たのでありまするが、これは質問よりも意見にわたつてはなはだ恐れ入りまするが、技監にいたしましても、大臣技術を軽視しない、こういうことを申しております。私たちもそれを信じたいと思うのでありまするが、しかし掲げられた点によりますると、これでもう技術というものは全然だめになつた、こういうふうに感ずるのです。感ずるところに問題がある。それでありまするから、この現在の技監を置いておるという制度が、はなはだしく悪いのならば別問題でありまするが、はなはだしく悪いものでなければ、こういう技監制度を存置しまして、さらにその技監に働きを持たせるところのものでなければならない。現在の技監ならわれわれもいらぬと思います。仕事を與えてないのですから、あるいはやるような仕掛になつていないのですから、この技監をもつと働かせるように、たとえば建設省設置法のいろいろな仕事がありますが、それの第何項々々々の最高の技術はこの技監にやらせるとかいうふうな、もつとこれを改善する方法に出なかつたかということを私ははなはだ惜しむのであります。意見にわたりまするが、もしそれらの点につきまして大臣の御答弁がありますれば聞きたいと思います。
  45. 野田卯一

    野田国務大臣 お示しのような点をわれわれといたしましては相当愼重に研究いたしまして、今回の改正案を出した次第であります。この改正案実施にあたりましては、十分に用心をいたしまして、皆さんの御心配になることのないような結果を必ず生ずるようにいたしたい、こういうように考えております。
  46. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 私は野田さんに、建設局の関係ではございませんが、行政機構改革の線に関する問題といたしまして、当委員会が扱つておりまする調達庁関係の内部のことについては所管大臣お尋ねいたしますが、行政機構に関する問題として一言御所見を伺つておきたいのは、今度調達庁設置法の一部改正案の中に、全国の調達局八局を七局にして、そうして中国、四国を担当いたしておる呉局を大阪局に合併するということになつておるのであります。それはいろいろな理由があることを私も認めます。なおそれに取扱うところの事務等の縮小された点も認めますが、私は野田国務大臣お尋ね申し上げたいのは、こういう機構改革についての簡素化、能率化、現地に即応した問題として考えられる問題は、この呉局を廃止する問題が、いわゆる事務が少いということでは事は納まらぬと思うのであります。もしそうだとすれば、呉局の縮小を考えて、ただ局長は職階制の、あるいは十三級か十四級か知りませんが、そういう一律的な局長を置かなければならぬという観点を持ちますと、縮小されたところはちよつと困ることになりますから、そういうことは従来の各府県の知事が親任官の知事もあり、あるいは勅任一等の知事があり、二等の知事があり、大きい県と小さい果とはいろいろ違つてつた。こういうような建前で非常な厖大な事務を取扱つておる局は、大きい職階制の上級の者を置き、少いものは小さい者を置く。そうしますると、中国、四国という広範囲なものを取扱つておるものは、これに関連したいわゆる不動産の処理、紛争の処置というようなことは、ことごとく地方庁あるいは国警だとか、その地保安庁等の関連も持つのでありまして、中国、四国についてはみな建設省建設局を広島に置き、通産省も広島に置き、あるいは国税庁も広島にこれらを扱つておるものを置いておる。こういう行政全体の立場から考えても、むしろ簡素で能率が非常に上り、もつて及ぼす影響は地方の住民の非常な利得になり、またこれが地方の町村あるいは府県あたりにおいても非常な便宜を来すゆえんだと思うのであります。なせこういう画一的なものを置かなければならぬという観点に立つてこんなことをされたのか。またそういう考えはなしに、業態に即した能率化、簡素化したものを置くという建前で行政機構改革を将来考えようとしておられるか。この点を簡単に一つ答弁願いたいと思います。
  47. 野田卯一

    野田国務大臣 地方の出先機関の問題はなかなかいろいろむずかしい問題がございます。ただいま御指摘の点につきましては、行政管理庁と特別調達庁と十分協議いたしまして、そうして結局お手元に出しましたような案で、まずこの際としては行こうじやないかということでおちついた事情になつております。この点十分御了解願いたいと思います。
  48. 田中角榮

    田中委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止
  49. 田中角榮

    田中委員長代理 速記開始。  この際お諮りいたします。建設省機構改革に関する件及び国土総合開発に関する件の両件に関しましてはその取扱い委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日は散会いたします。     午後三時四十五分散会